JPH0728264Y2 - 天井ボード取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、庇、廊下、トイレ等に取付けられる天井ボー
ドの支持装置に関する。

（従来の技術） 従来、天井ボードを建物躯体に取付ける場合には、建物
躯体の天井スラブに吊り金具を垂設し、該吊り金具の下
端部に野縁受け及び野縁を介して天井ボードを取付けて
いた。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来工法では、部品点数が多く、高所作業となるこ
とから、取付作業に手間と時間とがかかるという難点が
あった。

本考案は、上記難点に鑑み、天井ボードを建物躯体に少
数の部品で迅速、確実に取付けることができるようにし
た天井ボード支持装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、建物躯体の一方
の縦壁面1aと、これに対向する他方の縦壁面1aとに渡っ
て天井ボード３を取付ける天井ボード取付装置であっ
て、両縦壁面1a,1aにそれぞれ支持枠5,5を水平に接着
し、該支持枠５は、天井ボード３の端縁が嵌入する断面
コ字状の見切縁部13と、この見切縁部13の上部側に隣り
合って野縁4a,4bの端縁が遊嵌する断面コ字状の野縁保
持部12とからなる断面略Ｅ字状に形成され、しかして各
縦壁面1a,1aに沿って接着された両支持枠5,5に渡って前
記見切縁部13,13間に天井ボード３を取付け、前記野縁
保持部12,12間に支持枠長手方向適当間隔に野縁4a,4bを
取付け、更に支持枠5,5の上方側にあって、一端部が縦
壁面1a,1aに固着され、他端部が野縁4a,4bに係合される
係合金具６を設けてなる構成を採用するものである。

（作用） 本考案によれば、天井ボード及び野縁のそれぞれの両端
部を保持する支持枠を建物躯体の対向壁面に接着し、係
合金具の一端部を上記対向壁面に固着すると共に、その
他端部を上記野縁に係合させるようにしているため、天
井ボードの重量を受ける支持枠は、その接着面によって
直接に建物躯体に支持されるだけでなく、野縁を介して
係合金具によっても間接的に建物躯体に支持されること
になる。

（実施例） 第１図は鉄骨ALC構造等の建物躯体１の庇（または廊
下、トイレ等）に本考案の一実施例たる天井ボード支持
装置２により天井ボード３を取付けた状態を示すもので
あって、その天井ボード支持装置２は、第２図に示すよ
うに、天井ボード３及び野縁4a,4bのそれぞれの両端部
を保持する一対の支持枠５と、野縁4a,4bを介して天井
ボード３を建物躯体の対向壁面1a,1b（第１図参照）に
連結する係合金具６とからなる。

第３図に示すように、前記支持枠５は、アルミニウム、
塩化ビニル等の合成樹脂の押出形材からなり、その詳細
は、建物躯体１の対向壁面1a,1aに固着されている塩化
ビニル等の合成樹脂製アングル材７に取付けられる側板
８と、該側板８の上下縁部及び中央部に室内側に向けて
一体に突設された３つの支持板９〜11とからなり、上記
側板８と上縁部及び中央部の支持板9,10とで、野縁4a,4
bの端部が遊嵌する断面コ字状の野縁保持部12を形成
し、また側板８と中央部及び下縁部の支持板10,11とで
天井ボード３の端縁が嵌入する断面コ字状の見切縁部13
を形成している。また上記側板８のアングル材対向面
に、その全長にわたって蟻溝状の小凹条14を複数列刻設
し、その側板８をアングル材７に接着剤により接着した
ときに、その接着剤が各小凹条14内に入り込んで強固に
接着できるようになっている。

第４図に示すように、前記野縁4a,4bは、横断面略コ字
状の金属板からなり、市販のＭバーと称されているダブ
ル野縁とシングル野縁をそのまま利用することができ
る。そしてこの実施例では、天井ボード３の両端縁部に
対向する位置にダブル野縁4a,4aを配置し、天井ボード
３の中央部に対向する位置にシングル野縁4b,4bを配置
して、その各野縁4a,4bに天井ボード３を平ビス15より
固定している。また上記野縁4a,4bは、その両端部が前
述のように野縁保持部12内に遊嵌していることから、支
持枠５に沿って自由に移動することができ、所望の位置
でビス15により天井ボード３に固定されると同時に支持
枠５にも固定されるようになっており、その野縁4a,4b
を支持枠５に固定するための固定具は不要である。

前記係合金具６は、第３図に示すように、折曲された金
属板からなり、その上端部6a（係合金具の一端部）はビ
ス等の固定具17によって建物躯体１の対向壁面1a,1aに
固定され、その下端部には、二股状に分かれた一対のＴ
字状係合部6b,6b（係合金具の他端部）が形成されてお
り、前記シングル野縁4bを建物躯体１に固定する場合に
は、第４図の中央部に示すように、いずれか一方の係合
部6bをそのシングル野縁4bに係合させ、前記ダブル野縁
4aを建物躯体１に固定する場合には、第４図の両側に示
すように、両係合部6b,6bをそのダブル野縁4aに係合さ
せるようになっている。

またこの実施例では、係合金具６の上端部6aの下部に前
記固定具17用の貫通孔18（第２図参照）を貫設し、その
上部に比較的広い平坦部19を形成しており、第３図に仮
想線で示すように、その平坦部19を貫通して壁面1a,1a
に上記固定具17の代わりにドライブイット20を打込むこ
とができるようになっている。

なお第４図中、21は天井ボード３の両端縁部に嵌合し
て、その天井ボード３と建物躯体１との間の間隙を塞ぐ
見切縁である。

（考案の効果） 本考案によれば、天井ボードは係合金具を介して建物躯
体に支持され、前記支持枠の接着面に対する天井ボード
の重量の負荷が軽減されるから、接着面の接着力が多少
弱くとも支持枠が位置ずれしたり、脱落することがな
く、したがって天井ボードを所定の水平状態に確実に保
持することができる。また従来の天井ボードを建物躯体
の天井スラブに吊設する工法に比べて、その天井ボード
を少数の部品で迅速容易に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は建物躯体に本考案の一実施例たる天井ボード支
持装置により天井ボードを取付けた状態の斜視図、第２
図は同装置の一部切欠き斜視図、第３図は同天井ボード
取付け状態の横断面図、第４図は同状態の縦断面図であ
る。 １…建物躯体、1a,1a…対向壁面、３…天井ボード、4a,
4b…野縁、５…支持枠、６…係合金具、6a…上端部（係
合金具の一端部）、6b…係合部（係合金具の他端部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物躯体の一方の縦壁面1aと、これに対向
   する他方の縦壁面1aとに渡って天井ボード３を取付ける
   天井ボード取付装置であって、両縦壁面1a,1aにそれぞ
   れ支持枠5,5を水平に接着し、該支持枠５は、天井ボー
   ド３の端縁が嵌入する断面コ字状の見切縁部13と、この
   見切縁部13の上部側に隣り合って野縁4a,4bの端縁が遊
   嵌する断面コ字状の野縁保持部12とからなる断面略Ｅ字
   状に形成され、しかして各縦壁面1a,1aに沿って接着さ
   れた両支持枠5,5に渡って前記見切縁部13,13間に天井ボ
   ード３を取付け、前記野縁保持部12,12間に支持枠長手
   方向適当間隔に野縁4a,4bを取付け、更に支持枠5,5の上
   方側にあって、一端部が縦壁面1a,1aに固着され、他端
   部が野縁4a,4bに係合される係合金具６を設けてなる天
   井ボード取付装置。