JPH07257050A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JPH07257050A
JPH07257050A JP6078081A JP7808194A JPH07257050A JP H07257050 A JPH07257050 A JP H07257050A JP 6078081 A JP6078081 A JP 6078081A JP 7808194 A JP7808194 A JP 7808194A JP H07257050 A JPH07257050 A JP H07257050A
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JP
Japan
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acid
vinyl
resin
vinyl chloride
copolymer
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JP6078081A
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Makoto Kawaguchi
誠 川口
Yoshihiko Hotta
吉彦 堀田
Tetsuya Amano
哲也 天野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像消去エネルギー巾を広げ、画像形成直後
又は長期保存後においても初期消去特性に対応した条件
で画像消去でき、しかも画像形成−消去の繰り返し耐久
性に優れた感熱記録材料を提供する。 【構成】 樹脂母材と該樹脂母材中に分散された有機低
分子物質とを主成分とし、温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を有する可逆性感熱記録材料におい
て、該樹脂母材として、ヒドロキシ変性及び/又はカル
ボキシル変性した、塩化ビニル−脂肪酸ビニルエステル
共重合体(脂肪酸の炭素数3以上)、あるいは塩化ビニ
ル−アルキルビニルエーテル共重合体(アルキル基の炭
素数3以上)を、ポリイソシアネート等で硬化された樹
脂であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱層の温度による可
逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及び消去を何
度も繰り返して行なうことのできる可逆性感熱記録材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成が行なえ、不要
となった時にはその画像(情報)の消去ができるように
した可逆性感熱記録材料が注目されている。その代表的
なものとしては、ガラス転移温度(Tg)が50〜60
℃から80℃未満である低ガラス転移温度の塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体のような樹脂母材中に高級脂肪酸
のような有機低分子物質を分散した、温度に依存して透
明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱記録
材料が知られている(特開昭54−119377号、特
開昭55−154198号などの公報)。しかしなが
ら、この可逆性感熱記録媒体は、サーマルヘッド等の発
熱体で画像形成及び消去を複数回繰り返す間に記録層に
歪みが発生し、画像形成時の画像濃度が低下したり、コ
ントラストが低下してしまうという欠点がある。
【0003】本発明者らは、上記の欠点を解消するもの
として、先に、可逆性感熱記録層に用いられる樹脂母材
の平均重合度及び塩化ビニル単位含有量を規定すること
(特に平均重合度を上げること)により、樹脂母材の耐
熱性を向上させ、耐久性を向上させた可逆性感熱記録媒
体を提案した(特開昭62−154547号公報)。ま
た、可逆性感熱記録層に用いられる樹脂母材はヒドロキ
シル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体にイソシアナ
ート化合物を添加し、熱硬化型樹脂にしたものを用いる
ことにより、樹脂母材の耐熱性を向上させ、耐久性を向
上させた可逆性感熱記録媒体が提案されている(特開平
5−085045号公報)。
【0004】しかし、これらの記録材料では、サーマル
ヘッドでの短時間の熱エネルギーでは白濁画像を消去す
る消去エネルギー巾が狭いため、画像が消去しにくく、
また、白濁画像形成後に長時間保存すると、消去特性が
変動し、初期消去特性に対応した消去条件で画像の消去
を行なうと、その画像の消去が不完全であり、また保存
環境温度が高温下になると低温下に比べて、画像消去性
が悪くなるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の不都合を解消するものであって、サーマルヘッドの熱
エネルギーによる、画像を消去する消去エネルギー巾を
広げ画像を消去しやすくさせ、画像形成後の初期の消去
性においても画像が消去でき、また、画像形成後に長時
間保存しても、初期消去特性に対応した消去条件で画像
の消去ができ、また、画像形成及び消去の繰り返し耐久
性に優れた可逆性感熱記録材料を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、支持体
上に、樹脂母材と該樹脂母材中に分散された有機低分子
物質とを主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に
変化する感熱層を設けた可逆性感熱記録材料において、
該樹脂母材が、ヒドロキシ変性及び/又はカルボキシル
変性した、塩化ビニルと炭素数3以上の脂肪酸のビニル
エステルとの共重合体を硬化させた樹脂であることを特
徴とする可逆性感熱記録材料が提供され、特に、前記炭
素数3以上の脂肪酸のビニルエステルが、プロピオン酸
ビニルであることを特徴とする前記可逆性感熱記録材料
が提供される。また、支持体上に、樹脂母材と該樹脂母
材中に分散された有機低分子物質とを主成分とし、温度
に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可
逆性感熱記録材料において、該樹脂母材が、ヒドロキシ
変性及び/又はカルボキシル変性した、塩化ビニルと炭
素数3以上のアルキル基を有するビニルアルキルエーテ
ルとの共重合体を硬化させた樹脂であることを特徴とす
る可逆性感熱記録材料が提供される。更に前記硬化させ
た樹脂が、架橋剤としてポリイソシアネートを用いて熱
硬化させた樹脂であることを特徴とする前記可逆性感熱
記録材料が提供される。更にまた、前記有機低分子物質
として、低融点有機低分子物質の少なくとも1種と、高
融点有機低分子物質の少なくとも1種以上とを混合して
用いることを特徴とする前記可逆性感熱記録材料が提供
される。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の可逆性感熱記録材料を構成する樹脂母材として用い
られる前記樹脂は軟化点が低く、軟化点以上での変形速
度が速いという特徴を持つと考えられる。ここで可逆性
感熱記録材料の白濁透明変化メカニズムについては次の
ように推測される。すなわち、(I)透明の場合には樹脂
母材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質と樹脂母材は隙間なく密着しており、また粒子内部
にも空隙はなく、片側から入射した光は散乱されること
無く反対側に透過するため透明に見えること、また、(I
I)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子物
質の微細な結晶で構成されており、結晶の界面若しくは
粒子と樹脂母材の界面に隙間ができ片側から入射した光
は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
【0008】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
下の常温では白濁不透明状態にある。これを加熱してい
くと温度T1から徐々に透明になり、始め温度T2〜T3
に加熱すると透明となり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近か
ら樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれ、樹脂が収縮し
樹脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子内の空
隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T2
〜T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、残った
空隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより透明
となり、種結晶が残ったまま冷却される比較的高温で結
晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態のため、結晶化にと
もなう粒子の体積変化に樹脂が追随し、空隙が出来ず透
明状態が維持されるためと考えられる。更にT4以上の
温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間
の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、
再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻
る。これは温度T4以上で有機低分子物質が完全に溶融
した後、過冷却状態となりT0より少し高い温度で結晶
化し、その際、樹脂が結晶化にともなう体積変化に追随
できず、空隙が発生するためであると思われる。ただし
図1に示した温度−透明度変化曲線は代表的な例を示し
ただけであり、材料をかえることにより各状態の透明度
等にその材料に応じて変化が生じることがある。
【0009】この様に透明度変化には樹脂の軟化点及び
軟化点以上での変形挙動が重要であり、本発明では軟化
点が低くなることにより前記温度T1が低温へシフトす
るために結果的に透明化温度巾が拡大され、また軟化点
以上での変形速度が速いため前記した樹脂の収縮が速く
なり短時間で透明化が可能になると考えられる。これに
より高速消去に対応でき、画像消去処理時間が変動して
も樹脂変形速度が十分に速いために透明化温度範囲の変
動が少なくなると推測される。またサーマルヘッド等に
よる数msecオーダー以下の加熱時間においても前記
した樹脂軟化点低下、及び軟化点以上での変形速度向上
により、透明化エネルギー巾(消去エネルギー巾)が拡
大されているため、画像形成後の初期の消去においても
画像を消去することができ、また、画像形成後に長時間
(24時間以上)保存により多少の消去エネルギー変動
があっても消去可能となる。
【0010】また、ヒドロキシ変性及び/又はカルボキ
シル変性した共重合体を、架橋剤としてポリイソシアネ
ート化合物を用いて熱硬化させた樹脂を用いることによ
り、透明−白濁変化のコントラストを維持したまま樹脂
母材の耐熱性が向上し、サーマルヘッド等の熱と圧力に
よっても樹脂母材は変形しにくく、加熱を何度も繰り返
しても樹脂母材中に分散された有機低分子物質は細かい
粒子のまま維持され、画像コントラストは維持される。
【0011】前記した樹脂の軟化点については、低温側
にすることにより、より透明化温度巾拡大の効果があ
る。そのため軟化点は好ましくは65℃以下であり、更
に好ましくは60℃以下であり、特に好ましくは55℃
以下である。この場合に下限値は白濁時の有機低分子物
質結晶化温度よりも高いことが好ましい。またこれらの
軟化点の測定方法としては、支持体上に記録層を任意の
膜厚で形成し、その後に支持体より膜を剥離して、熱機
械的分析装置(TMA)や動的粘弾性測定装置を用いて
測定することができる。また更に前記した様に形成され
た記録層を剥離せずに剛体振り子法動的粘弾性測定装置
により測定することができる。
【0012】次に前記した樹脂の軟化点以上での変形速
度については、速い方が高速処理時間においての消去性
が良くなると考えられる。この変形速度については動的
粘弾性でいう、ガラス領域からゴム領域へ転移する時の
転移速度、またはゴム領域へ転移後の弾性率値と関係が
あると考えられ、転移速度は速い方が良く、またゴム領
域での弾性率値が低い方が良い。これら転移速度、弾性
率値の測定については前記した動的粘弾性測定装置、剛
体振り子法動的粘弾性測定装置により測定することがで
きる。
【0013】軟化点の低い樹脂としては、例えば、長い
側鎖を持つ樹脂や、低軟化点の樹脂を共重合したものが
挙げられる。長い側鎖を持つ樹脂の側鎖は、アルキル基
に換算して炭素数3以上が好ましい。また側鎖中にエー
テル結合、エステル結合等があっても良い。さらに側鎖
の末端にカルボキシル基やヒドロキシル基があってもよ
い。主鎖の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、塩素化塩化ビニ
ル樹脂やこれらの共重合体等が挙げられる。
【0014】本発明の樹脂母材は、これら軟化点の低い
樹脂の内、塩化ビニルと炭素数3以上の脂肪酸のビニル
エステルとの共重合体、及び塩化ビニルと炭素数3以上
のアルキル基を有するビニルエーテルとの共重合体を選
択し、これら共重合体をヒドロキシル変性及び/又はカ
ルボキシル基変性をし、更に硬化させた優れた樹脂母材
である。
【0015】本発明で用いられる樹脂母材の原料である
塩化ビニル−ビニルエステル共重合体は、ビニルエステ
ルを構成する脂肪酸の炭素数が3以上(即ちプロパン酸
以上)であり、3〜10が好ましく、3〜6が特に好ま
しい。このような塩化ビニル−ビニルエステル共重合体
としては下記のものが挙げられる。塩化ビニル−プロパ
ン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ブタン酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−ペンタン酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−ヘキサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ヘプタ
ン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−オクタン酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−ノナン酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−デカン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ウンデカ
ン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ドデカン酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−トリデカン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−テトラデカン酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−ペンタデカン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ヘキサ
デカン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ヘプタデカン酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−オクタデカン酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−ノナデカン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−イコサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ヘ
ンイコサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−トコサン酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−トリコサン酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−テトラコサン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−ペンタコサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−ヘキサコサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ヘプタ
コサン酸ビニル共重合体、塩化ビニル−オクタコサン酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−ノナコサン酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−トリアコンタン酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−ヘントリアコンタン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−ドトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−トリトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−テトラトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−ペンタトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−ヘキサトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−ヘプタトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−オクタトリアコンタン酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−ヘキサテトラコンタン酸ビニル共重合体。
【0016】これらの共重合体の共重合比は塩化ビニル
単位/ビニルエステル単位重量比が99/1〜20/8
0が好ましい。また更に平均重合度としてはP=100
以上が好ましく、更に好ましくはP=200以上であ
り、特に好ましくはP=300以上である。
【0017】また、本発明で用いられる樹脂母材の原料
である塩化ビニルとビニルアルキルエーテル共重合体
は、ビニルアルキルエーテルを構成するアルキル基の炭
素数が3以上であり、3〜10が好ましく、3〜6が特
に好ましい。このような塩化ビニル−ビニルアルキルエ
ーテル共重合体としては、下記のものが挙げられる。塩
化ビニル−ビニルプロピルエーテル共重合体、塩化ビニ
ル−ビニルブチルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビニ
ルペンチルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルヘキ
シルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルヘプチルエ
ーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルオクチルエーテル
共重合体、塩化ビニル−ビニルノニルエーテル共重合
体、塩化ビニル−ビニルデシルエーテル共重合体、塩化
ビニル−ビニルラウリルエーテル共重合体、塩化ビニル
−ビニルミリスチルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビ
ニルセチルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルステ
アリルエーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルオレイル
エーテル共重合体、塩化ビニル−ビニルリノレイルエー
テル共重合体。また更にこれらの平均重合度としてはP
=200以上が好ましく、更に好ましくはP=300以
上であり、特に好ましくはP=400以上である。
【0018】前記した樹脂は少なくとも一種で或いは2
種以上混合して用いてもよく、また更にこれら樹脂と下
記の樹脂を混合して用いてもよい。 ポリ塩化ビニル:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニ
ル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重
合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の
塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミ
ド;ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはア
クリレート−メタクリレート共重合体;シリコーン樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、天然ゴム、
ポリビニルアルコール、ポリアクロレイン、ポリカーボ
ネート等が挙げられる。
【0019】本発明において、用いる樹脂母材は、ヒド
ロキシ変性及び/又はカルボキシル変性した、塩化ビニ
ル−ビニルエステル共重合体、又は前記塩化ビニル−ビ
ニルアルキルエーテル共重合体を、硬化した樹脂であ
る。該ヒドロキシ変性、カルボキシル変性は、ビニルア
ルコール、ヒドロキシアルキルアクリレート、マレイン
酸等を共重合する方法等により行なうことができる。
【0020】一方、有機低分子物質としては感熱層中で
粒子状になれば良く、一般に融点30〜200℃、好ま
しくは50〜150℃程度のものが使用される。このよ
うな有機低分子物質としてはアルカノール;アルカンジ
オール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカン
ジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アル
キン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲン
アルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロア
ルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸又は
これらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和ま
たは不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれ
らのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンア
リルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそ
れらのエステル、アミドまたはアンモニウム塩;チオア
ルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これら
は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化
合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特
に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部
分は飽和していてもよく、飽和していなくてもよく、ま
たハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機
低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの
少くとも1種、例えば−OH、−COOH、−CON
H、−COOR、−NH、−NH2、−S−、−S−S
−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ま
しい。
【0021】本発明において前記有機低分子物質として
は、低融点の有機低分子物質と、高融点の有機低分子物
質とを組み合わせて用いることにより、透明化温度巾を
更に拡大させることができ好ましい。前記低融点有機低
分子物質と高融点有機低分子物質の融点の差は30℃以
上が好ましく、更に好ましくは40℃以上であり、特に
好ましくは50℃以上である。低融点有機低分子物質と
しては、融点40℃〜100℃のものが好ましく、50
℃〜80℃のものがさらに好ましい。高融点有機低分子
物質としては、融点100℃〜200℃のものが好まし
く、110℃〜180℃のものが更に好ましい。
【0022】これらの有機低分子物質の中で本発明で用
いられる低融点有機低分子物質としては下記の脂肪酸エ
ステル、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エ
ステルが好ましい。これらは少なくとも1種或いは2種
以上混合して用いられる。
【0023】本発明で用いられる脂肪酸エステルは、同
じ炭素数の脂肪酸(2分子会合状態)より融点が低く、
逆に同じ融点の脂肪酸よりも炭素数が多いという特徴を
持つ。サーマルヘッドでの画像の印字−消去の繰り返し
による劣化は、樹脂母材と有機低分子物質の加熱時の相
溶による有機低分子物質粒子の分散状態の変化が原因と
考えられ、樹脂母材と有機低分子物質の相溶性は有機低
分子物質の炭素数が多いほど低下し、画像の印字−消去
の劣化が少ないものと考えられる。更に白濁度も炭素数
に比例して増加する傾向にある。その為、同じ透明化温
度(融点付近にある)の可逆性感熱記録材料において、
樹脂母材中に分散させる有機低分子物質として脂肪酸エ
ステルを用いることにより、脂肪酸を用いた場合に比較
し、白濁度が高く、つまりコントラストが高く、しかも
繰り返し耐久性が向上するものと思われる。そして、こ
のような脂肪酸エステルと高融点の有機低分子物質を混
合して用いることにより、透明化温度巾を広くすること
ができ、サーマルヘッドでの消去の性能も高く、そのた
め、保存により多少消去特性が変動しても、消去可能で
あり、材料自身の特性から繰り返し耐久性も向上するこ
とができる。
【0024】本発明で用いられる脂肪酸エステルは、例
えば下記一般式(I)(化1)で表わされる。
【化1】 R1−COO−R2 (I) (式中、R1,R2は炭素数10以上のアルキル基を表わ
す。)脂肪酸エステルの炭素数は20以上が好ましく、
25以上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。炭
素数が多くなると白濁度が高く、繰り返し耐久性が向上
するという特長を有する。脂肪酸エステルの融点は40
℃以上が好ましい。これらは一種または二種以上を選択
して用いられる。
【0025】本発明で用いられる脂肪酸エステルの具体
例を以下に示す。 ラウリン酸オクタデシル ラウリン酸ドコシル ミリスチン酸ドコシル パルミチン酸ドデシル パルミチン酸テトラデシル パルミチン酸ペンタデシル パルミチン酸ヘキサデシル パルミチン酸オクタデシル パルミチン酸トリアコンチル パルミチン酸オクタデシル パルミチン酸ドコシル ステアリン酸ビニル ステアリン酸プロピル ステアリン酸イソプロピル ステアリン酸ブチル ステアリン酸アミル ステアリン酸ヘプチル ステアリン酸オクチル ステアリン酸テトラデシル ステアリン酸ヘキサデシル ステアリン酸ヘプタデシル ステアリン酸オクタデシル ステアリン酸ドコシル ステアリン酸ヘキサコシル ステアリン酸トリアコンチル ベヘン酸ドデシル ベヘン酸オクタデシル ベヘン酸ドコシル リグノセリン酸トラコシル メリシン酸ミリシル
【0026】二塩基酸エステルとしては、モノエステ
ル、ジエステルのいずれでもよく、下記一般式(II)
(化2)で表わされるものである。
【化2】 (式中、R,R′は水素原子、又は炭素数1〜30のア
ルキル基を表わし、R,R′は同一であっても異なって
いてもよいが、同時に水素原子である場合を除く。nは
0〜40の整数を表わす。)上記一般式(II)で表わさ
れる二塩基酸エステルにおいて、R,R′のアルキル基
の炭素数は1〜22が好ましく、nは、1〜30が好ま
しく、2〜20が更に好ましい。また融点は40℃以上
が好ましい。
【0027】具体的に、 シュウ酸エステル マロン酸エステル コハク酸エステル グルタル酸エステル アジピン酸エステル ピメリン酸エステル スベリン酸エステル アゼライン酸エステル セバシン酸エステル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸エステル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸エステル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸エステル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸エステ
ル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸エ
ステル等が挙げられる。
【0028】また、40℃以上の二塩基酸エステルとし
ては、下記のものが挙げられる。 セバシン酸ジウンデカル スベリン酸ジラウリル アゼライン酸ジラウリル セバシン酸ジラウリル シュウ酸ジトリデシル コハク酸ジトリデシル グルタル酸ジトリデシル アジピン酸ジトリデシル ピメリン酸ジトリデシル スベリン酸ジトリデシル アゼライン酸ジトリデシル セバシン酸ジトリデシル
【0029】シュウ酸ジミリスチル マロン酸ジミリスチル コハク酸ジミリスチル グルタル酸ジミリスチル アジピン酸ジミリスチル ピメリン酸ジミリスチル スベリン酸ジミリスチル アゼライン酸ジミリスチル セバシン酸ジミリスチル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジミリスチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジミリスチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジミリスチ
ル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジミリスチル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジミリスチ
ル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジミリスチ
ル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジミリスチ
ル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジミリ
スチル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジミリスチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジミリス
チル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
ミリスチル
【0030】シュウ酸ジペンタデカル マロン酸ジペンタデカル コハク酸ジペンタデカル グルタル酸ジペンタデカル アジピン酸ジペンタデカル ピメリン酸ジペンタデカル スベリン酸ジペンタデカル アゼライン酸ジペンタデカル セバシン酸ジペンタデカル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジペンタデカル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジペンタデカル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジペンタデ
カル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジペンタデカ
ル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジペンタデ
カル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジペンタデ
カル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジペンタデ
カル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジペン
タデカル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジペンタデカ
ル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジペンタ
デカル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
ペンタデカル
【0031】シュウ酸ジパルミチル マロン酸ジパルミチル コハク酸ジパルミチル グルタル酸ジパルミチル アジピン酸ジパルミチル ピメリン酸ジパルミチル スベリン酸ジパルミチル アゼライン酸ジパルミチル セバシン酸ジパルミチル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジパルミチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジパルミチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジパルミチ
ル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジパルミチル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジパルミチ
ル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジパルミチ
ル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジパルミチ
ル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジパル
ミチル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジパルミチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジパルミ
チル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
パルミチル
【0032】シュウ酸ジヘプタデシル マロン酸ジヘプタデシル コハク酸ジヘプタデシル グルタル酸ジヘプタデシル アジピン酸ジヘプタデシル ピメリン酸ジヘプタデシル スベリン酸ジヘプタデシル アゼライン酸ジヘプタデシル セバシン酸ジヘプタデシル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジヘプタデシル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジヘプタデシル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジヘプタデ
シル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジヘプタデシ
ル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジヘプタデ
シル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジヘプタデ
シル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジヘプタデ
シル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジヘプ
タデシル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジヘプタデシ
ル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジヘプタ
デシル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
ヘプタデシル
【0033】シュウ酸ジステアリル マロン酸ジステアリル コハク酸ジステアリル グルタル酸ジステアリル アジピン酸ジステアリル ピメリン酸ジステアリル スベリン酸ジステアリル アゼライン酸ジステアリル セバシン酸ジステアリル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジステアリル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジステアリル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジステアリ
ル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジステアリル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジステアリ
ル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジステアリ
ル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジステアリ
ル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジステ
アリル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジステアリル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジステア
リル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
ステアリル
【0034】シュウ酸ジベヘニル マロン酸ジベヘニル コハク酸ジベヘニル グルタル酸ジベヘニル アジピン酸ジベヘニル ピメリン酸ジベヘニル スベリン酸ジベヘニル アゼライン酸ジベヘニル セバシン酸ジベヘニル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジベヘ
ニル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジベヘニル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジベヘニ
ル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
ベヘニル
【0035】1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸
ジメチル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジメチ
ル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジメチル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
メチル
【0036】1−,15−ペンタデカメチレンジカルボ
ン酸ジエチル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸ジエチ
ル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸ジエチル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸ジ
エチル
【0037】1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノ
メチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノメ
チル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノメチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノメチ
ル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノメチル
【0038】1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノ
エチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノエ
チル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノエチル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノエチ
ル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノエチル
【0039】シュウ酸モノミリスチル マロン酸モノミリスチル コハク酸モノミリスチル グルタル酸モノミリスチル アジピン酸モノミリスチル ピメリン酸モノミリスチル スベリン酸モノミリスチル アゼライン酸モノミリスチル セバシン酸モノミリスチル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノミリスチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノミリスチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノミリス
チル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノミリスチ
ル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノミリス
チル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノミリス
チル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノミリス
チル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノミ
リスチル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノミリスチ
ル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノミリ
スチル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノミリスチル
【0040】シュウ酸モノペンタデカル マロン酸モノペンタデカル コハク酸モノペンタデカル グルタル酸モノペンタデカル アジピン酸モノペンタデカル ピメリン酸モノペンタデカル スベリン酸モノペンタデカル アゼライン酸モノペンタデカル セバシン酸モノペンタデカル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノペンタデカル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノペンタデカ
ル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノペンタ
デカル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノペンタデ
カル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノペンタ
デカル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノペンタ
デカル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノペンタ
デカル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノペ
ンタデカル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノペンタデ
カル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノペン
タデカル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノペンタデカル
【0041】シュウ酸モノパルミチル マロン酸モノパルミチル コハク酸モノパルミチル グルタル酸モノパルミチル アジピン酸モノパルミチル ピメリン酸モノパルミチル スベリン酸モノパルミチル アゼライン酸モノパルミチル セバシン酸モノパルミチル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノパルミチル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノパルミチル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノパルミ
チル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノパルミチ
ル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノパルミ
チル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノパルミ
チル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノパルミ
チル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノパ
ルミチル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノパルミチ
ル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノパル
ミチル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノパルミチル
【0042】シュウ酸モノヘプタデシル マロン酸モノヘプタデシル コハク酸モノヘプタデシル グルタル酸モノヘプタデシル アジピン酸モノヘプタデシル ピメリン酸モノヘプタデシル スベリン酸モノヘプタデシル アゼライン酸モノヘプタデシル セバシン酸モノヘプタデシル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノヘプタデシル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノヘプタデシ
ル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノヘプタ
デシル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノヘプタデ
シル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノヘプタ
デシル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノヘプタ
デシル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノヘプタ
デシル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノヘ
プタデシル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノヘプタデ
シル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノヘプ
タデシル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノヘプタデシル
【0043】シュウ酸モノステアリル マロン酸モノステアリル コハク酸モノステアリル グルタル酸モノステアリル アジピン酸モノステアリル ピメリン酸モノステアリル スベリン酸モノステアリル アゼライン酸モノステアリル セバシン酸モノステアリル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノステアリル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノステアリル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノステア
リル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノステアリ
ル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノステア
リル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノステア
リル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノステア
リル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノス
テアリル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノステアリ
ル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノステ
アリル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノステアリル
【0044】シュウ酸モノベヘニル マロン酸モノベヘニル コハク酸モノベヘニル グルタル酸モノベヘニル アジピン酸モノベヘニル ピメリン酸モノベヘニル スベリン酸モノベヘニル アゼライン酸モノベヘニル セバシン酸モノベヘニル 1−,9−ノナメチレンジカルボン酸モノベヘニル 1−,10−デカメチレンジカルボン酸モノベヘニル 1−,11−ウンデカメチレンジカルボン酸モノベヘニ
ル 1−,12−ドデカメチレンジカルボン酸モノベヘニル 1−,13−トリデカメチレンジカルボン酸モノベヘニ
ル 1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,15−ペンタデカメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,17−ヘプタデカメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,19−ノナデカメチレンジカルボン酸モノベヘニ
ル 1−,20−エイコサメチレンジカルボン酸モノベヘニ
ル 1−,21−ヘンエイコサメチレンジカルボン酸モノベ
ヘニル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸モノベヘニル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸モノベヘ
ニル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸モ
ノベヘニル 等が挙げられる。
【0045】本発明で用いる有機低分子物質の多価アル
コールジ脂肪酸エステルとしては、下記の一般式で表わ
されるものが挙げられる。 CH3(CH2)m-2COO(CH2)nOOC(CH2)m-2CH3 (式中、nは2〜40、好ましくは3〜30、更に好ま
しくは4〜22の整数である。mは2〜40、好ましく
は3〜30、更に好ましくは4〜22の整数である。)
具体的には以下のものが挙げられる。 1,2エタンジオールジアルカン酸エステル 1,3プロパンジオールジアルカン酸エステル 1.4ブタンジオールジアルカン酸エステル 1.5ペンタンジオールジアルカン酸エステル 1,6ヘキサンジオールジアルカン酸エステル 1,7ヘプタンジオールジアルカン酸エステル 1,8オクタンジオールジアルカン酸エステル 1,9ノナンジオールジアルカン酸エステル 1,10デカンジオールジアルカン酸エステル 1,11ウンデカンジオールジアルカン酸エステル 1,12ドデカンジオールジアルカン酸エステル 1,13トリデカンジオールジアルカン酸エステル 1,14テトラデカンジオールジアルカン酸エステル 1,15ペンタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,16ヘキサデカンジオールジアルカン酸エステル 1,17ヘプタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,18オクタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,19ノナデカンジオールジアルカン酸エステル 1,20イコサンジオールジアルカン酸エステル 1,21ヘンイコサンジオールジアルカン酸エステル 1,22ドコサンジオールジアルカン酸エステル 1,23トリコサンジオールジアルカン酸エステル 1,24テトラコサンジオールジアルカン酸エステル 1,25ペンタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,26ヘキサコサンジオールジアルカン酸エステル 1,27ヘプタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,28オクタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,29ノナコサンジオールジアルカン酸エステル 1,30トリアコンタンジオールジアルカン酸エステル 1,31ヘントリアコンタンジオールジアルカン酸エス
テル 1,32ドトリアコンタンジオールジアルカン酸エステ
ル 1,33トリトリアコンタンジオールジアルカン酸エス
テル 1,34テトラトリアコンタンジオールジアルカン酸エ
ステル
【0046】また35℃以上のアルコールジ脂肪酸エス
テルとしては、下記のものが挙げられる。多価アルコー
ルとして、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオ
ール、1,6ヘキサンジオール、1,7ヘプタンジオー
ル、1,8オクタンジオール、1,9ノナンジオール、
1,10デカンジオール、1,11ウンデカンジオー
ル、1,12ドデカンジオール、1,13トリデカンジ
オール、1,14テトラデカンジオール、1,15ペン
タデカンジオール、1,16ヘキサデカンジオール、
1,17ヘプタデカンジオール、1,18オクタデカン
ジオール、1,19ノナデカンジオール、1,20イコ
サンジオール、1,21ヘンイコサンジオール、1,2
2ドコサンジオール、1,23トリコサンジオール、
1,24テトラコサンジオール、1,25ペンタコサン
ジオール、1,26ヘキサコサンジオール、1,27ヘ
プタコサンジオール、1,28オクタコサンジオール、
1,29ノナコサンジオール、1,30トリアコンタン
ジオール、1,31ヘントリアコンタンジオール、1,
32ドトリアコンタンジオール、1,33トリトリアコ
ンタンジオール、及び1,34テトラトリアコンタンジ
オールから選ばれたジオールを用いた、ジラウレート、
ジトリデケート、ジミリステート、ジペンタデケート、
ジパルミテート、ジマルガレート、ジステアレート、ジ
ノナデケート、ジアラキケード、ジヘンイコセート及び
ジベヘネート等が挙げられる。
【0047】多価アルコールジ脂肪酸エステルは同じ炭
素数で比較すると脂肪酸より融点が低く、逆に同じ融点
で比較すると脂肪酸より炭素数が多いという特徴を持
つ。サーマルヘッドでの印字の繰り返し耐久性は樹脂と
有機低分子物質の加熱時での相溶性が原因と考えられ、
樹脂と有機低分子物質の相溶性は有機低分子物質の炭素
数が多いほど低下すると考えられる。さらに白濁度も炭
素数に比例し、増加する傾向にあり、そのため多価アル
コールジ脂肪酸エステルを用いることにより、同じ透明
化温度(融点付近にある)の可逆性感熱記録材料におい
て脂肪酸と比較し、繰り返し耐久性が向上すると思われ
る。
【0048】また、多価アルコールジ脂肪酸エステルは
低融点で、それより高融点の脂肪酸と白濁度、繰り返し
耐久性の面で同程度の特性を持つため、これらより高融
点の有機低分子物質と混合し、透明化温度範囲を広げた
際に、脂肪酸を用いた場合と同程度の白濁度、繰り返し
耐久性等の性能を持ちながら透明化温度範囲を広げるこ
とができ、ひいてはサーマルヘッド等による、短時間で
の加熱による画像消去(透明化)を向上させることがで
き、さらに、画像消去のマージンが増えることにより経
時により画像消去エネルギーが変動しても、実用上問題
なく、サーマルヘッドでの消去も可能となる。
【0049】また次に、本発明で用いられる高融点有機
低分子物質としては、脂肪族飽和ジカルボン酸、高級ア
ルキル基を有するケトン、該ケトンから誘導されるセミ
カルバゾン、α−ホスホノ脂肪酸などが挙げられ、下記
のものが好ましいが、これらに限定されるものではな
い。これらは、一種または二種以上選択して用いられ
る。
【0050】これら融点100℃以上の有機低分子物質
の具体例を以下に示す。脂肪族ジカルボン酸の、例えば
融点100〜135℃程度の具体例としては、例えば、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、
ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、
ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二
酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン
二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
【0051】本発明において用いるケトンは、ケトン基
と高級アルキル基を必須の構成基として含み、その他無
置換または置換基を有する芳香環あるいは被素環を含む
こともできる。前記ケトンの全炭素数は16個以上が好
ましく、更に好ましくは21個以上である。又、本発明
に用いるセミカルバゾンは、上記ケトンから誘導された
ものである。本発明において使用するケトン、セミカル
バゾンとしては、例えば次の表1に示すようなものを挙
げることができる。
【0052】
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【表1−(3)】
【0053】本発明で用いるα−ホスホノ脂肪酸は例え
ばE.V.Kaurer等、J.Ak.Oil Che
kist’s Soc,41,205(1964)の方
法に従って脂肪酸をHell−Volhard−Zel
inskin反応によって臭素化してα−臭素化酸臭化
物とし、次いでエタノールを加えα−プロモ脂肪酸エス
テルを得、さらにトリエチルホスファイトと加熱反応し
てα−ホスホノ脂肪酸エステルとし、濃塩酸による加水
分解を行なって生成物をトルエンから再結晶することに
より得ることができる。本発明で用いるホスホノ脂肪酸
に具体例を以下に示す。 α−ホスホノペラルゴン酸 CH3(CH2)6CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃) α−ホスホノカプリル酸 CH3(CH2)7CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 16
2-4℃) α−ホスホノラウリル酸 CH3(CH2)9CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 16
2-3℃) α−ホスホノミリスチル酸 CH3(CH2)11CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 15
3-6℃) α−ホスホノパルミチン酸 CH3(CH2)13CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 15
6-65℃) α−ホスホノステアリン酸 CH3(CH2)15CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃,mp 15
7-65℃) などがあげられる。なお、α−ホスホノベラルゴン酸以
外は2つのmp(融点)をもっている。
【0054】またこれらの、低融点有機低分子物質と高
融点有機低分子物質の混合重量比は95:5〜5:95
が好ましく、90:10〜10:90が更に好ましく、
80:20〜20:80が特に好ましい。またこれらの
低融点、高融点有機低分子物質以外に前記した他の有機
低分子物質を混合して用いてもよい。これらは下記のも
のが挙げられる。
【0055】これら化合物としてはラウリン酸、ドデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、
オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステ
アリン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタデシル、ラ
ウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベ
ヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエステル:C1633
O−C1633 , C1633−S−C1633 ,C18
37−S−C1837 , C1225−S−C1225 ,C
1939−S−C1939 , C1225−S−S−C12
25 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ペンタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸が好ま
しく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好ましい。
【0056】前記したように本発明において、透明化で
きる温度の巾を広げるには、この明細書において記載し
た有機低分子物質を適宜組合せるか、または、そうした
有機低分子物質と融点の異なる他の材料とを組合せれば
よい。これらは例えば特開昭63−39378号、特開
昭63−130380号などの公報や、特願昭63−1
4754号、特願平3−2089号などの明細書に開示
されているが、これらに限定されるものではない。
【0057】なお、記録層中の有機低分子物質と樹脂
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質
を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0058】本発明で用いられる可逆性感熱記録材料を
作るには一般に、(1)樹脂母材及び有機低分子物質の
2成分を溶解した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶
剤としては有機低分子物質のうちの少なくとも1種を溶
解しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に
分散した分散液をプラスチックフィルム、ガラス板、金
属板などの支持体上に塗布乾燥して積層の感熱層を形成
せしめればよい。感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤と
しては、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種
々選択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、
四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げ
られる。なお、分散液を使用した場合はもちろんである
が、溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低
分子物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0059】記録層の厚さは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmがさらに好ましい。記録層が厚すぎると層
内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難と
なる。また、記録層が薄すぎると白濁度が低下しコント
ラストが低くなる。更に、感熱層中の有機低分子物質の
量を増加させると白濁度を増すことができる。
【0060】記録層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、可塑剤等の添加
物を添加することができる。これらの添加物の具体例は
次の通りである。可塑剤としては、リン酸エステル、脂
肪酸エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、
グリコール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤
が挙げられ、具体例としては下記のものである。リン酸
トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チルなど。
【0061】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;芳香族カルボン
酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫酸モ
ノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアク
リレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメ
タクリレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含
有モノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合
体;オレフィン−無水マレイン酸共重合体など。
【0062】本発明においては、前記ヒドロキシ変性及
び/又はカルボキシル変性した、塩化ビニル−ビニルエ
ステル共重合体又は塩化ビニル−ビニルアルキルエーテ
ル共重合体に有機低分子物質を分散し、次いで硬化させ
る。
【0063】本発明における感熱層の樹脂を硬化させる
手段としては、加熱することにより又は紫外線照射、電
子線照射により行なうことができる。これらの中で加熱
により硬化させる方法が最適である。この手段で硬化さ
せる方法は具体的には以下のとおりである。ヒドロキシ
ル変性又は、カルボキシル変性した、塩化ビニル−ビニ
ルエステル共重合体及び塩化ビニル−ビニルアルキルエ
ーテル共重合体の該ヒドロキシル基、カルボキシル基と
ポリイソシアネートとを反応させることにより硬化させ
る。
【0064】本発明で使用するポリイソシアナート化合
物としては、イソシアナート基(−N=C=O)を2以
上有し一般に架橋剤として広く利用されているイソシア
ナート化合物が適用でき、その具体例として、トルイレ
ンジイソシアナート、2,4トルイレンジイソシアナー
トのニ量体、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、
o−トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナー
ト、トリス−(p−イソシアナートフェニル)チオホス
ファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、
多官能芳香族イソシアナート、芳香族ポリイソシアナー
ト、多官能脂肪族イソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナ
ート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソ
シアナート等が挙げられる。
【0065】ヒドロキシル変性及び/又はカルボキシル
変性した、塩化ビニル−脂肪酸ビニルエステル共重合
体、又は塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体に対する
イソシアナート化合物の添加量は、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基に対してイソシアナート基が0.1〜3倍
当量程度が好ましい。イソシアナート化合物との硬化反
応を促進させる触媒としては、トリエチレンジアミン、
ナフテン酸コバルト、塩化第一スズ、テトラ−n−ブチ
ルスズ、塩化第ニスズ、トリメチルスズヒドロキシド、
ジメチル第二塩化スズ、ジ−n−ブチルスズジラウレー
ト等が適用でき、その添加割合は樹脂固形分に対し,
0.1〜2重量%程度が好ましい。
【0066】本発明において、硬化した樹脂母材とする
ことにより、感熱層の膜の硬度を向上することができ
る。サーマルヘッド等を用い圧力を加え同時に加熱する
場合には画像形成−消去を繰り返すうちに有機低分子物
質粒子の周囲の樹脂母材が変形し、細かく分散された有
機低分子物質粒子が次第に大きな径の粒子となり、光を
散乱させる効果が少なくなり(白濁度が低下し)、つい
には画像コントラストが低下する。膜の硬さが感熱層の
耐久性に重要であり、膜の硬さが強いほど耐久性が良好
である。また加熱時(100〜140℃)の塗膜の硬さ
が硬い方が良い。膜の硬さを測定する方法としては、例
えばNEC製の薄膜硬度計MHA−400で膜の硬度変
化を測定する事ができる。
【0067】また、これらの他に、感熱層中の樹脂と有
機低分子物質粒子との界面及び/又は粒子中に樹脂及び
粒子の屈折率と異なる空隙があると、白濁状態での画像
濃度が向上し、コントラストが向上する効果がある。空
隙の大きさが不透明状態を検知するために用いる光の波
長の1/10以上であるとより効果が顕著である。
【0068】この記録材料に形成される画像を反射画像
として用いる場合には、感熱層の背面に光を反射する層
を設けるのが望ましい。また、反射層があると感熱層の
厚みを薄くとてもコントラストを上げることができる。
具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げら
れる(特開昭64−14079号公報に記載)。
【0069】また、感熱層にはその感熱層を保護するた
めに保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.1
〜10μm)の材料としては、シリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂(特開昭63−221087号公報)、ポリ
シロキサングラフトポリマー(特願昭63−31738
5号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹
脂(特願平2−566号明細書に記載)等が挙げられ
る。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、その溶
剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶解しに
くいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分子物質
を溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサン、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が
挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面から望ま
しい。
【0070】また、これら保護層は、感熱層の樹脂を硬
化するのと同時に硬化させることも可能である。この場
合には前記した方法により支持体上に感熱層を形成した
後に、保護層を塗布、乾燥し、その後に電子線照射等を
行ない、それぞれの層を硬化させれば良い。
【0071】更に、保護層形成液の溶剤やモノマー成分
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材の材料として挙げたものの他に下記のような熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽
和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙
げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ま
しい。
【0072】また本発明の可逆性感熱記録材料の層構成
としては、実開平2−3876号に記載されているよう
に支持体上に感熱層と磁性材料を主成分とする磁気記録
層を有すると共に、少なくとも感熱層直下又は支持体の
感熱層対応部分が着色されている層構成が挙げられる。
または、特開平3−130188号に記載されているよ
うに、支持体上に磁気記録層、その上に光反射層、更に
その上に感熱層が設けられているような層構成等が挙げ
られるが、この場合に磁気記録層は支持体裏面か、ある
いは支持体と感熱層の間に設けているかのどちらでも良
く、またこれらの他の層構成であっても何らさしつかえ
はない。
【0073】本発明では支持体と感熱層の間に視認性を
良くするために着色層を設けることもできる。着色層は
着色剤及び樹脂バインダーを主成分とする溶液又は分散
液を対象面に塗布、乾燥するか、或いは単に着色シート
を貼合せることにより形成される。ここで着色剤として
は上層の感熱層の透明及び白濁の変化を反射画像として
認識できればよく、赤、黄、青、紺、紫、黒、茶、灰、
橙、緑などの色を有する染料、顔料等が使用される。ま
た、樹脂バインダーとしては各種熱可塑性、熱硬化性又
は紫外線硬化性樹脂が使用される。
【0074】また、支持体と感熱層との間に、空気を有
する非密着部である空気層を設けることができる。空気
層を設けると、感熱層の主成分として用いられた有機高
分子材料の屈折率が1.4〜1.6程度で、空気の屈折
率1.0との差が大きいため、感熱記録層側フィルムと
非密着部との界面で光が反射し、感熱層が白濁状態のと
き白濁度が増幅され、視認性が向上するので、この非密
着部位を表示部として用いることが望ましい。非密着部
位は非密着部の内部に空気を有するため、その非密着部
が断熱層となり、感熱度が向上する。更に、非密着部位
はクッションの役目もなし、サーマルヘッドで圧力をか
けて押さえつけても実際に感熱部材に加わる圧力は低く
なり、熱を加えても記録層の変形は少なく、有機低分子
物質粒子の拡大もなく、繰り返し耐久性が向上する。
【0075】更に、支持体裏面に接着剤層又は粘着剤層
を設けて、可逆性感熱記録ラベルとして用いることも可
能である。このラベルシートは被貼着体と貼り合わされ
るが、被貼着体としては、例えば、クレジットカード等
の塩ビカード、ICカード、IDカード、紙、フィル
ム、合成紙、ボーディングバス、定期券等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、支持体が
Al蒸着層のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合
には、支持体と感熱層との間に接着層を設けても良い
(特開平3−7377号公報)。
【0076】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に詳しく説
明する。ここでの部及び%はいずれも重量基準である。
【0077】実施例1 約188μm厚の白色PET上に、 r−Fe23 10部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 (UCC社製:VAGH) 10部 イソシアネート (日本ポリウレタン社製 コロネートL50%トルエン溶液) 2部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 よりなる液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約1
0μm圧の磁気記録層を設けた。その上に、 特殊アクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社製 ユニデックC7−164、49%酢酸ブチル溶液) 10部 トルエン 4部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後80W
/cmの紫外線ランプで紫外線を5秒間照射して約1.
5μm厚の平滑層を設けた。その上にAlを約400Å
厚となるように真空蒸着し、光反射層を設けた。さらに
その上に、 塩化ビニル〜酢酸ビニル〜リン酸エステル共重合体 (電気化学工業社製:デンカビニール#1000P) 10部 T.H.F(テトラヒドロフラン) 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約0.5μm厚の
接着層を設けた。さらに、その上に、 ステアリン酸ステアリル(日本油脂社製 M9676) 5部 エイコサン2酸(岡村製油社製 SL−20−90) 5部 塩化ビニル−プロパン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 30部 イソシアナート 3部 (旭化成社製硬化剤 商品名デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(東京化成試薬 硬化促進剤) 0.3部 トルエン 30部 テトラヒドロフラン 120部 フタル酸ジイソデシル(東京化成社製:試薬) 3部 よりなる溶液を塗布し、90℃5分間加熱硬化、乾燥し
て約5μm厚の熱硬化膜の感熱層を設けた。さらにその
上に、 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製:ユニデックC7−157) 10部 イソプロピルアルコール 10部 よりなる溶液をヤイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層を設けて可逆性感熱記録材料を作成した。
【0078】実施例2 感熱層の塩化ビニル−プロパン酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体を塩化ビニル−プロパン酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体にする以外は、実施例1と同様にして可逆
性感熱記録材料を作成した。
【0079】実施例3 感熱層の塩化ビニル−プロパン酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体を塩化ビニル−ブタン酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体にする以外は、実施例1と同様にし
て、可逆性感熱記録材料を作成した。
【0080】比較例1 感熱層の塩化ビニル−プロピオン酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体を塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体にする以外は、実施例1と同様にして可
逆性感熱記録材料を作成した。(UCC社製:VAG
H)
【0081】比較例2 感熱層のイソシアナート、トリエチレンジアミンを除
き、樹脂を硬化させないこと以外は、実施例1と同様に
して可逆性感熱記録材料を作成した。
【0082】比較例3 下記の感熱素にする以外は実施例1と同様にして可逆性
感熱記録材料を作成した。 ベヘン酸 8部 ステアリン酸 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 30部 (積水化学工業社製 商品名エスレックA) イソシアナート 3部 (旭化成社製硬化剤 商品名デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(硬化促進剤) 0.3部 トルエン 30部 テトラヒドロフラン 120部
【0083】このようにして得られた実施例の可逆性感
熱記録材料について、次のように画像形成−消去及び繰
り返し耐久性試験を行なった。結果を表2に示す。〈初
期の白濁画像濃度〉感熱記録装置として、八城電気社製
印字試験装置を用いて、サーマルヘッドには京セラ
(株)KBE−40−8MGK1のサーマルヘッドを用
い、パルス巾2.0msec、印加電圧13.0Vの条
件で白濁画像形成を行ない、その際の濃度を白濁画像濃
度とする。尚、数値が小さい程白い。
【0084】〈消去性〉白濁画像濃度測定の際と同様の
条件下で白濁画像形成を行ない、その直後印加電圧を適
宜変更し透明化を行ない、図2と同様に消去濃度と消去
エネルギーの関係をグラフにして消去可能エネルギー巾
を求め、また最大に透明化した部位の濃度を最大透明濃
度とし、その最大透明濃度と地肌との差を初期消去性と
する。次に白濁画像形成後、保存環境温度23℃と40
℃に24hr保存し、初期と同様に画像の透明化を行な
い、経時後の消去可能エネルギー巾を求め、また初期と
経時での共通な消去エネルギー巾を求めた。また更に初
期消去性と同一部位での濃度と地肌の差を経時消去性と
した。
【0085】〈繰り返し耐久性〉また、白濁画像形成と
透明化を各々繰り返し50回目の白濁画像濃度を測定
し、初期の白濁画像濃度との差を繰り返し耐久性とし
た。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録材料は、樹脂母
材として、ヒドロキシル変性及び/又はカルボキシル変
性にした塩化ビニルと炭素数3以上の脂肪酸ビニルとの
共重合体、又は、ヒドロキシル変性又はカルボキシル変
性した塩化ビニルと炭素数3以上のビニルエーテルとの
共重合体を熱硬化型樹脂にしたものを用いることによっ
て、画像消去エネルギー巾を広げ、サーマルヘッドによ
る画像の消去性が良好で、経時での消去性も良好であ
り、しかも画像の形成−消去の繰り返し耐久性に優れた
可逆性感熱記録材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録材料の熱による透
明度の変化を表わした図である。
【図2】消去エネルギーと反射濃度との関係を示すグラ
フである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、樹脂母材と該樹脂母材中に
    分散された有機低分子物質とを主成分とし、温度に依存
    して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感
    熱記録材料において、該樹脂母材が、ヒドロキシ変性及
    び/又はカルボキシル変性した、塩化ビニルと炭素数3
    以上の脂肪酸のビニルエステルとの共重合体を硬化させ
    た樹脂であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記炭素数3以上の脂肪酸のビニルエス
    テルが、プロパン酸ビニルであることを特徴とする請求
    項1記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、樹脂母材と該樹脂母材中に
    分散された有機低分子物質とを主成分とし、温度に依存
    して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感
    熱記録材料において、該樹脂母材が、ヒドロキシ変性及
    び/又はカルボキシル変性した、塩化ビニルと炭素数3
    以上のアルキル基を有するビニルアルキルエーテルとの
    共重合体を硬化させた樹脂であることを特徴とする可逆
    性感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記硬化させた樹脂が、架橋剤としてポ
    リイソシアネートを用いて熱硬化させた樹脂であること
    を特徴とする請求項1又は3記載の可逆性感熱記録材
    料。
  5. 【請求項5】 前記有機低分子物質として、低融点有機
    低分子物質の少なくとも1種と、高融点有機低分子物質
    の少なくとも1種以上とを混合して用いることを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の可逆性感熱記録材
    料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5981115A (en) * 1996-12-20 1999-11-09 Ricoh Company, Ltd. Reversible thermosensitive recording material
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