JPH07300060A - 異物の噛み込みを防止したストリング式のワイパ装置 - Google Patents

異物の噛み込みを防止したストリング式のワイパ装置

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JPH07300060A
JPH07300060A JP6093410A JP9341094A JPH07300060A JP H07300060 A JPH07300060 A JP H07300060A JP 6093410 A JP6093410 A JP 6093410A JP 9341094 A JP9341094 A JP 9341094A JP H07300060 A JPH07300060 A JP H07300060A
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mirror
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JP6093410A
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Ikuo Sakata
郁夫 坂田
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Ichikoh Industries Ltd
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先願の考案(実願平4−82047号)およ
び先願の発明(特願平5335127号)に係る未公知
のストリング式ミラー用ワイパ装置を改良して、異物が
侵入しても周回ベルトとプーリとの間に噛み込む虞れの
無いようにする。 【構成】 周回ベルト41に多数の透孔41aが列設さ
れている。プーリ43は歯付きプーリであって、その歯
43aが上記の透孔41aと噛合する。異物42が上記
孔あき周回ベルト41の上に乗って矢印uのように周回
動して歯付プーリ43に接近すると歯43aに押されて
透孔41aを通り、矢印vのように排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリングを払拭用部
材として用いる構造の、車両用アウトサイドミラーのワ
イパ装置において、異物の噛み込みに因るトラブルを防
止し得るように改良したワイパ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は従来例に係るワイパ装置を備えた
車両用アウトサイドミラーの正面外観図である。ミラー
本体4はミラーボデー3に固着され、該ミラー本体4は
ミラーボデー3を介してミラーハウジング12によって
支承されている。23はミラーベースであって車体に固
定して用いられ、このミラーベース23は上記ミラーハ
ウジング12を支承している。前記ミラーハウジング1
2を貫通してワイパアーム軸21が設けられており、こ
のワイパアーム軸21にワイパアーム24が取り付けら
れている。前記ワイパアーム軸21が往復回動すると、
前記ワイパアーム24はワイパブレード29を支持して
往復傾動し、該ワイパブレード29はミラー本体4の表
面を滑動して払拭する。図5に示した従来例のミラー用
ワイパ装置は、ワイパ作動を休止している間もワイパア
ーム24やワイパブレード29が外観に現われるので見
栄えが悪く、商品価値を低下させている。いま仮に、ミ
ラーハウジング12の上部に庇状のワイパ収納部20
(仮想線で示す)を設けると、ワイパブレード29を収
納して隠すことは出来るが、ワイパアーム24は隠せな
い。さらに、ワイパアーム24やワイパブレード29
は、ワイパ装置の構成部材のうち慣性の大きい部材であ
る。このような慣性の大きい部材を往復駆動させること
は、ノイズの発生を招き易い(ガタが有ると作動音を生
じる)。上述の不具合を解消するため、ストリング状部
材をミラー本体表面に沿わしめて滑らせ、このストリン
グ状部材によって払拭作用を行なわせることが考えられ
る。ストリング状部材は慣性が小さいので所要駆動力が
少なくて済み、かつ、ワイパ作動休止中は該ストリング
状部材をミラー本体の片隅に寄せておけばほとんど外観
を損ねない。上記ストリング式のミラー用ワイパ装置は
本出願人によって別途出願中の、未公知の考案(実願平
4−82047・ミラー用ワイパ装置)である。説明の
便宜上、以下、先願の考案と略称する。図6は未公知の
先願に係るミラー用ワイパ装置の1実施例を示し、一部
を破断して描いた正面図である。ミラーボデー3にミラ
ー本体4が固着されている。光学的な構成要素である反
射鏡がミラーと呼ばれることもあり、上記反射鏡を用い
た組立品全体をミラーと呼ばれることも有るので、本発
明においては構成要素である反射鏡の単体をミラー本体
と呼び、組立品をミラー装置と呼んで区別する。前記ミ
ラーボデー3の背面側に、その周囲に位置せしめて1個
の駆動用プーリ22と3個のアイドラプーリ25が配置
されるとともに、これら計4個のプーリに、無端環状の
周回ベルト26が巻き掛けられている。前記ミラー本体
4の表面に密着せしめてストリング27が張り渡され、
その一端27aはミラー本体4の縁(隠れ線で描かれて
いる)に接してミラー本体の裏側に回り込み、前記周回
ベルト26に取り付けられている。図7は上記実施例に
おけるストリングの両端部を示す模式的な断面図であっ
て、(A)は該ストリングの1端が周回ベルトに取り付
けられている状態を描き、(B)は上記ストリングの他
端がテンショナに取り付けられて張力を与えられている
状態を描いてある。図7(A)に示したプーリ22は、
図6について先に説明した駆動用のプーリであって、伝
動ベルト17を介して図外のモータによって回転せしめ
られるとともに、巻き掛けられている周回ベルト26を
回転させる。該周回ベルト26に対してストリング27
の1端27aが固着されている。図6においてプーリ2
2は円弧矢印a方向に回転せしめられ、これに伴って周
回ベルト26は矢印b,cのように周回せしめられる。
該周回ベルト26に取り付けられたストリング27の一
端27aは矢印b方向に移動せしめられて27a′位置
となる。これに伴って、実線で描いた位置のストリング
27は鎖線で示す27′位置まで、円弧矢印dのごとく
引き回されて傾動する。図6から容易に理解されるよう
に、ストリング27(実線)の直線状部分よりも、スト
リング27′(鎖線)の直線状部分の方が長い。従っ
て、このストリングが弛んだり引き千切られたりしない
ように一定のテンションを与えるテンショナ28が設け
られている。(このテンショナ28は、図6にも図7
(B)にも現われているが、図7(B)では中央部を破
断して切り縮めて描いてある)。上記のテンショナ28
は細長い空洞(管路)28aの中にストリング27の他
端27bを引き込むように構成されている。28bは、
上記ストリング27を管路28a内に引き込む方向の力
を与えるテンショナコイルスプリングである。ストリン
グ27は、上記テンショナの入口28cから引き出され
たり、該入口28cから引き込まれたりしながら、ほぼ
一定のテンションに保たれつつ、前記ミラー本体4の表
面に沿って滑動しつつ、これを払拭する。
【0003】前記ストリング27の1端が周回ベルト2
6に取り付けられている点(例えば図6に示した点27
a,27a′)は、周回ベルト26と共に周回する。そ
して、この点がテンショナ28cの近傍(例えば点e)
に来た時に周回ベルト26を停止させると、ストリング
27も停止し、外観に現われなくなる。その理由は、図
7(B)に示した庇状部3aに隠れるからである。ま
た、この状態でストリング27の大半の部分がテンショ
ナ28内に引き込まれ、その先端はストロークエンド2
7cに達する。点eに在ったストリングの一端27aが
周回ベルト26の回動に伴って矢印b,c方向に移動し
て点fに達するまでの間に、ミラー本体4の表面のほと
んど全部(外観に表われる区域の全部)がストリング2
7によって払拭され、拭き残し部分を生じない。
【0004】図6に示した先願の考案に係るワイパ装置
において、ストリング27にほぼ一定の張力を与えるた
めのテンショナ28は、コイルスプリング28bの圧縮
・伸長を利用している。この構成によれば、ストリング
27に与えられる張力は、コイルスプリング28bの歪
み量にほぼ比例し、該テンショナ28からストリング2
7が引き出されるに伴って張力が増加し、該テンショナ
28内へストリング27が引き込まれるに従って張力が
減少し、ストリングに与えられる張力の変動が比較的激
しい。ストリングの張力が変動すると、周回ベルト26
を回転駆動しているモータ(図外)の負荷変動を生じ、
該モータを大容量のものにしないと作動が円滑に行なわ
れない等の不具合を招く。上記の不具合(ストリングの
張力の変動)を防止するには、コイルスプリング28b
に代えてゼンマイ式のスプリングを用いると有効であ
る。すなわち、ストリング用テンショナの構成を(a)
ドラム軸によって回転自在に支承されるとともに、前記
ストリングの1端を取り付けられて該ストリングを巻き
込み、巻き出すストリング巻き取りドラムと、(b)外
周端を前記ストリング巻き取りドラムに取り付けられる
とともに、内周端を前記ドラム軸に取り付けられたゼン
マイスプリングと、より成るものとすればストリングの
張力変動が著しく軽減される。上記の構成によると、ゼ
ンマイスプリングの内周端がドラム軸に取り付けられる
とともに、該ゼンマイスプリングの外周端が巻き取りド
ラムに取り付けられているので、上記巻き取りドラムに
巻き付けられているストリングを引き出すと、ゼンマイ
スプリングが密巻きとなるように変形せしめられ、その
弾性復元力によって前記のストリングに張力を与える。
而して、コイルスプリングの長さ変化に対するスプリン
グ荷重の変化割合に比して、ゼンマイスプリングの回転
角位置変化に対するスプリング荷重の変化割合は著しく
小さいので、ストリングの巻き込み,巻き出しに伴うス
トリング張力の変化がきわめて少なく、ほぼ一定の張力
が与えられる。従って、駆動用モータの負荷変動が少な
く、小容量の駆動モータを用いても円滑な運転を行なう
ことができる。なお、上記の構成を簡略化して巻き取り
ドラムを省略し、ゼンマイスプリングの外周端にストリ
ングの端部を取り付けても同様の効果(張力変動の軽
減)が得られる。上記の構成(ゼンマイバネを用いたテ
ンショナ)は、本出願人によって別途出願中の未公知の
発明(特願平5−335127号・ストリング式のワイ
パ装置)である。説明の便宜上、以下、先願の発明と略
称する。
【0005】次に、図8〜図11を参照しつつ、先願の
発明の実施例について説明する。図8は先願の発明に係
るストリング式ワイパ装置の1実施例を示し、部分的に
破断して描いた正面図である。前掲の図6に示した先願
考案に係るミラー用ワイパ装置においては、周回ベルト
26を4個のプーリに巻き掛けていたが、本実施例にお
いては7個のアイドラプーリ25と1個の駆動プーリ2
2′を設けて周回ベルト26を巻き掛けてある。上記駆
動プーリ22′は、図外のモータによって回転せしめら
れる駆動歯車33aにより、中間歯車33b,33dを
経て被動歯車33dを介して回転せしめられる。上記被
動歯車33dと前記の駆動プーリ22′とは相互に同心
に固着されている。ストリング27の一端27aは周回
ベルト26に取り付けられている。そして、該ストリン
グ27の他端は、ストリング巻き取りドラム35aを備
えたストリングテンショナ35に巻き込まれて、ほぼ一
定の張力を与えられている。図9は上掲の図8に示した
実施例に設けられているストリングテンショナのC−C
断面矢視図である。払拭部材であるストリング27の一
端に継手球32cが固着され、一方、周回ベルト26に
継手ブラケット32dが取り付けられていて、該継手ブ
ラケット32dに前記の継手球32cが係着されてい
る。該ストリング27の他端付近の部分27bはストリ
ング巻き取りドラム35aに取り付けられて巻き込まれ
ている。上記のストリング巻き取りドラム35aを回転
自在に支承しているドラム軸35bは、ドラムカバー3
5cに一体連設されて、ミラーボデー3′に対して固定
されている。35eは上記ドラム軸35bに設けられた
切割りである。35dはゼンマイスプリングである。ゼ
ンマイスプリングとは、往時の機械式手巻き時計や玩具
の動力として広く用いられていたスプリングであって、
辞書にも記載されている公知の部材である。上記ゼンマ
イスプリングの内周側の端は前記の切割りに係合され、
該ゼンマイスプリングの外周側の端は前記ストリング巻
き取りドラム35aに取り付けられている。前記ストリ
ング27の他端側をストリング巻き取りドラム35aに
取り付けるに先立って、予め該ストリング巻き取りドラ
ム35aを回して、前記のゼンマイスプリング35dの
螺旋状の巻き数を増加させる方向に撓ませて(いわゆる
ゼンマイが巻かれた状態にして)おくと、該ゼンマイス
プリング35dの弾性復元力によってストリング巻き取
りドラム35dが回転せしめられ、ストリング27の他
端側付近27bを巻き込んで、ほぼ一定の張力を与える
ように作用する。図10は前掲の図9に示されている構
成部材の中で、ストリングを巻き込んで張力を与える作
用に関与する主要部材を抽出して描いた分解斜視図であ
る。そして、図11は上記実施例の作用効果を説明する
ために示したもので、(A)は先願考案に係るストリン
グ式ワイパに用いられているコイルスプリングにおける
ストリング巻き込み長さとストリング張力(すなわちバ
ネ荷重)との関係を示す図表であり、(B)は先願の発
明に用いられるゼンマイスプリングにおけるストリング
巻き込み長さとストリング張力(バネ荷重)との関係を
示す図表である。図11(A)に示した先願考案のコイ
ルスプリングにおいては、ストリングの巻き取り長さの
変化寸法Lによってストリング張力は図示の力F1だけ
変化する。ここに、F1/L はバネ定数である。これ
に比して図11(B)に示す先願発明のゼンマイスプリ
ングは、バネ定数F2/Lが小さく、ストリングの巻き
取り寸法Lが変化してもストリング張力の変化量F2
格段に小さい。すなわち、ストリング27の張力はほぼ
一定に保たれる。
【0006】(図5参照)ワイパ装置を装着する対象機
器である車両用アウトサイドミラーのマクロ的な構造
は、ミラーベース23が車体に固定されるとともに、該
ミラーベース23によってミラーハウジング12が支持
される。そして一方ではミラー本体4がミラーボデー
(ミラーホルダとも呼ばれる)3に固着されている。而
して、上記ミラーボデー3がミラーハウジング12に対
して固定的に装着されている例も有り、また、ミラーボ
デー3がミラーハウジング12によって傾動可能に支持
されるとともに、運転席からのリモートコントロールに
よって傾動操作できる例も有る。そして、先願の考案や
先願の発明に係るワイパ装置は、上記二つの方式(ミラ
ーボデー固定,ミラーボデー傾動リモートコントロー
ル)の何れにも適用することができる。何れの場合もス
トリング式ワイパ装置としての長所が有る。図12はリ
モートコントロール式のアウトサイドミラーにストリン
グ式のワイパ装置を装着した場合の、該ワイパ装置駆動
系統を示し、ミラー本体に垂直な面による断面図であ
る。ミラー本体4を固着されたミラーボデー3は球継手
2を介してミラーハウジング12により傾動可能に支承
されている。上記ミラーハウジング12内に、リモート
コントロール用の駆動部が設置される。1は該駆動部の
ハウジングである。本図12に示したは22は、先に図
6について説明した駆動用のプーリであり、26は同じ
く周回ベルトである。19は上記プーリ22のプーリ軸
である。前記駆動部ハウジング1の中には駆動モータ
(図示せず)が設置されていて、ウォーム13aを介し
てウォームホイール13bを回転駆動する。上記のウォ
ームホイール13bは駆動軸14と一体的に連設されて
いて、この駆動軸14に対して伝動軸15が相対的に軸
心方向の摺動可能かつ軸心まわりの回転不能に連結され
ている。上記伝動軸15は前記の駆動モータ(図示せ
ず)によって回転せしめられ、ユニバーサルジョイント
付プーリ16および伝動ベルト17を介して駆動プーリ
22を回転させる。該駆動プーリは周回ベルト26を回
転させる。図13は上掲の図12に鎖線円で囲んで示し
たA部の詳細を示し、部分的に切断して描いた拡大図で
ある。前記のユニバーサルジョイント付プーリ16は、
ミラーボデー3に対して回転可能に取り付けられた回転
軸16aと、該回転軸に固着されたプーリ16bと、上
記プーリ16bに取り付けられたユニバーサルジョイン
ト16cとから成り、該ユニバーサルジョイント16c
は先に図12について述べた伝動軸15に連結されてい
る。上記のプーリ16bは、前掲の図12に示した伝動
ベルト17を巻回されて、これを駆動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(図12参照)ミラーボデー3が球継手2を中心として
傾動する構造である場合は、該ミラーボデー3とミラー
ハウジング12との間に間隙Gを設けておかねばならな
いので、該ミラーハウジング12内へ異物が侵入する虞
れが有る。また、ミラーボデー3が傾動しない構造であ
ってもミラーハウジング内に異物が侵入する虞れが無い
とは言い切れない。ミラーハウジングの中へ、例えば比
較的大きい砂粒のような異物が侵入して周回ベルト26
とプーリとの間に噛み込むとトラブルを生じる。例えば
図6において周回ベルト26がコグベルトないしタイミ
ングベルト(歯付ベルト)である場合、侵入した異物が
周回ベルト26の歯の間に挟み込まれる虞れも有る。例
えば図8において、アイドラプーリ25が溝形のプーリ
であり、駆動プーリ22が歯車形のプーリである場合に
ついて考えると、周回ベルト26とアイドラプーリ25
との間に噛み込んだ異物は通過し得ても、周回ベルト2
6と駆動プーリ22との間に異物が噛み込むとロックさ
れ、駆動モータ(図外)が焼損する危険性が大きい。噛
み込みは砂粒に限らず、寒冷時には氷片が噛み込まれる
虞れも有る。図14は周回ベルトの上に乗った異物が該
周回ベルトと一緒に周回動してプーリとの間に噛み込ま
れる状態を描いた模式的な斜視図である。本発明は上述
の事情に鑑みて為されたものであって、周回ベルトとプ
ーリとの間に異物が噛み込まれることを防止したストリ
ング式のワイパ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的(異物の噛み
込み防止)を達成するために創作した本発明の基本的な
原理を、その実施例に対応する図1を参照して略述する
と次のごとくである。周回ベルト41に多数の透孔41
aが等間隔で、該周回ベルトの周方向に列設されてい
る。この孔明き周回ベルト41は、歯付きプーリ43に
巻き掛けられ、該歯付きプーリの歯が前記の透孔41a
に噛合している。これにより、孔明き周回ベルト41に
付着していて歯付きプーリ43との間に挟み込まれそう
になった異物は前記の透孔41aを通って落下せしめら
れる。上述の原理に基づく本発明のワイパ装置の構成
は、ミラー本体に固着されたミラーボデーに複数個のプ
ーリが配設されており、上記複数個のプーリに無端環状
の周回ベルトが巻き掛けられており、上記ミラー本体の
表面付近に移動可能に配置されたストリングの1端が前
記周回ベルトに取り付けられるとともに該ストリングの
他端がテンショナに取付けられて、繰り出し・引き込み
自在に張力を与えられているワイパ装置であって、前記
の周回ベルトは屈伸自在な無端環状の帯状部材であっ
て、その内周面と外周面とを連通する多数の透孔が設け
られており、かつ、前記複数個のプーリの内の少なくと
も1個は歯付きプーリであって上記の透孔に噛合する構
造であり、異物が周回ベルトの内周側に付着して、該周
回ベルトと歯付きプーリとの間に噛み込まれたとき、該
歯付きプーリの歯先付近に押動されて前記透孔を通過
し、周回ベルト外周側に排出されるようになっているこ
とを特徴とする。本発明においてプーリとは、無端環状
のベルトを巻き掛けられる輪状の部材を言い、フランジ
付きのものや歯付きのものが有る。歯付きプーリはスプ
ロケットに類似する機能を果たすことのできる部材であ
る。
【0009】
【作用】上述の手段によると、周回ベルトの内,外周面
を連通する透孔が設けられているので、この透孔よりも
小さい異物はベルトの内周面を外周面との間を移動する
ことができる。そして、周回ベルトの外周側に付着して
いる異物は別段のトラブルを誘発する虞れが無いのに比
して、該周回ベルトの内周側に付着した異物はプーリと
の間に噛み込まれて種々のトラブル(払拭作用の阻害、
駆動モータの焼損、伝動部材の破損)を招く虞れが有
る。上述のように周回ベルトに透孔が設けられている
と、該周回ベルトの内周側に付着していた異物が周回ベ
ルトと共に周回動して歯付きプーリに差しかかると、該
歯付きプーリの歯先部に押されて透孔を通過せしめら
れ、外周側に排出されて無害な状態となり、異物の噛み
込みに因るトラブルが防止されるので、ストリング式ワ
イパ装置の作動信頼性、および耐久性が格段に向上す
る。
【0010】
【実施例】次に、図1ないし図4を順次に参照しつつ、
本発明の実施例を説明する。図1は本発明に係る異物の
噛み込みを防止したストリング式ワイパ装置の1実施例
における要部を示し、孔あき周回ベルトが歯付きプーリ
に巻き掛けられている状態を模式的に描いた断面図であ
って、異物が排出される作用を表している。図2は上掲
の図1に描かれている構成部分に異物が付着していない
状態の模式的な外観図である。本実施例の周回ベルト4
1は、その周方向に、多数の透孔41aが等間隔に、全
周にわたって設けられており、上記の孔あき周回ベルト
41は歯付きプーリ43に巻き掛けられている。歯付き
プーリ43は円弧矢印r方向に回転し、孔あき周回ベル
ト41は矢印m,n方向に周回している。これに伴い、
歯付きプーリ43の多数の歯43aは前記の透孔41a
と噛合し、歯付きプーリ43の周速と孔あき周回ベルト
41の線速とが一致した状態で、滑りを生じることなく
伝動される。(図1参照)孔あき周回ベルト41の上に
異物42が乗った形に付着すると、該孔あき周回ベルト
41と一緒に矢印uのごとく移動し、歯付きプーリ43
の歯先で押されて透孔41aを通過して矢印vのように
落下し、噛み込みが防止される。図3は前記と異なる実
施例を示したもので、前掲の図1,図2の実施例におけ
る孔あき周回ベルトに対応するチェンタイプ周回ベルト
の一部分を描いた外観斜視図である。この実施例は、多
数のリンク44aが繋ぎ合わされて無端環状のチェーン
タイプ周回ベルトが構成されている。このように構成し
ても、周回ベルトの内周側と外周側とを連通する透孔が
形成され、これらの透孔に歯付きプーリの歯が噛合して
異物を通過させるので、前記実施例におけると同様の作
用が行なわれる。
【0011】上記のようにして異物が侵入して周回ベル
トの上に乗っても、該異物は歯付きプーリの歯先に押さ
れ、透孔を通って自動的に排出されるので、周回ベルト
のロックに因る払拭作動の停止や、駆動プーリのロック
に因る駆動モータの過負荷,焼損が未然に防止され、ワ
イパ装置の作動信頼性および耐久性が向上する。図4は
本実施例におけるストリングを周回ベルトに係着するた
めの継手ブラケットを示し、(A)は分解斜視図、
(B)は組立途中の状態の斜視図、(C)は組立完了状
態の斜視図である。この図4に示した継手ブラケット
は、図9に示した先願の発明における継手ブラケット3
2dに対応する構成部分である。(図4(A)参照)本
例の孔あき周回ベルト41には、周方向と直交する透孔
41bが設けられており、一方、針金状の材料を曲げ成
形した継手環43が構成される。上記継手環の脚状部を
矢印hのごとく前記の透孔41bに挿入して同図(B)
の状態とし、上記脚状部の先端を透孔から突出させて矢
印iのごとく折り曲げると同図(C)のようになる。こ
の状態で継手環43は往復円弧矢印j−j′のように首
振り状の回動が自在であるから、これにストリングの1
端を取り付けるに好適である。図4(C)に示した32
cは、図9(先願の発明)について説明した球継手の球
である。
【0012】
【発明の効果】本発明を適用すると、ミラー本体面を払
拭するための部材としてストリングを用いているので、
(a)払拭部材であるストリングとミラー本体の面との
接触面積が小さい上に、従来例におけるワイパアームの
ように往復動をする大形大重量部材を有しないのでワイ
パ装置駆動部の駆動力が小さくて済み、(b)ワイパア
ームのように往復動する重量部材が無いので、駆動系に
ガタもしくはバックラッシが有っても異音を発生する虞
れが無く、(c)払拭部材であるストリングがミラー本
体の面に対して均等に押しつけられるのでジャダーが発
生し難く、(d)ミラー本体の面が複雑な凸曲面であっ
ても、払拭部材であるストリングは該ミラー本体の面に
順応して密着し、確実な払拭作用を果たし、(e)払拭
部材であるストリングは細い部材である上に、その色調
を選択し得るので外観に目立たなくすることができる。
しかも本発明装置は、周回ベルトの内,外周面を連通す
る透孔が設けられているので、この透孔よりも小さい異
物はベルトの内周面を外周面との間を移動することがで
きる。そして、周回ベルトの外周側に付着している異物
は別段のトラブルを誘発する虞れが無いのに比して、該
周回ベルトの内周側に付着した異物はプーリとの間に噛
み込まれて種々のトラブル(払拭作用の阻害、駆動モー
タの焼損、伝動部材の破損)を招く虞れが有る。上述の
ように周回ベルトに透孔が設けられていると、該周回ベ
ルトの内周側に付着していた異物が周回ベルトと共に周
回動して歯付きプーリに差しかかると、該歯付きプーリ
の歯先部に押されて透孔を通過せしめられ、外周側に排
出されて無害な状態となり、異物の噛み込みに因るトラ
ブルが防止されるので、ストリング式ワイパ装置の作動
信頼性、および耐久性が格段に向上するという優れた実
用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異物の噛み込みを防止したストリ
ング式ワイパ装置の1実施例における要部を示し、孔あ
き周回ベルトが歯付きプーリに巻き掛けられている状態
を模式的に描いた断面図であって、異物が排出される作
用を表している。
【図2】上掲の図1に描かれている構成部分に異物が付
着していない状態の模式的な外観図である。
【図3】前記と異なる実施例を示したもので、前掲の図
1,図2の実施例における孔あき周回ベルトに対応する
チエンタイプ周回ベルトの一部分を描いた外観斜視図で
ある。
【図4】本実施例におけるストリングを周回ベルトに係
着するための継手ブラケットを示し、(A)は分解斜視
図、(B)は組立途中の状態の斜視図、(C)は組立完
了状態の斜視図である。
【図5】従来例に係るワイパ装置を備えた車両用アウト
サイドミラーの正面外観図である。
【図6】未公知の先願考案に係るミラー用ワイパ装置の
1実施例を示し、一部を破断して描いた正面図である。
【図7】上記実施例におけるストリングの両端部を示す
模式的な断面図であって、(A)は該ストリングの1端
が周回ベルトに取り付けられている状態を描き、(B)
は上記ストリングの他端がテンショナに取り付けられて
張力を与えられている状態を描いてある。
【図8】先願の発明のストリング式ワイパ装置の1実施
例を示し、部分的に破断して描いた正面図である。
【図9】上掲の図8に示した実施例に設けられているス
トリングテンショナのC−C断面矢視図である。
【図10】前掲の図9に示されている構成部材の中で、
ストリングを巻き込んで張力を与える作用に関与する主
要部材を抽出して描いた分解斜視図である。
【図11】上記実施例の作用効果を説明するために示し
たもので、(A)は先願に係るストリング式ワイパに用
いられているコイルスプリングにおけるストリング巻き
込み長さとストリング張力(すなわちバネ荷重)との関
係を示す図表であり、(B)は本発明に用いられるゼン
マイスプリングにおけるストリング巻き込み長さとスト
リング張力(バネ荷重)との関係を示す図表である。
【図12】リモートコントロール式のアウトサイドミラ
ーにストリング式のワイパ装置を装着した場合の、該ワ
イパ装置駆動系統を示し、ミラー本体に垂直な面による
断面図である。
【図13】上掲の図12に鎖線円で囲んで示したA部の
詳細を示し、部分的に切断して描いた拡大図である。
【図14】周回ベルトの上に乗った異物が該周回ベルト
と一緒に周回動してプーリとの間に噛み込まれる状態を
描いた模式的な斜視図である。
【符号の説明】
3…ミラーボデー、4…ミラー本体、12…ミラーハウ
ジング、17…伝動ベルト、20…庇状部、22…駆動
用のプーリ、23…ミラーベース、24…ワイパアー
ム、25…アイドラプーリ、26…周回ベルト、27,
27′…ストリング、27a,27a′…ストリングの
一端、27b…ストリングの他端、27c…ストリング
のストロークエンド、28…テンショナ、28a…管
路、28b…テンショナコイルスプリング、28c…テ
ンショナ入口、29…ワイパブレード、33a…駆動歯
車、33b,33c…中間歯車、33d…被動歯車、3
5…ストリングテンショナ、35a…ストリング巻き取
りドラム、35b…ドラム軸、35c…ドラムカバー、
35d…ゼンマイスプリング、35e…切割り、41…
孔あき周回ベルト、41a…周方向に列設された透孔、
41b…継手環取付けのための透孔、42…周回ベルト
に乗った異物、42′…プーリに噛み込まれる異物、4
2″…排出された異物、43…歯付きプーリ、43a…
歯。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラー本体に固着されたミラーボデーに
    複数個のプーリが配設されており、上記複数個のプーリ
    に無端環状の周回ベルトが巻き掛けられており、上記ミ
    ラー本体の表面付近に移動可能に配置されたストリング
    の1端が前記周回ベルトに取り付けられるとともに該ス
    トリングの他端がテンショナに取付けられて、繰り出し
    ・引き込み自在に張力を与えられているワイパ装置であ
    って、 前記の周回ベルトは屈伸自在な無端環状の帯状部材であ
    って、その内周面と外周面とを連通する多数の透孔が設
    けられており、かつ、前記複数個のプーリの内の少なく
    とも1個は歯付きプーリであって上記の透孔に噛合する
    構造であり、 異物が周回ベルトの内周側に付着して、該周回ベルトと
    歯付きプーリとの間に噛み込まれたとき、該歯付きプー
    リの歯先付近に押動されて前記透孔を通過し、周回ベル
    ト外周側に排出されるようになっていることを特徴とす
    る、異物の噛み込みを防止したストリング式のワイパ装
    置。
JP6093410A 1994-05-02 1994-05-02 異物の噛み込みを防止したストリング式のワイパ装置 Pending JPH07300060A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113386672A (zh) * 2021-08-03 2021-09-14 西安电子科技大学芜湖研究院 一种带有自动遮挡罩的汽车后视镜

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