JP2641544B2 - 受信アンテナの姿勢制御方法および装置 - Google Patents

受信アンテナの姿勢制御方法および装置

Info

Publication number
JP2641544B2
JP2641544B2 JP63314541A JP31454188A JP2641544B2 JP 2641544 B2 JP2641544 B2 JP 2641544B2 JP 63314541 A JP63314541 A JP 63314541A JP 31454188 A JP31454188 A JP 31454188A JP 2641544 B2 JP2641544 B2 JP 2641544B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
phase angle
azimuth
signal
function
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63314541A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02159802A (ja
Inventor
正博 植松
隆一 平▲塚▼
和郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHISUTEMU YUNIIKUSU KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
SHISUTEMU YUNIIKUSU KK
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP63314541A priority Critical patent/JP2641544B2/ja
Application filed by SHISUTEMU YUNIIKUSU KK, Nippon Steel Corp filed Critical SHISUTEMU YUNIIKUSU KK
Priority to ES89122957T priority patent/ES2049798T3/es
Priority to EP89122957A priority patent/EP0373604B1/en
Priority to US07/449,671 priority patent/US4994812A/en
Priority to DE68913676T priority patent/DE68913676T2/de
Priority to CA002005426A priority patent/CA2005426C/en
Priority to CA002121229A priority patent/CA2121229C/en
Priority to KR1019890018459A priority patent/KR900011074A/ko
Publication of JPH02159802A publication Critical patent/JPH02159802A/ja
Priority to US07/602,558 priority patent/US5073783A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2641544B2 publication Critical patent/JP2641544B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、対局または電波源に対して相対的に移動す
る系内におけるアンテナの姿勢制御に関し、例えば、自
動車等の移動体上で衛星放送受信する場合の受信用アン
テナの制御に関する。
〔従来技術〕
衛星通信が実現してから、固定建造物はもとより、自
動車等の移動体においても衛星からの電波を受信しよう
とする動向が見られるが、放送衛星(対局または電波
源)からの微弱な電波を受信するためには高利得のアン
テナ、すなわち、指向性が鋭いアンテナを使用するた
め、アンテナの姿勢制御が必要になる。
アンテナの姿勢制御は、初期設定時のアンテナ姿勢を
維持するいわゆるバッシブ制御と、電波の到来方向を逐
次検出して放送衛星を追尾するいわゆるアクティブ制御
とに大別される。
前者は、特公昭61−28244公報に開示された衛星通信
用アンテナ装置に見られるように、フライホイールの旋
動安定性を利用したアンテナ姿勢の維持制御が一般的で
あろう。この場合、高い受信安定度を得るためには、大
きなイナーシャを有する大重量のフライホイールが必要
となる。
これに対し、後者は、電波の到来方向の相対的な変化
に応じてアンテナ姿勢を変更するので、受信安定度が電
気的な制御系に求められる。つまり、上記とは逆に、機
械系のイナーシャを小さくしてレスポンスを速くするこ
とが要求されるので、自動車等の小型の移動体に搭載す
る装置にとっては有利である。
また、このアクティブ制御には、1つのアンテナの姿
勢を連続的に変化して電波の到来方向を検出する連続ロ
ービング方式と、複数のアンテナを用いて各アンテナの
受信状態の差違から電波の到来方向を検出する同時ロー
ビング方式があるが、自動車等の小型の移動体上で衛星
放送を受信するのであれば、連続的なアンテナ姿勢の変
化に起因する機械的な振動やフェージング等がない、後
者に優位性があるといえよう。
さらに、この同時ロービング方式は、各アンテナにお
いて受信した信号の振幅成分を利用するものと位相成分
を利用するものに分けられる。前者は、各アンテナの指
向方向をわずかにずらし、各受信信号のレベルの比較に
より電波の到来方向を検出する方法であるが、各アンテ
ナの設置精度やその特性,信号処理回路の電気的特性の
影響を受けやすい。この点、後者は各アンテナの物理的
な関係(配置の間隔)が主たるパラメータとなり、より
安定した制御が得られやすい。
例えば、2つのアンテナにおいて受信した信号の位相
成分を検出する場合を考えてみる。これにおいて、一方
の受信信号と他方の受信信号を乗じ、あるいは一方の受
信信号に90゜移相した他方の受信信号を乗ずることによ
り、その直流分に、一方の受信信号に対する他方の受信
信号の遅れ位相(遅れ位相が負であれば進み位相とな
り、両者は同義と扱う:以下位相角)が余弦関数の値、
あるいは正弦関数の値として得られる。上記位相角は、
2つのアンテナに到来する電波の行程差、すなわち、電
波の到来方向とアンテナの指向方向との偏角によりもた
らされるので、これらの値はその偏角を反映しているこ
とになる。つまり、これらの値の一方に基づいてアンテ
ナの姿勢制御を行なえば良いことになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、位相成分を振幅成分から独立に抽出するこ
とは困難である。したがって、アンテナの指向性が高い
程、アンテナの偏角がもたらす振幅成分の変動が問題と
なり、余弦関数あるいは正弦関数を値として抽出した位
相角による姿勢制御の精度が低下する。
また、上述した到来電波の行程差はアンテナの偏角の
三角関数となるため、抽出した位相角の値はベッセル関
数で与えられる値となる。この値は、アンテナの現実の
偏角に対して遥かに短い交番周期を有するため、誤った
姿勢で制御が安定してしまう、いわゆるポインティング
エラーを生ずる虞れがある。
本発明は、対局または電波源に対して相対的に移動す
る系内において、ポインティングエラーがなく、安定性
と信頼性が高いアンテナの姿勢制御を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明においては、 対局または電波源に対して相対的に移動する系内で、
通信アンテナを該電波源に指向する場合に、 互いに離隔され、かつ、それぞれの放射ビームが平行
に保たれた姿勢変更自在の第1アンテナおよび第2アン
テナを用い、 該第1アンテナの受信信号に対する該第2アンテナの
受信信号の遅れ位相を示す位相角を、第1関数の値、お
よび、該第1関数と直交する第2関数の値として抽出
し、 該第1関数の値と該第2関数の値の比より求めた前記
位相角に対応する位相角情報を、該第1の関数の値の符
号と該第2関数の値の符号の組合せ、あるいはそれらの
いずれか一方の符号が示す該位相角の属する象限の変化
より求めた、前記第1アンテナおよび第2アンテナの基
準姿勢がもたらす基準位相角に対する該位相角の回転を
示す回転情報により補正し、 該補正した位相角情報に基づいて前記通信アンテナの
姿勢を制御する、ものとする。
〔作用〕
これにおいては、外乱等が等しく作用する第1関数の
値と第2関数の値の比より位相角情報を求めているので
外乱等の影響がなくなり、正確な位相情報が得られる。
また、それらをさらに象限の変化の観察に基づく回転情
報により補正しているので、ポインティングエラーがな
く、安定性と信頼性に優れたアンテナの姿勢制御が得ら
れる。
なお、上に述べた構成を拡張し、3以上のアンテナの
直交配置により制御方向の自由度を高くし、あるいは上
記の第1および第2アンテナと通信用アンテナとを共用
することは本発明が当然に予想するところである。
本発明の他の目的および特徴は、以下の図面を参照し
た実施例説明より明らかになろう。
〔実施例〕
第1a図に、本発例を一例で実施する自動車搭載衛星放
送受信システムの構成を示した。このシステムは、車載
バッテリBttを電源として、4枚の平面アンテナ11,12,1
3および14の受信信号の位相差により電波の到来方向
(放送衛星の存在する方向)と各平面アンテナの指向方
向(主ビームが向く方向)との偏角を検出して放送衛星
を追尾する移動受信用のシステムであり、受信した衛星
放送を自動車内に備わるテレビジョンセット6に出力す
る。
4枚の平面アンテナ11,12,13および14は、すべて同特
性であり、一体でアジマス方向および/またはエレベー
ション方向に姿勢変更される。ここで、システムの外観
平面を示した第2a図および外観側面を示した第2b図を参
照されたい。
ここに示したように各平面アンテナ11,12,13および14
は上面が平面のアンテナブラケット15上に設置されてお
り(各アンテナの主ビームは長四角円柱の稜を構成す
る)、外観上は4分割の矩形を形成している(以下これ
らの平面アンテナ11,12,13および14を総称してアンテナ
ユニット1という)。
アンテナブラケット15は軸151により回転台16に回転
自在に支持されており、エレベーショモータMeにより軸
151回りに正逆転される。つまり、エレベーションモー
タMeが正転付勢されるとアンテナユニット1のエレベー
ション回動面内(自動車のルーフに固着されるベース17
に垂直な面内)の指向方向がCW方向(第2b図に示した状
態で定義した方向:つまり仰角が増加する方向)に更新
され、逆転付勢されるとそれがCCW方向(同じく第2b図
に示される状態で定義した方向:つまり仰角が減少する
方向)に更新される。この更新速度は0〜100deg/sの範
囲で連続的に可変であるが、その回動範囲は60゜(ベー
ス17を基準にすると5〜65゜の範囲)に制限されてお
り、各限界はリミットスイッチLuまたはLlにより検出さ
れる。
回転台16は、複数組のアンギュラベアリングを介し
て、ベース17に固着されたシャフト171に回転自在に結
合されている。このシャフト171には、サンギア172が一
体成形されており、そこには回転台16に枢着されたプラ
ネタリギア(図示せず)が噛合っている。このプラネタ
リアギアはアジマスモータMaにより正逆転される。つま
り、アジマスモータMeが正転付勢されるとアンテナユニ
ット1のアジマス回動面内(ベース17に平行な面内)の
指向方向がCW方向(第2a図に示す状態で定義した方向:
つまり自動車が右旋回する方向)に更新され、逆転付勢
されるとCCW方向(同じく第2a図に示す状態で定義した
方向:つまり自動車が左旋回する方向)に更新される。
この更新速度は、0〜100deg/sの範囲で連続的に可変で
あり、回動範囲の制限はない。
なお、アンテナブラケット15の背面には、次に説明す
るBSコンバータ群2,チューナ群3,信号処理回路4および
エレベーションジャイロGeが、回転台16上には制御回路
5,定電圧電源72,アジマスモータドライバDRVa,エレベー
ションモータドライバDRVeおよびアジマスジャイロGaが
それぞれ設置されており、シャフト171にはこれらの電
気要素とテレビジョンユニット6等との接続を行なうた
めのスリップリングユニットSLPおよび非接触型の結合
トランスTrnが備わっている。また、以上説明した各要
素はレードームRDMにより覆われ、ベース17上には冷却
ファン(第1a図に示したモータMにより駆動される)が
取付けられる。
再度第1a図を参照されたい。
平面アンテナ11,12,13および14の給電点は、それぞれ
BSコンバータ21,22,23および24の入力端子に接続されて
いる。各BSコンバータには第1局部発振器LOより共通の
第1局部発振信号が与えられており、それぞれにおい
て、対応する平面アンテナが受信した約12GHzの高周波
信号を約1.3GHzの第1中間周波信号に変換している。
BSコンバータ21,22,23および24の出力端子は、それぞ
れチューナ31,32,33および34の入力端子に接続されてい
る。各チューナには第2局部発振器となる電圧制御発振
器VCOより共通の第2局部発振信号が与えられており、
それぞれにおいて、対応するBSコンバータが出力した第
1中間周波数信号を約403MHzの第2中間周波信号に変換
している。なお、電圧制御発振器VCOの制御電圧は、テ
レビジョンセット6のチャネルセレクタ64より与えられ
る。
各チューナ31,32,33および34の出力端子は、信号処理
回路4の4つの入力端子にそれぞれ接続されている。こ
の信号処理回路の詳細を第1b図を参照して説明する。
これに示したように、信号処理回路4は、5つのスプ
リッタ411,412,413,414および411′,4つのアッテネータ
421,422,423および424,3つのコンバイナ431,432および4
4,ならびに、アジマス位相差検出回路45およびエレベー
ション位相差検出回路46でなる。
スプリッタ411,412,413,414および411′はすべて同特
性であり、入力信号を2分配する。つまり、スプリッタ
411および411′により端子aに入力するチューナ31の出
力信号を3分配し、スプリッタ412により端子bに入力
するチューナ32の出力信号を2分配し、スプリッタ413
により端子cに入力するチューナ33の出力信号を2分配
し、スプリッタ414により端子dに入力するチューナ34
の出力信号を2分配する(ただし、スプリッタ414の一
方の出力端子は終端されている)。
各アッテネータ421,422,423および424は、分配された
各信号のレベル調整を行ない、コンバイナ431,432およ
び44は、アッテネータにより調整された各信号、すなわ
ち、チューナ31,32,33および34の出力信号を合成する。
合成した信号は、結合トランスTrnを介してテレビジョ
ンセット6の受信ユニット61に与えられる。受信ユニッ
ト61では、この信号を復調して映像および音声をCRTデ
ィスプレイ62およびスピーカ63r,63lを介して出力す
る。
アジマス位相差検出回路45は、チューナ31および32の
出力信号よりアジマス回動面内での電波の到来方向とア
ンテナ指向方向とのずれ角(アジマス偏角)を反映する
アジマス誤差信号を生成し、エレベーション位相差検出
回路46は、チューナ31および33の出力信号よりエレベー
ション回動面内での電波の到来方向とアンテナ指向方向
とのずれ角(エレベーション偏角)を反映するエレベー
ション誤差信号を生成する。これらの回路の詳細は、第
1c図および第1d図に示したとおりであるが、その説明に
進む前に、アジマス偏角およびエレベーション偏角の検
出原理について説明する。
アンテナブラケット15上に配された各平面アンテナ1
1,12,13および14の間隔は、放送衛星から地表面までの
距離に比べれば問題外に小さいが、受信する電波の波長
に比べれば決して小さくはない。つまり、各平面アンテ
ナ11,12,13および14が受信する電波の信号強度は常時等
しくなるが、その位相は必ずしも等しくはない。
ここで第3a図を参照されたい。この図は、アジマス回
動面内で離隔されている1組の平面アンテナ、すなわ
ち、平面アンテナ11と12、あるいは平面アンテナ13と14
を、軸Paz回りに回転する間隔Laで配置されたアンテナA
nt1およびAnt2によりシンボライズしたものであり、破
線は各アンテナの指向方向を、1点鎖線は放送衛星から
の電波(放送衛星から地表面までの距離に比べて間隔La
が問題外に小さいので実質的に平行波と見做せる)を、
2点鎖線はその電波面を示している。
いま、アジマス偏角がΘ(電波の到来方向を基準とし
てCCW方向を正とする)であったとする。この場合、ア
ンテナAnt1に到達する電波はアンテナAnt2に到達する電
波よりlaだけ余分な行程を進むために位相が遅れる。つ
まり、アンテナAnt1の受信信号をsinωtと表わせば、
アンテナAnt2の受信信号は、 sinω(t+la/c) =sin(ωt+2π・La・sinΘ/λ) ……(1) と表わされる。
ただし、ωは電波の角速度、cは伝搬速度、λは波長
である。
ここで、位相角2π・La・sinΘ/λをθと置いてア
ンテナAnt1の受信信号とアンテナAnt2の受信信号とを乗
ずると、 sinωt・sin(ωt+θ) ={cosθ−cos(2ωt+θ)}/2 ……(2) なる信号が得られ、また、アンテナAnt1の受信信号と90
゜移相したアンテナAnt2の受信信号とを乗ずると、 −sinωt・cos(ωt+θ) ={sinθ−sin(2ωt+θ)}/2 ……(3) なる信号が得られる。したがって、これらの信号の直流
分を抽出することにより、アンテナAnt1の受信信号とア
ンテナAnt2の受信信号との位相差を余弦および正弦で示
したアジマス誤差信号cosθおよびsinθが求まり、アジ
マス偏角Θを知ることができる。
このアジマス偏角Θと同様にしてエレベーション偏角
Φ(電波の到来方向を基準としてCCW方向を正とする)
を知ることができる。第3b図を参照されたい。この図
は、エレベーション回動面内で離隔されている1組の平
面アンテナ、すなわち、平面アンテナ11と13、あるいは
平面アンテナ12と14を、軸Pel回りに回転する間隔Leで
配置されたアンテナAnt3およびAnt4によりシンボライズ
したものであり、これにおいて、Ant3の受信信号をsin
ωtと表わせば、アンテナAnt4の受信信号の位相の進み
(位相角)φは、2π・Le・sinΦ/λとなる。そこ
で、上記同様に、アンテナAnt3の受信信号にアンテナAn
t4の受信信号をそのまま、あるいは90゜移相して乗じ、 sinωt・sin(ωt+φ) ={cosφ−cos(2ωt+φ)}/2 ……(4) −sinωt・cos(ωt+φ) ={sinφ−sin(2ωt+φ)}/2 ……(5) なる信号を得て、各直流分を抽出することにより、アン
テナAnt3の受信信号とアンテナAnt4の受信信号との位相
差を余弦および正弦で示したエレベーション誤差信号co
sφおよびsinφが求まる。
ただし、上記のように、各アンテナの位相差θおよび
φが幾何学的に連続な関数、すなわち、2π・La・sin
Θ/λおよび2π・Le・sinΘ/λとして検出し得るア
ンテナの角度範囲は、用いるアンテナの指向特性のうち
メインローブ内に限られる。
このように、アジマス誤差信号とエレベーション誤差
信号とは全く同じ手順で求まるので第1c図および第1d図
に示したように、アジマス位相差検出回路45とエレベー
ション位相差検出回路46とは同構成になっている。
簡単な動作説明を付加すると、アジマス位相差検出回
路45においては、平面アンテナ11の受信信号(端子a′
の入力=チューナ31の出力)をスプリッタ451で2分配
し、平面アンテナ12の受信信号(端子b′の入力=チュ
ーナ32の出力)を90゜スプリッタ452により一方はその
まま、他方は90゜移相して分配し、それぞれミキサ453
または454で乗じた後、ローフィルタ455または456によ
り交流分を除去して余弦および正弦関数の値で表わした
(以下、“余弦表現”、あるいは“正弦表現”という)
アジマス誤差信号cosθおよびsinθを抽出している。
また、エレベーション位相差検出回路46においては、
平面アンテナ11の受信信号(端子a″の入力=チューナ
31の出力)をスプリッタ461で2分配し、平面アンテナ1
3の受信信号(端子c′の入力=チューナ33の出力)を9
0゜スプリッタ462で一方はそのまま、他方は90゜移相し
て分配し、それぞれをミキサ463または464で乗じた後、
ローフィルタ465または466により交流分を除去して余弦
および正弦表現のエレベーション誤差信号cosφおよびs
inφを抽出している。
これらの余弦および正弦表現のアジマス誤差信号cos
θおよびsinθならびに余弦および正弦表現のレベーシ
ョン誤差信号cosφおよびsinφは、制御回路5に与えら
れる。
ところで上記の説明においては、到来電波をsinωt
という形に単純化して示したが、実際には信号強度成分
等を含んでいる。これが常に一定であれば上記の単純化
したモデルと同様にこの強度成分に対する考慮の必要は
なく、アジマス偏角Θを知るためには余弦および正弦表
現のアジマス誤差信号cosθおよびsinθのいずれか一方
の検出で足り、エレベーション偏角Φを知るためには余
弦および正弦表現のエレベーション誤差信号cosφおよ
びsinφのいずれか一方の検出で足る。しかし、放送衛
星の受信点までの距離変化がもたらす信号強度の変化は
無視できるも、電波の到来方向に対するアンテナ指向方
向のずれによるアンテナゲインの低下や、受信環境の変
化等がもたらす信号強度の変化は無視できるものではな
く、アジマス誤差信号およびエレベーション誤差信号の
大きさに強く影響する。ただし、この影響も同時に抽出
される余弦表現のアジマス誤差信号cosθと正弦表現の
アジマス誤差信号sinθとの間、あるいは、余弦表現の
エレベーション誤差信号cosφと正弦表現のエベーショ
ン誤差信号sinφとの間では等しく作用するので、本実
施例においては、余弦表現のアジマス誤差信号cosθと
正弦表現のアジマス誤差信号sinθとの比、すなわちtan
θおよび、余弦表現のエレベーション誤差信号cosφと
正弦表現のエレベージョン誤差信号sinφとの比、すな
わちtanφを用いてその影響を除している(以下この意
味からこれらtanθ,tanφを絶対誤差という)。
例えば第4a図は、アジマス方向の位相角θを横軸とし
て余弦および正弦表現のアジマス誤差信号cosθおよびs
inθをそれぞれ示したグラフであり、第4b図は両誤差信
号の2乗平均を求めて振幅成分を抽出し、位相角θとの
関係を示したグラフ(アジマス回動面内における指向特
性曲線となる)である。これらのグラフを参照してわか
るように、振幅成分は位相角θにより大きく変動してい
るが、その変動は位相角θを等しくする各アジマス誤差
信号cosθおよびsinθに等しく作用しているのでこれら
のとの比tanθの振幅成分は“1"となり、第4c図に示し
たように不偏的な正接曲線が得られる。
つまり、この絶対アジマス誤差tanθよりアジマス位
相角θが正しく与えられるのであるが、ここで注意しな
げればならないことは、前述したように、この位相角θ
は、平面アンテナ11の受信信号と平面アンテナ12の受信
信号との位相差、すなわち(2π・La・sinΘ/λ)を
示すものであり、実際のアジマス偏角Θとは第4b図下端
に示した関係にあるということである。より具体的な説
明のために第5a図に、余弦および正弦表現のアジマス誤
差信号cosθおよびsinθを用いて、(x,y)=(sinθ,j
cosθ)なる座標により示したアジマス誤差信号のリサ
ージュ図を示したが、これに示されるように、基準、す
なわち、位相の回転を明らかにしない限り、1組のアジ
マス誤差信号cosθおよびsinθから1つの位相角θを特
定することはできない。
そこで本実施例においては、1組のアジマス誤差信号
cosθ,sinθが最大の振幅成分を与えるとき、位相の回
転の基準を設定し、位相角θを特定している。また、こ
のようにして求めた位相角θを、第4d図に示すように、
(1000‥‥0)を基準(位相角0゜)にして1象限を
2n分割とする16ビットの数値データ(オフセットデー
タ)で表わし、CW方向の回転を正としてそれを増減して
いる。したがって、このオフセトデータは、第5b図に示
すように、LSB〜第nビットで象限内の位相角(角度デ
ータ)を、第n+1,n+2ビットで象限(象限データ)
を、第n+3〜n+4ビットで位相の回転数(回転デー
タ)を、第n+8ビットで位相の回転方向(極性デー
タ)を示すものとなる。
さて制御回路5は、上記のようにして信号処理回路4
より与えられた余弦および正弦表現のアジマス誤差信号
cosθおよびsinθ,ならびに余弦および正弦表現のエレ
ベーション誤差信号cosφおよびsinφより各n+8ビッ
トのアジマスオフセットデータ(Da)およびエレベーシ
ョンオフセットデータ(De)を求めると、前者をアジマ
スモータドライバDRVaに後者をエレベーションモータド
ライバDRVeにそれぞれ転送する。各モータドライバで
は、(1000‥‥0)を基準にする各オフセットデータ
の偏差に比例した速度でアジマスモータMaあるいはエレ
ベーションモータMeを正逆転付勢する。
一方、今までの説明よりすでに明らかであろうが、自
動車のトンネル等に差掛かり、アンテナユニット1が遮
蔽されて充分な受信信号が得られないときには各誤差信
号に基づいて各オフセットデータを求めることは叶わな
い。そのような場合、本実施例の制御回路5では、回転
台16上に備わるアジマスジャイロGaおよびアンテナブラ
ケット15の背面に備わるエレベージョンジャイロGeが検
出する偏角信号(リセット後のジャイロの相対的偏角に
対応する電気信号)に基づいて各オフセットデータを作
成し、受信状態が回復したときの受信再開の迅速化を図
っている。
以下、制御回路5のより詳細な動作について、第6a図
〜第6c図に示したフローチャートを参照して説明する。
テレビジョンセット6の電源スイッチ65が投入され、
昇圧回路71からスリップリングを介して定電圧電源72に
AC100Vが供給されると、定電圧電源72は適宜必要な電圧
を各部に供給する。これにより本システムは立上り、制
御回路5は構成各部を初期化する(ステップ1)。この
後、各部のウォームアップ等に要する時間を待機してか
ら(ステップ2)、エレベージョンモータドライバDRVe
に適当なエレベーションオフセットデータDeを与えてリ
ミットスイッチLl(LLセンサ)がエレベーション回動の
下限を検出するまでエレベーションモータMeの逆転付勢
を指示する(ステップ3,4)。これが終了すると、タイ
マTをクリア&スタート(ステップ5)して電波の到来
方向の探索を開始する。
この探索は、受信信号強度に対応する各アジマス誤差
信号cosθおよびsinθの自乗平均より求まる振幅データ
を根拠として行なう。つまり、信号処理回路4から与え
られる余弦および正弦表現のアジマス誤差信号cosθお
よびsinθを読み取って(ステップ6)その自乗平均
(アジマス振幅データRan)を求め(ステップ7)、そ
の値と閾値THasとを比較する(ステップ8:第4b図参
照)。このとき、アジマス振幅データRanが閾値THas以
下であれば、アジマスモータドライバDRVaに適当なアジ
マスオフセットデータDaを与えてアジマスモータMaの正
転付勢を指示し(ステップ10)、アジマス回動面内の指
向方向を更新する(ステップ11:更新完了待ち)。
このように、アジマス回動面内の指向方向を逐次更新
しながらアジマス振幅データRanと閾値THasとの比較を
繰り返すと、約Tr時間でアンテナユニット1はアジマス
回動面内を一周する。そこで、タイマTの値がTr時間を
越えたときには(ステップ9)、リミットスイッチLu
(LLセンサ)がエレベーション回動の上限を検出してい
ないことを条件に(ステップ12)エレベーションモータ
ドライバDRVaに適当なエレベーションオフセットデータ
Deを与えてエレベーションモータMeの正転付勢を指示し
(ステップ13)、エレベーション回動面内の指向方向を
更新してから(ステップ14:更新完了待ち)、再度ステ
ップ5以下を繰り返す。つまり、これにおいては、螺線
状に指向方向を更新するヘリカルスキャニングを行なっ
ている。
リミットスイッチLu(LLセンサ)によりエレベーショ
ン回動の上限が検出されるまでの間にアジマス振幅デー
タRanが閾値THasを超えなければ、相当時間を待機(ス
テップ15)した後、再び上記のヘリカルスキャニングを
開始するが、それが閾値THasを超えたときにはヘリカル
スキャニング中止(ステップ8)してピーク検出を開始
する。
このピーク検出も振幅データを根拠として行なうが上
記の探索に比べてより細かい制御となっている。以下、
説明を続ける。
まず、アジマストグルカウンタTCaおよびエレベーシ
ョントグルカウンタTCeをクリアし、アジマス過去振幅
データRapおよびエレベーション過去振幅データRepをク
リアすると(ステップ20)、アジマスモータドライバDR
Vaに適当なアジマスオフセットデータDaを与えてアジマ
スモータMaの正転付勢を指示し(ステップ21)、それま
でのアジマス振幅データRanをアジマス過去振幅データR
apとして退避する(ステップ22)。
これによりアジマス回動面内の指向方向が微小更新さ
れるまで待ち(ステップ23)、更新後の各アジマス誤差
信号cosθおよびsinθを読み取って(ステップ24)その
ときのアジマス振幅データRanを求め(ステップ26)、
更新前のアジマス過去振幅データRapと比較する(ステ
ップ27)。
このとき、アンテナ1の指向方向が電波の到来方向に
近付いたのであれば、アジマス振幅データRanがアジマ
ス過去振幅データRapより大きくなり、逆に、離れたの
であればアジマス振幅データRanがアジマス過去振幅デ
ータRapより小さくなる(第4b図参照)。前者の場合に
はそのままの更新方向で指向方向の微小更新およびアジ
マス振幅データの増減の検討を繰り返せば良いが、後者
の場合には更新方向の逆転が必要となる。この更新方向
の判定にトグルカウンタTCaのLSBを用いている。つま
り、アジマス過去振幅データRapがアジマス振幅データR
anより大きくなるとトグルカウンタTCaを1インクリメ
ントし(ステップ28)、トグルカウンタTCaのLSBが“0"
のときには正方向の、“1"のときには逆方向の指向方向
の微小更新を行なう(ステップ29,30or29,21)。
このように、アジマス過去振幅データRapがアジマス
振幅データRanより大きくなる毎にトグルカウンタTCaを
1インクリメントしているので、トグルカウンタTCaの
値が3以上であればアジマス回動面内で電波の到来方向
を少なくとも2回通過していることになり、アジマス回
動面に関しては電波の到来方向とアンテナ1の指向方向
がほぼ一致した状態にある。そこで、アジマス回動面に
関するピーク検出についてはこれで終了し、同様にして
エレベーション回動面に関するピーク検出を行なう。こ
のエレベーション回動面に関するピーク検出については
アジマスとエレベーションの読換え以外は上記と全く同
じ説明となるため省略する。
アジマスおよびエレベーション回動面に関するピーク
検出を終了すると、アンテナ1の指向方向が電波の到来
方向にほぼ一致するので、アジマスジャイロGaおよびエ
レベーションジャイロGeをリセットし(ステップ41)、
アジマス位相角およびエレベーション位相角の象限を判
定する(ステップ42〜45)。ここでは、各アジマス誤差
信号cosθおよびsinθの符号が、 (+,+)であれば第1象限を示す(10000000)を、
(−,+)であれば第2象限を示す(01111111)を、
(−,−)であれば第3象限を示す(01111110)を、
(+,−)であれば第4象限を示す(10000001)をAa
レジスタに格納し、各エレベーション誤差信号cosφお
よびsinφの符号が、 (+,+)であれば第1象限を示す(10000000)を、
(−,+)であれば第2象限を示す(01111111)を、
(−,−)であれば第3象限を示す(01111110)を、
(+,−)であれば第4象限を示す(10000001)をAe
レジスタに格納する。
次に、余弦表現のアジマス誤差信号cosθと正弦表現
のアジマス誤差信号sinθとの比、すなわち絶対アジマ
ス誤差tanθの値に対応する位相角を示す角度データ(9
0゜を2n分割した値)、および余弦表現のエレベーショ
ン誤差信号cosφと正弦表現のエレベーション誤差信号s
inφの比、すなわち絶対エレベーション誤差tanφの値
に対応する位相角を示す角度データをROMテーブルから
読み取り(ステップ50)、それぞれBaレジスタあるいは
Beレジスタに格納する(ステップ51)。
さらに、Aaレジスタの値をアジマスオフセットデータ
DaのMSB〜第n+1ビット(Da(n+8)〜Da(n+
1))に、Baレジスタの値を第nビット〜LSB(Da
(n)〜Da(0))に、Aeレジスタの値をエレベーショ
ンオフセットデータDeのMSB〜第n+1ビット(De(n
+8)〜De(n+1))に、Beレジスタの値を第nビッ
ト〜LSB(De(n)〜De(0))に、それぞれ格納する
と(ステップ51)、アジマスオフセットデータDaをアジ
マスモータドライバDRVaに与えてアジマスモータMaの付
勢を指示し、エレベーションオフセットデータDeをエレ
ベーションモータドライバDRVeに与えてエレベーション
モータMeの付勢を指示する(ステップ52)。
これによりアンテナユニット1が駆動されるので、姿
勢変化後の各アジマス誤差信号cosθおよびsinθならび
に各エレベーション誤差信号cosφおよびsinφを読み取
って(ステップ53)、そのときのアジマス振幅データRa
nおよびエレベーション振幅データRenを求める(ステッ
プ54)。このとき、アジマス振幅データRanが閾値THag
を超えていれば読み取った各誤差信号は信頼に足るもの
と判定し(ステップ55)、さらにアジマス振幅データRa
nが閾値THar(THar>THag)を超えていればアジマス回
動面内の指向方向と電波の到来方向の一致度は高いもの
と判定してアジマスジャイロGaをリセットし(ステップ
56,57)、エレベーション振幅テータRenが閾値THerを超
えていればエレベーション回動面内の指向方向と電波の
到来方向の一致度は高いものと判定してエレベーション
ジャイロGeをリセットする(ステップ58,59)。
続いて、ステップ53において読み取った各アジマス誤
差信号cosθおよびsinθの符号から前述と同様にして姿
勢変化後のアジマス位相角の象限を求め、それとアジマ
スオフセットデータDaの第n+1,n+2ビット(Da(n
+1),Da(n+2))に格納している姿勢変化前にア
ジマス位相角の象限とを比較してアジマス位相角の象限
渡りを判定する(ステップ60)。このとき、CW方向の象
限渡りありと判定すればAaレジスタ(アジマスオフセッ
トデータDaの上位8ビットのデータを格納している)の
値を1インクリメントし(ステップ61)、CCW方向の象
限渡りありと判定した場合にはそれを1デクリメントす
る(ステップ62)。
これと同様にエレベーション位相角の象限渡りを判定
し(ステップ64)、Aeレジスタ(エレベーションオフセ
ットデータDeの上位8ビットのデータを格納している)
の値を更新するとステップ50に戻り、上記を繰り返す。
ところで、すでに述べたように本実施例においては、
アジマス回動面内の指向方向と電波の到来方向の一致度
が高いと判定したときにはアジマスジャイロGaを、エレ
ベーション回動面内の指向方向と電波の到来方向の一致
度が高いと判定したときにはエレベーションジャイロGe
を、それぞれリセットしている(ステップ56〜59)。し
たがって、アジマスジャイロGaが出力するアジマスジャ
イロデータgθは、最も近い過去においてアジマス回動
面内でのアンテナユニット1の指向方向と電波の到来方
向の一致度が高いとの判定があった指向方向を基準とす
るアジマス回動面内のアンテナユニット1の指向方向の
偏角(前述のアジマス偏角と基準が異なるためこの語を
用いている:エレベーションに関して同じ)を、エレベ
ーションジャイロGeが出力するエレベーションジャイロ
データgφは、最も近い過去においてエレベーション回
動面内でのアンテナユニット1の指向方向と電波の到来
方向の一致度が高いとの判定があった指向方向を基準と
するエレベーション回動面内のアンテナユニット1の指
向方向の偏角を、それぞれ示すことになる。そこで、自
動車がトンネル内やビル蔭等を走行することによりアン
テナユニット1が遮蔽されて充分な受信信号が得られな
くなった場合(アジマス振幅データRanが閾値THag以下
に低下した場合:ステップ55)には、アジマスジャイロ
データgθおよびエレベーションジャイロデータgφを
読み取り(ステップ66)、それらに基づいてアジマスオ
フセットデータDaおよびエレベーションオフセットデー
タDeを求め(ステップ67)、それぞれアジマスモータド
ライバDRVaあるいはエレベーションモータドライバDRVe
に与えてアジマスモータMaあるいはエレベーションモー
タMeの付勢を指示している(ステップ68)。
この後、受信環境が好転し、アンテナユニット1から
充分な受信信号が得られるようになると(アジマス振幅
データRanが閾値THagを超える:ステップ55)、各ジャ
イロ信号に基づく制御を終了して各誤差信号に基づく制
御を再開する。
以上で本実施例装置の動作説明を終るが、ここでその
特徴を簡単に列挙しておく。
(1)一体で姿勢変更される4枚の平面アンテナから得
られる各受信信号の遅れ位相を示す位相角より電波の到
来方向に対するアンテナの指向方向のずれ、すなわちア
ンテナ偏角を検出しているので、トラッキングに起因す
るフェージング等の発生がない。
(2)アンテナ偏角がもたらす受信信号間の遅れ位相を
示す位相角を余弦関数および正弦関数の値として検出
し、比を求めて振幅成分を相殺しているので、アンテナ
偏角や受信環境等に起因する振幅変動に影響されない安
定したトラッキングが得られる。
(3)上記余弦関数および正弦関数の値として検出した
位相角の自乗平均により求めた受信信号の強度成分に基
づいてヘリカルスキャニングを行ない、さらにピーク検
出を行なって電波の到来方向を探索しているので、アン
テナの初期設定に対する信頼性が高い。
(4)アンテナ偏角がもたらす受信信号の遅れ位相を示
す位相角を2つの直交関数の値として検出し、各値の符
号から位相角の象限を求め、回転を含めた絶対的な位相
角(電波の到来方向とアンテナの指向方向が一致してい
るときの位相角を基準にする)を用いているのでポイン
ティングエラーのない、正確なトラッキングが可能にな
る。
(5)アンテナの遮蔽等により充分な受信信号が得られ
なくなった場合にはジャイロデータによりアンテナ偏角
(厳密には、正しいトラッキングが行なわれていたとき
のアンテナの指向方向を基準とする偏角)を求めて姿勢
制御を行なっているので受信環境回復時のトラッキング
再開が迅速に行なわれる。
(6)位相角による姿勢制御を行なっている間におい
て、電波の到来方向とアンテナの指向方向との一致度が
高いと判定する毎にジャイロをリセットしているので、
ジャイロのドリフトの影響を受けにくく、慣性モーメン
トの小さい小型軽量のジャイロを用いることができる。
なお、上記実施例においては全可動範囲のヘリカルス
キャニングを行なっているが、受信地域入力によりスキ
ャン範囲を限定し、あるいは、手動調整によるセッティ
ングに替え、もしくは併用しても良い。
また、上記実施例においてはジャイロリセットのため
の閾値が固定であるが、例えばヘリカルスキャニングお
よびピーク検出によるアンテナの初期設定を完了したと
きの受信信号の強度成分に基づいてこれらの閾値を設定
しても良い。加えて、受信信号の強度成分に因ることな
く、誤差信号に基づく制御を行なう毎に(つまりステッ
プ56および58をなくし)、各ジャイロをリセットする変
形も考えられるが、受信環境の劣下の前には電波の周り
込み等があり、受信信号の強度成分の低下があることを
考慮すれば上記実施例による方が合理的といえよう。
さらに、上記実施例においては、アンテナユニット1
の各平面アンテナが受信アンテナを兼ねているが、これ
らを機能的に分離しても良い。つまり、上述した電波の
到来方向に追随する機能を担うパイロットアンテナ装置
と、衛星放送を受信する受信アンテナ装置に分離し、パ
イロットアンテナ装置の姿勢データにより受信アンテナ
装置の姿勢を制御する。この場合、パイロットアンテナ
装置の各アンテナに要求されるゲインが小さくて済むの
でその装置が軽量小型化し、応答性を高くすることがで
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明においては、 対局または電波源に対して相対的に移動する系内で、
通信アンテナを該電波源に指向する場合に、 互いに離隔され、かつ、それぞれの放射ビームが平行
に保たれた姿勢変更自在の第1アンテナおよび第2アン
テナを用い、 該第1アンテナの受信信号に対する該第2アンテナの
受信信号の遅れ位相を示す位相角を、第1関数の値、お
よび、該第1関数と直交する第2関数の値として抽出
し、 該第1関数の値と該第2関数の値の比より求めた前記
位相角に対応する位相角情報を、該第1関数の値の符号
と該第2関数の値の符号の組合せ、あるいはそれらのい
ずれか一方の符号が示す該位相角の属する象限の変化よ
り求めた、前記第1アンテナおよび第2アンテナの基準
姿勢がもたらす基準位相角に対する該位相角の回転を示
す回転情報により補正し、 該補正した位相角情報に基づいて前記通信アンテナの
姿勢を制御している。
つまり、外乱等が等しく作用する第1関数の値と第2
関数の値の比より位相角情報を求めているので外乱等の
影響がなくなり、正確な位相情報が得られる。また、そ
れをさらに象限の変化の観察に基づく回転情報により補
正しているので、ポインティングエラーがなく、安定性
と信頼性に優れたアンテナの姿勢制御が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1a図は本発明を一例で実施する自動車搭載衛星放送受
信システムの構成を示すブロック図,第1b図はその一部
を詳細に示すブロック図,第1c図および第1d図はさらに
その一部を詳細に示すブロック図である。 第2a図は実施例のシステムの機構部の外観平面図であ
り、第2b図はその外観側面図である。 第3a図および第3b図は実施例のシステムにおけるアンテ
ナ偏角の検出を説明するための説明図である。 第4a図はアジマス誤差信号を示すグラフ,第4b図はその
自乗平均を示すグラフ,第4c図はその比を示すグラフで
ある。 第4d図はオフセットデータの連続性を説明するためのグ
ラフである。 第5a図は位相角の回転を説明するための説明図である。 第5b図はオフセットデータの構成を示す模式図である。 第6a図,第6b図および第6c図は第1a図に示した制御回路
5の動作例を示すフローチャートである。 1:アンテナユニット 11〜14:平面アンテナ(第1,第2アンテナ) 15:アンテナブラケット 16:回転台、17:ベース 15〜17:(支持手段) 2:BSコンバータ群 3:チューナ群 4:信号処理回路(位相角抽出手段) 5:制御回路(位相角情報検出手段,回転情報検出手段,
位相角情報補正手段) 6:テレビジョンセット 7:電源装置 Ma,Me:モータ(駆動装置) DRVa,DRVe:モータドライバ(付勢制御手段) Ga,Ge:ジャイロ Trn:結合トランス SLP:スリップリングユニット
フロントページの続き (72)発明者 加藤 和郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田79―2 シス テム・ユニークス株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−124603(JP,A) テレビジョン学会技術報告Vol. 12,No.23(RE’88−20),P.47 〜52(1988年6月)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対局または電波源に対して相対的に移動す
    る系内で、通信アンテナを該電波源に指向する場合に、 互いに離隔され、かつ、それぞれの放射ビームが平行に
    保たれた姿勢変更自在の第1アンテナおよび第2アンテ
    ナを用い、 該第1アンテナの受信信号に対する該第2アンテナの受
    信信号の遅れ位相を示す位相角を、第1関数の値、およ
    び、該第1関数と直交する第2関数の値として抽出し、 該第1関数の値と該第2関数の値の比より求めた前記位
    相角に対応する位相角情報を、該第1の関数の値の符号
    と該第2関数の値の符号の組合せ、あるいはそれらのい
    ずれか一方の符号が示す該位相角の属する象限の変化よ
    り求めた、前記第1アンテナおよび第2アンテナの基準
    姿勢がもたらす基準位相角に対する該位相角の回転を示
    す回転情報により補正し、 該補正した位相角情報に基づいて前記通信アンテナの姿
    勢を制御する、 アンテナの姿勢制御方法。
  2. 【請求項2】前記通信アンテナと、前記第1および第2
    アンテナとを共用する、前記特許請求の範囲第(1)項
    記載のアンテナの姿勢制御方法。
  3. 【請求項3】第1アンテナおよび第2アンテナ; 対局または電波源に対して相対的に移動する系内で、前
    記第1アンテナおよび前記第2アンテナを、互いに離隔
    し、かつ、それぞれの放射ビームを平行に保持して支持
    する、姿勢変更自在の支持手段; 前記支持手段を駆動する駆動手段; 前記駆動手段を付勢して前記支持手段の基準姿勢を設定
    する基準姿勢設定手段; 前記第1アンテナの受信信号に対する前記第2アンテナ
    の受信信号の遅れ位相を示す位相角を第1関数の値とし
    て表わした第1位相角信号、および、該第1関数と直交
    する第2関数の値として表わした第2位相角信号、を検
    出する位相角抽出手段; 前記第1位相角信号と前記第2位相角信号の比より前記
    位相角に対応する位相角情報を検出する位相角情報検出
    手段; 前記第1位相角信号の符号および前記第2位相角信号の
    符号の組合せ、あるいはそれらのいずれか一方の符号よ
    り前記位相角の属する象限を検出し、該象限の変化よ
    り、前記支持手段の基準姿勢がもたらす位相角を基準に
    した前記位相角の回転を示す回転情報を検出する回転情
    報検出手段; 前記回転情報により、前記位相角情報を補正して補正位
    相角情報を生成する位相角情報補正手段;および、 前記補正位相角情報に基づいて前記駆動手段を付勢する
    付勢制御手段; を備えるアンテナの姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】前記基準姿勢設定手段は、前記駆動手段を
    付勢して、前記第1アンテナの受信信号および前記第2
    アンテナの受信信号が最大となる前記支持手段の姿勢を
    探索し、前記支持手段の基準姿勢を設定する、前記特許
    請求の範囲第(3)項記載のアンテナの姿勢制御装置。
JP63314541A 1988-12-13 1988-12-13 受信アンテナの姿勢制御方法および装置 Expired - Lifetime JP2641544B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63314541A JP2641544B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 受信アンテナの姿勢制御方法および装置
EP89122957A EP0373604B1 (en) 1988-12-13 1989-12-12 Direction tracking antenna system
US07/449,671 US4994812A (en) 1988-12-13 1989-12-12 Antenna system
DE68913676T DE68913676T2 (de) 1988-12-13 1989-12-12 Antennensystem mit Richtungsverfolgung.
ES89122957T ES2049798T3 (es) 1988-12-13 1989-12-12 Sistema de antena de seguimiento de direccion.
CA002005426A CA2005426C (en) 1988-12-13 1989-12-13 Antenna apparatus
CA002121229A CA2121229C (en) 1988-12-13 1989-12-13 Antenna apparatus
KR1019890018459A KR900011074A (ko) 1988-12-13 1989-12-13 안테나 장치
US07/602,558 US5073783A (en) 1988-12-13 1990-10-24 Antenna system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63314541A JP2641544B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 受信アンテナの姿勢制御方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02159802A JPH02159802A (ja) 1990-06-20
JP2641544B2 true JP2641544B2 (ja) 1997-08-13

Family

ID=18054535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63314541A Expired - Lifetime JP2641544B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 受信アンテナの姿勢制御方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2641544B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2731301B2 (ja) * 1991-06-05 1998-03-25 松下電工株式会社 追尾アンテナの駆動装置
JP2626686B2 (ja) * 1991-06-26 1997-07-02 新日本製鐵株式会社 移動体用アンテナ装置
JP2594483B2 (ja) * 1991-12-10 1997-03-26 新日本製鐵株式会社 自動追尾式衛星放送受信アンテナ装置
JP2544691B2 (ja) * 1991-12-10 1996-10-16 新日本製鐵株式会社 衛星放送受信アンテナ装置
JP2565070Y2 (ja) * 1992-05-25 1998-03-11 三輪精機株式会社 静止衛星追尾用車載アンテナ装置
JPH07336127A (ja) * 1994-06-09 1995-12-22 Nec Corp アンテナ追尾誤差検出装置および方法
WO1997033342A1 (fr) * 1996-03-08 1997-09-12 Nippon Steel Corporation Antenne reseau plan

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128244A (ja) * 1984-02-28 1986-02-07 Nec Corp デイジタル信号処理装置
JPS6226904A (ja) * 1985-07-27 1987-02-04 Tokyo Keiki Co Ltd 通信装置
JPS62172803A (ja) * 1986-01-27 1987-07-29 Matsushita Electric Works Ltd 平面アンテナ

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
テレビジョン学会技術報告Vol.12,No.23(RE’88−20),P.47〜52(1988年6月)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02159802A (ja) 1990-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106712866B (zh) 一种动中通端站系统及系统的跟踪方法
US4994812A (en) Antenna system
JPH0629716A (ja) 自動追尾式衛星放送受信アンテナ装置
JP2641544B2 (ja) 受信アンテナの姿勢制御方法および装置
JP2544691B2 (ja) 衛星放送受信アンテナ装置
JP3553582B2 (ja) 飛翔体の誘導装置及びその誘導方法
JP2902407B2 (ja) アンテナ装置
JP3155875B2 (ja) 電子ビーム走査アンテナ装置
JPH06130138A (ja) 電波到来方位・偏波計測用アンテナ装置、電波到来方位・偏波計測装置及びアンテナ指向装置
JP2877823B2 (ja) 受信アンテナの姿勢制御方法および装置
JP3110829B2 (ja) 衛星放送受信アンテナ装置
JPH07321533A (ja) 衛星追尾アンテナ装置
JPH01261005A (ja) アンテナ装置
JP3051793B2 (ja) 自動追尾アンテナ装置
JP2550274B2 (ja) 移動体用アンテナ装置
CA2121229C (en) Antenna apparatus
JP3122579U (ja) アンテナ追尾装置及びアンテナ
JP3157976B2 (ja) 移動体用アンテナマウント
JP2768392B2 (ja) 追尾アンテナ装置
JP2637991B2 (ja) ビームスキャン追尾装置
JPH08204430A (ja) 追尾アンテナ装置
JPS6197582A (ja) アンテナ追尾装置
JPH02124603A (ja) 受信アンテナの姿勢制御方法および装置
JPH0750513A (ja) 静止衛星追尾用移動体アンテナ装置
JPS63298183A (ja) ビ−ムスキャン追尾装置