JPH07280167A - 配管カバーの継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈曲した配管に配管カバーを取り付ける際
に、配管の屈曲角度に応じて調整が可能で取り付けも簡
単かつ確実な配管カバーの継手を提供する。 【構成】 中央基板部１３と三方の端部付近に移動用基
板部１４とを備えて、前記対応する中央基板部の端部と
移動用基板部とが、中間で交差する二つのバー部材より
なるリンク部材２０により各々連結されて前記移動用基
板部が水平面上を可動にされてなる基板と、上面形状が
ほぼＴ字形からなるとともに、少なくとも各端部付近に
屈曲自在の蛇腹部が形成されて、前記基板内面との間で
配管収容空間を形成するように基板上に被せられた蛇腹
状カバー体３０とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は配管カバーの継手に関
する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、家屋などの建造物の外壁に配
設されるエアーコンディショナーの冷媒用配管類は、建
物の外観を美麗に保ちかつ前記配管を衝撃や風雨などか
ら保護するために、配管カバーで外側が覆われることが
ある。かかる配管カバーは、建物外壁や床面などの側に
配される底板部と当該底板部に被せて配管などの収容空
間を形成するカバー体とから構成されている。

【０００３】ところで、建物の外形状などによっては、
前記配管を部分的に分岐させたり屈曲させたりして取り
付けることがあり、そのような場合には、図５に示され
るように、配管の直線部分を覆う直管状配管カバー９
０，９０を、チーズと称される継手９５および所定角度
に屈曲形成された継手９６によって連結している。符号
９１は底板部、９２はカバー体、９３は脚体である。

【０００４】しかしながら、この継手９５，９６を直管
状配管カバー９０と接続する場合には、ジョイント９４
を介して行なわなければならず、部品の数も増え施工に
時間と手間を要している。また、建物の形状や配管の設
置場所によっては、かかる配管の屈曲角度が継手の屈曲
角度と一致しないことがある。ところが、前記継手は４
５度または９０度などの所定の屈曲角度で形成されてい
てその角度が固定されているため、配管の屈曲角度が継
手の屈曲角度と異なる場合には、その調整が困難であっ
た。

【０００５】なお、前記継手９５，９６と直管状配管カ
バー９０端部との間に多少のずれが存在しても接続可能
なフリージョイントを、前記ジョイント９４として用い
ることがある。しかし、この場合には、フリージョイン
ト部分、継手９５，９６端部および直管状配管カバー９
０の端部に無理な変形力が加わるため、組み付け後の接
続部分にはひずみなどが残り外観美麗に仕上げることが
困難であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な問題を解決するために提案されたものであって、屈曲
した配管に配管カバーを取り付ける際に、配管の屈曲角
度に応じて調整が可能で取り付けも簡単かつ確実な配管
カバーの継手を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
三つの直管状配管カバーを所望の屈曲角度で水平方向に
接続するための接続口を三方の端部に有する継手であっ
て、中央基板部と該中央基板部の三方の端部付近に移動
用基板部とを備えて、前記対応する中央基板部の端部と
移動用基板部とが、中間で交差する二つのバー部材より
なるリンク部材により各々連結されて前記移動用基板部
が水平面上を可動にされてなる基板と、上面形状がほぼ
Ｔ字形からなるとともに、少なくとも各端部付近に屈曲
自在の蛇腹部が形成されて、前記基板内面との間で配管
収容空間を形成するように基板上に被せられた蛇腹状カ
バー体とよりなることを特徴とする配管カバーの継手に
係る。

【０００８】さらにこの発明は、二つの直管状配管カバ
ーを所望の屈曲角度で垂直方向に接続するための接続口
を両端に有する継手であって、底面の両側部から上方へ
側壁面の立設された凹形状からなる少なくとも三つの枠
部材が、前記側壁面を配管カバーの長手方向に沿わせて
かつ隣合うように配置されるとともに、前記隣合う側壁
面が中間で交差する二つのバー部材よりなるリンク部材
により連結されて前記枠部材が可動にされた基体と、前
記基体との間で配管収容空間を形成するように基体上に
被せられた蛇腹状カバー体とよりなることを特徴とする
配管カバーの継手に係る。

【０００９】

【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図１は第一の発明の発明の配管カバーの継手の
一例を分解して示す斜視図、図２はリンク部材の作動を
示す概略正面図、図３は第二の発明の一例を示す分解斜
視図、図４はその基体の作動を示す概略側面図である。

【００１０】図１に示されるように、この発明の継手１
０は、平面視略Ｔ字形に形成され、その三方の端部に三
つの直管状配管カバー４０，４０，４０を接続するため
の接続口１８，１８，１８を有している。この継手１０
は、前記直管状配管カバー４０を、適宜の屈曲角度で水
平方向に接続する。符号４１は直管状配管カバーの側壁
部、４２はカバー体である。

【００１１】この継手１０は、基板１１と蛇腹状のカバ
ー体３０とからなり、前記基板１１にカバー体３０を被
せることによってその内面に配管収容空間１２を形成し
ている。

【００１２】基板１１は、中央基板部１３と三つの移動
用基板部１４とを備えている。中央基板部１３は正方形
または長方形など略方形の板状体よりなり、一辺の端部
が後で述べる蛇腹状のカバー体３０側へ屈曲されて、カ
バー体取り付け部１５を形成している。また、前記中央
基板部１３の直交する残りの三辺の端部近辺には、移動
用基板部１４が設けられている。

【００１３】移動用基板部１４は前記中央基板部１３と
同様に略方形（この例では長方形）の板状体よりなり、
それぞれ底面の一辺がリンク部材２０を介して、前記中
央基板部１３と連結されている。この移動用基板部１４
は、配管の屈曲角度に応じて向きを変え、直管状配管カ
バー４０を適宜の角度で連結するためのものである。移
動用基板部１４の両端部、すなわち前記中央基板部１３
と連結している辺と直交する両端部は前記蛇腹状カバー
体３０側へ屈曲して、直管状配管カバー４０との接続片
１６，１６を構成している。

【００１４】リンク部材２０は、中央で交差する二つの
バー部材よりなり、その各両端が前記中央基板部１３お
よび移動用基板部１４にそれぞれ回動可能に軸着されて
いる。それによって、中央基板部１３に対して前記移動
用基板部１４をほぼ同一平面上で水平に動くようにさせ
て、配管の屈曲方向および角度に合わせて、前記移動用
基板部１４の向きを適宜に調節する。

【００１５】図２にこのリンク部材２０の作動を示す。
なお、図中の符号において、図１と同一の符号は同一の
部材であり、鎖線は配管を示す。図の（Ａ）は、中央基
板部１３の三方に設けられたリンク部材２０をそれぞれ
回動させない状態を示したもので、図のように、略直角
に屈曲した配管を覆う継手の基板形状が示される。ま
た、図の（Ｂ）は左側のリンク部材２０Ａを図面の上方
に、右側のリンク部材２０Ｂを図面の下方に、また中央
のリンク部材２０Ｃを図面の右方向にそれぞれ回動させ
たものである。それによって、左側移動用基板部１４Ａ
は図面の上方に、右側移動用基板部１４Ｂは下方に、中
央移動用基板部１４Ｃは図面の右側に向きを変えるの
で、図のような屈曲形状の配管であっても、直管状配管
カバーを確実に接続することができる。図の（Ｃ）は、
各リンク部材を図の（Ｂ）と反対方向に回動させた例を
示している。

【００１６】蛇腹状カバー体３０は、プラスチック、ゴ
ムまたは金属などにより上面形状がほぼＴ字形に形成さ
れ、前記基板１１に上から被せて取り付けられる。前記
蛇腹状カバー体３０は、上面略Ｔ字形のカバー本体３１
と前記カバー本体３１の少なくとも三つの端部付近にそ
れぞれ形成された蛇腹部３２，３２，３２からなる。前
記カバー本体３１は前記中央基板部１３のほぼ上面を覆
う。

【００１７】蛇腹部３２は、シート状物が山と谷に交互
に折り畳まれて蛇腹が形成されているとともに先端に取
り付け部３３を備えている。この蛇腹部３２は前記リン
ク部材２０の上面を覆っており、前記蛇腹の一部を適宜
に伸縮させることによって自在に屈曲する。それによっ
て、前記リンク部材２０の回動による移動用基板部１４
の動きに合わせて屈曲し、前記取り付け部３３の向きが
調節される。なお、この蛇腹部３２は、カバー体のほぼ
全体に設けてもよい。

【００１８】取り付け部３３は前記移動用基板部１４の
上面を覆っており、該移動用基板部１４とともに前記直
管状配管カバー４０の端部に取り付けられる。

【００１９】このような構成よりなる継手１０は、取り
付けネジ（図示せず）によって、前記各移動用基板部１
４の接続片１６，１６が直管状配管カバー４０の底板部
などに固定される。そして、蛇腹状カバー体３０が前記
基板１１の上面に被せられ、中央基板部１３のカバー体
取り付け部１５をカバー本体３１の側面中央部分に、ま
た当該カバー本体３１の三方に設けられた取り付け部３
３を直管状配管カバー４０の端部にそれぞれネジなどで
固定して取り付けられる。

【００２０】前記した継手１０によれば、リンク部材２
０によって基板１１の移動用基板部１４を配管の屈曲角
度に合わせて動かし、かつ蛇腹状カバー体３０を前記基
板１１の位置に合わせて屈曲させて前記基板１１に被せ
て固定するものであるから、前記配管の屈曲角度に対し
て簡単かつ確実に対応することができる。

【００２１】図３および図４は第二の発明の一例を示し
たものである。この継手５０は両端に直管状配管カバー
４０，４０を接続するための接続口５２，５２を有し、
直管状配管カバー４０，４０を、垂直方向に所望の屈曲
角度をもって接続する。

【００２２】この継手５０は、基体５１と蛇腹状カバー
体７０とからなり、前記基体５１に蛇腹状カバー体７０
を被せることにより、その内面に配管収容空間５３を形
成する。

【００２３】基体５１は、少なくとも三つの枠部材５
４，５４，５４を有する。この枠部材５４は、略方形の
板状体の両端部を上方に屈曲させて側壁面５５，５５を
立設し凹形状に形成したもので、当該側壁面５５，５５
を配管カバーの長手方向の側壁面４１に沿わせてかつ隣
り合うように配置されている。なお、この基体５１は配
管の屈曲形状などによって四つ以上の枠部材５４によっ
て構成してもよい。各枠部材５４は、側壁面５５，５５
がリンク部材６０，６０を介して連結されている。

【００２４】一のリンク部材６０は、二つのバー部材を
中央で互いに交差させてなるもので、隣り合った枠部材
５４の側壁面５５どうしを連結する。前記リンク部材６
０は、前記隣り合う側壁面５５に回動可能に軸着されて
おり、各枠部材５４を上下動可能にして配管の屈曲方向
および角度に合わせて、接続口５２の向きを変えること
ができる。

【００２５】蛇腹状カバー体７０は、プラスチック、ゴ
ムまたは金属などよりなり、前記基体５１に上から被せ
て取り付けられる。前記蛇腹状カバー体７０は、蛇腹状
の屈曲部７１と前記屈曲部７１の両端に形成された取り
付け部７２，７２とから構成されている。屈曲部７１
は、蛇腹の一部を伸縮させることによって屈曲し、配管
の屈曲方向および角度に合わせて取り付け部５２の向き
を適宜に調節することができる。

【００２６】図４にこの発明の継手の作動を示す。な
お、説明をわかりやすくするため、蛇腹状カバー体の記
載は省略し、枠部材５４およびリンク部材６０の作動の
みを示す。なお、図中の符号において、図３と同一の符
号は同一の部材であり、鎖線は配管を示す。図の（Ａ）
は、各枠部材５４の側壁面５５を連結するリンク部材６
０をそれぞれ回動させない状態を示したもので、図のよ
うに、取り付け面に水平方向に設けられた直管状配管を
覆う継手の基体形状が示される。

【００２７】そして、図の（Ｂ）および（Ｃ）に示され
るように、リンク部材６０Ａ，６０Ｂを順に回動させる
ことによって、一の枠部材５４が上方に移動する。この
構造によれば、前記リンク部材の回動量を調節すること
によって、配管カバーの継手を垂直方向に所望の角度で
屈曲させることができる。

【００２８】この構造よりなる継手５０は、その両端の
枠部材５４の側壁面５５にネジなどで直管用配管カバー
４０の端部が固定される。そして、継手５０の基体５１
に蛇腹状カバー体７０が被せられ、前記蛇腹状カバー体
７０両端に設けられている取り付け部７２，７２を、直
管状配管カバー４０の端部にネジ止めすることにより固
定される。

【００２９】

【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
配管カバーの継手は、リンク部材によって、接続口を水
平面上または垂直面上に自由に動かせるので、配管の屈
曲角度に合わせて自由に屈曲させることができ、簡単か
つ確実に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一の発明の配管カバーの継手の一例を分解し
て示す斜視図である。

【図２】リンク部材の作動を示す概略正面図である。

【図３】第二の発明の一例を示す分解斜視図である。

【図４】その基体の作動を示す概略側面図である。

【図５】一般的な配管カバーの継手の一例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１０ 継手 １１ 基板 １２ 配管収容空間 １３ 中央基板部 １４ 移動用基板部 １６ 接続片 ２０ リンク部材 ３０ 蛇腹状カバー体 ３３ 取り付け部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三つの直管状配管カバーを所望の屈曲角
   度で水平方向に接続するための接続口を三方の端部に有
   する継手であって、 中央基板部と該中央基板部の三方の端部付近に移動用基
   板部とを備えて、前記対応する中央基板部の端部と移動
   用基板部とが、中間で交差する二つのバー部材よりなる
   リンク部材により各々連結されて前記移動用基板部が水
   平面上を可動にされてなる基板と、 上面形状がほぼＴ字形からなるとともに、少なくとも各
   端部付近に屈曲自在の蛇腹部が形成されて、前記基板内
   面との間で配管収容空間を形成するように基板上に被せ
   られた蛇腹状カバー体とよりなることを特徴とする配管
   カバーの継手。
2. 【請求項２】 請求項１において、中央基板部は、ほぼ
   正方形または長方形の板状体からなって、一端が蛇腹状
   カバー体側へ屈曲されて蛇腹状カバーに固定されるとと
   もに残りの端部がリンク部材に連結され、また移動用基
   板部は両側部が前記蛇腹状カバー体側へ屈曲されて直管
   状配管カバーとの接続片を形成している配管カバーの継
   手。
3. 【請求項３】 二つの直管状配管カバーを所望の屈曲角
   度で垂直方向に接続するための接続口を両端に有する継
   手であって、 底面の両側部から上方へ側壁面の立設された凹形状から
   なる少なくとも三つの枠部材が、前記側壁面を配管カバ
   ーの長手方向に沿わせてかつ隣合うように配置されると
   ともに、前記隣合う側壁面が中間で交差する二つのバー
   部材よりなるリンク部材により連結されて前記枠部材が
   可動にされた基体と、 前記基体との間で配管収容空間を形成するように基体上
   に被せられた蛇腹状カバー体とよりなることを特徴とす
   る配管カバーの継手。