JPH07269664A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JPH07269664A
JPH07269664A JP6064057A JP6405794A JPH07269664A JP H07269664 A JPH07269664 A JP H07269664A JP 6064057 A JP6064057 A JP 6064057A JP 6405794 A JP6405794 A JP 6405794A JP H07269664 A JPH07269664 A JP H07269664A
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JP
Japan
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clutch
piston
planetary gear
automatic transmission
gear mechanism
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JP6064057A
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English (en)
Inventor
Koichi Yamamoto
宏一 山本
Yushun Mukai
雄俊 向井
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに比較的接近した3つのクラッチを配置
するに際して、特に軸方向長さを短くすることができる
配置構造を備えた自動変速機を提供する。 【構成】 自動変速機の摩擦要素として、径方向におけ
る内側に配設された第1クラッチC1と、大径ピストン
61を有して第1クラッチよりも径方向における外側に
配設された第2クラッチC2と、第1クラッチよりも径
方向における外側に配設され、上記大径ピストンの内側
に位置する小径ピストン71を有する第3クラッチC3
とを備え、上記第2クラッチが、遊星歯車機構20の外
側において、該遊星歯車機構に対し径方向に重合するよ
うに配置されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動力伝達系に設けら
れた遊星歯車機構と該遊星歯車機構の動力伝達経路を切
り換える摩擦要素とを備えた自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車等の車両の自動変
速機には、一般に、エンジン出力軸のトルクを変速してタ
ービンシャフトに伝達するトルクコンバータと、上記タ
ービンシャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝
達する変速装置(変速歯車機構)とが設けられており、該
変速歯車機構は、通常、サンギヤ,ピニオンギヤ,リング
ギヤ及びキャリア等を備えた所謂プラネタリギヤで構成
されている。そして、かかる変速歯車機構には、所定の
ギヤないしキャリアへのトルクの伝達をオン・オフする
ための摩擦要素としてクラッチが組み込まれている。ま
た、該油圧クラッチ装置以外にも、所定のギヤないしキ
ャリアを固定または解放するブレーキ等の各種摩擦要素
が設けられ、油圧機構を用いてこれら各摩擦要素のオン
・オフパターンを切り替えることにより、段階的に変速
段を切り替えて変速を行なうことができるようになって
いる。
【0003】かかる自動変速機の構造に関して、従来よ
り、比較的互いに接近した位置にある2つのクラッチど
うしについて、そのピストンを径方向について重合配置
し、外側に比較的径の大きい大径ピストンを、その内側
に比較的径の小さい小径ピストンを配設した、所謂、ダ
ブルピストン構造とすることにより、クラッチ回りのコ
ンパクト化が図れることが知られている。そして、更
に、例えば、特開平2−89836号公報や特開平4−
341642号公報では、互いに比較的接近したクラッ
チが3つある場合について、そのうちの2つを上記ダブ
ルピストン構造にして径方向における内側に配置し、残
りの一つをこのダブルピストン部分の外側で該ダブルピ
ストンに対して径方向に重合するように配設した構造が
開示されている。
【0004】すなわち、例えば図6に示すように、自動
変速機内の摩擦要素として、3つのクラッチを互いに比
較的接近させて配置するに際して、比較的径の小さい小
径ピストン104を有する第1のクラッチ101の径方
向における外側に、比較的径の大きい大径ピストン10
5を有する第2のクラッチ102を、そのピストンどう
しが径方向について重合するように配置してダブルピス
トン構造を形成し、更に、上記第2のクラッチ102の
径方向における外側に、第3のクラッチ103を配設し
た構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造のように、ダブルピストン構造の両クラッチ1
01,102を内側に、その外側に第3のクラッチ10
3を配設した場合、上記ダブルピストン構造の部分で
は、通常、両クラッチ101,102を軸方向にずらせ
て配置させる関係上、軸方向長さが不可避的に長くなる
が、この軸方向に長いダブルピストン構造の部分が、遊
星歯車機構110の側方に位置することとなる。そし
て、例えば、遊星歯車機構のキャリヤ111回りの部材
との干渉を避けるために、一定以上の軸方向スペースを
確保する必要が生じる。特に、例えば、エンジン横置き
タイプの所謂FF車では、軸方向長さがかなり厳しく制
限されるので、上記従来の構造では、特に軸方向につい
てのコンパクト化の観点からは十分ではなく、自動変速
機全体の軸方向長さをより短縮できるクラッチの配置構
造が望まれていた。
【0006】ところで、自動変速機のクラッチとしてと
して、二つの部材間に設けられた摩擦板と、該摩擦板に
対向して配置された油圧駆動のピストンとを備え、該ピ
ストンの背面側(上記摩擦板と反対側)に形成された油圧
室の圧力を制御して該ピストンを上記摩擦板に対して進
退動させることにより、ピストンによる摩擦板の押圧お
よび両者の離間を制御し、クラッチの締結/解放を制御
するようにした油圧クラッチ装置は、一般に広く用いら
れている。かかる油圧式のクラッチ装置では、ピストン
で摩擦板を押圧してクラッチを締結する際にピストン油
圧室に所定の圧力値の油圧が供給されるが、動力伝達軸
の回転に伴ってクラッチ装置が回転させられると、ピス
トン油圧室内のオイルに遠心力が作用して遠心油圧が発
生し、該油圧室の圧力が設定値を越えて過度に上昇する
など、クラッチの締結力を好適に制御する上で不利に作
用するという問題がある。
【0007】この問題に関して、ピストンの油圧室と反
対側(つまりピストンと摩擦板との間)に、該油圧室と外
径ができるだけ等しい遠心油圧相殺用の油室(所謂、遠
心バランス室)を設け、この遠心バランス室に特に加圧
しない状態でオイルを貯えることにより、上記クラッチ
回転時には、ピストン油圧室だけでなく上記遠心バラン
ス室側においても同レベルの遠心油圧を発生させるよう
にすることが知られている。かかる構成を採用すること
により、上記両油室に発生した遠心油圧が互いに打ち消
し合うようにすることができ、上記ピストン油圧室の圧
力が設定値を越えて過度に上昇する等の不具合の発生を
有効に防止することが可能になる。従って、上記のよう
なダブルピストン構造に形成された油圧クラッチについ
ても、このような遠心バランス機構を設けることができ
れば、クラッチ装置の締結力を精確に制御する上で非常
に好都合である。
【0008】そこで、この発明は、互いに比較的接近し
た3つのクラッチを配置するに際して、特に軸方向長さ
を短くすることができる配置構造を備えた自動変速機を
提供することを基本的な目的とし、併せて、3つのうち
の2つのクラッチについてダブルピストン構造を採用し
た場合にも、比較的簡単な構成で、クラッチ回転時、ピ
ストン油圧室に発生する遠心油圧を相殺するための遠心
バランス機構を設けることができるようにすることを目
的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、動力伝達系に設けられた遊星歯車機構と該遊星
歯車機構の動力伝達経路を切り換える摩擦要素とを備え
た自動変速機において、上記摩擦要素として、径方向に
おける比較的内側に配設された第1クラッチと、比較的
径の大きい大径ピストンを有して上記第1クラッチより
も径方向における外側に配設された第2クラッチと、上
記第1クラッチよりも径方向における外側に配設され、
上記大径ピストンの内側に位置する比較的径の小さい小
径ピストンを有する第3クラッチとを備えたものであ
る。
【0010】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記第2クラッチが、上記遊星歯車機構の
外側において、該遊星歯車機構に対し径方向に重合する
ように配置されていることを特徴としたものである。
【0011】更に、本願の第3の発明は、上記第1また
は第2の発明において、上記第2クラッチよりも径方向
における外側にブレーキが配設され、該ブレーキはバン
ドブレーキで構成されていることを特徴としたものであ
る。
【0012】また、更に、本願の第4の発明は、上記第
1〜第3の発明のいずれか一の発明において、上記第1
クラッチのピストンと第3クラッチの小径ピストンとに
対して、各ピストン油圧室の反対側に、該ピストン油圧
室で発生する遠心油圧を相殺する遠心バランス室を構成
する隔壁をそれぞれ設け、径方向における外側に位置す
る上記第3クラッチの小径ピストンに対して設けられた
上記隔壁の内径部にシール部材を配設したことを特徴と
したものである。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、大径ピスト
ンを有する第2クラッチと上記小径ピストンを有する第
3クラッチとで構成されるダブルピストン構造の部分
は、上記第1クラッチよりも径方向における外側に位置
するので、3つのクラッチを互いに比較的接近して配置
するに際して、従来、ダブルピストン構造の両クラッチ
を内側に、その外側に第3のクラッチを配設した場合の
ように、軸方向に長いダブルピストン構造の部分が、遊
星歯車機構の側方に位置することはなくなる。すなわ
ち、例えば、遊星歯車機構のキャリヤ回りの部材との干
渉を避けるために軸方向スペースを特に大きく確保する
必要がなくなり、自動変速機全体の軸方向長さをより短
縮することができる。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、最も外側に位置する上記第2クラ
ッチが、上記遊星歯車機構の外側において、該遊星歯車
機構に対し径方向に重合するように配置されているの
で、クラッチ回りの構造を上記第2クラッチの軸方向長
さ分だけ短縮することができる。すなわち、自動変速機
の軸方向長さをより一層短くすることができるようにな
る。
【0015】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。しかも、その上、上記第2クラッチより
も径方向における外側にブレーキが配設される場合にお
いて、該ブレーキをバンドブレーキで構成したので、自
動変速機の径方向における拡大を極力抑制することがで
きる。
【0016】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第3の発明のいずれか一の発明
と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、
上記第1クラッチのピストンと第3クラッチの小径ピス
トンとに対して、各ピストン油圧室の反対側に隔壁を設
けて遠心バランス室を設けたので、上記隔壁を設けるだ
けの比較的簡単な構成で、これら各ピストン油圧室内の
オイルに遠心力が作用した場合に、各ピストン油圧室内
で発生する遠心油圧を打ち消すようにすることができ、
上記各ピストン油圧室の圧力が設定値を越えて過度に上
昇する等の不具合の発生を有効に防止することが可能に
なる。この場合において、径方向における外側に位置す
る上記第3クラッチの小径ピストンに対して設けられた
上記隔壁の内径部にシール部材を配設したので、この内
径部から油圧オイルが漏れることにより、この漏れ部分
から外側で遠心油圧が作用することとなって、上記小径
ピストンに対する遠心バランス室内で生じる遠心油圧
が、全体として低いものとなることを確実に防止でき
る。すなわち、上記小径ピストンの油圧室内で発生する
遠心油圧と、このピストンに対する遠心バランス室で生
じる遠心油圧とを、より精度良くバランスさせることが
でき、上記第3クラッチの締結力をより精確に制御する
ことができるようになる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1に示すように、本実施例に係
る自動変速機ATは、その主要構成部としてトルクコン
バータ10と変速装置Tmとを備え、エンジン出力軸1
のトルクをトルクコンバータ10と上記変速装置Tmと
で変速し、変速装置出力軸7を介して出力部8から出力
するようになっている。上記トルクコンバータ10は、
エンジン出力軸1に連結されたコンバータケース18内
に固設されたポンプ12と、該ポンプ12から吐出され
る作動油によって回転駆動されるタービン13と、該タ
ービン13からポンプ12に還流する作動油をポンプ1
2の回転が促進される方向に整流するステータ14とを
主要部として構成され、上記ポンプ12とタービン13
の回転差に応じた変速比でエンジン出力軸1のトルクを
変速し、上記タービン13に連結されて自動変速装置A
Tの入力軸をなすタービンシャフト11に伝達するよう
になっている。
【0018】また、上記トルクコンバータ10には、燃
費性能を高めるために、所定の運転領域でエンジン出力
軸1とタービンシャフト11とを直結させるロックアッ
プクラッチ17が設けられている。このロックアップク
ラッチ17は、タービン13とコンバータケース18と
の間に設けられ、締結時(ロックアップ時)には、上記コ
ンバータケース18を介してエンジン出力軸1とタービ
ンシャフト11とを直結し、トルクコンバータ10を介
することなく両者間で直接にトルク伝達が行なわれるよ
うにするものである。尚、本実施例において 「変速比」
は 「トルク比」 を意味するものとする。
【0019】一方、変速装置Tmには、図2にその内部
構造の具体例を示すように、第1および第2の二組の遊
星歯車機構20及び30が設けられており、第1遊星歯
車機構20のキャリヤ24と第2遊星歯車機構30のリ
ングギヤ33とが出力軸7を介して一体に連結されてい
る。尚、この出力軸7の端末側には、変速装置Tmの出
力部としてのカウンタドライブギヤ8が形成されてい
る。また、第1遊星歯車機構20のリングギヤ23と第
2遊星歯車機構30のキャリヤ34とが一体に連結され
ている。
【0020】上記第1遊星歯車機構20のサンギヤ21
とタービンシャフト11(変速装置Tmへの入力軸)との
間には、所謂フォワードクラッチとしての第1クラッチ
C1が、また、上記第2遊星歯車機構30のサンギヤ3
1とタービンシャフト11との間には、所謂リバースク
ラッチとしての第2クラッチC2が、更に、第1遊星歯
車機構20のリングギヤ23とタービンシャフト11と
の間には、所謂3/4クラッチとしての第3クラッチC
3が、それぞれ配置されている。
【0021】上記第2遊星歯車機構30のサンギヤ31
は、一端がタービンシャフト11に対して回転自在に嵌
合されたドラム状の中間部材(中間ドラム41)の他端側
に結合されており、この中間ドラム41の外側には、所
謂2-4ブレーキとしてのバンド状の第1ブレーキB1
が配設されている。また、第2遊星歯車機構30のキャ
リヤ34と変速装置Tmのケース3との間には、所謂ワ
ンウェイクラッチでなる第4クラッチC4と、所謂ロー
・アンド・リバースブレーキとしての第2ブレーキB2
とが配置されている。
【0022】上記各クラッチC1〜C4及び各ブレーキ
B1,B2の摩擦要素は、第4クラッチC4(ワンウェイ
クラッチ)および第1ブレーキB1(バンドブレーキ)を
除いては、図2から良く分かるように、例えば、多数の
摩擦板を交互に積層配置してなる摩擦板積層体と、この
摩擦板積層体に対して略直角方向にスライドさせられる
油圧駆動のピストン部材とを組み合わせて構成され、こ
のピストンを駆動させる油圧を制御することにより、各
摩擦要素の締結/解除を選択的に行うことができるよう
になっている。
【0023】以上の構成により、変速装置Tmの二組の
遊星歯車機構20,30の動力伝達経路が、変速装置Tm
内の各種摩擦要素(つまり、各クラッチC1〜C4およ
び各ブレーキB1,B2)の選択的作動によって切り換え
られ、エンジン出力軸1からの伝達動力が運転状態に応
じて変速された上で自動変速装置ATの出力部8(カウ
ンタドライブギヤ)に伝達され、このカウンタドライブ
ギヤ8から、中間軸9を介してデファレンシャル装置D
Fに入力されるようになっている。
【0024】この場合において、上記変速装置Tm内の
各摩擦要素(各クラッチC1〜C4及び各ブレーキB1,
B2)は、自動変速機ATの変速モード(第1速〜第4速
および後退)に応じて、表1に示すようなパターンに従
って、そのON(締結)/OFF(解放)が切り換えられる
ように設定されている。すなわち、上記自動変速機AT
において、各クラッチC1〜C4及び各ブレーキB1,
B2について、表1に示すようなパターンに従ってON
/OFFの切換を行うことにより、自動変速機AT全体
として、前進4段および後退の変速段が得られる。尚、
表1において、○印はクラッチ又はブレーキがON(締
結)されることを示している。
【0025】
【表1】
【0026】本実施例では、図3に詳しく示すように、
第1,第2および第3クラッチC1,C2およびC3の3
つのクラッチが互いに比較的接近した位置に設けられ、
このうち、第1クラッチC1(フォワードクラッチ)が径
方向において最も内側に配設されている。一方、第2ク
ラッチC2(リバースクラッチ)は、比較的径の大きい大
径ピストン61を有し、径方向における最も外側に配設
されている。また、第3クラッチC3(3/4クラッチ)
は、上記第1クラッチC1よりも径方向における外側に
配設され、上記第2クラッチC2の大径ピストン61の
内側に位置する比較的径の小さい小径ピストン71を有
している。この小径ピストン71は、上記大径ピストン
61に対し径方向について重合するように配置されてい
る。更に、上記第2クラッチC2よりも外側に位置する
中間ドラム41の外側には、バンドブレーキで構成され
た第1ブレーキB1(2−4ブレーキ)が配置されてい
る。
【0027】つまり、この大径ピストン61と小径ピス
トン71とで、外側に比較的径の大きい大径ピストン6
1を、その内側に比較的径の小さい小径ピストン71を
配設した、所謂、ダブルピストン構造が構成されてい
る。そして、このダブルピストン構造の径方向における
内側に、第1クラッチC1が径方向について重合するよ
うに配設されている。かかる配置構造を採用したことに
より、3つのクラッチC1,C2,C3をレイアウトする
に際して、クラッチ回りの構造をコンパクト化すること
ができる。
【0028】特に、本実施例では、第2クラッチC2と
第3クラッチC3とで構成されるダブルピストン構造の
部分は、上記第1クラッチC1よりも径方向における外
側に位置しているので、3つのクラッチC1,C2,C3
を互いに比較的接近して配置するに際して、従来、ダブ
ルピストン構造の両クラッチを内側に、その外側に第3
のクラッチを配設した場合のように、軸方向に長いダブ
ルピストン構造の部分が、隣接する遊星歯車機構20の
側方に位置することはなくなる。すなわち、例えば、遊
星歯車機構20のキャリヤ24回りの部材との干渉を避
けるために軸方向スペースを特に大きく確保する必要が
なくなり、自動変速機AT全体の軸方向長さをより短縮
することができるのである。
【0029】また、本実施例では、上記第2クラッチC
2が、上記遊星歯車機構20の外側において、該遊星歯
車機構20に対し径方向に重合するように配置されてい
る。このように、最も外側に位置する第2クラッチC2
と、上記ダブルピストン構造の部分に隣接する遊星歯車
機構20との位置関係を上記のように設定することによ
り、クラッチ回りの構造を上記第2クラッチC2の軸方
向長さ分だけ短縮することができる。すなわち、自動変
速機ATの軸方向長さをより一層短くすることができる
ようになる。
【0030】尚、本実施例では、より好ましくは、ダブ
ルピストン構造を設けるに際して、同時に締結されるこ
とのない2つのクラッチC2,C3を組み合わせてダブ
ルピストン構造が形成されており、かかるダブルピスト
ン構造としたことにより、各クラッチC2,C3の締結
特性が悪影響を受けることが防止されている。また、よ
り好ましくは、上記ダブルピストン構造では、高速段
(高回転)で締結されることのない第2クラッチC2(リ
バースクラッチ)が外側に配設されており、回転時の遠
心力がクラッチの締結特性に影響を及ぼすことを回避す
るように配慮されている。
【0031】更に、本実施例では、上記第2クラッチC
2よりも径方向における外側に配設された第1ブレーキ
B1はバンドブレーキで構成されている。ダブルピスト
ン構造部分の径方向における内側に、径方向について重
合するように更にクラッチ(第1クラッチC1)を配設し
たことにより、通常であれば自動変速機ATの径方向寸
法はかなり大きくなるが、上記ダブルピストン構造部分
の更に外側にブレーキB1を配設した場合でも、このブ
レーキB1をバンドブレーキで構成したので、自動変速
機ATの径方向寸法が極端に大きくなることを極力抑制
することができる。尚、上記第3クラッチC3の摩擦板
積層体73は、より好ましくは、第2クラッチC2のピ
ストン61の内周部に取り付けられている。つまり、第
2クラッチC2のピストン61が、第3クラッチC3の
クラッチドラムを兼ねている。かかる構成とすることに
より、自動変速機ATの径方向の拡大をできるだけ抑制
することができる。
【0032】本実施例では、径方向における内側と外側
に互いに径方向について重合するように配置された第1
および第3クラッチC1,C3について、これら各クラ
ッチC1,C3のピストン51,71に対して、各ピスト
ン油圧室55,75の反対側に、該ピストン油圧室55,
75で発生する遠心油圧を相殺する遠心バランス室5
6,76を構成する隔壁57,77がそれぞれ設けられて
いる。これら隔壁57,77の外側端部にはシール部材
57a,77aが装着されている。また、上記各遠心バラ
ンス室56,76には、各ピストン51,71をそのピス
トン油圧室55,75側に付勢するリターンスプリング
58,78が装着されている。尚、上記各ピストン油圧
室55,75には、オイルポンプカバーに設けられたオ
イル供給孔11hに連通する油路55h,75hからそれぞ
れオイルが供給される。また、第2クラッチC2のピス
トン油圧室65には、上記第1クラッチC1のピストン
油圧室55への油路55h、及び上記第3クラッチC3
のピストン油圧室75への油路75hと干渉することが
ないように独立して設けられた油路65hからオイルが
供給される。
【0033】また、本実施例では、より好ましくは、内
側に位置する第1クラッチC1のピストン51とクラッ
チドラム52とに、その外側に位置する第3クラッチC
3の遠心バランス室56に連通する油路51h,52hを
設け、該油路51h,52hを介して、上記第1クラッチ
C1の遠心バランス室56と第3クラッチC3の遠心バ
ランス室76とを連通させるようにしている。かかる構
成を採用することにより、第3クラッチC3が回転した
際、該第3クラッチC3の遠心バランス室76に発生す
る遠心油圧0の基点を、当該第3クラッチC3の遠心バ
ランス室76の内径位置よりも内側(第1クラッチC1
の遠心バランス室56への油路が回転中心まで連通して
いる場合には回転中心)に位置させることが可能にな
る。
【0034】従って、外側に位置する第3クラッチC3
においても、遠心バランス室76に発生する遠心油圧を
ピストン油圧室75に発生する遠心油圧に対して十分に
バランスさせることが可能となり、当該第3クラッチC
3のピストン油圧室75の圧力が設定値を越えて過度に
上昇する等の不具合の発生を有効に防止し、クラッチ装
置C3の締結力をより精確に制御することができるよう
になる。しかも、この場合において、外側に位置する第
3クラッチC3のピストン油圧室75と遠心バランス室
76との遠心油圧のバランスを、内側に位置する第1ク
ラッチC1の遠心バランス室56を利用して行うことが
でき、遠心バランス室の径を大きくすることなく、比較
的コンパクトな構成で、第3クラッチC3の高精度な遠
心バランスを達成することができるのである。
【0035】また、更に、本実施例では、外側に位置す
る第3クラッチC3の遠心バランス室76を構成する隔
壁77の内径部と、内側に位置する第1クラッチC1の
クラッチドラム52の外径部との間にシール部材77b
が配設されている。かかるシール部材77bを設けるこ
とにより、第3クラッチC3の遠心バランス室76の内
径部から油圧オイルが漏れることにより、この漏れ部分
から外側で遠心油圧が作用することとなって、上記第3
クラッチC3の遠心バランス室76内で生じる遠心油圧
が、全体として低いものとなることを確実に防止でき
る。すなわち、上記第3クラッチC3について、ピスト
ン油圧室75内で発生する遠心油圧と、このピストン7
1に対する遠心バランス室76で生じる遠心油圧とを、
より確実に精度良くバランスさせることができ、上記第
3クラッチC3の締結力をより精確に制御することがで
きるようになる。
【0036】図4および図5は、本発明の他の実施例お
よび更に他の実施例に係る自動変速機のトルク伝達系統
を示すスケルトン図である。以下、これらの図に示され
た実施例について説明する。尚、以下の説明において、
図1〜図3に示された実施例における場合と同じものに
は同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。図4
には、上述の実施例(図1〜図3参照)とはクラッチの配
置および遊星歯車機構の構成がことなるものが示されて
いる。この実施例では、3/4クラッチK3が最も内側
に位置し、大径ピストンを有して最も外側に位置するリ
バースクラッチK2と、上記大径ピストンの内側に重合
配置された小径ピストンを有するフォワードクラッチK
1とでダブルピストン構造が形成されている。また、遊
星歯車機構80は、上述の実施例のような所謂シングル
ピニオンタイプのものではなく、所謂ロングピニオン8
2aとショートピニオン82bとを備えたタイプのもので
ある。
【0037】また、図5には、上述の実施例とは遊星歯
車からの伝達要素の取り出しが異なるものが示されてい
る。この実施例では、フォワードクラッチC1,リバー
スクラッチC2,3/4クラッチC3の3つのクラッチに
ついての配置構造は上述の実施例と同様である。この実
施例では、変速装置の出力軸97は第2遊星歯車機構9
5のキャリヤ99に一体的に連結され、該キャリヤ99
は第1遊星歯車機構90のリングギヤ93に直列に接続
されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機のトルク伝
達系統を示すスケルトン図である。
【図2】 上記自動変速機の変速装置の縦断面説明図で
ある。
【図3】 上記変速装置の要部を拡大して示す縦断面説
明図である。
【図4】 本発明の他の実施例に係る自動変速機のトル
ク伝達系統を示すスケルトン図である。
【図5】 本発明の更に他の実施例に係る自動変速機の
トルク伝達系統を示すスケルトン図である。
【図6】 従来例に係る自動変速機の変速装置の要部を
示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
20,90…第1遊星歯車機構 30,95…第2遊星歯車機構 51…第1クラッチのピストン 55…第1クラッチのピストン油圧室 56…第1クラッチの遠心バランス室 57…第1クラッチの隔壁 61…第2クラッチのピストン(大径ピストン) 71…第3クラッチのピストン(小径ピストン) 75…第3クラッチのピストン油圧室 76…第3クラッチの遠心バランス室 77…第3クラッチの隔壁 77b…第3クラッチの隔壁のシール部材 80…遊星歯車機構 AT…自動変速機 B1…第1ブレーキ(バンドブレーキ) C1…第1クラッチ C2…第2クラッチ C3…第3クラッチ K1…フォワードクラッチ K2…リバースクラッチ K3…3/4クラッチ Tm…変速装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力伝達系に設けられた遊星歯車機構と
    該遊星歯車機構の動力伝達経路を切り換える摩擦要素と
    を備えた自動変速機において、 上記摩擦要素として、径方向における比較的内側に配設
    された第1クラッチと、比較的径の大きい大径ピストン
    を有して上記第1クラッチよりも径方向における外側に
    配設された第2クラッチと、上記第1クラッチよりも径
    方向における外側に配設され、上記大径ピストンの内側
    に位置する比較的径の小さい小径ピストンを有する第3
    クラッチとを備えたことを特徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 上記第2クラッチが、上記遊星歯車機構
    の外側において、該遊星歯車機構に対し径方向に重合す
    るように配置されていることを特徴とする請求項1記載
    の自動変速機。
  3. 【請求項3】 上記第2クラッチよりも径方向における
    外側にブレーキが配設され、該ブレーキはバンドブレー
    キで構成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の自動変速機。
  4. 【請求項4】 上記第1クラッチのピストンと第3クラ
    ッチの小径ピストンとに対して、各ピストン油圧室の反
    対側に、該ピストン油圧室で発生する遠心油圧を相殺す
    る遠心バランス室を構成する隔壁をそれぞれ設け、径方
    向における外側に位置する上記第3クラッチの小径ピス
    トンに対して設けられた上記隔壁の内径部にシール部材
    を配設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
    れか一に記載の自動変速機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172378A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 マツダ株式会社 自動変速機

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