JPH07304429A - 捩れを防止したストリング式のワイパ装置 - Google Patents

捩れを防止したストリング式のワイパ装置

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Publication number
JPH07304429A
JPH07304429A JP6100087A JP10008794A JPH07304429A JP H07304429 A JPH07304429 A JP H07304429A JP 6100087 A JP6100087 A JP 6100087A JP 10008794 A JP10008794 A JP 10008794A JP H07304429 A JPH07304429 A JP H07304429A
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JP
Japan
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string
pinion
rack
mirror
belt
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Application number
JP6100087A
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English (en)
Inventor
Junichi Shoji
順一 庄司
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Ichikoh Industries Ltd
Original Assignee
Ichikoh Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先願の考案(実願平4−82047号)およ
び先願の発明(特願平5−335127号)に係る未公
知のストリング式ミラー用ワイパ装置を改良して、作動
に伴ってストリングが捩れることを防止し、ストリング
の捩れに起因する各種のトラブルを未然に解消する。 【構成】 周回ベルト26にブラケット32d′を取り
付けて、ストリング27の一端を回転可能に支持すると
ともに、該ストリングの先端にピニオン41を固着す
る。一方、上記のピニオンに噛合するラック42を、ス
テー43を介してミラーボデー3に対して固定的に支持
する。ピニオン41は周回ベルト26と一緒に周回動
し、ラック42に噛合・離脱を繰り返し、間欠的に回さ
れて捩り戻しされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリングを払拭用部
材として用いる構造の、車両用アウトサイドミラーのワ
イパ装置において、払拭部材であるストリングが払拭作
動に伴って捩れることを防止したワイパ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来例に係るワイパ装置を備えた
車両用アウトサイドミラーの正面外観図である。ミラー
本体4はミラーボデー3に固着され、該ミラー本体4は
ミラーボデー3を介してミラーハウジング12によって
支承されている。23はミラーベースであって車体に固
定して用いられ、このミラーベース23は上記ミラーハ
ウジング12を支承している。前記ミラーハウジング1
2を貫通してワイパアーム軸21が設けられており、こ
のワイパアーム軸21にワイパアーム24が取り付けら
れている。前記ワイパアーム軸21が往復回動すると、
前記ワイパーアーム24はワイパブレード29を支持し
て往復傾動し、該ワイパブレード29はミラー本体4の
表面を滑動して払拭する。図5に示した従来例のミラー
用ワイパ装置は、ワイパ作動を休止している間もワイパ
アーム24やワイパブレード29が外観に現われるので
見栄えが悪く、商品価値を低下させている。いま仮に、
ミラーハウジング12の上部に庇状のワイパ収納部20
(仮想線で示す)を設けると、ワイパブレード29を収
納して隠すことは出来るが、ワイパアーム24は隠せな
い。さらに、ワイパアーム24やワイパブレード29
は、ワイパ装置の構成部材のうち慣性の大きい部材であ
る。このような慣性の大きい部材を往復駆動させること
は、ノイズの発生を招き易い(ガタが有ると作動音を生
じる)。上述の不具合を解消するため、ストリング状部
材をミラー本体表面に沿わしめて滑らせ、このストリン
グ状部材によって払拭作用を行なわせることが考えられ
る。ストリング状部材は慣性が小さいので所要駆動力が
少なくて済み、かつ、ワイパ作動休止中は該ストリング
状部材をミラー本体の片隅に寄せておけばほとんど外観
を損ねない。上記ストリング式のミラー用ワイパ装置は
本出願人によって別途出願中の、未公知の考案(実願平
4−82047号・ミラー用ワイパ装置)である。説明
の便宜上、以下、先願の考案と略称する。図6は未公知
の先願に係るミラー用ワイパ装置の1実施例を示し、一
部を破断して描いた正面図である。ミラーボデー3にミ
ラー本体4が固着されている。光学的な構成要素である
反射鏡がミラーと呼ばれることもあり、上記反射鏡を用
いた組立品全体をミラーと呼ばれることも有るので、本
発明においては構成要素である反射鏡の単体をミラー本
体と呼び、組立品をミラー装置と呼んで区別する。前記
ミラーボデー3の背面側に、その周囲に位置せしめて1
個の駆動用プーリ22と3個のアイドラプーリ25が配
置されるとともに、これら計4個のプーリに、無端環状
の周回ベルト26が巻き掛けられている。前記ミラー本
体4の表面に密着せしめてストリング27が張り渡さ
れ、その一端27aはミラー本体4の縁(隠れ線で描か
れている)に接してミラー本体の裏側に回り込み、前記
周回ベルト26に取り付けられている。図7は上記実施
例におけるストリングの両端部を示す模式的な断面図で
あって、(A)は該ストリングの一端が周回ベルトに取
り付けられている状態を描き、(B)は上記ストリング
の他端がテンショナに取り付けられて張力を与えられて
いる状態を描いてある。図7(A)に示したプーリ22
は、図6について先に説明した駆動用のプーリであっ
て、伝動ベルト17を介して図外のモータによって回転
せしめられるとともに、巻き掛けられている周回ベルト
26を回転させる。該周回ベルト26に対してストリン
グ27の一端27aが固着されている。図6においてプ
ーリ22は円弧矢印a方向に回転せしめられ、これに伴
って周回ベルト26は矢印b,cのように周回せしめら
れる。該周回ベルト26に取り付けられたストリング2
7の一端27aは矢印b方向に移動せしめられて27
a′位置となる。これに伴って、実線で描いた位置のス
トリング27は鎖線で示す27′位置まで、円弧矢印d
のごとく引き回されて傾動する。図6から容易に理解さ
れるように、ストリング27(実線)の直線状部分より
も、ストリング27′(鎖線)の直線状部分の方が長
い。従って、このストリングが弛んだり引き千切られた
りしないように一定のテンションを与えるテンショナ2
8が設けられている。(このテンショナ28は、図6に
も図7(B)にも現われているが、図7(B)では中央
部を破断して切り縮めて描いてある)。上記のテンショ
ナ28は細長い空洞(管路)28aの中にストリング2
7の他端27bを引き込むように構成されている。28
bは、上記ストリング27を管路28a内に引き込む方
向の力を与えるテンショナコイルスプリングである。ス
トリング27は、上記テンショナの入口28cから引き
出されたり、該入口28cから引き込まれたりしなが
ら、ほぼ一定のテンションに保たれつつ、前記ミラー本
体4の表面に沿って滑動しつつ、これを払拭する。
【0003】前記ストリング27の一端が周回ベルト2
6に取り付けられている点(例えば図6に示した点27
a,27a′)は、周回ベルト26と共に周回する。そ
して、この点がテンショナ28cの近傍(例えば点e)
に来た時に周回ベルト26を停止させると、ストリング
27も停止し、外観に現われなくなる。その理由は、図
7(B)に示した庇状部3aに隠れるからである。ま
た、この状態でストリング27の大半の部分がテンショ
ナ28内に引き込まれ、その先端はストロークエンド2
7cに達する。点eに在ったストリングの一端27aが
周回ベルト26の回動に伴って矢印b,c方向に移動し
て点fに達するまでの間に、ミラー本体4の表面のほと
んど全部(外観に現われる区域の全部)がストリング2
7によって払拭され、拭き残し部分を生じない。
【0004】図6に示した先願の考案に係るワイパ装置
において、ストリング27にほぼ一定の張力を与えるた
めのテンショナ28は、コイルスプリング28bの圧縮
・伸長を利用している。この構成によれば、ストリング
27に与えられる張力は、コイルスプリング28bの歪
み量にほぼ比例し、該テンショナ28からストリング2
7が引き出されるに伴って張力が増加し、該テンショナ
28内へストリング27が引き込まれるに従って張力が
減少し、ストリングに与えられる張力の変動が比較的激
しい。ストリングの張力が変動すると、周回ベルト26
を回転駆動しているモータ(図外)の負荷変動を生じ、
該モータを大容量のものにしないと作動が円滑に行なわ
れない等の不具合を招く。上記の不具合(ストリングの
張力の変動)を防止するには、コイルスプリング28b
に代えてゼンマイ式のスプリングを用いると有効であ
る。すなわち、ストリング用テンショナの構成を(a)
ドラム軸によって回転自在に支承されるとともに、前記
ストリングの一端を取り付けられて該ストリングを巻き
込み,巻き出すストリング巻き取りドラムと、(b)外
周端を前記ストリング巻き取りドラムに取り付けられる
とともに、内周端を前記ドラム軸に取り付けられたゼン
マイスプリングと、より成るものとすればストリングの
張力変動が著しく軽減される。上記の構成によると、ゼ
ンマイスプリングの内周端がドラム軸に取り付けられる
とともに、該ゼンマイスプリングの外周端が巻き取りド
ラムに取り付けられているので、上記巻き取りドラムに
巻き付けられているストリングを引き出すと、ゼンマイ
スプリングが密巻きとなるように変形せしめられ、その
弾性復元力によって前記のストリングに張力を与える。
而して、コイルスプリングの長さ変化に対するスプリン
グ荷重の変化割合に比して、ゼンマイスプリングの回転
角位置変化に対するスプリング荷重の変化割合は著しく
小さいので、ストリングの巻き込み,巻き出しに伴うス
トリング張力の変化がきわめて少なく、ほぼ一定の張力
が与えられる。従って、駆動用モータの負荷変動が少な
く、小容量の駆動モータを用いても円滑な運転を行なう
ことができる。なお、上記の構成を簡略化して巻き取り
ドラムを省略し、ゼンマイスプリングの外周端にストリ
ングの端部を取り付けても同様の効果(張力変動の軽
減)が得られる。上記の構成(ゼンマイバネを用いたテ
ンショナ)は、本出願人によって別途出願中の未公知の
発明(特願平5−335127号・ストリング式のワイ
パ装置)である。説明の便宜上、以下、先願の発明と略
称する。
【0005】次に、図8〜図11を参照しつつ、先願の
発明の実施例について説明する。図8は先願の発明に係
るストリング式ワイパ装置の1実施例を示し、部分的に
破断して描いた正面図である。前掲の図6に示した先願
考案に係るミラー用ワイパ装置においては、周回ベルト
26を4個のプーリに巻き掛けていたが、本実施例にお
いては7個のアイドラプーリ25と1個の駆動プーリ2
2′を設けて周回ベルト26を巻き掛けてある。上記駆
動プーリ22′は、図外のモータによって回転せしめら
れる駆動歯車33aにより、中間歯車33b,33cを
経て被動歯車33dを介して回転せしめられる。上記被
動歯車33dと前記の駆動プーリ22′とは相互に同心
に固着されている。ストリング27の一端27aは周回
ベルト26に取り付けられている。そして、該ストリン
グ27の他端は、ストリング巻き取りドラム35aを備
えたストリングテンショナ35に巻き込まれて、ほぼ一
定の張力を与えられている。図9は上掲の図8に示した
実施例に設けられているストリングテンショナのC−C
断面矢視図である。払拭部材であるストリング27の一
端に継手球32cが固着され、一方、周回ベルト26に
継手ブラケット32dが取り付けられていて、該継手ブ
ラケット32dに前記の継手球32cが係着されてい
る。該ストリング27の他端付近の部分27bはストリ
ング巻き取りドラム35aに取り付けられて巻き込まれ
ている。上記のストリング巻き取りドラム35aを回転
自在に支承しているドラム軸35bは、ドラムカバー3
5cに一体連設されて、ミラーボデー3′に対して固定
されている。35eは上記ドラム軸35bに設けられた
切割りである。35dはゼンマイスプリングである。ゼ
ンマイスプリングとは、往時の機械式手巻き時計や玩具
の動力として広く用いられていたスプリングであって、
辞書にも記載されている公知の部材である。上記ゼンマ
イスプリングの内周側の端は前記の切割りに係合され、
該ゼンマイスプリングの外周側の端は前記ストリング巻
き取りドラム35aに取り付けられている。前記ストリ
ング27の他端側をストリング巻き取りドラム35aに
取り付けるに先立って、予め該ストリング巻き取りドラ
ム35aを回して、前記のゼンマイスプリング35dの
螺旋状の巻き数を増加させる方向に撓ませて(いわゆる
ゼンマイが巻かれた状態にして)おくと、該ゼンマイス
プリング35dの弾性復元力によってストリング巻き取
りドラム35aが回転せしめられ、ストリング27の他
端側付近27bを巻き込んで、ほぼ一定の張力を与える
ように作用する。図10は前掲の図9に示されている構
成部材の中で、ストリングを巻き込んで張力を与える作
用に関与する主要部材を抽出して描いた分解斜視図であ
る。そして、図11は上記実施例の作用、効果を説明す
るために示したもので、(A)は先願考案に係るストリ
ング式ワイパに用いられているコイルスプリングにおけ
るストリング巻き込み長さとストリング張力(すなわち
バネ荷重)との関係を示す図表であり、(B)は先願の
発明に用いられるゼンマイスプリングにおけるストリン
グ巻き込み長さとストリング張力(バネ荷重)との関係
を示す図表である。図11(A)に示した先願考案のコ
イルスプリングにおいては、ストリングの巻き取り長さ
の変化寸法Lによってストリング張力は図示の力F1
け変化する。ここに、F1/L はバネ定数である。こ
れに比して図11(B)に示す先願発明のゼンマイスプ
リングは、バネ定数 F2/L が小さく、ストリング
の巻き取り寸法Lが変化してもストリング張力の変化量
2は格段に小さい。すなわち、ストリング27の張力
はほぼ一定に保たれる。
【0006】(図5参照)ワイパ装置を装着する対象機
器である車両用アウトサイドミラーのマクロ的な構造
は、ミラーベース23が車体に固定されるとともに、該
ミラーベース23によってミラーハウジング12が支持
される。そして一方ではミラー本体4がミラーボデー
(ミラーホルダとも呼ばれる)3に固着されている。而
して、上記ミラーボデー3がミラーハウジング12に対
して固定的に装着されている例も有り、また、ミラーボ
デー3がミラーハウジング12によって傾動可能に支持
されるとともに、運転席からのリモートコントロールに
よって傾動操作できる例も有る。そして、先願の考案や
先願の発明に係るワイパ装置は、上記二つの方式(ミラ
ーボデー固定,ミラーボデー傾動リモートコントロー
ル)の何れにも適用することができる。何れの場合もス
トリング式ワイパ装置としての長所が有る。図12はリ
モートコントロール式のアウトサイドミラーにストリン
グ式のワイパ装置を装着した場合の、該ワイパ装置駆動
系統を示し、ミラー本体に垂直な面による断面図であ
る。ミラー本体4を固着されたミラーボデー3は球継手
2を介してミラーハウジング12により傾動可能に支承
されている。上記ミラーハウジング12内に、リモート
コントロール用の駆動部が設置される。1は該駆動部の
ハウジングである。本図12に示した22は、先に図6
について説明した駆動用のプーリであり、26は同じく
周回ベルトである。19は上記プーリ22のプーリ軸で
ある。前記駆動部ハウジング1の中には駆動モータ(図
示せず)が設置されていて、ウォーム13aを介してウ
ォームホイール13bを回転駆動する。上記のウォーム
ホイール13bは駆動軸14と一体的に連設されてい
て、この駆動軸14に対して伝動軸15が相対的に軸心
方向の摺動可能かつ軸心まわりの回転不能に連結されて
いる。上記伝動軸15は前記の駆動モータ(図示せず)
によって回転せしめられ、ユニバーサルジョイント付プ
ーリ16および伝動ベルト17を介して駆動プーリ22
を回転させる。該駆動プーリは周回ベルト26を回転さ
せる。図13は上掲の図12に鎖線円で囲んで示したA
部の詳細を示し、部分的に切断して描いた拡大図であ
る。前記のユニバーサルジョイント付プーリ16は、ミ
ラーボデー3に対して回転可能に取り付けられた回転軸
16aと、該回転軸に固着されたプーリ16bと、上記
プーリ16bに取り付けられたユニバーサルジョイント
16cとなら成り、該ユニバーサルジョイント16cは
先に図12について述べた伝動軸15に連結されてい
る。上記のプーリ16bは前掲の図12に示した伝動ベ
ルト17を巻回されて、これを駆動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えば図6に示した先
願の考案に係るストリング式ワイパ装置において、周回
ベルト26が矢印b,c方向に周回動し、これに伴って
該周回ベルト26に取り付けられたストリングの一端2
7aが周回ベルトと共に1周すると、該ストリングは1
回だけ捩られる。前記の周回ベルト26を往復回動させ
ると、上記の捩れ現象は1回捩れた後に捩り戻され、再
び捩られて捩り戻されるといった動作が繰り返されるの
で実害を生じない。しかし、往復回動させようとすると
駆動,制御機構が複雑になり、製造コストが高価にな
る。前掲の図9に示した先願の発明に係るストリング式
ワイパ装置においては、ストリング27の一端に継手球
32cを固着するとともに、周回ベルト26に取り付け
た継手ブラケット32dと上記継手球32cとを相対的
に回動可能なように係合して捩れを逃すように構成され
ているが、捩り防止機能が不確実である。本発明は上述
の事情に鑑みて為されたものであって、ストリングの捩
れを確実に捩り戻して、ストリングの捩れに関するトラ
ブルを未然にかつ完全に防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理を、その実施例に対
応する図3を参照して述べると、ストリング27の一端
はブラケット32d′を介して周回ベルト26に対して
回転自在に取り付ける。そして上記ストリングの一端に
ピニオン41を固着する。一方、ミラーボデー3に対し
て、ステー43を介してラック42を固定的に支承す
る。上記周回ベルトが1周する毎に、ピニオンがラック
に噛合し、転動する形に1回転せしめられる。この強制
的な回転によってストリング27が「捩れ発生と反対方
向」に回されて、ストリングの捩り戻しが行なわれる。
【0009】以上に説明した原理に基づいて、本発明に
係る捩れを防止したストリング式ワイパ装置の構成は、
ミラー本体に固着されたミラーボデーに複数個のプーリ
が配設されており、上記複数個のプーリに無端環状の周
回ベルトが巻き掛けられており、上記ミラー本体の表面
付近に移動可能に配置されたストリングの一端が前記周
回ベルトに取り付けられるとともに該ストリングの他端
がテンショナに取り付けられて、繰り出し・引き込み自
在に張力を与えられているワイパ装置であって、 前記
ストリングの一端が前記周回ベルトに対して回転自在に
取り付けられるとともに、該ストリングの一端にピニオ
ンが固着されており、かつ、上記のピニオンと噛合する
ラックが、前記のミラーボデーに対して固定的に支持さ
れていて、上記ピニオンの歯数とラックの歯数とがほぼ
同一、望ましくは同一であることを特徴とする。
【0010】
【作用】上述の構成によると、ミラーボデーを基準にし
て考えるとラックは静止部材であり、周回ベルトが周回
動する。従って、該周回ベルトに取り付けられたストリ
ングの一端、および該ストリングの一端に固着されたピ
ニオンは、周回ベルトと一緒に周回動する。その1周ご
とにピニオンはラックに噛合し、転動し、離間し、この
作動を繰り返す。この場合、周回ベルトの周回動方向と
ピニオンの回転方向とは、ラックの設置位置の選定によ
って任意に設定することができるので、該ピニオンを固
着されているストリングに関して捩り戻し方向の被動回
転をさせるように構成することは、技術的に格別の困難
を生じない。上述のようにして、ストリングの一端に固
着されたピニオンは、周回ベルトと共に公転しつつ、ラ
ックに噛合して強制的に自転せしめられる。この自転は
間欠的であって、公転1回ごとに1回だけ自転するよう
に構成することは容易に可能である。本発明において
は、ピニオンの歯数とラックの歯数とを略同一にしてあ
るので、1公転ごとの1自転が可能である。この場合、
原則的にはラック歯数とピニオン歯数とを揃えれば良い
のであるが、ピニオンのラックに対する当接噛合の時
と、転動終了離脱の時とのそれぞれに歯数半枚ずつの位
相差(回転ずれ)を生じるので、ピニオン歯数とラック
歯数とは必ずしも同一であることを要せず、ピニオン歯
数に比してラック歯数を増減しても捩り戻し作用を行な
わせ得る。上述のようにして、自動的かつ強制的にスト
リングの捩り戻しが行なわれ、この捩り戻し機構の駆動
力は周回ベルトの周回動を利用しているので、捩り戻し
のために別段の駆動源(例えばモータ)や伝動部材を設
ける必要が無く、装置全体を複雑にして大形,大重量化
させて生産コストを上昇させる悪影響は僅少であって、
ほとんど無視することができる。以上を総合して本発明
装置によれば、簡単で安価な構成により、ストリングの
捩れを防止することができ、ストリングの捩れに起因す
るストリングの破損,払拭作動の阻害、および駆動用モ
ータの過負荷などのトラブルを未然に防止して、ストリ
ング式ワイパ装置本来の長所を損なうことなく、その作
動信頼性や耐久性を確保することができる。
【0011】
【実施例】次に、図1ないし図4を順次に参照して、本
発明装置の実施例を説明する。図1は本発明に係る捩れ
を防止したストリング式ワイパ装置の1実施例を示し、
ピニオンがラックに噛合している状態において、その要
部を模式的に描いた断面図である。ストリング27の一
端27aは、ブラケット32d′に挿通され、その先端
にピニオン41が固着されている。上記のブラケット3
2d′は周回ベルト26に取り付けられており、先願の
発明に係る図9における継手ブラケット32dに対応す
る類似の部材であって、ストリングを挿通する透孔を有
する、広義の軸受ブラケットである。一方、ミラーボデ
ー3に固着されたステー43によって、ラック42が固
定的に支承されている。これにより、前記のストリング
27の一端27aは、周回ベルト26に対し、ブラケッ
ト32d′を介して回転自在に取り付けられている。図
2は上記の実施例においてピニオンがラックに噛合して
強制的に回転せしめられている状態を、上掲の図1にお
ける矢印D方向に見たところを描いた外観正面図であ
る。図3は、本実施例において上掲の図1および図2に
示した個所が、これらの図と同様の作動状態であるとこ
ろを、図1における矢印E方向に見て模式的に描いた外
観斜視図である。本実施例の装置は次に述べるように作
動する。図4は上記実施例の装置の作動説明図であっ
て、前掲の図2と同様の方向から見た外観が描かれてお
り、(A)は周回ベルトと一緒に周回したピニオンがラ
ックに当接して噛合し始める状態、(B)はピニオンが
さらに進行してラックから離脱しようとしている状態
を、それぞれ表わしている。
【0012】(図4(A)参照)周回ベルト26は矢印
F方向に周回動している(図の下方から矢印U方向に見
て左回り(反時計方向))。このため、ストリング27
の一端を該周回ベルト26に固着しておくと、該ストリ
ング27は図示の円弧矢印Rのごとく、図の下方から見
て右回り(時計方向)に捩られる。本実施例においては
周回ベルト26が矢印F方向に周回すると、これと一緒
に周回するピニオン41が本(A)図のようにラック4
2に当接して自動的に噛合し、該ピニオンは矢印F方向
の進行を継続しつつ、ラック42に対して滑り無く転動
する形に強制的に被動回転せしめられる。そして本図4
(B)に示したようにピニオン41が矢印F′方向に進
行してラック42から離間するまでの間に、該ピニオン
41は円弧矢印Lのごとく、図の下方から見て左回り
(反時計方向)に被動回転せしめられ、図4(A)に示
した円弧矢印Rの右回り方向の捩れと、同図(B)に示
した円弧矢印Lの左回り方向の被動回転とが相殺され
て、捩れ戻し作用が果たされる。上述の構造,機能から
明らかなように、周回ベルト26が1周する間に、ピニ
オン41は1回だけラック42に当接・噛合・転動・離
脱する。そして、この1回の転動数は1回転であること
が望ましい。上記の望ましいとは、絶対に1回転でなけ
ればならぬものではない意である。その理由は、ピニオ
ン41がラック42から離間している状態において、ス
トリング27はブラケット32d′に対する相対的な回
転を拘束されていないので、ほぼ1回転させれば重大な
不具合は発生の虞れが無いからである。本実施例におい
ては、ピニオン41の歯数とラック42の歯数とが同一
に揃えて、図4(A)の状態から同図(B)の状態まで
の間にピニオン41が1回転するように構成した。この
装置が作動する際は、上記(A)図で噛合する際、およ
び(B)図で離間する際、それぞれ歯数の1/2に相当
する程度の回転ずれを生じる可能性も有り、また(B)
図のように離脱する際にピニオン41が有している回転
イナーシャの影響を受ける場合も有るので、本発明を実
施する場合、ピニオンの歯数とラックの歯数とを必ずし
も厳密に揃えなくても、ほぼ同数とすることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明を適用すると、ミラー本体面を払
拭するための部材としてストリングを用いているので、
(a)払拭部材であるストリングとミラー本体の面との
接触面積が小さい上に、従来例におけるワイパアームの
ように往復動をする大形大重量部材を有しないのでワイ
パ装置駆動部の駆動力が小さくて済み、(b)ワイパア
ームのように往復動する重量部材が無いので、駆動系に
ガタもしくはバックラッシが有っても異音を発生する虞
れが無く、(c)払拭部材であるストリングがミラー本
体の面に対して均等に押しつけられるのでジャダーが発
生し難く、(d)ミラー本体の面が複雑な凸曲面であっ
ても、払拭部材であるストリングは該ミラー本体の面に
順応して密着し、確実な払拭作用を果たし、(e)払拭
部材であるストリングに細い部材である上に、その色調
を選択し得るので外観に目立たなくすることができる。
更に本発明によると、ミラーハボデーを基準にして考え
るとラックは静止部材であり、周回ベルトが周回動す
る。従って、該周回ベルトに取り付けられたストリング
の一端、および該ストリングの一端に固着されたピニオ
ンは、周回ベルトと一緒に周回動する。その1周ごとに
ピニオンはラックに噛合し、転動し、離間し、この作動
を繰り返す。この場合、周回ベルトの周回動方向とピニ
オンの回転方向とは、ラックの設置位置の選定によって
任意に設定することができるので、該ピニオンを固着さ
れているストリングに関して捩り戻し方向の被動回転を
させるように構成することは、技術的に格別の困難を生
じない。上述のようにしてストリングの一端に固着され
たピニオンは、周回ベルトと共に公転しつつ、ラックに
噛合して強制的に自転せしめられる。この自転は間欠的
であって、公転1回ごとに1回だけ自転するように構成
することは容易に可能である。本発明においては、ピニ
オンの歯数とラックの歯数とを略同一にしてあるので、
1公転ごとの1自転が可能である。この場合、原則的に
はラック歯数とピニオン歯数とを揃えれば良いのである
が、ピニオンのラックに対する当接噛合の時と、転動終
了離脱の時とのそれぞれに歯数半枚ずつの位相差(回転
ずれ)を生じるので、ピニオン歯数とラック歯数とは必
ずしも同一であることを要せず、ピニオン歯数に比して
ラック歯数を増減しても捩り戻し作用を行なわせ得る。
上述のようにして、自動的かつ強制的にストリングの捩
り戻しが行なわれ、この捩り戻し機構の駆動力は周回ベ
ルトの周回動を利用しているので、捩り戻しのために別
段の駆動源(例えばモータ)や伝動部材を設ける必要が
無く、装置全体を複雑にして大形,大重量化させて生産
コストを上昇させる悪影響は僅少であって、ほとんど無
視することができる。以上を総合して本発明装置によれ
ば、簡単で安価な構成により、ストリングの捩れを防止
することができ、ストリングの捩れに起因するストリン
グの破損,払拭作動の阻害、および駆動用モータの過負
荷などのトラブルを未然に防止して、ストリング式ワイ
パ装置本来の長所を損なうことなく、その作動信頼性や
耐久性を確保することができるという優れた実用的効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る捩れを防止したストリング式ワイ
パ装置の1実施例を示し、ピニオンがラックに噛合して
いる状態において、その要部を模式的に描いた断面図で
ある。
【図2】上記の実施例においてピニオンがラックに噛合
して強制的に回転せしめられている状態を、上掲の図1
における矢印D方向に見たところを描いた外観正面図で
ある。
【図3】本実施例において上掲の図1および図2に示し
た個所が、これらの図と同様の作動状態であるところ
を、図1における矢印E方向に見て模式的に描いた外観
斜視図である。
【図4】上記実施例の装置の作動説明図であって、前掲
の図2と同様の方向から見た外観が描かれており、
(A)は周回ベルトと一緒に周回したピニオンがラック
に当接して噛合し始める状態、(B)はピニオンがさら
に進行してラックから離脱しようとしている状態を、そ
れぞれ表わしている。
【図5】従来例に係るワイパ装置を備えた車両用アウト
サイドミラーの正面外観図である。
【図6】未公知の先願考案に係るミラー用ワイパ装置の
1実施例を示し、一部を破断して描いた正面図である。
【図7】上記実施例におけるストリングの両端部を示す
模式的な断面図であって、(A)は該ストリングの一端
が周回ベルトに取り付けられている状態を描き、(B)
は上記ストリングの他端がテンショナに取り付けられて
張力を与えられている状態を描いてある。
【図8】先願の発明のストリング式ワイパ装置の1実施
例を示し、部分的に破断して描いた正面図である。
【図9】上掲の図8に示した実施例に設けられているス
トリングテンショナのC−C断面矢視図である。
【図10】前掲の図9に示されている構成部材の中で、
ストリングを巻き込んで張力を与える作用に関与する主
要部材を抽出して描いた分解斜視図である。
【図11】上記実施例の作用,効果を説明するために示
したもので、(A)は先願に係るストリング式ワイパに
用いられているコイルスプリングにおけるストリング巻
き込み長さとストリング張力(すなわちバネ荷重)との
関係を示す図表であり、(B)は本発明に用いられるゼ
ンマイスプリングにおけるストリング巻き込み長さとス
トリング張力(バネ荷重)との関係を示す図表である。
【図12】リモートコントロール式のアウトサイドミラ
ーにストリング式のワイパ装置を装着した場合の、該ワ
イパ装置駆動系統を示し、ミラー本体に垂直な面による
断面図である。
【図13】上掲の図12に鎖線円で囲んで示したA部の
詳細を示し、部分的に切断して描いた拡大図である。
【符号の説明】
3…ミラーボデー、4…ミラー本体、12…ミラーハウ
ジング、17…伝動ベルト、20…庇状部、22…駆動
用のプーリ、23…ミラーベース、24…ワイパアー
ム、25…アイドラプーリ、26…周回ベルト、27,
27′…ストリング、27a,27a′…ストリングの
一端、27b…ストリングの他端、27c…ストリング
のストロークエンド、28…テンショナ、28a…管
路、28b…テンショナコイルスプリング、28c…テ
ンショナ入口、29…ワイパブレード、33a…駆動歯
車、33b,33c…中間歯車、33d…被動歯車、3
5…ストリングテンショナ、35a…ストリング巻き取
りドラム、35b…ドラム軸、35c…ドラムカバー、
35d…ゼンマイスプリング、35e…切割り、41…
ピニオン、42…ラック、43…ステー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラー本体に固着されたミラーボデーに
    複数個のプーリが配設されており、上記複数個のプーリ
    に無端環状の周回ベルトが巻き掛けられており、上記ミ
    ラー本体の表面付近に移動可能に配置されたストリング
    の一端が前記周回ベルトに取り付けられるとともに該ス
    トリングの他端がテンショナに取り付けられて、繰り出
    し・引き込み自在に張力を与えられているワイパ装置で
    あって、 前記ストリングの一端が前記周回ベルトに対
    して回転自在に取り付けられるとともに、該ストリング
    の一端にピニオンが固着されており、 かつ、上記のピニオンと噛合するラックが、前記のミラ
    ーボデーに対して固定的に支持されていて、 上記ピニオンの歯数とラックの歯数とがほぼ同一、望ま
    しくは同一であることを特徴とする、捩れを防止したス
    トリング式のワイパ装置。
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