JPH11133131A - 移動体搭載用アンテナの追尾制御装置及びその追尾制御方法 - Google Patents

移動体搭載用アンテナの追尾制御装置及びその追尾制御方法

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JPH11133131A
JPH11133131A JP30088097A JP30088097A JPH11133131A JP H11133131 A JPH11133131 A JP H11133131A JP 30088097 A JP30088097 A JP 30088097A JP 30088097 A JP30088097 A JP 30088097A JP H11133131 A JPH11133131 A JP H11133131A
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JP
Japan
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level
antenna
reception level
control
reception
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Application number
JP30088097A
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Inventor
Takashi Oshima
孝 尾島
Motonobu Moriya
元伸 守谷
Makoto Ochiai
誠 落合
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体の環境の変化に伴い受信レベルが変動
しても、アンテナの方位角を確実に制御することができ
る移動体搭載用アンテナの追尾制御装置及びその追尾制
御方法を提供する。 【解決手段】 オフセット調整部51は、アンテナ10
を方位角方向に回転しながら得られた受信レベルの天空
レベルが所定の基準レベルに一致するように、受信レベ
ルにオフセット値を持たせる。A/D変換器52は、オ
フセット調整部51で調整された受信レベルをディジタ
ル信号に変換して制御部53に送る。日本全国のどの地
域でもまたどんな天候であろうとも、受信レベルの最大
ピークレベルと天空レベルとの差がA/D変換器52の
検出可能な受信レベルの制御レベル範囲に収まるよう
に、A/D変換器52を設計する。制御部53は、オフ
セット調整部51で調整された受信レベルに基づきアン
テナ10の方位角を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や船舶等の
移動体に搭載され、特に衛星からの信号を受信したりす
るアンテナについてその方位角を制御する移動体搭載用
アンテナの追尾制御装置及びその追尾制御方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の衛星放送の普及に伴い、移動体に
搭載して使用される各種の移動体搭載用衛星アンテナ装
置が提案されている。この種のアンテナ装置において
は、移動体の向きがその走行に伴って時々刻々変化する
ため、アンテナを常に衛星の方向に向けるように、アン
テナの方位角を制御する自動追尾機構が必要になる。
【0003】アンテナの方位角を制御する際には、アン
テナが受信した信号の受信レベルを利用する。この受信
レベルとしては、例えばAGC信号が用いられる。ここ
で、AGC(Automatic Gain Control)とは、自動利得
制御、すなわち、出力信号レベルを均等化するため、そ
の信号の大小を検知して増幅回路の増幅度(利得)を自
動的に制御することをいう。
【0004】いま、アンテナを方位角方向に360°回
転させて、受信レベル(AGC信号)を検出すると、A
GC信号とアンテナの回転角度との関係は、例えば、図
3(a)に示すようになる。このAGC信号は、アンテ
ナが衛星の方向を向いているときに、最大ピークレベル
(メインローブ)を持つ。この最大ピークレベルは、特
定の衛星放送チャンネルを表す搬送波の受信レベルであ
る。また、アンテナの向きが衛星方向からずれていき、
アンテナが、前方に何もない天空の方向を向いていると
きには、天空雑音に対応する雑音レベル(天空レベル)
が得られる。この天空レベルは、受信レベルのうち最小
レベルである。したがって、アンテナを衛星の方向に向
けるには、AGC信号が一番高いピークレベルをとる方
位角にアンテナの回転角度を合わせる。尚、アンテナの
受信特性によっては、図3(a)に示すように、最大ピ
ークレベルの両側にサイドローブが現れることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、受信レベル
は、衛星からの電波を受信する場所・地域及び天候等に
より影響を受け、その大きさは常に一定ではない。この
ため、受信レベルの最大ピークレベルや天空レベルも移
動体の環境の変化に伴ってその都度変化する。例えば、
移動体が関東地方にいる場合と九州地方にいる場合とで
は、同じ衛星からの電波を受信しても、それらの最大ピ
ークレベルは異なる。また、空に厚い雲がかかってお
り、雨が降っているときには、晴天のときに比べて、最
大ピークレベルが低下する。このように、図3(a)に
示す天空レベルに対する最大ピークレベルの大きさL1
は、衛星からの電波を受信する地域や天候等に応じて変
化する。
【0006】また、受信レベルとしてAGC信号を用い
る場合には、回路構成が簡単ではあるが、AGC信号は
温度依存性や経路の依存性が大きいという特徴がある。
このため、AGC信号を出力する機器の温度が上昇する
と、回路素子の特性が変わり、図14に示すように、受
信レベルの大きさが変化する。但し、この場合は、衛星
からの電波を受信する地域や天候等により受信レベルが
変化する場合と異なり、例えば、図14に示すように受
信レベル全体が高いレベルにシフトするだけであり、天
空レベルに対する最大ピークレベルの大きさL1 は変化
しない。尚、場合によっては、受信レベル全体が低いレ
ベルにシフトすることもある。
【0007】通常、受信レベルはA/D変換器を介して
CPUに送られる。このとき、A/D変換器に使用する
素子が受けることができる電圧等によって、A/D変換
器が検出可能な受信レベルの所定の制御レベル範囲(L
min ,Lmax )は予め規定されている。このため、上記
のように地域・天候等の変化及び温度の上昇により受信
レベルが変化すると、図3(a)及び図14に示すよう
に、最大ピークレベルがその制御レベル範囲(Lmin
max )内に収まらないことがある。かかる場合には、
受信レベルがCPUに送られても、CPUは最大ピーク
レベルを認識することができないので、アンテナの方位
角を制御できなくなってしまうという問題があった。
【0008】尚、この問題に関しては、「アンテナ追尾
制御回路」と題する特開昭63−208775号公報に
おいて、受信レベルが常に一定の制御レベル範囲内に収
まるように自動的に増幅器のオフセット電圧調整を行う
ことが開示されている。具体的には、増幅器の出力電圧
を制御レベル範囲の上限値及び下限値と比較し、その比
較結果に基づいてマルチプレクサを切り換えることによ
り、増幅器の出力電圧を加算したり減算したりする。そ
して、かかる動作を何回か繰り返し、増幅器の出力電圧
を制御レベル範囲内に収める。しかしながら、かかる従
来の方式では、マルチプレクサを段階的に切り換えて、
増幅器の出力電圧を一段階ずつ大きくしたり小さくした
りするため、例えば、受信レベルの最大ピークレベルが
大きいと、処理に時間がかかってしまうという欠点があ
る。
【0009】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、移動体の環境の変化に伴い受信レベルが変動し
ても、アンテナの方位角を確実に制御することができる
移動体搭載用アンテナの追尾制御装置及びその追尾制御
方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、移動体に搭載されたアンテナが受信した
信号の受信レベルに基づいて、前記アンテナの方位角又
は仰角を所望の角度に設定する移動体搭載用アンテナの
追尾制御装置であって、前記アンテナを方位角方向又は
仰角方向に回転しながら得られた受信レベルに含まれる
天空レベルが所定の基準レベルに一致するように、受信
レベルにオフセット値を持たせることにより、受信レベ
ルの最大ピークレベルが所定の制御レベル範囲内に収ま
るように受信レベルを調整するオフセット調整手段と、
前記オフセット調整手段で調整された受信レベルに基づ
いて前記アンテナの方位角又は仰角を制御する制御手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】移動体の環境の変化に伴い、受信レベルの
天空レベルが大きくなり、最大ピークレベルが所定の制
御レベル範囲内に収まらなくなった場合には、オフセッ
ト調整手段は、アンテナを方位角方向又は仰角方向に回
転しながら得られた受信レベルの天空レベルが所定の基
準レベルに一致するように、受信レベルにオフセット値
を持たせる。これにより、受信レベルの最大ピークレベ
ルを引き下げ、又は引き上げて、最大ピークレベルを制
御レベル範囲内に収めることができるので、かかるオフ
セット調整手段で調整された受信レベルを用いることに
より、アンテナの方位角又は仰角を確実に制御すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
である移動体搭載用アンテナの追尾制御装置を適用した
アンテナ装置の概略ブロック図、図2はそのアンテナ装
置を自動車に搭載した場合の概略構成図である。
【0013】図1に示すアンテナ装置は、移動体に搭載
して衛星放送を受信するためのものであり、アンテナ1
0と、コンバータ20と、回転結合器30と、チューナ
40と、移動体搭載用アンテナの追尾制御装置50と、
回転機構部60とを備える。本実施形態では、かかるア
ンテナ装置を、例えば自動車に搭載する場合について考
える。この場合、アンテナ装置は、図2に示すように、
各部をアンテナユニット部1とチューナユニット部2と
に分けて構成される。例えば、アンテナユニット部1
は、自動車のルーフ上に取り付けられ、チューナユニッ
ト部2は、自動車内に設置される。また、チューナユニ
ット部2は、例えば、助手席の前面部に取り付けられた
テレビジョン受像機3に接続される。
【0014】このアンテナユニット部1には、アンテナ
10と、コンバータ20と、回転結合器30と、回転機
構部60とが含まれる。アンテナ10は、放送衛星から
送信される電波を受信するものであり、本実施形態で
は、漏れ波導波管スロットアレーアンテナが用いられ
る。かかる漏れ波導波管スロットアレーアンテナは、チ
ルト角(ビームピーク方向)を有すると共に仰角方向に
広い半値角を持つので、移動体が移動する範囲があまり
広くならなければ、方位角の制御のみを行うだけでも、
放送衛星からの電波を確実に受信できるという利点があ
る。このため、本実施形態のアンテナ装置では、方位角
の制御のみを行うことにしている。
【0015】コンバータ20は、アンテナ10で受信し
た衛星放送のRF(radio frequency )信号をIF(in
termediate frequency)信号に変換するものである。コ
ンバータ20は、アンテナ10の裏面に取り付けられ
る。コンバータ20で変換されたIF信号は、回転結合
器30を介してチューナ40に送られる。回転結合器3
0は、コンバータ20とチューナ40との間を接続する
電線路の途中に設けられ、信号周波数帯の電気的結合を
保ちながら、アンテナ10が方位角方向に回転できるよ
うにするためのものである。
【0016】チューナユニット部2には、チューナ40
と、追尾制御装置50とが含まれる。チューナ40は、
コンバータ20で変換されたIF信号をビデオ信号と音
声信号に復調し、テレビジョン受像機3に供給する。ま
た、チューナ40は、その内部の増幅回路の増幅度を自
動利得制御して得られる、アンテナ10が受信した信号
の受信レベル(AGC信号)を追尾制御装置50に供給
する。
【0017】追尾制御装置50は、アンテナ10を常に
放送衛星の方向に向けるように、アンテナ10の方位角
を追尾制御するものであり、オフセット調整部51と、
A/D変換器52と、制御部53と、D/A変換器54
と、角速度計55と、積分器56とを有する。オフセッ
ト調整部51は、制御部53の指示に基づいて、アンテ
ナ10を方位角方向に回転しながら得られた受信レベル
に含まれる天空レベルが所定の基準レベルに一致するよ
うに、チューナ40から出力される受信レベルにオフセ
ット値を持たせるものである。すなわち、例えば図3
(a)に示すように、アンテナ10の回転方向に対する
受信レベルの天空レベルをLA 、基準レベルをLB とす
ると、オフセット調整部51は、チューナ40から出力
される受信レベルL′をオフセット値δL=LA −LB
だけシフトする。このオフセット調整部51で調整され
た受信レベルL=L′−δL=L′−(LA −LB
は、A/D変換器52に出力される。
【0018】A/D変換器52は、オフセット調整部5
1で調整された受信レベルをディジタル信号に変換し
て、制御部53に送るものである。このA/D変換器5
2が検出可能な受信レベルの所定の制御レベル範囲は、
それに使用する素子が受けることができる電圧等によっ
て予め規定される。本実施形態では、日本全国のどの地
域でも、またその地域がどんな天候であろうとも、受信
レベルの最大ピークレベルと天空レベルとの差がその制
御レベル範囲に収まるように、A/D変換器を設計して
いる。詳細には、このA/D変換器52の前段には、オ
ートゲインコントロール(AGC)の回路を含ませてい
る。また、上記の基準レベルは、この制御レベル範囲の
下限値より少し大きい値に設定する。一例として、制御
レベル範囲が0〜5Vであれば、基準レベルは0.5V
とする。これにより、オフセット調整部51で調整され
た受信レベルの最大ピークレベルは、例えば図3(b)
に示すように、A/D変換器52の制御レベル範囲(L
min ,Lmax )内に必ず収まることになる。
【0019】角速度計55は、移動体の進路を変更した
り旋回したときに発生する角速度を検出するものであ
る。かかる角速度計55で検出される角速度には、移動
体の旋回方向を示す極性も含まれている。検出された角
速度は、制御部53及び積分器56に出力される。積分
器56は、角速度の積分値を算出するものであり、この
積分値はアンテナ10の回転角度に関する情報として制
御部53に送られる。尚、積分器56を設ける代わり
に、制御部53が角速度計55から送られた角速度に基
づいてその積分値を求めるようにしてもよい。
【0020】制御部53は、大きく分けて三つの機能を
有する。すなわち、オフセット調整部51を制御してオ
フセット制御を行う機能と、オフセット調整された受信
レベルについて部分的に圧縮処理を行う機能と、アンテ
ナ10の追尾制御を行う機能とである。これらの機能は
ソフト的に実現される。オフセット制御を行う際には、
制御部53は、アンテナ10を方位角方向に360°回
転させて、アンテナ10の回転角度に対する受信レベル
のデータを取り込む。そして、この受信レベルのデータ
に基づいて、オフセット値δLを求める。制御部53
は、D/A変換器54を介して、オフセット値δLを含
む指示をオフセット調整部51に送る。このオフセット
制御の具体的な内容については、後に詳述する。
【0021】また、制御部53が圧縮処理を行う際に
は、アンテナ10を方位角方向に360°回転させて、
アンテナ10の回転角度に対する受信レベルのデータを
取り込む。そして、この取り込んだ受信レベルに基づい
て、最大ピークレベルより小さく遮断レベル(遮蔽物に
よる雑音レベル)より大きい範囲内におけるしきい値
と、圧縮率とを求める。その後、制御部53は、A/D
変換器52から送られる受信レベルについて、しきい値
以下の部分を部分的に圧縮処理する。
【0022】ここで、遮断レベルについて説明する。例
えば、図4(a)に示すように、移動体の前方左右にビ
ル等の遮蔽物A,Bがあり、放送衛星が移動体の前方に
位置しているとする。この場合、アンテナ10の回転角
度に対する受信レベルを検出すると、図4(b)に示す
ようになる。すなわち、受信レベルは、衛星の方向に強
いピークを持つ。しかし、アンテナ10が遮蔽物A,B
の位置する方向を向いているときには、天空レベルより
も大きい受信レベル(遮断レベル)が得られる。この遮
断レベルは、遮蔽物の持っている熱雑音の影響を受け
て、天空の雑音が上昇することにより、発生しているも
のと考えられる。このように、かかる遮蔽物のある場所
を移動体が移動する場合、衛星からの電波が弱いときに
は、衛星放送の受信レベルと遮断レベルとの差が小さく
なるので、かかる受信レベルを用いたのでは、その最大
ピークレベルの検出が困難になり、アンテナ10の方位
角を高精度に制御することができない。このため、本実
施形態では、最大ピークレベルを際立たせる処理とし
て、上記の圧縮処理を行うことにしている。
【0023】また、制御部53は、オフセット調整部5
1で調整され、しかも部分的な圧縮処理が施された受信
レベルを用いて、アンテナ10の追尾制御を行う。具体
的には、かかる受信レベルと、角速度計55から送られ
る角速度に関する情報と、積分器56から送られる角速
度の積分値に関する情報とに基づいて、アンテナ10の
方位角を追尾制御するための回転方向と回転角度とを決
定する。この決定した回転方向と回転角度に応じた信号
が回転機構部60に送られて、アンテナ10の方位角が
制御される。この追尾制御の内容については、後に詳述
する。
【0024】図5(a)はアンテナ装置のアンテナユニ
ット部1の概略平面図、図5(b)はそのアンテナ装置
のアンテナユニット部1の概略側面図である。ここで、
アンテナユニット部1の内部構造を見やすくするため
に、図5(a)では、カバーとなるレドーム71を外し
て示しており、また、図5(b)では、レドーム71を
中心で切り欠いた状態を示している。回転機構部60
は、図5に示すように、モータ駆動回路61と、パルス
モータ62と、減速機63と、ドライブベルト64と、
回転部65と、回転テーブル66とを有する。各部は、
底板であるベースプレート72上に載置されている。回
転部65は、その中心軸Cの回りに回転自在に構成され
る。回転テーブル66は回転部65上に取り付けられ、
回転部65と一体的に回転する。また、回転テーブル6
6上にはアンテナ10が支持されている。制御部53が
モータ駆動回路61に信号を送り、パルスモータ62を
駆動すると、パルスモータ62の回転運動は、減速機6
3及びドライブベルト64を介して、回転部65に伝達
され、アンテナ10の方位角が制御される。
【0025】次に、制御部53が行うオフセット制御に
ついて具体的に説明する。図6はオフセット制御を説明
するためのフローチャートである。このオフセット制御
は電源が投入された直後に開始される。特に、受信レベ
ルとしてAGC信号を用いる場合、AGC信号を出力す
る機器の温度が上昇すると、受信レベルが全体的にシフ
トしてしまう。このため、本実施形態では、一定時間毎
に、例えば30分とか1時間毎に、オフセット制御を行
うことにしている。
【0026】まず、制御部53は、電源が投入される
と、オフセット制御に先立って、経過時間を管理するた
めのタイマが計時する時間tと、所定のフラグf1 ,f
2 とをゼロに初期設定する。ここで、フラグf1 は、電
源投入直後の最初のオフセット制御においてその前半部
分の処理(step63及びstep64)が行われたかどうかを表
すものである。また、フラグf2 は、少なくとも一回の
オフセット制御が行われたかどうかを表すものである。
【0027】次に、制御部53は、オフセット制御の実
行を開始すると、まず、フラグf2が“0”であるか否
かを判定する(step61)。フラグf2 が“0”でなけれ
ば、すなわち、少なくとも1回、オフセット制御が既に
行われているときには、step72に移行する。一方、フラ
グf2 が“0”であると判定すると、制御部53は、フ
ラグf1 が“0”であるか否かを判定する(step62)。
フラグf1 が“0”でなければ、すなわち、電源投入直
後の最初のオフセット制御においてその前半部分の処理
(step63及びstep64)が既に行われているときには、st
ep63〜step65の処理を省略して、step66に移行する。
【0028】オフセット調整部51でオフセット調整を
行うのが今回初めてであり、step62でフラグf1
“0”であると判定すると、制御部53は、アンテナ1
0を方位角方向に360°回転して、アンテナ10の回
転角度に対する受信レベルのデータを取り込む(step6
3)。ここで取り込んだ受信レベルは、未だオフセット
調整が行われていないものであるので、その受信レベル
の最大ピークレベルは所定の制御レベル範囲内に収まっ
ていない可能性がある。その後、制御部53は、その受
信レベルの最低レベルを見い出し、その最低レベルを天
空レベルとみなして、オフセット値を算出する。
【0029】次に、制御部53は、オフセット値につい
ての指示をオフセット調整部51に送り、オフセット調
整部51にオフセット調整を行わせる(step64)。そし
て、フラグf1 を“1”に設定する(step65)。オフセ
ット調整部51は以後、このオフセット値を用いてオフ
セット調整を行うことになる。かかるオフセット調整
は、いわば疑似オフセット調整とも言われるべきもので
ある。これは、step63で取り込んだ受信レベルの最低レ
ベルを天空レベルとみなして算出されたオフセット値に
基づいてオフセット調整が行われ、しかも、未だ最低レ
ベルが天空レベルに一致するかどうかの確認を行ってい
ないからである。例えば、自動車がガレージ内や、ビル
の地下駐車場内にいる間に電源が投入された場合には、
受信レベルの最低レベルは、遮断レベルであり、天空レ
ベルではない。また、天空が見えるところに自動車が移
動してから、電源を投入した場合には、最低レベルは天
空レベルである。このオフセット調整で用いた最低レベ
ルが本当に天空レベルであるかどうかを確認は、次のst
ep66〜step68の処理で行われる。
【0030】step66では、制御部53は、アンテナ10
を方位角方向に360°回転して、アンテナ10の回転
角度に対する受信レベルのデータを取り込む(step6
3)。step63のデータの取り込みでは、オフセット調整
を行っておらず、最大ピークレベルが制御レベル範囲内
に収まっていない可能性があるので、正常なデータが得
られないおそれがある。このため、再度、前述のオフセ
ット値を用いてオフセット調整がされた受信レベルのデ
ータを取り込むことにしている。
【0031】次に、制御部53は、step66で取り込んだ
受信レベルの最大ピークレベルが所定の制御レベル範囲
内に収まっているか否かを判定する(step67)。最大ピ
ークレベルが制御レベル範囲内に収まっていなければ、
当然、最大ピークレベルは検出できない。step66で取り
込んだ受信レベルは、所定のオフセット値を用いてオフ
セット調整が行われたものであるので、その最大ピーク
レベルは制御レベル範囲内に収まっている可能性が高
い。しかし、最大ピークレベルが検出できず、最大ピー
クレベルが制御レベル範囲内に収まっていないと判定さ
れたときには、図6のフローを抜けて、再度、このフロ
ーのstep61から処理が行われる。尚、その場合、フラグ
1 は当然“1”であるので、フラグf2 が“0”であ
れば、step63〜step65の処理を省略して、step66から処
理が行われる。
【0032】また、step67で受信レベルの最大ピークレ
ベルが制御レベル範囲内に収まっていると判定すると、
制御部53は、step66で取り込んだ受信レベルについ
て、天空レベルを見い出す(step68)。通常、受信レベ
ルに最大ピークレベルが含まれていれば、自動車は衛星
からの電波を受信できる場所にいることになり、その場
所からは天空が見えている可能性が高い。このため、st
ep68で最大ピークレベルを検出できれば、受信レベルに
は天空レベルが含まれていると考えられ、その受信レベ
ルの最低レベルが天空レベルであると判断しても、大き
な間違いを起こすことはない。
【0033】その後、制御部53は、step68で検出した
天空レベルが所定の基準レベルに一致しているか否かを
判定する(step69)。これは、自動車の移動や時間の経
過に伴い、今回step68で見い出した天空レベルと、前回
step68で見い出した天空レベルとが異なっている可能性
があることを考慮したものである。このため、今回step
68で見い出した天空レベルが基準レベルに一致していな
いと判定すると、制御部53は、今回step68で見い出し
た天空レベルと基準レベルとを用いて新たにオフセット
値を算出し、そのオフセット値についての指示をオフセ
ット調整部51に送る。そして、今回step68で見い出し
た天空レベルが基準レベルに一致するように、オフセッ
ト調整部51に再度のオフセット調整を行わせる(step
70)。オフセット調整部51は以後、このオフセット値
を用いてオフセット調整を行うことになる。
【0034】こうして、step69において天空レベルが基
準レベルに一致すると判定され、又はstep70において再
度のオフセット調整が行われると、制御部53は、フラ
グf 2 を“1”に設定し(step71)、図6のフローを抜
ける。これにより、一回のオフセット制御が完了したこ
とになる。こうして、少なくとも一回のオフセット制御
が完了し、図6のフローを抜けても、制御部53は、再
度、step61からこのフローに従った処理を行う。このと
き、フラグf2 は“0”でないので、step61での判定が
否定的になり、step72に移行することになる。step72で
は、タイマの計時する経過時間tが所定の時間t0に達
したか否かを判定する(step72)。ここで、時間t
0 は、例えば30分又は60分に設定される。経過時間
tが時間t0 に達していなければ、実質的なオフセット
制御を行うことなく、図6のフローを抜ける。一方、経
過時間tが時間t 0 に達していると判定すると、制御部
53は、タイマの計時する時間tをゼロに初期設定する
と共に、今回のオフセット制御をstep66から開始する。
今回のオフセット制御をstep66から行うのは、前回のオ
フセット制御で設定したオフセット値のままで、受信レ
ベルの最大ピークレベルが制御レベル範囲内に収まって
いれば、その確認を行うだけで、今回のオフセット制御
を簡単に済ますことができるからである。
【0035】次に、制御部53が実行する部分的な圧縮
処理について説明する。図7は圧縮処理を説明するため
のフローチャートである。この圧縮処理は、オフセット
制御が完了する度に行われる。まず、制御部53は、ア
ンテナ10を方位角方向に360°回転させて、アンテ
ナ10の回転角度に対する受信レベルのデータを取り込
む(step81)。このとき取り込んだ受信レベルのデータ
の一例を図8(a)に示す。この例では、受信レベルに
最大ピークレベルの約半分の大きさの遮断レベルが含ま
れている。制御部53は、その受信レベルについて最大
ピークレベル、天空レベル、遮断レベルを見い出す(st
ep82,step83,step84)。次に、制御部53は、天空レ
ベルに対する最大ピークレベルの大きさL1 、及び天空
レベルに対する遮断レベルの大きさL2 に基づいて、受
信レベルに関する所定のしきい値Lthを決定する(step
85)。このしきい値Lthは、最大ピークレベルより小さ
く遮断レベルより大きい範囲内の値である。例えば、遮
断レベルがかなり大きい場合には、しきい値Lthを遮断
レベルよりもわずかに大きな値に設定する。また、制御
部53は、天空レベルに対する最大ピークレベルの大き
さL1 、及び天空レベルに対する遮断レベルの大きさL
2 に基づいて、圧縮率κを決定する(step86)。例え
ば、図8(a)に示す受信レベルの場合には、圧縮率κ
を例えば40%又は50%等に設定する。また、遮断レ
ベルがかなり小さく、しかも最大ピークレベルが他のノ
イズレベルに比べて十分大きい場合には、圧縮率κを例
えば0〜10%と小さな値に設定する。
【0036】尚、天空レベルに対する最大ピークレベル
の大きさ及び天空レベルに対する遮断レベルの大きさ
と、しきい値・圧縮率との対応関係を定めた対応テーブ
ルをメモリ等に予め記憶しておき、制御部53は、この
対応テーブルに基づいて、しきい値や圧縮率を決定する
ようにしてもよい。こうして、しきい値Lthと圧縮率κ
が決まると、制御部53は、オフセット調整部51で調
整された受信レベルについて、しきい値Lth以下の部分
を部分的に圧縮率κで圧縮する(step87)。これによ
り、例えば、図8(a)に示す受信レベルに圧縮処理を
施したとすると、図8(b)に示すように、最大ピーク
レベルが際立った受信レベルを得ることができる。かか
る圧縮処理が施された受信レベルは、制御部53のアン
テナ追尾制御を行う機能部分に出力され(step88)、こ
の受信レベルに基づいてアンテナ10の追尾制御が行わ
れる。
【0037】次に、制御部53が行うアンテナ10の追
尾制御の処理内容を具体的に説明する。制御部53は、
スイーピング制御、微分制御、ホールド制御及びウエイ
ト制御という四つの基本制御を組み合わせて、アンテナ
10の追尾制御を行う。スイーピング制御は、アンテナ
10の方位角を最大360°にわたって変化させながら
衛星の方向を探索するものである。微分制御は、受信レ
ベルが最大となるピーク角度を見いだすものである。ま
た、ホールド制御は、その処理中、アンテナ10の方位
角を保持しておくものであり、ウエイト制御は、所定の
期間、受信レベル等を監視し、最適な他の制御に移行す
るためのものである。尚、以下では、制御部53が角速
度計55からの角速度、或いは積分器56からの角速度
の積分値を受け取ること、又は、A/D変換器52から
の受信レベルを受け取り、部分的な圧縮処理を施すこと
を、制御部53が角速度、その積分値又は受信レベルを
検出するとも表現することにする。また、以下の追尾制
御の説明では、部分的な圧縮処理が施された受信レベル
を、単に受信レベルLと称する。
【0038】本実施形態では、移動体の移動に伴って時
々刻々と変化する受信レベルに応じて、上記の各種の制
御を効率よく実行するために、受信レベルに関して、四
つのしきい値Lo ,Lt ,Lm ,Lb を定義している。
かかるしきい値Lo ,Lt ,Lm ,Lb は、図9に示す
ように、受信レベルのピーク値Lp に対する比率(相対
値)で定義される。ここで、ピーク値Lp は、制御部5
3が検出した最新のいくつかの受信レベルのうちの最大
値である。しきい値Lo は、ピーク値Lp よりも所定倍
率だけ大きな値、例えば、ピーク値Lp の110%値で
ある。しきい値Lo を越える新たな受信レベルが検出さ
れるたびに、その検出した受信レベルによってピーク値
p が更新される。ここで、ピーク値Lp の更新に10
%のヒステリシスを設定したのは、受信レベルの短時間
の変動に伴いピーク値Lp を頻繁に変更するという無駄
な処理を除去するためである。
【0039】また、しきい値Lt は、ピーク値Lp より
も多少低い値、例えば、ピーク値L p の93%値であ
る。受信レベルがしきい値Lt を越えている限りは、ア
ンテナ10の回転による追尾精度の更改は行われない。
しきい値Lb は、ピーク値Lpに比べて相当小さな値、
例えば、ピーク値Lp の20%値である。受信レベルが
しきい値Lb よりも低下すると、大きな角度誤差が発生
したものと見なされる。この場合、制御部53は、スイ
ーピング制御の実行を開始する。しきい値Lm は、ピー
ク値Lp としきい値Lb の中間程度の値、例えば、ピー
ク値Lp の50%値である。このしきい値Lm の意義に
ついては後述する。
【0040】最初に、制御部53が実行するスイーピン
グ制御について説明する。図10はスイーピング制御を
説明するためのフローチャートである。スイーピング制
御は、受信レベルがしきい値Lb を越えないというよう
な、大きな追尾誤差の状態が所定期間にわたって継続し
ている場合、極端に言えば追尾中に衛星方向を見失って
しまった場合や、電源を投入して最初のオフセット制御
及び圧縮処理が完了した後に追尾動作を開始する場合に
実行される衛星方向の探索制御である。
【0041】制御部53は、追尾動作中に衛星方向を見
失ってしまうと、スイーピング制御の実行を開始する。
まず、現在の回転角度を中心にして最大限±5°の範囲
にわたってアンテナ10を回動させながら受信レベルL
を検出し、これがしきい値L b を越えたか否かを判定す
る(step11)。受信レベルLがしきい値Lb を越えない
と判定すると、次に、制御部53は、現在の回転角度を
中心にして最大限±20°の範囲にわたってアンテナ1
0を回動させながら受信レベルLを検出し、これがしき
い値Lb を越えたか否かを判定する(step12)。以下、
同様にして、制御部53は、受信レベルLがしきい値L
b を越えるまで、アンテナ10の回動範囲を±90°、
±180°という具合に段階的に増加させながらスイー
ピング制御を実行する(step13,step14)。制御部53
は、step11〜14のいずれかにおいて、受信レベルLがし
きい値Lb を越えたと判定すると、この結果を生じさせ
たアンテナ10の回転方向を保持し(step15)、微分制
御の実行に移行する。
【0042】また、電源が投入され、最初のオフセット
制御及び圧縮処理が完了した後に行うスイーピング制御
にあっては、上記のstep14から処理が開始される。すな
わち、制御部53は、現在の回転角を中心にして360
°の範囲にわたってアンテナ10を回転させながら受信
レベルLを検出し、これがしきい値Lb を越えたか否か
を判定する(step14)。そして、受信レベルLがしきい
値Lb を越えたと判定すると、step15に移行する。
【0043】尚、step11〜14の各々は、便宜上、単一の
ステップで表現されている。しかしながら、これら各ス
テップにおいては、具体的には、アンテナ10を所定の
角度(例えば、1°)だけ回転させる処理と、新たな受
信レベルLを検出する処理と、この受信レベルLとしき
い値Lb とを比較する処理とからなる一連の処理が、回
転方向のそれぞれについて、最大回転角度を上記所定の
角度で割った値に等しい数だけ実行される。
【0044】次に、制御部53が実行する微分制御につ
いて説明する。図11は微分制御を説明するためのフロ
ーチャートである。微分制御は、主として、スイーピン
グ制御の実行の結果、受信レベルLがしきい値Lb より
も大きいと判定された場合や、後述するホールド制御や
ウエイト制御において、受信レベルLがしきい値Lt
りも低下すると共に、角速度やその積分値がそれぞれ所
定のしきい値よりも大きくなり、自動車の旋回に伴うか
なりの角度変化が生じたと判定された場合に行われる。
【0045】制御部53は、微分制御の実行を開始する
と、まず、アンテナ10を回転すべき方向が確定してい
るか否かを判断する(step21)。この微分制御の直前に
実行されていた追尾制御がスイーピング制御であれば、
このスイーピング制御において受信レベルLをしきい値
b 以上まで増加させた回転方向が回転すべき方向とし
て既に確定している。また、この微分制御の開始の契機
が、ホールド制御やウエイト制御において角速度値やそ
の積分値が所定の値を越えたことにあれば、それらの極
性によって示される自動車の旋回方向と逆の方向にアン
テナを回転させればよく、回転すべき方向が確定してい
る。しかしながら、角速度の積分値についてはその極性
が角速度の場合に比べて不確かなことも予想されるた
め、この場合についてだけ回転すべき方向を確定する処
理が行われる(step22)。すなわち、step22において
は、制御部53は、まず、角速度の積分値の極性から予
想される方向に所定角度だけ回転させ、この回転に伴い
受信レベルが増加すればこの方向を回転すべき正しい方
向として確定し、受信レベルが減少すれば逆の方向を回
転すべき正しい方向として確定する。
【0046】こうして回転すべき方向の確定が終了する
と、次に、制御部53は、アンテナ10の回転速度Vを
所定の初期値V0 に設定し(step23)、アンテナ10を
この回転速度V=V0 で確定済みの回転方向に所定角度
Δθだけ回転させる(step24)。その後、制御部53
は、新たな受信レベルLと、アンテナ10の回転前の受
信レベルに対する新たな受信レベルLの増分ΔLとを検
出する(step25)。次に、制御部53は、新たに検出し
た受信レベルLがしきい値Lb を越えているか否かを判
定する(step26)。新たな受信レベルLがしきい値Lb
を越えていなければ、衛星方向を見失ったものと判断
し、スイーピング制御に移行する。一方、新たな受信レ
ベルLがしきい値Lb を越えていると判定すると、制御
部53は、アンテナ10の回転速度Vを受信レベルLの
増分ΔLに比例した値に変更する(step27)。
【0047】次に、制御部53は、新たな受信レベルL
がしきい値Lt を越えたか否かを判定する(step28)。
新たな受信レベルLがしきい値Lt を越えていなけれ
ば、衛星方向を捕捉していないと見なして、step24に戻
り、アンテナ10を、step27で更新済みの回転速度Vで
所定角度Δθだけ回転させる。ここで、本実施形態で
は、所定角度Δθはパルスモータ62に供給するパルス
個数により設定され、また、回転速度Vはパルスモータ
62に供給されるパルスの時間間隔を変更することによ
って変更される。このように、制御部53は、新たに検
出した受信レベルLがしきい値Lt を越えるまで、次回
の回転速度Vを直前の回転によって検出された受信レベ
ルの増分Δθに比例する値に更新しながら、所定角度Δ
θずつの回転を反復する(step24〜step28)。
【0048】一方、step28において、新たな受信レベル
Lがしきい値Lt を越えたと判定されると、制御部53
は、現在設定されている回転速度Vが所定のしきい値V
thよりも小さいか否かを判定する(step29)。回転速度
Vがしきい値Vth以上であれば、step24に戻り、制御部
53は、受信レベルLがしきい値Lt を越え、且つ回転
速度Vがしきい値Vthより小さくなるまで、step24から
step29までの処理を反復する。
【0049】また、新たに検出した受信レベルLがその
ピーク値Lp に十分接近すると、ピーク値Lp に対応す
る角度近傍では、受信レベルLの増分ΔLは小さくなる
ため、回転速度Vがしきい値Vthよりも小さくなり、st
ep29の判定結果は肯定的となる。こうして、制御部53
は、受信レベルLのピーク値Lp に対応する角度を検出
することができ、引き続き、ホールド制御の実行を開始
する。
【0050】次に、制御部53が実行するホールド制御
について説明する。図12はホールド制御を説明するた
めのフローチャートである。制御部53は、まず、ホー
ルド制御の直前に、微分制御において検出した受信レベ
ルLを新たなピーク値Lp として設定すると共に、この
ピーク値Lp を用いて、しきい値Lo ,Lt ,Lm ,L
b を算出して設定し直す(step31)。次に、制御部53
は、新たに受信レベルLを検出し(step32)、これをし
きい値Lt と比較する(step33)。受信レベルLがしき
い値Lt よりも大きいと判定すると、制御部53は、こ
の受信レベルLとしきい値Lo とを比較する(step3
4)。新たに検出した受信レベルLがしきい値Lo を越
えたと判定されると、step31に戻る。
【0051】一方、新たに検出した受信レベルLがしき
い値Lo 以下であれば、step32に戻り、step34までの処
理を反復する。すなわち、新たに検出した受信レベルL
がしきい値Lt としきい値Lo との間の値に保たれる安
全な受信状態が続いている限り、step32からstep34まで
の処理が反復される。この反復処理は、直前の処理を終
了すると直ちに次の処理を開始するような非同期状態で
実行してもよいが、適当な箇所に所定時間の待ち状態を
設けて一定周期で処理を反復する同期状態で実行するこ
ともできる。このホールド制御の実行中は、アンテナ1
0の回転角度はその実行直前の値に保持される。
【0052】また、step33において、新たに検出した受
信レベルLがしきい値Lt 以下であると判定すると、制
御部53は、角速度を検出し、これが所定のしきい値を
越えているか否かを判定する(step35)。検出した角速
度がしきい値を越えていなければ、次に、その角速度の
積分値を検出し、これが所定のしきい値を越えているか
否かを検出する(step36)。この角速度の積分値は、自
動車が緩やかに大きなカーブを描く高速道路上などを走
行中のため、追尾誤差のずれ速度は小さいがその長時間
にわたる積算値が相当大きくなる場合に対処するために
導入された量である。そのような場合、角速度自体はし
きい値を越えるほどではないがその積分値が所定の値を
越えることになる。
【0053】制御部53は、step35において角速度がし
きい値を越えたと判定し、又は、step35において角速度
はしきい値を越えないが、step36において角速度の積分
値がしきい値を越えたと判定したときには、自動車の旋
回に伴って追尾誤差が増大したものとみなし、微分制御
の実行を開始する。一方、制御部53は、step35とstep
36において、角速度とその積分値のいずれもがそれぞれ
のしきい値を越えていないと判定したときには、受信レ
ベルの低下の原因が遮蔽物による一時的なもの(瞬断)
であると見なし、ウエイト制御の実行を開始する。
【0054】次に、制御部53が実行するウエイト制御
について説明する。図13はウエイト制御を説明するた
めのフローチャートである。かかるウエイト制御は、基
本的には、受信レベルがしきい値Lt よりも大きな値に
復帰するか、角速度がしきい値よりも大きな値になるの
を監視し、それぞれの状態変化に則した制御状態に移行
するためのものである。このウエイト制御は、基本的に
は、受信レベルや角速度の変化の監視を短周期で反復す
る前半部分(前期ウエイト制御)と、このような状態変
化の監視を長周期で反復する後半部分(後期ウエイト制
御)とに二分されている。一例として、ウエイト制御実
行のための全期間が2秒程度に設定され、その前半部分
が0.3秒程度、後半部分が1.7秒程度に設定され
る。
【0055】制御部53は、ウエイト制御の実行を開始
すると、まず、経過時間を管理するためにタイマによっ
て一定速度で歩進される時刻Tと、状態フラグFとをゼ
ロに初期設定する(step41)。次に、制御部53は、所
定のしきい値を越えるような大きさの所定の角速度が検
出されているか否かを判定する(step42)。そして、そ
のような大きな角速度が検出されていなければ、新たに
受信レベルLを検出し(step43)、これがしきい値Lt
を越えているか否かを判定する(step44)。
【0056】受信レベルLがしきい値Lt を越えていな
いと判定すると、制御部53は、このウエイト制御の実
行の開始からの経過時間Tが、このウエイト制御の前半
部分(前期ウエイト制御)を定める所定の時間Tm を越
えているか否かを判定し(step45)、越えていなければ
step42に戻り、step45までの処理を反復する。この反復
処理は、図13に示すように、直前の処理を終了すると
直ちに次の処理を開始するような非同期状態で実行して
もよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち状態を設定する
ことにより、一定周期、例えば10ミリ秒で処理を反復
する同期状態で実行してもよい。
【0057】制御部53は、上記反復処理中に、step42
において角速度が所定のしきい値よりも大きいと判定す
ると、受信レベルの低下の原因には、遮蔽物による瞬断
だけでなく自動車の旋回に伴う角度誤差も関係している
ものと見なし、直ちに微分制御の実行を開始する。この
ような場合としては、例えば、遮蔽物による瞬断の発生
直後に自動車の旋回に伴う角度誤差が発生するなどの複
合的な状況の変化が生じた場合などが考えられる。これ
に対して、制御部53は、上記反復処理中に、step34に
おいて受信レベルLがしきい値Lt を越えると判定する
と、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断によるもので
あったと見なし、直ちにホールド制御に移行する。
【0058】制御部53は、上記反復処理中に、step45
において経過時間Tが所定の時間T m を越えたと判定す
ると、step46から開始される後期ウエイト制御に移行す
る。制御部53は、後期ウエイト制御の実行を開始する
と、まず、角速度が所定のしきい値を越えているか否か
を判定する(step46)。そのような大きな角速度が検出
されていなければ、新たな受信レベルLを検出し(step
47)、これがしきい値Lt を越えているか否かを判定す
る(step48)。受信レベルLがしきい値Lt を越えてい
ないと判定すると、制御部53は、この受信レベルLが
しきい値Lm を越えているか否かを検出する(step4
9)。受信レベルLがしきい値Lm を越えていなけれ
ば、制御部53は、状態フラグFを“0”に設定し(st
ep50)、このウエイト制御の実行を開始してからの経過
した時間Tが、このウエイト制御の実行時間を定義する
所定値Tw を越えているか否かを判定する(step51)。
ウエイト制御の実行開始からの経過時間Tが所定値Tw
を越えていなければ、step52に移行し、所定の反復周期
o を定めるために設定されている待ち状態(step52)
を経て、step46に復帰し、上記step46からstep52までの
処理を反復する。
【0059】制御部53は、前期ウエイト制御の場合と
同様に、上記反復処理中に、step46において角速度が所
定のしきい値よりも大きいと判定すると、遮蔽物による
瞬断だけでなく自動車の旋回も受信レベルの低下に関連
しているものと見なし、直ちに微分制御の実行を開始す
る。これに対して、制御部53は、上記反復処理中に、
step48において受信レベルLがしきい値Lt を越えると
判定すると、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断によ
るものであったと見なし、直ちにホールド制御に移行す
る。また、制御部53は、step51において、ウエイト制
御の実行開始からの経過時間Tが所定値Tw を越えてい
ると判定すると、受信レベルの低下の原因が、遮蔽物に
よる瞬断でもなく、しかも自動車の旋回でもないものと
見なし、このウエイト制御の実行を終了し、スイーピン
グ制御に移行する。
【0060】また、step49において、新たに検出した受
信レベルLがしきい値Lt 以下であるが、しきい値Lm
よりも大きくなったと判定すると、状態フラグFが
“1”であるか否かを調べる(step53)。制御部53
は、状態プラグFが“0”であると判定すると、これを
“1”に変更し(step54)、step52の待ち合わせ状態を
経てstep46に戻る。この後、制御部53は、step53で状
態フラグFが“1”であることを判定すると、このウエ
イト制御を終了し、微分制御の実行を開始する。このよ
うに、状態フラグFを採用したのは、受信レベルLがし
きい値Lt を越えるほどではないにしても、連続して2
回もしきい値Lm を越えたということは、追尾誤差がそ
れほど大きな値ではないことを意味しており、この場
合、スイーピング制御を省略して直ちに微分制御を実行
することにより追随性を高めるためである。
【0061】本実施形態の移動体搭載用アンテナの追尾
制御装置では、アンテナを方位角方向に回転しながら得
られた受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準レ
ベルに一致するように、受信レベルにオフセット値を持
たせるオフセット調整部を設けたことにより、移動体の
環境の変化に伴い、受信レベルの天空レベルが大きくな
り、最大ピークレベルが所定の制御レベル範囲内に収ま
らなくなった場合でも、その最大ピークレベルを引き下
げて、最大ピークレベルを制御レベル範囲内に収めるこ
とができる。このため、かかるオフセット調整部で調整
された受信レベルを用いると、アンテナの方位角を確実
に制御することができる。
【0062】また、特開昭63−208775号公報に
記載された従来の追尾制御装置では、マルチプレクサを
段階的に切り換え、その都度、増幅器の出力電圧が制御
レベル範囲内に収まっているかどうかを判定することに
より、最大ピークレベルを所定の制御レベル範囲内に収
めるようにしている。これに対し、本実施形態の追尾制
御装置では、制御レベル範囲を予め十分大きく設定して
いるため、受信レベルの天空レベルが検出できさえすれ
ば、その後は、その天空レベルから算出したオフセット
値に基づいて受信レベルのオフセット調整を行うだけ
で、最大ピークレベルを所定の制御レベル範囲内に収め
ることができる。このため、本実施形態の追尾制御装置
は、特に機器の温度上昇により受信レベル全体が大幅に
シフトしてしまった場合には、従来のものに比べて、最
大ピークレベルを所定の制御レベル範囲内に収める処理
を迅速に行うことができる。
【0063】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。上記の実施形態では、制御部がオフセット
調整部で調整された受信レベルについて、所定のしきい
値以下の部分を部分的に圧縮処理する場合を説明した。
この場合、そのしきい値より大きいレベルについては部
分的に伸長処理を行うことにしてもよい。ここで、この
伸長処理を行う際の伸長率は、圧縮率と同様に、アンテ
ナを方位角方向に回転しながら得られたオフセット調整
部で調整後の受信レベルに含まれる最大ピークレベル、
遮断レベル及び天空レベルに基づいて決定することにな
る。この伸長処理を行うことにより、圧縮処理が行われ
ても、最大ピークレベルに十分な高さを持たせることが
でき、例えば、最大ピークレベルと天空レベルとの差を
常に一定に保持することができる。
【0064】しかし、かかる伸長処理を施した受信レベ
ルを用いると、受信レベルの最大ピークレベルの幅が狭
く、アンテナを少し動かしただけで受信レベルがすぐに
落ちてしまう。このため、かえってアンテナの方位角の
制御がしずらくなる。この意味では、伸長処理を行うこ
とはあまり実用的ではない。尚、アンテナの方位角の制
御の際に重要なのは、受信レベルの最大ピークレベルの
形状・幅であり、部分的な圧縮処理を行うことにより、
最大ピークレベルの高さが低くなることはそれ程問題に
はならない。
【0065】また、上記の実施形態において、制御部が
行う受信レベルについての部分的な圧縮処理は省略可能
である。また、上記の実施形態では、アンテナ装置をア
ンテナユニット部1とチューナユニット部2とに分けて
構成した場合について説明したが、例えば、アンテナ装
置としては、アンテナ10、コンバータ20、チューナ
40及び追尾制御装置50を回転機構部60上に載せた
一体型のものを用いてもよい。
【0066】更に、上記の実施形態では、オフセット調
整部が、アンテナを方位角方向に回転しながら得られた
受信レベルの天空レベルが所定の基準レベルに一致する
ように、受信レベルにオフセット値を持たせ、制御部が
オフセット調整部で調整された受信レベルを用いて、ア
ンテナの方位角を制御する場合について説明した。しか
し、本発明は、オフセット調整部が、アンテナを仰角方
向に回転しながら得られた受信レベルの天空レベルが所
定の基準レベルに一致するように、受信レベルにオフセ
ット値を持たせ、制御部がオフセット調整部で調整され
た受信レベルを用いて、アンテナの仰角を制御する場合
にも、同様に適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら得られ
た受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準レベル
に一致するように、受信レベルにオフセット値を持たせ
るオフセット調整手段と、オフセット調整手段で調整さ
れた受信レベルに基づいてアンテナの方位角又は仰角を
制御する制御手段とを備えることにより、移動体の環境
の変化に伴い、受信レベルの天空レベルが大きくなり、
最大ピークレベルが所定の制御レベル範囲内に収まらな
くなった場合でも、その最大ピークレベルを引き下げ
て、最大ピークレベルを制御レベル範囲内に収めること
ができるので、かかるオフセット調整手段で調整された
受信レベルを用いると、アンテナの方位角又は仰角を確
実に制御することができる移動体搭載用アンテナの追尾
制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である移動体搭載用アンテ
ナの追尾制御装置を適用したアンテナ装置の概略ブロッ
ク図である。
【図2】そのアンテナ装置を自動車に搭載した場合の概
略構成図である。
【図3】(a)は受信レベルとアンテナの回転角度との
関係の一例を示す図、(b)は(a)に示す受信レベル
を本実施形態のオフセット調整部でオフセット調整した
後の受信レベルを示す図である。
【図4】(a)は移動体と衛星及び遮蔽物との位置関係
の一例を示す図、(b)は移動体が(a)に示す位置に
あるときに受信レベルとアンテナの回転角度との関係を
示す図である。
【図5】(a)はアンテナ装置のアンテナユニット部の
概略平面図、(b)はそのアンテナ装置のアンテナユニ
ット部の概略側面図である。
【図6】オフセット制御を説明するためのフローチャー
トである。
【図7】圧縮処理を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】(a)は圧縮処理を行う前の受信レベルの一例
を示す図、(b)は圧縮処理を行った後の受信レベルの
一例を示す図である。
【図9】制御部によるアンテナの追尾制御に用いられる
受信レベルの各しきい値を説明するための図である。
【図10】制御部が実行するスイーピング制御を説明す
るためのフローチャートである。
【図11】制御部が実行する微分制御を説明するための
フローチャートである。
【図12】制御部が実行するホールド制御を説明するた
めのフローチャートである。
【図13】制御部が実行するウエイト制御を説明するた
めのフローチャートである。
【図14】AGC信号(受信レベル)を出力する機器の
温度が上昇したときに、受信レベルの変化を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 アンテナユニット部 2 チューナユニット部 3 テレビジョン受像機 10 アンテナ 20 コンバータ 30 回転結合器 40 チューナ 50 追尾制御装置 51 オフセット調整部 52 A/D変換器 53 制御部 54 D/A変換器 55 角速度計 56 積分器 60 回転機構部 61 モータ駆動回路 62 パルスモータ 63 減速機 64 ドライブベルト 65 回転部 66 回転テーブル 71 レドーム 72 ベースプレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載されたアンテナが受信した
    信号の受信レベルに基づいて、前記アンテナの方位角又
    は仰角を所望の角度に設定する移動体搭載用アンテナの
    追尾制御装置であって、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準
    レベルに一致するように、受信レベルにオフセット値を
    持たせることにより、受信レベルの最大ピークレベルが
    所定の制御レベル範囲内に収まるように受信レベルを調
    整するオフセット調整手段と、 前記オフセット調整手段で調整された受信レベルに基づ
    いて前記アンテナの方位角又は仰角を制御する制御手段
    と、 を具備することを特徴とする移動体搭載用アンテナの追
    尾制御装置。
  2. 【請求項2】 移動体に搭載されたアンテナが受信した
    信号の受信レベルに基づいて、前記アンテナの方位角又
    は仰角を所望の角度に設定する移動体搭載用アンテナの
    追尾制御装置であって、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準
    レベルに一致するように、受信レベルにオフセット値を
    持たせることにより、受信レベルの最大ピークレベルが
    所定の制御レベル範囲内に収まるように受信レベルを調
    整するオフセット調整手段と、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた前記オフセット調整手段で調整後の受信レベル
    に含まれる最大ピークレベル、遮蔽物による雑音レベル
    及び天空レベルに基づいて、遮蔽物による雑音レベルよ
    り大きく最大ピークレベルより小さい範囲内で所定のし
    きい値を決定した後、受信レベルについて前記しきい値
    以下の部分を部分的に圧縮処理する圧縮手段と、 前記圧縮手段で処理された受信レベルに基づいて前記ア
    ンテナの方位角又は仰角を制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする移動体搭載用アンテナの追
    尾制御装置。
  3. 【請求項3】 前記圧縮手段は、前記アンテナを方位角
    方向又は仰角方向に回転しながら得られた前記オフセッ
    ト調整手段で調整後の受信レベルに含まれる最大ピーク
    レベル、遮蔽物による雑音レベル及び天空レベルに基づ
    いて、前記圧縮処理を行う際の圧縮率を決定することを
    特徴とする請求項2記載の移動体搭載用アンテナの追尾
    制御装置。
  4. 【請求項4】 移動体に搭載されたアンテナが受信した
    信号の受信レベルに基づいて、前記アンテナの方位角又
    は仰角を所望の角度に設定する移動体搭載用アンテナの
    追尾制御方法であって、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準
    レベルに一致するように、受信レベルにオフセット値を
    持たせることにより、受信レベルの最大ピークレベルが
    所定の制御レベル範囲内に収まるように受信レベルを調
    整する第一の工程と、 前記第一の工程で調整された受信レベルに基づいて前記
    アンテナの方位角又は仰角を制御する第二の工程と、 を具備することを特徴とする移動体搭載用アンテナの追
    尾制御方法。
  5. 【請求項5】 移動体に搭載されたアンテナが受信した
    信号の受信レベルに基づいて、前記アンテナの方位角又
    は仰角を所望の角度に設定する移動体搭載用アンテナの
    追尾制御方法であって、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた受信レベルに含まれる天空レベルが所定の基準
    レベルに一致するように、受信レベルにオフセット値を
    持たせることにより、受信レベルの最大ピークレベルが
    所定の制御レベル範囲内に収まるように受信レベルを調
    整する第一の工程と、 前記アンテナを方位角方向又は仰角方向に回転しながら
    得られた前記第一の工程で調整後の受信レベルに含まれ
    る最大ピークレベル、遮蔽物による雑音レベル及び天空
    レベルに基づいて、遮蔽物による雑音レベルより大きく
    最大ピークレベルより小さい範囲内で所定のしきい値を
    決定した後、受信レベルについて前記しきい値以下の部
    分を部分的に圧縮処理する第二の工程と、 前記第二の工程で処理された受信レベルに基づいて前記
    アンテナの方位角又は仰角を制御する第三の工程と、 を具備することを特徴とする移動体搭載用アンテナの追
    尾制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第二の工程は、前記アンテナを方位
    角方向又は仰角方向に回転しながら得られた前記第一の
    工程で調整後の受信レベルに含まれる最大ピークレベ
    ル、遮蔽物による雑音レベル及び天空レベルに基づい
    て、前記圧縮処理を行う際の圧縮率を決定することを特
    徴とする請求項5記載の移動体搭載用アンテナの追尾制
    御装置。
JP30088097A 1997-10-31 1997-10-31 移動体搭載用アンテナの追尾制御装置及びその追尾制御方法 Withdrawn JPH11133131A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018207201A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 日本無線株式会社 衛星通信のブロッキングチャートの作成方法及び作成プログラム

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JP2018207201A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 日本無線株式会社 衛星通信のブロッキングチャートの作成方法及び作成プログラム

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