JPH08116207A - 移動体搭載用衛星アンテナ装置 - Google Patents

移動体搭載用衛星アンテナ装置

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JPH08116207A
JPH08116207A JP7022184A JP2218495A JPH08116207A JP H08116207 A JPH08116207 A JP H08116207A JP 7022184 A JP7022184 A JP 7022184A JP 2218495 A JP2218495 A JP 2218495A JP H08116207 A JPH08116207 A JP H08116207A
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reception level
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satellite
angular velocity
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Application number
JP7022184A
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English (en)
Inventor
Masahiro Uematsu
正博 植松
Takashi Oshima
孝 尾島
Motonobu Moriya
元伸 守谷
Makoto Ochiai
誠 落合
Kazuo Kato
和郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SYST UNIQUES KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
SYST UNIQUES KK
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 車両の急旋回による追尾方位角の大きな追尾
外れに対しても追随性を良くする。 【構成】 自動追尾部1,5,6,7 は、アンテナ本体部8 が
受信した電波の受信レベルを検出する受信レベル検出手
段5 と、移動体の旋回に伴って発生する角速度の水平成
分を検出する角速度検出手段7 と、検出された受信レベ
ルが所定の閾値を越えている場合には、この検出された
受信レベルが増加するように追尾方位角を変化させ、角
速度検出手段が検出した角速度の水平成分を積分するこ
とによって移動体の旋回角を検出するマイクロプロセッ
サ1とを備える。受信レベル検出手段で検出された受信
レベルが上記閾値以下となるレベル低下の発生時に、検
出した旋回角のこのレベル低下の直前における変化量を
検出し、この旋回角の変化量で現在の追尾方位角を修正
し、時間の経過と共に増大する振幅で追尾方位角を変化
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用衛星放送受信ア
ンテナ装置などとして利用される移動体搭載用衛星アン
テナ装置に関するものであり、特に、自動追尾方式の改
良によってアンテナ装置全体の小型化と低廉化とを図っ
た移動体搭載用アンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の衛星放送の普及に伴い、車両や船
舶など各種の移動体に搭載するための衛星放送受信アン
テナ装置が検討されている。将来は、放送衛星のような
静止衛星だけでなく移動衛星からの電波を受信したり、
あるいは、放送の受信だけでなく衛星との間の通信(送
受信)を含むサービスも予想される。この種の移動体搭
載用アンテナ装置、特に車載用衛星アンテナ装置の特徴
的な点は、受信対象の衛星が移動衛星であれば勿論のこ
と、これが静止衛星であっても、車両の向きがその走行
に伴って時々刻々変化するため、アンテナ本体を常に衛
星の方向に向けるための自動追尾機構が必要になるとい
う点である。
【0003】このような自動追尾機構は、このアンテナ
本体の向きの水平成分(以下「追尾方位角」と称する)
を制御する方位角制御機構と、アンテナ本体の仰角を制
御する仰角制御機構との組合せによって実現される。こ
のような自動追尾機構は、コンバータやチューナなどの
電気回路部分も含めた衛星放送受信システム全体の製造
費用のかなりの部分を占めると共に、アンテナ装置の設
置高さと設置面積を増大させるため、これをどれだけ簡
略化するかが重要な技術課題の一つである。
【0004】アンテナ本体の追尾方位角については、車
両の走行に伴いこれを 360°にわたって制御する必要が
あるため、その制御は機械的な回転機構によって実現す
ることが現実的と考えられる。これとは対照的に、特
に、放送衛星のような静止衛星を対象とする場合には、
アンテナ本体の仰角の制御は、車両が走行中の地域の緯
度や±5o 程度の範囲の道路の傾斜の変化に対応できれ
ば足りるため、その制御範囲は比較的限られている。
【0005】このため、移動体搭載用衛星アンテナ装置
としては、アンテナ本体の仰角方向の指向性を予め広め
に設定しておくと共に、追尾方位角のみを制御する一軸
追尾方式や、仰角については離散的な粗い制御を行う方
式を採用することによって、受信システム全体の小型化
と経済化を図ることも試みられている。仰角方向の制御
をどのようにするにしても、追尾方位角の制御機構と仰
角の制御機構はほぼ独立性を保つ。以下では、比較的重
要な追尾方位角の制御について説明する。
【0006】上記移動体搭載用衛星アンテナの自動追尾
は、通常、アンテナ本体が受信した電波のレベルを検出
してこれを増加させるようにその追尾方位角を自動的に
制御することによって行われる。この電波追尾方式は、
フィードバック制御によって実現される。なお、原理的
には、衛星アンテナ装置を搭載する移動体の向きを方位
センサを用いて検出し、この検出した移動体の向きを基
準にしてアンテナ本体を衛星に向けるための追尾方位角
を算定し、制御する方位センサ方式も考えられる。しか
しながら、この方位センサ方式では、算定すべき追尾方
位角が移動体の存在する地点の経度や緯度に依存して変
化するため、緯度や経度を検出するためにGPS受信装
置などの位置決めシステムの併用が必要になったり、人
手によって大まかな緯度や経度を設定し変更するなどの
煩雑さが伴うという問題がある。
【0007】上記電波追尾方式は、方位角センサを必要
としないため方位センサ方式に比べて自動追尾機構が簡
易・安価になるという利点がある。このような電波追尾
方式の一例が、本出願人の先願に係わる特願平6 ー1988
6 号の明細書に記載された「移動搭載衛星アンテナの追
尾制御装置」と題する発明によって開示されている。上
記先願の発明によれば、検出された受信レベルLが所定
の閾値Lbを越えている場合には、この受信レベルLを
増加させるように追尾方位角が変更される。また、検出
された受信レベルが上記閾値Lbよりも大きな別の閾値
Ltを越えおりかつ直前の追尾方位角の変化速度が所定
の閾値よりも小さい場合には、アンテナ本体部がほぼ正
確に衛星を向いている良好追尾状態にあると判定して追
尾方位角を一定値に保つホールド制御が実行される。こ
のホールド制御の追加によって、無用な追尾動作を省略
するという技術思想も開示されている。
【0008】しかしながら、この電波追尾方式には、移
動体の急旋回に伴う追尾誤差の急増によって受信レベル
が急減して雑音レベル程度に接近すると電波追尾が継続
不能となってしまうという欠点がある。以下では、この
ような状態を追尾外れの状態と称する。上記先願の発明
では、上記追尾外れの状態を受信レベルLが所定の閾値
Lb以下になったことで判定している。上記先願の発明
では、追尾外れの発生時にはその時点の追尾方位角を中
心として振幅を漸増させながらアンテナ本体部を振動的
に旋回させて衛星の再捕捉を行うという探索モードが追
加されている。
【0009】また、追尾外れが移動体の急旋回に起因し
てだけではなく、直進中での移動体が山や樹木やビルな
どの遮蔽物の陰に入ることによっても生じる。この追尾
外れが遮蔽物に起因するものであれば、探索モードの開
始によってアンテナの追尾方位角が本来あるべき値から
かえって遠ざかってしまうと問題もある。そこで、上記
先願の発明では、角速度センサを設置し、その検出値や
これを積分した値の大きさに基づき追尾外れの発生が移
動体の急旋回によるものなのか、あるいは遮蔽物の出現
によるものなのかを弁別する構成を採用している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記先願の電波追尾方
式では、車両の急旋回による追尾外れが生じると直ちに
上述したような探索モードが開始される。しかしなが
ら、このような探索モードでは、振動的な変化の中心と
なる追尾方位角は移動体の急旋回に伴って本来あるべき
値から大幅にずれてしまっている場合が多い。このた
め、このようなずれ量をのもとで再捕捉までの時間を短
縮しようとすれば、それだけ大振幅で高速の旋回が必要
となる。この結果、大きな負担に耐え得る頑丈な構造の
旋回機構が必要になり、大型で重くかつ高価になるとい
う問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の移動体搭載用衛
星アンテナ装置は、上記先願の発明の各構成要素に加え
て、検出された角速度の水平成分を積分することにより
移動体の旋回角を検出する旋回角検出手段と、受信レベ
ルが所定の閾値以下に低下する追尾外れが発生すると、
旋回角検出手段が検出した旋回角のこの追尾外れの直前
における変化量を検出し、この旋回角の変化量で現在の
追尾方位角を修正し、この修正済みの値を中心に時間の
経過と共に増大する振幅で前記追尾方位角を変化させて
衛星の探索を行う衛星探索手段とを備えている。
【0012】
【作用】本発明によれば、アンテナ本体部の追尾方位角
も移動体の向きも共に相対的な値が用いられる。すなわ
ち、アンテナ本体部の追尾方位角は、常に現在の値を基
準値(ゼロ)とし、これから時計廻りに何度、反時計廻
りに何度というように表現される。また、移動体の向き
についても、検出された角速度の積分値という相対的な
値が用いられる。追尾外れが発生すると、旋回角検出手
段が検出した旋回角のこの追尾外れの直前における変化
量が検出される。
【0013】すなわち、図4に示すように、移動体が時
計廻りに角θo だけ旋回したものとする。この旋回に伴
い追尾外れが発生すると、この追尾外れの直前に生じた
角速度の積分値の変化量すなわちθo が検出される。こ
の検出された積分値の変化量によってアンテナ本体部の
現時点の追尾方位角を反時計方向に修正することによっ
て追尾方位角の中心値が算定される。そして、この中心
値の廻りに時間と共に振幅を増加させながら探索が行わ
れる。振幅の小さな初期に探索に成功すれば、電力消費
量も節減される。
【0014】
【実施例】図2は、本発明の一実施例に係わる移動体搭
載用衛星放送受信アンテナ装置の構成を示すブロック図
であり、1はマイクロプロセッサ、2はダウンコンバー
タ、3は回転結合器、4はBSチューナ、5は受信レベ
ル検出器、6はA/D変換器やD/A変換器やバッファ
メモリなどを内蔵する入出力インタフェース回路、7は
角速度センサ、8はアンテナ本体部、9はモータドライ
バ、10はパルスモータ、11は回転支持機構である。
【0015】アンテナ本体部8が放送衛星から受信した
12 GHz帯のテレビジョン信号は、ダウンコンバータ2に
よって1GHz 帯の中間周波のテレビジョン信号に変換さ
れ、回路結合器3を通してBSチューナ4に供給されて
ビデオ信号とオーディオ信号に復調され、それぞれがテ
レビジョン受像機に供給される。受信レベル検出器5
は、BSチューナ内の自動利得制御増幅器から出力され
る雑音レベルに基づきアンテナ本体部8が受信した信号
のレベル(受信レベル)を検出する。すなわち、受信レ
ベルが低下すると自動利得増幅器の利得が増加し、これ
に伴い雑音レベルが増加する。この雑音レベルの増減に
基づき受信レベルが検出され、入出力インタフェース回
路6でディジタル信号に変換されたのち、マイクロプロ
セッサ1に供給される。
【0016】このアンテナ装置を搭載する車両の適宜な
箇所に角速度計7が取付けられており、これによって車
両の進路変更(旋回)時に発生する角速度の水平成分が
検出される。角速度計7としては、適宜な形式のものを
使用できるが、例えば、株式会社村田製作所から商品名
「ジャイロスター」として市販されている角速度計など
を使用できる。検出される角速度は、車両の旋回方向を
示す極性を含んでおり、入出力インタフェース回路6に
供給され、内蔵のA/D変換器でディジタル信号に変換
されて内蔵のバッファメモリに保持される。この保持デ
ータは、適宜なサンプリング周期で作成された最新の所
定個数のサンプリング値のみが作成順にバッファメモリ
に保持される。受信レベル検出器5で検出される受信レ
ベルについても同様である。
【0017】マイクロプロセッサ1は、受信状態の変化
に対応して、あるいはタイマー割り込みなどによって時
分割的に切り換えられる複数の制御ルーチンを実行す
る。マイクロプロセッサ1が実行する電波追尾の制御ル
ーチンでは、入出力インタフェース回路6のバッファメ
モリから受信レベルLが読取られて所定の閾値Lbと比
較され、受信レベルLが閾値Lbよりも大きい場合に
は、この受信レベルLを増加させるような回転方向と回
転角度とが決定され、入出力インタフェース回路6とモ
ータドライバ9とを介してパルスモータ10に回転角度
に対応する個数のパルスが出力される。本実施例では、
アンテナ本体部8が仰角方向に約52o のビームチルト角
を有するクロススロット・アレー平面アンテナによって
構成されると共に、方位角方向の追尾のみを行う一軸追
尾方式が採用されている。パルスモータ10は、アンテ
ナ本体部8を回転自在に保持する回転支持機構11を介
してアンテナ本体部8の方位角を変化させる。
【0018】上述した受信レベルに基づく電波追尾制御
自体は公知であって適宜な方法を適用できるが、例えば
本出願人の先願に係わる特願平6ー19886 号に開示した
ような微分制御を適用すれば好適である。この微分制御
によれば、所定角度にわたるアンテナの回転が反復され
る。そして、この所定角度にわたるアンテナの回転は直
前の回転に伴う単位角度当たりの受信レベルの増分が大
きいほど大きな速度で行われる。また、上記先願の発明
に開示したように、受信レベルが閾値Lbよりも大きな
値を有する閾値Ltよりも高くかつ直前に行われたアン
テナの回転の速度Vが所定の閾値Vthよりも小さけれ
ば、アンテナがほぼ正確に衛星の方向を向いている追尾
良好状態にあると見做され、追尾方位角を固定状態に保
つホールド制御が実行される。このホールド制御におい
ては、閾値はLt、検出されたより大きな受信レベルに
よって更新される最大受信レベルに対する比率として定
義されている。
【0019】マイクロプロセッサ1は、上記電波追尾制
御と並行して時分割的に実行する車両旋回角検出ルーチ
ンにおいて、入出力インタフェース回路6のバッファメ
モリから角速度のサンプリング値を順次読取って積算し
てゆくことにより、角速度の積分値、すなわち車両の旋
回角を演算し内蔵のメモリに書込む。この車両旋回角検
出ルーチンでは、これと並行して実行される電波追尾ル
ーチンにおいてホールド制御が実行中であれば、検出さ
れた車両の旋回角がゼロにリセットされる。
【0020】図3は、車両の旋回に伴って発生し角速度
計7で検出された角速度(A)と、その積分値(旋回角
度)(B)と、追尾外れを契機として開始される探索ル
ーチンによって設定されるアンテナ本体部8の追尾方位
角の中心値(C)と、これを中心とする追尾方位角の掃
引角度振幅(D)と掃引速度(E)の時間変化の様子を
例示している。車両の旋回が開始されるまでは良好追尾
状態にあるものとすれば、マイクロプロセッサ1はホー
ルド制御の実行状態にある。このホールド制御状態のも
とでは、角速度計7によって検出された角速度の積分値
が所定周期でゼロにリセットされることにより、角速度
計7の誤差などに起因する累積誤差の発生が防止され
る。
【0021】車両の旋回の開始に伴い、一点鎖線で示す
時点で良好追尾状態から逸脱すると、ホールド制御に代
わって微分制御による電波追尾が開始される。この電波
追尾の開始後は、角速度の積分値(旋回角)のゼロへの
リセットが停止され、増加し始める。車両の旋回が急激
なため電波追尾によっては追随し切れなくなり、受信レ
ベルLが所定の閾値Lb以下に低下する追尾外れが生ず
ると、電波追尾ルーチンに代わって探索ルーチンの実行
が開始される。この追尾外れが図3中に点線で示す時点
で発生したものとすると、探索ルーチンの開始時点で
は、検出済みの旋回角はθ0 である。
【0022】探索ルーチンが開始されると、まず、現時
点の追尾方位角(0o )から検出済みの旋回角θ0 が減
算され、この減算値(−θ0 )が追尾方位角の掃引の中
心値に設定される。これと前後して階段的に増加する掃
引角度振幅Δθiと、掃引速度Viと、掃引時間Tiと
が設定される。上記設定された中心値のまわりに設定さ
れた振幅と掃引速度で設定された時間ずつ追尾方位角を
変化させながら、受信レベルLが閾値Lbを越えたか否
かの判定が反復される。この掃引中も、探索ルーチンの
開始後に生じた角速度の積分値に基づき、追尾方位角の
中心値の更新が反復される。受信レベルLが閾値Lbを
越えたことが検出されると、この探索ルーチンに代わっ
て電波追尾ルーチンが再開される。この探索ルーチンの
開始から所定の時間Tmax が経過しても受信レベルLが
閾値Lbを越えなければ、アンテナ本体部8を360 o
わたって回転させる最終段階の探索が開始される。
【0023】図1は、マイクロプロセッサ1が実行する
上記探索ルーチンの一例を示すフローチャートである。
マイクロプロセッサ1は、探索ルーチンの実行を開始す
るとまず、内蔵のタイマをリセットし(ステップ1)
し、同期外れ発生時点の追尾方位角から検出済みの移動
体の旋回角θoを減算し、この減算値−θoを掃引の中
心値として設定する(ステップ2)。次に、マイクロプ
ロセッサ1は、探索の開始時点からの経過時間Tが最終
段階の探索を開始すべき時間Tmax に達しているか否か
を判定し(ステップ3)、達していなければ探索開始時
点からの経過時間Tと共に段階的に増大する掃引角度振
幅Δθiと掃引速度Viと掃引時間Tiとを設定する
(ステップ4)。
【0024】次に、マイクロプロセッサ1は、−θo±
Δθiの角度範囲を速度Viで掃引しながら、受信レベ
ルLが閾値Lbを越えたか否かを判定する(ステップ
5,6)。マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが閾
値Lbを越えなかった場合は、設定中の掃引の中心値−
θoからその設定後に生じた移動体の旋回角の変化分を
減算し、これを新たな中心値として設定する(ステップ
7)。マイクロプロセッサ1は、掃引時間が設定した時
間Tiを越えたか否かを判定し(ステップ8)、越えて
いなければステップ5に戻ってステップ8までの処理を
反復する。マイクロプロセッサ1は、掃引時間が設定し
た時間Tiを越えた場合には、ステップ3を経てステッ
プ4に進み、掃引角度振幅θiと、掃引速度Viと、掃
引時間Tiを1段階増加させたのち、ステップ5からス
テップ8までを反復する。
【0025】マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが
閾値Lbを越えたことをステップ6で検出すると、現在
の追尾方位角を保存し(ステップ10)、微分制御によ
る電波追尾状態に移行する。マイクロプロセッサ1は、
探索制御の開始時点からの経過時間Tが所定の時間Tma
x を越えたことをステップ3で検出すると、受信レベル
Lが閾値Lbを越えるまで、360 o にわたって追尾方位
角を変化させる( ステップ9)。マイクロプロセッサ1
は、受信レベルLが閾値Lbを越えたことを検出する
と、この越えた時点の追尾方位角を保存し(ステップ1
0)、微分制御による電波追尾状態に復帰する。なお、
上記ステップ9の実行は、この衛星アンテナ装置の電源
投入時にも直ちに開始される。
【0026】次に、上記実施例の探索モードをスイーピ
ング制御に置換えた構成の他の実施例について説明す
る。この実施例では、図1のステップ11に相当する追
尾モードとして前述した微分制御、ホールド制御及びウ
ェイト制御の組合せが採用されている。
【0027】まず、時々刻々変化する受信レベルに応じ
て各種の制御を実行するために、受信レベルに関してい
くつかの閾値が定義されている。これらの閾値は、図5
に示すように、ピーク値Lpに対する比率(相対値)と
して定義されている。ピーク値Lpは、マイクロプロセ
ッサが検出した最新のいくつかの受信レベルのうちの最
大値である。このピーク値は、これよりも所定倍率だけ
大きな閾値Lo(例えばピーク値の110 %値)を越える
新たな受信レベルが検出されるたびに、そのような一層
大きな受信レベルによって更新される。このように、ピ
ーク値の更新に10%のヒステリシスを設定したのは、受
信レベルの短時間の変動に伴いピーク値を頻繁に変更す
るという無駄な処理を除去するためである。
【0028】閾値Ltは、ピーク値Lpよりも多少低い
値(例えば93%値)であり、受信レベルがこの閾値Lt
を越えている限り、アンテナの回転による追尾精度の更
改は行われない。閾値Lbは、ピーク値に比べて相当小
さな値(例えば20%値)であり、受信レベルがこの閾値
Lbよりも低下すると、大きな角度誤差が発生したもの
と見做される。この場合、マイクロプロセッサ1は、ア
ンテナの方位角を最大360 o にわたって変化させながら
衛星の方向を探索するスイーピング制御の実行を開始す
る。閾値Lmは、ピーク値Lpと閾値Lbの中間程度の
値(例えば50%値)である。この閾値Lmの意義につい
ては後述する。
【0029】まず、マイクロプロセッサが実行する微分
制御について、図6のフローチャートを参照しながら説
明する。この微分制御は、主として次のような場合に開
始される。 (1)スイーピング制御の実行の結果、閾値Lbよりも大
きな受信レベルが検出された場合。 (2)受信レベルがピーク値の93%程度の閾値Ltよりも
低下すると共に、閾値よりも大きな有為な角速度やその
積分値が検出されることにより、車両の旋回に伴うかな
りの角度誤差が生じたと判断された場合。
【0030】マイクロプロセッサ1は、微分制御の実行
を開始すると、まず、回転すべき方向が確定しているか
否かを判断する(ステップ11)。この微分制御の直前
に実行されていた追尾制御がスイーピング制御であれ
ば、このスイーピング制御において受信レベルをLb以
上まで増加させた回転方向が既に確定している。また、
この微分制御の開始の契機が角速度値やその積分値が有
為な値を越えたことにあれば、それらの極性によって示
される車両の旋回方向と逆の方向にアンテナを回転させ
ればよく、回転すべき方向が確定している。しかしなが
ら、角速度の積分値についてはその極性が角速度の場合
に比べて不確かなことも予想されるため、この場合だけ
回転すべき方向の確定が行われる(ステップ12)。す
なわち、マイクロプロセッサは、まず、角速度の積分値
の極性から予想される方向に所定角度だけ回転させ、こ
の回転に伴い受信レベルが増加すればこの方向を回転す
べき正しい方向として確定し、受信レベルが減少すれば
逆の方向を回転すべき正しい方向として確定する。
【0031】マイクロプロセッサ1は、回転すべき方向
の確定が終了すると、アンテナの回転速度Vとして初期
値Voを設定し(ステップ13)、アンテナをこの回転
速度Voで確定済みの方向に所定角度Δθだけ回転させ
る(ステップ14)。この後、マイクロプロセッサは、
新たな受信レベルLと、この受信レベルLの回転前の受
信レベルからの増分ΔLを検出する(ステップ15)。
次に、マイクロプロセッサは、新たに検出した受信レベ
ルが閾値Lbを越えているか否かを判定し、越えていれ
ば、次のステップ17に移行し、越えていなければスイ
ーピング制御に移行する(ステップ16)。マイクロプ
ロセッサは、ステップ17に移行すると、アンテナの回
転速度VをΔLに比例する量に変更する。
【0032】マイクロプロセッサ1は、新たに受信レベ
ルLを検出しこの検出した受信レベルが閾値Ltを越え
たか否かを判定し(ステップ18)、越えていなければ
衛星を補足していないと見做してステップ14に戻り、
アンテナを更新済みの回転速度Vで所定角度Δθだけ回
転させる。なお、この実施例では、所定角度Δθはパル
スモータに供給するパルス個数により設定され、回転速
度はパルスモータに供給するパルスの時間間隔を変更す
ることによって変更される。このように、マイクロプロ
セッサは、新たに検出した受信レベルが閾値Ltを越え
るまで、次回の回転速度を直前の回転によって検出され
た受信レベルの増分に比例する値に更新しながら、所定
角度Δθずつの回転を反復する(ステップ14乃至ステ
ップ18)。
【0033】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルが閾値Ltを越えたことをステップ18で検
出すると、次のステップ19に移行し、設定中の回転速
度Vが所定の閾値Vth よりも小さいか否かを判定す
る。この判定結果が否定的であれば、マイクロプロセッ
サは、ステップ14に戻り、受信レベルLが閾値Ltを
越えかつ回転速度Vが閾値Vth 以下になるまで、ステ
ップ14からステップ19までの制御を反復する。新たに
検出した受信レベルがそのピーク値Lpに十分接近する
と、ステップ19の判定結果は肯定的となる。この場
合、マイクロプロセッサは、微分制御の実行を終了し、
ホールド制御の実行を開始する。
【0034】次に、マイクロプロセッサ1が実行するホ
ールド制御について、図7のフローチャートを参照しな
がら説明する。マイクロプロセッサは、まず、このホー
ルド制御の開始の直前に検出した受信レベルを新たなピ
ーク値Lpとして設定し、このピーク値に対する相対値
である閾値Lt,Lb,Lm,Loを算定して設定し直
す(ステップ21)。次に、マイクロプロセッサは、新
たな受信レベルLを検出し(ステップ22)、これを閾
値Ltと比較する。マイクロプロセッサは、受信レベル
Lが閾値Ltよりも大きければ、ステップ24に移行
し、この受信レベルLと閾値Loとを比較する。マイク
ロプロセッサは、新たに検出した受信レベルLが閾値L
oよりも小さければ、ステップ22戻り、ステップ24
までの処理を反復する。
【0035】すなわち、新たに検出した受信レベルLが
閾値Ltよりも大きな値に保たれる安定な受信状態が続
いている限り、ステップ22からステップ24までの処
理が反復される。この反復処理は、直前の処理を終了す
ると直ちに次の処理を開始するような非同期状態で実行
してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち状態を設し
て一定周期で処理を反復する同期状態で実行することも
できる。このホールド制御の実行中は、アンテナの回転
角度はその実行直前の値に保持される。
【0036】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルLが閾値Loを越えたことをステップ24で
検出するとステップ21に戻り、この新たな受信レベル
を新たなピーク値Lpとして設定し直すと共に、この新
たなピークに対する相対値である閾値Lt,Lb,L
m,Loについても算定し直す。マイクロプロセッサ1
は、新たに検出した受信レベルLが閾値Ltよりも小さ
くなったことをステップ23で判定すると、角速度を検
出しこれが閾値を越えているか否かを判定する(ステッ
プ25)。マイクロプロセッサは、検出した角速度が閾
値を越えていなければ、その積分値を検出しこれが閾値
を越えているか否かを検出する(ステップ26)。この
角速度の積分値は、車両が緩やかに大きなカーブを描く
高速道路上などを走行中のため、追尾誤差のずれ速度は
小さいがその長時間にわたる積算値が相当大きくなる場
合に対処するために導入された量である。そのような場
合、角速度自体は閾値を越えるほどではないがその積分
値が有為な値を越えることになる。
【0037】マイクロプロセッサ1は、受信レベルLが
閾値Ltよりも低下した場合において角速度又はその積
分値のいずれかがそれぞれの閾値を越えていることをス
テップ25や26で判定すると、車両の旋回に伴って追
尾誤差が増大したものと見做し、図3を参照しながら既
に説明した微分制御の実行を開始する。マイクロプロセ
ッサ1は、受信レベルLが閾値Ltよりも低下した場合
において角速度又はその積分値がいずれもそれぞれの閾
値を越えていないことをステップ25と26で判定する
と、受信レベルの低下を遮蔽物による瞬断と見做しウエ
イト制御の実行を開始する。
【0038】次に、マイクロプロセッサ1が実行するウ
エイト制御について、図8のフローチャートを参照しな
がら説明する。このウエイト制御は、基本的には、受信
レベルが閾値Ltよりも大きな値に復帰するか、角速度
が閾値よりも大きな値になるのを監視し、それぞれの状
態変化に即した制御状態に移行するためのものである。
すなわち、受信レベルが閾値Ltよりも大きな値に復帰
すれば、受信レベルの低下を遮蔽物による一時的なもの
(瞬断)と見做して直ちにホールド制御に復帰する。ま
た、この待ち合せ期間内に閾値よりも大きな角速度が検
出されると、受信レベルの低下に遮蔽物による瞬断だけ
でなく車両の旋回に伴う角度誤差も関係していると見做
し、微分制御に移行する。このような場合としては、例
えば、遮蔽物による瞬断の発生直後に車両の旋回に伴う
角度誤差が発生するなどの複合的な状況の変化が生じた
場合などが考えられる。
【0039】このウエイト制御は、基本的には、上記状
態の変化の監視を短周期で反復する前半部分(前期ウエ
イト制御)と、このような状態変化の監視を長周期で反
復する後半部分(後期ウエイト制御)とに2分されてい
る。一例として、ウエイト制御実行のための全期間が2
秒程度に設定され、その前半部分が0.3 秒程度、後半部
分が1.7 秒程度に設定される。また、状態変化の有無に
対する監視の反復周期が前半部分については10ミリ秒程
度の値に、後半部分については100 ミリ秒程度の値に設
定される。
【0040】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始すると、まず、経過時間を管理するためにカ
ウンタによって一定速度で歩進される時刻Tと、状態フ
ラグFとをゼロに初期設定する(ステップ31)。次
に、マイクロプロセッサは、所定の閾値を越えるような
大きさの有為な加速度が検出されているか否かを判定し
(ステップ32)、そのような有為な加速度が検出され
ていなければ、新たな受信レベルLを検出し(ステップ
33)、これが閾値Ltを越えているか否かを判定する
(ステップ34)。
【0041】マイクロプロセッサ1は、受信レベルが閾
値Ltを越えていなければ、このウエイト制御の実行の
開始からの経過時間Tが、このウエイト制御の前半部分
(前期ウエイト制御)を定める所定の時間Tmを越えて
いるか否かを判定し(ステップ35)、越えていなけれ
ばステップ32に戻り、ステップ35までの処理を反復
する。この反復処理は、図5に示したように、直前の処
理を終了すると直ちに次の処理を開始するような非同期
状態で実行してもよいが、適宜な箇所に所定時間の待ち
状態を設定することにより、一定周期(例えば 10 ミリ
秒)で処理を反復する同期状態で実行してもよい。
【0042】マイクロプロセッサ1は、上記反復処理中
に有為な加速度を検出すると(ステップ32)、遮蔽物
だけではなく車両の旋回も受信レベルの低下に関連して
いるものと見做し、直ちに微分制御の実行を開始する。
これに対して、マイクロプロセッサは、上記反復処理中
に閾値Ltを越える大きさの受信レベルを検出すると
(ステップ34)、受信レベルの低下が遮蔽物による瞬
断であったと見做し、直ちにホールド制御に復帰する。
【0043】マイクロプロセッサ1は、上記反復処理中
に経過時間Tが所定の時間Tmを越えたことを検出する
と(ステップ35)、ステップ36から開始される後期
ウエイト制御に移行する。マイクロプロセッサは、後期
ウエイト制御の実行を開始すると、まず、閾値を越える
大きさの角速度が検出されているか否かを判定し(ステ
ップ36)、そのような有為な角速度が検出されていな
ければ、新たな受信レベルLを検出し(ステップ3
7)、これが閾値Ltを越えているか否かを判定する
(ステップ38)。マイクロプロセッサは、受信レベル
Lが閾値Ltを越えていなければ、この受信レベルLが
閾値Lmを越えているか否かを検出する(ステップ3
9)。この受信レベルLが閾値Lmを越えていなけれ
ば、マイクロプロセッサは状態フラグFを“0”に設定
し(ステップ40)、このウエイト制御の実行の開始か
らの経過時間Tが、このウエイト制御の実行期間を定義
する所定値Twを越えているか否かを判定する(ステッ
プ41)。
【0044】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始してから経過した時間Tが所定値Twを越え
ていなければ、ステップ44に移行し、所定の反復周期
Toを定めるために設定されている待ち状態(ステップ
44)を経てステップ36に復帰し、このステップから
ステップ44までの処理を反復する。マイクロプロセッ
サは、前期ウエイト制御の場合と同様に、上記反復処理
中に有為な角速度を検出すると(ステップ36)、遮蔽
物だけではなく車両の旋回も受信レベルの低下に関連し
ているものと見做し、直ちに微分制御の実行を開始す
る。これに対して、マイクロプロセッサは、上記反復処
理中に閾値Ltを越える大きさの受信レベルを検出する
と(ステップ38)、受信レベルの低下が遮蔽物による
瞬断であったと見做し、直ちにホールド制御に復帰す
る。
【0045】マイクロプロセッサ1は、ウエイト制御の
実行を開始してから経過した時間Tが所定値Twを越え
てることをステップ41で検出すると、受信レベルの低
下が遮蔽物による瞬断でなかったものと見做し、このウ
エイト制御の実行を終了し、最大限360o にわたって
衛星方向の探索を行うためのスイーピング制御の実行を
開始する。
【0046】マイクロプロセッサ1は、新たに検出した
受信レベルLが閾値Ltよりは小さいものの閾値Lmよ
りも大きくなったことを検出すると(ステップ39)、
状態フラグFが1であるか否かを検査する(ステップ4
2)。マイクロプロセッサは、状態フラグFがゼロであ
ればこれを1に変更し(ステップ43)、ステップ44
の待ち合わせ状態を経てステップ36に戻る。この後、
マイクロプロセッサはステップ42で状態フラグFが1
であることを検出すると、このウエイト制御を終了し、
微分制御の実行を開始する。このように、状態フラグF
を採用したのは、受信レベルLが閾値Ltを越えるほど
ではないにしても連続して2回も閾値Lmを越えたとい
うことは、追尾誤差がそれほど大きな値ではないことを
意味しており、この場合、スイーピング制御を省略して
直ちに微分制御を実行することにより追随性を高めるた
めである。
【0047】次に、マイクロプロセッサ1が実行するス
イーピング制御について、図9のフローチャートを参照
しながら説明する。このスイーピング制御は、受信レベ
ルLがピーク値に比べて相当程度低い値(例えば50%
値)に設定されている閾値Lmさえも越えないという大
きな追尾誤差の状態が所定期間にわたって継続した場
合、極端に言えば追尾中に衛星方向を見失ってしまった
と判定された場合や、電源投入直後の追尾動作の開始時
点において実行される衛星方向の探索制御である。
【0048】マイクロプロセッサ1は、スイーピング制
御の実行を開始すると、まず、現在の回転角を中心にし
て最大限±5o の範囲にわたってアンテナを回転させな
がら受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否
かを判定する(ステップ51)。マイクロプロセッサ
は、受信レベルが閾値Lbを越えない場合には、次のス
テップ52に移行し、現在の回転角を中心にして最大限
±20o の範囲にわたってアンテナを往復回転させながら
受信レベルを検出し、これが閾値Lbを越えたか否かを
判定する。以下、同様にして、マイクロプロセッサは、
受信レベルLが閾値Lbを越えるまで、アンテナの回転
範囲を±90o 、360 o という具合に段階的に増加させな
がらスイーピング制御を実行する。マイクロプロセッサ
は、ステップ51〜54のいずれかにおいて、受信レベ
ルLが閾値Lbを越えたことを検出すると、この結果を
生じさせたアンテナの回転方向を保存し(ステップ5
5)、微分制御の実行に移行する。
【0049】なお、ステップ51〜54のそれぞれは、
便宜上、単一のステップで表現されている。しかしなが
ら、各ステップは、詳細には、アンテナを単位角度だけ
回転させるステップ、新たな受信レベルLを検出するス
テップ、この受信レベルLと閾値Lbとを比較するステ
ップから成る3種類のステップが、回転方向のそれぞれ
について、(最大回転角度/単位回転角度)に等しい数
だけ配列された構成となっている。
【0050】以上、本発明を二つの実施例によって説明
した。しかしながら、本発明は、上記各実施例を種々変
形することによっても実施することができる。以下に、
その変形例を列挙する。
【0051】電波追尾手段による追尾状態が良好追尾状
態から逸脱したと判定した場合のみ保存中の角速度の積
分を所定時間だけ遡及して開始することにより、追尾外
れの直前に生じた移動体の旋回角を検出する構成。
【0052】良好追尾状態を受信レベルの大きさのみか
ら判定する構成。
【0053】角速度が所定の閾値を越えた時点からその
積分を開始することにより、追尾外れ発生前後の移動体
の旋回角を検出する構成。
【0054】受信状態とは無関係に角速度の積分を定期
的に実行して最新の何個かの値を保存しておき、追尾外
れが発生すると、その直前に保存した積分値の変化量を
検出することにより追尾外れを発生させた移動体の旋回
角を検出する構成。
【0055】衛星の探索の開始後は、積分の所要時間を
削減するため追尾方位角の中心値の修正を省略する構
成。
【0056】掃引振幅角度や、掃引速度などを段階的に
増加させる代わりに、滑らかに増加させる構成。
【0057】パルスモータを使用する代わりに、直流モ
ータをエンコーダと組合せて使用する構成。
【0058】必要な場合、方位角方向への追尾のみを行
う一軸追尾方式に代えて、仰角方向の追尾も並行して行
う構成。
【0059】衛星放送受信用アンテナに代えて、通信衛
星など他の適宜な静止衛星あるいは移動衛星からの電波
を受信し、あるいは送信するためのアンテナに本発明の
追尾装置を適用する構成。
【0060】車載用衛星アンテナの追尾制御に代えて、
船舶や列車など他の適宜な移動体に搭載された衛星アン
テナの追尾制御に本発明の追尾制御装置を適用する構
成。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の移
動体搭載用衛星アンテナ装置は、追尾外れの発生時に
は、現在の追尾方位角を追尾外れの原因となった移動体
の旋回角で修正し、この修正値を中心に時間の経過と共
に増大する振幅で前記追尾方位角を掃引して衛星の探索
を行う構成であるから、そのような旋回角による修正を
行わない従来の方法に比べて掃引の中心値が衛星の方向
を向く可能性が大きい。このため、従来に比べて低速で
簡易な旋回機構のもとで再捕捉までの所要時間を短縮で
きるという効果が奏される。
【0062】また、本発明によれば、掃引振幅、好適に
は掃引速度も漸増させる構成であるから、再捕捉までの
所要時間の短縮に伴って、消費電力も節減される。
【0063】さらに、本発明によれば、追尾外れが移動
体が直進中の遮蔽物の出現のみによる瞬断に起因するも
のであれば、移動体の旋回角はほぼゼロであるため現在
の追尾方位角を中心に探索が開始され、遮蔽物の影響が
無くなると同時に再捕捉が行われる可能性が高まる。
【0064】また、遮蔽物の出現と移動体の旋回が同時
に発生したことによって追尾外れが生じた場合にも、原
因の切りわけを行うことなく適切に対応できる。
【0065】さらに、本発明の一実施例によれば、電波
追尾手段が衛星アンテナを直前の回転に伴う単位角度当
たりの受信レベルの増分が大きいほど大きな回転速度で
所定角度ずつ回転させる微分制御手段を備えているの
で、高い追随性を実現できるという効果が奏される。
【0066】また、本発明の一実施例の衛星アンテナ装
置は、受信レベルの低下時に発生した角速度やその積分
値を検出し、この受信レベルの低下が遮蔽物による瞬断
であるか車両の急旋回によるものなのかに応じて直ちに
適切な制御を開始する構成であるから、一層高い追随性
が実現できるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の移動体搭載用衛星アンテナ
装置が実行する探索処理の内容を説明するためのフロー
チャートである。
【図2】上記実施例の移動体搭載用衛星アンテナ装置の
構成を示すブロック図である。
【図3】移動体の旋回に伴って発生する角速度、角速度
の積分値、追尾方位角の中心値、掃引角度振幅等の時間
変化の様子の一例を示す波形図である。
【図4】移動体の旋回角とアンテナの追尾方位角の関係
を説明する概念図である。
【図5】アンテナの角度誤差と受信レベル及び受信レベ
ルの微分値との関係、並びに受信レベルと各種の閾値と
の関係を説明するための概念図である。
【図6】本発明の一実施例で実行される微分制御の一例
を説明するためのフローチャートである。
【図7】上記実施例で実行されるホールド制御の一例を
説明するためのフローチャートである。
【図8】上記実施例で実行されるウエイト制御の一例を
説明するためのフローチャートである。
【図9】上記実施例の衛星アンテナ装置が実行するスイ
ーピング制御の一例を説明するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ 5 受信レベル検出器 7 角速度計 8 アンテナ本体部 9 モータドライバ 10 パルスモータ 11 回転支持機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 元伸 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 落合 誠 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 加藤 和郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田町79ー2 シス テム.ユニークス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】衛星から送信される電波を受信するアンテ
    ナ本体部と、このアンテナ本体部の向きのうち少なくと
    も水平成分(以下「追尾方位角」と称する)を変化させ
    ることによりこのアンテナ本体部を前記衛星に向ける自
    動追尾部とを備え移動体に搭載される移動体搭載用衛星
    アンテナ装置において、 前記自動追尾部は、 前記アンテナ本体部が受信した電波の受信レベルを検出
    する受信レベル検出手段と、 前記移動体の旋回に伴って発生する角速度の水平成分を
    検出する角速度検出手段と、 前記検出された受信レベルが所定の閾値を越えている場
    合には、この検出された受信レベルが増加するように前
    記追尾方位角を変化させる電波追尾手段と、 前記角速度検出手段が検出した角速度の水平成分を積分
    することにより移動体の旋回角を検出する旋回角検出手
    段と、 前記受信レベル検出手段で検出された受信レベルが前記
    閾値以下となるレベル低下の発生時に、前記旋回角検出
    手段が検出した旋回角のこのレベル低下の直前における
    変化量を検出し、この旋回角の変化量で現在の追尾方位
    角を修正し、この修正済みの値を中心に時間の経過と共
    に増大する振幅で前記追尾方位角を変化させて衛星の探
    索を行う衛星探索手段とを備えたことを特徴とする移動
    体搭載用衛星アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記旋回角検出手段は、前記電波追尾手段による追尾状
    態が追尾誤差の小さな良好追尾状態から逸脱したと判定
    した時点から前記検出された角速度の水平成分の積分を
    開始することを特徴と移動体搭載用衛星アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記旋回角検出手段は、前記検出された角速度の水平成
    分を積分することにより移動体の旋回角を検出すると共
    に、この検出値を前記電波追尾手段による追尾状態が追
    尾誤差が小さな良好追尾状態にあると判定した場合には
    所定の基準値に設定することを特徴とする移動体搭載用
    衛星アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、 前記電波追尾手段は、前記検出された受信レベルが前記
    閾値よりも大きな第2の閾値を越えておりかつ直前の追
    尾方位角の変化速度が所定の閾値以下である場合には前
    記追尾方位角の変更を停止するホールド制御手段を備
    え、 前記旋回角検出手段は、前記電波追尾手段がホールド制
    御状態にあることを以て前記良好追尾状態にあると判定
    することを特徴とする移動体搭載用衛星アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記前記第2の閾値は、検出されたより大きな受信レベ
    ルによって更新される最大受信レベルに対する比率とし
    て定義されていることを特徴とする移動体搭載用衛星ア
    ンテナ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 前記旋回角検出手段は、前記角速度検出手段が検出した
    角速度が所定の閾値を越えた時点からその積分を開始す
    ることを特徴とする移動体搭載用衛星アンテナ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は6のそれぞれにおいて、 前記衛星探索手段は、前記衛星の探索の開始後に生じた
    移動体の旋回角に基づき前記追尾方位角の中心値を修正
    することを特徴とする移動体搭載用アンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のそれぞれにおいて、 前記衛星探索手段は、時間の経過と共に増大する速度で
    前記追尾方位角を変化させることを特徴とする移動搭載
    用衛星アンテナ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のそれぞれにおいて、 前記電波追尾手段は、所定範囲にわたる追尾方位角の変
    更を、直前の変更に伴う単位角度当たりの受信レベルの
    増分が大きいほど大きな速度で行うことを特徴とする移
    動体搭載用衛星アンテナ装置。
JP7022184A 1994-04-07 1995-01-17 移動体搭載用衛星アンテナ装置 Pending JPH08116207A (ja)

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JP7022184A JPH08116207A (ja) 1994-04-07 1995-01-17 移動体搭載用衛星アンテナ装置

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JP6-93648 1994-04-07
JP9364894 1994-04-07
JP7022184A JPH08116207A (ja) 1994-04-07 1995-01-17 移動体搭載用衛星アンテナ装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101916120A (zh) * 2010-08-04 2010-12-15 中国人民解放军第二炮兵工程学院 动中通双波束伪单脉冲跟踪系统及跟踪方法

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