JPH07277149A - ストリング式のワイパ装置 - Google Patents

ストリング式のワイパ装置

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JPH07277149A
JPH07277149A JP6073416A JP7341694A JPH07277149A JP H07277149 A JPH07277149 A JP H07277149A JP 6073416 A JP6073416 A JP 6073416A JP 7341694 A JP7341694 A JP 7341694A JP H07277149 A JPH07277149 A JP H07277149A
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JP
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string
belt
mirror
mirror body
foreign matter
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Application number
JP6073416A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Onuki
宏靖 大貫
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Ichikoh Industries Ltd
Original Assignee
Ichikoh Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先願の考案(実願平4−82047号)およ
び先願の発明(特願平5−335127号)に係る未公
知のストリング式ミラー用ワイパ装置を改良して、異物
が侵入しても周回ベルトとプーリとの間に噛み込む虞れ
の無いようにする。 【構成】 周回ベルト26に多数の突起(ベルト側突
起)43が設けられている。この突起43が周回ベルト
26と一緒に矢印f方向に周回したとき該突起43と干
渉するように位置せしめて、ミラーボデー3に突起41
が設けられている。上記ベルト側突起43がミラーボデ
ー側突起41に当接し、乗り上げ乗り越える時、周回ベ
ルト26が振動して、該周回ベルト上に乗っている異物
42が振り落とされる。振り落とされるからプーリ(特
に駆動プーリ22′)に噛み込まれない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリングを払拭用部
材として用いる構造の、車両用アウトサイドミラーのワ
イパ装置において、異物の噛み込みに因るトラブルを防
止し得るように改良したワイパ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は従来例に係るワイパ装置を備えた
車両用アウトサイドミラーの正面外観図である。ミラー
本体4はミラーボデー3に固着され、該ミラー本体4は
ミラーボデー3を介しミラーハウジング12によって支
承されている。23はミラーベースであって車体に固定
して用いられ、このミラーベース23は上記ミラーハウ
ジング12を支承している。前記ミラーハウジング12
を貫通してワイパアーム軸21が設けられており、この
ワイパアーム軸21にワイパアーム24が取り付けられ
ている。前記ワイパアーム軸21が往復回動すると、前
記ワイパーアーム24はワイパブレード29を支持して
往復傾動し、該ワイパブレード29はミラー本体4の表
面を滑動して払拭する。図5に示した従来例のミラー用
ワイパ装置は、ワイパ作動を休止している間もワイパア
ーム24やワイパブレード29が外観に現われるので見
栄えが悪く、商品価値を低下させている。いま仮に、ミ
ラーハウジング12の上部に庇状のワイパ収納部20
(仮想線で示す)を設けると、ワイパブレード29を収
納して隠すことは出来るが、ワイパアーム24は隠せな
い。さらに、ワイパアーム24やワイパブレード29
は、ワイパ装置の構成部材のうち慣性の大きい部材であ
る。このような慣性の大きい部材を往復駆動させること
は、ノイズの発生を招き易い(ガタが有ると作動音を生
じる)。上述の不具合を解消するため、ストリング状部
材をミラー本体表面に沿わしめて滑らせ、このストリン
グ状部材によって払拭作用を行なわせることが考えられ
る。ストリング状部材は慣性が小さいので所要駆動力が
少なくて済み、かつ、ワイパ作動休止中は該ストリング
状部材をミラー本体の片隅に寄せておけばほとんど外観
を損ねない。上記ストリング式のミラー用ワイパ装置は
本出願人によって別途出願中の、未公知の考案(実願平
4−82047号・ミラー用ワイパ装置)である。説明
の便宜上、以下、先願の考案と略称する。図6は未公知
の先願に係るミラー用ワイパ装置の1実施例を示し、一
部を破断して描いた正面図である。ミラーボデー3にミ
ラー本体4が固着されている。光学的な構成要素である
反射鏡がミラーと呼ばれることもあり、上記反射鏡を用
いた組立品全体をミラーと呼ばれることも有るので、本
発明においては構成要素である反射鏡の単体をミラー本
体と呼び、組立品をミラー装置と呼んで区別する。前記
ミラーボデー3の背面側に、その周囲に位置せしめて1
個の駆動用プーリ22と3個のアイドラプーリ25が配
置されるとともに、これら計4個のプーリに、無端環状
の周回ベルト26が巻き掛けられている。前記ミラー本
体4の表面に密着せしめてストリング27が張り渡さ
れ、その一端27aはミラー本体4の縁(隠れ線で描か
れている)に接してミラー本体の裏側に回り込み、前記
周回ベルト26に取り付けられている。図7は上記実施
例におけるストリングの両端部を示す模式的な断面図で
あって、(A)は該ストリングの一端が周回ベルトに取
り付けられている状態を描き、(B)は上記ストリング
の他端がテンショナに取り付けられて張力を与えられて
いる状態を描いてある。図7(A)に示したプーリ22
は、図6について先に説明した駆動用のプーリであっ
て、伝動ベルト17を介して図外のモータによって回転
せしめられるとともに、巻き掛けられている周回ベルト
26を回転させる。該周回ベルト26に対してストリン
グ27の一端27aが固着されている。図6においてプ
ーリ22は円弧矢印a方向に回転せしめられ、これに伴
って周回ベルト26は矢印b,cのように周回せしめら
れる。該周回ベルト26に取り付けられたストリング2
7の一端27aは矢印b方向に移動せしめられて27
a′位置となる。これに伴って、実線で描いた位置のス
トリング27は鎖線で示す27′位置まで、円弧矢印d
のごとく引き回されて傾動する。図6から容易に理解さ
れるように、ストリング27(実線)の直線状部分より
も、ストリング27′(鎖線)の直線状部分の方が長
い。従って、このストリングが弛んだり引き千切られた
りしないように一定のテンションを与えるテンショナ2
8が設けられている。(このテンショナ28は、図6に
も図7(B)にも現われているが、図7(B)では中央
部を破断して切り縮めて描いてある)。上記のテンショ
ナ28は細長い空洞(管路)28aの中にストリング2
7の他端27bを引き込むように構成されている。28
bは、上記ストリング27を管路28a内に引き込む方
向の力を与えるテンショナコイルスプリングである。ス
トリング27は、上記テンショナの入口28cから引き
出されたり、該入口28cから引き込まれたりしなが
ら、ほぼ一定のテンションに保たれつつ、前記ミラー本
体4の表面に沿って滑動しつつ、これを払拭する。
【0003】前記ストリング27の一端が周回ベルト2
6に取り付けられている点(例えば図6に示した点27
a,27a′)は、周回ベルト26と共に周回する。そ
して、この点がテンショナ28cの近傍(例えば点e)
に来た時に周回ベルト26を停止させると、ストリング
27も停止し、外観に現われなくなる。その理由は、図
7(B)に示した庇状部3aに隠れるからである。ま
た、この状態でストリング27の大半の部分がテンショ
ナ28内に引き込まれ、その先端はストロークエンド2
7cに達する。点eに在ったストリングの一端27aが
周回ベルト26の回動に伴って矢印b,c方向に移動し
て点fに達するまでの間に、ミラー本体4の表面のほと
んど全部(外観に現われる区域の全部)がストリング2
7によって払拭され、拭き残し部分を生じない。
【0004】図6に示した先願の考案に係るワイパ装置
において、ストリング27にほぼ一定の張力を与えるた
めのテンショナ28は、コイルスプリング28bの圧縮
・伸長を利用している。この構成によれば、ストリング
27に与えられる張力は、コイルスプリング28bの歪
み量にほぼ比例し、該テンショナ28からストリング2
7が引き出されるに伴って張力が増加し、該テンショナ
28内へストリング27が引き込まれるに従って張力が
減少し、ストリングに与えられる張力の変動が比較的激
しい。ストリングの張力が変動すると、周回ベルト26
を回転駆動しているモータ(図外)の負荷変動を生じ、
該モータを大容量のものにしないと作動が円滑に行なわ
れない等の不具合を招く。上記の不具合(ストリングの
張力の変動)を防止するには、コイルスプリング28b
に変えてゼンマイ式のスプリングを用いると有効であ
る。すなわち、ストリング用テンショナの構成を(a)
ドラム軸によって回転自在に支承されるとともに、前記
ストリングの一端を取り付けられて該ストリングを巻き
込み,巻き出すストリング巻き取りドラムと、(b)外
周端を前記ストリング巻き取りドラムに取り付けられる
とともに、内周端を前記ドラム軸に取り付けられたゼン
マイスプリングと、より成るものとすればストリングの
張力変動が著しく軽減される。上記の構成によると、ゼ
ンマイスプリングの内周端がドラム軸に取り付けられる
とともに、該ゼンマイスプリングの外周端が巻き取りド
ラムに取り付けられているので、上記巻き取りドラムに
巻き付けられているストリングを引き出すと、ゼンマイ
スプリングが密巻きとなるように変形せしめられ、その
弾性復元力によって前記のストリングに張力を与える。
而して、コイルスプリングの長さ変化に対するスプリン
グ荷重の変化割合に比して、ゼンマイスプリングの回転
角位置変化に対するスプリング荷重の変化割合は著しく
小さいので、ストリングの巻き込み,巻き出しに伴うス
トリングに張力の変化がきわめて少なく、ほぼ一定の張
力が与えられる。従って、駆動用モータの負荷変動が少
なく、小容量の駆動モータを用いても円滑な運転を行な
うことができる。なお、上記の構成を簡略化して巻き取
りドラムを省略し、ゼンマイスプリングの外周端にスト
リングの端部を取り付けても同様の効果(張力変動の軽
減)が得られる。上記の構成(ゼンマイバネを用いたテ
ンショナ)は、本出願人によって別途出願中の未公知の
発明(特願平5−335127号・ストリング式のワイ
パ装置)である。説明の便宜上、以下、先願の発明と略
称する。
【0005】次に、図8〜図11を参照しつつ、先願の
発明の実施例について説明する。図8は先願の発明に係
るストリング式ワイパ装置の1実施例を示し、部分的に
破断して描いた正面図である。前掲の図6に示した先願
考案に係るミラー用ワイパ装置においては、周回ベルト
26を4個のプーリに巻き掛けていたが、本実施例にお
いては7個のアイドラプーリ25と1個の駆動プーリ2
2′を設けて周回ベルト26を巻き掛けてある。上記駆
動プーリ22′は、図外のモータによって回転せしめら
れる駆動歯車33aにより、中間歯車33b,33cを
経て被動歯車33dを介して回転せしめられる。上記被
動歯車33dと前記の駆動プーリ22′とは相互に同心
に固着されている。ストリング27の一端27aは周回
ベルト26に取り付けられている。そして、該ストリン
グ27の他端は、ストリング巻き取りドラム35aを備
えたストリングテンショナ35に巻き込まれて、ほぼ一
定の張力を与えられている。図9は上掲の図8に示した
実施例に設けられているストリングテンショナのC−C
断面矢視図である。払拭部材であるストリング27の一
端に継手球32cが固着され、一方、周回ベルト26に
継手ブラケット32dが取り付けられていて、該継手ブ
ラケット32dに前記の継手球32cが係着されてい
る。該ストリング27の他端付近の部分27bはストリ
ング巻き取りドラム35aに取り付けられて巻き込まれ
ている。上記のストリング巻き取りドラム35aを回転
自在に支承しているドラム軸35bは、ドラムカバー3
5cに一体連設されて、ミラーボデー3′に対して固定
されている。35eは上記ドラム軸35bに設けられた
切割りである。35dはゼンマイスプリングである。ゼ
ンマイスプリングとは、往時の機械式手巻き時計や玩具
の動力として広く用いられていたスプリングであって、
辞書にも記載されている公知の部材である。上記ゼンマ
イスプリングの内周側の端は前記の切割りに係合され、
該ゼンマイスプリングの外周側の端は前記ストリング巻
き取りドラム35aに取り付けられている。前記ストリ
ング27の他端側をストリング巻き取りドラム35aに
取り付けるに先立って、予め該ストリング巻き取りドラ
ム35aを回して、前記のゼンマイスプリング35dの
螺旋状の巻き数を増加させる方向に撓ませて(いわゆる
ゼンマイが巻かれた状態にして)おくと、該ゼンマイス
プリング35dの弾性復元力によってストリング巻き取
りドラム35aが回転せしめられ、ストリング27の他
端側付近27bを巻き込んで、ほぼ一定の張力を与える
ように作用する。図10は前掲の図9に示されている構
成部材の中で、ストリングを巻き込んで張力を与える作
用に関与する主要部材を抽出して描いた分解斜視図であ
る。そして、図11は上記実施例の作用、効果を説明す
るために示したもので、(A)は先願考案に係るストリ
ング式ワイパに用いられているコイルスプリングにおけ
るストリング巻き込み長さとストリング張力(すなわち
バネ荷重)との関係を示す図表であり、(B)は先願の
発明に用いられるゼンマイスプリングにおけるストリン
グ巻き込み長さとストリング張力(バネ荷重)との関係
を示す図表である。図11(A)に示した先願考案のコ
イルスプリングにおいては、ストリングの巻き取り長さ
の変化寸法Lによってストリング張力は図示の力F1
け変化する。ここに、F1/L はバネ定数である。こ
れに比して図11(B)に示す先願発明のゼンマイスプ
リングは、バネ定数 F2/L が小さく、ストリング
の巻き取り寸法Lが変化してもストリング張力の変化量
2は格段に小さい。すなわち、ストリング27の張力
はほぼ一定に保たれる。
【0006】(図5参照)ワイパ装置を装着する対象機
器である車両用アウトサイドミラーのマクロ的な構造
は、ミラーベース23が車体に固定されるとともに、該
ミラーベース23によってミラーハウジング12が支持
される。そして一方ではミラー本体4がミラーボデー
(ミラーホルダとも呼ばれる)3に固着されている。而
して、上記ミラーボデー3がミラーハウジング12に対
して固定的に装着されている例も有り、また、ミラーボ
デー3がミラーハウジング12によって傾動可能に支持
されるとともに、運転席からのリモートコントロールに
よって傾動操作できる例も有る。そして、先願の考案や
先願の発明に係るワイパ装置は、上記二つの方式(ミラ
ーボデー固定,ミラーボデー傾動リモートコントロー
ル)の何れにも適用することができる。何れの場合もス
トリング式ワイパ装置としての長所が有る。図12はリ
モートコントロール式のアウトサイドミラーにストリン
グ式のワイパ装置を装着した場合の、該ワイパ装置駆動
系統を示し、ミラー本体に垂直な面による断面図であ
る。ミラー本体4を固着されたミラーボデー3は球継手
2を介してミラーハウジング12により傾動可能に支承
されている。上記ミラーハウジング12内に、リモート
コントロール用の駆動部が設置される。1は該駆動部の
ハウジングである。本図12に示した22は、先に図6
について説明した駆動用のプーリであり、26は同じく
周回ベルトである。19は上記プーリ22のプーリ軸で
ある。前記駆動部ハウジング1の中には駆動モータ(図
示せず)が設置されていて、ウォーム13aを介してウ
ォームホイール13bを回転駆動する。上記のウォーム
ホイール13bは駆動軸14と一体的に連設されてい
て、この駆動軸14に対して伝動軸15が相対的に軸心
方向の摺動可能かつ軸心まわりの回転不能に連結されて
いる。上記伝動軸15は前記の駆動モータ(図示せず)
によって回転せしめられ、ユニバーサルジョイント付プ
ーリ16および伝動ベルト17を介して駆動プーリ22
を回転させる。該駆動プーリは周回ベルト26を回転さ
せる。図13は上掲の図12に鎖線円で囲んで示したB
部の詳細を示し、部分的には切断して描いた拡大図であ
る。前記のユニバーサルジョイント付プーリ16は、ミ
ラーボデー3に対して回転可能に取り付けられた回転軸
16aと、該回転軸に固着されたプーリ16bと、上記
プーリ16bに取り付けられたユニバーサルジョイント
16cとなら成り、該ユニバーサルジョイント16cは
先に図12について述べた伝動軸15に連結されてい
る。上記のプーリ16bは前掲の図12に示した伝動ベ
ルト17を巻回されて、これを駆動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(図12参照)ミラーボデー3が球継手2を中心として
傾動する構造である場合は、該ミラーボデー3とミラー
ハウジング12との間に間隙Gを設けておかねばならな
いので、該ミラーハウジング12内へ異物が侵入する虞
れが有る。また、ミラーボデー3が傾動しない構造であ
ってもミラーハウジング内に異物が侵入する虞れが無い
とは言い切れない。ミラーハウジングの中へ、例えば比
較的大きい砂粒のような異物が侵入して周回ベルト26
とプーリとの間に噛み込むとトラブルを生じる。例えば
図6において周回ベルト26がコグベルトないしタイミ
ングベルト(歯付ベルト)である場合、侵入した異物が
周回ベルト26の歯の間に挟み込まれる虞れも有る。例
えば図8において、アイドラプーリ25が溝形のプーリ
であり、駆動プーリ22が歯車形のプーリである場合に
ついて考えると、周回ベルト26とアイドラプーリ25
との間に噛み込んだ異物は通過し得ても、周回ベルト2
6と駆動プーリ22との間に異物が噛み込むとロックさ
れ、駆動モータ(図外)が焼損する危険性が大きい。本
発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、周回
ベルトとプーリとの間に異物が噛み込まれることを防止
したストリング式のワイパ装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的(異物の噛み
込み防止)を達成するために創作した本発明の基本的な
原理を、その実施例に対応する図1を参照して略述する
と次のごとくである。
【0009】周回ベルト26の上に異物42(例えば砂
粒よりも大きい目の微細な小石)が乗ると、該周回ベル
トと共に矢印f方向に移動するので、プーリとの間に噛
み込まれる。そこで、矢印f方向に移動する異物がプー
リに噛み込む以前に該異物を排除しなければならない。
本発明は異物排除のために周回ベルトに振動を与える。
振動を与えるためには、該周回ベルトをハンマで叩くこ
とも考えられるが、ハンマを駆動しなければならないの
で構造が複雑で、大形,大量化するという弊害を伴う。
こうした事情を勘案して本発明は、周回ベルト26が周
回動していることを利用して振動を発生させる。すなわ
ち、周回ベルト26に突起43を設けておくとともに、
静止部材である突起41を設けておく。これにより、周
回ベルト26が矢印f方向に周回動するとベルト側突起
43が静止部材である突起41に衝突して振動する。詳
しくは、ベルト側突起43が静止突起41に乗り上げて
乗り越す瞬間に、静止突起から外れて振動を生じる。上
記ベルト側突起は、駆動プーリ22′およびアイドラプ
ーリ25と干渉しない位置に設ける。図1について言え
ば周回ベルト26の外周側に、複数個の突起43を配列
してある。ベルト側突起43の個数は任意に設定するこ
とができ、また、静止部材である突起41の設置個数も
任意に設定することができる。以上に延べた原理に基づ
いて本発明に係るワイパの構成は、ミラー本体に固着さ
れたミラーボデーに複数個のプーリが配設されており、
上記複数個のプーリに無端環状の周回ベルトが巻き掛け
られており、上記ミラー本体の表面付近に移動可能に配
置されたストリングの一端が前記周回ベルトに取り付け
られるとともに該ストリングの他端がテンショナに取り
付けられて、繰り出し・引き込み自在に張力を与えられ
ているワイパ装置であって、前記の周回ベルトに突起が
設けられており、かつ、上記の周回ベルトが周回動する
際の突起の軌跡を干渉するように位置せしめて前記ミラ
ーボデーに突起が設けられていて、前記周回ベルトが周
回動したとき、該周回ベルトの突起が前記ミラーボデー
の突起に衝突・離間して、該周回ベルトに振動を生じる
ようになっていることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記の構成によると、ミラー本体面を払拭する
ための部材としてストリングを用いているので、(a)
払拭部材であるストリングとミラー本体の面との接触面
積が小さい上に、従来例におけるワイパアームのように
往復動をする大形大重量部材を有しないのでワイパ装置
駆動部の駆動力が小さくて済み、(b)ワイパアームの
ように往復動する重量部材が無いので、駆動系にガタも
しくはバックラッシが有っても異音が発生する虞れが無
く、(c)払拭部材であるストリングがミラー本体の面
に対して均等に押しつけられるのでジャダーが発生し難
く、(d)ミラー本体の面が複雑な凸曲面であっても、
払拭部材であるストリングは該ミラー本体の面に順応し
て密着し、確実な払拭作用を果たし、(e)払拭部材で
あるストリングは細い部材である上に、その色調を選択
し得るので外観に目立たなくすることができる。その
上、周回ベルトに突起が設けられるとともに、該突起が
周回ベルトと一緒に周回動する際の軌跡と干渉する位置
にミラーボデー側突起が設けられているので、上記周回
ベルト側の突起が周回ベルトと共に移動しながらミラー
ボデー側突起(静止部材)に乗り上げ,乗り越す際に、
該ベルト側突起がミラーボデー側突起から外れた瞬間
に、周回ベルトが振動する。上記の振動によって、周回
ベルトの上に乗っていた異物が振り落されるので、該異
物がプーリに噛み込まれる虞れが無い。従って、異物噛
み込みに因る作動不良や、異物噛み込みによるプーリ駆
動系統の破損や、異物を噛み込んだための駆動モータ過
負荷・焼損などのトラブルが未然に防止され、ワイパ装
置の作動信頼性や耐久性が格段に向上する。また、上記
のように周回ベルトが振動することは、厳寒時における
凍結防止にも有効である。上記のようにして振動を発生
するためのエネルギ源を、周回ベルトの周回動から得て
いるので、本発明を適用するために新たな駆動源(例え
ば駆動モータ)を設ける必要が無く、装置全体の形状,
寸法,重量の増加は僅少であり、製造コストの増加も僅
少であり、構成部品点数の増加を伴わない。
【0011】
【実施例】次に、図1ないし図4を順次に参照しつつ、
本発明の実施例を説明する。図1は本発明に係るストリ
ング式ワイパ装置の1実施例を備えたアウトサイドミラ
ーのミラーボデーを背面側から見たところを描いた外観
図であって、駆動系統を省略して描いてある。本実施例
は図6に示した先願の発明に係るワイパ装置に本発明を
適用して改良した1例であって、図6と同一の符号を付
した部材は前述した先願の発明におけると同様ないし類
似の構成部材である。図8(先願の発明)はミラー本体
4の一部を破断して、その表面(反射面)側から描いて
あるので、駆動プーリ22′およびその駆動用伝動系、
アイドラプーリ25、並びに周回ベルト26はミラーボ
デー3の向う側に位置していて隠れ線で描かれている。
これに比して図1(本発明の実施例)はミラーボデーの
背面側から見ているので、駆動プーリ22′,アイドラ
プーリ25,および周回ベルト26が外観に現われてい
る。なお、本図1においては図示を省略したが、図8
(先願の発明)におけると同様ないし類似のストリング
27およびストリングテンショナ35を備えている。該
ストリングテンショナ35の構造の詳細は図9および図
10について説明したごとくである。本図1において周
回ベルト26は矢印f方向に周回動する。この周回動の
方向は任意に設定することができる。なお、図8(先願
の発明)と比較して反対方向に周回動しているように見
えるが、該図8はミラー本体の表側から見て描いてあ
り、本図1は裏側から見て描いてあることを勘案すれ
ば、両者の周回動方向が実質的に同じであることが理解
される。
【0012】(図1参照)アウトサイドミラーの使用状
態においてミラーボデー3はほぼ垂直な姿勢をしてい
る。運転者の眼高位置との関係などによって多少は傾け
て調整されるが、垂直姿勢に比して大きくは傾かない。
このため、例えば大き目の砂粒のような異物が侵入する
と比較的大きい確率で図示の位置42のように周回ベル
ト26上に乗り、該周回ベルトと共に矢印f方向に移動
する。上記周回ベルト26の外周に、多数のベルト側突
起43が配列されて一体に成形されている。従って、こ
れらのベルト側突起43は周回ベルト26の周回動(矢
印f)と一緒に周回する。周回するベルト側突起43の
頂部(本図では下向きになっている)と干渉する位置に
ミラーボデー側突起41が設けられている。本例では1
個のミラーボデー側突起41がミラーボデー3と一体に
成形されているが、本発明を実施する場合は必ずしも一
体であることを要せず、別体に構成した部材をミラーボ
デーの背面に固着しても良く、この設置個数も任意であ
る。図2は上掲の図1に円形鎖線で囲んで示したA部の
詳細を示し、(A)は上記と同じ実施例における拡大図
であり、(B)は上記と異なる実施例を対比して示した
ものである。(A)図に示されているように、ベルト側
突起43が矢印f方向に移動してミラーボデー側突起4
1と当接する部分は、ベルト側突起43(移動部材)が
ミラーボデー側突起41(静止部材)に斜めに乗り上げ
るように、双方の部材に傾斜面43a,41aを形成し
てある。この傾斜面の作用については図3を参照して後
に延べる。本図2(B)に示したように、上記の斜面を
左右対称に形成しておくと、周回ベルトを矢印f方向に
駆動する場合も矢印f′方向に駆動する場合にも適用す
ることができるので便利である。図に示した44はベル
ト側の突起であり、設置個数は任意である。45はボデ
ー側突起であってその設置個数は任意である。図3は図
1に示した実施例の作用,効果説明図であって、(A)
はベルト側突起(移動部材)がミラーボデー側突起(静
止部材)に接触する直前の状態を描いてあり、(B)は
ベルト側突起がミラーボデー側突起に乗り上げた状態を
描いてあり、(C)はベルト側突起がミラーボデー側突
起を乗り越えた直後に異物が転落した状態を描いてあ
る。本例の周回ベルト26は歯付ベルトであって、異物
42が歯と歯との間に挟まれる形になっているが、本図
(C)のようにベルト側突起43がミラーボデー側突起
41を乗り越えて外れた瞬間、周回ベルト26は往復矢
印v−v′のように振動するので、異物42は矢印gの
ように振り落とされる。図4は本実施例におけるストリ
ングを周回ベルトに係着するための継手ブラケットを示
し、(A)は分解斜視図、(B)は組立途中の状態の斜
視図、(C)は組立完了状態の斜視図である。この図4
に示した継手ブラケットは、図9に示した先願の発明に
おける継手ブラケット32dに対応する構成部分であ
る。 (図4(A)参照)本例の周回ベルト26には、周方向
と直交する透孔26aが設けられており、一方、針金状
の材料を曲げ成形した継手環43が構成される。上記継
手環の脚状部を矢印hのごとく前記の透孔26aに挿入
して同図(B)の状態とし、上記脚状部の先端を透孔か
ら突出させて矢印iのごとく折り曲げると同図(C)の
ようになる。この状態で継手環43は往復円弧矢印j−
j′のように首振り状の回動が自在であるから、これに
ストリングの一端を取り付けるに好適である。図4
(C)に示した32cは、図9(先願の発明)について
説明した球継手の球である。
【0013】
【発明の効果】本発明を適用すると、ミラー本体面を払
拭するための部材としてストリングを用いているので、
(a)払拭部材であるストリングとミラー本体の面との
接触面積が小さい上に、従来例におけるワイパアームの
ように往復動をする大形大重量部材を有しないのでワイ
パ装置駆動部の駆動力が小さくて済み、(b)ワイパア
ームのように往復動する重量部材が無いので、駆動系に
ガタもしくはバックラッシが有っても異音が発生する虞
れが無く、(c)払拭部材であるストリングがミラー本
体の面に対して均等に押しつけられるのでジャダーが発
生し難く、(d)ミラー本体の面が複雑な凸曲面であっ
ても、払拭部材であるストリングは該ミラー本体の面に
順応して密着し、確実な払拭作用を果たし、(e)払拭
部材であるストリングに細い部材である上に、その色調
を選択し得るので外観に目立たなくすることができる。
その上、周回ベルトに突起が設けられるとともに、該突
起が周回ベルトと一緒に周回動する際の軌跡と干渉する
位置にミラーボデー側突起が設けられているので、上記
周回ベルト側の突起が周回ベルトと共に移動しながらミ
ラーボデー側突起(静止部材)に乗り上げ,乗り越す際
に、該ベルト側突起がミラーボデー側突起から外れた瞬
間に、周回ベルトが振動する。上記の振動によって、周
回ベルトの上に乗っていた異物が振り落されるので、該
異物がプーリに噛み込まれる虞れが無い。従って、異物
噛み込みに因る作動不良や、異物噛み込みによるプーリ
駆動系統の破損や、異物を噛み込んだための駆動モータ
過負荷・焼損などのトラブルが未然に防止され、ワイパ
装置の作動信頼性や耐久性が格段に向上する。また、上
記のように周回ベルトが振動することは、厳寒時におけ
る凍結防止にも有効である。上記のようにして振動を発
生するためのエネルギ源を、周回ベルトの周回動から得
ているので、本発明を適用するために新たな駆動源(例
えば駆動モータ)を設ける必要が無く、装置全体の形
状,寸法,重量の増加は僅少であり、製造コストの増加
も僅少であり、構成部品点数の増加を伴わない、という
優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るストリング式ワイパ装置の1実施
例を備えたアウトサイドミラーのミラーボデーを背面側
から見たところを描いた外観図であって、駆動系統を省
略して描いてある。
【図2】上掲の図1に円形鎖線で囲んで示したA部の詳
細を示し、(A)は上記と同じ実施例における拡大図で
あり、(B)は上記と異なる実施例を対比して示したも
のである。
【図3】上掲の図2(A)示した実施例の作用,効果の
説明図である。
【図4】本実施例におけるストリングを周回ベルトに係
着するための継手ブラケットを示し、(A)は分解斜視
図、(B)は組立途中の状態の斜視図、(C)は組立完
了状態の斜視図である。
【図5】従来例に係るワイパ装置を備えた車両用アウト
サイドミラーの正面外観図である。
【図6】未公知の先願に係るミラー用ワイパ装置の1実
施例を示し、一部を破断して描いた正面図である。
【図7】上記実施例におけるストリングの両端部を示す
模式的な断面図であって、(A)は該ストリングの一端
が周回ベルトに取り付けられている状態を描き、(B)
は上記ストリングの他端がテンショナに取り付けられて
張力を与えられている状態を描いてある。
【図8】先願の発明のストリング式ワイパ装置の1実施
例を示し、部分的に破断して描いた正面図である。
【図9】上掲の図8に示した実施例に設けられているス
トリングテンショナのC−C断面矢視図である。
【図10】前掲の図9に示されている構成部材の中で、
ストリングを巻き込んで張力を与える作用に関与する主
要部材を抽出して描いた分解斜視図である。
【図11】上記実施例の作用,効果を説明するために示
したもので、(A)は先願に係るストリング式ワイパに
用いられているコイルスプリングにおけるストリング巻
き込み長さとストリング張力(すなわちバネ荷重)との
関係を示す図表であり、(B)は本発明に用いられるゼ
ンマイスプリングにおけるストリング巻き込み長さとス
トリング張力(バネ荷重)との関係を示す図表である。
【図12】リモートコントロール式のアウトサイドミラ
ーにストリング式のワイパ装置を装着した場合の、該ワ
イパ装置駆動系統を示し、ミラー本体に垂直な面による
断面図である。
【図13】上掲の図12に鎖線円で囲んで示したB部の
詳細を示し、部分的に切断して描いた拡大図である。
【符号の説明】
3…ミラーボデー、4…ミラー本体、12…ミラーハウ
ジング、17…伝動ベルト、20…庇状部、22…駆動
用のプーリ、23…ミラーベース、24…ワイパアー
ム、25…アイドラプーリ、26…周回ベルト、27,
27′…ストリング、27a,27a′…ストリングの
一端、27b…ストリングの他端、27c…ストリング
のストロークエンド、28…テンショナ、28a…管
路、28b…テンショナコイルスプリング、28c…テ
ンショナ入口、29…ワイパブレード、33a…駆動歯
車、33b,33c…中間歯車、33d…被動歯車、3
5…ストリングテンショナ、35a…ストリング巻き取
りドラム、35b…ドラム軸、35c…ドラムカバー、
35d…ゼンマイスプリング、35e…切割り、41…
ミラーボデー側突起、42…異物、43…ベルト側突
起、44…ベルト側突起、45…ミラーボデー側突起。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラー本体に固着されたミラーボデーに
    複数個のプーリが配設されており、上記複数個のプーリ
    に無端環状の周回ベルトが巻き掛けられており、上記ミ
    ラー本体の表面付近に移動可能に配置されたストリング
    の一端が前記周回ベルトに取り付けられるとともに該ス
    トリングの他端がテンショナに取り付けられて、繰り出
    し・引き込み自在に張力を与えられているワイパ装置で
    あって、 前記の周回ベルトに突起が設けられており、
    かつ、上記の周回ベルトが周回動する際の突起の軌跡と
    干渉するように位置せしめて前記ミラーボデーに突起が
    設けられていて、 前記周回ベルトが周回動したとき、該周回ベルトの突起
    が前記ミラーボデーの突起に衝突・離間して、該周回ベ
    ルトに振動を生じるようになっていることを特徴とす
    る、ストリング式のワイパ装置。
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