JP2015124841A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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平井 信行
Nobuyuki Hirai
信行 平井
祥広 前田
Yoshihiro Maeda
祥広 前田
雅路 山口
Masaji Yamaguchi
雅路 山口
芳充 兵藤
Yoshimitsu Hyodo
芳充 兵藤
土田 建一
Kenichi Tsuchida
建一 土田
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Abstract

【課題】フェールセーフバルブに正常時に同時係合する係合要素の数より更に1つ以上多い数の油圧が入力された場合であっても、フェール時にのみ適切にフェール位置に切り換わることが可能なフェールセーフバルブを備える自動変速機の油圧制御装置を提供する。【解決手段】フェールセーフバルブ51のスプールは、油圧PSL3により受圧される第1の受圧面51p1と、油圧PSL6により受圧される第2の受圧面51p2と、ライン圧PLにより受圧される第3の受圧面51p3と、ライン圧PLにより受圧される第4の受圧面51p4と、を備え、各受圧面の面積の関係を以下とする。第4の受圧面の面積≧第1の受圧面の面積第4の受圧面の面積≧第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積第1の受圧面の面積+第2の受圧面の面積>第4の受圧面の面積第1の受圧面の面積+第3の受圧面の面積>第4の受圧面の面積【選択図】図5

Description

本発明は、例えば車両に搭載される複数の係合要素を備えた自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは本来同時係合すべきでない係合要素が係合してしまうタイアップの発生を防止可能なフェールセーフバルブを備えた自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来、例えば車両に搭載される有段式自動変速機は、複数の係合要素(クラッチ、ブレーキ)の係合状態を油圧制御装置によって制御し、変速機構における伝達経路を各変速段で形成することで、多段変速を可能としている。このような油圧制御装置では、本来同時係合すべきでない係合要素が係合してしまうタイアップの発生を防止するために、フェールセーフバルブを備えたものが開発されている(特許文献1参照)。この自動変速機では、2つの係合要素の同時係合により複数の変速段を形成可能になっている。このため、フェールセーフバルブでは、正常時の2つの係合要素に更にもう1つの係合要素が係合した3つの係合要素が同時係合することを防止するため、例えば、第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第4クラッチ、第1ブレーキの5つの係合要素の各油圧サーボに供給される5つの油圧が別々の油室に入力可能になっており、5つの油圧のうちの任意の3つ以上の油圧が入力されることで、フェール位置に切り換わるようになっている。
ところで、1つの係合要素を係合するために2つの油室を利用可能な所謂ダブルチャンバ構造を採用した油圧サーボが開発されている。このダブルチャンバ構造の油圧サーボは、第1の油室に油圧を供給可能な第1の油圧サーボと、第2の油室に油圧を供給可能な第2の油圧サーボとを備えて構成されている。このようなダブルチャンバ構造の油圧サーボを備えた自動変速機の油圧制御装置では、例えば、大きな係合圧を必要とする場合に、2つの油室に同時に油圧を供給することにより、2つの油室からの係合力の合力で1つの係合要素を係合させることができる。そして、ダブルチャンバ構造の油圧サーボを採用した係合要素と他の係合要素との2つの係合要素を同時係合させる際には、ダブルチャンバ構造の油圧サーボの2つの油室と、他の係合要素の油圧サーボの油室との3つの油室に油圧を同時に供給することが可能である。
特許第5139353号公報
ここで、特許文献1の自動変速機の油圧制御装置に記載のフェールセーフバルブは、正常時に供給される油圧に加えて更に1つ以上の油圧が入力されることによりフェール位置に切り換わるので、ダブルチャンバ構造の油圧サーボを採用した係合要素に適用しようとすると以下のような課題がある。詳細には、例えば、正常時に2つの係合要素を同時係合する自動変速機において、ダブルチャンバ構造の油圧サーボを採用した係合要素と他のもう1つの係合要素とを係合させようとした場合を考える。この場合、ダブルチャンバ構造の油圧サーボの2つの油室に供給される2つの油圧と、他の係合要素の油圧サーボに供給される1つの油圧との、正常時の2つに対して1つ多い合計3つの油圧がフェールセーフバルブに供給されることになってしまい、正常時であったとしてもフェールセーフバルブはフェール位置に切り換わってしまう可能性がある。
これを解決するために、ダブルチャンバ構造の油圧サーボの2つの油室に供給される2つの油圧の高圧の方を選択して出力可能な三方弁を利用することもできるが、これでは部品点数が増加することで、コストが増大すると共に油圧制御装置が大型化してしまう。
そこで、本発明は、係合要素に対してダブルチャンバ構造の油圧サーボを採用し、フェールセーフバルブに正常時に同時係合する係合要素の数より更に1つ以上多い数の油圧が入力された場合であっても、フェール時にのみ適切にフェール位置に切り換わることが可能なフェールセーフバルブを、部品点数の増加を伴うことなく設定可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る自動変速機(1)の油圧制御装置(50)は(例えば図5参照)、第1の係合要素(C3)の第1の油圧サーボ(90)に所定の油圧(PL)である第1の油圧(PSL3)を供給可能な第1の油圧供給手段(SL3)と、第2の係合要素(B2)の第2の油圧サーボ(70)に前記所定の油圧(PL)である第2の油圧(PSL6)を供給可能な第2の油圧供給手段(SL6)と、前記第2の係合要素(B2)の第3の油圧サーボ(80)に前記所定の油圧(PL)である第3の油圧(PL)を供給可能な第3の油圧供給手段と、前記所定の油圧(PL)である第4の油圧(PL)を供給可能な第4の油圧供給手段と、を備える自動変速機(1)の油圧制御装置(50)において、
前記第1の油圧供給手段(SL3)に連通される第1の入力ポート(51a)と、前記第2の油圧供給手段(SL6)に連通される第2の入力ポート(51b)及び第3の入力ポート(51c)と、前記第3の油圧供給手段に連通される第4の入力ポート(51d)及び第5の入力ポート(51e)と、前記第4の油圧供給手段に連通される第6の入力ポート(51f)と、前記第2の油圧サーボ(70)に連通される第1の出力ポート(51g)と、前記第3の油圧サーボ(80)に連通される第2の出力ポート(51h)と、前記第3の入力ポート(51c)及び前記第1の出力ポート(51g)を連通すると共に前記第5の入力ポート(51e)及び前記第2の出力ポート(51h)を連通する正常位置と前記第3の入力ポート(51c)及び前記第1の出力ポート(51g)を遮断すると共に前記第5の入力ポート(51e)及び前記第2の出力ポート(51h)を遮断するフェール位置とに切換可能なスプールと、前記スプールを前記正常位置側に付勢する付勢部材(51s)と、を有するフェールセーフバルブ(51)を備え、
前記スプールは、前記第1の入力ポート(51a)に入力された前記第1の油圧(PSL3)により前記フェール位置側に受圧される第1の受圧面(51p1)と、前記第2の入力ポート(51b)に入力された前記第2の油圧(PSL6)により前記フェール位置側に受圧される第2の受圧面(51p2)と、前記第4の入力ポート(51d)に入力された前記第3の油圧(PL)により前記フェール位置側に受圧される第3の受圧面(51p3)と、前記第6の入力ポート(51f)に入力された前記第4の油圧(PL)により前記正常位置側に受圧される第4の受圧面(51p4)と、を備え、
前記第1の受圧面(51p1)と、前記第2の受圧面(51p2)と、前記第3の受圧面(51p3)と、前記第4の受圧面(51p4)との各面積の関係は、
第4の受圧面の面積≧第1の受圧面の面積
第4の受圧面の面積≧第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第2の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第3の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
であることを特徴とする。
本発明に係る自動変速機(1)の油圧制御装置(50)は(例えば図5参照)、前記第2の係合要素(B2)は、前記第2の油圧サーボ(70)及び前記第3の油圧サーボ(80)の少なくとも一方に油圧が供給されることにより、係合され得ることを特徴とする。
本発明に係る自動変速機(1)の油圧制御装置(50)は(例えば図5参照)、前記第1の受圧面(51p1)と、前記第2の受圧面(51p2)と、前記第3の受圧面(51p3)と、前記第4の受圧面(51p4)との各面積の関係は、
第1の受圧面の面積=第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積=第4の受圧面の面積
であることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、第4の受圧面の面積は第1の受圧面の面積以上であるので、第1の入力ポートと第4の入力ポートのみに油圧が入力された場合には、第4の受圧面からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面からの付勢力より大きくなり、スプールは正常位置に位置する。
また、第4の受圧面の面積は、第2の受圧面の面積及び第3の受圧面の面積の合計以上であるので、第2の入力ポート及び第3の入力ポートの少なくとも一方と、第4の入力ポートとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第2の受圧面及び第3の受圧面の少なくとも一方からの付勢力より大きくなり、スプールは正常位置に位置する。
さらに、第1の受圧面の面積及び第2の受圧面の面積の合計は、第4の受圧面の面積よりも大きいので、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと第4の入力ポートとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面及び第2の受圧面からの付勢力より小さくなり、スプールはフェール位置に位置する。
また、第1の受圧面の面積及び第3の受圧面の面積の合計は、第4の受圧面の面積よりも大きいので、第1の入力ポート及び第3の入力ポートと第4の入力ポートとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面及び第3の受圧面からの付勢力より小さくなり、スプールはフェール位置に位置する。
従って、第1の油圧供給手段、第2の油圧供給手段、第3の油圧供給手段がいずれか単独で作動して油圧を出力する際には、フェールセーフバルブは正常位置に位置し、第1の係合要素又は第2の係合要素のうちの対応する係合要素のみが係合する。また、第2の油圧供給手段及び第3の油圧供給手段が同時に作動する際には、フェールセーフバルブは正常位置に位置し、第2の係合要素のみが係合する。更に、第1の油圧供給手段及び第2の油圧供給手段が同時に作動する際には、フェールセーフバルブはフェール位置に位置し、第1の係合要素のみが係合可能になり、第1の係合要素と第2の係合要素とのタイアップを防止することができる。また、第1の油圧供給手段及び第3の油圧供給手段が同時に作動する際には、フェールセーフバルブはフェール位置に位置し、第1の係合要素のみが係合可能になり、第1の係合要素と第2の係合要素とのタイアップを防止することができる。これにより、フェールセーフバルブに正常時に同時係合する係合要素の数より更に1つ以上多い数の油圧が入力された場合であっても、フェール時にのみ適切にフェール位置に切り換わることが可能なフェールセーフバルブを、部品点数の増加を伴うことなく設定することができる。
請求項2に係る本発明によると、第2の係合要素は、第2の油圧サーボ及び第3の油圧サーボの少なくとも一方に油圧が供給されることにより係合され得るので、例えば、ダブルチャンバを利用したブレーキのように、2つの油圧サーボを利用して1つの係合要素を係合する際に適用することができる。
請求項3に係る本発明によると、第1の受圧面の面積と第4の受圧面の面積とが同じであるので、第1の受圧面及び第4の受圧面の両方に油圧が供給されている時に、第2の受圧面又は第3の受圧面に油圧が作用すると迅速にフェール位置に切り換わるようになる。これにより、フェールセーフバルブの迅速な切り換わりを実現することができるようになる。
本発明の実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の係合表。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の速度線図。 本発明の実施の形態に係る自動変速機の第2ブレーキのダブルチャンバの概略図。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の概略図。
以下、本発明に係る実施の形態を、図1乃至図5に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機1の概略構成について、図1乃至図3に沿って説明する。本実施の形態の自動変速機1は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトあるいは電気モータのロータに接続されると共に、エンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能としている。自動変速機1は、発進装置(流体伝動装置)2と、オイルポンプ3と、エンジン等から入力軸40に伝達された動力を変速して出力軸41に伝達する変速機構4と、これらを収容するトランスミッションケース5とを備えている。
発進装置2は、トルクコンバータ20と、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバーと変速機構4の入力軸40とを接続及び切断可能なロックアップクラッチ21と、フロントカバーと変速機構4の入力軸40との間で振動を減衰するダンパ機構22とを備えている。トルクコンバータ20は、フロントカバーに連結される入力側のポンプインペラ23と、変速機構4の入力軸40に連結される出力側のタービンランナ24と、ポンプインペラ23及びタービンランナ24の内側に配置されてタービンランナ24からポンプインペラ23への作動油の流れを整流するステータ25と、図示しないステータシャフトにより支持されると共にステータ25の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ26とを備えている。尚、トルクコンバータ20は、ステータ25を有さない流体継手であってもよい。
オイルポンプ3は、ポンプボディとポンプカバーとを含むポンプアッセンブリ、チェーンまたはギヤ列を介してトルクコンバータ20のポンプインペラ23に連結された外歯ギヤ(インナーロータ)、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)等を有するギヤポンプとして構成されている。オイルポンプ3は、エンジン等からの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して、後述する油圧制御装置50へと圧送するようになっている。
変速機構4は、10段変速式の変速機として構成されており、入力軸40と、図示しないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸41と、入力軸40及び出力軸41の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1プラネタリギヤ42及び第2プラネタリギヤ43と、ダブルピニオン式プラネタリギヤとシングルピニオン式プラネタリギヤとを組み合わせて構成されるラビニヨ式遊星歯車機構であるプラネタリギヤセット44とを備えている。また、変速機構4は、入力軸40から出力軸41までの動力伝達経路を変更するための6つの係合要素として、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、第3クラッチ(第1の係合要素)C3と、第4クラッチC4と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2(第2の係合要素)とを備えている。
本実施の形態では、第1及び第2プラネタリギヤ42,43、並びにプラネタリギヤセット44は、発進装置2即ちエンジン側(図1における左側)から、プラネタリギヤセット44、第2プラネタリギヤ43、第1プラネタリギヤ42という順番で並ぶようにトランスミッションケース5内に配置されている。これにより、プラネタリギヤセット44は、発進装置2に近接するように車両の前部側に配置され、第1プラネタリギヤ42は、出力軸41に近接するように車両の後部側に配置され、第2プラネタリギヤ43は、プラネタリギヤセット44と第1プラネタリギヤ42との間に配置されている。
第1プラネタリギヤ42は、外歯歯車である第1サンギヤ42sと、第1サンギヤ42sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ42rと、それぞれ第1サンギヤ42s及び第1リングギヤ42rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ42pと、複数の第1ピニオンギヤ42pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ42cとを備えている。本実施の形態では、第1プラネタリギヤ42のギヤ比λ1(第1サンギヤ42sの歯数/第1リングギヤ42rの歯数)は、例えば、λ1=0.277と定められている。
第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cは、入力軸40に連結された変速機構4の中間軸47に常時連結(固定)されている。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第1キャリヤ42cには、エンジン等からの動力が入力軸40及び中間軸47を介して常時伝達されることになる。第1キャリヤ42cは、第4クラッチC4の係合時に第1プラネタリギヤ42の入力要素として機能し、第4クラッチC4の解放時には空転する。また、第1リングギヤ42rは、第4クラッチC4の係合時に当該第1プラネタリギヤ42の出力要素として機能する。
第2プラネタリギヤ43は、外歯歯車である第2サンギヤ43sと、第2サンギヤ43sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ43rと、それぞれ第2サンギヤ43s及び第2リングギヤ43rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ43pと、複数の第2ピニオンギヤ43pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)43cとを備えている。本実施の形態では、第2プラネタリギヤ43のギヤ比λ2(第2サンギヤ43sの歯数/第2リングギヤ43rの歯数)は、例えば、λ2=0.244と定められている。
第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sは、第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ42sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。但し、第1サンギヤ42sと第2サンギヤ43sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材を介して常時連結されてもよい。また、第2プラネタリギヤ43の第2キャリヤ43cは、出力軸41に常時連結されており、当該出力軸41と常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。これにより、第2キャリヤ43cは、第2プラネタリギヤ43の出力要素として機能する。更に、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rは、当該第2プラネタリギヤ43の固定可能要素として機能する。
プラネタリギヤセット44は、ダブルピニオン式プラネタリギヤである第3プラネタリギヤ45と、シングルピニオン式プラネタリギヤである第4プラネタリギヤ46とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構である。尚、各プラネタリギヤは、エンジン側から、第4プラネタリギヤ46、第3プラネタリギヤ45、第2プラネタリギヤ43、第1プラネタリギヤ42という順番で並ぶようにトランスミッションケース5内に配置されている。
プラネタリギヤセット44は、外歯歯車である第3サンギヤ45s及び第4サンギヤ46sと、第3及び第4サンギヤ45s,46sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ45rと、第3サンギヤ45sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)45pと、第4サンギヤ46s及び複数の第3ピニオンギヤ45pに噛合すると共に第3リングギヤ45rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)46pと、複数の第3ピニオンギヤ45p及び複数の第4ピニオンギヤ46pを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持する第3キャリヤ45cとを備えている。
第3プラネタリギヤ45は、第3サンギヤ45sと、第3キャリヤ45cと、第3ピニオンギヤ45pと、第4ピニオンギヤ46pと、第3リングギヤ45rとにより構成されている。第4プラネタリギヤ46は、第4サンギヤ46sと、第3キャリヤ45cと、第4ピニオンギヤ46pと、第3リングギヤ45rとにより構成されている。本実施の形態では、プラネタリギヤセット44は、第3プラネタリギヤ45のギヤ比λ3(第3サンギヤ45sの歯数/第3リングギヤ45rの歯数)が、例えば、λ3=0.488となり、かつ第4プラネタリギヤ46のギヤ比λ4(第4サンギヤ46sの歯数/第3リングギヤ45rの歯数)が、例えば、λ4=0.581となるように構成されている。
また、プラネタリギヤセット44を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ46sは、プラネタリギヤセット44の固定可能要素として機能する。更に、第3キャリヤ45cは、入力軸40に常時連結(固定)されると共に、中間軸47を介して第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cに常時連結される。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第3キャリヤ45cには、エンジン等からの動力が入力軸40を介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ45cは、プラネタリギヤセット44の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ45rは、当該プラネタリギヤセット44の第1の出力要素として機能し、第3サンギヤ45sは、当該プラネタリギヤセット44の第2の出力要素として機能する。
第1クラッチC1は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第2クラッチC2は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3サンギヤ45sとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第3クラッチC3は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第4クラッチC4は、第1プラネタリギヤ42の第1リングギヤ42rと出力軸41とを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。
第1ブレーキB1は、プラネタリギヤセット44の第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、当該第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。第2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、当該第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。
本実施の形態では、第1クラッチC1〜第4クラッチC4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(例えば、環状部材の両面に摩擦材を貼着することにより構成された摩擦プレート及び両面が平滑に形成された環状部材であるセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室及び遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチが採用されている。また、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート及びセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用されている。
そして、自動変速機1は、第1クラッチC1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2クラッチC2を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第3クラッチC3を係脱し得る油圧サーボ(第1の油圧サーボ)90、第4クラッチC4を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第1ブレーキB1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2ブレーキB2を係脱し得る内側油圧サーボ(第2の油圧サーボ)70及び外側油圧サーボ(第3の油圧サーボ)80を備えている(図5参照)。そして、第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の各油圧サーボは、油圧制御装置50による作動油の給排を受けて動作するようになっている。
ここで、本実施の形態では、第2ブレーキB2は、ダブルチャンバ構造の内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80の2つの油圧サーボにより係脱可能になっている。ここでは、内側油圧サーボ70によりインナーチャンバ74側が作動され、外側油圧サーボ80によりアウターチャンバ83側が作動されるようになっている(図4参照)。尚、内側油圧サーボ70と外側油圧サーボ80との使い分けは、中速段のように第2ブレーキB2に大きな係合圧が必要でない場合は内側油圧サーボ70のみを利用し、低速段のように第2ブレーキB2に大きな係合圧が必要になる場合は内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80の両方を利用するようにしている(図2参照)。
図2は、変速機構4の各変速段と第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の作動状態との関係を示す係合表である。図2中、B2inは第2ブレーキB2のインナーチャンバ側の内側油圧サーボ70の動作を示し、B2outは第2ブレーキB2のアウターチャンバ側の外側油圧サーボ80の動作を示す。また、図3は、変速機構4における入力軸40の回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である(ただし、入力軸40、即ち第1キャリヤ42c及び第3キャリヤ45cの回転速度を値1とする)。
図3に示すように、シングルピニオン式の第1プラネタリギヤ42を構成する3つの回転要素、即ち第1サンギヤ42s、第1リングギヤ42r、第1キャリヤ42cは、当該第1プラネタリギヤ42の速度線図(図3における左側の速度線図)上でギヤ比λ1に応じた間隔をおいて図中左側から第1サンギヤ42s、第1キャリヤ42c、第1リングギヤ42rという順番で並んでいる。このような速度線図での並び順に従い、本実施の形態では、第1サンギヤ42sを自動変速機1の第1回転要素とし、第1キャリヤ42cを自動変速機1の第2回転要素とし、第1リングギヤ42rを自動変速機1の第3回転要素とする。従って、第1プラネタリギヤ42は、速度線図上でギヤ比λ1に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機1の第1回転要素、第2回転要素及び第3回転要素を有する。
また、シングルピニオン式の第2プラネタリギヤ43を構成する3つの回転要素、即ち第2サンギヤ43s、第2リングギヤ43r、第2キャリヤ43cは、当該第2プラネタリギヤ43の速度線図(図3における中央の速度線図)上でギヤ比λ2に応じた間隔をおいて図中左側から第2サンギヤ43s、第2キャリヤ43c、第2リングギヤ43rという順番で並ぶ。このような速度線図での並び順に従い、本実施の形態では、第2サンギヤ43sを自動変速機1の第4回転要素とし、第2キャリヤ43cを自動変速機1の第5回転要素とし、第2リングギヤ43rを自動変速機1の第6回転要素とする。従って、第2プラネタリギヤ43は、速度線図上でギヤ比λ2に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機1の第4回転要素、第5回転要素及び第6回転要素を有する。
更に、プラネタリギヤセット44を構成する4つの回転要素、即ち第4サンギヤ46s、第3キャリヤ45c、第3リングギヤ45r、第3サンギヤ45sは、この順番で図中左側からシングル式の第3プラネタリギヤ45のギヤ比λ3及びダブルピニオン式の第4プラネタリギヤ46のギヤ比λ4に応じた間隔をおいて当該プラネタリギヤセット44の速度線図(図3における右側の速度線図)上に並ぶ。このような速度線図での並び順に従い、本実施の形態では、第4サンギヤ46sを自動変速機1の第7回転要素とし、第3キャリヤ45cを自動変速機1の第8回転要素とし、第3リングギヤ45rを自動変速機1の第9回転要素とし、第3サンギヤ45sを自動変速機1の第10回転要素とする。従って、プラネタリギヤセット44は、速度線図上でギヤ比λ3,λ4に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機1の第7回転要素、第8回転要素、第9回転要素、第10回転要素を有する。
以上のように構成された自動変速機1では、図1のスケルトン図に示す各第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が、図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、図3の速度線図のような回転数比で、前進1速段(1st)〜前進10速段(10th)、及び後進1速段(Rev)が達成される。
ここで、前進7速段は、第1クラッチC1、第3クラッチC3、第4クラッチC4を係合させると共に、残余の第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2を解放させることにより形成される。即ち、前進7速段では、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2のいずれも係合が不要であるので、直結段を形成することになる。このため、前進7速段は、4つのクラッチのうちのいずれか3つを係合することで形成される。本実施の形態において、前進7速段におけるギヤ比γ7は、γ7=1.000となる。
次に、本発明に係る自動変速機1の第2ブレーキB2と、内側油圧サーボ70と,外側油圧サーボ80について、図4に基づいて説明する。
第2ブレーキB2及び第3クラッチC3と、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rとは、トランスミッションケース5に一体化されたセンタサポート5aを挟んだ軸方向反対側に配置されると共に、ドラム部材60により連結されている(図1参照)。ドラム部材60は、入力軸40及び中間軸47の外周に設けられた筒状部60aと、筒状部60aよりも大径で、一端(図4における左端)が開口した円筒状のドラム部60bとを備えている。センタサポート5aは、トランスミッションケース5の内周面から径方向内側に向けて延在すると共に、中心孔を有する筒状の内周部5bを有しており、この内周部5bによりブッシュを介して筒状部60aを回転可能に支持している。ドラム部材60のドラム部60bの内周面および外周面には、スプラインが形成されている。
ドラム部材60を構成部材とする第2ブレーキB2は、複数の摩擦プレート61と、摩擦プレート61と交互に配設される複数のセパレータプレート62及びバッキングプレートと、を備えている。複数の摩擦プレート61は、ドラム部60bの外周面に形成されたスプラインに嵌合され、ドラム部60bと一体に回転すると共に、軸方向に移動自在となるようにブレーキハブとして機能するドラム部材60により支持される。また、複数のセパレータプレート62は、トランスミッションケース5の内周面に形成されたスプラインに嵌合され、トランスミッションケース5に対して回転不能かつ軸方向に移動可能となるように当該トランスミッションケース5により支持される。
また、自動変速機1は、第2ブレーキB2を係合させるための内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80を備えている。
内側油圧サーボ70は、センタサポート5aの第2ブレーキB2側の側部に形成された環状の第1凹部71と、該第1凹部71に軸方向に摺動可能に嵌合された第1ピストン72と、複数のリターンスプリング73とを備えている。第1ピストン72は、摩擦プレート61及びセパレータプレート62を押圧して第2ブレーキB2を係合可能であり、環状の第1受圧部72aと、摩擦プレート61及びセパレータプレート62を押圧可能なプレート押圧部72bとを備えている。第1受圧部72aの内周面と第1凹部71の内周側面との間、及び第1受圧部72aの外周面と第1凹部71の外周側面との間には、Oリング等のシール部材がそれぞれ配置されている。これにより、第1受圧部72aは、軸方向に移動自在となるようにセンタサポート5aにより支持され、センタサポート5aと共に第2ブレーキB2の第1係合油室であるインナーチャンバ74を画成している。
プレート押圧部72bは、第1受圧部72aから径方向外側に延出されて形成され、最も内側油圧サーボ70側に位置するセパレータプレート62と先端部が当接可能となるように軸方向に突出している。リターンスプリング73は、コイルばねから成り、第1受圧部72aの第2ブレーキB2側に形成された凹部と、センタサポート5aに固定される環状のスプリング支持部材75との間に、周方向に間隔をおいて配設されている。スプリング支持部材75は、スナップリングを用いてセンタサポート5aに固定されている。これにより、リターンスプリング73は、第1ピストン72を摩擦プレート61及びセパレータプレート62から離間するように付勢するようになっている。尚、リターンスプリング73としては、複数のコイルばねの代わりに単一の板バネが用いられてもよい。
外側油圧サーボ80は、センタサポート5aの第2ブレーキB2側の側部で第1凹部71の外周側に形成された環状の第2凹部81と、該第2凹部81に軸方向に摺動可能に嵌合された第2ピストン82とを備えている。第2ピストン82は、第1ピストン72を介して第2ブレーキB2の反対側に配置され、第1ピストン72を摺動方向に押圧することにより摩擦プレート61及びセパレータプレート62を押圧して第2ブレーキB2を係合可能であり、環状の第2受圧部82aと、第1ピストン72を押圧可能なピストン押圧部82bとを備えている。第2受圧部82aの内周面と第2凹部81の内周側面との間、及び第2受圧部82aの外周面と第2凹部81の外周側面との間には、Oリング等のシール部材がそれぞれ配置されている。これにより、第2受圧部82aは、軸方向に移動自在となるようにセンタサポート5aにより支持され、センタサポート5aと共に第2ブレーキB2の第2係合油室であるアウターチャンバ83を画成している。尚、本実施の形態では、第1凹部71及び第2凹部81は、互いに連通しないように環状の仕切壁63により仕切られており、互いに概ね同一の軸長を有するように形成されている。
第2ブレーキB2のインナーチャンバ74及びアウターチャンバ83には、中間軸47やセンタサポート5aに形成された油路を介して油圧制御装置50により調圧された係合油圧(作動油)がそれぞれ独立に供給されるようになっている。即ち、本実施の形態では、内側油圧サーボ70に油圧を供給するとは、インナーチャンバ74に油圧を供給することを意味すると共に、外側油圧サーボ80に油圧を供給するとは、アウターチャンバ83に油圧を供給することを意味している。
次に、本発明に係る自動変速機1の油圧制御装置50について説明する。
油圧制御装置50は、不図示のオイルポンプと、オイルポンプからの油圧をライン圧(所定の油圧)PLに調圧するプライマリレギュレータバルブ等を備え、各種の元圧を調圧して生成している。尚、本実施の形態では、ライン圧PLを調圧して生成するためのオイルポンプやプライマリレギュレータバルブ等をライン圧生成部と呼ぶ。即ち、油圧制御装置50は、不図示のライン圧生成部(第3の油圧供給手段、第4の油圧供給手段)を備えているが、図5中では生成されたライン圧PLのみ表記する。
図5に示すように、油圧制御装置50は、リニアソレノイドバルブ(第1の油圧供給手段)SL3と、リニアソレノイドバルブ(第2の油圧供給手段)SL6とを備えている。リニアソレノイドバルブSL3は、第3クラッチC3の油圧サーボ90にライン圧PLと等圧である油圧(第1の油圧)PSL3を供給可能になっており、不図示のECUにより電気的に制御されるようになっている。リニアソレノイドバルブSL6は、第2ブレーキB2の内側油圧サーボ70にライン圧PLと等圧である油圧(第2の油圧)PSL6を供給可能になっており、不図示のECUにより電気的に制御されるようになっている。ライン圧生成部は、第2ブレーキB2の外側油圧サーボ80にライン圧(第3の油圧)PLを供給可能になっている。また、ライン圧生成部は、ライン圧(第4の油圧)PLを供給可能になっている。
尚、油圧制御装置50は、各係合要素の油圧サーボに油圧を供給可能な第1クラッチC1を係合させるための不図示のリニアソレノイドバルブSL1、第2クラッチC2を係合させるための不図示のリニアソレノイドバルブSL2、第4クラッチC4を係合させるための不図示のリニアソレノイドバルブSL4、第1ブレーキB1を係合させるための不図示のリニアソレノイドバルブSL5を備えている。リニアソレノイドバルブSL1〜SL6には、非通電時(以下、オフともいう。)に入力ポートと出力ポートとを遮断し、通電時(以下、オンともいう。)に連通するノーマルクローズ(N/C)タイプのものが用いられている。
また、油圧制御装置50は、第3クラッチC3及び第2ブレーキB2におけるタイアップを防止するためのフェールセーフバルブ51と、外側油圧サーボ80へのライン圧PLの供給を切換可能な切換えバルブ52と、該切換えバルブ52に信号圧を入力可能なソレノイドバルブ53とを備えている。
ソレノイドバルブ53は、不図示のECUにより電気的に制御されるようになっている。切換えバルブ52は、ソレノイドバルブ53からの信号圧を入力可能で内部の油室に連通する第1の入力ポート52aと、ライン圧生成部からのライン圧PLを入力可能な第2の入力ポート52bと、フェールセーフバルブ51の後述する第4の入力ポート51d及び第5の入力ポート51eに連通される出力ポート52cと、第2の入力ポート52bと出力ポート52cとを連通する通常位置と出力ポート52cを開放するドレーン位置とに切換可能な不図示のスプールと、スプールをドレーン位置側に付勢するスプリング52sとを備えている。これにより、ソレノイドバルブ53から信号圧が出力されている時は、切換えバルブ52は通常位置にあり、ライン圧PLがフェールセーフバルブ51の第4の入力ポート51d及び第5の入力ポート51eに入力され、一方、ソレノイドバルブ53から信号圧が出力されていない時は、切換えバルブ52はドレーン位置にあり、外側油圧サーボ80の作動油を排出可能になる。
フェールセーフバルブ51は、リニアソレノイドバルブSL3の出力ポートSL3aに油路a1を経て接続される油路a2と内部の油室とを連通する第1の入力ポート51aと、リニアソレノイドバルブSL6の出力ポートSL6aに油路b1を経て接続される油路b2と内部の油室とを連通する第2の入力ポート51bと、リニアソレノイドバルブSL6の出力ポートSL6aに油路b1により連通する第3の入力ポート51cと、ソレノイドバルブ52の出力ポート52cに油路c1を経て接続される油路c2と内部の油室とを連通する第4の入力ポート51dと、ソレノイドバルブ52の出力ポート52cに油路c1により連通する第5の入力ポート51eと、ライン圧生成部と内部の油室とを連通する第6の入力ポート51fと、内側油圧サーボ70に油路b3により連通する第1の出力ポート51gと、外側油圧サーボ80に油路c3により連通する第2の出力ポート51hと、を備えている。
また、フェールセーフバルブ51は、第3の入力ポート51c及び第1の出力ポート51gを連通すると共に第5の入力ポート51e及び第2の出力ポート51hを連通する正常位置と、第3の入力ポート51c及び第1の出力ポート51gを遮断して第1の出力ポート51gを開放すると共に第5の入力ポート51e及び第2の出力ポート51hを遮断して第2の出力ポート51hを開放するフェール位置とに切換可能な不図示のスプールと、スプールを正常位置側に付勢するスプリング(付勢部材)51sと、を備えている。
更に、スプールは、径が異なる複数のランド部を有し、第1の入力ポート51aに連通する油室に面する第1の受圧面51p1と、第2の入力ポート51bに連通する油室に面する第2の受圧面51p2と、第4の入力ポート51dに連通する油室に面する第3の受圧面51p3と、第6の入力ポート51eに連通する油室に面する第4の受圧面51p4と、を備えている。第1の受圧面51p1は、第1の入力ポート51aから油室に入力された油圧PSL3によりフェール位置側に受圧されるようになっている。第2の受圧面51p2は、第2の入力ポート51bから油室に入力された油圧PSL6によりフェール位置側に受圧されるようになっている。第3の受圧面51p3は、第4の入力ポート51dから油室に入力されたライン圧PLによりフェール位置側に受圧されるようになっている。第4の受圧面51p4は、第6の入力ポート51fから油室に入力されたライン圧PLにより正常位置側に受圧されるようになっている。
そして、第1の受圧面51p1と、第2の受圧面51p2と、第3の受圧面51p3と、第4の受圧面51p4との各面積の関係は、以下の式を満たすように設定されている。
第4の受圧面の面積≧第1の受圧面の面積
第4の受圧面の面積≧第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第2の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第3の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
また、本実施の形態では、第1の受圧面51p1と、第2の受圧面51p2と、第3の受圧面51p3と、第4の受圧面51p4との各面積の関係は、以下の式を満たすように設定されている。
第1の受圧面の面積=第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積=第4の受圧面の面積
即ち、スプールをフェール位置側に受圧するための受圧面の総面積を1とすると、第1の受圧面51p1の面積を1/2、第2の受圧面51p2及び第3の受圧面51p3の面積を各1/4、第4の受圧面51p4の面積を1/2としている。
また、スプリング51sの付勢力は、後述するように、第2の受圧面51p2に油圧PSL6が受圧された際、又は第3の受圧面51p3にライン圧PLが受圧された際に、フェール位置側に付勢する付勢力より小さく設定している。
次に、本実施の形態に係る自動変速機1の油圧制御装置50のフェールセーフバルブ51の動作について、図5に基づいて詳細に説明する。
走行時に、前進7速段〜前進10速段が選択されている場合は、第3クラッチC3は係合されると共に、第2ブレーキB2は解放されるようになる(図2参照)。この場合、ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL3はオンされ、油圧PSL3が出力されて油路a1から油圧サーボ90に供給されると共に、油路a2を介して第1の入力ポート51aに入力され、第1の受圧面51p1に受圧される。ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL6はオフされ、内側油圧サーボ70及び第2の受圧面51p2には油圧が供給されない。ECUからの制御信号によりソレノイドバルブ53からの信号圧は出力されず、外側油圧サーボ80及び第3の受圧面51p3には油圧が供給されない。第4の受圧面51p4には、ライン圧PLが常時作用している。
このため、フェールセーフバルブ51のスプールでは、第1の受圧面51p1にはフェール位置側に付勢するよう油圧が受圧され、第4の受圧面51p4には正常位置側に付勢するよう油圧が受圧されるが、第1の受圧面51p1及び第4の受圧面51p4の面積は同等であるので、油圧による力は互いにキャンセルされて、スプリング51sの付勢力により正常位置に位置される。これにより、内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80の両方からドレーンされ、第2ブレーキB2は解放される。
次に、走行時に、前進4速段が選択されている場合は、第3クラッチC3は解放されると共に、第2ブレーキB2の内側油圧サーボ70のみが係合されるようになる(図2参照)。この場合、ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL3はオフされ、油圧サーボ90及び第1の受圧面51p1には油圧が供給されず、第3クラッチは解放される。ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL6はオンされ、油圧PSL6が出力されて、油路b1,b2を介して第2の入力ポート51bに入力され、第2の受圧面51p2に受圧される。ECUからの制御信号によりソレノイドバルブ53からの信号圧は出力されず、外側油圧サーボ80及び第3の受圧面51p3には油圧が供給されない。第4の受圧面51p4には、ライン圧PLが常時作用している。
このため、フェールセーフバルブ51のスプールでは、第2の受圧面51p2にはフェール位置側に付勢するよう油圧が受圧され、第4の受圧面51p4には正常位置側に付勢するよう油圧が受圧されるが、第2の受圧面51p2の面積は第4の受圧面51p4の面積の1/2であるので、正常位置側への付勢力が大きく、正常位置に位置される。これにより、油圧PSL6が内側油圧サーボ70に供給されると共に外側油圧サーボ80からはドレーンされるので、第2ブレーキB2は内側油圧サーボ70のみの比較的小さい係合力で係合される。
次に、走行時に、前進1速段〜前進3速段が選択されている場合は、第3クラッチC3は解放されると共に、第2ブレーキB2の内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80が係合されるようになる(図2参照)。この場合、ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL3はオフされ、油圧サーボ90及び第1の受圧面51p1には油圧が供給されず、第3クラッチは解放される。ECUからの制御信号によりリニアソレノイドバルブSL6はオンされ、油圧PSL6が出力されて、油路b1,b2を介して第2の入力ポート51bに入力され、第2の受圧面51p2に受圧される。ECUからの制御信号によりソレノイドバルブ53から信号圧が出力され、切換えバルブ52が通常位置に切り換わり、ライン圧PLが出力されて、油路c1,c2を介して第4の入力ポート51dに入力され、第3の受圧面51p3に受圧される。第4の受圧面51p4には、ライン圧PLが常時作用している。
このため、フェールセーフバルブ51のスプールでは、第2の受圧面51p2及び第3の受圧面51p3にはフェール位置側に付勢するよう油圧が受圧され、第4の受圧面51p4には正常位置側に付勢するよう油圧が受圧されるが、第2の受圧面51p2の面積と第3の受圧面51p3の面積との合計は第4の受圧面51p4の面積と同等であるので、油圧による力は互いにキャンセルされて、スプリング51sの付勢力により正常位置に位置される。これにより、油圧PSL6が内側油圧サーボ70に供給されると共にライン圧PLが外側油圧サーボ80に供給されるので、第2ブレーキB2は内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80の両方により比較的大きな係合力で係合される。
一方、走行時に、前進4速段から前進7速段に変速する際には、第3クラッチC3は係合されると共に、第2ブレーキB2(内側油圧サーボ70)は解放されるようになる(図2参照)。しかし、例えば、リニアソレノイドバルブSL6がオン状態でバルブスティックしてしまった場合等、何らかの理由で油圧PSL6が出力され続けるフェールが発生した場合は、以下のように動作する。この場合、フェールセーフバルブ51は正常位置にあるが、リニアソレノイドバルブSL6から出力された油圧PSL6は油路b1,b2を介して第2の入力ポート51bに入力され、第2の受圧面51p2に受圧される。
このため、フェールセーフバルブ51のスプールでは、第1受圧面51p1及び第2の受圧面51p2にはフェール位置側に付勢するよう油圧が受圧され、第4の受圧面51p4には正常位置側に付勢するよう油圧が受圧される。ここで、第1の受圧面51p1の面積と第2の受圧面51p2の面積との合計は第4の受圧面51p4の面積より第2の受圧面51p2の分だけ大きいので、フェール位置側への付勢力が大きくなる。しかも、スプリング51sの付勢力は、第2の受圧面51p2に油圧PSL6が受圧された際の付勢力より小さいので、スプリング51sの付勢力を合わせてもフェール位置側への付勢力が大きくなり、スプールはフェール位置に切り換えられる。これにより、油圧PSL6は遮断されると共に、内側油圧サーボ70及び外側油圧サーボ80はドレーンされるので、第2ブレーキB2は解放され、第3クラッチC3とのタイアップを防止することができる。
同様に、前進3速段から前進7速段に変速する際には、第3クラッチC3は係合されると共に、第2ブレーキB2(内側油圧サーボ70、外側油圧サーボ80)は解放されるようになる(図2参照)。しかし、例えば、ソレノイドバルブ53がオン状態でバルブスティックしてしまった場合や切換えバルブ52が通常位置でバルブスティックしてしまった場合等、何らかの理由で切換えバルブ52からライン圧PLが出力され続けるフェールが発生した場合も、フェールセーフバルブ51がフェール位置に切り換わり、第2ブレーキB2は解放され、第3クラッチC3とのタイアップを防止することができる。
また、走行時に、前進3速段から前進7速段に変速する際に、例えば、リニアソレノイドバルブSL6がオン状態でバルブスティックしてしまい油圧PSL6が出力され続け、かつソレノイドバルブ53がオン状態でバルブスティックしてしまった場合や切換えバルブ52が通常位置でバルブスティックしてしまった場合等、切換えバルブ52からライン圧PLが出力され続けるフェールが発生した場合も、フェールセーフバルブ51がフェール位置に切り換わり、第2ブレーキB2は解放され、第3クラッチC3とのタイアップを防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の油圧制御装置50によれば、リニアソレノイドバルブSL3とリニアソレノイドバルブSL6とのいずれかが単独で作動して油圧を出力する際には、フェールセーフバルブ51は正常位置に位置し、第3クラッチC3又は第2ブレーキB2のみが係合する。また、リニアソレノイドバルブSL6及び切換えバルブ52が同時に作動する際には、フェールセーフバルブ51は正常位置に位置し、第2ブレーキB2のみが係合する。更に、リニアソレノイドバルブSL3及びリニアソレノイドバルブSL6が同時に作動する際には、フェールセーフバルブ51はフェール位置に位置し、第3クラッチC3のみが係合可能になり、第3クラッチC3と第2ブレーキB2とのタイアップを防止することができる。また、リニアソレノイドバルブSL3及び切換えバルブ52が同時に作動する際には、フェールセーフバルブ51はフェール位置に位置し、第3クラッチC3のみが係合可能になり、第3クラッチC3と第2ブレーキB2とのタイアップを防止することができる。これにより、フェールセーフバルブ51に正常時に同時係合する係合要素の数より更に1つ以上多い数の油圧が入力された場合であっても、フェール時にのみ適切にフェール位置に切り換わることが可能なフェールセーフバルブ51を、部品点数の増加を伴うことなく設定することができる。
また、本実施の形態の油圧制御装置50によれば、第2ブレーキB2は、2つの油圧サーボ70,80の少なくとも一方に油圧が供給されることにより係合され得るので、例えば、ダブルチャンバを利用したブレーキのように、2つの油圧サーボを利用して1つの係合要素を係合する際に適用することができる。
また、本実施の形態の油圧制御装置50によれば、第1の受圧面51p1の面積と第4の受圧面51p4の面積とが同じであるので、第1の受圧面51p1及び第4の受圧面51p4の両方に油圧が供給されている時に、第2の受圧面51p2又は第3の受圧面51p3に油圧が作用すると、フェールセーフバルブ51は迅速にフェール位置に切り換わることができる。これにより、フェールセーフバルブ51の迅速な切り換わりを実現することができる。
上述した本実施の形態の油圧制御装置50では、フェールセーフバルブ51に第3クラッチC3と第2ブレーキB2の2つの係合要素の3つの油圧が入力可能である場合について説明したが、これには限られない。例えば、本発明の第3クラッチC3、第2ブレーキB2、第1クラッチC1の3つの係合要素について、いずれも油圧が1つのみの油圧サーボを備える場合に、これら3つの油圧が入力可能であるようにしてもよい。この場合、本発明の第1の油圧サーボにより第3クラッチC3が係脱され、第2の油圧サーボにより第2ブレーキB2が係脱され、第3の油圧サーボにより第1クラッチが係脱されるようにするようにできる。これにより、第3クラッチC3、第2ブレーキB2、第1クラッチC1がそれぞれ単独で作動する場合はそのまま作動可能になり、第2ブレーキB2及び第1クラッチC1は同時係合が可能になるが、第3クラッチC3及び第2ブレーキB2の同時係合や、第2クラッチC3及び第1クラッチC1の同時係合の際には、フェールセーフバルブ51がフェール位置に切り換わって第2ブレーキB2及び第1クラッチC1は解放されるようにできる。
また、本実施の形態の油圧制御装置50では、第1の受圧面51p1の面積を1/2、第2の受圧面51p2及び第3の受圧面51p3の面積を各1/4、第4の受圧面51p4の面積を1/2とした場合について説明したが、これには限られず、各受圧面の面積の関係は、以下の数式の関係を満たせばよい。
第4の受圧面の面積≧第1の受圧面の面積
第4の受圧面の面積≧第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第2の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
第1の受圧面の面積+第3の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
このような関係を満たすことにより、第4の受圧面51p4の面積は第1の受圧面51p1の面積以上であるので、第1の入力ポート51aと第4の入力ポート51dのみに油圧が入力された場合には、第4の受圧面51p4からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面51p1からの付勢力より大きくなり、スプールは正常位置に位置する。
また、第4の受圧面51p4の面積は、第2の受圧面51p2の面積及び第3の受圧面51p3の面積の合計以上であるので、第2の入力ポート51b及び第3の入力ポート51cの少なくとも一方と、第4の入力ポート51dとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面51p4からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第2の受圧面51p2及び第3の受圧面51p3の少なくとも一方からの付勢力より大きくなり、スプールは正常位置に位置する。
さらに、第1の受圧面51p1の面積及び第2の受圧面51p2の面積の合計は、第4の受圧面51p4の面積よりも大きいので、第1の入力ポート51a及び第2の入力ポート51bと第4の入力ポート51dとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面51p4からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面51p1及び第2の受圧面51p2からの付勢力より小さくなり、スプールはフェール位置に位置する。
また、第1の受圧面51p1の面積及び第3の受圧面51p3の面積の合計は、第4の受圧面51p4の面積よりも大きいので、第1の入力ポート51a及び第3の入力ポート51cと第4の入力ポート51dとに油圧が入力された場合には、第4の受圧面51p4からの付勢力に付勢手段による付勢力を合わせた付勢力は第1の受圧面51p1及び第3の受圧面51p3からの付勢力より小さくなり、スプールはフェール位置に位置する。
これにより、フェールセーフバルブ51に2つの油圧が入力された場合に、正常位置に位置する2つの油圧の組み合わせと、フェール位置に位置する2つの油圧の組み合わせとを、部品点数の増加を伴うことなく設定することができる。
1 自動変速機
50 油圧制御装置
51 フェールセーフバルブ
51a 第1の入力ポート
51b 第2の入力ポート
51c 第3の入力ポート
51d 第4の入力ポート
51e 第5の入力ポート
51f 第6の入力ポート
51g 第1の出力ポート
51h 第2の出力ポート
51p1 第1の受圧面
51p2 第2の受圧面
51p3 第3の受圧面
51p4 第4の受圧面
51s スプリング(付勢部材)
70 内側油圧サーボ(第2の油圧サーボ)
80 外側油圧サーボ(第3の油圧サーボ)
90 油圧サーボ(第1の油圧サーボ)
B2 第2ブレーキ(第2の係合要素)
C3 第3クラッチ(第1の係合要素)
PL ライン圧(所定の油圧、第3の油圧、第4の油圧)
PSL3 油圧(第1の油圧)
PSL6 油圧(第2の油圧)
SL3 リニアソレノイドバルブ(第1の油圧供給手段)
SL6 リニアソレノイドバルブ(第2の油圧供給手段)

Claims (3)

  1. 第1の係合要素の第1の油圧サーボに所定の油圧である第1の油圧を供給可能な第1の油圧供給手段と、第2の係合要素の第2の油圧サーボに前記所定の油圧である第2の油圧を供給可能な第2の油圧供給手段と、前記第2の係合要素の第3の油圧サーボに前記所定の油圧である第3の油圧を供給可能な第3の油圧供給手段と、前記所定の油圧である第4の油圧を供給可能な第4の油圧供給手段と、を備える自動変速機の油圧制御装置において、
    前記第1の油圧供給手段に連通される第1の入力ポートと、前記第2の油圧供給手段に連通される第2の入力ポート及び第3の入力ポートと、前記第3の油圧供給手段に連通される第4の入力ポート及び第5の入力ポートと、前記第4の油圧供給手段に連通される第6の入力ポートと、前記第2の油圧サーボに連通される第1の出力ポートと、前記第3の油圧サーボに連通される第2の出力ポートと、前記第3の入力ポート及び前記第1の出力ポートを連通すると共に前記第5の入力ポート及び前記第2の出力ポートを連通する正常位置と前記第3の入力ポート及び前記第1の出力ポートを遮断すると共に前記第5の入力ポート及び前記第2の出力ポートを遮断するフェール位置とに切換可能なスプールと、前記スプールを前記正常位置側に付勢する付勢部材と、を有するフェールセーフバルブを備え、
    前記スプールは、前記第1の入力ポートに入力された前記第1の油圧により前記フェール位置側に受圧される第1の受圧面と、前記第2の入力ポートに入力された前記第2の油圧により前記フェール位置側に受圧される第2の受圧面と、前記第4の入力ポートに入力された前記第3の油圧により前記フェール位置側に受圧される第3の受圧面と、前記第6の入力ポートに入力された前記第4の油圧により前記正常位置側に受圧される第4の受圧面と、を備え、
    前記第1の受圧面と、前記第2の受圧面と、前記第3の受圧面と、前記第4の受圧面との各面積の関係は、
    第4の受圧面の面積≧第1の受圧面の面積
    第4の受圧面の面積≧第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積
    第1の受圧面の面積+第2の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
    第1の受圧面の面積+第3の受圧面の面積>第4の受圧面の面積
    である、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第2の係合要素は、前記第2の油圧サーボ及び前記第3の油圧サーボの少なくとも一方に油圧が供給されることにより、係合され得る、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第1の受圧面と、前記第2の受圧面と、前記第3の受圧面と、前記第4の受圧面との各面積の関係は、
    第1の受圧面の面積=第2の受圧面の面積+第3の受圧面の面積=第4の受圧面の面積
    である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017172643A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 油圧制御装置
US9927027B2 (en) 2016-03-24 2018-03-27 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Automatic transmission

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