JPH0725886B2 - ポリイミドチオエ−テルの製造方法 - Google Patents

ポリイミドチオエ−テルの製造方法

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JPH0725886B2
JPH0725886B2 JP61266686A JP26668686A JPH0725886B2 JP H0725886 B2 JPH0725886 B2 JP H0725886B2 JP 61266686 A JP61266686 A JP 61266686A JP 26668686 A JP26668686 A JP 26668686A JP H0725886 B2 JPH0725886 B2 JP H0725886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エレクトロニクス,輸送機器および航空機材
料等の分野で使用可能なポリイミドチオエーテルの製造
方法に関する。
[従来の技術] 従来、ポリイミド樹脂は優れた耐熱性とともに、優れた
電気的,機械的特性を有し、広く工業材料として使用さ
れてきた。しかしこれらの多くのポリイミド樹脂、たと
えばピロメリット酸無水物または、その同族体とジアミ
ンから得られる公知の耐熱性ポリイミド樹脂は耐熱性に
優れるが熱的に不融であり、通常の成形加工機を用いて
加工することは困難であった。
このため、溶融状態で加工できることをめざし、種々の
ポリマー構造の分子設計が検討され、種々のポリエーテ
ルイミドおよびポリイミドチオエーテルが提案されてい
る。(たとえば、H.D.BurksらJournal of Applied Poly
mer Science、30巻、2401ページ、1985年) ポリイミドチオエーテルを製造する方法としてEvans等
(Polymer Preprints、25巻、268ページ、1984年)は、
3−ニトロフタル酸無水物および4−ニトロフタル酸無
水物を出発原料に例えば以下に示す様な5段階のプロセ
スを経由する方法を提案している。
(1)第1プロセス(4−ニトロ−N−フェニルフタル
イミドの合成) (2)第2プロセス(4,4′−ビス(N−フェニルフタ
ルイミド)スルフィドの合成) (3)第3プロセス(加水分解反応) (4)第4プロセス(酸無水物化反応) (5)第5プロセス(ポリイミドチオエーテルの製造) このようにして製造されたポリイミドチオエーテルは、
熱的および耐酸化性がきわめて良好であり、かつ加工性
の1つの目安となるガラス転移温度がジアミンの種類に
より118℃〜280℃の範囲にあることから工業的に使用で
きる材料として期待されるものである。
しかしながら該報告による方法では、5段階のプロセス
を経るため、例えば各プロセスの収率を90%と仮定して
も最終収率は59%まで低下するとか、設備および作業が
複雑になるとかの工業的に製造する上で不利な点があっ
た。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、エレクトロニクス,輸送機および航空
機材料等の分野で使用可能なポリイミドチオエーテルを
製造するに際し工業的に製造する上で不利な点がある従
来の5段階プロセスにかわり、2段階に簡便な製造方法
を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意努力し、
3−ニトロフタル酸無水物または4−ニトロフタル酸無
水物と脂肪族ジアミンとから合成されるジニトロ化合物
とスルフィド化剤とを有機溶媒中で反応させることによ
りわずか2段階のプロセスで合成できることを見い出し
本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、一般式(1) (式中、Rは脂肪族化合物を、−S−の結合位置は3,
3′−位または4,4′−位を、nは3以上の整数を表わ
す) で表わされる主鎖にイミド環構造と硫黄を含有する脂肪
族系ポリイミドチオエーテルを合成するに際し、3−ニ
トロフタル酸無水物または、4−ニトロフタル酸無水物
と脂肪族ジアミンから合成される一般式(2) (式中、Rは脂肪族化合物を、−NO2の結合位置は3,3′
−位または、4,4′−位を表わす) で表わされるジニトロ化合物とスルフィド化剤とを有機
溶媒中で反応させることにより、一般式(1)で表わさ
れるポリイミドチオエーテルを2段階という短縮された
プロセスで製造することを可能とするものである。
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、硫化アル
カリ金属化合物およびイオウ源と水酸化アルカリ金属化
合物の併用等が挙げられる。
硫化アルカリ金属化合物としては、硫化リチウム,硫化
ナトリウム,硫化カリウム,硫化ルビジウム,硫化セシ
ウムおよびこれらの混合物が含まれる。
イオウ源としては、水硫化アルカリ金属化合物,硫化水
素チオアミド,チオ尿素,チオカルバネート,チオカル
ボン酸,二硫化炭素,チオカルボキシレート,イオウ,
五硫化リン等が挙げられる。特に水硫化アルカリ金属化
合物としては、水硫化リチウム,水硫化ナトリウム,水
硫化カリウム,水硫化ルビジウム,水硫化セシウムおよ
びこれらの混合物が含まれる。
又水酸化アルカリ金属化合物としては、水酸化カリウ
ム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウム,水酸化セシウ
ムおよびこれらの混合物が挙げられ、水酸化ナトリウム
が特に好ましい。
本発明に使用される芳香族ジアミンとしては、エチレン
ジアミン,1,3−ジアミノプロパン,1,4−ジアミノブタ
ン,1,5−ジアミノペンタン,1,6−ジアミノヘキサン,1,7
−ジアミノペプタン,1,8−ジアミノオクタン,1,9−ジア
ミノノナン,1,10−ジアミノデカン,1,12−ジアミノドデ
カン等が挙げられる。
[作用] 本発明の方法による3−ニトロフタル酸無水物または、
4−ニトロフタル酸無水物と脂肪族ジアミンとから一般
式(2)で表わされるジニトロ化合物の合成は、一般に
は無水の有機溶媒中で、不活性ガス、例えば、窒素の気
流下あるいは減圧下で副生するH2Oガスを除去しながら
約50〜300℃、好ましくは100〜250℃の温度で約1〜20
時間加熱して行われる。
3−ニトロフタル酸無水物または4−ニトロフタル酸無
水物に対する脂肪族ジアミンのモル比は特に制限はない
が1/2モル等量使用するのが合理的である。
このようにして得られた一般式(2)で表わされるジニ
トロ化合物と硫黄化合物から一般式(1)で表わされる
ポリイミドチオエーテルを得る反応は、一般に無水の有
機溶媒中で、不活性ガス、たとえば窒素の気流下20〜20
0℃の温度で約1時間〜20時間加熱して行われる。
一般式(2)で表わされるジニトロ化合物に対するイオ
ウ元素のモル比は0.7〜1.30の範囲で実質的に等量であ
ることが好ましく、特に0.95〜1.10の範囲が好ましい。
一般には、重合反応開始時における原料モノマー(ジニ
トロ化合物+スルフィド化剤)濃度は50〜400g/溶媒
の範囲が選択される。
一般式(1)および(2)で表わされる物質を製造する
際に使用される有機溶媒としてはN,N−ジメチルホルム
アミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチル−2−ピ
ロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド,ジ
フェニルスルホン,スルホラン等のイオウ系溶媒、ニト
ロベンゼン,クレゾール等のベンゼン系溶媒等を例示す
ることができる。
[実施例] 以下に本発明の方法を実施例によって示すがこれらによ
って本発明が限定されるものではない。
実施例1 一般式(2)で表わされるジニトロ化合物の製造は、以
下の様に行った。
攪拌機,温度計,窒素導入管を備えた500mlフラスコに
4−ニトロフタル酸無水物19.30g(0.10モル),1,6−ジ
アミノヘキサン5.80g(0.05モル),N−メチル−2−ピ
ロリドン200mlを加え、窒素雰囲気下190℃で6時間加熱
攪拌し、析出してきた黄色結晶をロ過し、メタノールで
洗浄後真空乾燥しジニトロ化合物を得た。収量4.29g
(収率92%)。
一般式(1)で表わされるポリイミドチオエーテルの製
造は前記のジニトロ化合物を用い以下の様に行った。
攪拌機,温度計,窒素導入管を備えた200mlフラスコ
に、硫化ナトリウム9水塩2.40g(0.01モル)およびN
−メチル−2−ピロリドン80mlを加え窒素雰囲気下200
℃まで加熱し共沸蒸留により水を除去した。
続いて60℃まで冷却した後、先に得たジニトロ化合物4.
66g(0.01モル)を加え、6時間60℃で加熱攪拌した。
室温まで冷却したのち、1のメタノール溶液に投入し
ポリマーを沈澱させ、沈澱物を水,アセトンで洗浄し、
100℃で12時間真空乾燥して淡黄色の粉末を得た。収量
3.58g(収率88%)。
このポリマーの固有粘度は1.60(0.5g/dl−m−クレゾ
ール,25℃)であり、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)は1780cm-1,1720cm-1(イミド基にもとずく)およ
び750cm-1(チオエーテル基にもとずく)にポリイミド
チオエーテルの特性吸収を示した。
実施例2 1,6−ジアミノヘキサンのかわりに1.8−ジアミノオクタ
ンを使用した以外は全く実施例1と同様の方法で行い淡
黄色のポリマーを得た。収量4.33g(収率100%)。
このポリマーの固有粘度は0.87(0.5g/dl−m−クレゾ
ール,25℃)であり、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)は1780cm-1,1720cm-1および750cm-1にポリイミドチ
オエーテルにもとずく特性吸収を示した。
実施例3 4−ニトロフタル酸無水物のかわりに3−ニトロフタル
酸無水物を使用した以外は全く、実施例1と同様の方法
で行い褐色のポリマーを得た。収量2.71g(収率67
%)。
このポリマーの固有粘度は0.30(0.5g/dl−m−クレゾ
ール,25℃)であり、赤外線吸収スペクトル(KBr錠法)
は1780cm-1,1720cm-1および750cm-1にポリイミドチオエ
ーテルにもとずく特性吸収を示した。
実施例4 実施例1と同様の装置,方法を用いて4−ニトロフタル
酸無水物1.8−ジアミノオクタンから得られたジニトロ
化合物4.94g(0.01モル),硫化水素ナトリウム0.48
(0.01モル),水酸化ナトリウム0.40g(0.01モル)お
よびジメチルホルムアミド60mlをフラスコに加え窒素気
流下60℃で24時間反応させ、実施例1と同様に処理して
淡黄色の粉末を得た。収量4.26g(収率98%)。
このポリマーの固有粘度は0.77(0.5g/dl−m−クレゾ
ール,25℃)であり、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)は1780cm-1,1720cm-1および750cm-1にポリイミドチ
オエーテルにもとずく特性吸収を示した。
実施例5 4−ニトロフタル酸無水物のかわりに3−ニトロフタル
酸無水物を使用した以外は全く実施例4と同様の方法で
行い淡黄色のポリマーを得た。収量2.76g(収率64
%)。
このポリマーの固有粘度は0.16(0.5g/dl−m−クレゾ
ール,25℃)であり、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)は1780cm-1,1720cm-1および750cm-1にポリイミドチ
オエーテルにもとずく特性吸収を示した。
[発明の効果] 本発明の方法によれば従来、5段階の反応プロセスを経
て製造されていたポリイミドチオエーテルがわずか2段
階の短縮された簡便な方法により収率よく製造すること
が可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Rは脂肪族化合物を、−S−の結合位置は3,
    3′−位または4,4′−位を、nは3以上の整数を表わ
    す) で表わされる主鎖にイミド環構造と硫黄を含有する脂肪
    族系ポリイミドチオエーテルを合成するに際し、3−ニ
    トロフタル酸無水物または、4−ニトロフタル酸無水物
    と脂肪族ジアミンとから合成される一般式(2) (式中、Rは脂肪族化合物を、−NO2の結合位置は3,3′
    −位または、4,4′−位を表わす) で表わされるジニトロ化合物とスルフィド化剤とを有機
    溶媒中で反応させることを特徴とするポリイミドチオエ
    ーテルの製造方法。
JP61266686A 1986-11-11 1986-11-11 ポリイミドチオエ−テルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0725886B2 (ja)

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CN103497337B (zh) * 2013-09-25 2015-11-18 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种聚硫醚酰亚胺的制备方法

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