JP3238523B2 - 自動追尾アンテナ装置 - Google Patents

自動追尾アンテナ装置

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JP3238523B2
JP3238523B2 JP10307793A JP10307793A JP3238523B2 JP 3238523 B2 JP3238523 B2 JP 3238523B2 JP 10307793 A JP10307793 A JP 10307793A JP 10307793 A JP10307793 A JP 10307793A JP 3238523 B2 JP3238523 B2 JP 3238523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体上で衛星放送や
衛星通信等の電波源を追尾受信するための自動追尾アン
テナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体(例えば、列車、船舶、自
動車、航空機)上に、地上局あるいは人工衛星局との移
動体通信や、放送波受信のためにアンテナを搭載してい
る物がある。特に、衛星放送が普及するにつれて移動体
上においても衛星放送を受信したいというニーズが高ま
っている。
【0003】衛星放送のように、衛星からの微弱な電波
を受信するには、一般に指向性の鋭い高利得アンテナが
必要であるため、移動体上で受信しようとした場合、常
に電波源である衛星を高速かつ精度よく追尾するアンテ
ナ姿勢制御装置が必要である。
【0004】追尾アンテナの追尾方式には様々な方式が
提案されているが、なかでも応答速度の速いモノパルス
方式(同時ロービング方式とも呼ぶ)が比較的小型で移
動速度の速い自動車等に適しているといえる。さらに、
モノパルス方式には振幅比較モノパルス方式と位相比較
モノパルス方式があるが、ここでは位相比較モノパルス
方式の原理についてのみ説明する。
【0005】図9は、位相比較モノパルス方式の原理図
である。ホーンアンテナ1、2が同一平面上に設けられ
ており、1’、2’はアンテナ1、2の実質放射点(以
後、アンテナ中心という)を表している。アンテナ1に
は90度移相器3が接続されており、アンテナ1、2の
受信波はミキサー回路4で積算され、ローパスフィルタ
5を介して出力される。
【0006】ここで、アンテナ正面方向から角度θの方
向に電波源がある場合、アンテナ1の受信波は、図中
L’の距離分だけアンテナ2より位相が遅れる。ここで
さらにアンテナ2の受信波をsinωt、アンテナ中心
1’、2’間の距離をLとおけば、L’=L・sinθ
と表せるので、結局アンテナ1の受信波は、sin(ω
t−2πL’/λ)と表せる。ただし、ωは受信波の角
速度、λは波長を表す。ゆえに、ミキサー回路4の出力
は次式のように表せる。 sinωt・sin(ωt−X−π/2) =−sinωt・cos(ωt−X) =−1/2(sin(2ωt−X)+sin(X)) ただし、X=2πL・sinθ/λ よって、ローパスフィルタ5で高周波成分を除去すれ
ば、図10のように誤差角θに起因する直流電圧成分
(以後、モノパルス電圧という)だけが得られる。な
お、図10において、6は誤差角θの変化に対するこの
モノパルス電圧の軌跡である。
【0007】アンテナ中心1’、2’間の距離L、波長
λは既知の定数であるからこの電圧値から誤差角θを求
めることができ、誤差角θを常に零になるようにアンテ
ナを姿勢制御してやれば追尾が可能となる。
【0008】この位相比較モノパルス方式のアンテナを
平面アンテナで構成した例を図11に示す。平面アンテ
ナはもともと小さなアンテナ素子をアレー上に並べたア
ンテナの集合体であるから、内部をある程度任意に分割
して複数のアンテナを同一平面状に構成することが容易
にできるのでモノパルス方式に適しているといえる。
【0009】図11におけるアンテナ8は、仰角および
水平方向の2軸制御に必要な最小限の3つのアンテナを
平面アンテナで構成した一例で、8bと8cの位相差よ
り仰角方向の誤差角を、8aと(8b&8c)の位相差
より水平方向の誤差角を求めることができる。なお、前
記の記号&は各アンテナの合成を表している。
【0010】例えば、このアンテナ8を衛星放送追尾ア
ンテナとして用いた場合、8a、8b、8cの各アンテ
ナ受信波を合成して衛星放送を受信するのが、装置系を
小型化する上で有効な手段だと言われている。
【0011】しかし、実際には3つのアンテナを合成す
る際の合成損失があるため、アンテナ8を必要最低限の
大きさより一回り余裕を持たせた大きさにする必要があ
り、小型化を図る上であまり有効ではない。その上、3
つのアンテナ8a、8b、8cを合成するには、微妙に
位相を調整する必要があり、工業的にも安定した性能を
得ることが困難であった。
【0012】このため、出願人は受信用のアンテナと追
尾誤差角を検出するモノパルスアンテナを分離独立さ
せ、かつモノパルスアンテナを超小型のアンテナで構成
し、空きスペースに配して装置系全体の小型化を図る方
式を発明し、先に出願した。(特願平3−309291
号) ここでは、この先願出願を従来例にとり説明する。
【0013】図12〜14は、従来例のアンテナ部分の
構成を示す。自動追尾アンテナ装置のアンテナ部は、図
13に示すように、受信専用アンテナ31と、超小型の
仰角方向用モノパルスアンテナ32、33を同一平面上
に構成したアンテナ(以後、主アンテナと呼ぶ)30
と、図14に示す超小型の水平方向用モノパルスアンテ
ナ37、38を設けたアンテナ(以後、サブアンテナと
呼ぶ)39からなっている。また、主アンテナ30
面には映像受信用LNBユニット34が設けてあり、さ
らに、主アンテナ30、サブアンテナ39の背面にはモ
ノパルス用LNBユニット35および誤差角検出ユニッ
ト36が設けてある。
【0014】本来は、主アンテナ30内に水平方向およ
び仰角方向用モノパルスアンテナを設け、一体化するこ
とが望ましいが、できるだけ主アンテナ30を小型に
し、かつ受信アンテナ31の有効受信面積を確保するた
めに、サブアンテナ39は図12に示すように、主アン
テナ30とは別場所に配置し、水平方向に回転テーブル
80ごと駆動制御される構造となっている。
【0015】仰角方向には、主アンテナは駆動制御可能
な構造であるが、サブアンテナは40度で固定であるた
め、アンテナビーム幅が広くなるように水平方向用モノ
パルスアンテナ37、38は、仰角方向に1素子配列の
平面アンテナで構成している。
【0016】図15は、自動追尾アンテナ装置のブロッ
ク図を示し、受信専用アンテナ31、仰角方向用モノパ
ルスアンテナ32、33、水平方向用モノパルスアンテ
ナ37、38を備え、受信専用アンテナ31には映像受
信用LNB34を設けている。
【0017】仰角方向用モノパルスアンテナ32、33
からの信号を受けるモノパルス用LNBユニット35
は、10.678GHzの局発回路41と、2分配回路
42と、2つのLNB回路40から構成されている。
【0018】誤差角検出ユニット36は、1〜1.3G
Hz帯の増幅回路43、周波数変換用ミキサー回路4
4、2分配回路45、中心周波数が402.78MHz
のバンドパスフィルタ46、400MHz帯の増幅回路
47、位相差検出用ミキサー回路48、ローパスフィル
タ49、直流増幅回路50、位相調整用ケーブル51か
ら構成されている。
【0019】また、水平方向用モノパルスアンテナ3
7、38に接続されたモノパルスLNBユニット35、
および誤差角検出ユニット36は、仰角方向用モノパル
スアンテナ32、33に接続されているのと同一の回路
構成となっている。
【0020】また、2分配回路81、C/N検出回路5
2、比較回路53、電圧制御発振器(VCO)54、追
尾チャンネル切換回路55、制御回路56、振動子型ジ
ャイロ57、水平方向用および仰角方向用サーボコント
ローラ58、59、水平方向用および仰角方向用サーボ
モータ60、62、ロータリーエンコーダ61、63を
備えている。
【0021】受信専用アンテナ31で受信した12GH
z帯の信号は、映像受信用LNB34で1.3GHz帯
の信号に変換され、2分配回路81で分配された後、一
方はそのまま映像信号として伝送される。そして他方は
C/N検出回路52に伝送され、追尾チャンネル切換回
路55で設定されたチャンネル信号のC/N値に対応し
た電圧(以後、C/N電圧という)が出力される。この
C/N電圧が、ある一定のしきい値以上になれば比較回
路53より制御回路56へHレベルの信号が出力され
る。 一方、仰角方向用モノパルスアンテナ32、33
の受信波は、それぞれモノパルス用LNBユニット35
で1.3GHz帯の同一周波数に変換された後、誤差角
検出ユニット36内で増幅され、追尾チャンネル切換回
路55で設定されたチャンネル信号が周波数変換用ミキ
サー回路44で、中心周波数402.78MHzの信号
に変換される。さらに、この400MHz帯の信号は増
幅され、位相差検出用ミキサー回路48に入力され、直
流電圧成分のみを検出、増幅し、仰角方向用モノパルス
電圧として制御回路56に出力される。
【0022】また、水平方向用モノパルスアンテナ3
7、38の受信波も全く同様にして、水平方向用モノパ
ルス電圧を求め制御回路56に出力される。
【0023】比較回路53の出力がHレベルであると
き、制御回路56は追尾状態であると認識して、内部ス
イッチS1、S2をオンにし、水平方向用モノパルス電
圧、仰角方向用モノパルス電圧を、そのままアナログ制
御用サーボコントローラ58、59に指示電圧値として
与え、サーボモータ60、6をその指示電圧に対応し
た速度で回転駆動させることにより、アンテナを姿勢制
御している。
【0024】図16は、従来例の自動追尾アンテナ装置
の平面図と側面図を示している。図中74は電源回路ユ
ニット、75は制御回路およびサーボコントローラユニ
ットである。
【0025】このように従来例では、図10で示したモ
ノパルス電圧6を、そのままアナログ制御用サーボコン
トローラ58、59の指示電圧として取り込み、サーボ
モータ60、6をその指示電圧に対応した速度で回転
させアンテナを制御するので、制御回路56内でモノパ
ルス電圧より追尾誤差角を演算したり、デジタル制御用
サーボコントローラを駆動させるための複雑な演算処理
が一切不用で高速な追尾を可能としている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例で
は、アンテナ姿勢制御における制御モードには、上述の
電波源を追尾する追尾モードと、電波源を探し捕捉する
サーチモードがあり、このモード切り換えを比較回路5
3の出力がHレベルの信号であるか、Lレベルの信号で
あるかで判断していた。
【0027】従って、比較回路53におけるしきい値が
低ければ低いほど捕捉しやすく、また、追尾をはずしに
くくなり、制御上、比較回路53におけるしきい値を低
く設定することが望ましいが、アンテナサイドローブレ
ベルのため、あまりしきい値を低く設定することができ
なかった。
【0028】この点をさらに詳細に説明する。図17
(a)は、図15におけるC/N検出回路52の出力で
あるC/N電圧と水平方向の追尾誤差角θとの関係を示
す図で、図17(b)は水平方向用モノパルス電圧と水
平方向の追尾誤差角θとの関係を示す図である。図中、
10は強電界時におけるC/N電圧値の軌跡、11は弱
電界時におけるC/N電圧値の軌跡であり、12はモノ
パルス電圧値の軌跡である。
【0029】従来例では、比較回路53におけるしきい
値電圧V0 よりC/N電圧値が大きければ、比較回路5
3はHレベルの信号を出力し、その結果、追尾モードに
入る。追尾モードでは、モノパルス電圧値の符号によっ
て駆動方向を、その絶対値によって駆動速度を決めて、
アンテナを駆動させて追尾制御をしている。
【0030】ところで、強電界条件下ではC/N電圧が
しきい値V0 以上となる角度範囲θ 0 (以後、追尾角度
範囲と呼ぶ)は、地域や降雨により電界強度が弱くなる
にしたがって、追尾角度範囲がθ’0 のように除々に狭
くなっていく。
【0031】一方、サーチモードでは、電波源を短時間
に探し出すため、高速回転し全方向をサーチする必要が
ある。そのために、電波源を捕捉し、追尾モードへ切り
換わった直後は、サーチ速度の慣性力によって、図17
(a)の0点に止まりきらずに、オーバーラン現象が見
られるが、通常はこのオーバーランに比べて追尾角度範
囲θ0 が十分に広いため、0点に引き戻すことができ問
題とならない。
【0032】しかし、弱電界条件下において、追尾角度
範囲θ0 が非常に狭くなると、オーバーラン時に追尾角
度範囲θ0 外に飛び出してしまうと、直ちに比較回路5
3の出力はLとなりサーチモードへ移行するため、電波
源を捕捉できなくなってしまうことになる。
【0033】また、追尾状態においても、弱電界条件下
で追尾角度範囲が狭くなると、急激な変動時には制御遅
れのために追尾角度範囲外に飛び出しやすく、サーチモ
ードに移行しやすくなってしまう。
【0034】従って、比較回路53におけるしきい値電
圧V0 は、出来る限り低く設定することが望ましい。し
かし、平面アンテナのようなアレーアンテナは比較的サ
イドローブレベルが高いため、図17に示すように、し
きい値電圧V0 をV’0 まで下げた場合、サイドローブ
レベルのためにモノパルス電圧の符号が反転する領域
(電波源から逃げる方向にアンテナ駆動する)が追尾角
度範囲内に含まれることになり、あまりしきい値電圧V
0 を低く設定することができなかった。
【0035】従って、従来の自動追尾アンテナ装置で
は、弱電界条件下では、捕捉しにくく、追尾をはずしや
すくなる傾向が強いので、短時間捕捉のためのサーチ動
作の高速化が困難であるという問題があった。
【0036】本発明は、上記の点に鑑みてなしたもので
あり、その目的とするところは、弱電界条件下において
も強電界条件下とほぼ同等の捕捉性能および追尾維持性
能を得ることのできるような自動追尾アンテナ装置を提
供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明は、衛星放送ある
いは衛星通信等を受信する3個以上の平面アンテナと、
各アンテナの受信波より仰角方向の誤差角を検出する第
1の誤差角検出手段と、水平方向の誤差角を検出する第
2の誤差角検出手段とをテーブル上に設け、単一あるい
は複数の平面アンテナを仰角方向に駆動可能にする第1
支持手段および第1駆動手段と、前記テーブルを水平方
向に回転可能とする第2支持手段および第2駆動手段
と、第1、第2の誤差角検出手段の誤差角情報に従っ
て、第1、第2の駆動手段を動作させる制御装置と、単
一のアンテナの受信波あるいは複数のアンテナの受信合
成波からアンテナ受信レベルに対応した信号を検出する
受信レベル検出手段と、この受信レベル検出手段からの
受信レベル検出信号と予め定められたしきい値とを比較
する比較手段を有してなり、アンテナ駆動制御として、
前記第1、第2の誤差角情報にしたがって第1、第2の
駆動手段を駆動制御し電波源を追尾する追尾モードと、
電波源を探すために前記制御装置の指示に従って全方向
をサーチするサーチモードとを備え、前記受信レベル検
出信号がしきい値より大きくなったとき、サーチモード
から追尾モードへ移行し、受信レベル検出信号がしきい
値より小さくなったとき、追尾モードからサーチモード
へ移行するようにした自動追尾アンテナにおいて、前記
比較手段では、しきい値をアンテナの受信電界条件に応
じて変化させるようにするとともに、初期捕捉の場合は
前記受信レベル検出信号を予め定められたしきい値と比
較し、その後は受信電界条件に応じて変化させたしきい
値と比較するようにしたことを特徴とするものである。
【0038】また、請求項2においては、請求項1の自
動追尾アンテナ装置において、信号を平滑する平滑回路
を付加し、前記受信レベル検出手段からの信号を前記平
滑回路を介して出力し、平滑回路の出力信号の所定時間
ごとの最大値を求め、最大値から所定値だけ差し引いた
値をしきい値とするようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0039】また、請求項3においては、請求項1また
は請求項2の自動追尾アンテナ装置において、前記比較
手段を、サーチモードから追尾モードへの移行を判定す
るための第1の比較手段と、前記第1の比較手段のしき
い値電圧よりも小さいしきい値電圧を有し追尾モードか
らサーチモードへの移行を判定するための第2の比較手
段とで構成したことを特徴とするものである。
【0040】
【作用】本発明の自動追尾アンテナ装置にあっては、受
信レベル検出手段で検出した信号を比較手段のしきい値
と比較するに際して、前記しきい値を受信レベル検出信
から所定値を引いた値とするというように、アンテナ
の受信電界条件に応じて変化させるようにしているので
ある。
【0041】また、請求項2においては、請求項1の自
動追尾アンテナ装置において、信号の平滑回路を付加
し、前記受信レベル検出手段からの信号を前記平滑回路
で平滑した後出力し、この出力信号を所定時間に所定回
数サンプリングすることによりし、所定時間ごとの最大
値を求め、最大値から所定値だけ差し引いた値をしきい
値とするようにしている。
【0042】また、請求項3においては、請求項1また
は請求項2の自動追尾アンテナ装置において、比較手段
を2つ設け、一方の比較手段をサーチモードから追尾モ
ードへの移行を判定するためのものとし、他方の比較手
段を追尾モードからサーチモードへの移行を判定するた
めのものとするとともに、後者の比較手段のしきい値を
前者の比較手段のしきい値より小さい値になるようにし
ているのである。
【0043】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。
【0044】図1は、本発明に係る自動追尾アンテナ装
置の一実施例を示すブロック図であり、自動追尾アンテ
ナ装置としての基本的構成は、従来例として説明した図
15のものと同等であるので、同一箇所には同一符号を
付して説明を省略し、ここでは、本発明の特徴部分につ
いてのみ説明する。
【0045】本発明の特徴は、受信専用アンテナのサイ
ドローブレベルはC/N電圧に比例して大きくなるとい
うことに着目し、比較回路53のしきい値を受信専用ア
ンテナ31のC/N電圧の大きさに応じて変化させよう
とするものである。つまり、平滑回路82を付加し、受
信専用アンテナ31のC/N電圧を平滑回路82を介し
て制御回路56に読み込み、比較回路53のしきい値電
圧V1 を制御回路56からの制御信号により、C/N電
圧の値に応じた値になるように更新していくのである。
【0046】図2は上述の特徴部分を示したブロック図
であり、平滑回路82は、受信専用アンテナ31で受信
され、C/N電圧検出回路52で検出されたC/N電圧
を取り込み、このC/N電圧を平滑しVX として出力す
るものである。例えば、図3に示すように、オペアンプ
OPと抵抗R1〜R3、コンデンサC1、C2からなる
平滑回路で、抵抗R2とコンデンサC1により定まる時
定数を適当な値にすることによって、電柱や樹木等によ
るC/N電圧の瞬間的な変動やC/N電圧に含まれるノ
イズ等による電圧変動を除去することができるのであ
る。制御回路56内のCPU56aでは、A/D変換回
路56bでA/D変換されたVX を一定時間に一定回数
サンプリングして取り込み、この中の最大値VMAX を求
め、この最大値VMAX から予め設定した所定値αを引い
た電圧値を生成し、これをD/A変換回路56cにより
D/A変換し、しきい値V1 (=VMAX −α)として比
較回路53に与えるのである。ここで、所定値α、は図
4に示したように、しきい値V1 がC/N電圧の最大値
MAX とサイドローブレベルの間に位置するような値と
する。弱電界条件下では、C/N電圧のピーク値が減衰
すればサイドローブレベルもそれに比例して減衰するの
で、しきい値V1 (=VMAX −α)はC/N電圧の最大
値VMAX とサイドローブレベルの間に位置するようにな
り、追尾誤差角θ1 は、強電界条件下と弱電界条件下と
で略同じ値となる。従って、しきい値V 1 は、受信電界
条件に応じて変動し、その受信条件下におけるC/N電
圧のピーク値より一定レベルαだけ低い値に設定される
ため、追尾角度範囲θ1 は、降雨減衰や地域による電界
条件の変化に関係なく一定とすることができるのであ
る。
【0047】なお、本実施例では、アンテナ受信レベル
の変化に対応した出力電圧を送出する回路として、C/
N検出回路52を用いたが、本発明は何らこの回路に限
定されるものではない。
【0048】本発明の自動追尾アンテナ装置には、電波
源を追尾する追尾モードと、電波源を探すために制御回
路56の指示に従って全方向をサーチするサーチモード
とが備えられており、受信レベル検出信号(C/N電
圧)がしきい値V1 より大きくなったとき、サーチモー
ドから追尾モードへ移行し、受信レベル検出信号(C/
N電圧)がしきい値V1 より小さくなったとき、追尾モ
ードからサーチモードへ移行するようにしている。
【0049】本実施例では、電源投入直後の初期捕捉時
のサーチモードから追尾モードへの移行を検出する場合
には、VX が定まっていないので、しきい値V1 として
初期値V10を予め定めておく。この初期値V10は、受信
専用アンテナ31の受信レベルに対応したC/N電圧が
高いときでもサイドローブレベルより低くならず、C/
N電圧が低いときでもC/N電圧のピーク値よりも高く
ならない程度の電圧値を設定する。
【0050】ここで、図5に示したフローチャートに基
づいて、本実施例の動作を説明する。まず、予め、比較
回路82のしきい値V1 の初期値V10を設定しておく。
C/N電圧が比較回路82のしきい値V1 (=V10)よ
り大きくなると、追尾モードに入り、次にサーチモード
に移行するまでは、比較回路82では、C/N電圧の大
きさに対応して更新されたしきい値V1 を用いてサーチ
モードへの移行が判断される。比較回路82の出力がし
きい値V1 より小さくなると、サーチモードへ移行す
る。この際、追尾をはずす直前のしきい値V1 をCPU
56a内に記憶しておき、再捕捉時のしきい値として用
いる。従って、サーチモード時のしきい値V1 はその値
が更新されることはない。受信専用アンテナ31のC/
N電圧がしきい値V1 より大きくなった場合、アンテナ
は瞬時に追尾モードに移行して衛星方向に向くので、一
定時間内のC/N電圧VX の最大値VMAX は、その時の
受信電界条件下でのC/N電圧ピーク値に略等しくな
る。
【0051】図6は、本発明に係る他の実施例を示す全
体構成図である。本実施例では、2つの比較回路53
a、53bを設けている。比較回路53a、53bに
は、各々しきい値V1 、V2 が設定され、これらのしき
い値V1 、V2 は、上述の実施例と同様の方法で更新さ
れるが、V2 はV1 より小さくなるように設定する。そ
して、比較回路53aは捕捉検出専用の比較回路とし、
比較回路53bは追尾を逃がしサーチモードへの移行を
検出するための専用の比較回路とする。
【0052】図7に示すように、しきい値V1 は、平滑
回路82の出力VMAX より所定値αだけ小さい値に設定
し、しきい値V2 は、平滑回路82の出力VMAX より所
定値βだけ小さい値に設定する。ここで、αはしきい値
1 がC/N電圧のサイドローブレベルより高くなるよ
うに設定し、βはしきい値V2 がC/N電圧のサイドロ
ーブレベルより低くなるように設定しておく。従って、
しきい値V1 、V2 は受信電界条件下におけるC/N電
圧のピーク値よりそれぞれα、βという一定の電圧差を
もって変動する。しかし、初期捕捉の場合はC/N電圧
X が定まっていないので、しきい値V1 、V2 の初期
値として、それぞれ予め定められたV10を用いる。
【0053】本実施例の動作は、図8のフローチャート
に示すように、まず、予め、比較回路53a、53bの
しきい値V1 の初期値V10を設定しておく。C/N電圧
値が比較回路53aのしきい値V1 (=V10)より大き
くなると、追尾モードに入り、次に追尾モードからサー
チモードに移行するまでは、比較回路53bでは、C/
N電圧の大きさに対応して更新されたしきい値V2 を用
いてサーチモードへの移行が判断される。C/N電圧が
比較回路53bのしきい値V2 より小さくなると、サー
チモードへ移行する。この際、追尾をはずす直前のしき
い値V1 をCPU56a内に記憶しておき、再捕捉時の
しきい値として用いる。従って、サーチモード時のしき
い値V1 はその値が更新されることはない。
【0054】従って、本実施例においては、しきい値V
1 、V2 は、受信電界条件の変化に応じて更新されるの
で、C/N電圧がしきい値V1 以上になり、サーチモー
ドから捕捉できる範囲(捕捉角度範囲)θ1 は、弱電界
条件下でも強電界条件下と略同一となり、C/N電圧が
しきい値V2 以下となって追尾モードから追尾をはずす
追尾角度範囲をはずすθ2 も同様に電界条件に影響され
ることなく略一定となる。また、2つのしきい値V1
2 を用いて判定することにより、追尾角度範囲をより
広くすることができるとともに、一度追尾状態になると
追尾をはずしにくくなるのである。
【0055】なお、本実施例において、2つの比較回路
を用いたが、1つの比較回路でしきい値を2つ持たせる
ようにしても良いことはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の自動追尾アンテ
ナ装置によれば、受信レベル検出手段で検出した信号を
比較手段のしきい値と比較するに際して、前記しきい値
を受信レベル検出信号から所定値を引いた値とするとい
うように、アンテナの受信電界条件に応じて変化させる
ようにしたので、弱電界条件下においても強電界条件下
とほぼ同等の捕捉性能および追尾維持性能を得ることの
できるような自動追尾アンテナ装置が提供できた。
【0057】また、請求項2においては、信号の平滑回
路を付加し、前記受信レベル検出手段からの信号を前記
平滑回路で平滑した後出力し、この出力信号を所定時間
に所定回数サンプリングすることによりし、所定時間ご
との最大値を求め、最大値から所定値だけ差し引いた値
をしきい値とするようにしているので、電柱や樹木等に
よる受信レベル検出信号の瞬間的な変動や、受信レベル
検出信号に含まれるノイズを除去することができる。
【0058】また、請求項3においては、請求項1また
は請求項2に記載の自動追尾アンテナ装置において、比
較手段を2つ設け、一方の比較手段をサーチモードから
追尾モードへの移行を判定するためのものとし、他方の
比較手段を追尾モードからサーチモードへの移行を判定
するためのものとするとともに、後者の比較手段のしき
い値を前者の比較手段のしきい値より小さい値になるよ
うにしたので、追尾角度範囲をより広くすることができ
るとともに、一度追尾状態になると追尾をはずしにくく
することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の自動追尾アンテナ装置
を示す全体構成図である。
【図2】同上の特徴部を示すブロック図である。
【図3】同上に係る平滑回路の一例を示す回路図であ
る。
【図4】同上のC/N電圧と比較回路のしきい値電圧と
の関係を示す図である。
【図5】同上の制御モード切り換えのフローチャート図
である。
【図6】本発明の他の実施例の自動追尾アンテナ装置を
示す全体構成図である。
【図7】同上のC/N電圧と比較回路のしきい値電圧と
の関係を示す図である。
【図8】同上の制御モード切り換えのフローチャート図
である。
【図9】位相モノパルス方式の原理図である。
【図10】誤差角の変化に対するモノパルス電圧変化の
軌跡を示す図である。
【図11】モノパルスアンテナを平面アンテナで構成し
た場合の基本を示す図である。
【図12】従来例のアンテナ部の側面図である。
【図13】同上の主アンテナの平面図である。
【図14】同上の水平方向用モノパルスアンテナの平面
図である。
【図15】同上の自動追尾アンテナ装置の全体構成図で
ある。
【図16】同上の自動追尾アンテナ装置の平面図および
側面図である。
【図17】従来例におけるC/N電圧、モノパルス電圧
と比較回路のしきい値電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
30 主アンテナ 31 受信専用アンテナ 32 仰角方向用モノパルスアンテナ 33 仰角方向用モノパルスアンテナ 36 誤差角検出ユニット 37 水平方向用モノパルスアンテナ 38 水平方向用モノパルスアンテナ 52 C/N検出回路 53 比較回路 53a 比較回路 53b 比較回路 56 制御回路 82 平滑回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−128506(JP,A) 特開 平2−132925(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衛星放送あるいは衛星通信等を受信する
    3個以上の平面アンテナと、各アンテナの受信波より仰
    角方向の誤差角を検出する第1の誤差角検出手段と、水
    平方向の誤差角を検出する第2の誤差角検出手段とをテ
    ーブル上に設け、 単一あるいは複数の平面アンテナを仰角方向に駆動可能
    にする第1支持手段および第1駆動手段と、前記テーブ
    ルを水平方向に回転可能とする第2支持手段および第2
    駆動手段と、第1、第2の誤差角検出手段の誤差角情報
    に従って、第1、第2の駆動手段を動作させる制御装置
    と、単一のアンテナの受信波あるいは複数のアンテナの
    受信合成波からアンテナ受信レベルに対応した信号を検
    出する受信レベル検出手段と、この受信レベル検出手段
    からの受信レベル検出信号と予め定められたしきい値と
    を比較する比較手段を有してなり、 アンテナ駆動制御として、前記第1、第2の誤差角情報
    にしたがって第1、第2の駆動手段を駆動制御し電波源
    を追尾する追尾モードと、電波源を探すために前記制御
    装置の指示に従って全方向をサーチするサーチモードと
    を備え、前記受信レベル検出信号がしきい値より大きく
    なったとき、サーチモードから追尾モードへ移行し、受
    信レベル検出信号がしきい値より小さくなったとき、追
    尾モードからサーチモードへ移行するようにした自動追
    尾アンテナにおいて、受信レベル検出信号から所定値を引いた値をしきい値と
    して、アンテナの受信電界条件に応じて、しきい値を変
    化させると共に、 前記比較手段では、初期捕捉の場合は
    前記受信レベル検出信号を予め定められたしきい値と比
    較し、その後は受信電界条件に応0じて変化させたしき
    い値と比較するようにしたことを特徴とする自動追尾ア
    ンテナ。
  2. 【請求項2】 信号を平滑する平滑回路を付加し、前記
    受信レベル検出手段からの信号を前記平滑回路を介して
    出力し、平滑回路の出力信号の所定時間ごとの最大値を
    求め、最大値から所定値だけ差し引いた値を比較手段の
    しきい値とするようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の自動追尾アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記比較手段を、サーチモードから追尾
    モードへの移行を判定するための第1の比較手段と、前
    記第1の比較手段のしきい値電圧よりも小さいしきい値
    電圧を有し追尾モードからサーチモードへの移行を判定
    するための第2の比較手段とで構成したことを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の自動追尾アンテナ装
    置。
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