JPH07269665A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JPH07269665A
JPH07269665A JP6064059A JP6405994A JPH07269665A JP H07269665 A JPH07269665 A JP H07269665A JP 6064059 A JP6064059 A JP 6064059A JP 6405994 A JP6405994 A JP 6405994A JP H07269665 A JPH07269665 A JP H07269665A
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JP
Japan
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clutch
piston
centrifugal
chamber
centrifugal balance
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JP6064059A
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Inventor
Koichi Yamamoto
宏一 山本
Yushun Mukai
雄俊 向井
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2つのクラッチを径方向における内側と外側
とに互いに重合するように配置し、両クラッチに遠心バ
ランス機構を設けた場合について、外側のクラッチにお
いても、ピストン油圧室に発生する遠心油圧に対して十
分にバランスし得る遠心バランス機構を付与する。 【構成】 径方向における内側に配設された第1クラッ
チC1と外側に配設された第3クラッチC3とを径方向
について重合するように配置し、上記各クラッチのピス
トン51,71に対して、各ピストン油圧室55,75の
反対側に、遠心バランス室56,76を構成する隔壁5
7,77をそれぞれ設けるとともに、第1クラッチのピ
ストン51とクラッチドラム52とに第3クラッチの遠
心バランス室に連通する油路51h,52hを設け、該油
路を介して、第1クラッチの遠心バランス室と第3クラ
ッチの遠心バランス室とを連通させたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動力伝達系に設けら
れた遊星歯車機構と該遊星歯車機構の動力伝達経路を切
り換える摩擦要素とを備えた自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車等の車両の自動変
速機には、一般に、エンジン出力軸のトルクを変速してタ
ービンシャフトに伝達するトルクコンバータと、上記タ
ービンシャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝
達する変速装置(変速歯車機構)とが設けられており、該
変速歯車機構は、通常、サンギヤ,ピニオンギヤ,リング
ギヤ及びキャリア等を備えた所謂プラネタリギヤで構成
されている。そして、かかる変速歯車機構には、所定の
ギヤないしキャリアへのトルクの伝達をオン・オフする
ための摩擦要素としてクラッチが組み込まれている。ま
た、該油圧クラッチ装置以外にも、所定のギヤないしキ
ャリアを固定または解放するブレーキ等の各種摩擦要素
が設けられ、油圧機構を用いてこれら各摩擦要素のオン
・オフパターンを切り替えることにより、段階的に変速
段を切り替えて変速を行なうことができるようになって
いる。
【0003】かかる自動変速機の構造に関して、従来よ
り、比較的互いに接近した位置にある2つのクラッチど
うしについて、両者を径方向における内側と外側とに互
いに重合するように配置することにより、クラッチ回り
の特に軸方向についてコンパクト化が図れることが知ら
れている。
【0004】ところで、自動変速機のクラッチとしてと
して、二つの部材間に設けられた摩擦板と、該摩擦板に
対向して配置された油圧駆動のピストンとを備え、該ピ
ストンの背面側(上記摩擦板と反対側)に形成された油圧
室の圧力を制御して該ピストンを上記摩擦板に対して進
退動させることにより、ピストンによる摩擦板の押圧お
よび両者の離間を制御し、クラッチの締結/解放を制御
するようにした油圧クラッチ装置は、一般に広く用いら
れている。かかる油圧式のクラッチ装置では、ピストン
で摩擦板を押圧してクラッチを締結する際にピストン油
圧室に所定の圧力値の油圧が供給されるが、動力伝達軸
の回転に伴ってクラッチ装置が回転させられると、ピス
トン油圧室内のオイルに遠心力が作用して遠心油圧が発
生し、該油圧室の圧力が設定値を越えて過度に上昇する
など、クラッチの締結力を好適に制御する上で不利に作
用するという問題がある。
【0005】この問題に関して、ピストンの油圧室と反
対側(つまりピストンと摩擦板との間)に、該油圧室と外
径ができるだけ等しい遠心油圧相殺用の油室(所謂、遠
心バランス室)を設け、この遠心バランス室に特に加圧
しない状態でオイルを貯えることにより、上記クラッチ
回転時には、ピストン油圧室だけでなく上記遠心バラン
ス室側においても同レベルの遠心油圧を発生させるよう
にすることが知られている(例えば、特開平5−231
485号公報参照)。かかる構成を採用することによ
り、上記両油室に発生した遠心油圧が互いに打ち消し合
うようにすることができ、上記ピストン油圧室の圧力が
設定値を越えて過度に上昇する等の不具合の発生を有効
に防止し、クラッチ装置の締結力をより精確に制御する
ことが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、2つのクラッチを径方向における内側と外側と
に互いに重合するように配置した構造では、各クラッチ
に上記遠心バランス室を設けた場合、外側のクラッチに
ついては、遠心バランス室に発生する遠心油圧をピスト
ン油圧室に発生する遠心油圧に対して十分にバランスさ
せることが難しいという問題がある。すなわち、外側ク
ラッチの場合、そのピストン油圧室と反対側に形成され
る遠心油圧室は、通常、内側クラッチのクラッチドラム
及びピストンでその内側が仕切られており、一方、ピス
トン油圧室は、内側クラッチのクラッチドラムを貫通す
る油路からオイルが供給されている。
【0007】周知のように、遠心油圧は、通常、その回
転中心を基点(遠心油圧0(零))として、この回転中心か
らの距離に応じた大きさで発生するが、回転中心から離
れた途中部でも大気と接する箇所(例えば漏れ箇所)があ
れば、この箇所では遠心油圧は0より大きく、これより
回転中心側は遠心油圧が生じない。そして、上記外側ク
ラッチが回転した場合、この外側クラッチについては、
遠心バランス室側では、当該遠心バランス室の内径側
が、通常、内側クラッチのクラッチドラムで仕切られる
関係上、その内径位置より外側で遠心油圧が作用するも
のとなるのに対して、ピストン油圧室側では、当該ピス
トン油圧室がそれより内側の油路に連通している関係
上、遠心油圧0の基点はピストン油圧室の内径部よりも
内側(例えば、上記油路が回転中心まで連通している場
合には回転中心)に位置することとなり、その内径位置
より回転中心側においても遠心油圧が発生する。従っ
て、遠心バランス室に発生する遠心油圧をピストン油圧
室に発生する遠心油圧に対して十分にバランスさせるこ
とができなかった。
【0008】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、2つのクラッチを径方向における内側と外側と
に互いに重合するように配置し、両クラッチに遠心バラ
ンス機構を設けた場合について、外側のクラッチにおい
ても、ピストン油圧室に発生する遠心油圧に対して十分
にバランスし得る遠心バランス機構を付与することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、動力伝達系に設けられた遊星歯車機構と該遊星
歯車機構の動力伝達経路を切り換える摩擦要素とを備え
た自動変速機において、上記摩擦要素として、径方向に
おける比較的内側に配設された内側クラッチと、径方向
における比較的外側に配設された外側クラッチとを径方
向について重合するように配置し、上記各クラッチのピ
ストンに対して、各ピストン油圧室の反対側に、該ピス
トン油圧室で発生する遠心油圧を相殺する遠心バランス
室を構成する隔壁をそれぞれ設けるとともに、上記内側
クラッチのピストンとクラッチドラムとに上記外側クラ
ッチの遠心バランス室に連通する油路を設け、該油路を
介して、上記内側クラッチの遠心バランス室と外側クラ
ッチの遠心バランス室とを連通させたものである。
【0010】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記外側クラッチの遠心バランス室を構成
する隔壁の内径部と、上記内側クラッチのクラッチドラ
ムの外径部との間にシール部材を配設したことを特徴と
したものである。
【0011】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記内側ク
ラッチのピストンとクラッチドラムとに上記外側クラッ
チの遠心バランス室に連通する油路を設け、該油路を介
して、上記内側クラッチの遠心バランス室と外側クラッ
チの遠心バランス室とを連通させたので、外側クラッチ
回転時、外側クラッチの遠心バランス室に発生する遠心
油圧0の基点を、当該外側クラッチの内径位置よりも内
側(内側クラッチの遠心バランス室への油路が回転中心
まで連通している場合には回転中心)に位置させること
が可能になる。従って、上記外側クラッチにおいても、
遠心バランス室に発生する遠心油圧をピストン油圧室に
発生する遠心油圧に対して十分にバランスさせることが
可能となり、当該外側クラッチのピストン油圧室の圧力
が設定値を越えて過度に上昇する等の不具合の発生を有
効に防止し、クラッチ装置の締結力をより精確に制御す
ることができるようになる。しかも、この場合におい
て、上記外側クラッチのピストン油圧室と遠心バランス
室との遠心油圧のバランスを、上記内側クラッチの遠心
バランス室を利用して行うことができ、遠心バランス室
の径を大きくすることなく比較的コンパクトな構成で、
外側クラッチの高精度な遠心バランスを達成することが
できる。
【0012】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、上記外側クラッチの遠心バランス
室を構成する隔壁の内径部と、上記内側クラッチのクラ
ッチドラムの外径部との間にシール部材を配設したの
で、外側クラッチの上記隔壁の内径部から油圧オイルが
漏れることにより、この漏れ部分から外側で遠心油圧が
作用することとなって、上記外側クラッチの遠心バラン
ス室内で生じる遠心油圧が、全体として低いものとなる
ことを確実に防止できる。すなわち、上記外側クラッチ
について、ピストン油圧室内で発生する遠心油圧と、こ
のピストンに対する遠心バランス室で生じる遠心油圧と
を、より確実に精度良くバランスさせることができ、上
記外側クラッチの締結力をより精確に制御することがで
きるようになる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1に示すように、本実施例に係
る自動変速機ATは、その主要構成部としてトルクコン
バータ10と変速装置Tmとを備え、エンジン出力軸1
のトルクをトルクコンバータ10と上記変速装置Tmと
で変速し、変速装置出力軸7を介して出力部8から出力
するようになっている。上記トルクコンバータ10は、
エンジン出力軸1に連結されたコンバータケース18内
に固設されたポンプ12と、該ポンプ12から吐出され
る作動油によって回転駆動されるタービン13と、該タ
ービン13からポンプ12に還流する作動油をポンプ1
2の回転が促進される方向に整流するステータ14とを
主要部として構成され、上記ポンプ12とタービン13
の回転差に応じた変速比でエンジン出力軸1のトルクを
変速し、上記タービン13に連結されて自動変速装置A
Tの入力軸をなすタービンシャフト11に伝達するよう
になっている。
【0014】また、上記トルクコンバータ10には、燃
費性能を高めるために、所定の運転領域でエンジン出力
軸1とタービンシャフト11とを直結させるロックアッ
プクラッチ17が設けられている。このロックアップク
ラッチ17は、タービン13とコンバータケース18と
の間に設けられ、締結時(ロックアップ時)には、上記コ
ンバータケース18を介してエンジン出力軸1とタービ
ンシャフト11とを直結し、トルクコンバータ10を介
することなく両者間で直接にトルク伝達が行なわれるよ
うにするものである。尚、本実施例において 「変速比」
は 「トルク比」 を意味するものとする。
【0015】一方、変速装置Tmには、図2にその内部
構造の具体例を示すように、第1および第2の二組の遊
星歯車機構20及び30が設けられており、第1遊星歯
車機構20のキャリヤ24と第2遊星歯車機構30のリ
ングギヤ33とが出力軸7を介して一体に連結されてい
る。尚、この出力軸7の端末側には、変速装置Tmの出
力部としてのカウンタドライブギヤ8が形成されてい
る。また、第1遊星歯車機構20のリングギヤ23と第
2遊星歯車機構30のキャリヤ34とが一体に連結され
ている。
【0016】上記第1遊星歯車機構20のサンギヤ21
とタービンシャフト11(変速装置Tmへの入力軸)との
間には、所謂フォワードクラッチとしての第1クラッチ
C1が、また、上記第2遊星歯車機構30のサンギヤ3
1とタービンシャフト11との間には、所謂リバースク
ラッチとしての第2クラッチC2が、更に、第1遊星歯
車機構20のリングギヤ23とタービンシャフト11と
の間には、所謂3/4クラッチとしての第3クラッチC
3が、それぞれ配置されている。
【0017】上記第2遊星歯車機構30のサンギヤ31
は、一端がタービンシャフト11に対して回転自在に嵌
合されたドラム状の中間部材(中間ドラム41)の他端側
に結合されており、この中間ドラム41の外側には、所
謂2-4ブレーキとしてのバンド状の第1ブレーキB1
が配設されている。また、第2遊星歯車機構30のキャ
リヤ34と変速装置Tmのケース3との間には、所謂ワ
ンウェイクラッチでなる第4クラッチC4と、所謂ロー
・アンド・リバースブレーキとしての第2ブレーキB2
とが配置されている。
【0018】上記各クラッチC1〜C4及び各ブレーキ
B1,B2の摩擦要素は、第4クラッチC4(ワンウェイ
クラッチ)および第1ブレーキB1(バンドブレーキ)を
除いては、図2から良く分かるように、例えば、多数の
摩擦板を交互に積層配置してなる摩擦板積層体と、この
摩擦板積層体に対して略直角方向にスライドさせられる
油圧駆動のピストン部材とを組み合わせて構成され、こ
のピストンを駆動させる油圧を制御することにより、各
摩擦要素の締結/解除を選択的に行うことができるよう
になっている。
【0019】以上の構成により、変速装置Tmの二組の
遊星歯車機構20,30の動力伝達経路が、変速装置Tm
内の各種摩擦要素(つまり、各クラッチC1〜C4およ
び各ブレーキB1,B2)の選択的作動によって切り換え
られ、エンジン出力軸1からの伝達動力が運転状態に応
じて変速された上で自動変速装置ATの出力部8(カウ
ンタドライブギヤ)に伝達され、このカウンタドライブ
ギヤ8から、中間軸9を介してデファレンシャル装置D
Fに入力されるようになっている。
【0020】この場合において、上記変速装置Tm内の
各摩擦要素(各クラッチC1〜C4及び各ブレーキB1,
B2)は、自動変速機ATの変速モード(第1速〜第4速
および後退)に応じて、表1に示すようなパターンに従
って、そのON(締結)/OFF(解放)が切り換えられる
ように設定されている。すなわち、上記自動変速機AT
において、各クラッチC1〜C4及び各ブレーキB1,
B2について、表1に示すようなパターンに従ってON
/OFFの切換を行うことにより、自動変速機AT全体
として、前進4段および後退の変速段が得られる。尚、
表1において、○印はクラッチ又はブレーキがON(締
結)されることを示している。
【0021】
【表1】
【0022】本実施例では、図3に詳しく示すように、
第1,第2および第3クラッチC1,C2およびC3の3
つのクラッチが互いに比較的接近した位置に設けられ、
このうち、第1クラッチC1(フォワードクラッチ)が径
方向において最も内側に配設されている。一方、第2ク
ラッチC2(リバースクラッチ)は、比較的径の大きい大
径ピストン61を有し、径方向における最も外側に配設
されている。また、第3クラッチC3(3/4クラッチ)
は、上記第1クラッチC1よりも径方向における外側に
配設され、上記第2クラッチC2の大径ピストン61の
内側に位置する比較的径の小さい小径ピストン71を有
している。この小径ピストン71は、上記大径ピストン
61に対し径方向について重合するように配置されてい
る。更に、上記第2クラッチC2よりも外側に位置する
中間ドラム41の外側には、バンドブレーキで構成され
た第1ブレーキB1(2−4ブレーキ)が配置されてい
る。
【0023】つまり、この大径ピストン61と小径ピス
トン71とで、外側に比較的径の大きい大径ピストン6
1を、その内側に比較的径の小さい小径ピストン71を
配設した、所謂、ダブルピストン構造が構成されてい
る。そして、このダブルピストン構造の径方向における
内側に、第1クラッチC1が径方向について重合するよ
うに配設されている。かかる配置構造を採用したことに
より、3つのクラッチC1,C2,C3をレイアウトする
に際して、クラッチ回りの構造をコンパクト化すること
ができる。
【0024】本実施例では、より好ましくは、第2クラ
ッチC2と第3クラッチC3とで構成されるダブルピス
トン構造の部分は、上記第1クラッチC1よりも径方向
における外側に位置しているので、3つのクラッチC
1,C2,C3を互いに比較的接近して配置するに際し
て、従来、ダブルピストン構造の両クラッチを内側に、
その外側に第3のクラッチを配設した場合のように、軸
方向に長いダブルピストン構造の部分が、隣接する遊星
歯車機構20の側方に位置することはなくなる。すなわ
ち、例えば、遊星歯車機構20のキャリヤ24回りの部
材との干渉を避けるために軸方向スペースを特に大きく
確保する必要がなくなり、自動変速機AT全体の軸方向
長さをより短縮することができる。
【0025】また、本実施例では、より好ましくは、上
記第2クラッチC2が、上記遊星歯車機構20の外側に
おいて、該遊星歯車機構20に対し径方向に重合するよ
うに配置されている。このように、最も外側に位置する
第2クラッチC2と、上記ダブルピストン構造の部分に
隣接する遊星歯車機構20との位置関係を上記のように
設定することにより、クラッチ回りの構造を上記第2ク
ラッチC2の軸方向長さ分だけ短縮することができる。
すなわち、自動変速機ATの軸方向長さをより一層短く
することができるようになる。
【0026】尚、本実施例では、より好ましくは、ダブ
ルピストン構造を設けるに際して、同時に締結されるこ
とのない2つのクラッチC2,C3を組み合わせてダブ
ルピストン構造が形成されており、かかるダブルピスト
ン構造としたことにより、各クラッチC2,C3の締結
特性が悪影響を受けることが防止されている。また、よ
り好ましくは、上記ダブルピストン構造では、高速段
(高回転)で締結されることのない第2クラッチC2(リ
バースクラッチ)が外側に配設されており、回転時の遠
心力がクラッチの締結特性に影響を及ぼすことを回避す
るように配慮されている。
【0027】更に、本実施例では、上記第2クラッチC
2よりも径方向における外側に配設された第1ブレーキ
B1は、より好ましくは、バンドブレーキで構成されて
いる。ダブルピストン構造部分の径方向における内側
に、径方向について重合するように更にクラッチ(第1
クラッチC1)を配設したことにより、通常であれば自
動変速機ATの径方向寸法はかなり大きくなるが、上記
ダブルピストン構造部分の更に外側にブレーキB1を配
設した場合でも、このブレーキB1をバンドブレーキで
構成したので、自動変速機ATの径方向寸法が極端に大
きくなることを極力抑制することができる。尚、上記第
3クラッチC3の摩擦板積層体73は、より好ましく
は、第2クラッチC2のピストン61の内周部に取り付
けられている。つまり、第2クラッチC2のピストン6
1が、第3クラッチC3のクラッチドラムを兼ねてい
る。かかる構成とすることにより、自動変速機ATの径
方向の拡大をできるだけ抑制することができる。
【0028】本実施例では、径方向における内側と外側
に互いに径方向について重合するように配置された第1
および第3クラッチC1,C3について、これら各クラ
ッチC1,C3のピストン51,71に対して、各ピスト
ン油圧室55,75の反対側に、該ピストン油圧室55,
75で発生する遠心油圧を相殺する遠心バランス室5
6,76を構成する隔壁57,77がそれぞれ設けられて
いる。これら隔壁57,77の外側端部にはシール部材
57a,77aが装着されている。また、上記各遠心バラ
ンス室56,76には、各ピストン51,71をそのピス
トン油圧室55,75側に付勢するリターンスプリング
58,78が装着されている。尚、上記各ピストン油圧
室55,75には、オイルポンプカバーに設けられたオ
イル供給孔11hに連通する油路55h,75hからそれぞ
れオイルが供給される。また、第2クラッチC2のピス
トン油圧室65には、上記第1クラッチC1のピストン
油圧室55への油路55h及び、上記第3クラッチC3
のピストン油圧室75への油路75hと干渉することが
ないように独立して設けられた油路65hからオイルが
供給される。
【0029】また、本実施例では、内側に位置する第1
クラッチC1のピストン51とクラッチドラム52と
に、その外側に位置する第3クラッチC3の遠心バラン
ス室56に連通する油路51h,52hを設け、該油路5
1h,52hを介して、上記第1クラッチC1の遠心バラ
ンス室56と第3クラッチC3の遠心バランス室76と
を連通させるようにしている。かかる構成を採用するこ
とにより、第3クラッチC3が回転した際、該第3クラ
ッチC3の遠心バランス室76に発生する遠心油圧0の
基点を、当該第3クラッチC3の遠心バランス室76の
内径位置よりも内側(第1クラッチC1の遠心バランス
室56への油路が回転中心まで連通している場合には回
転中心)に位置させることが可能になる。
【0030】従って、外側に位置する第3クラッチC3
においても、遠心バランス室76に発生する遠心油圧を
ピストン油圧室75に発生する遠心油圧に対して十分に
バランスさせることが可能となり、当該第3クラッチC
3のピストン油圧室75の圧力が設定値を越えて過度に
上昇する等の不具合の発生を有効に防止し、クラッチ装
置C3の締結力をより精確に制御することができるよう
になる。しかも、この場合において、外側に位置する第
3クラッチC3のピストン油圧室75と遠心バランス室
76との遠心油圧のバランスを、内側に位置する第1ク
ラッチC1の遠心バランス室56を利用して行うことが
でき、遠心バランス室の径を大きくすることなく比較的
コンパクトな構成で、第3クラッチC3の高精度な遠心
バランスを達成することができるのである。
【0031】また、更に、本実施例では、外側に位置す
る第3クラッチC3の遠心バランス室76を構成する隔
壁77の内径部と、内側に位置する第1クラッチC1の
クラッチドラム52の外径部との間にシール部材77b
が配設されている。かかるシール部材77bを設けるこ
とにより、第3クラッチC3の遠心バランス室76の内
径部から油圧オイルが漏れることにより、この漏れ部分
から外側で遠心油圧が作用することとなって、上記第3
クラッチC3の遠心バランス室76内で生じる遠心油圧
が、全体として低いものとなることを確実に防止でき
る。すなわち、上記第3クラッチC3について、ピスト
ン油圧室75内で発生する遠心油圧と、このピストン7
1に対する遠心バランス室76で生じる遠心油圧とを、
より確実に精度良くバランスさせることができ、上記第
3クラッチC3の締結力をより精確に制御することがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機のトルク伝
達系統を示すスケルトン図である。
【図2】 上記自動変速機の変速装置の縦断面説明図で
ある。
【図3】 上記変速装置の要部を拡大して示す縦断面説
明図である。
【符号の説明】
20…第1遊星歯車機構 30…第2遊星歯車機構 51…第1クラッチのピストン 51h…油路 52…第1クラッチのクラッチドラム 52h…油路 55…第1クラッチのピストン油圧室 56…第1クラッチの遠心バランス室 57…第1クラッチの隔壁 71…第3クラッチのピストン(小径ピストン) 75…第3クラッチのピストン油圧室 76…第3クラッチの遠心バランス室 77…第3クラッチの隔壁 77b…第3クラッチの隔壁のシール部材 AT…自動変速機 C1…第1クラッチ C3…第3クラッチ Tm…変速装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力伝達系に設けられた遊星歯車機構と
    該遊星歯車機構の動力伝達経路を切り換える摩擦要素と
    を備えた自動変速機において、 上記摩擦要素として、径方向における比較的内側に配設
    された内側クラッチと、径方向における比較的外側に配
    設された外側クラッチとを径方向について重合するよう
    に配置し、上記各クラッチのピストンに対して、各ピス
    トン油圧室の反対側に、該ピストン油圧室で発生する遠
    心油圧を相殺する遠心バランス室を構成する隔壁をそれ
    ぞれ設けるとともに、上記内側クラッチのピストンとク
    ラッチドラムとに上記外側クラッチの遠心バランス室に
    連通する油路を設け、該油路を介して、上記内側クラッ
    チの遠心バランス室と外側クラッチの遠心バランス室と
    を連通させたことを特徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 上記外側クラッチの遠心バランス室を構
    成する隔壁の内径部と、上記内側クラッチのクラッチド
    ラムの外径部との間にシール部材を配設したことを特徴
    とする請求項1記載の自動変速機。
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