JP2742708B2 - 直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JP2742708B2 JP1147923A JP14792389A JP2742708B2 JP 2742708 B2 JP2742708 B2 JP 2742708B2 JP 1147923 A JP1147923 A JP 1147923A JP 14792389 A JP14792389 A JP 14792389A JP 2742708 B2 JP2742708 B2 JP 2742708B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀乳剤を、長期間保温停滞せし
めても所定の最大濃度を有し、かつカブリ及び色素汚染
の少ない直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料及び同感
光材料を迅速処理する方法に関するものである。
〔発明の背景〕
従来より、ハロゲン化銀写真感光材料の製造に於い
て、ハロゲン化銀乳剤を支持体上に塗布するに際し、乳
剤を連続して塗布するいわゆる連続法と呼ばれる方法
と、乳剤を熔融状態で保温停滞し一定量ごとに塗布する
バッヂ法といわれる製法が一般的に知られている。
連続法では、乳剤の停滞工程がないという利点を有す
る半面、長時間連続塗布の場合、同一ロット内で写真性
能のバラツキを生じ易い欠点を有している。
そのため各種添加剤の添加流量とそのコントロールが
重要で、複雑で精密な制御装置或はインライン添加装置
などその工程管理とメンテが極めて難しい。
一方、バッチ法では、乳剤を一定量まとめて溶解し、
必要量の添加剤を加え保温撹はん下で停滞して順次塗布
するため、同一ロット間のバラツキは少なく、品質の均
一な感光材料が得られる利点を有している。
しかしながら該バッジ法では、乳剤を長時間熔融状態
で停滞することに基づく写真特性の変動劣化が少なくな
い。
例えば、感度の上昇または減感を招き、さらにはカブ
リの発生を引き起こし易く、斯かる現象は高感度乳剤ほ
ど著しい。
本発明に係る直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤の場合に
は、最高濃度の低下と、最低濃度(カブリ)の増加と言
う極めて不利な現象を招くことである。
このような実状から、従来より乳剤製造工程段階に於
ける写真特性の変化を防止する目的から各種の安定剤、
カブリ防止剤など数多くの技術が報告されている。
例えば、特開昭58−217928号、同63−103233号、同62
−61046号などの従来技術が知られているが、本発明に
係る直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料に超迅速処理
性を含めての改良技術としては、いま一つ充分とは言い
難い。
一方、ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理の迅速化
は近年急激に進展しており、同一時間内での処理量の増
加が常に要求されている。
このような傾向は、X線用感光材料例えば医療用X線
フイルムの分野でも見受けられる。
即ち、定期健康診断の励行などにより診断回数が急増
すると共に、診断を一層正確なものとするために検査項
目が増加するなどして、その結果、写真撮影枚数が増加
しているためである。
感光材料の迅速処理化には診断の自動化(撮影・搬
送)などを改良促進する一方、感光材料により一層、迅
速処理適性を付与する必要がある。
しかしながら、本発明に係る分野の直接ポジ型ハロゲ
ン化銀写真感光材料では、他のハロゲン化銀写真感光材
料のように必ずしも単純ではなく、該感光材料特有の障
害を有していることである。
例えば、像様露光後、自動現像機により全処理時間が
20秒以上60秒未満である超迅速処理を行うと感度および
最高濃度の低下をもたらし、さらには現像ムラが発生し
やすくなるなどの障害である。
必要感度および濃度を得るためには、塗布量即ちハロ
ゲン化銀乳剤量を多くすることにより一応避けられるも
のの迅速処理化の方向には逆行する結果となる。
即ち、迅速処理すると(a)定着時間が不足となり定
着不充分となる。(b)フイルムの水洗いが不充分とな
る。(c)フイルムの乾燥が不充分となる。などの問題
を生ずる。上記(a)〜(c)の問題を解決する一つの
手段は、ハロゲン化銀量を減量する以外になく前述のご
とく写真特性を劣化することなくハロゲン化銀量を減ら
すことが迅速処理適性を付与する上で必須要件となる。
本発明に係る直接ポジ型感光材料への当該技術として
は例えば、特開昭64−29835号或は同63−148257号公報
など特定のイオン性界面活性剤を用いる技術が知られて
いるが、前述した乳剤停滞安定性を含めて超迅速処理性
の面からは充分とは言えない。
〔発明の目的〕
従って、本発明の第一の目的は、所定の感度と最大濃
度を有し、かつ最低濃度(カブリ)が低く、現像ムラの
発生がない迅速処理性のある直接ポジ型ハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
本発明の第二の目的は、乳剤の保温停滞時に生ずる感
度の変動あるいは最低濃度(カブリ)の増大発生を防止
し、安定した写真性能を有する直接ポジ型ハロゲン化銀
写真感光材料を提供することである。
本発明の第三の目的は、上述の感光材料を像様露光
後、全処理時間が20秒以上60秒未満で現像処理する直接
ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供する
ことである。
その他の目的は、以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明者は鋭意、検討の結果これらの目的が下記によ
り達成されることを見いだし、本発明を成すに至った。
即ち、(1)支持体の少なくとも一方の側に、少なくと
も一層の直接ポジ型ハロゲン化銀写真乳剤層を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料に於いて、該480〜800μmに分
光増感性を有するハロゲン化銀乳剤層が電子受容性有機
化合物を含み、かつ該ハロゲン化銀乳剤層の有る側の少
なくとも一層中に、下記一般式〔I〕および/又は〔I
I〕で表される化合物から選ばれる少なくとも一つを含
有する予めかぶらせた直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光
材料及び(2)ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理す
る場合の全処理時間が、20秒以上60秒未満で処理される
(1)項記載の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法によって達成される。
式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素原子、低級ア
ルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、スルホ基、ハロゲン原子、またはニトロ基
を表す。
但しR1、R2のうちの少なくとも一つは、カルボキシ
基、アルコキシカルボニル基又はスルホ基である。
以下、本発明を詳述する。
本発明を構成する直接ポジ型ハロゲン化銀写真乳剤は
沃化銀を含むハロゲン化銀で沃塩化銀、沃臭化銀、沃塩
臭化銀のいずれであってもよい。特に高感度が得られる
という点では、沃臭化銀であることが好ましい。
このようなハロゲン化銀粒子中の平均沃化銀含有量は
0.05〜10モル%で、好ましくは0.5〜8モル%で粒子の
内部には、少なくとも20モル%の高濃度の沃化銀が局在
化した部分が存在していてよい。
該粒子は立方体、八面体、十四面体のように規則的な
結晶型を有するものでもよいし、平板状、じゃがいも状
のような結晶型を有していてもよい。
本発明を構成するハロゲン化銀写真乳剤は、単分散型
又は多分散型であってもよく、単分散乳剤を単独、また
は少なくとも二種類混合したものであってもよい。
本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤は結晶内部に無機
減感剤を含有していてよく無機減感剤としては、第VIII
属の可溶性金属塩、例えば可溶性ロジウム塩、可溶性イ
リジウム塩などを添加してよい。
添加量はハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モルの
範囲でよく、より好ましくは10-5〜10-3モルを水溶液で
乳剤中に添加するのが好ましい。
本発明においては、良好なポジ画像を得るために、電
子受容性有機化合物が用いられる。これは光電子と銀イ
オンとの間で銀核が形成、成長する反応を防止するのに
役立つ。
次に本発明に係る電子受容性有機化合物について詳述
する。
本発明の実施に電子受容体として用いられる化合物に
は陰極ポーラログラフ半波電位(Ea)と陽極ポーラログ
ラフ電位(Ec)を加えると合計がポジテイプになる有機
化合物が含まれる。好ましくは、かかる化合物は少くと
も約480mμ以上の波長の光線に対し写真ハロゲン化銀乳
剤を分光増感するものであり、一般に約480mμ〜800mμ
の範囲の波長の光線に対して分光増感する。こういった
化合物はラッテンNo.16及びNo.35+38Aフィルターを通
してタングステン光源に露光したときマイナス青光相対
速度対青光相対速度の比が7よりも大、好ましくは10よ
り大であるように分光増感することが出来、「分光増感
性電子受容体」と称せられる。
本発明に係る直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤中に用いる
ことの出来る特に有用な電子受容性有機化合物はシアニ
ン染料、特に1965年3月15日公開されたブルーカー等の
ベルギー特許第660253号に記載されている如きイミダゾ
キノキサリン染料である。極めて良好な結果が、2位に
芳香族置換基を有するインドール核を含むシアニン染料
を用いる場合に得られる。有利に用いられる染料はイン
ドール核に加えて減感核をも含む。
本発明に用いられる好ましい分光増感性を有した電子
受容性有機化合物は、次の一般式〔III〕で表される。
一般式〔III〕 Y−L−Q 式中のLは炭素原子数2〜3のメチン鎖を表し、Yは
2−芳香族置換インドール核でその3位の炭素原子を通
じてメチン鎖に結合しているものを表し、Qは有機複素
環式核で、Lが炭素原子数2のメチン鎖の場合には非シ
ンメトリーのジメチンシアン染料を与えるべき減感性核
を表し又Lが炭素原子数3のメチン鎖の場合にはQは2
−芳香族置換インドール核でその3位の炭素原子を介し
てメチン鎖に結合しているものを表す、Lが炭素原子数
2のメチン鎖である場合の特に有用な減感核はイミダゾ
−〔4,5〕−キノキサリン核でその2位の炭素原子を
介してメチン鎖に結合しているものである。
本発明に於いて好ましく用いられる分光増感性の電子
受容性有機化合物としては、下記一般式〔IV〕で表され
るジメチンシアニンが揚げられる。
式中、Aは芳香族核、例えばフェニル系の核でこれに
は各種の置換基例えばアルキル(例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等)、アルコキシ(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、ハロゲン
(例えばBr、Cl又はF)、アリール(例えばフェニル)
を有することが出来、或はAは複素環式芳香族性核;好
ましくは炭素原子数5〜6のものであって、ヘテロ原子
は窒素、硫黄又は酸素が好ましい;R2及びR3は各々水素
原子、ハロゲン原子(例えばCl,Br又はF)アルキル又
はアルコキシ置換基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、メトキシ、プロポキシ、ヒドロキシエチル
等)を表し;或はR2とR3は共同で炭素原子数6なる閉鎖
芳香族環を完成するに必要な原子群を表し;R1はアルコ
ール残基を表し、例えば好ましくは炭素原子数1〜8を
含むアルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、オクチル)、スルホンアルキル(例えばスルホプロ
ピル又はスルホブチル)、スルファトアルキル(例えば
スルファトプロピル又はスルファトブチル)、カルボキ
シアルキル(例えばカルボキシエチル又はカルボキシブ
チル)等;R4とR5は各々アルコール残基を表し、例えば
アルキル、好ましくは炭素原子数1〜18のもの(例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第
二級ブチル、ヘキシル、ドデシル、オクタデシル、ベン
ジル、ベーターフェニルエチル等)、スルホアルキル
(例えばスルホプロピル又はスルホブチル)スルファト
アルキル(例えばスルファトプロピル及びスルファトブ
チル)、カルボキシアルキル(例えばカルボキシエチ
ル、カルボキシブチル)、ヒドロキシアルキル(例えば
ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブ
チル)、アリル、アルケニル(例えばプロペニル、ブテ
ニル)、アルキニル(例えばプロパルギル)、シクロア
ルキル(例えばシクロブチル、シクロヘキシル)、ジア
ルキルアミノアルキル(例えばジメチルアミノエチ
ル)、及びアリール(例えばフェニル、P−トリル、O
−トリル、3,4−シクロロフェニル)等;R6はR2と同一又
はR1と共同して例えばトリメチン又はジメチンの如きア
ルキレンを表す;R7はハロゲン又はNO2、nは0又は1〜
3の整数、Xはアニオン、好ましくは酸アニオン例えば
クロライド、ブロマイド、ヨーデイド、P−トルエンス
ルホネート、チオシアネート、スルホネート、メチルサ
ルフェート、エチルサルフェート、パークロレート等を
表す。
特に有用な分光増感性電子受容体の一群は次の一般式
を有する。
式中R12,R13,R14は各々アルキル基(例えばメチル、
エチル、プロピル又はブチル)又はアリール基(例えば
フェニル)を表し、Xは上述の通りであり、Qは (1) −CH=Q1 式中、Q1はトリメチンシアニン染料を作るべき減感
核、例えば、6−ニトメベンズチアゾール核、5−ニト
ロインドレニン核、イミダゾ〔4,5−〕キノキサリン
核又はピロロ〔2,3〕−ピリド核(例えば 式中R15,R16,R17は各々R12,R13,R14と同じ)を完成する
に必要な原子群を表す、及びジメチンシアニン染料を作
る為の減感核、例えばピラゾール核又は2−芳香族置換
インドール核でその3位の炭素原子を介してメチン鎖に
結合しているもの (例えば 式中に、A,R1,R2,R3及びR6は上述の通り)を完成するに
必要な原子群からなる置換基を表す。
他の有用なグループの分光増感電子受容体は下記一般
式〔V〕で表される。
式中、X,A,R1,R2,R3及びR6は上述せる通り;A1,R8,R9,
R10及びR11は各々A,R1,R2,R3及びR6と同じ意味のもの;Y
は水素原子、アリール基(例えばフェニル、アルキル
(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、置換又
はアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ)置換フェニル)、又は複素環式芳香族基(例えばチ
オフェン)を表す。
シンメトリーのイミダゾ〔4,5−〕キノキサリント
リメチンシアニン染料で各核が2位の炭素原子を介して
メチン鎖に結合しているものは本発明の実施に際しての
有用な電子受容体である。
かかる染料の代表的なものは、次の一般式〔VI〕によ
り表される。
式中、X′、R4及びR5は上述と同じ、R11及びR12はR4
とR5と同じ、各X′はハロゲン(例えばBr,Cl,又は
F)、nは0又は1〜3の整数である。
さらに別の電子受容体の一群は下記一般式〔VII〕で
表される。
式中、R7,n,R4,R5及びXは各々一般式〔IV〕に於て記
載せる通り、R18及びR19は水素原子、アルキル基(好ま
しくは炭素原子数1〜18のもので例としては、メチル、
ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、アリー
ル(例えばフェニル、P−トリル、3,4−ジクロロフェ
ニル)からなる群から選ばれる。R20はR4と同じ。この
種の染料はかかる物質を製造するのに適当な従来法によ
り有利に製造される。例えば無水醋酸の如き適当な溶媒
中で2−アルキルイミダゾ〔4,5b〕キノキサリニウム塩
とピラゾール−4−カルボキシアルデヒドを還流せしめ
て作る。この種の代表的染料は次の構造式で示される1,
3−ジアリル−2−〔2−(3,5−ジメチル−1−フェニ
ル−4−ピラゾリル)ビニル〕イミダゾ−〔4,5−
−キノキサニリウムヨーデイドである。
この染料は1,3−ジアリル−2−メチルイミダゾ〔4,
5′〕キノキサリニウムP−トルエンスルホネートと
3,5−ジメチル−1−フェニル−ピラゾール−4−カル
ボキシアルデヒドとを無水酢酸中、適当時間例えば10分
間還流せしめることによって作られる。
更に別の有用な分光増感電子受容体は、少くとも1つ
の核、好ましくは2つの核にNO2の如き減感性置換基を
有するシアニン及びメロシアニン染料である。
本発明の実施に顕著な効果を与える他の特定電子受容
体は、原子量が約35〜約127の範囲内にあるハロゲンを
総計して少くとも1モル当量含むシアニン染料である。
この種の好ましいシアニン染料は少くとも1つのメチン
グループを有し、その水素原子が原子量約35〜約127の
ハロゲン原子、即ち塩素、臭素、又はヨード原子で置換
されている。
適当なハロゲン含有シアニン染料は次の一般式〔VII
I〕で表わされる。
式中Z1及びZ2は各々シアニン染料に用いられる種類の
複素環式核例えばベンゾチアゾール系の核(例えばベン
ゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロ
ロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4
−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾー
ル、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾ
チアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、6−フェ
ニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾー
ル、5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾ
チアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エト
キシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾー
ル等)、ナフトチアゾール系の核(例えばα−ナフチア
ゾール、β−ナフトチアゾール、5−メトキシ−β−ナ
フトチアゾール、5−エチル−β−ナフトチアゾール、
8−メトキシ−α−ナフトチアゾール、7−メトキシ−
α−ナフトチアゾール等)、ベンゾキサゾール系の核
(例えばベンゾキサゾール、5−クロロベンゾキサゾー
ル、5−メチル−ベンゾキサゾール、5−フェニルベン
ゾキサゾール、5−メトキシベンゾキサゾール、5−エ
トキシベンゾキサゾール、5−ヒドロキシベンゾキサゾ
ール等)、ナフトキサゾール系の核(例えばα−ナフト
キサゾール、β−ナフトキサゾール等)、ベンゾセレナ
ゾール系の核(例えばベンゾセレナゾール、5−クロロ
ベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、
5−ヒドロキシベンゾセレナゾール等)、ナフトセレナ
ゾール系の核(例えばα−ナフトセレナゾール、β−ナ
フトセレナゾール等)、2−キノリン類も含めてキノリ
ン系の核(例えばキノリン、3−メチルキノリン、5−
メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノ
リン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−
メトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒド
ロキシキノリン等)、4−キノリン類(例えばキノリ
ン、6−メトキシキノリン、7−メトキシキノリン、8
−メトキシキノリン等)イソキノリン系の核(例えば1
−イソキノリン類、3−イソキノリン類等)を完成する
に必要な非金属原子群を表し;X及びX1は各々水素原子、
塩素、臭素及びヨードからなる群から選ばれ、X及びX1
の内少くとも一つは塩素、臭素又はヨードであるR1及び
R2は各々アルキル例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、第二級ブチル、第三級ブチル等の
低級アルキル;炭素数1〜4のスルホアルキル(例えば
スルホメチル、スルホエチル、スルホプロピル、スルホ
ブチル等)、炭素数1〜4のカルボキシアルキル(例え
ばカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプ
ロピル、カルボキシブチル、等)であり;Aは酸アニオン
(例えばクロライド、ブロマイド、ヨーデイド、p−ト
ルエンスルホネート、チオシアネート、メチルサルフェ
ート、エチルサルフェート、パークロレート等)を表
し;d,m,n及びpは1〜2の正の整数を各々表す。
その他の例としては、フエノサフラニン、ピナクリプ
トールイエロー、5−m−ニトロベンジリデンローダニ
ン、5−m−ニトロベンジリデン−3−フェニル−ロー
ダニリン、3−エチル−5−m−ニトロベンジリデンロ
ーダニン、3−エチル−5′−(2,4−ジニトロベンジ
リデン)ローダニン、5−o−ニトロベンジリデン−3
−フェニルローダニン、1′,3−ジエチル−6−ニトロ
チア−2′−シアニン ヨーデイド、4−ニトロ−6−
クロロベンゾトリアゾール、3,3′−ジエチル−6,6′−
ジニトロ−9−フェニルチアカルボシアニン ヨーデイ
ド、2−(p−ジメチルアミノフェニルイミノメチル)
ベンゾチアゾール エトエチルサルフェート、クリスタ
ルバイオレット、3,3′−ジエチル−6,6′−ジニトロチ
アカルボシアニン エチルサルフェート、1′,3−ジエ
チル−6−ニトロチア−2′−シアニン ヨーデイド、
1,3−ジアミノ−5−メチル−フェナジニウムクロライ
ド、4−ニトロ−6−クロロベンゾトリアゾール、3,
3′−ジ−p−ニトロベンジルチアカルボシアニン ブ
ロマイド、3,3′−ジ−p−ニトロフェニル−チアカル
ボシアニン ヨーデイド、3,3′−ジ−o−ニトロフェ
ニルチアカルボシアニン パークロレート、3,3′−ジ
メチル−9−トリフルオロメチルチアカルボシアニン
ヨーデイド、9−(2,4−ジニトロフェニルメルカプ
ト)−3,3′−ジエチルチアカルボシアニンヨーデイ
ド、ビス(4,6−ジフェニルピリル−2)トリメチンシ
アニンパークロレート、アンヒドロ−2−p−ジメチル
アミノフェニルイミノメチル−6−ニトロ−3−(4−
スルホブチル)ベンゾチアゾリム ヒドロキシド、1−
(2−ベンゾチアゾリル)−2−(p−ジメチルアミノ
スチリル)−4,6−ジフェニルピリジニウム ヨーデイ
ド、1,3−ジエチル−5−〔1,3−ネオペンチレン−6−
(1,3,3−トリメチル−2−インド−リニリデン)−2,4
−ヘキサジエニリデン〕−2−チオバルビタール酸、2,
3,5−トリフェニル−2H−テトラゾリウム クロライ
ド、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフ
ェニル)−5−フェニル−テトラゾリウム クロライ
ド、1−メチル−8−ニトロキノリウム メチルサルフ
ェート、3,6−ビス〔4−(3−エチル−2−ベンゾチ
アゾリニリデン)−2−ブテニリデン〕−1,2,4,5−シ
クロヘキサンテトロン、1,3−ジアリル−2−〔2−
(3,5−ジメチル−1−フェニル−4−ピラゾリル)ビ
ニル〕イミダゾ〔4,5b〕キノキサリニウム ヨーデイ
ド、6−アミノ−1−メチル−2〔(1′−メチル−
6′−キノリニウム)ビニル〕キノリニウム ジクロラ
イド、4−(p−m−アミルオキシフェニル)−2,6−
ジ(p−ジエチルフェニル)チアピリリウム、パークロ
レート等が含まれる。
尚、これら上記の減感性色素類は例えば米国特許2,93
0,694号、ベルギー国特許660,253号或は特公昭50−3938
号等明細書記載の合成法により容易に得られるものであ
る。
更に、F.M.Hamer著“The Cyanine Dyes and Related
Compounds"Wiley(1964)に記載の方法に準じて得るこ
とができ、関係当業者は、公知の化合物として理解でき
るものである。
尚、本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤中に存在せ
しめる電子受容性化合物としては、前記した如き外部電
子受容体に限定されるものでなく、他の外部電子受容体
でもかまわない。
又、ロジウム化合物などの内部電子受容体との併用で
あってもかまわない。
本発明のこれら電子受容性化合物は、直接ポジ型ハロ
ゲン化銀乳剤のハロゲン化銀1モル当り約10mg〜2gの範
囲で用いられる。
特に好ましくは50mg〜1g/モルAgXの範囲を前記の添加
方法によって添加するのが好ましい。
次に本発明に係る電子受容性有機化合物の具体的化合
物例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
例示化合物No. 前記一般式〔I〕及び〔II〕において、R1,R2,R3及び
R4で示される低級アルキル基、アルコキシ基及びアルコ
キシカルボニル基におけるアルキル基の炭素原子数は何
れも1〜4個である。
次に、一般式〔I〕の(a)又は(b)で表される化
合物の代表的具体例を挙げる。なお、本発明はこれによ
り限定されるものではない。
次に一般式〔II〕の(c)又は(d)で表される化合
物の代表的具体例を挙げる。なお、本発明はこれにより
限定されるものではない。
これらの例示化合物は、例えばジアミン化合物と二酸
化炭素との反応による公知の方法で容易に得ることがで
き、例えばザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリッ
ク・コンパウンズ・イミダゾール・アンド・デリバティ
ブス(The chemistry of Hetreocyclic compounds inid
azole and Derivatives)Vol.1.P.348に記載の方法 Ann,325,153(1902)、JACS,71,1436(1949)、JACS,7
6,4935(1954)、Berichte,26,545,2737(1893)、J.Pr
act.chem,125,466,(1930)などに記載の方法を参考に
することができる。
本発明に係る上記一般式〔I〕および/または〔II〕
で表される化合物から選ばれる少なくとも一つを、本発
明の直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤層のある側の少なくと
も一層に添加することにより本発明の目的が得られる。
乳剤層側の層とは、例えば感光性乳剤層、非感光性乳
剤層、保護層、中間層、フィルター層、染料層など感光
性乳剤層と隣接した各種親水性コロイド層を言う。
本発明に係る直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤は、化学熟
成後に各種添加剤を加えたのち塗布液として調整後、保
温停滞される。本発明に於ける保温停滞時の温度は、35
℃〜60℃であり停滞時間は製造条件によって一様ではな
いが、少なくとも12時間は可能で、通常は3時間ないし
8時間である。
本発明に用いられる前記一般式〔I〕及び一般式〔I
I〕で表される化合物の添加時期は、乳剤の場合、各種
添加剤が添加される前でも、後でもよく、塗布前であれ
ば添加順序は問わない。
添加量はハロゲン化銀乳剤種類により一様ではない
が、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり0.001g〜10g
の範囲でよく好ましくは0.005g〜2gである。ハロゲン化
銀乳剤層以外の場合は乳剤層に準じて任意に添加量を決
定できる。添加に際しては水または親水性有機溶媒たと
えばメタノール、エタノールなどに溶解後添加してよ
い。
尚、本発明に係る上記一般式〔I〕及び〔II〕の化合
物は、単一もしくは組み合わせて用いてよく、各層ごと
に変化させて用いてもよい。さらに他の添加剤と組み合
わせて使用することもできる。
本発明に係る直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料構
成層中に、少なくとも1種の含フッ素界面活性剤を添加
含有せしめることにより、本発明の目的効果を良好に奏
することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の少なくとも一層
に添加含有される含フッ素界面活性剤としては、ノニオ
ン性、アニオン性、カチオン性もしくはベタイン構造を
有したものが挙げられ、好ましくは炭素数4以上のフル
オロアルキル基を有する。
イオン性基としては、例えばスルホン酸又はその塩、
カルボン酸又はその塩及びリン酸又はその塩などのアニ
オン性界面活性剤或はアミン塩、アンモニウム塩、スル
ホニウム塩、ホスホニウム塩及び芳香族アミン塩などの
カチオン性又はベタイン型の界面活性剤、更には、ポリ
アルキレンオキシド基、ポリグリセリル基などを有した
ノニオン型界面活性剤が挙げられる。
これらの含フッ素系界面活性剤は、米国特許4,335,20
1号、同4,347,308号、英国特許1,417,915号、同1,439,4
02号、特公昭52−26687号、同57−26719号、同59−3857
3号、特開昭55−149938号、同54−48520号、同54−1422
4号、同58−200235号、同57−146248号、同58−196544
号明細書等に記載されている化合物が挙げられる。
これらの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
本発明に係る上記の含フッ素系界面活性剤は、ハロゲ
ン化銀写真感光材料構成層のいづれの層に添加してもよ
く、例えば、表面保護層、中間層、下塗層或は裏引層な
どの非感光性層又はハロゲン化銀乳剤層に添加される。
より好ましくは乳剤層及びその表面保護層、裏引層及
びその表面保護層が挙げられる。これらは片面層だけで
なく両面層に同時に用いてもよい。
本発明に係る含フッ素系界面活性剤は、2種併用して
もよく、又は他の合成界面活性剤と組合せて用いてもよ
い。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は適当なカブリを付
与されるが、これはハロゲン化銀乳剤に対して還元剤と
金化合物を用いる。チオ硫酸塩及び/又はチオシアン酸
塩から選ばれた少なくとも1つ以上の化合物を共存せし
めてカブらせるか、あるいは還元剤と金化合物とによっ
てカブらせた後チオ硫酸塩及び/又はチオシアン酸塩よ
り選ばれた少なくとも1つ以上の化合物を含有せしめる
ことによりさらに良好なカブリが付与される。
本発明では上記方法によりカブリが付与されるが、カ
ブリを付与する前に水溶性沃化物をハロゲン化銀乳剤に
添加することにより良好な抜けを得ることができる。水
溶性沃化物としてはアンモニウム,カリウム,リチウ
ム,ナトリウムの沃化物が挙げられ、添加量はハロゲン
化銀1モル当り水溶性沃化物1〜10ミリモルである。添
加量がこれより少ない場合は抜けが悪い。これより多い
場合は充分な最高濃度が得られず、また保存中に濃度が
低下するという欠点が生ずる。ハロゲン化銀をカブらせ
る条件は広範囲に変更可能であるが、pHは一般に5.5〜
9の範囲内であり好ましくはpH6〜7にある。またpAgは
一般に6.5〜8.5の範囲内であり、温度は一般に40℃〜10
0℃好ましくは50℃〜70℃の範囲である。
カブらせる間のハロゲン化銀粒子を懸濁せるゼラチン
の如き親水性保護コロイドは、ハロゲン化銀1モル当
り、好ましくは30〜200グラムの割合いで用いられる。
本発明に用いる還元剤としては、ホルマリンの如きア
ルデヒド化合物、ヒドラジン、トリエチレンテトラミ
ン、チオ尿素ジオキサイド、イミノ−アミノ−メタンス
ルフィン酸の如き有機アミン化合物等の有機還元剤、塩
化第一錫の如き無機還元剤、又はアミンボランの様な還
元剤等が好適に使用される。
そして用いられる還元剤の濃度はハロゲン化銀粒子、
適用目的等により種々変更され、更に還元剤の種類によ
り異なるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり0.001〜
1.00ミリモルの範囲内である。
また本発明に使用する金化合物は、1価及び3価の可
溶性金塩であり、例えば塩化金酸、チオシアン酸金、ク
ロム金酸ナトリウム、クロム金酸カリウム、ブロム金酸
カリウム、ヨード金酸カリウム、金シアン化カリウム、
金チオシアン化カリウム、チオマレイン酸金ナトリウ
ム、金チオグルコース等が用いられる。
この金化合物の使用量は、ハロゲン銀粒子のサイズ組
成或いは適用目的等により変化するが、一般にはハロゲ
ン化銀1モル当り0.0001〜0.1ミリモルの範囲内であ
り、好ましくは0.005〜0.05ミリモルの範囲内であっ
て、低濃度で用いる場合に良い結果が得られる。
又本発明に使用するチオ硫酸塩、チオシアン酸塩の具
体例としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニ
ウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム、或いは、これらの錯塩等が好通に使用され、これら
化合物は、一般にハロゲン銀1モル当り0.0003〜10.0ミ
リモルの範囲で用いられ、好ましくは0.005〜0.5ミリモ
ルが使用される。そして、これらチオ硫酸塩、チオシア
ン酸塩の塩類を使用する時期は、還元剤及び金によりカ
ブリを与える前又はカブリ形成中、或いはカブリ形成後
でも良いが、その使用時期により必要使用量は変化し、
特にカブリ形成語に添加する場合は増量が必要である。
本発明に係る直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤は他の写真
用添加剤も添加することが出来る。安定剤として例えば
特公昭49−16053号、同49−12651号、特開昭48−66828
号等に記載されたもの或いは、アザインデン類、ベンゾ
チアゾリウム化合物、メルカプト化合物、或いはカドミ
ウム、コバルト、ニッケル、マンガン、亜鉛等の水溶性
無機塩が含まれても良い。又硬膜剤として例えばホルマ
リン、グリオキザール、ムコクロル酸等のアルデヒド
類、S−トリアジン類、エポキシ類、アジリジン類、ビ
ニルスルホン酸等、又増感剤として例えば特公昭42−25
203号、同43−10245号、同43−13822号、同43−17926
号、同43−17927号、同46−21186号、同49−8102号、同
49−8332号等に記載されたものから選ばれるポリアルキ
レンオキサイド及びその誘導体も含有せしめうる。
更に例えば特公昭45−24910号、同45−29878号等に記
載されたものから選ばれるカラーカプラーを含有せしめ
ることも可能である。その他必要に応じて増白剤、増粘
剤、防腐剤、マット剤、帯電防止剤等も含有せしめるこ
とが出来る。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤には保護コロイドとし
て例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、更にポリビニルア
ルコール、ポリビニルアクリレート、ポリビニルピロリ
ドン、セルローズエーテル類、部分加水分解セルローズ
アセテート、特公昭49−20530号記載のエチレンオキシ
ドをグラフト化したポリ(N−ヒドロキシルアルキル)
βアラニン誘導体等の親水性ポリマーを含むことが出来
る。
更に乳剤用バインダーとして分散重合ビニル化合物も
含有せしめうる。例えば特公昭49−32344号に記載され
た活性剤の存在下に乳化重合した不飽和エチレン係モノ
マーのポリマーラテックス、特公昭49−20964号に記載
された第2セリウム塩を使用して、水酸基を有する高分
子化合物を不飽和エチレン系モノマーとグラフト化した
ポリマーラテツクス等を含有せしめることは膜物性向上
の点からも好ましいことである。
又乳剤技術の上からも特公昭44−2523号、同44−9499
号記載のように現像剤をプロテクトし含有せしめたり膜
物性向上のため高級脂肪酸例えば流動パラフィンや高級
不飽和脂肪酸例えばステアリルアセトグリセライド等を
プロテクト含有せしめたり、更に目的に応じカラーカプ
ラー、安定剤等もプロテクトし含有させることが可能で
ある。このようにして得られる直接ポジ型ハロゲン化乳
剤は任意の適当な写真用支持体例えばガラス、木、金
属、フィルム、例えばセルローズアセテート、セルロー
ズアセテートブチレート、セルローズナイトレート、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチレン等、紙、バライ
タ塗布紙、ポリオレフィン塗布紙例えばポリエチレン又
はポリプロピレン塗布紙等の上に塗布され、ポリオレフ
ィン塗布紙は電子衝撃処理により乳剤の接着性を良好な
らしめることが出来る。
本発明に係る全処理時間とは、本発明の感光材料を像
様露光後、自動現像機の感材挿入口であるローラーに挿
入してから現像槽、定着槽及び水洗槽を経て乾燥部出口
の最終ローラーに達するまでの時間をいう。
この全処理工程時間が60秒未満であって、より好まし
くは20〜60秒で、特に好ましくは50秒以下である。
又、処理温度は60℃以下で、好ましくは20〜45℃であ
る。
下記に全処理時間の内訳について、その一例を示す。
処理工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 挿 入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 定着+渡り 33 8.2 水洗+渡り 25 7.2 スクイズ 40 5.7 乾 燥 45 8.1 計 − 45.0 本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学熟成前後の
工程において、各種の写真用添加剤を用いることができ
る。公知の添加剤としては、例えばリサーチ・デイスク
ロージャーNo−17643(1978年12月)および同No−18716
(1979年11月)に記載された化合物が挙げられる。
これら二つのリサーチ・デイスクロージャーに示され
ている化合物種類と記載箇所を次表に記載した。
本発明に係る感光材料は、前述のRD−17643の29頁ま
たはRD−18716の651頁左欄に記載された通常の現像液を
ベースとして使用することができる。
本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD−17643の28頁およびRD−18716
の647頁左欄に記載されているものが挙げられる。適当
な支持体としては、プラスチックフィルムで、これら支
持体の表面は一般に、塗布層の接着をよくするために、
下塗層を設けたり、紫外線照射などを施してもよい。そ
して、このように処理された支持体上の片面あるいは両
面に本発明に係る乳剤を塗布することができる。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を示すことにより、本発明を
更に詳細に説明する。但し、当然のことではあるが、本
発明は以下に説明する実施例により限定されるものでは
ない。
実施例−1 下記処方により、単分散乳剤を調製した。なお、以下
の記載で、AgXは、ハロゲン化銀を示す。
イ)ゼラチン 8g/AgX1モル ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム 42mg/AgX1モル 水 500ml/AgX1モル ロ)硝酸銀 170g/AgX1モル アンモニア水(28%) 当量 水 210ml/AgX1モル ハ)臭化カリウム 120g/AgX1モル 沃化カリウム 3.5/AgX1モル 水 210ml/AgX1モル ニ)酢酸 pH6.0に中和する量 まず40℃で(イ)液の反応釜中に、(ロ)液と(ハ)
液をダブルジェット法で、15分間かけて同時添加した。
以上が粒子形成工程であって、続いて過剰塩を取り去
る脱塩工程に入る。
上記工程−3で形成したハロゲン化銀乳剤を40℃に保
ちナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(平均重合度
2)の5%水溶液100cc/モルAgX及び20%のMgSO4水溶液
を40cc/モルAgX添加し、5分間撹拌し、その後放置し
た。その後、上澄液を排出し、ハロゲン化銀1モル当り
200ccの液量にした。次に40℃の純粋を1.8/モルAgX
加え、5分間撹拌した。(工程−4) 次いでMgSO4を20g/モルAgX加え、上記と同様に撹拌後
静置し、上澄液を排除し、脱塩を行った。次にこの溶液
を撹拌した。(工程−5) 撹拌後、AgXを再び分散させるための後ゼラチン及び
フェノールを添加し、55℃で分散させた。
得られた乳剤に対して、pH6.8に合せたのち、沃化カ
リウムを適量添加した。(工程−6)60℃でチオ尿素ジ
オキサイド0.5mg/モルAgX、チオ硫酸ナトリウム2.1mg/
モルAgX及び塩化金酸2.7mg/モルAgXを添加し、適正カブ
リが得られるまで熟成した。(工程−7) 熟成終了した乳剤に本発明に係る例示の電子受容性有
機化合物及び一般式〔I〕,〔II〕で示される化合物を
表−1に示す通り添加し、更に下記に示す添加剤を加え
乳剤塗布液を作成し、温度40℃に保温しながら、停滞時
間0分、3時間、8時間ごとに、それぞれサンプリング
を行い、乳剤塗布液は、銀量として支持体の片面当り2.
8g/m2となる様に塗布し、その上層に下記保護層液−I
をゼラチン量として1.20g/m2となる様に同時塗布し、乾
燥し試料を得た。
(乳剤液塗布液の組成) 塗布液1当り 石灰処理オセインゼラチン 51g ハロゲン化銀粒子 0.6モル 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.015g ニトロン 0.05g スチレンとマレイン酸のコポリマー 1.5g 2,2−ジヒドロキシメチル−1−ブタノール 8g p−ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロ
ライド 2g 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 30mg (保護層液−I) 塗布液1当り 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ルドックスAM(コロイドシリカ、デュポン社製 30g ポリメチルメタクリレート粒子(投影面積平均粒径3.
5μm) 1.2g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン
ナトリウム塩水溶液(2%) 5ml グリオキサール(40%) 1ml 更に、例示の含フッ素界面活性剤及び比較活性剤を表
−1のごとく加えた。
このようにして得られた試料については、それぞれセ
ンシトメトリー用ウェッジをかけて露光し、自動現像機
SRX−501(コニカ(株)製)で、現像液、定着液(組成
は、以下に示す)で全処理時間が、45秒になるように処
理した。
又、処理ムラについては、同一光量で六ツ切り試料を
全面露光して、同様の処理を行った。
現像後の各試料について、感度、最高濃度、カブリ
(反転時の最低濃度を表す)及び下記の5段階による処
理ムラを評価した。なお、感度については、カブリ+1.
0の濃度を与えるに要する露光量の逆数を試料−1を、1
00とした相対値で示した。
処理ムラの評価 5:ムラがなく非常に良好。
4: 良好。
3: 普通。
2: 劣る。
1: 非常に劣る。
得られた結果を表−1に示す。
現像液及び定着液の組成。
現像液−1 亜硫酸カリウム 55.0g ハイドロキノン 25.0g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g ホウ酸 10.0g 水酸化ナトリウム 21.0g トリエチレングリコール 17.5g 5−ニトロベンツイミダゾール 0.10g グルタルアルデヒド重悪硫酸塩 15.0g 氷酢酸 16.0g 臭化カリウム 4.0g トリエチレンテトラミン六酢酸 2.5g 水を加えて1に仕上げる。
定着液−1 チオ硫酸アンモニウム 130.9g 無水亜硫酸ナトリウム 7.3g ホウ酸 7.0g 酢酸(90wt%) 5.5g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 3.0g 酢酸ナトリウム3水塩 25.8g 硫酸アルミ18水塩 14.6g 硫酸(50wt%) 6.77g 水を加えて1に仕上げる。
実施例−2 実施例1で作製した停滞時間2時間の試料を、実施例
1と同様に露光し、自動現像機SRX−501で全処理時間が
45秒になるように処理した。
<現像液組成> 水酸化カリウム 24g 亜硫酸ナトリウム 40g 亜硫酸カリウム 50g ジエチレントリアミン五酢酸 2.4g ホウ酸 10g ヒドロキノン 35g ジエチレングリコール 11.2g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−
3−ピラゾリドン 1.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g KBr 2g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g 水で1とする(pH10.5に調整する)。
<定着液組成> チオ硫酸アンモニウム 140g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.025g 水酸化ナトリウム 6g 水で1とする(酢酸でpH5.10に調整する) 現像後の各試料について実施例1と同様に感度、最高
濃度、カブリ及び処理ムラを評価した。
結果を表−2に示す。
表−1から明らかなように、本発明に係る化合物及び
電子受容有機化合物を含有した試料については、高感度
で、反転カブリが少なく、又塗布停滞時間が長くても、
感度、反転カブリに変化が見られないことがわかる。
更に、含フッ素界面活性剤を用いることによって、迅
速処理しても処理ムラがなく、処理性が優れていること
がわかる。
表−2より明らかなように、本発明の試料は前記組成
の現像液、定着液で処理することによって実施例1と同
様の効果を示し、特に感度に対して、優れた効果を示す
ことがわかる。
〔発明の効果〕 本発明により、乳剤の保温停滞時に生ずる感度の変動
及び最低濃度(反転カブリ)の増加がない安定した写真
性能を有する直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料が得
られた。
また、このような本発明の効果と併せて、迅速処理時
の現像処理ムラの発生を抑え優れた写真特性をもつ画像
を得られる直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の処理
法を得ることができた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の少なくとも一方の側に、少なくと
    も一層の直接ポジ型ハロゲン化銀写真乳剤層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料に於いて、該ハロゲン化銀乳剤
    層が480μm〜800μmに分光増感性を有する電子受容性
    有機化合物を含み、かつ該ハロゲン化銀乳剤層の有る側
    の少なくとも一層中に、下記一般式〔I〕および/又は
    〔II〕で表される化合物から選ばれる少なくとも一つを
    含有することを特徴とする予めかぶらせた直接ポジ型ハ
    ロゲン化銀写真感光材料」。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する
    場合の全処理時間が、20秒以上60秒未満で処理されるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の予めか
    ぶらせた直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素原子、低級ア
    ルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカ
    ルボニル基、スルホ基、ハロゲン原子、またはニトロ基
    を表す。 但しR1、R2のうちの少なくとも一つは、カルボキシ基、
    アルコキシカルボニル基又はスルホ基である。)
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