JP2015218757A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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博之 九坪
Hiroyuki Kutsubo
博之 九坪
雅路 山口
Masaji Yamaguchi
雅路 山口
浩二 牧野
Koji Makino
浩二 牧野
芳充 兵藤
Yoshimitsu Hyodo
芳充 兵藤
土田 建一
Kenichi Tsuchida
建一 土田
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Abstract

【課題】摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際には緩やかに排出し、かつ所定変速段から他の変速段に変速する際には素早く排出することが可能でありながら、バルブ本数の低減や制御の簡易化を図る。
【解決手段】後進レンジから後進レンジ以外に切換えられて第2ブレーキB2の油圧サーボ70の油圧を排出する場合は、後進レンジであった際に油路e1から油室54cに供給されていた後進レンジ圧の排出を第2オリフィス62により遅延させることでチェックバルブ54を閉塞状態に維持し、油圧を第1オリフィス61により遅延させつつ排出する。前進レンジの所定変速段から他の変速段に変速する際に第2ブレーキB2の油圧サーボ70の油圧を排出する場合は、切換えバルブ51の側から油圧を作用させてチェックバルブ54を開放させ、油圧を油路d1,d2を介して排出する。
【選択図】図3

Description

この技術は、車両等に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を切換えバルブからレンジ圧生成部に接続される第1油路を介して排出する自動変速機の油圧制御装置に関する。
例えば車両等に搭載される多段式の自動変速機にあっては、前進の所定変速段で係合され、かつ後進段でも係合される摩擦係合要素(例えば特許文献1のブレーキB−2)を備えたものがある。このような摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧は、前進レンジでは係合・解放が自在に制御できるようにリニアソレノイドバルブ等による制御圧を用い、また、後進レンジでは例えばリニアソレノイドバルブ等に問題が生じたとしても運転者がシフトレバー等を後進レンジに切換えた際に後進段が形成できるように後進レンジ圧を用いることが多い。この摩擦係合要素の油圧サーボに対する上記制御圧と後進レンジ圧との供給経路の切換えは、例えば1本の切換えバルブによって行っている(特許文献1、図5参照)。
ところで、例えば運転者がシフトレバーを後進レンジから他のレンジに切換えた際に、上記摩擦係合要素の後進レンジ圧を急速に排出してしまうと、急なトルク抜けが発生し、いわゆるシフトショックが生じてしまう虞がある。そのため、後進レンジ圧を排出するマニュアルバルブと上記切換えバルブとの間の油路にオリフィスを介在させておき、後進レンジ圧の排出を該オリフィスにより遅らせ、その遅らせた間に、後進段を形成する他の摩擦係合要素(例えば特許文献1のクラッチC−3)の係合圧をリニアソレノイドバルブ等で緩やかにコントロールしつつ排出して当該摩擦係合要素を緩やかに解放することで、シフトショック発生の防止を図るように構成するものが主流である。
一方、例えば前進の所定変速段で係合されていた摩擦係合要素(例えば特許文献1のブレーキB−2)の係合圧は、他の変速段に変速する際に排出が遅れると他の摩擦係合要素との同時係合が生じてショックが発生する虞がある。そのため、特許文献1のものでは、リニアソレノイドバルブから係合圧の排出を行うだけではなく、排出経路を切換えてクイックドレーンを行うためのクイックドレーン用切換えバルブ(例えばC−2リレーバルブ23)を設けることで、摩擦係合要素(例えば特許文献1のブレーキB−2)の係合圧のクイックドレーンが可能となるように構成されている。
特開2010−107037号公報
しかしながら、上述のようなクイックドレーンを行うためのクイックドレーン用切換えバルブを設けたり、そのクイックドレーン用切換えバルブを切換える信号圧を出力するソレノイドバルブを設けたりすることは、バルブ本数の増加を招くだけでなく、制御も複雑になるという問題がある。
そこで、少なくとも前進レンジの所定変速段及び後進レンジで係合される摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際には緩やかに排出し、かつ所定変速段から他の変速段に変速する際には素早く排出することが可能でありながら、バルブ本数の低減や制御の簡易化を図ることが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
本自動変速機(1)の油圧制御装置(50)は(例えば図1乃至図5参照)、少なくとも前進レンジの所定変速段及び後進レンジで係合される摩擦係合要素(B2)を備えた自動変速機(1)の油圧制御装置(50)において、
第1油路(b1〜b6)と、
前記後進レンジの際に後進レンジ圧(P)を前記第1油路(b1〜b6)に出力し、かつ前記後進レンジ以外の際に前記第1油路(b1〜b6)の油圧を排出するレンジ圧生成部(52)と、
前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)に供給する係合圧(PB2)が供給される第1ポート(51a)と前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)に接続される第2ポート(51c)とを連通する第1位置(上位置)と、前記第2ポート(51c)と前記第1油路(b1〜b6)に接続される第3ポート(51b)とを連通する第2位置(下位置)と、に切換え自在な切換えバルブ(51)と、
前記第1油路(b1〜b6)に介在されて前記レンジ圧生成部(52)からの油圧の排出を遅延させる第1遅延部(61)と、
前記第1油路(b1〜b6)における前記切換えバルブ(51)と前記第1遅延部(61)との間から分岐して、前記第1遅延部(61)を迂回して油圧の排出を可能にする第2油路(d1,d2)と、
油室(54c)を有すると共に、前記第2油路(d1,d2)に開閉自在に介在し、前記油室(54c)の油圧が閉塞する方向に作用し、かつ前記切換えバルブ(51)の側からの油圧が開放する方向に作用する第1開閉バルブ(54)と、
前記第1油路(b1〜b6)における前記レンジ圧生成部(52)と前記第1遅延部(61)との間から分岐して、前記第1開閉バルブ(54)の前記油室(54c)に連通する第3油路(e1)と、
前記第3油路(e1)に介在されて前記油室(54c)からの油圧の排出を遅延させる第2遅延部(62)と、を備え、
前記後進レンジから前記後進レンジ以外に切換えられて前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を排出する場合は、前記後進レンジであった際に前記第3油路(e1)から前記油室(54c)に供給されていた前記後進レンジ圧の排出を前記第2遅延部(62)により前記第1油路(b1〜b6)の油圧の排出よりも遅延させることで前記第1開閉バルブ(54)を閉塞させる状態に維持して、前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を前記第1油路(b1〜b6)を介して前記第1遅延部(61)により遅延させつつ排出し、
前記前進レンジの所定変速段から他の変速段に変速する際に前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を排出する場合は、前記切換えバルブ(51)の側から油圧を作用させて前記第1開閉バルブ(54)を開放させて、前記摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を前記第2油路(d1,d2)を介して排出することを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本自動変速機の油圧制御装置によると、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられて摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を排出する場合は、後進レンジであった際に第3油路から油室に供給されていた後進レンジ圧の排出を第2遅延部により第1油路の油圧の排出よりも遅延させることで第1開閉バルブを閉塞させる状態に維持して、摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を第1油路を介して第1遅延部により遅延させつつ排出する。また、前進レンジの所定変速段から他の変速段に変速する際に摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を排出する場合は、切換えバルブの側から油圧を作用させて第1開閉バルブを開放させて、摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を第2油路を介して排出する。これにより、摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際には緩やかに排出することができ、かつ所定変速段から他の変速段に変速する際には素早く排出することができるものでありながら、例えばクイックドレーン用切換えバルブやそれを切換えるためのソレノイドバルブなどを不要とすることができ、バルブ本数を低減することができると共に、制御の簡易化も図ることができる。
本実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本実施の形態に係る自動変速機の係合表。 本実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置を示す油圧回路図。 後進レンジから前進レンジに切換えられた場合を示すタイムチャート。 前進3速段から前進5速段に変速された場合を示すタイムチャート。
以下、本実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。
まず、本実施の形態に係る自動変速機1の概略構成について、図1及び図2に沿って説明する。本実施の形態の自動変速機1は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトあるいは電気モータのロータに接続されると共に、エンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能としている。自動変速機1は、発進装置(流体伝動装置)2と、オイルポンプ3と、エンジン等から入力軸40に伝達された動力を変速して出力軸41に伝達する変速機構4と、これらを収容するトランスミッションケース5とを備えている。
発進装置2は、トルクコンバータ20と、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバーと変速機構4の入力軸40とを接続及び切断可能なロックアップクラッチ21と、フロントカバーと変速機構4の入力軸40との間で振動を減衰するダンパ機構22とを備えている。トルクコンバータ20は、フロントカバーに連結される入力側のポンプインペラ23と、変速機構4の入力軸40に連結される出力側のタービンランナ24と、ポンプインペラ23及びタービンランナ24の内側に配置されてタービンランナ24からポンプインペラ23への作動油の流れを整流するステータ25と、図示しないステータシャフトにより支持されると共にステータ25の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ26とを備えている。なお、トルクコンバータ20は、ステータ25を有さない流体継手であってもよい。
オイルポンプ3は、ポンプボディとポンプカバーとを含むポンプアッセンブリ、チェーンまたはギヤ列を介してトルクコンバータ20のポンプインペラ23に連結された外歯ギヤ(インナーロータ)、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)等を有するギヤポンプとして構成されている。オイルポンプ3は、エンジン等からの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して、後述する油圧制御装置50へと圧送するようになっている。
変速機構4は、10段変速式の変速機として構成されており、入力軸40と、図示しないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸41と、入力軸40及び出力軸41の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1プラネタリギヤ42及び第2プラネタリギヤ43と、ダブルピニオン式プラネタリギヤとシングルピニオン式プラネタリギヤとを組み合わせて構成されるラビニヨ式遊星歯車機構であるプラネタリギヤセット44とを備えている。また、変速機構4は、入力軸40から出力軸41までの動力伝達経路を変更するための6つの係合要素として、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、第3クラッチC3と、第4クラッチC4と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2(摩擦係合要素)とを備えている。
本実施の形態では、第1及び第2プラネタリギヤ42,43、並びにプラネタリギヤセット44は、発進装置2即ちエンジン側(図1における左側)から、プラネタリギヤセット44、第2プラネタリギヤ43、第1プラネタリギヤ42という順番で並ぶようにトランスミッションケース5内に配置されている。これにより、プラネタリギヤセット44は、発進装置2に近接するように車両の前部側に配置され、第1プラネタリギヤ42は、出力軸41に近接するように車両の後部側に配置され、第2プラネタリギヤ43は、プラネタリギヤセット44と第1プラネタリギヤ42との間に配置されている。
第1プラネタリギヤ42は、外歯歯車である第1サンギヤ42sと、第1サンギヤ42sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ42rと、それぞれ第1サンギヤ42s及び第1リングギヤ42rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ42pと、複数の第1ピニオンギヤ42pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ42cとを備えている。
第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cは、入力軸40に連結された変速機構4の中間軸47に常時連結(固定)されている。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第1キャリヤ42cには、エンジン等からの動力が入力軸40及び中間軸47を介して常時伝達されることになる。第1キャリヤ42cは、第4クラッチC4の係合時に第1プラネタリギヤ42の入力要素として機能し、第4クラッチC4の解放時には空転する。また、第1リングギヤ42rは、第4クラッチC4の係合時に当該第1プラネタリギヤ42の出力要素として機能する。
第2プラネタリギヤ43は、外歯歯車である第2サンギヤ43sと、第2サンギヤ43sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ43rと、それぞれ第2サンギヤ43s及び第2リングギヤ43rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ43pと、複数の第2ピニオンギヤ43pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)43cとを備えている。
第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sは、第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ42sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。但し、第1サンギヤ42sと第2サンギヤ43sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材を介して常時連結されてもよい。また、第2プラネタリギヤ43の第2キャリヤ43cは、出力軸41に常時連結されており、当該出力軸41と常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。これにより、第2キャリヤ43cは、第2プラネタリギヤ43の出力要素として機能する。更に、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rは、当該第2プラネタリギヤ43の固定可能要素として機能する。
プラネタリギヤセット44は、ダブルピニオン式プラネタリギヤである第3プラネタリギヤ45と、シングルピニオン式プラネタリギヤである第4プラネタリギヤ46とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構である。なお、各プラネタリギヤは、エンジン側から、第4プラネタリギヤ46、第3プラネタリギヤ45、第2プラネタリギヤ43、第1プラネタリギヤ42という順番で並ぶようにトランスミッションケース5内に配置されている。
プラネタリギヤセット44は、外歯歯車である第3サンギヤ45s及び第4サンギヤ46sと、第3及び第4サンギヤ45s,46sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ45rと、第3サンギヤ45sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)45pと、第4サンギヤ46s及び複数の第3ピニオンギヤ45pに噛合すると共に第3リングギヤ45rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)46pと、複数の第3ピニオンギヤ45p及び複数の第4ピニオンギヤ46pを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持する第3キャリヤ45cとを備えている。
第3プラネタリギヤ45は、第3サンギヤ45sと、第3キャリヤ45cと、第3ピニオンギヤ45pと、第4ピニオンギヤ46pと、第3リングギヤ45rとにより構成されている。第4プラネタリギヤ46は、第4サンギヤ46sと、第3キャリヤ45cと、第4ピニオンギヤ46pと、第3リングギヤ45rとにより構成されている。
また、プラネタリギヤセット44を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ46sは、プラネタリギヤセット44の固定可能要素として機能する。更に、第3キャリヤ45cは、入力軸40に常時連結(固定)されると共に、中間軸47を介して第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cに常時連結される。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第3キャリヤ45cには、エンジン等からの動力が入力軸40を介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ45cは、プラネタリギヤセット44の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ45rは、当該プラネタリギヤセット44の第1の出力要素として機能し、第3サンギヤ45sは、当該プラネタリギヤセット44の第2の出力要素として機能する。
第1クラッチC1は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第2クラッチC2は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3サンギヤ45sとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第3クラッチC3は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第4クラッチC4は、第1プラネタリギヤ42の第1リングギヤ42rと出力軸41とを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。
第1ブレーキB1は、プラネタリギヤセット44の第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、当該第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。第2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、当該第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。
本実施の形態では、第1クラッチC1〜第4クラッチC4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(例えば、環状部材の両面に摩擦材を貼着することにより構成された摩擦プレート及び両面が平滑に形成された環状部材であるセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室及び遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチが採用されている。また、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート及びセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用されている。
そして、自動変速機1は、第1クラッチC1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2クラッチC2を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第3クラッチC3を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第4クラッチC4を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第1ブレーキB1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2ブレーキB2を係脱し得る油圧サーボ70を備えている(図3参照)。そして、第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の各油圧サーボは、油圧制御装置50による作動油の給排を受けて動作するようになっている。
図2は、変速機構4の各変速段と第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の作動状態との関係を示す係合表である。このように構成された自動変速機1では、図1のスケルトン図に示す各第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が、図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、前進1速段(1st)〜前進10速段(10th)、及び後進1速段(Rev)が達成される。
次に、本発明に係る自動変速機1の油圧制御装置50について図3に沿って説明する。
油圧制御装置50は、オイルポンプ3からの油圧をライン圧Pに調圧するプライマリレギュレータバルブ等を備え、このライン圧Pを各部に供給し得るように構成されている。なお、図3中では生成されたライン圧Pのみを表記している。
図3に示すように、油圧制御装置50は、リニアソレノイドバルブSL6と、ソレノイドバルブS1、切換えバルブ51、マニュアルバルブ52等を備えて構成されている。
マニュアルバルブ52は、ライン圧Pが油路a1を介して入力される入力ポート52aと、不図示のシフトレバーが後進レンジに切換えられた際に入力ポート52aに連通してライン圧Pを後進レンジ圧Pとして詳しくは後述する油路b1〜b6(第1油路)などに出力する出力ポート52bと、不図示のシフトレバーが後進レンジ以外に切換えられた際に出力ポート52bに連通して詳しくは後述する油路b1〜b6(第1油路)などの油圧を排出するドレーンポートEXと、を有している。なお、マニュアルバルブ52は、図示を省略した部分にシフトレバーが前進レンジに切換えられた際に前進レンジ圧を出力する出力ポートなども有している。
なお、本実施の形態では、シフトレバーに連動して切換えられて前進レンジ圧や後進レンジ圧Pを出力又は排出するマニュアルバルブ52をレンジ圧生成部の一例として説明するが、これに限らず、例えばソレノイドバルブ等の信号圧に基づき油圧制御により切換えられてライン圧Pを前進レンジ圧や後進レンジ圧Pを出力又は排出する複数本のバルブで構成された、いわゆる油圧切換え式のシフトバイワイヤ方式でマニュアルバルブ52の代わりとしたものであっても構わない。
一方、上記ソレノイドバルブS1は、油路a2を介してライン圧Pを入力する入力ポートS1aと、電子指令に基づき入力ポートS1aに入力されているライン圧Pを信号圧PS1として油路f1に出力自在な出力ポートS1bとを有している。
また、上記リニアソレノイドバルブSL6は、油路a3を介してライン圧Pを入力する入力ポートSL6aと、電子指令に基づきドレーンポートEXと入力ポートSL6aとの連通状態を制御することで該入力ポートSL6aに入力されているライン圧Pを調圧して制御圧PSL6として油路g1に出力する出力ポートSL6bとを有している。
切換えバルブ51は、スプール51pと、該スプール51pを図中上方側に付勢するスプリング51sと、油路g1を介して上記制御圧PSL6(つまり第2ブレーキB2の係合圧PB2)を入力自在な第1ポート51aと、油路h1を介して第2ブレーキB2の油圧サーボ70に接続される第2ポート51cと、詳しくは後述するように油路b1〜b6等を介してマニュアルバルブ52の出力ポート52bに接続される第3ポート51bと、を有して構成されている。該切換えバルブ51は、上記信号圧PS1が入力されていない状態では、スプリング51sの付勢力によりスプール51pが上位置(第1位置)に切換えられ、第1ポート51aと第2ポート51cとが連通されると共に第3ポート51bと第2ポート51cとが遮断される。また、該切換えバルブ51は、上記油路f1を介してソレノイドバルブS1から信号圧PS1が入力されると、該信号圧PS1の押圧力がスプリング51sの付勢力に打勝ってスプール51pが下位置(第2位置)に切換えられ、第3ポート51bと第2ポート51cとが連通されると共に第1ポート51aと第2ポート51cとが遮断される。
つづいて、マニュアルバルブ52と切換えバルブ51との間における油路構成について詳細に説明する。マニュアルバルブ52の出力ポート52bと、切換えバルブ51の第3ポート51bとは、油路b1,b2,b3,b4,b5,b6(第1油路)によって常時連通するように接続されている。この油路b1〜b6の間にあって油路b4には、第1オリフィス61(第1遅延部)が介在されている。
また、上記第1オリフィス61が介在している油路b4を迂回して並列的になるように、油路c1,c2(第4油路)が配置されている。詳細には、油路b1〜b6におけるマニュアルバルブ52と第1オリフィス61との間である油路b2と油路b3との間から油路c1が分岐し、第1オリフィス61と切換えバルブ51との間である油路b4と油路b5との間に油路c2が合流している。油路c1と油路c2との間には、マニュアルバルブ52から切換えバルブ51に向けて後進レンジ圧Pを供給する場合に該後進レンジ圧Pによって開放され、反対に切換えバルブ51からマニュアルバルブ52に向けて油圧を排出する場合には不図示の内蔵されたスプリングの付勢力によって閉塞されるチェックバルブ53(第2開閉バルブ)が介在するように備えられている。
また、上記第1オリフィス61が介在している油路b4及びチェックバルブ53が介在している油路c1,c2を迂回して並列的になるように、油路d1,d2(第2油路)が配置されている。詳細には、油路b1〜b6における切換えバルブ51と第1オリフィス61との間である油路b6と油路b5との間から油路d1が分岐し、第1オリフィス61とマニュアルバルブ52との間である油路b2と油路b1との間に油路d2が合流している。油路d1と油路d2との間には、詳しくは後述するチェックバルブ54(第1開閉バルブ)が開閉自在に介在するように備えられている。
さらに、油路b1〜b6におけるマニュアルバルブ52と第1オリフィス61との間である油路b3と油路b4との間からは、油路e1(第3油路)が分岐し、詳しくは後述するチェックバルブ54の油室54cに接続されている。該油路e1には、上記第1オリフィス61のオリフィス径よりも小径なオリフィス径を有する第2オリフィス62(第2遅延部)が介在されている。
上記チェックバルブ54は、油路d1に対して開口した板部材54aと、該板部材54aに接離自在に配置され、該板部材54aの開口を開放・閉塞するカップ状部材54bと、該カップ状部材54bを板部材54aに向けて付勢するスプリング54sとを有して構成されており、これらチェックバルブ54のカップ状部材54bやスプリング54sを収容する収容穴55の内部にあってカップ状部材54bの内部が、上記油路e1から供給された油圧を溜めてカップ状部材54bを板部材54aに押圧作用させる油室54cとなっている。
このように構成されたチェックバルブ54は、油路d1から作用する油圧が油室54cの油圧作用及びスプリング54sの付勢力よりも大きくなると、板部材54aとカップ状部材54bとが離反して油路d1と油路d2とを開放する。反対に、油路d1から作用する油圧が油室54cの油圧作用及びスプリング54sの付勢力よりも小さい場合は、板部材54aとカップ状部材54bとが密接した状態に維持され、油路d1と油路d2とを閉塞する。
ついで、本油圧制御装置50の動作について説明する。まず、例えば運転者により不図示のシフトレバーが後進レンジ(Rレンジ位置)に選択操作されると、図示を省略した制御部(ECU)は、まず、ソレノイドバルブS1に信号圧PS1を出力するように指令し、切換えバルブ51を下位置に切換えて第3ポート51bと第2ポート51cとを連通した状態にする。
また、上記シフトレバーに連動してマニュアルバルブ52のスプールが後進レンジ位置に切換えられ、入力ポート52aに入力されているライン圧Pが出力ポート52bから後進レンジ圧Pとして油路b1に向けて出力する。すると、油路b1に出力された後進レンジ圧Pは、油路b2から油路b3,b4にも供給されるが、油路c1にも供給され、チェックバルブ53を押圧して開放し、油路c2,b5,b6を介して第1オリフィス61を迂回した形で第1オリフィス61を経由した場合よりも早く切換えバルブ51の第3ポート51bに供給される。これにより、後進レンジ圧Pは、該切換えバルブ51を通過して油路h1から第2ブレーキB2の油圧サーボ70に供給され、第2ブレーキB2が係合される。そして、図示を省略したリニアソレノイドバルブ等から第2クラッチC2及び第3クラッチC3のそれぞれの油圧サーボに各係合圧が供給され、自動変速機1は後進段を形成する(図2参照)。
なお、マニュアルバルブ52から切換えバルブ51に向けて油路b1,b2,c1,c2,b5,b6を介して後進レンジ圧Pが供給されると、油路d1にも後進レンジ圧Pがカップ状部材54bに押圧作用し、一方でチェックバルブ54の油室54cの油圧上昇が第2オリフィス62によって遅れるため、チェックバルブ54が開放状態となって油路d2と油路d1とが連通状態になる場合があるが、この場合は、油路d2,d1を介して後進レンジ圧Pが切換えバルブ51に供給されるだけであるので、特に問題はない。
その後、後進レンジの状態が継続すると、油路b1,b2,b3,e1及び第2オリフィス62を通って、チェックバルブ54の油室54cに後進レンジ圧Pが溜まるため、スプリング54sの付勢力によってカップ状部材54bは板部材54aに押付けられて該チェックバルブ54は閉塞状態となり、かつ油室54cには後進レンジ圧Pが蓄圧された状態となる。なお、チェックバルブ53も油路c1と油路c2との両方が後進レンジ圧Pによって同圧となると、不図示のスプリングよって閉塞状態となる。
つづいて、例えば運転者により不図示のシフトレバーが後進レンジ(Rレンジ位置)から後進レンジ以外のレンジ(例えばニュートラルレンジ(Nレンジ)、前進レンジ(Dレンジ)、パーキングレンジ(Pレンジ)など)に選択操作されると、マニュアルバルブ52が後進レンジ以外の位置に切換えられ、出力ポート52bと入力ポート52aとが遮断されると共に出力ポート52bとドレーンポートEXとが連通し、マニュアルバルブ52が油圧の排出状態となり、切換えバルブ51が下位置にある状態では、第3ポート51bから油圧が排出される。
すると、油路c2と油路c1との間がチェックバルブ53により遮断されているので、第2ブレーキB2の油圧サーボ70の油圧は、油路h1から切換えバルブ51を通り、油路b6,b5,b4,b3,b2,b1を介してマニュアルバルブ52のドレーンポートEXから排出が行われる。この際、油路d1に対しても排出する油圧が作用するが、チェックバルブ54の油室54cには後進レンジであった際の後進レンジ圧Pが蓄圧されており、その油室54cの油圧は、第1オリフィス61よりもオリフィス径が小径な第2オリフィス62によって、第1オリフィス61を通る油圧の排出よりも遅れるため、つまり油路d1に生じる油圧は油路b5,b4,b3,b2,b1を通って油室554cの油圧より先に排出されて圧力が先に降下されるので、差圧によってカップ状部材54bが板部材54aに押付けられたままとなりチェックバルブ54が閉塞状態に維持される。このため、油路d1,d2は遮断状態となっており、第2ブレーキB2の油圧サーボ70の油圧は、第1オリフィス61を経由した油路b6,b5,b4,b3,b2,b1だけを通って、緩やかに排出される。
ところで、本実施の形態の自動変速機1は、前進1速段〜前進10速段、及び後進段を3つのクラッチやブレーキの係合により達成するように構成されている。そのため、例えば後進レンジや前進レンジ等の走行レンジからニュートラルレンジやパーキングレンジなどの非走行レンジに切換えられた際に、3つのクラッチやブレーキを全て解放してしまうと、非走行レンジから走行レンジに切換えられた際に、3つのクラッチやブレーキを再係合させる必要が生じ、レスポンスとして好ましくない。そこで、本自動変速機1では、ニュートラルレンジやパーキングレンジなどの非走行レンジにあっても、後進段と前進1速段との両方で係合する第2クラッチC2及び第2ブレーキB2を係合させたまま維持しておくように構成している(図2参照)。
そのため、上述のように不図示のシフトレバーが後進レンジから後進レンジ以外のレンジに選択操作されると、マニュアルバルブ52が後進レンジ以外の位置に切換えられて、一旦は第2ブレーキB2の油圧サーボ70の油圧の排出が生じるが、直ぐに制御部がソレノイドバルブS1に指令して信号圧PS1を非出力状態にし、切換えバルブ51を上位置に切換えると共に、リニアソレノイドバルブSL6から係合圧PB2を出力して、第2ブレーキB2を係合状態に維持するようにする。なお、第2クラッチC2は、不図示のリニアソレノイドバルブから係合圧を出力し続けることで、そのまま係合状態が維持される。
ここで、シフトレバーが後進レンジから前進レンジに切換えられた際(R→D)の油圧の変化について図3を参照しつつ図4に沿って説明する。図4に示すように、まず、後進レンジの状態では、不図示のそれぞれのリニアソレノイドバルブから第2クラッチC2の係合圧PC2と第3クラッチC3の係合圧PC3とがそれぞれの油圧サーボに対して供給されていると共に、第2ブレーキB2の油圧サーボ70に上述のように後進レンジ圧Pが係合圧PB2として供給されている。
時点t11において、例えば運転者によりシフトレバーが後進レンジ位置より前進レンジ位置に切換えらえると(R→D)、制御部は、不図示のそれぞれのリニアソレノイドバルブを制御して、第2クラッチC2の係合圧PC2を出力状態に維持したまま、第3クラッチC3の係合圧PC3の下降を開始する。この際、上述したように、マニュアルバルブ52が後進レンジ位置に切換えられるので、該マニュアルバルブ52から第2ブレーキB2の係合圧PB2の排出が開始される。
一方で、不図示の制御部は、前進1速段を形成するため、不図示のリニアソレノイドバルブに指令して第1クラッチC1の係合圧PC1を急上昇し、第1クラッチC1の油圧サーボのピストンが摩擦板を押圧開始する位置まで素早く移動するようにファストフィルを行う。なお、この第1クラッチC1の係合圧PC1のファストフィルを行う際には、第1クラッチC1の油圧サーボに急激に油圧が流れるので、ライン圧Pが一時的に低下し、第2クラッチC2の係合圧PC2は、特にリニアソレノイドバルブを制御していない状態だが、一時的に圧低が生じる。
続いて時点t12になると、不図示の制御部は、ソレノイドバルブS1に指令して信号圧PS1を非出力状態にし、切換えバルブ51を上位置に切換えると共に、リニアソレノイドバルブSL6に指令して制御圧PSL6を係合圧PB2として出力を開始させ、それによって、油圧サーボ70に供給される係合圧PB2は上昇を開始して、ライン圧Pをそのまま供給する状態まで上昇する。なお、第1クラッチC1のファストフィルが終了すると、ライン圧Pの一時的な圧低が納まり、第2クラッチC2の係合圧PC2もライン圧Pをそのまま供給する状態まで上昇する。
この間、第3クラッチC3の係合圧PC3は、急激に第3クラッチC3が解放されるとシフトショックが生じるので、僅かに係合状態を維持するように一定圧に維持される。そして、第1クラッチC1の係合圧PC1の上昇を開始して該第1クラッチC1のスリップ係合を開始するタイミングに合わせて第3クラッチC3の係合圧PC3の下降を開始し、時点t13までに第1クラッチC1を略々係合状態にすると共に、第3クラッチC3の係合圧PC3を0圧まで下降させて完全解放状態にし、前進1速段の形成、つまり前進レンジへの移行を達成する。
ところで、例えば上述した第1オリフィス61が無く、第2ブレーキB2の油圧サーボ70に供給していた後進レンジ圧Pのマニュアルバルブ52からの排出を遅らせないとすると、図4の破線で示す第2ブレーキB2の係合圧PB2NGのように下降する虞があり、この場合は、第2ブレーキB2が一旦解放状態となった後に再係合されることになる。そうすると、第3クラッチC3を緩やかに解放することでシフトショックを低減するように制御したとしても、第2ブレーキB2の解放によりトルク伝達が途切れ、トルク抜けの発生によるシフトショックが生じてしまうことになる。
しかしながら、本実施の形態の油圧制御装置50では、上述したように第2ブレーキB2の油圧サーボ70に供給していた後進レンジ圧Pをマニュアルバルブ52から排出する際に、第1オリフィス61を経由して緩やかに排出するように構成しているので、上述のようなシフトショックが発生することの防止が図れている。
次に、例えば前進レンジにおける第2ブレーキB2の係合制御と解放制御とについて図3に沿って説明する。上述したように前進レンジにあって例えば前進1〜4速段(所定変速段)では、制御部がソレノイドバルブS1に指令して信号圧PS1を非出力状態にし、切換えバルブ51をスプリング51sの付勢力によって上位置に切換えると共に、リニアソレノイドバルブSL6からライン圧Pに基づく係合圧PB2を油路g1に出力し、切換えバルブ51の第1ポート51a及び第2ポート51c、油路h1を介して油圧サーボ70に係合圧PB2を供給し、第2ブレーキB2を係合状態にする。
その後、例えば不図示の制御部が車速の上昇などに伴い前進1〜4速段(所定変速段)のいずれかから前進5〜10速段(他の変速段)のいずれかにアップシフト変速を判断すると、第2ブレーキB2を解放するために油圧サーボ70の油圧の排出を行う。この際、リニアソレノイドバルブSL6を調圧制御することで係合圧PB2を排出しようとすると、該リニアソレノイドバルブSL6の応答性に起因して係合圧PB2の排出が遅くなり、変速レスポンスを向上できないという問題がある。
そこで、不図示の制御部は、リニアソレノイドバルブSL6による係合圧PB2(制御圧PSL6)の下降を行う一方で、ソレノイドバルブS1に指令して信号圧PS1を出力し、切換えバルブ51を下位置に切換えて、マニュアルバルブ52から係合圧PB2の排出を素早く行う、いわゆるクイックドレーンを実行する。
即ち、切換えバルブ51を下位置に切換えると、油圧サーボ70の係合圧PB2は、油路h1、第2ポート51c及び第3ポート51bを介して油路b6に導かれる。この際、前進レンジではマニュアルバルブ52の出力ポート52bがドレーンポートEXに連通しているため、チェックバルブ54の油室54cは、油路e1,b3,b2,b1、を介してマニュアルバルブ52のドレーンポートEXに連通しており、該油室54cの油圧は略々0圧となっている。そのため、油路b6に導かれた係合圧PB2は、油路d1に導かれてスプリング54sの付勢力に打勝ってカップ状部材54bを開放し、油路d2,b1を介してマニュアルバルブ52のドレーンポートEXから排出され、つまり油圧サーボ70の係合圧PB2は、第1オリフィス61を介すことなく、素早く排出される。これにより、アップシフト変速する際に係合する他のクラッチを素早く係合してもタイアップを生じることがなく、つまりアップシフト変速のレスポンスを向上することができる。
ここで、前進3速段の走行中から例えばアクセルがオフされて前進5速段へ変速する際、いわゆるオフアップシフト変速の際の油圧の変化について図3を参照しつつ図5に沿って説明する。図5に示すように、まず、前進3速段の状態では、不図示のそれぞれのリニアソレノイドバルブから第2クラッチC2の係合圧PC2と第1ブレーキB1の係合圧PB1とがそれぞれの油圧サーボに対して供給されていると共に、第2ブレーキB2の油圧サーボ70に上述のようにリニアソレノイドバルブSL6からの制御圧PSL6が係合圧PB2として供給されている。
時点t21において、例えば制御部において前進3速段から前進5速段へのアップシフト変速(3→5)が判断されると、制御部は、不図示のそれぞれのリニアソレノイドバルブを制御して、第2クラッチC2の係合圧PC2と第1ブレーキB1の係合圧PB1とを出力状態に維持したまま、第4クラッチC4の係合圧PC4を急上昇し、第1クラッチC1の油圧サーボのピストンが摩擦板を押圧開始する位置まで素早く移動するようにファストフィルを行う。なお、この第4クラッチC4の係合圧PC4のファストフィルを行う際には、第4クラッチC4の油圧サーボに急激に油圧が流れるので、ライン圧Pが一時的に低下し、第2クラッチC2の係合圧PC2、第1ブレーキB1の係合圧PB1、第2ブレーキB2の係合圧PB2は、特にリニアソレノイドバルブを制御していない状態だが、一時的に圧低が生じる。
続いて時点t22になると、不図示の制御部は、リニアソレノイドバルブSL6に指令して係合圧PB2の降下を開始させる一方で、ソレノイドバルブS1に指令して信号圧PS1を出力状態にし、切換えバルブ51を下位置に切換える。それによって、油圧サーボ70に供給される係合圧PB2は、上述したように油路b6、d1、チェックバルブ54、油路d2、b1、及びマニュアルバルブ52を介して素早く排出される。この間、第4クラッチC4の係合圧PC4の上昇を開始して該第4クラッチC4をスリップ係合させていき、時点t23までに第4クラッチC4を係合状態にする。
ところで、例えば上述したチェックバルブ54が無く、第2ブレーキB2の油圧サーボ70に供給していた係合圧PB2のマニュアルバルブ52からの排出を、第1オリフィス61を経由して行うとすると、図5の破線で示す第2ブレーキB2の係合圧PB2NGのように緩やかに下降することになり、この場合は、第2ブレーキB2が解放状態となる前に第4クラッチC4を係合してしまうとタイアップが生じてしまうので、第4クラッチC4の係合圧PC4の上昇を遅らせる必要がある。そうすると、前進3速段から前進5速段へのアップシフト変速のレスポンスが遅くなってしまうことになる。
しかしながら、本実施の形態の油圧制御装置50では、上述したように第2ブレーキB2の油圧サーボ70に供給していた係合圧PB2をマニュアルバルブ52から排出する際に、第1オリフィス61を経由せず、チェックバルブ54を経由して素早く排出するように構成しているので、上述のようなアップシフト変速のレスポンス向上が図れている。
(本実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本自動変速機(1)の油圧制御装置(50)によると、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられて摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を排出する場合は、後進レンジであった際に第3油路(e1)から油室(54c)に供給されていた後進レンジ圧(P)の排出を第2遅延部(62)により第1油路(b1〜b6)の油圧の排出よりも遅延させることで第1開閉バルブ(54)を閉塞させる状態に維持して、摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を第1油路(b1〜b6)を介して第1遅延部(61)により遅延させつつ排出する。また、前進レンジの所定変速段(前進1〜4速段)から他の変速段(前進5〜10速段)に変速する際に摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を排出する場合は、切換えバルブ(51)の側から油圧を作用させて第1開閉バルブ(54)を開放させて、摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を第2油路(d1,d2)を介して排出する。これにより、摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)の油圧を、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際には緩やかに排出することができ、かつ所定変速段から他の変速段に変速する際には素早く排出することができるものでありながら、例えばクイックドレーン用切換えバルブやそれを切換えるためのソレノイドバルブなどを不要とすることができ、バルブ本数を低減することができると共に、制御の簡易化も図ることができる。
また、第1遅延部は第1オリフィス(61)であり、第2遅延部は第1オリフィス(61)よりもオリフィス径が小径な第2オリフィス(62)であるので、簡易な部品で本油圧制御装置(50)を構成することができる。
そして、第1油路(b1〜b6)におけるレンジ圧生成部(52)と第1遅延部(61)との間から分岐して第1遅延部(61)と切換えバルブ(51)との間で合流することで第1遅延部(61)を迂回する第4油路(c1,c2)と、第4油路(c1,c2)に介在し、レンジ圧生成部(52)から切換えバルブ(51)に向けて後進レンジ圧(P)を供給する場合に開放され、切換えバルブ(51)からレンジ圧生成部(52)に向けて油圧を排出する場合に閉塞される第2開閉バルブ(53)とを備えているので、後進レンジ以外から後進レンジに切換えられた際に、第1遅延部(61)を経由することなく、摩擦係合要素(B2)の油圧サーボ(70)に素早く後進レンジ圧(P)を供給することができ、後進段の形成のレスポンスを向上することができる。
なお、本実施の形態においては、自動変速機の一例として、前進10速段及び後進段を達成するものを説明したが、これに限らず、後進段及び前進の所定変速段で係合される摩擦係合要素を有するものであれば、どのような自動変速機であっても構わない。
また、本実施の形態においては、第1遅延部及び第2遅延部をオリフィスで構成したものを説明したが、油圧の通過を遅らせることができるものであれば、どのようなものであっても構わない。
また、本実施の形態においては、第1オリフィスよりも第2オリフィスのオリフィス径が小径であるものを説明したが、第1オリフィス61と第2オリフィス62とのオリフィス径が同径であっても構わない。この場合は、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際、油路b6〜b1を介して排出される後進レンジ圧と同じタイミングで油室54cの油圧が排出され、油室54cと油路d1との油圧が略々同圧となる可能性があるが、チェックバルブ54のスプリング54sの付勢力がある分、チェックバルブ54を閉塞状態に維持することができる。要するに、第1オリフィス61と第2オリフィス62とのオリフィス径の設定は、後進レンジから後進レンジ以外に切換えられた際に、油室54cの油圧及びスプリング54sの付勢力よりも油路d1に作用する油圧が小さくなるように設定されていれば良い。従って、第1オリフィス61と第2オリフィス62とのオリフィス径が適宜に設定されていれば、チェックバルブ54にスプリング54sを設けなくても構わない。
1 自動変速機
50 油圧制御装置
51 切換えバルブ
51a 第1ポート
51b 第3ポート
51c 第2ポート
52 レンジ圧生成部(マニュアルバルブ)
53 第2開閉バルブ(チェックバルブ)
54 第1開閉バルブ(チェックバルブ)
54c 油室
61 第1遅延部、第1オリフィス
62 第2遅延部、第2オリフィス
70 油圧サーボ
B2 摩擦係合要素(第2ブレーキ)
B2 係合圧
後進レンジ圧
b1〜b6 第1油路(油路)
c1,c2 第4油路(油路)
d1,d2 第2油路(油路)
e1 第3油路(油路)

Claims (3)

  1. 少なくとも前進レンジの所定変速段及び後進レンジで係合される摩擦係合要素を備えた自動変速機の油圧制御装置において、
    第1油路と、
    前記後進レンジの際に後進レンジ圧を前記第1油路に出力し、かつ前記後進レンジ以外の際に前記第1油路の油圧を排出するレンジ圧生成部と、
    前記摩擦係合要素の油圧サーボに供給する係合圧が供給される第1ポートと前記摩擦係合要素の油圧サーボに接続される第2ポートとを連通する第1位置と、前記第2ポートと前記第1油路に接続される第3ポートとを連通する第2位置と、に切換え自在な切換えバルブと、
    前記第1油路に介在されて前記レンジ圧生成部からの油圧の排出を遅延させる第1遅延部と、
    前記第1油路における前記切換えバルブと前記第1遅延部との間から分岐して、前記第1遅延部を迂回して油圧の排出を可能にする第2油路と、
    油室を有すると共に、前記第2油路に開閉自在に介在し、前記油室の油圧が閉塞する方向に作用し、かつ前記切換えバルブの側からの油圧が開放する方向に作用する第1開閉バルブと、
    前記第1油路における前記レンジ圧生成部と前記第1遅延部との間から分岐して、前記第1開閉バルブの前記油室に連通する第3油路と、
    前記第3油路に介在されて前記油室からの油圧の排出を遅延させる第2遅延部と、を備え、
    前記後進レンジから前記後進レンジ以外に切換えられて前記摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を排出する場合は、前記後進レンジであった際に前記第3油路から前記油室に供給されていた前記後進レンジ圧の排出を前記第2遅延部により前記第1油路の油圧の排出よりも遅延させることで前記第1開閉バルブを閉塞させる状態に維持して、前記摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を前記第1油路を介して前記第1遅延部により遅延させつつ排出し、
    前記前進レンジの所定変速段から他の変速段に変速する際に前記摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を排出する場合は、前記切換えバルブの側から油圧を作用させて前記第1開閉バルブを開放させて、前記摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を前記第2油路を介して排出する、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1遅延部は、第1オリフィスであり、
    前記第2遅延部は、前記第1オリフィスよりもオリフィス径が小径な第2オリフィスである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第1油路における前記レンジ圧生成部と前記第1遅延部との間から分岐して前記第1遅延部と前記切換えバルブとの間で合流することで前記第1遅延部を迂回する第4油路と、
    前記第4油路に介在し、前記レンジ圧生成部から前記切換えバルブに向けて前記後進レンジ圧を供給する場合に開放され、前記切換えバルブから前記レンジ圧生成部に向けて油圧を排出する場合に閉塞される第2開閉バルブと、を備えた、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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