JP3249901B2 - 移動体用アンテナ装置およびその指向方向制御方法 - Google Patents

移動体用アンテナ装置およびその指向方向制御方法

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JP3249901B2 JP11185095A JP11185095A JP3249901B2 JP 3249901 B2 JP3249901 B2 JP 3249901B2 JP 11185095 A JP11185095 A JP 11185095A JP 11185095 A JP11185095 A JP 11185095A JP 3249901 B2 JP3249901 B2 JP 3249901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両などの移動体に搭
載されるアンテナ装置に係り、特に、受信強度に基づい
てアンテナの指向方向をステップ式に回転制御するよう
にした移動体用アンテナ装置と、その指向方向制御方法
とに関する。
【0002】
【従来の技術】衛星を介して通信を行ったり衛星放送を
受信する場合、地上局側では、良好な受信品質を得るた
めに、指向性の鋭い高利得のアンテナが使用される。そ
して、このようなアンテナを車両等の移動体に搭載して
使用するのであれば、その移動体の走行状況や受信状況
に応じて、アンテナを方位角方向や仰角方向に回転させ
て指向方向を制御できる機構、つまり移動体の走行中に
も衛星を追尾できる機構を備えておく必要がある。
【0003】例えば、車載用アンテナ装置において衛星
を追尾するために現在広く採用されている手法のひとつ
に、上下または左右の方向に一定の角度ずつアンテナの
指向方向を回転させながら受信状態を検出して、受信強
度がより大きい方向に指向方向を回転させるステップ式
追尾方式がある。このステップ式追尾方式に、移動体に
取り付けた車両センサ等により移動体の旋回状態を検出
して、移動体の旋回方向とは逆の方向にアンテナの指向
方向を回転させる制御を加えた追尾をすると、移動体が
旋回しているときにも衛星電波を捕捉することが容易に
なり、移動体の走行中に安定した受信強度が得やすくな
って受信性能の向上が図れる。
【0004】このようなステップ式追尾方式を採用して
いる移動体用アンテナ装置は、図1のブロック図に示す
ように、アンテナ指向方向制御装置10とアンテナ16
と受信機17とを備えた構成になっていて、このアンテ
ナ指向方向制御装置10はさらに、角速度センサ11と
A/D変換器12と演算装置13と駆動回路14と駆動
機構15とから構成されている。
【0005】ここで、アンテナ16は、その指向方向を
機械的に変更させるものであり、誘起された受信信号を
受信機17に出力する。この受信機17は、アンテナ1
6からの受信信号を入力して検波や復調などの処理を行
うとともに、受信強度に比例した受信強度信号をA/D
変換器12に出力する。角速度センサ11は、仰角また
は方位角に対する移動体の旋回角速度を検出し、その旋
回角速度に応じた角速度信号をA/D変換器12に出力
する。このA/D変換器12は、入力された受信強度信
号と角速度信号をアナログ信号からディジタル信号に変
換して演算装置13に出力する。演算装置13は、受信
強度信号と角速度信号とに関するディジタル信号に基づ
いてパルス状のアンテナ回転指令信号とアンテナ回転方
向信号を駆動回路14に出力する。この駆動回路14
は、入力されたアンテナ回転指令信号を駆動信号に変換
する信号変換回路(図示せず)と、駆動信号を電力増幅
する信号増幅回路(図示せず)とを含み、アンテナ回転
指令信号が1パルス入力されると、アンテナ回転方向信
号にて指示される方向へ、1単位角度だけアンテナ16
を回転させるように、駆動信号を駆動機構15に出力す
る。駆動機構15は、駆動によってアンテナ16を仰角
方向または方位角方向へ機械的に回転させる機構で、駆
動信号で制御されるモータ(図示せず)と、このモータ
の回転をアンテナ16の回転に変換する減速機(図示せ
ず)とを含む。
【0006】以下、基本構成が図1に示すような移動体
用アンテナ装置において、従来採用されているアンテナ
の指向方向制御方法について説明する。
【0007】図1に示す移動体用アンテナ装置に適用さ
れるステップ式追尾方式では、受信強度が低下した場合
に、角速度センサ11により検出された角速度信号に基
づいて移動体の旋回状態を判定し、旋回状態をも考慮し
アンテナ16の指向方向を制御して衛星を追尾する。す
なわち、移動体が旋回状態の時には、角速度信号に基づ
いて移動体の旋回方向を判定し、その旋回方向とは逆の
方向にアンテナ16を1単位角度回転させた後に再び受
信強度を測定するという追尾動作が行われる。そして、
このとき移動体の旋回に対してアンテナ16の回転が遅
れないようにするために、従来は、通常の旋回走行時に
予想される移動体の最大旋回角速度Vmaxよりも大き
な回転角速度を予め設定しておき、その回転角速度でア
ンテナ16を高速回転させていた。
【0008】さて、従来のステップ式追尾方式によるア
ンテナの指向方向制御方法を詳しく説明するため、方位
角に対してアンテナの指向方向を制御するものとして話
を進める。
【0009】ただし、以後の説明では、移動体やアンテ
ナ16が右に旋回(回転)したときに角速度が正の値を
とり、左に旋回(回転)したときに角速度が負の値をと
るものとする。また、アンテナ回転信号はディジタル信
号で、アンテナ回転方向信号のハイレベルは右方向のア
ンテナ16の回転を、ローレベルは左方向のアンテナ1
6の回転を示す信号とする。また、角速度センサ11が
出力する角速度信号は電圧出力であり、その大きさが移
動体の旋回角速度の大きさに比例し、その極性が移動体
の旋回方向により変化するものとする。すなわち、角速
度信号は右方向の旋回では正の電圧を出力し、左方向の
旋回では負の電圧を出力し、静止時または直進時には出
力電圧がゼロになるものとする。さらにまた、駆動機構
15に内蔵されるモータをステッピングモータ、減速機
の減速比を1:1、ステッピングモータとアンテナ16
の回転方向を同一とし、駆動回路14に内蔵される信号
変換回路が、1パルスのアンテナ回転指令信号が入力さ
れたとき、アンテナ回転方向信号により指示される方向
に1単位角度だけステッピングモータを回転させるよう
に駆動信号を発生するものとする。例えば、1パルスの
アンテナ回転指令信号と、右方向を示すハイレベルのア
ンテナ回転方向信号とが、駆動回路14に入力される
と、駆動機構15内のステッピングモータが1単位角度
だけ右方向に回転し、減速機を介してその回転が伝達さ
れてアンテナ16が右方向に同じ角度だけ回転するもの
とする。そして、ステップ式追尾を開始する直前に、衛
星電波の到来方向は既知で、アンテナ16の指向方向が
衛星の方向に指向されているものとする。
【0010】これらの前提条件を踏まえて話を進める
と、従来技術では、アンテナ指向方向制御装置10にお
いて、まず、所定方向に指向されたアンテナ16で衛星
電波が受信され、その電波に関する信号が受信機17に
出力される。受信機17では検波や復調などの処理が行
われるとともに、受信強度に比例した受信強度信号が検
出され、A/D変換器12に出力される。また、方位角
に対する移動体の旋回角速度が角速度センサ11により
検出され、旋回角速度に比例した角速度信号がA/D変
換器12に出力される。これらの受信強度信号と角速度
信号は、それぞれA/D変換器12にてアナログ信号か
らディジタル信号に変換されて演算装置13に出力され
る。演算装置13は、ディジタル信号に変換された受信
強度信号と角速度信号を用い、図9および図10に示す
フローチャートに従ってアンテナ回転指令信号とアンテ
ナ回転方向信号を出力する。
【0011】ここで、図9および図10を参照しつつ、
演算装置13の動作について詳述する。
【0012】図9において、工程S101とS102で
は初期設定、S103からS106では受信強度信号と
角速度信号の取得と判定、S107からS115では移
動体直進時のステップ式追尾、S116からS123で
は移動体旋回時のステップ式追尾を行う。
【0013】まず、初期設定として、S101において
アンテナ回転方向DIRを「左」に設定し、S102に
おいてアンテナ回転指令信号としてローレベルのディジ
タル信号を出力する。この初期設定は、ステップ式追尾
の開始時に1回だけ行われる。
【0014】次に、受信強度信号LEV1をA/D変換
器12から取得し(S103)、このLEV1を受信強
度に関する閾値THと比較する(S104)。この閾値
THは、衛星捕捉を行ったときのピーク受信強度より僅
かに小さい値に設定されており、良好な受信状態である
かどうかを判定する判定基準として用いられる。S10
4においてLEV1≧THとなる「No」の場合には、
受信強度が十分あるので受信強度信号の取得工程(S1
03)に戻るが、LEV1<THとなる「Yes」の場
合には何らかの原因により受信強度が低下しているの
で、ステップ式追尾動作を行うためにS105へ移る。
【0015】S105では、移動体の角速度信号VをA
/D変換器12から取得し、S106でVの値を角速度
信号に関する閾値ΔVと比較する。この閾値ΔVは、静
止時における角速度信号(V=0)に対して僅かに大き
な値に設定され、移動体が直進しているか旋回している
かを判定する判定基準として用いられる。ここで、S1
06において|V|<ΔVとなる「Yes」の場合に
は、移動体が直進または緩やかに旋回している場合であ
り、便宜上、直進時と呼び、また、|V|≧ΔVとなる
「No」の場合には、移動体がΔV以上の角速度で右ま
たは左方向に旋回している場合であり、便宜上、旋回時
と呼ぶ。
【0016】まず、直進時のステップ式追尾はS107
からS115の工程で行われ、現在のアンテナ指向方向
における受信強度信号LEV1を基準にして、左右に1
単位角度ずつ離れた指向方向における受信強度信号LE
V2,LEV3を比較し、これら3方向の中で受信強度
がLEV1以上である方向にアンテナ16が指向するよ
うに、アンテナ回転信号を駆動回路14に出力する。
【0017】すなわち、まず現在設定されているアンテ
ナ回転方向DIR(例えば左)へ、アンテナ16を1単
位角度だけ回転させ(S107)、そこでの受信強度信
号LEV2を取得して(S108)、このLEV2と基
準方向での受信強度信号LEV1とを比較する(S10
9)。S109においてLEV2≧LEV1となる「N
o」の場合には、基準方向よりもDIR側(例えば左)
へ1単位角度回転させたときの受信強度のほうが高いの
で、この回転後のアンテナ16の指向方向を新たな基準
方向としてS103へ戻る。一方、S109においてL
EV2<LEV1となる「Yes」の場合には、基準方
向の反DIR側(例えば右側)での受信強度信号をLE
V1と比較するために、アンテナ回転方向DIRを反転
させて(S110)、新たに設定した回転方向DIRへ
アンテナ16を2単位角度だけ回転させ(S111)、
そこでの受信強度信号LEV3を取得し(S112)、
このLEV3と基準方向での受信強度信号LEV1とを
比較する(S113)。そして、S113においてLE
V3≧LEV1となる「No」の場合には、このLEV
3を取得した指向方向を新たな基準方向としてS103
へ戻るが、LEV3<LEV1となる「Yes」の場合
には、結局、基準方向における受信強度信号LEV1が
一番高いので、指向方向をもとの基準方向に戻すため、
まずアンテナ回転方向DIRを再度反転させて(S11
4)、新たに設定した回転方向DIR(例えば左)へア
ンテナ16を1単位角度だけ回転させ(S115)、し
かる後、S103へ戻る。
【0018】次に、旋回時のステップ式追尾はS116
からS123の工程で行われ、アンテナ16を基準方向
に向けて得られた受信強度信号LEV1と、基準方向に
向けたアンテナ16を移動体の旋回方向とは逆の方向に
1単位角度だけ回転させたときに得られた受信強度信号
LEV4とを比較し、これら2方向の中で受信強度がL
EV1以上である方向にアンテナ16が指向するよう
に、アンテナ回転信号を駆動回路14に出力する。
【0019】すなわち、まず、先の工程S105にて取
得した角速度信号Vの極性を判定して移動体の旋回方向
を検出し(S116)、アンテナ回転方向DIRを移動
体の旋回方向とは逆の方向とする(S117またはS1
18)。例えば、S116でV<0となる「Yes」の
場合には、移動体の旋回方向は左なので、S117にお
いてアンテナ回転方向DIRは「右」に設定される。次
に、DIR方向にアンテナ16を1単位角度だけ回転さ
せて(S119)、そこでの受信強度信号LEV4を取
得し(S120)、このLEV4と基準方向での受信強
度信号LEV1とを比較する(S121)。そして、S
121においてLEV4≧LEV1となる「No」の場
合には、基準方向よりもDIR側(例えば右)へ1単位
角度回転させたときの受信強度のほうが高いので、この
回転後のアンテナ16の指向方向を新たな基準方向とし
てS103へ戻る。一方、S121においてLEV4<
LEV1となる「Yes」の場合には、アンテナ16が
基準方向に向いていたときの受信強度のほうが高いの
で、指向方向をもとの基準方向に戻すため、まずアンテ
ナ回転方向DIRを反転させて(S122)、新たに設
定した回転方向DIR(例えば左)へアンテナ16を1
単位角度だけ回転させ(S123)、しかる後、S10
3へ戻る。
【0020】なお、図9において、例えばS107に示
す「DIRへ1単位回転」のように、アンテナ16をM
単位回転させる際には、図10に示す工程に従って得ら
れるアンテナ回転信号が出力される。このアンテナ回転
信号とは、先述したように、アンテナ16の回転方向を
指定するアンテナ回転方向信号と、1パルスのハイとロ
ーの期間の計時を繰り返すことによって生成される所定
パルス数のアンテナ回転指令信号とである。
【0021】図10に示す工程について説明すると、ま
ず、指定されたアンテナ回転方向DIRを参照して(S
124)、その方向に対応するアンテナ回転方向信号を
出力する(S125またはS126)。例えば、回転方
向DIRが右であれば、S126においてアンテナ回転
方向信号として、右方向を示すハイレベルのディジタル
信号を出力する。続いて、計時のために予め設定されて
いる所定値N1をバッファNにセットし(S128)、
このバッファNの値をカウンタCNTにセットする(S
129)とともに、アンテナ回転指令信号にハイを出力
して(S130)、ハイ期間を計時する(S131およ
びS132)。続いて、再びバッファNの値をカウンタ
CNTにセットし(S133)、今度はアンテナ回転指
令信号にローを出力して(S134)、ロー期間を計時
する(S135およびS136)。このようにしてS1
29からS136を経ることにより、1パルスのアンテ
ナ回転指令信号が出力される。ここでは、Mパルスのア
ンテナ回転指令信号を出力してアンテナ16をM単位回
転させるので、パルス数Mから1を減じて更新し(S1
37)、次いでMの値を参照して(S138)、M≠0
であればS129に戻ってアンテナ回転指令信号の出力
を繰り返し、M=0であれば、指定された単位数のアン
テナ16の回転が終了したので呼出側に戻る。
【0022】次に、図10に示すS128で使用した計
時のための値N1について説明する。
【0023】移動体の旋回に対してアンテナ16の衛星
追尾動作が遅れないようにするため、従来技術では先述
したように、通常の旋回走行時に予想される移動体の最
大旋回角速度Vmaxよりも大きな回転角速度でアンテ
ナ16を回転させるように設定している。すなわち、ア
ンテナ16の回転角速度として従来は、図13に示すよ
うに、|A1|>|Vmax|を満足する値A1(度/
秒)を予め設定しておき、移動体の旋回角速度V(度/
秒)が正のときにアンテナ16を−A1(度/秒)の回
転角速度で回転駆動し、Vが負のときにアンテナ16を
+A1(度/秒)の回転角速度で回転駆動していた。こ
こで、A1の符号は、アンテナ16の回転方向を移動体
の旋回方向とは逆向きに設定することを示すために付け
ている。したがって、1パルスのアンテナ回転指令信号
でアンテナ16が回転する単位角度をΔφ(度)とする
と、A1(度/秒)でアンテナ16を回転させるために
は、駆動パルスをA1/Δφ(Hz)の周波数で出力す
ることになり、1パルス当たりの時間間隔はΔφ/A1
(秒)となる。一方、1パルスの計時を図10に示すよ
うなカウンタCNTを用いて行う場合、1カウントに必
要な時間をtc(秒)とすると、1パルスのハイまたは
ローの期間の計時時間はいずれもtc・N1(秒)であ
るから、1パルスの計時時間は2tc・N1(秒)とな
る。つまり、計時のための値N1として、従来は、N1
<Δφ/(2|Vmax|・tc)を満足するような所
定値N1=Δφ/(2|A1|・tc)を予め設定して
おくことにより、アンテナ16の衛星追尾動作が移動体
の旋回に対して遅れないようにしていた。
【0024】さて、演算装置13における従来技術の動
作説明が終了したので、再び図1に戻ると、図9と図1
0に示す工程に従って生成されたアンテナ回転信号が演
算装置13から駆動回路14に出力される。駆動回路1
4は1パルスのアンテナ回転指令信号とアンテナ回転方
向信号を入力すると、指定された回転方向に1単位角度
だけステッピングモータを回転させるように駆動信号を
駆動機構15に出力する。これにより、駆動機構15の
ステッピングモータが指定された回転方向に1単位角度
だけ回転し、減速機を介してその回転が伝達されて、ア
ンテナ16がステッピングモータと同じ回転方向に1単
位角度だけ方位角に対して回転される。移動体が旋回し
ていれば、ステッピングモータの回転方向は、移動体の
旋回方向とは逆の方向であるから、アンテナ16も移動
体の旋回方向とは逆の方向に回転する。このような動作
過程を経て、ステップ式追尾がなされていた。
【0025】次に、図9と図10のフローチャートに示
した従来のステップ式追尾によるアンテナ16の回転の
様子を、図11に示す具体例を用いて説明する。なお、
図11は、移動体が左方向に加減速しながら旋回したと
きの各種データの時間変化を示しており、同図(a)は
移動体の旋回角速度の時間変化、同図(b)は衛星方向
を基準とした移動体の旋回角度とアンテナの指向角度の
時間変化、同図(c)は受信強度の時間変化、同図
(d)はアンテナ回転指令信号の時間変化、同図(e)
はアンテナ回転方向信号の時間変化である。
【0026】図11において、時間t1までは移動体が
旋回していないので旋回角速度はゼロであり、このとき
受信強度は同図(c)に示すように閾値THより大きく
なっているので、受信強度信号LEV1を取得する工程
(S103)を繰り返し、その間、アンテナ回転指令信
号は出力されないのでアンテナ16は回転しない。
【0027】時間t1から移動体が加速しながら左旋回
を始めるので、図11(a)に示すように負の旋回角速
度が検出されるようになり、時間t2に至るまでの間、
その角速度の大きさは徐々に増していく。このとき、ア
ンテナ16は移動体に対して停止しているので、図11
(b)に示すようにアンテナ16の指向方向は次第に衛
星方向から離れていく。そのため同図(c)に示すよう
に受信強度が徐々に低下するが、受信強度が閾値TH以
上である間は、受信強度信号LEV1を取得する工程
(S103)を繰り返し、アンテナ16は回転しない。
【0028】しかし、時間t2に至る直前で、図11
(c)に示すように受信強度が閾値THより小さくなる
ので、移動体の角速度信号を取得して閾値ΔVと比較し
(S105とS106)、この場合、同図(a)に示す
ように、移動体の旋回角速度の大きさ|V|は閾値ΔV
より大きいので、S106からS116へと移行して旋
回時のステップ式追尾が行われる。すなわち、いま、移
動体は左方向に旋回しているので旋回角速度Vは負であ
り、よってアンテナ回転方向DIRは「右」に設定され
る(S117)。続いて、アンテナ16がDIRの方向
である右方向に1単位角度だけ回転されて(S11
9)、受信強度信号LEV4が取り込まれる(S12
0)。このとき、図11(e)に示すようにアンテナ回
転方向信号として右方向を示すハイレベルの信号が出力
されるとともに、同図(d)に示すようにアンテナ回転
指令信号として1パルスの信号が出力される。
【0029】さて、移動体が左旋回しているときにアン
テナ16を右方向へ1単位角度回転させると、アンテナ
16の指向方向が衛星方向に近付いて、回転後の受信強
度信号LEV4のほうが回転前の受信強度信号LEV1
よりも大きくなるので、S121からS103へと戻
る。この工程を繰り返して受信強度が閾値THより大き
くなった時点で旋回時のステップ式追尾が一旦終わる。
この具体例では、図11(d)に示すように、アンテナ
回転指令信号を3パルス出力したところで受信強度が閾
値THより大きくなるので、時間t2から微小時間経過
した時点で旋回時のステップ式追尾が一旦終了する。そ
の後、時間t3に至るまでの間、アンテナ16は移動体
に対して回転しないが、移動体は左旋回を続けるので、
再びアンテナ16の指向方向は衛星方向から徐々に離れ
ていき、よって受信強度は徐々に低下する。その結果、
時間t3の直前で、受信強度は再び閾値THより小さく
なり、時間t2において行われた前記ステップ式追尾と
同様の制御が再度行われる。以後、移動体の左旋回が完
了する時間t14に至るまでの間、同様の追尾制御が繰
り返される。
【0030】このように、移動体直進時のステップ式追
尾だけでなく、図9のS116からS123に示す移動
体旋回時のステップ式追尾が行えるような制御方法を採
用していることにより、車両等の移動体が右または左に
旋回しているときにもアンテナ16の指向方向を衛星電
波の到来方向に速やかに向けることができ、且つ旋回終
了後には直進時のステップ式追尾に戻り、移動体の走行
中に安定した受信強度が得られている。
【0031】なお、上述した従来技術においては、方位
角に対してアンテナの指向方向を制御する場合について
説明したが、仰角に対してアンテナの指向方向を制御す
る場合の動作も同様である。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のステ
ップ式追尾では、アンテナ回転指令信号のパルス間隔を
極力短くして、先述したように、通常の旋回走行時に予
想される移動体の最大旋回角速度Vmaxよりも大きな
一定の回転角速度でアンテナを高速回転させるように設
定しているが、このような追尾を行った場合、アンテナ
の回転が不安定になって受信状態に悪影響を及ぼす心配
があった。これは、アンテナ自体の慣性と、そのアンテ
ナの制御時の回転角速度が高速であることに起因してお
り、具体的には、移動体旋回時のステップ式追尾で機械
的に微小角度だけ高速回転させたアンテナを停止させる
際に、相応の慣性を有するアンテナが瞬時には停止せず
減衰振動しながら停止するためである。
【0033】図12は図11(c)中の破線で囲んだ部
分の拡大図である。従来技術によるステップ式追尾で
は、追尾中のアンテナの回転角速度が大きいので、回転
を停止させた直後に、指向性の鋭いアンテナが慣性によ
って大きく振動し、そのため図12に実線で示すように
受信強度に大きな振れが発生する。そして、このように
受信強度の振れ幅が大きいと、アンテナの回転停止直後
の振動によって受信強度が閾値THを下回ってしまうと
いう現象が起こりやすい。その結果、アンテナの指向方
向が衛星方向に設定されているにも拘らず、アンテナ指
向方向制御装置がステップ式追尾動作を再開してしまう
という誤動作を招来しやすい。
【0034】本発明はこのような従来技術の不備を解決
するためになされたもので、その第1の目的は、移動体
の旋回時の受信状態が良好な移動体用アンテナ装置を提
供することにある。また、本発明の第2の目的は、ステ
ップ式追尾でアンテナの振動に起因する誤動作が防止で
きる、移動体用アンテナ装置の指向方向制御方法を提供
することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した第1の
目的は、移動体に搭載されて該移動体に対し回動可能な
アンテナと、このアンテナを方位角方向もしくは仰角方
向に回転駆動する回転駆動手段と、前記アンテナで受信
した受信信号の強度を検出する受信強度検出手段と、前
記移動体の旋回角速度の大きさを示す旋回角速度情報と
該移動体の旋回方向を示す旋回方向情報とを出力する旋
回角速度検出手段と、前記受信信号の強度と前記旋回角
速度情報と前記旋回方向情報とに基づいて前記回転駆動
手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段に、前
記アンテナの回転角速度を前記旋回角速度の大きさに応
じて増減させるための演算手段を設けることによって達
成される。
【0036】また、本発明の上述した第2の目的は、移
動体に搭載したアンテナにて受信された受信信号の強度
が所定値以下で、且つ前記移動体が旋回状態であるとき
に、前記移動体の旋回角速度に比例した繰り返し周波数
を有する駆動パルス群ステッピングモータに加え、こ
のステッピングモータによって前記アンテナを前記移動
体の旋回方向とは逆の方向に回転を開始し、前記アンテ
ナにて受信された受信信号の強度が所定値以上に達した
ときに、前記駆動パルス群を前記ステッピングモータに
加えるのを停止して前記アンテナの回転を停止させると
いう制御方法を採用することによって達成される。
【0037】
【作用】移動体の旋回角速度の大きさに応じてアンテナ
の回転角速度が制御され、必要以上に高速でアンテナが
回転しないので、回転停止時に発生するアンテナの機械
的な振動が抑えられ、その振動に伴う受信強度の振れ幅
が小さいので誤動作しない。また、アンテナの回転動作
も安定である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0039】図2ないし図6は本発明の一実施例を説明
するためのもので、この実施例は、図1のブロック図に
示すような基本構成の移動体用アンテナ装置におけるア
ンテナ16の指向方向制御方法が、前記従来例に比べて
改善されており、その制御方法による処理は、アンテナ
指向方向制御装置10の演算装置13において、図2と
図3に示す工程に従って行われる。なお、本実施例にお
ける演算装置13を除く構成要素は前記従来例と同等な
ので、それらの説明は省略する。
【0040】まず、本実施例で採用したステップ式追尾
によるアンテナ16の指向方向制御方法の概略について
述べると、前記従来例と同様に、アンテナ16の受信強
度が低下した場合に、角速度センサ11からの角速度信
号を基に移動体の旋回状態を判定し、直進時のステップ
式追尾と旋回時のステップ式追尾とに適宜切り替えて衛
星を追尾する。ただし、本実施例では旋回時のステップ
式追尾を行う際に、図6に示す如く、アンテナ16の回
転角速度Aが移動体の旋回角速度Vに比例し、且つ|A
|>|V|となるように、つまりA=−cV(ただしc
>1)となるように、アンテナ16の回転角速度を制御
している点が、従来例と大きく異なっている。すなわ
ち、本実施例では、必要以上に高速でアンテナ16を回
転させないように配慮してあり、移動体の旋回角速度が
小さいときにはアンテナ16を比較的小さな角速度で回
転させてステップ式追尾が行えるようになっている。こ
うすることによってアンテナ16の回転停止に伴う機械
的な振動が防止され、受信信号の振れが低減されてい
る。なお、A=−cVのマイナス符号は、アンテナ16
の回転方向を移動体の旋回方向とは逆向きに設定するこ
とを意味している。
【0041】次に、本実施例で採用した指向方向制御方
法の詳細について、図2と図3に示すステップ式追尾の
フローチャートを参照しながら、方位角に対してアンテ
ナ16の指向方向を制御するものとして説明する。な
お、アンテナ16を回転制御する全体の流れを示してい
る図2は、従来例の説明に用いた図9と同等となるの
で、そこでの動作説明は適宜省略し、アンテナ回転信号
の出力方法を示している図3での工程を詳細に説明す
る。また、この指向方向制御方法を説明するにあたって
の前提条件は、従来例の場合と同じである。
【0042】図3のフローチャートは、アンテナ回転方
向DIRの方向にアンテナ16をM単位回転させる場合
の工程を示しており、その基本的な処理は、指定された
方向のアンテナ回転方向信号を出力するとともに、1パ
ルスのハイとローの期間の計時を繰り返すことにより所
定パルス数のアンテナ回転指令信号を出力するというも
のである。
【0043】図3のフローチャートでは、まず、指定さ
れたアンテナ回転方向DIRを参照し(S24)、その
方向に対応するアンテナ回転方向信号を出力する(S2
5またはS26)。次に、図2の工程S5で取得した移
動体の角速度信号を閾値ΔVと比較し(S27)、移動
体の旋回角速度の大きさ|V|が閾値ΔVより小さい
「Yes」の場合には、移動体が直進または緩やかに旋
回しているので、計時のための所定値として、移動体直
進時のステップ式追尾に対応する値N3をバッファNに
セットする(S28)。これに対し、|V|≧ΔVで判
定結果が「No」の場合には、移動体が閾値ΔV以上の
角速度で右または左方向に旋回しているので、移動体旋
回時のステップ式追尾に対応する計時のための値N2を
計算し(S39)、これをバッファNにセットする(S
40)。なお、値N2,N3の設定方法については後述
する。
【0044】S29からS38までの工程は、従来例に
おけるS129からS138までの工程と同様の動作が
行われる。すなわち、バッファNの値をカウンタCNT
にセットした(S29)後、アンテナ回転指令信号にハ
イを出力して(S30)、ハイ期間を計時し(S31お
よびS32)、続いて、再びバッファNの値をカウンタ
CNTにセットし(S33)、今度はアンテナ回転指令
信号にローを出力して(S34)、ロー期間を計時する
(S35およびS36)。このようにS29からS36
を経ることにより、1パルスのアンテナ回転指令信号が
出力される。ここでは、Mパルスのアンテナ回転指令信
号を出力してアンテナ16をM単位回転させるので、パ
ルス数Mから1を減じて更新した(S37)後、Mの値
を参照して(S38)、M≠0の場合にはS29へ戻っ
てアンテナ回転指令信号の出力を繰り返し、M=0の場
合には、指定された単位数のアンテナ16の回転が終了
したので、呼出側に戻る。
【0045】ここで、計時のための値N2,N3につい
て説明する。
【0046】移動体の旋回時には、角速度センサ11に
より検出される旋回角速度V(度/秒)に対して、アン
テナ16の回転角速度A(度/秒)が、|A|=c|V
|となるように設定する(ただし、c>1)。ここで、
1パルスのアンテナ回転指令信号でアンテナ16が回転
する単位角度をΔφ(度)とすると、A(度/秒)でア
ンテナ16を回転させるためには、アンテナ回転指令信
号を、|A|/Δφ=c|V|/Δφ(Hz)の周波数
で出力すればよく、このとき、1パルス当たりの時間間
隔は、Δφ/|A|=Δφ/c|V|(秒)となる。一
方、計時を図3に示すようなカウンタCNTを用いて行
う場合、1カウントに必要な時間をtc(秒)とする
と、1パルスのハイまたはローの期間の計時時間はいず
れもtc・N2(秒)であるから、1パルスの計時時間
は2tc・N2(秒)となる。したがって、移動体旋回
時の計時の値N2は、N2=Δφ/(2c・|V|・t
c)として計算し、移動体の旋回角速度の大きさ|V|
に反比例するN2を設定すれば良い。
【0047】また、移動体の直進時には、|A|=c|
ΔV|となるように設定するので、移動体直進時の計時
の値N3は、N2の場合と同様の計算をすると、N3=
Δφ/(2c・|ΔV|・tc)となるように設定すれ
ば良い。
【0048】次に、図2と図3に示す本実施例のステッ
プ式追尾の工程を、図4に示す具体例を用いて説明す
る。なお、図4は、移動体が従来例(図11参照)と同
様の角速度変化で左方向に加減速しながら旋回したとき
の各種データの時間変化を示しており、同図(a)は移
動体の旋回角速度の時間変化、同図(b)は衛星方向を
基準とした移動体の旋回角度とアンテナの指向角度の時
間変化、同図(c)は受信強度の時間変化、同図(d)
はアンテナ回転指令信号の時間変化、同図(e)はアン
テナ回転方向信号の時間変化である。
【0049】図4を図11と見比べれば明らかなよう
に、本実施例と従来例との相違点は、アンテナ回転指令
信号の出力方法にある。例えば、図2の工程S3で得ら
れる受信強度は時間t2の直前で閾値THより小さくな
るので、角速度信号Vを取得して閾値ΔVと比較する工
程が行われ(S5とS6)、この場合、移動体の旋回角
速度の大きさ|V|は閾値ΔVより大きいので、S16
以降の旋回時のステップ式追尾に移行して、時間t3の
直前で受信強度が閾値TH以上となるまで、S3〜S6
→S16→S17→S19〜S21→S3の工程が順次
繰り返される。なお、移動体の旋回方向は左でV<0な
ので、S16では「Yes」と判定されて、アンテナ回
転方向DIRを「右」に設定するS17へと移行する。
【0050】さて、図4において、従来例と相違する時
間t2以降の動作について説明すると、時間t2からt
3までは、旋回時のステップ式追尾により出力されるア
ンテナ回転指令信号のパルス周期が、移動体の旋回角速
度の大きさ|V|に反比例するので、移動体が加速する
につれてパルス周期が次第に短くなる。このとき、1パ
ルス当たりのアンテナ16の単位回転角度は一定である
から、アンテナ16はこのようなアンテナ回転指令信号
に対して加速回転することになる。また、このときの回
転角速度は、移動体の旋回角速度Vよりもやや大きな値
に設定されるので、アンテナ16の指向方向は次第に衛
星方向に近付いていき、そのため受信強度が徐々に上昇
していき、受信強度が十分に大きくなった時間t3にお
いて、旋回時のステップ式追尾が一旦終了される。
【0051】その後、時間t4に至るまでの間、アンテ
ナ16は移動体に対して回転しないが、移動体は左旋回
を続けるので、再びアンテナ16の指向方向は衛星方向
から徐々に離れていき、そのため受信強度は次第に低下
して再び閾値THより小さくなり、時間t4において旋
回時のステップ式追尾が再開される。ただし、時間t4
からt5までの間に行われるステップ式追尾は、時間t
2からt3までの間に行われた先のステップ式追尾に比
べて、移動体の旋回角速度Vが大きくなっていることか
らアンテナ回転指令信号のパルス周期が短くなってい
る。
【0052】以後、移動体の左旋回が完了する時間t1
1に至るまでの間、時間t6とt8とt10において旋
回時のステップ式追尾が開始されるが、時間t6以降は
移動体の旋回角速度Vが次第に小さくなっていくので、
アンテナ回転指令信号のパルス周期も次第に長くなり、
アンテナ16は減速回転する。
【0053】図5は図4(c)中の破線で囲んだ部分の
拡大図であり、図5(a),(b)がそれぞれ時間t3
前後と時間t5前後の受信強度を示している。図5を従
来例(図12参照)と比較すれば明らかなように、本実
施例ではアンテナ16を必要以上に高速で回転させない
ので、回転を停止させた直後に、慣性によるアンテナ1
6の振動が小さくなって、受信強度の振れ幅も小さくな
っている。それゆえ、アンテナ16の振動に起因する受
信強度の振れで誤動作を招来する虞はほとんどなく、ま
た、振動中のアンテナ16を共振させるような不所望な
制御が回避できることから、アンテナ16の回転動作も
安定する。そして、アンテナ16の回転角速度を移動体
の旋回角速度Vよりもやや大きく設定してあるので、移
動体が旋回してもその旋回に遅れずに衛星を追尾でき
る。
【0054】図6は、本実施例におけるアンテナの回転
角速度Aと移動体の旋回角速度Vとの関係を示す説明図
であり、|V|≧ΔVで旋回時のステップ式追尾を行う
場合に、A=−cVとなるような大きさ(ただしc>
1)の回転角速度Aが設定されることを図示している。
【0055】このほか、図7に示すように、|V|≧Δ
Vで旋回時のステップ式追尾を行う場合に、アンテナの
回転角速度の大きさ|A|を、移動体の旋回角速度の大
きさ|V|に所定量V0を加えた値に設定しても良い。
あるいは、図8に示すように、|V|がそれほど大きく
ない(ΔV≦|V|≦V1)ときには、|A|=c・|
V|と設定し、|V|がある程度大きい(|V|>V
1)ときには、|A|=|V|+V0と設定しても良
い。いずれにせよ、このようにアンテナの回転角速度を
移動体の旋回角速度に伴って増減させる回転制御を行う
ことにより、アンテナを移動体の旋回よりもやや速く回
転させることができるので、不必要に高速でアンテナが
回転するということがなくなって、停止時にアンテナの
振動を抑えることができる。また、回転角速度を小さく
してもアンテナが移動体の旋回に遅れることはないの
で、衛星追尾に支障をきたす心配もない。
【0056】なお、移動体旋回時のステップ式追尾にお
いてアンテナ回転指令信号を出力する際に用いる、1パ
ルスの1/2周期に相当する計時のための値N2は、上
述した実施例では移動体の旋回角速度Vとアンテナの回
転角速度Aの関係式から随時求めるようにしてあるが、
それに代えてN2を予め計算してメモリに記憶させてお
き、|V|をアドレスとしてメモリから取得するように
構成しても良い。
【0057】また、上述した実施例においては、方位角
に対してアンテナの指向方向を制御する場合について説
明したが、仰角に対してアンテナの指向方向を制御する
場合の動作も同様である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による移動
体用アンテナ装置やその指向方向制御方法によれば、移
動体の旋回角速度の大きさに応じてアンテナの回転角速
度を制御して、必要以上に高速でアンテナを回転させな
いようにしてあるので、回転停止時に発生するアンテナ
の機械的な振動が抑えられ、その振動に伴う受信強度の
振れ幅が小さいため誤動作が防止できるとともに、アン
テナの回転動作が安定するという優れた効果を奏し、移
動体の旋回時の受信状態が従来技術に比べて良好とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動体旋回時のステップ式追尾が可能な移動体
用アンテナ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るアンテナの指向方向制
御方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係るアンテナの指向方向制
御方法を示すフローチャートである。
【図4】同実施例の具体例で移動体が左方向に加減速し
ながら旋回したときの各種データの時間変化を示す説明
図である。
【図5】図4(c)中の破線で囲んだ部分の拡大図であ
る。
【図6】同実施例におけるアンテナの回転角速度と移動
体の旋回角速度との関係を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例におけるアンテナの回転角
速度と移動体の旋回角速度との関係を示す説明図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施例におけるアンテナの
回転角速度と移動体の旋回角速度との関係を示す説明図
である。
【図9】従来例に係るアンテナの指向方向制御方法を示
すフローチャートである。
【図10】従来例に係るアンテナの指向方向制御方法を
示すフローチャートである。
【図11】同従来例の具体例で移動体が左方向に加減速
しながら旋回したときの各種データの時間変化を示す説
明図である。
【図12】図11(c)中の破線で囲んだ部分の拡大図
である。
【図13】同従来例におけるアンテナの回転角速度と移
動体の旋回角速度との大小関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 アンテナ指向方向制御装置 11 角速度センサ 12 A/D変換器 13 演算装置 14 駆動回路 15 駆動機構 16 アンテナ 17 受信機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載されて該移動体に対し回動
    可能なアンテナと、このアンテナを方位角方向もしくは
    仰角方向に回転駆動する回転駆動手段と、前記アンテナ
    で受信した受信信号の強度を検出する受信強度検出手段
    と、前記移動体の旋回角速度の大きさを示す旋回角速度
    情報と該移動体の旋回方向を示す旋回方向情報とを出力
    する旋回角速度検出手段と、前記受信信号の強度と前記
    旋回角速度情報と前記旋回方向情報とに基づいて前記回
    転駆動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段
    に、前記アンテナの回転角速度を前記旋回角速度の大き
    さに応じて増減させるための演算手段を設けたことを特
    徴とする移動体用アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 移動体に搭載したアンテナにて受信され
    た受信信号の強度が所定値以下で、且つ前記移動体が旋
    回状態であるときに、前記移動体の旋回角速度に比例し
    た繰り返し周波数を有する駆動パルス群ステッピング
    モータに加え、このステッピングモータによって前記ア
    ンテナを前記移動体の旋回方向とは逆の方向に回転を開
    始し、 前記アンテナにて受信された受信信号の強度が所定値以
    上に達したときに、前記駆動パルス群を前記ステッピン
    グモータに加えるのを停止して前記アンテナの回転を停
    止させることを特徴とする移動体用アンテナ装置の指向
    方向制御方法。
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