JPH0728192A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0728192A
JPH0728192A JP16931293A JP16931293A JPH0728192A JP H0728192 A JPH0728192 A JP H0728192A JP 16931293 A JP16931293 A JP 16931293A JP 16931293 A JP16931293 A JP 16931293A JP H0728192 A JPH0728192 A JP H0728192A
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gelatin
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Takeshi Mitsuhashi
剛 三觜
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 擦り傷及び現像後の耐傷性が良く、スタチッ
ク防止性能の改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提
供する。 【構成】 支持体の一方に、下記一般式〔I〕で示され
る増感色素の少なくとも一種と一般式〔II〕で示される
増感色素の少なくとも一種を含有させて600〜750nm未満
に分光増感されたハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ該ハ
ロゲン化銀乳剤層又は乳剤層より外の層の少なくとも一
層中に紫外線吸収剤を少くとも一種含有することを特徴
とするレーザー光源用ハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、さらに詳しくは感度、階調性が安定で、擦
り傷及び現像後の耐傷性が良く、スタチック防止性能の
改良されたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI(マグネチックレゾナンスイメー
ジング)、X線CT(コンピューテッドトモグラフィ
ー)、デジタルXレイ診断等の放射線診断用画像をデジ
タル、又はビデオ信号として取り込み処理した後、これ
をレーザービームを走査してハロゲン化銀写真感光材料
に描出させ、透過画像として診断に供する手段が一般的
になりつつある。
【0003】これらの走査型レーザー露光装置の光源と
してアルゴン、ヘリウム−ネオン、ヘリウム−カドミウ
ム等のコヒーレント光が用いられてきたが、近年高感
度、経時安定性に優れた半導体レーザーが開発され、従
来のHe-Neレーザーに代表される633nmの光源から600
〜750nmの半導体レーザーまでの光源に対して安定なレ
ーザー光源用ハロゲン化銀写真感光材料が求められてき
た。
【0004】半導体レーザーは小型で安価、しかも変調
が容易であり、長寿命であるためこれらのモダリティー
の記録用光源として最適であるとされる。
【0005】また、記録媒体としては、支持体の片面に
のみハロゲン化銀乳剤層を有するいわゆる片面乳剤のハ
ロゲン化銀写真感光材料が用いられ、高感度、高コント
ラスト、優れた粒状性、鮮鋭性などに加えて保存、処理
中、現像後の擦り傷に対する性能が求められている。
【0006】片面乳剤によるハロゲン化銀写真感光材料
においては、片面画像の故に擦り傷等の欠陥は著しく顕
著に現れ、画像の品質を損ねる。特に本発明の診断用モ
ダリティーの記録材料としての半導体レーザー用写真感
光材料は、高画質画像を形成せしめること、搬送や処理
が高速であること、処理速度が Dry to Dry で45秒と言
う超迅速処理であることなどの理由で、搬送装置の部材
との接触による擦り傷の発生の機会が多く耐擦り傷性能
の向上が求められている。
【0007】感度については、粒子形状を平板状粒子に
し表面積/体積比の増加に応じ増感色素の吸着量を増加
し増感することができるが、平板状粒子よりなるハロゲ
ン化銀写真感光材料は、圧力耐性が弱く、カブリ、擦り
傷等の処理性能に欠点を有するためこれらの対策として
親水性コロイド層として用いるゼラチンの増量などの方
法がある、通常銀量に対してゼラチン量が多いと擦り傷
性はよくなるが、現像性、乾燥性は低下したり、またポ
リマーラテックス類を用いて塗布膜に可塑性を与える方
法が米国特許第3,632,342号などに開示されているが、
耐圧性は改善されるがアンチスタチック性が劣化するな
ど満足する結果が得られていない。従って、高感度、高
コントラスト、優れた粒状性、鮮鋭性などに加えて保
存、処理中、現像後の耐擦り傷性能、超迅速処理でのス
タチックの発生のない写真感光材料の出現が望まれてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、擦り
傷及び現像後の耐傷性が良く、スタチック防止性能の改
良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成,又はにより達成される。
【0010】 支持体の一方に、前記一般式〔I〕
「化1」で示される増感色素の少なくとも一種と前記一
般式〔II〕「化2」で示される増感色素の少なくとも一
種を含有させて600〜750nmに分光増感されたハロゲン化
銀乳剤層を有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤層又は該ハロ
ゲン化銀乳剤層より外側の層の少なくとも一層中に紫外
線吸収剤を少くとも一種含有することを特徴とするレー
ザー光源用ハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】 上記ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層のゼラチン量が1.5〜3.7g/m2であり、Ag/ゼラチン
比が0.8〜2.0であることを特徴とする上記記載のレー
ザー光源用ハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】ただし、上記Agは支持体のハロゲン化銀
乳剤層が存在する側の全ハロゲン化銀の金属換算重量を
示し、ゼラチンも同様に支持体のハロゲン化銀乳剤層が
存在する側の全ゼラチンの重量である。
【0013】 上記ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層を有する面のマット度が30mmHg以下であることを特徴
とする上記記載のレーザー光源用ハロゲン化銀感光材
料。
【0014】以下、本発明の具体的構成について説明す
る。
【0015】先ず、一般式〔I〕または一般式〔II〕で
表される増感色素について説明する。
【0016】
【化3】
【0017】一般式〔I〕において、R1及びR5で表さ
れるアルキル基としては、炭素数1〜5の低級アルキル
基が好ましく、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スル
ホ基で置換されてもよい。R1及びR5で表されるアルコ
キシ基としては、炭素数1〜5の低級アルコキシ基が好
ましい。R1及びR5で表されるハロゲン原子としては塩
素、フッ素、沃素等が挙げられるが塩素原子が好まし
い。R2及びR4で表されるアルキル基も炭素数1〜5の
低級アルキル基が好ましく、カルボキシル基やスルホ基
で置換されてもよい。R3で表されるアルキル基も炭素
数1〜3の低級アルキル基が好ましく、アリール基、ハ
ロゲンイオンで置換されていてもよい。X1及びX2は同
一でも異なってもよく、各々硫黄原子又はセレンニウム
原子を表す。Y1 -は対イオンとしては、ハロゲン原子、
過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホ
ン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸
イオン等が挙げられるが、R1又はR5が分子内塩を形成
する(m=0)ことが好ましい。
【0018】
【化4】
【0019】一般式〔II〕において、R6,R7,R11
びR12で表されるアルキル基、アリル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子については、一般式〔I〕のR1,R5
で説明した各基と同様の基を挙げることができる。R8
及びR10で表されるアルキル基も一般式〔I〕のR2
よびR4で説明したアルキル基と同様の基が挙げられ
る。R8及びR10で表されるアラルキル基としては、ベ
ンジル基、フェネチル基等が挙げられ、カルボキシル基
やスルホ基で置換されてもよい。Y2で表される対イオ
ンとしては、一般式〔I〕のY1 -で説明した基と同様の
基が挙げられる。R8又はR10が分子内塩を形成する
(m=0)ことが好ましい。
【0020】以下に、一般式〔I〕、〔II〕で示される
増感色素(本発明の増感色素と称す)の代表例を挙げる
が、本発明はこれに限定されない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】これら本発明の増感色素は、英国特許第66
0,408号、米国特許第3,149,105号等に記載の合成法に準
じて容易に合成することができる。
【0030】本発明の増感色素の使用量は、ハロゲン化
銀の種類、銀量などによって一様ではないがハロゲン化
銀1モル当たりの合計(一般式〔I〕+〔II〕或いは
〔I〕又は〔II〕の複数)で0.005〜1.0gが好ましく、
より好ましくは0.01〜0.6gである。
【0031】また、増感色素の添加時期は、脱塩工程終
了後から化学熟成開始時である。
【0032】次に、本発明に用いられる紫外線吸収剤に
ついて説明する。
【0033】本発明に用いられる紫外線吸収剤は、紫外
線領域(200〜400nm)に分光吸収特性を有するものであ
る。写真感光材料に好ましく用いられる代表的な紫外線
吸収剤としては、特公昭48-5496号、同50-25337号、同5
0-10726号、同48-41572号、同48-30493号、同49-26138
号、同49-26139号、同49-26538号公報、特開昭58-18567
7号公報、米国特許第3,253,921号、同3,271,156号、同
4,236,013号、同4,308,194号などに記載されているベン
ゾトリアゾール化合物、米国特許第3,284,203号、特公
昭50-10726号、同48-30493号、米国特許第2,719,086
号、同2,763,657号、同2,875,053号、同4,271,307号、
同4,256,626号などに記載のベンゾフェノン化合物類、
特公昭56-21141号、同48-30492号、特公昭63-53541号公
報、米国特許第4,235,999号などに記載の桂皮酸系化合
物、特公昭57-19768号、同57-37044号、同57-19767号、
同57-46773号、特開昭53-131837号、特公平1-53455号、
特公昭61-57619号、同57-19771号、同58-26016号公報、
米国特許第4,247,627号、欧州特許第127,259号、同127,
819号、同27,242号等に記載のあるブタジェン系化合
物、さらにチアゾリドン系化合物などが挙げられる。
【0034】本発明の中で使用する紫外線吸収剤の好ま
しい化合物としては、ベンゾトリアゾール化合物があげ
られる。
【0035】用いられる紫外線吸収剤は単独でもよく、
また2種類以上を混合して用いてもよい。
【0036】以下に、この化合物の代表的な基本骨格と
化合物例を示す。
【0037】
【化13】
【0038】ただし、EWGは電子吸引性置換基(例え
ば、シアノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基、
カルボニル基等)を表す。
【0039】化合物例
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】本発明で用いられる紫外線吸収剤は、水溶
性のものや油溶性のもの、あるいはラテックス状のもの
など全てを含むが、これらをレーザー用ハロゲン化銀写
真感光材料の構成層中に適用する方法は、水あるいはメ
タノール、エタノール、アセトン、ジメチルアセトン、
ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢
酸メチル、酢酸エチルなどの有機溶剤又は水と前記有機
溶媒との混合溶媒に溶解したのち乳剤中に添加する。場
合によっては下記の分散用界面活性剤を併用してもよ
い。
【0048】また、紫外線吸収剤が油溶性の場合は、前
記の低沸点有機溶剤と水溶性で高沸点の有機溶剤(例え
ばブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、トリヘキシルフォスヘート、トリ
オクチルフォスフェート、トリシクロヘキシルフォスヘ
ート、トリフェニルフォスヘート、ジオクチルフェニル
フォスヘート、オレイン酸ヘキシル、グルタル酸ジヘキ
シル、クエン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、ブタンジ
オールジベンゾエート、N,N-ジエチルラウリルアミド、
ベヘン酸、オクタデシルアルコール、塩素化ポリエチレ
ンなど、さらに分散用界面活性剤(アニオン性、ノニオ
ン性、カチオン性、両性の界面活性剤で、例えばスルホ
ン酸系、硫酸エステル系、カルボン酸系、硫酸エステル
系、カルボン酸系、リンゴ酸系、硼酸系ポリアルキレン
オキサイド系、ポリグルセリン系、カウボキシベタイン
系、スルホベタイン系、アンモニウム系、ピリジウム系
など)を用いて可溶化、あるいは乳化分散して乳剤中に
添加すればよい。
【0049】本発明の中では紫外線吸収剤の添加方法と
しては、水と前記有機溶媒との混合溶媒に溶解したのち
に乳剤中に添加する方法が好ましい。
【0050】本発明に用いられる前記紫外線吸収剤の使
用量は、感光材料1m2当たり0.005〜6gでよく、好ま
しくは0.01〜5gである。
【0051】また、本発明の紫外線吸収剤は、レーザー
光源用ハロゲン化銀写真感光材料を構成する層のうち、
本発明に係る前記一般式〔I〕「化1」で示される増感
色素の少なくとも一種と一般式〔II〕「化2」で示され
る増感色素の少なくとも一種を含有させて600〜750nmに
分光増感されたハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ該ハロ
ゲン化銀乳剤層又は該ハロゲン化銀乳剤層より外側の層
の少なくとも一層中に含まれればよい。感光性ハロゲン
化銀乳剤を含む層か又は中間層、保護層、オーバーコー
ト層などのいずれかの1層に含まれればよいが、好まし
くは保護層、オーバーコート層に含有せしめるのがよ
い。ここでより外側とは、支持体からより離れた位置に
あることを意味し、より外側の層とは上記、中間層、保
護層、オーバーコート層などの層を示す。
【0052】また、本発明の紫外線吸収剤を感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を含む層か又は中間層、保護層、オーバ
ーコート層に含有せしめることによりスタチックの発生
を抑制する効果も充分であった。
【0053】通常、本発明のハロゲン化銀乳剤の如き、
ゼラチン量の少ない、銀/ゼラチン比が小さい系では擦
り傷性、現像性が低下することが知られているが、驚く
べきことに、本発明の紫外線吸収剤の添加により現像性
はもとより、擦り傷性の向上したことは我々の予期せざ
る結果であった。
【0054】次に本明細書においてマット度とは、23℃
±2℃,30〜55%RHの条件で3時間調湿を行った未露光
の感光材料(いわゆる生フィルム)について、同一条件
下で吸引圧を測定し、mmHgで表した数値をいう。この値
が大きい程マット度が高いことを示している。後記実施
例において吸引圧の測定には、スムースター(東英電子
工業(株)製)を用いた。
【0055】本発明において、マット剤としては粒径1
〜10μmのものを用いる事が好ましい。さらに好ましく
は1〜5μmのものがよい。含有量としては0〜100mg/m
2が好ましい。
【0056】マット剤の種類としては公知のものを適宜
用いることができるが、具体的には水不溶性の有機また
は無機化合物の微粒子である。マット剤は、感光材料の
最外層もしくは最外表面層として機能する層いわゆる保
護層として作用する層に含有することが好ましい。
【0057】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支
持体の一方の面の少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層
を有する写真構成層が存在し、該写真構成層の少なくと
も1層にハロゲン化銀乳剤層以外の層を有することがで
きる。例えば非感光性層の如き親水性コロイド層を備え
てもよく、親水性コロイド層としてはゼラチンが好まし
く用いられる。
【0058】本発明におけるハロゲン化銀写真感光材料
の構成層において、銀とゼラチン重量比とは、支持体の
ハロゲン化銀乳剤層が存在する側の全ハロゲン化銀を金
属銀に換算した重量を表し、ゼラチンも同様にハロゲン
化銀乳剤の存在する側の全ゼラチン量を言い、これらの
重量比(Ag/ゼラチン)は0.8〜2.0であり、より好ま
しくは1.1〜1.5である。なお非感光層を除いて考えた場
合、即ち感光性ハロゲン化銀乳剤層のみのAg/ゼラチ
ンは1.0〜1.5が好ましい。
【0059】また、該ハロゲン化銀写真感光材料構成層
の乳剤側の層のゼラチン量は、1.5〜3.7g/m2の範囲で
あり、この範囲を外れた値ではフィルム同士のこすれ等
で擦り傷黒化が生じやすくなったり、膜の剥離等の膜物
性の劣化が生じやすくなる。本発明のハロゲン化銀写真
感光材料に用いられる乳剤は、沃臭化銀、臭化銀、塩臭
化銀、沃塩臭化銀などのいずれのハロゲン化銀であって
もよい。
【0060】これらの乳剤は、物理熟成、或いは粒子調
製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、
イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、
鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0061】該乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子のサ
イズの制限は無いが、0.10〜2μmのものが好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子は重量又は粒子数で、その少
なくとも40%が実質的に立方体、又は14面体粒子で、結
晶表面の頂点が丸みを有していることが好ましい。
【0062】本発明に用いられるもう1つの粒子形態と
してのハロゲン化銀乳剤は、アスペクト比2以上の平板
粒子であることが好ましい。かかる平板状粒子の利点
は、分光増感効率の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改
良などが得られるとして、例えば英国特許 2,112,157
号、米国特許 4,439,520号、同 4,433,048号、同 4,41
4,310号、同 4,434,226号、特開昭58-113927号、同 58-
113927号、同58-127921号、同63-138342号、同63-28427
2号、同63-305343号などで開示されており、乳剤はこれ
らの公報に記載の方法により調製することができる。
【0063】本発明で用いられるハロゲン化銀粒子のサ
イズ分布は、単分散でも多分散でもよいが単分散が好ま
しい。
【0064】ここでいう単分散乳剤とは、常法により、
例えば平均粒子直径を測定したとき、粒子数または重量
で少なくとも95%の粒子が平均粒子径の±40%以内、好
ましくは±30%以内にあるハロゲン化銀粒子である。ハ
ロゲン化銀の粒径分布は狭い分布を有した単分散乳剤、
或いは広い分布の多分散乳剤のいずれであってもよい。
【0065】ここで述べた単分散性についての定義は、
特開昭60-162244号に記載されており、粒径に関する変
動係数が0.20以下のものである。
【0066】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の内
部構造は任意であるが、ハロゲン化銀組成の異なるコア
/シェル構造のものが好ましい。
【0067】なお、コア/シェル乳剤を得る方法として
は、例えば英国特許 1,027,146号、米国特許 3,505,068
号、同 4,444,877号、特開昭60-14331号などの公報に開
示された方法で調製できる。
【0068】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされているが、好ましい水洗法としては、例えば特公
昭35-16086号公報記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素
系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平2-7037号公
報記載の凝集高分子剤、例示G3、G8などを用いる方
法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0069】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としは、例えばリサーチ・
ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同 No.1871
6(1979年11月)及び同 No.308119(1989年12月)に記載さ
れた化合物が挙げられる。これら三つのリサーチ・ディ
スクロージャーに示されている化合物の種類と記載箇所
を以下に示す。
【0070】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁、及びRD-308119の1
009頁に記載されているものが挙げられるが、適当な支
持体としてはプラスチックフィルムなどで、これらの支
持体の表面は塗布層の接着をよくするため下塗り層を設
けたり、コロナ放電、紫外線照射などを施してもよい。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。但
し当然のことであるが、本発明は以下に述べる実施例に
より限定されるものではない。
【0072】実施例1 〔乳剤の調製〕60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロー
ルしつつ、ダブルジェット法で平均粒径0.13μmの沃化
銀2モル%を含む沃臭化銀の単分散立方晶を得た。この
乳剤は、電子顕微鏡写真から双晶粒子の発生率は個数で
1%以下であった。
【0073】この乳剤を種晶として、以下のように成長
させた。
【0074】即ち、40℃に保たれた保護ゼラチン及び必
要に応じてアンモニアを含む溶液8.5リットルにこの種
晶を分散させ、さらに酢酸によりpHを調整した。
【0075】この液を母液として、3.2規定のアンモニ
ア性硝酸銀溶液と臭化カリウム及び沃化カリウム水溶液
とをダブルジエット法で添加した。
【0076】つまり、pAgを7.3、pHを9.7に制御し沃
化銀含有率35モル%の層を形成した。次に、pHを9.0〜
8.0に変化させ、pAgを9.0に保ちアンモニア性硝酸銀と
臭化カリウム溶液を添加し成長させた。成長途中で、臭
化カリウム溶液をノズルで8分かけ添加し、pAgを11.0
に落とし、臭化カリウム添加終了3分後に混合を終了さ
せた。この乳剤は、平均粒径は約0.3μmの頂点が丸みを
もつ14面体の単分散乳剤で粒子全体の平均沃化銀含有率
は1.5モル%であった。
【0077】次に、この反応液の過剰な可溶性塩類を除
去するために脱塩工程を行った。即ち、反応液を40℃に
保ち、ナフタレンスルホ酸ナトリウムのホルムアルデヒ
ド縮合物と硫酸マグネシウムを加え撹拌静置し、デカン
テーション法により過剰の塩類を除去した。
【0078】次に、脱塩後の乳剤を55℃にしてチオシア
ン酸アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムを
加え化学増感を行い、次いで本発明に係る一般式
〔I〕、〔II〕の例示化合物を表1に示すように添加し
て分光増感した。最高感度に達した時点で4-ヒドロキシ
-6-メチル-1,2,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀
1モル当たり1.2gになるように添加して安定化し乳剤塗
布液とした。
【0079】尚、乳剤塗布液には、下記の添加剤をハロ
ゲン化銀1モル当たり添加した。
【0080】 ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 30mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 1g 2-メルカプトベンツインミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 10mg 2-メルカプトベンゾチアゾール 10mg トリメチロールプロパン 9g 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 10mg C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0081】
【化21】
【0082】また、乳剤保護層液は下記組成のものであ
り、添加量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0083】 石灰処理イナートゼラチン 試料No.7,14(表1に記載) 32.5g 試料No.7,14以外(表1に記載) 85.5g 酸処理ゼラチン 2g α-スルホ琥珀酸ジデシルエステル・ナトリウム塩 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径4μm粒子) 試料No.10,12 3.5g 試料No.10,12以外 1.1g 二酸化ケイ素 (面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30g 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 2%水溶液(硬膜剤) 10ml 35%ホルマリン水溶液(硬膜剤) 2ml グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 1.5ml 〔紫外線吸収剤添加液〕 本発明の紫外線吸収剤(表1に記載) 表1に示す量 酢酸エチル 7.5ml 水 30ml ゼラチン 2.5ml バッキング層として、ゼラチン400g、ポリメチルメタク
リレート2g、硝酸カリウム24g、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム6g、下記ハレーション防止染料−
1を20gからなる染料乳化分散物を2g/m2相当、及び
グリオキザールからなるバッキング層を調製し、グリシ
ジルメタクリレート−メチルアクリレート−ブチルメタ
クリレート共重合体(50:10:40)をその濃度が10wt%に
なるように希釈して得た共重合体水性分散物を下引き液
として塗設したポリエチレンテレフタレートベースの片
側の面にゼラチン、マット剤、グリオキザール、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる保護層液と共
に塗布して得られたバッキング済みの支持体を用意し
た。
【0084】
【化22】
【0085】尚、塗布量はゼラチンが1.5〜3.7g/m2
範囲で、銀/ゼラチン比が0.8〜2.0になるような条件で
バッキング層の塗布済みベースに前記乳剤塗布液及び保
護層液をスライドホッパーにて2層同時重層塗布し試料
フィルムを得た。
【0086】塗布量は、表1に記載した。
【0087】この様にして得られた各々の試料を用いて
写真性能を評価した。評価方法は次の如くである。結果
を表1に示す。
【0088】試料の評価方法 〈擦り傷耐性〉 [未露光フィルムの擦り傷耐性試験]各試料を23℃、70%
の条件で2時間調湿した後、各試料を3枚ずつ重ね、机
上に置き、その上に1Kgの分銅をのせ、一番うえのフィ
ルムを下のフィルムと接しつつ引き出す。上から二枚目
にあったフィルムを未露光のまま現像し、2枚目のフィ
ルムが1枚目のフィルムで擦られることにより生ずる線
状の黒筋の度合いを以下の基準で目視評価した。
【0089】A;黒筋故障の発生がない B;黒筋故障が僅かに発生している C;黒筋故障が明らかに発生している D;黒筋故障がかなり発生している [現像済みフィルムの擦り傷耐性試験]濃度1になる光量
で全面露光して現像した試料フィルムを23℃、70%の条
件で2時間調湿した後、各試料を3枚ずつ重ね、机上に
置き、その上に1Kgの分銅をのせ、一番うえのフィルム
を下のフィルムと接しつつ引き出す。上から二枚目にあ
ったフィルムが1枚目のフィルムで擦られることにより
生ずる線状の擦傷の度合いをルーペを用い、以下の基準
で目視評価した。
【0090】A;擦り傷故障の発生がない B;擦り傷故障が僅かに発生している C;擦り傷故障が明らかに発生している D;擦り傷故障がかなり発生している 〈スタチックマークの発生試験法〉得られた試料を暗室
下、温度23℃、相対湿度20%の条件下で2時間調湿後、
ネオプレンゴムローラーで試料を摩擦した後、自動現像
機で現像してスタチックの発生状態を目視で確認した。
【0091】評価基準 A: 発生が全くない B: 発生はごく僅か C: 発生はやや多い D: 発生が多い 〈マット度測定(評価)方法〉23℃±2℃、55%RHの条
件で3時間調湿を行ったのち、スムースター(東英電子
工業(株)製)を用いて、生フィルムの乳剤層側を同一条
件下で吸引圧を測定した。測定値は、mmHgで表した。
【0092】〈センシトメトリー〉写真特性は、波長63
3nmのHe-Neレーザー光と670nmの半導体レーザー光でウ
エッジ像を焼き付けた14×17インチのフィルムで評価し
た。なお、処理はXレイ用自動現像機SRX-502、現像液X
D-SR、定着液XF-SR(いずれもコニカ[株]製)を用い
て現像温度35℃で45秒処理を行った。感度については、
633nm光に対する感度は試料No.1を100とし、670nm光に
対する感度は比較試料No.3を100とした値で表した相対
感度である。
【0093】
【表1】
【0094】表1の結果から明らかなように、本発明に
係る試料のいずれもが、比較試料に比べて、擦り傷及び
現像後の耐傷性が良く、スタチック防止性能が改良さ
れ、感度も良好なことがわかる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、擦り傷及び現像後の耐
傷性が良く、スタチック防止性能の改良されたハロゲン
化銀写真感光材料を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方に、下記一般式〔I〕で示
    される増感色素の少なくとも一種と一般式〔II〕で示さ
    れる増感色素の少なくとも一種を含有させて600〜750nm
    に分光増感されたハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ該ハ
    ロゲン化銀乳剤層又は該ハロゲン化銀乳剤層より外側の
    層の少なくとも一層中に紫外線吸収剤を少くとも一種含
    有することを特徴とするレーザー光源用ハロゲン化銀写
    真感光材料。 【化1】 〔式中、R1及びR5は同一でも異なってもよく、各々水
    素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は
    カルボキシル基を表す。R2及びR4は同一でも異なって
    もよく、各々アルキル基を表し、R3はアルキル基を表
    す。X1及びX2は同一でも異なってよく、各々硫黄原子
    又はセレンニウム原子を表す。Y1 -は対イオンを表し、
    mは0又は1を表すが、分子内塩を形成する場合はm=
    0である〕 【化2】 〔式中、R6,R7,R11及びR12は同一でも異なっても
    よく、各々水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロ
    ゲン原子、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を表す。
    8及びR10は同一でも異なってもよく、各々アルキル
    基又はアラルキル基を表し、R9はアルキルを表す。X3
    及びX4は同一でも異なってもよく、各々硫黄原子又は
    セレニウム原子を表す。Y2 -は対イオンを表し、n=0
    又は1を表すが、分子内塩を形成する場合n=0であ
    る。〕
  2. 【請求項2】 上記ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層
    のゼラチン量が1.5〜3.7g/m2であり、Ag/ゼラチン比
    が0.8〜2.0であることを特徴とする請求項1記載のレー
    ザー光源用ハロゲン化銀写真感光材料。ただし、上記A
    gは支持体のハロゲン化銀乳剤層が存在する側の全ハロ
    ゲン化銀の金属換算重量を示し、ゼラチンも同様に支持
    体のハロゲン化銀乳剤層が存在する側の全ゼラチンの重
    量である。
  3. 【請求項3】 上記ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層
    を有する面のマット度が30mmHg以下であることを特徴と
    する請求項1記載のレーザー光源用ハロゲン化銀感光材
    料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10874883B2 (en) * 2005-12-13 2020-12-29 Rossana Castellana Product for treating the skin and mucous membranes, and relative method of preparation

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