JPH07267727A - 低損失フェライト - Google Patents
低損失フェライトInfo
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- JPH07267727A JPH07267727A JP6062609A JP6260994A JPH07267727A JP H07267727 A JPH07267727 A JP H07267727A JP 6062609 A JP6062609 A JP 6062609A JP 6260994 A JP6260994 A JP 6260994A JP H07267727 A JPH07267727 A JP H07267727A
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Mn−Znフェライトの更なる低損失化を図
るとともに損失のばらつきを抑え、高周波対応,高磁束
密度対応トランス用材料として好適な低損失フェライト
を提供する。 【構成】 Fe2 O3 、ZnO、MnOを主成分とする
フェライトの出発原料として、塩化鉄の履歴を有する酸
化鉄,すなわち塩化鉄を経て合成される酸化鉄(α−F
e2 O3 )を用いる。このとき、前記酸化鉄に含まれる
珪素イオンの含有量を50ppm以下とする。
るとともに損失のばらつきを抑え、高周波対応,高磁束
密度対応トランス用材料として好適な低損失フェライト
を提供する。 【構成】 Fe2 O3 、ZnO、MnOを主成分とする
フェライトの出発原料として、塩化鉄の履歴を有する酸
化鉄,すなわち塩化鉄を経て合成される酸化鉄(α−F
e2 O3 )を用いる。このとき、前記酸化鉄に含まれる
珪素イオンの含有量を50ppm以下とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチング電源のト
ランスやテレビジョン受像機のフライバックトランス等
に用いられる低損失フェライトに関するものである。
ランスやテレビジョン受像機のフライバックトランス等
に用いられる低損失フェライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スイッチング電源やテレビジョン
受像機等においては、スイッチング周波数として10〜
100kHz程度、最大磁束密度として200mT以下
程度が想定されており、これに対応する低損失フェライ
トとしてMn−Zn系フェライトが多用されている。
受像機等においては、スイッチング周波数として10〜
100kHz程度、最大磁束密度として200mT以下
程度が想定されており、これに対応する低損失フェライ
トとしてMn−Zn系フェライトが多用されている。
【0003】前記Mn−Zn系フェライトは、酸化鉄
(Fe2 O3 )、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化マンガン
(MnO)を主たる出発原料とし、これら出発原料を混
合、仮焼成、粉砕・造粒、プレス成形、本焼結すること
により製造されるものであり、高周波用磁心として優れ
た特性を発揮する。
(Fe2 O3 )、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化マンガン
(MnO)を主たる出発原料とし、これら出発原料を混
合、仮焼成、粉砕・造粒、プレス成形、本焼結すること
により製造されるものであり、高周波用磁心として優れ
た特性を発揮する。
【0004】ところで、フェライトに用いられる酸化鉄
原料は、その製造方法の違いから、大きく2つに分ける
ことができる。すなわち、塩化鉄を経て合成される塩化
鉄系酸化鉄原料と、硫酸鉄を経て合成される硫酸鉄系酸
化鉄原料である。そして、低損失フェライトの出発原料
としては、要求される特性とその値段の安さから、塩化
鉄系の酸化鉄原料を用いるのが一般的である。
原料は、その製造方法の違いから、大きく2つに分ける
ことができる。すなわち、塩化鉄を経て合成される塩化
鉄系酸化鉄原料と、硫酸鉄を経て合成される硫酸鉄系酸
化鉄原料である。そして、低損失フェライトの出発原料
としては、要求される特性とその値段の安さから、塩化
鉄系の酸化鉄原料を用いるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
一般的な鉄原料(塩化鉄系の酸化鉄原料)を用いた低損
失フェライトを、スイッチング周波数が100kHz以
上あるいは最大磁束密度が200mT以上にもなるトラ
ンスにそのまま使用すると、低損失化が不十分であるが
故に、発熱や効率の点で問題が生ずることが判明した。
また、上記低損失フェライトは、損失値もばらついてお
り、上述のようなスイッチング周波数,最大磁束密度の
トランスではそのようなばらつきも無視できない。
一般的な鉄原料(塩化鉄系の酸化鉄原料)を用いた低損
失フェライトを、スイッチング周波数が100kHz以
上あるいは最大磁束密度が200mT以上にもなるトラ
ンスにそのまま使用すると、低損失化が不十分であるが
故に、発熱や効率の点で問題が生ずることが判明した。
また、上記低損失フェライトは、損失値もばらついてお
り、上述のようなスイッチング周波数,最大磁束密度の
トランスではそのようなばらつきも無視できない。
【0006】近年、スイッチング電源やテレビジョン受
像機の内部回路等を小型化、軽量化するため、あるいは
高品位化(HDTV化)のために、スイッチング周波数
100kHz以上の高周波域で使用したり、最大磁束密
度200mT以上で使用する傾向にあり、前記問題はこ
れら小型化、軽量化、高品位化を図る上で大きな障害と
なる。
像機の内部回路等を小型化、軽量化するため、あるいは
高品位化(HDTV化)のために、スイッチング周波数
100kHz以上の高周波域で使用したり、最大磁束密
度200mT以上で使用する傾向にあり、前記問題はこ
れら小型化、軽量化、高品位化を図る上で大きな障害と
なる。
【0007】そこで本発明は、かかる実情に鑑みて提案
されたものであって、塩化鉄系の酸化鉄を出発原料とす
るMn−Zn系フェライトの更なる低損失化を図るとと
もに損失のばらつきを低減することを目的とし、これに
より安価で優れた低損失特性を有する低損失フェライト
を提供することを目的とする。さらに本発明は、高周波
対応、高磁束密度対応の低損失フェライトを提供し、ス
イッチング電源やテレビジョン受像機の内部回路等の小
型化、軽量化を図ることを目的とする。
されたものであって、塩化鉄系の酸化鉄を出発原料とす
るMn−Zn系フェライトの更なる低損失化を図るとと
もに損失のばらつきを低減することを目的とし、これに
より安価で優れた低損失特性を有する低損失フェライト
を提供することを目的とする。さらに本発明は、高周波
対応、高磁束密度対応の低損失フェライトを提供し、ス
イッチング電源やテレビジョン受像機の内部回路等の小
型化、軽量化を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、出発原料
である塩化鉄系酸化鉄に含まれる珪素イオンが得られる
低損失フェライトの特性に大きく影響を与えるとの知見
を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づいて完成
されたものであって、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガ
ンを主成分とする低損失フェライトにおいて、塩化鉄を
経て合成され且つ珪素イオン含有量がSiO2 量換算で
50ppm以下であるα−Fe2O3 を出発原料とする
ことを特徴とするものである。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、出発原料
である塩化鉄系酸化鉄に含まれる珪素イオンが得られる
低損失フェライトの特性に大きく影響を与えるとの知見
を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づいて完成
されたものであって、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガ
ンを主成分とする低損失フェライトにおいて、塩化鉄を
経て合成され且つ珪素イオン含有量がSiO2 量換算で
50ppm以下であるα−Fe2O3 を出発原料とする
ことを特徴とするものである。
【0009】本発明の低損失フェライトは、Fe
2 O3 、ZnO、MnOを主たる出発原料とし、多結晶
焼結フェライトの製造プロセスに従って製造されるもの
である。すなわち、前記各出発原料を秤量,混合し、熱
処理(いわゆる仮焼成)を行った後、粉砕する。しかる
後、適当な大きさに造粒し、プレス等の手法によって任
意の形状に形成した後、再び熱処理(本焼結)を行う。
2 O3 、ZnO、MnOを主たる出発原料とし、多結晶
焼結フェライトの製造プロセスに従って製造されるもの
である。すなわち、前記各出発原料を秤量,混合し、熱
処理(いわゆる仮焼成)を行った後、粉砕する。しかる
後、適当な大きさに造粒し、プレス等の手法によって任
意の形状に形成した後、再び熱処理(本焼結)を行う。
【0010】ここで、本発明においては、出発原料であ
るFe2 O3 として、塩化鉄を経て合成されるα−Fe
2 O3 を使用する。ただし、前記α−Fe2 O3 は、そ
の製造工程において、珪素イオンが不純物として混入す
る、あるいは含有されるのが一般的である。そこで、本
発明では、出発原料として使用するα−Fe2 O3 の珪
素イオン含有量を50ppm以下に規制する。但し、こ
の珪素イオン含有量は、珪素イオンをSiO2 に見立
て、SiO2 量に換算した値である。
るFe2 O3 として、塩化鉄を経て合成されるα−Fe
2 O3 を使用する。ただし、前記α−Fe2 O3 は、そ
の製造工程において、珪素イオンが不純物として混入す
る、あるいは含有されるのが一般的である。そこで、本
発明では、出発原料として使用するα−Fe2 O3 の珪
素イオン含有量を50ppm以下に規制する。但し、こ
の珪素イオン含有量は、珪素イオンをSiO2 に見立
て、SiO2 量に換算した値である。
【0011】製造に際しては、主成分であるFe
2 O3 、ZnO、MnOの組成範囲は軟磁気特性を有す
る組成に限定され、例えばFe2 O3 50〜60モル
%、ZnO5〜15モル%、残部MnOとされる。特
に、ZnOに関して言えば、大振幅励磁されるため高飽
和磁束密度が望まれることから、5〜15モル%とする
ことが好ましい。
2 O3 、ZnO、MnOの組成範囲は軟磁気特性を有す
る組成に限定され、例えばFe2 O3 50〜60モル
%、ZnO5〜15モル%、残部MnOとされる。特
に、ZnOに関して言えば、大振幅励磁されるため高飽
和磁束密度が望まれることから、5〜15モル%とする
ことが好ましい。
【0012】また、前記主成分の他、必要に応じて副成
分を添加することも任意である。添加する副成分の種類
も任意であり、例えば、CaO、SiO2 、ZrO2 、
SnO2 、TiO2 、Ta2 O5 、Al2 O3 、Ga2
O3 、In2 O3 等が挙げられる。
分を添加することも任意である。添加する副成分の種類
も任意であり、例えば、CaO、SiO2 、ZrO2 、
SnO2 、TiO2 、Ta2 O5 、Al2 O3 、Ga2
O3 、In2 O3 等が挙げられる。
【0013】
【作用】塩化鉄系の酸化鉄は、その製造過程において珪
素イオンが不純物として混入する、あるいは含有される
のが一般的である。この酸化鉄中の珪素イオンは、フェ
ライトを作製していく過程で、焼結中に結晶粒成長や結
晶粒界に多大に影響し、飽和磁束密度や透磁率、コアロ
ス等の磁気特性に悪影響を与えるものと推測される。
素イオンが不純物として混入する、あるいは含有される
のが一般的である。この酸化鉄中の珪素イオンは、フェ
ライトを作製していく過程で、焼結中に結晶粒成長や結
晶粒界に多大に影響し、飽和磁束密度や透磁率、コアロ
ス等の磁気特性に悪影響を与えるものと推測される。
【0014】本発明においては、出発原料であるα−F
e2 O3 に含まれる珪素イオンの含有量を50ppm以
下に制限していることから、前記影響が抑制され、低損
失化が図られるとともに損失のばらつきが抑えられる。
また、塩化鉄を経て合成されるα−Fe2 O3 を出発原
料としていることから、製造コストを増大することもな
い。
e2 O3 に含まれる珪素イオンの含有量を50ppm以
下に制限していることから、前記影響が抑制され、低損
失化が図られるとともに損失のばらつきが抑えられる。
また、塩化鉄を経て合成されるα−Fe2 O3 を出発原
料としていることから、製造コストを増大することもな
い。
【0015】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、具
体的な実験結果をもとに詳細に説明する。
体的な実験結果をもとに詳細に説明する。
【0016】実施例1 先ず、下記の表1に示すような珪素イオン含有量の異な
る酸化鉄(α−Fe2O3 )を用いて、以下の手法によ
り低損失Mn−Znフェライトを作製した。
る酸化鉄(α−Fe2O3 )を用いて、以下の手法によ
り低損失Mn−Znフェライトを作製した。
【0017】Fe2 O3 (53.5モル%)、ZnO
(10.5モル%)、MnO(36モル%)を主成分と
し、副成分としてCaO(0.15重量%)、ZrO2
(0.05重量%)及び表1に示す量のSiO2 を添加
した。なお、表1に示すSiO2 の添加量は、酸化鉄原
料粉末中に不純物として含有される珪素イオン量をSi
O2 量に換算し、それと副成分として添加するSiO 2
量の総和が300ppmとなるように設定した値であ
る。
(10.5モル%)、MnO(36モル%)を主成分と
し、副成分としてCaO(0.15重量%)、ZrO2
(0.05重量%)及び表1に示す量のSiO2 を添加
した。なお、表1に示すSiO2 の添加量は、酸化鉄原
料粉末中に不純物として含有される珪素イオン量をSi
O2 量に換算し、それと副成分として添加するSiO 2
量の総和が300ppmとなるように設定した値であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】これら出発原料を前記比率になるように秤
量した後、ボールミルを用いて12時間混合した。
量した後、ボールミルを用いて12時間混合した。
【0020】次に、これを空気中、1000℃で3時
間、仮焼成した。これは、主に混合原料粒子間の固体反
応過程である。しかる後、ボールミルにて12時間粉砕
し、ポリビニルアルコールを添加して造粒した。
間、仮焼成した。これは、主に混合原料粒子間の固体反
応過程である。しかる後、ボールミルにて12時間粉砕
し、ポリビニルアルコールを添加して造粒した。
【0021】次いで、これを118MPaの圧力下で外
径30mm、内径20mm、厚さ5mmにプレス成形
し、さらに酸素分圧3%の雰囲気下、1280℃で4時
間焼成(本焼結)して低損失Mn−Znフェライトを得
た。得られた各Mn−Znフェライトについて、損失P
cvを測定した。なお、測定条件は、温度が90℃,最
大磁束密度Bmが200mT,周波数が100kHzで
ある。測定された損失Pcvの平均値及び最小値,最大
値を表2に示す。
径30mm、内径20mm、厚さ5mmにプレス成形
し、さらに酸素分圧3%の雰囲気下、1280℃で4時
間焼成(本焼結)して低損失Mn−Znフェライトを得
た。得られた各Mn−Znフェライトについて、損失P
cvを測定した。なお、測定条件は、温度が90℃,最
大磁束密度Bmが200mT,周波数が100kHzで
ある。測定された損失Pcvの平均値及び最小値,最大
値を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】なお、損失Pcvの測定方法は次の通りで
ある。 損失Pcv :電子材料工業会標準規格 パワー
用フェライト磁心の試験方法(EMAS−5003)
「2.1コアロスの測定」において規定される波形記憶
装置法に準じて測定した。
ある。 損失Pcv :電子材料工業会標準規格 パワー
用フェライト磁心の試験方法(EMAS−5003)
「2.1コアロスの測定」において規定される波形記憶
装置法に準じて測定した。
【0024】前記表2より、珪素イオン含有量が50p
pm以下の酸化鉄を出発原料としたMn−Znフェライ
トは、珪素イオン含有量50ppm以上の酸化鉄を出発
原料としたものに比べ、損失が小さく、かつ損失の最小
値と最大値に差がなく損失のばらつきも小さくなってい
ることがわかる。
pm以下の酸化鉄を出発原料としたMn−Znフェライ
トは、珪素イオン含有量50ppm以上の酸化鉄を出発
原料としたものに比べ、損失が小さく、かつ損失の最小
値と最大値に差がなく損失のばらつきも小さくなってい
ることがわかる。
【0025】実施例2 先ず、下記の表3に示すような珪素イオン含有量の異な
る酸化鉄(α−Fe2O3 )を用いて、以下の手法によ
り低損失Mn−Znフェライトを作製した。
る酸化鉄(α−Fe2O3 )を用いて、以下の手法によ
り低損失Mn−Znフェライトを作製した。
【0026】Fe2 O3 (53.0モル%)、ZnO
(10.0モル%)、MnO(37.0モル%)を主成
分とし、副成分としてTiO2 (0.1モル%)、Ca
O(0.07重量%)、ZrO2 (0.05重量%)及
び表3に示す量のSiO2 を添加した。なお、表3に示
すSiO2 の添加量は、酸化鉄原料粉末中に不純物とし
て含有される珪素イオン量をSiO2 量に換算し、それ
と副成分として添加するSiO 2 量の総和が100pp
mとなるように設定した値である。
(10.0モル%)、MnO(37.0モル%)を主成
分とし、副成分としてTiO2 (0.1モル%)、Ca
O(0.07重量%)、ZrO2 (0.05重量%)及
び表3に示す量のSiO2 を添加した。なお、表3に示
すSiO2 の添加量は、酸化鉄原料粉末中に不純物とし
て含有される珪素イオン量をSiO2 量に換算し、それ
と副成分として添加するSiO 2 量の総和が100pp
mとなるように設定した値である。
【0027】
【表3】
【0028】これら出発原料を前記比率になるように秤
量した後、実施例1と同様の条件にて混合、仮焼成、微
粉砕し、造粒した。
量した後、実施例1と同様の条件にて混合、仮焼成、微
粉砕し、造粒した。
【0029】次いで、これを120MPaの圧力下で外
径30mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状にプ
レス成形し、さらに酸素分圧3%の雰囲気下、1280
℃で4時間焼成(本焼結)して低損失Mn−Znフェラ
イトを得た。
径30mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状にプ
レス成形し、さらに酸素分圧3%の雰囲気下、1280
℃で4時間焼成(本焼結)して低損失Mn−Znフェラ
イトを得た。
【0030】得られた各Mn−Znフェライトについ
て、損失Pcvを測定した。なお、測定条件は、温度が
90℃、最大磁束密度Bmが200mTであり、周波数
は100kHz,32kHz,200kHz,500k
Hzの4条件である。測定された損失Pcvを表4に示
す。
て、損失Pcvを測定した。なお、測定条件は、温度が
90℃、最大磁束密度Bmが200mTであり、周波数
は100kHz,32kHz,200kHz,500k
Hzの4条件である。測定された損失Pcvを表4に示
す。
【0031】
【表4】
【0032】表4より、珪素イオン含有量が50ppm
以下の酸化鉄を出発原料としたMn−Znフェライト
は、珪素イオン含有量50ppm以上の酸化鉄を出発原
料としたものに比べ、今回測定した全ての周波数で損失
が小さく、かつ、100kHzで測定した損失の最小値
と最大値に差がなく損失のばらつきも小さくなっている
ことがわかる。
以下の酸化鉄を出発原料としたMn−Znフェライト
は、珪素イオン含有量50ppm以上の酸化鉄を出発原
料としたものに比べ、今回測定した全ての周波数で損失
が小さく、かつ、100kHzで測定した損失の最小値
と最大値に差がなく損失のばらつきも小さくなっている
ことがわかる。
【0033】なお、Mn−Znフェライトの初透磁率,
飽和磁束密度,保磁力等の他の磁気特性については、出
発原料の珪素イオン量によってはほとんど差がないこと
が実験によって確認されている。
飽和磁束密度,保磁力等の他の磁気特性については、出
発原料の珪素イオン量によってはほとんど差がないこと
が実験によって確認されている。
【0034】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の低損失フェライトにおいては、酸化鉄原料中の不純
物である珪素イオンの含有量を少なくしているので、ス
イッチング電源のトランスやテレビジョン受像機のフラ
イバックトランス用材料として求められる諸特性を満足
せしめるとともに、更なる低損失化を図ることが可能で
あり、また損失のばらつきが抑えられる。
明の低損失フェライトにおいては、酸化鉄原料中の不純
物である珪素イオンの含有量を少なくしているので、ス
イッチング電源のトランスやテレビジョン受像機のフラ
イバックトランス用材料として求められる諸特性を満足
せしめるとともに、更なる低損失化を図ることが可能で
あり、また損失のばらつきが抑えられる。
【0035】したがって、本発明の低損失フェライト
を、高周波対応、高磁束密度対応トランス用材料として
使用することにより、スイッチング電源やテレビジョン
受像機の内部回路の小型化、軽量化、特性の安定化を図
ることが可能である。また、その均一且つ優れた低損失
特性により、いわゆるHDTVのフライバックトランス
用材料として使用することも可能である。
を、高周波対応、高磁束密度対応トランス用材料として
使用することにより、スイッチング電源やテレビジョン
受像機の内部回路の小型化、軽量化、特性の安定化を図
ることが可能である。また、その均一且つ優れた低損失
特性により、いわゆるHDTVのフライバックトランス
用材料として使用することも可能である。
【0036】さらに、本発明の低損失フェライトは、安
価な塩化鉄系酸化鉄を出発原料としているので、製造コ
ストの点でも有利である。
価な塩化鉄系酸化鉄を出発原料としているので、製造コ
ストの点でも有利である。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガンを主
成分とする低損失フェライトにおいて、 珪素イオン含有量がSiO2 量換算で50ppm以下で
あるα−Fe2 O3 を出発原料とすることを特徴とする
低損失フェライト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06260994A JP3617070B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 低損失フェライトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06260994A JP3617070B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 低損失フェライトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267727A true JPH07267727A (ja) | 1995-10-17 |
JP3617070B2 JP3617070B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=13205235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06260994A Expired - Fee Related JP3617070B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 低損失フェライトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3617070B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013091590A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-16 | Tdk Corp | 非接触式温度計測用フェライト組成物 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP06260994A patent/JP3617070B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013091590A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-16 | Tdk Corp | 非接触式温度計測用フェライト組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3617070B2 (ja) | 2005-02-02 |
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