JP3292902B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱記録媒体Info
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Description
関し、詳しくは、主として感熱層(記録層)の温度によ
る可逆的な透明度又は色調変化を利用して、情報の書込
み及び消去を繰り返し行なうことのできる可逆性感熱記
録媒体及びその製造方法並びにラベル、カード、画像形
成・消去方法に関する。
み)が行なえ、不要となった時にはその画像の消去(情
報の消去)ができるようにした可逆性感熱記録媒体が注
目されている。その代表的なものとしては、ガラス転移
温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満である低ガ
ラス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のよう
な樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分
散した可逆性感熱記録媒体が知られている(特開昭54
−119377号、特開昭55−154198号などの
公報)。しかしながら、この可逆性感熱記録媒体は、サ
ーマルヘッド等の発熱体で画像形成及び消去を複数回繰
り返す間に記録層に歪が発生し、画像形成時の画像濃度
が低下したり、コントラストが低下してしまうという欠
点がある。
マルヘッド等による画像形成・消去の繰り返し耐久性の
向上を目的として、先に、可逆性感熱記録層に用いられ
る塩化ビニル樹脂等樹脂母材の平均重合度及び塩化ビニ
ル単位含有量を規定し、特に平均重合度を上げることに
より、樹脂母材の耐熱性を向上させ、耐久性を向上させ
た可逆性感熱記録媒体を提案した(特開昭62−154
547号公報、特開平5−169809号公報、特開平
5−169810号公報)。また、同様の目的のため可
逆性感熱記録層にエポキシ樹脂を含有させた可逆性感熱
記録媒体を提案した(特開平5−38872号公報)。
これらの可逆性感熱記録媒体の使用によれば、前記の欠
点が相当緩和される。
て、可逆性感熱記録層に用いる樹脂母体としてヒドロキ
シル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とイソシアナ
ート化合物からなる熱硬化型樹脂を用いて、耐熱性と機
械的強度を向上させて、サーマルヘッド等の繰り返し耐
久性を向上させた感熱記録媒体が提案されている。
したタイプの可逆性感熱記録媒体においては、通常ある
温度範囲で透明状態となり、それより高い温度で白濁状
態となり、この状態変化を利用して画像を記録消去する
のであるが、熱により透明と白濁に可逆的に変化させる
には特にこの透明になる温度の巾がある程度広くかつ安
定に維持されることが必要である。
は硬化度合の経時変化があり、具体的には記録層形成時
の硬化度合が時間が経過するにつれて変化してしまう。
樹脂の硬度度合が経時変化するに伴い、透明化温度巾も
経時に縮少しているため、初期の画像消去温度設定にお
ける消去が不可能となり、この消去温度設定が非常に煩
雑になるという問題がある。この問題は新たな課題であ
り、その解決策は従来提案されていない。
記録媒体への印字方法として、低感度感熱記録媒体(例
えば熱破壊方式感熱記録媒体など)への高エネルギー印
字と同条件でプリンタ等によって印字されるシステムが
増加しており、この場合に印加されるエネルギーは可逆
性感熱記録媒体の画像形成に必要な適性エネルギーに対
してかなり過剰なエネルギーとなっている。従って、こ
の熱破壊方式感熱記録媒体用プリンタで可逆性感熱記録
媒体に印字を施すと、一回の印字を行なっただけで可逆
性感熱記録媒体は劣化してしまい、以降の印字では濃度
及びコントラストが不足ぎみになりがちであるという問
題がある。しかしながら、この問題も未だその解決手段
は提案されていない。
を解決するものであって、サーマルヘッド等での画像形
成及び消去を繰り返し行なっても、また熱破壊方式感熱
記録媒体用プリンタによった高エネルギーでの画像形成
及び消去を繰り返し行なっても、ともに良好な濃度及び
コントラストが得られ、耐久性に優れ、しかも経時での
透明化温度巾の安定性の向上した可逆性感熱記録媒体及
びその製造方法並びにラベル、カード、画像形成・消去
方法を提供するものである。
上に、温度に依存して透明度又は色調が可逆的に変化す
る感熱層を設けた可逆性感熱記録媒体において、該感熱
層の熱圧力段差量が40%以下であり、かつ熱圧力段差
変化率が70%以下であり、しかも該感熱層が樹脂を含
有し、該樹脂のガラス転移温度が100℃未満であり、
該樹脂が架橋されていることを特徴とする可逆性感熱記
録媒体が提供される。また、支持体上に、温度に依存し
て透明度又は色調が可逆的に変化する感熱層を設けた可
逆性感熱記録媒体において、該感熱層が樹脂を含有し、
該樹脂が架橋され、かつゲル分率変化率が110%以下
であり、しかも該樹脂のガラス転移温度が100℃未満
であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体、特に、前
記樹脂のゲル分率値が30%以上である前記可逆性感熱
記録媒体が提供される。更に、前記樹脂がポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリビニル
ピロリドン、天然ゴム、ポリアクロレイン、ポリカーボ
ネート、或いはこれらの共重合体から選ばれた少なくと
も一種であること、また、前記樹脂が、架橋剤を用いて
架橋されたものであること、また、前記樹脂が、電子線
照射又は紫外線照射により架橋されたものであること、
或いは、前記感熱層上に、保護層を設けたことをそれぞ
れ特徴とする前記可逆性感熱記録媒体が提供される。更
にまた、支持体上に、温度に依存して透明度又は色調が
可逆的に変化し、樹脂を含む感熱層を形成する可逆性感
熱記録媒体の製造方法において、電子線又は紫外線を複
数回照射して、該樹脂を架橋することを特徴とする前記
可逆性感熱記録媒体の製造方法が提供される。更に、支
持体上に、熱により透明度又は色調が可逆的に変化し、
樹脂と有機低分子物質を含む感熱層が形成されてなる可
逆性感熱記録媒体の製造方法において、該有機低分子物
質の少なくとも一部を溶融する温度以上で加熱した後、
上記樹脂を架橋することを特徴とする前記可逆性感熱記
録媒体の製造方法が提供される。また、前記可逆性感熱
記録媒体に、更に磁気記録部を設けたことを特徴とする
前記可逆性感熱記録媒体、前記可逆性感熱記録媒体に、
更に接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする可
逆性感熱記録ラベル、及び該ラベルに被貼着体を貼り合
わせたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体、並びに前
記ラベルを塩ビカード、ICカード、又はIDカードに
貼り合わせたことを特徴とするカードが提供される。更
に、支持体上に温度に依存して透明度又は色調が可逆的
に変化する感熱層を設け、該感熱層の熱圧力段差量が4
0%以下であり、かつ熱圧力段差変化率が70%以下で
あり、しかも該感熱層が樹脂を含有し、該樹脂のガラス
転移温度が100℃未満であり、該樹脂が架橋されてい
ることを特徴とする可逆性感熱記録材料を、加熱により
画像形成及び/又は画像消去することを特徴とする画像
形成・消去方法、及び支持体上に温度に依存して透明度
又は色調が可逆的に変化する感熱層を設け、該感熱層が
樹脂を含有し、該樹脂が架橋され、かつゲル分率変化率
が110%以下であり、しかも該樹脂のガラス転移温度
が100℃未満であることを特徴とする可逆性感熱記録
材料を、加熱により画像形成及び/又は画像消去するこ
とを特徴とする画像形成・消去方法が提供され、特に、
前記加熱をサーマルヘッドで行うこと、または前記画像
消去をサーマルヘッド、ホットスタンプ、ヒートロー
ラ、ヒートブロックの少なくとも1種を用いて行うこと
を特徴とする前記画像形成・消去方法が提供される。
ける画像表示部である感熱層の熱圧力段差量及び熱圧力
段差変化率は以下のとおり定義されるものである。熱圧
力段差量とは、加熱時の塗膜の硬さを表す物性であり、
数値が小さいほど塗膜が硬いことを示している。熱圧力
段差量の値が40%以下になると、特にサーマルヘッド
等による繰り返し画像形成消去に対する耐久性の向上が
顕著になる。その理由は、有機低分子物質粒子間の接触
による粒子の凝集拡大を抑制する力が急に大きくなるも
のと考えられ、その結果サーマルヘッド等によって熱と
圧力とをかけても感熱層の変形が少なくなるものと思わ
れる。
る。先ず熱圧力印加装置として図1に挙げたユニークマ
シナーリ株式会社製のホットスタンプ型エアー式卓上T
Cフィルム消去装置テスト機を用いる。図1(a)は熱
圧力印加装置を正面から見た概略図であり、また図1
(b)は横から見た概略図である。熱圧力印加装置はこ
の図に表わす様に、圧力調整部である図中103のエア
レギュレータ、時間調整部である図中105の印字タイ
マー、温度調整部である図中112の温調器、及び熱圧
力印加部である図中101の印字ヘッド部、また記録媒
体を支持する図中102のサンプル支持台より構成され
る。また図中101の印字ヘッドは熱圧力段差量測定用
に改良したものを用い、図2に挙げる印字ヘッドを使用
する。印字ヘッド材質としてはAlを使用し、図中突起
部Xの感熱層表面と接触する部分の表面性は図示したご
とく、表面粗さ(Ry)が0.8μm以下(JISB0
031−1982、B0601−1994に準じる。)
であり、また突起部の面積は0.225cm2である。
また図中2のサンプル支持台には熱圧力印加時に圧力が
分散されるのを防ぐために、図3のように10Al板
(102−1)上に厚さ1mmのフッ素ゴム(102−
2)(スプリング硬さHs65)を貼着した支持台の上
に厚さ1mmのステンレス板(102−3)を置いたも
のを用いる。
条件としては、前記図1の熱圧力印加装置において、図
中103のエアレギュレーターを調整し、図中104の
エアーゲージ圧力値が2.5kg/cm2になるように
印加圧力を設定し、次に図中105の印字タイマーを調
整し、印加時間が10秒になるように設定し、また次に
図中112の温調器を調整し、印加温度が130℃にな
るように設定する。ここで印加温度については図中10
8のヒータ及び温度センサーにより調節されている値で
あり、印字ヘッド表面の温度にほぼ近似している。
力段差値の測定方法について説明する。測定装置とし
て、(株)小坂研究所社製の二次元粗さ解析装置サーフ
コーダAY−41、記録計RA−60E及びサーフコー
ダSE30Kを用い、まずサーフコーダSE30Kの設
定を縦倍率(V);2000、横倍率(H);20に設
定し、次にサーフコーダAY−41の設定を基準長さ
(L);5mm、送り速さ(Ds);0.1mm/se
cに設定し、測定結果をRA−60Eに記録させ、その
記録されたチャートにより熱圧力印加部の熱圧力段差値
(Dx)を読み取ればよい。またこれらの設定は例を示
したものであり、測定に応じて任意に変更可能である。
なおこの測定は図4に表わすようにの熱圧力印加部(1
01−1)の巾方向について2mm間隔で位置を変更
し、D1〜D5の5点について測定し、その平均値を熱圧
力段差平均値(Dm)とする。
層膜厚(DB)により熱圧力段差量(D)は下記式によ
り求められる。 D:熱圧力段差量(%) Dm:熱圧力段差平均値(μm) DB:感熱記録層膜厚 ここで感熱層膜厚(DB)とは、前記したごとく支持体
上に形成された感熱層の膜厚であり、いずれも前記した
ようにTEM(透過型電子顕微鏡)、SEM(走査型電
子顕微鏡)等の断面観察により調べることができる。
の硬さの経時での変化度合を表す物性であり、数値が小
さいほど塗膜が安定であることを示している。熱圧力段
差変化率が70%以下になると、本発明の効果が顕著に
表われ、特に記録媒体の透明化温度の範囲、巾等の特性
の安定性が顕著に表われるのは、この数値を境にして塗
膜の熱的物性の安定性が特に向上するものと考えられ
る。
られる。 Dc:熱圧力段差変化率(%) DI:初期熱圧力段差量(%) DD:経時熱圧力段差量(%) ここで初期熱圧力段差量(DI)とは画像表示部が形成
されてからまず1回目の測定した値であり、形成直後の
値でなくてもかまわない。次に経時熱圧力段差量(D
D)とは初期と同時期に画像表示部を形成したサンプル
を50℃環境下に24時間放置してから測定した値であ
る。これらはいずれも前記した熱圧力段差測定方法によ
り測定、算出された値であることはいうまでもない。こ
の熱圧力段差変化率を測定する場合、前記の条件(2.
5kg/cm2、130℃)で段差ができない場合には
圧力、温度を上げることも可能である。この熱圧力段差
量測定は、先述の可逆性感熱記録媒体において、1)記
録層のみのもの、2)保護層を有するもの、の双方に適
用可能である。
としては、実開平2−3876号に記載されているよう
に支持体上に感熱記録層と磁性材料を主成分とする磁気
記録層を有すると共に、少なくとも感熱記録層直下又は
支持体の感熱記録層対応部分が着色されている層構成が
挙げられる。または、特開平3−130188号に記載
されているように支持体上に磁気記録層、その上に光反
射層、更にその上に感熱層が設けられているような層構
成等が挙げられるが、この場合に磁気記録層は支持体裏
面か、あるいは支持体と感熱層の間に設けているかのど
ちらでも良く、またこれらの他の層構成であっても何ら
さしつかえはない。
であっても熱圧力段差量測定には支障はなく、このよう
な構成においても感熱層の表面に熱圧力印加を行なうこ
とにより熱圧力段差量の測定を行なうことができる。
層が設けられており、その上に保護層が形成されている
場合に、可逆性感熱層を表面に露出させて測定を行なう
には、次の方法がある。まず前記したTEM、SEM等
の断面観察により可逆性感熱層及び保護層の膜厚を調べ
ておき、次に保護層膜厚分を削り取ればよい。この保護
層を削り取る方法は図5に挙げるように、上記構成の媒
体(301)を保護層を上にして厚さ2mmのステンレ
ス板の支持台(302)に固定し、次に真ちゅうからな
る直径3.5cmの円柱にサンドペーパー(粗さ800
番)を巻きつけた表面切削用部材(303)を前記した
保護層上に置き、円柱が回転しないように支持しながら
一定方向(304)に平行移動させる。この時に法線方
向から加圧する圧力は1.0〜1.5kg/cm2であ
り、移動回数については、まず媒体(301)の表面切
削前の厚みを電子マイクロメータ(膜厚計)で測定して
おき、表面切削すると共に厚みを測定し、保護層膜厚分
を削り取るまで表面切削を繰り返し行なえばよい。ここ
で保護層切削後に表面が粗れることが考えられるが、そ
の場合においても、熱圧力印加部を特定することは可能
であるため表面の粗れには影響を受けず熱圧力段差量測
定はできる。
いる構成の他に、保護層と記録層の間に設ける中間層、
または保護層上に設ける印刷層、あるいは記録層上に耐
熱性フィルム等を貼着した層等を設けた構成において
も、前記した方法を用いて記録層表面を露出することは
可能であり、熱圧力段差量測定を行なうことができる。
層を形成している樹脂のゲル分率変化率とは、感熱層を
構成する樹脂塗膜の架橋度合の経時での変化度合を表す
物性であり、数値が小さいほど塗膜を架橋度合が安定で
あることを示している。ゲル分率変化率が110%以下
になると、塗膜の硬さ、熱的物性の安定性が特に著しく
向上し、その結果記録媒体の繰り返し耐久性、透明化温
度等の諸特性が安定したものになると考えられる。ゲル
分率変化率は次式により算出される。 Gc:ゲル分率変化率(%) GI :初期ゲル分率値(%) GD :経時ゲル分率値(%) ここで初期ゲル分率値(GI)とは感熱層を架橋してか
ら、まず1回目に測定した値であり、架橋直後の値でな
くてもかまわない。次に経時ゲル分率値(GD)とは初
期ゲル分率値(GI)と同時期に架橋したサンプルを5
0℃環境下に24時間放置してから測定した値である。
熱層中樹脂のゲル分率値は画像耐久性向上及び過剰エネ
ルギー印加での耐熱性向上の効果に対して30%以上が
良く、好ましくは50%以上であり、更に好ましくは7
0%以上、特に好ましくは80%以上である。ゲル分率
測定方法としては支持体上に感熱層を任意の膜厚で形成
し、電子線照射を行なった後に、支持体より膜を剥離し
てその膜の初期重量を測定し、その後に膜を400メッ
シュ金網に挾んで、架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に24
時間浸してから真空乾燥して、乾燥後の重量を測定し
た。ゲル分率計算は下記式によって行なう。 ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量(g)]×100
熱層中の樹脂成分以外の有機低分子物質粒子等の重量を
除く必要があり、この場合にはゲル分率計算は下記式に
よって行なう。 上記において、あらかじめ有機低分子物質重量がわから
ないときには、前記したTEM、SEM等の断面観察に
より、単位面積あたりを占める面積比率と樹脂と有機低
分子物質のそれぞれの比重により重量比率を求めて、有
機低分子物質重量を算出して、ゲル分率値を算出すれば
良い。
逆性感熱層が設けられており、その上に前記した他の層
が積層している場合、または支持体と感熱層の間に前記
した他の層がある場合には、前記したように、まず前記
したTEM、SEM等の断面観察により可逆性感熱層及
びその他の層の膜厚を調べておき、前記した方法を用い
てその他の層の膜厚分の表面を削り、可逆性感熱層表面
を露出させると共に、可逆性感熱層を剥離して前記測定
方法と同様にゲル分率測定を行なえばよい。またこの方
法において感熱層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保護
層等がある場合には、この層が混入するのを極力防ぐた
めに、保護層分の膜厚分を削ると共に感熱層表面も少し
削りゲル分率値への影響を防ぐ必要がある。
方法がある。第1としてソックスレー抽出器を用いて、
架橋処理なしの樹脂が可溶な溶剤で、硬化皮膜中の未硬
化分を抽出(4時間)し、非抽出残分の重量分率を求め
る方法。第2として表面処理のPET支持体上に上記と
同様に感熱層塗膜を形成し、電子線照射を行なった後
に、溶剤中に浸漬し、浸漬前・後の膜厚比率を求める方
法。第3として第2の方法と同様に形成させた感熱層に
溶剤をスポイトで0.2ccほど滴下し、10秒間放置
した後に溶剤をふきとり、滴下前・後の膜厚比率を求め
る方法である。これら第1の方法では、前記した様に有
機低分子物質重量を除いて算出すれば良い。また、第
2、第3の方法では膜厚測定によるものであるため、有
機低分子物質を囲む樹脂母材が完全に架橋していれば溶
剤浸漬後も膜厚は変わらないと考えられるため、重量分
率での方法の様に有機低分子物質を考慮する必要はな
い。
熱層上に他の層が設けられているものを測定する場合に
は、まず第1の方法では前記した測定方法と同様にすれ
ばよく、また第2、第3の方法では膜厚測定によるもの
であるため可逆性感熱層の上層に積層されている層のみ
を削り測定すればよい。
像の形成及び消去の繰り返し使用により発生する画像濃
度やコントラストなどの低下が何故に生じるかについ
て、そのメカニズムを解析、検討した。その結果、サー
マルヘッドや熱破壊方式感熱記録媒体用プリンタ等の発
熱体を該記録媒体表面に押圧して画像形成を行なった場
合には、次の様な現象が認められた。樹脂母材中に有機
低分子物質粒子を分散させた記録層を有する可逆性感熱
記録媒体に於て、発熱体で画像形成及び消去をする際に
エネルギーの印加前又は繰り返し回数が少ないときには
記録層を構成する材料の存在状態が変化するような歪み
がなく、図6(a)に示す様に樹脂母材中に有機低分子
物質粒子が均一に分散された状態になっている。(後記
から理解されるように、本発明の記録層は繰り返しの記
録・消去によっても有機低分子物質粒子の均一分散状態
は維持される)ところが画像形成の際、記録媒体に発熱
体などの画像形成手段を押圧しながら相対的に移動させ
ると、記録層内部に応力がかかる。同方向のエネルギー
印加が繰り返されるうちに、この応力が主たる原因とな
って図6(b)に示す様にエネルギー印加方向への記録
層内部に歪みが発生し、それにより有機低分子物質粒子
が変形した状態となる。そしてさらにエネルギー印加を
同方向に繰り返すうちに歪みが進行し、図6(c)に示
す様に変形した有機低分子物質粒子どうしの凝集が始ま
り、最終的には図6(d)に示す様に凝集粒子どうしが
再凝集をして、有機低分子物質粒子が極大化した状態と
なってしまう。このような状態になると、画像の形成が
ほとんど不可能となり、所謂劣化状態となる。これらの
現象が、可逆性感熱記録媒体への画像の形成及び消去の
繰返し後の画像濃度が低下する原因に関係していると考
えられる。
化温度巾が初期に比べて経時で縮少していく原因につい
ては次のように考えられる。ここで、まずその前に可逆
性感熱記録材料の白濁透明変化メカニズムについては次
のように推測される。すなわち、(I)透明の場合には樹
脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分
子物質と樹脂母材は隙間なく密着しており、また粒子内
部にも空隙はなく、片側から入射した光は散乱されるこ
と無く反対側に透過するため透明に見えること、また、
(II)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質の微細な結晶で構成されており、結晶の界面若しく
は粒子と樹脂母材の界面に隙間ができ片側から入射した
光は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折し、散乱され
れるため白く見えること、等に由来している。
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0以
下の常温では白濁不透明状態にある。これを加熱してい
くと温度T1から徐々に透明になり、始め温度T2〜T3
に加熱すると透明となり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近か
ら樹脂が軟化し始め、軟化が進むにつれ、樹脂が収縮し
樹脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子内の空
隙を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T2
〜T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、残った
空隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより透明
となり、種結晶が残ったまま冷却される比較的高温で結
晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態のため、結晶化にと
もなう粒子の体積変化に樹脂が追随し、空隙が出来ず透
明状態が維持されるためと考えられる。更にT4以上の
温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間
の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、
再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻
る。これは温度T4以上で有機低分子物質が完全に溶融
した後、過冷却状態となりT0より少し高い温度で結晶
化し、その際、樹脂が結晶化にともなう体積変化に追随
できず、空隙が発生するためであると思われる。ただし
図7に示した温度−透明度変化曲線は代表的な例を示し
ただけであり、材料をかえることにより各状態の透明度
等にその材料に応じて変化が生じることがある。
び軟化点以上での変形挙動が重要であるが、前記したよ
うに感熱記録層に用いる樹脂母材の硬化度合が変化して
いくと、硬化度合上昇にともない樹脂の軟化点も上昇し
ていくと共に、軟化点以上での変形挙動も変化してしま
うため、このために初期に比べて経時で透明化温度巾が
縮少してしまうものと考えられる。
熱記録媒体の感熱層の熱圧力段差量を40%以下に、か
つ熱圧力段差変化率を70%以下にすることにより本発
明の目的が達成することを見い出した。この場合の好ま
しい態様は以下のとおりである。可逆性感熱記録媒体に
おける感熱層の熱圧力段差量を40%以下にすると、特
に前記した繰り返し耐久性の向上に寄与する傾向があ
る。これは本発明の記録媒体が従来のものに比べて感熱
層の熱圧力段差量が非常に少なく、すなわち感熱層の耐
熱性、機械的強度が非常に優れるためであると考えられ
る。これにより感熱層中に有機低分子物質を含有させる
場合、この物質の粒子どうしの凝集や極大化が発生しに
くく、画像形成及び消去の繰り返し後の劣化が少なく、
高コントラストが維持されるものと推測される。このよ
うな効果に対して、熱圧力段差量は40%以下がよく、
好ましくは30%以下であり、更に好ましくは25%以
下であり、特に好ましくは20%以下である。
以下にすると、特に前記した透明化温度巾の縮小の抑制
に寄与する傾向がある。これは、本発明の記録媒体は感
熱層の熱圧力段差変化率が非常に小さいことから、すな
わち初期と経時での感熱層の物性が変化していないと考
えられ、これにより透明化温度範囲の変動及び透明化温
度巾の縮小もなく、消去特性が安定したものとなると推
測される。このような効果に対して、熱圧力段差変化率
は70%以下がよく、好ましくは50%以下であり、更
に好ましくは45%以下であり、特に好ましくは40%
以下である。
には可逆性感熱記録層中に用いられる樹脂が重要とな
る。この樹脂が高温に加熱された際にある程度の硬さを
維持していることが必要となる。具体的には、高い軟化
温度を有する樹脂を用いること、主鎖に高軟化温度の樹
脂を用い側鎖に低軟化温度樹脂を用いること、あるいは
樹脂を架橋すること等が挙げられるが、この中で本発明
においては樹脂を架橋する。
は、前記可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱層中に含まれ
る樹脂を架橋しかつその樹脂のゲル分率変化率を110
%以下にすることにより、本発明の目的が達成される。
この場合、更に好ましくは該樹脂のゲル分率値を30%
以上にすると、また更に好ましくは架橋剤を添加して架
橋させると、また更に好ましくは電子線または紫外線照
射により架橋することにより、これらの効果がさらに向
上する。
熱層中に含まれる樹脂が架橋された時の、ゲル分率変化
率が非常に小さいため、すなわち前記した硬化度合の経
時変化が非常に少ないため、これにより前記した消去特
性が安定すると推測される。この効果に対して、ゲル分
率変化率は110%以下がよく、好ましくは90%以下
であり、更に好ましくは70%以下であり、特に好まし
くは50%以下である。また更に本発明の記録媒体にお
いて、前記樹脂が架橋された時のゲル分率値が高いた
め、前記した画像表示部の耐熱性、機械的強度が更に向
上すると考えられ、これにより繰り返し耐久性、画像表
示部の印字跡、耐クラック性が更に向上すると推測され
る。これらの効果に対してゲル分率値は30%以上がよ
く、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは70
%以下である。
架橋する方法は加熱することにより又は紫外線照射(U
V照射)、或いは電子線照射(EB照射)により行なう
ことができるが、好ましくは紫外線照射、電子線照射で
あり、更に好ましくは電子線照射である。これらの架橋
方法の中でEB照射が最も優れるのは次のような理由に
よるものである。
れとの大きな違いは、UV硬化では光重合開始剤、光増
感剤が必要であること、UVではほとんど透明性のある
ものに限られることである。一方EBによる反応では、
ラジカル濃度が高いので急速にラジカル反応が進行し、
瞬間的に重合が完結することや、EBでは、UVに比
べ、大きいエネルギが得られるため硬化膜厚が厚くでき
ることがある。また、前記の様にUV硬化では光重合開
始剤、光増感剤が必要であり、架橋反応後にこれらの添
加物が記録層中に残存するため、記録層の画像形成、消
去及び繰り返し耐久性等に悪影響を及ぼすことが懸念さ
れるという不都合が生じてしまう。
は、熱硬化では架橋のための触媒及び促進剤が必要であ
り、これらを用いても硬化時間がEB硬化に比べてかな
り遅く、またこれについても架橋反応後に上記添加物が
記録層中に残存するためUV硬化と同様な不都合が生
じ、更にまた架橋反応後も少しずつ架橋反応が起こりう
るため、架橋直後と経時で記録層特性に変化が生じるこ
とがある。これらの理由によりEB照射が架橋方法の中
で最適であると言える。また、これらにより高エネルギ
ー印字での画像濃度劣化も少なくなり高コントラストを
維持することも認められた。本発明はこうした知見に基
づいてなされたものである。
本発明の可逆性感熱記録媒体に用いられる「(温度に依
存して透明度又は色調が可逆的に変化する)感熱層」と
は、温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす
材料である。目に見える変化は色の状態の変化と形状の
変化に分けられるが、本発明では主に色の状態の変化を
起こす材料を使用する。色の状態の変化には、透過率、
反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の可
逆性感熱記録材料はこれらの変化の組合せで表示を行な
っている。より具体的には、熱により透明度や色調が可
逆的に変化するものならばなんでも良いが、例えば常温
より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一
の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後
冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙
げられる。特に第一の特定温度と第二の特定温度で色の
状態が変化するものが好適に用いられる。これらの例と
しては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定
温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198
号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で
消色するもの(特開平4−224996号、特開平4−
247985号、特開平4−267190号などの公
報)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温
度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公
報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の
特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、
特開平2−188294号公報)等が挙げられる。この
中でも特に下記の二つの材料が代表として挙げられる。 透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料 染料等の色が化学的に変化する材料
にも繰返し述べてきたように、ポリエステル等の樹脂母
材中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質
を分散した感熱層が代表例として挙げられる。また、
としては、ロイコ系感熱記録材料の可逆性を増強したも
のが代表例として挙げられる。
プの感熱層は、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分としたものである。ここでの
可逆性感熱記録材料は、後述するように、透明になる温
度の範囲がある。本発明の熱可逆記録媒体は、前記のご
ときの透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利
用しており、この透明状態と白濁不透明状態との違いは
前記した図7について説明したとおりである。
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
しすることが可能である。そして、このような感熱層の
背面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色
の画像または着色シートの色の地に白地の画像を形成す
ることができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジ
ェクター)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透
明部は光が透過しスクリーン上では明部となる。
2〜20μmがさらに好ましい。記録層が厚すぎると層
内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難と
なる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下しコント
ラストが低くなる。なお、記録層中の脂肪酸の量を増加
させると白濁度を増すことができる。
下記の方法により支持体上に感熱層を形成する。場合に
よっては、支持体上を用いることなくシート状として成
形するこのもできる。 1)樹脂母材及び有機低分子物質を溶媒中に溶解し、こ
れを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あるいはシ
ート状にするとともに架橋するか、又はシート状とした
後、架橋する方法。 2)樹脂母材のみを溶解させる溶媒に樹脂母材を溶解さ
せ、その中に有機低分子物質を種々の方法で粉砕又は分
散し、これを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あ
るいはシート状にするとともに架橋するか、又はシート
状とした後、架橋する方法。 3)溶媒を用いず、樹脂母材と有機低分子物質を加熱溶
融混合し、これを皮膜あるいはシート状に成形して冷却
した後、架橋するする方法。 感熱層又は感熱記録媒体作成用溶剤としては、樹脂母材
及び有機低分子物質の種類によって種々選択できるが、
例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタ
ノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、分
散液を使用した場合はもちろんであるが、溶液を使用し
た場合も得られる感熱層中では有機低分子物質は微粒子
として析出し、分散状態で存在する。
熱層の樹脂母材に用いられる樹脂は皮膜またはシートを
形成することができ、透明性が良く、機械的に安定な樹
脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリビニル
ピロリドン、天然ゴム、ポリアクロレイン、ポリカーボ
ネートから選ばれたものを少なくとも一種若しくは2種
以上含むもの、またはこれらを含む共重合体であるもの
が挙げられるが、その他にポリアクリレート、ポリアク
リルアミド、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、
或いはこれらの共重合体も使用できる。
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合
体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合
体;ポリメタクリレート、メタクリレート共重合体等が
挙げられる。
いる場合には、これら重合体の平均重合度がP=300
以上が好ましく、更に好ましくはP=600以上であ
り、また塩化ビニル単位と共重合モノマー単位との重合
比が90/10〜60/40が好ましく、更に好ましく
は85/15〜65/35である。また樹脂母材に用い
られる樹脂のガラス転移温度(Tg)は100℃未満で
あり、好ましくは90℃未満、特に好ましくは80℃未
満である。
粒子状になれば良く、一般に融点30〜200℃、好ま
しくは50〜150℃程度のものが使用される。このよ
うな有機低分子物質としてはアルカノール;アルカンジ
オール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカン
ジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アル
キン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲン
アルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロア
ルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸又は
これらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和ま
たは不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれ
らのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンア
リルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそ
れらのエステル、アミンまたはアンモニウム塩;チオア
ルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これら
は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化
合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特
に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部
分は飽和していてもよく、飽和していなくてもよく、ま
たハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機
低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの
少くとも1種、例えば−OH、−COOH、−CON
H、−COOR、−NH、−NH2、−S−、−S−S
−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ま
しい。
は、低融点の有機低分子物質と、高融点の有機低分子物
質とを組み合わせて用いることにより、透明化温度巾を
更に拡大させることができ好ましい。前記低融点有機低
分子物質と高融点有機低分子物質の融点の差は20℃以
上が好ましく、更に好ましくは30℃以上であり、特に
好ましくは40℃以上である。低融点有機低分子物質材
料としては、融点40℃〜100℃のものが好ましく、
50℃〜80℃のものががさらに好ましい。高融点有機
低分子物質としては、融点100℃〜200℃のものが
好ましく、110℃〜180℃のものが更に好ましい。
いられる低融点有機低分子物質としては下記の脂肪酸エ
ステル、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エ
ステルが好ましい。これらは少なくとも1種或いは2種
以上混合して用いられる。
じ炭素数の脂肪酸(2分子会合状態)より融点が低く、
逆に同じ融点の脂肪酸よりも炭素数が多いという特徴を
持つ。サーマルヘッドでの画像の印字−消去の繰り返し
による劣化は、樹脂母材と有機低分子物質の加熱時の相
溶による有機低分子物質粒子の分散状態の変化が原因と
考えられ、樹脂母材と有機低分子物質の相溶性は有機低
分子物質の炭素数が多いほど低下し、画像の印字−消去
の劣化が少ないものと考えられる。更に白濁度も炭素数
に比例して増加する傾向にある。その為、同じ透明化温
度(融点付近にある)の可逆性感熱記録媒体において、
樹脂母材中に分散させる有機低分子物質として脂肪酸エ
ステルを用いることにより、脂肪酸を用いた場合に比較
し、白濁度が高く、つまりコントラストが高く、しかも
繰り返し耐久性が向上するものと思われる。そして、こ
のような脂肪酸エステルと高融点の有機低分子物質を混
合して用いることにより、透明化温度巾を広くすること
ができ、サーマルヘッドでの消去の性能も高く、そのた
め、保存により多少消去特性が変動しても、消去可能で
あり、材料自身の特性から繰り返し耐久性も向上するこ
とができる。
えば下記一般式で表わされる。 R1−COO−R2 (式中、R1,R2は炭素数10以上のアルキル基を表わ
す。) 脂肪酸エステルの炭素数は20以上が好ましく、25以
上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。炭素数が
多くなると白濁度が高く、繰り返し耐久性が向上すると
いう特長を有する。脂肪酸エステルの融点は40℃以上
が好ましい。これらは一種または二種以上を選択して用
いられる。
例を以下に示す。 ラウリン酸オクタデシル ラウリン酸ドコシル ミリスチン酸ドコシル パルミチン酸ドデシル パルミチン酸テトラデシル パルミチン酸ペンタデシル パルミチン酸ヘキサデシル パルミチン酸オクタデシル パルミチン酸トリアコンチル パルミチン酸オクタデシル パルミチン酸ドコシル ステアリン酸ビニル ステアリン酸プロピル ステアリン酸イソプロピル ステアリン酸ブチル ステアリン酸アミル ステアリン酸ヘプチル ステアリン酸オクチル ステアリン酸テトラデシル ステアリン酸ヘキサデシル ステアリン酸ヘプタデシル ステアリン酸オクタデシル ステアリン酸ドコシル ステアリン酸ヘキサコシル ステアリン酸トリアコンチル ベヘン酸ドデシル ベヘン酸オクタデシル ベヘン酸ドコシル リグノセリン酸トラコシル メリシン酸ミリシル
ル、ジエステルのいずれでもよく、下記一般式で表わさ
れるものである。
ルキル基を表わし、R,R′は同一であっても異なって
いてもよいが、同時に水素原子である場合を除く。nは
0〜40の整数を表わす。) 上記一般式(III)で表わされる二塩基酸エステルにおい
て、R,R′のアルキル基の炭素数は1〜22が好まし
く、nは、1〜30が好ましく、2〜20が更に好まし
い。また融点は40℃以上が好ましい。
ル 1−,22−ドコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,24−テトラコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,28−オクタコサメチレンジカルボン酸エステル 1−,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸エ
ステル等が挙げられる。
コールジ脂肪酸エステルとしては、下記の一般式で表わ
されるものが挙げられる。 CH3(CH2)m-2COO(CH2)nOOC(CH2)m-2CH3 (式中、nは2〜40、好ましくは3〜30、更に好ま
しくは4〜22の整数である。mは2〜40、好ましく
は3〜30、更に好ましくは4〜22の整数である。) 具体的には以下のものが挙げられる。 1,2エタンジオールジアルカン酸エステル 1,3プロパンジオールジアルカン酸エステル 1.4ブタンジオールジアルカン酸エステル 1.5ペンタンジオールジアルカン酸エステル 1,6ヘキサンジオールジアルカン酸エステル 1,7ヘプタンジオールジアルカン酸エステル 1,8オクタンジオールジアルカン酸エステル 1,9ノナンジオールジアルカン酸エステル 1,10デカンジオールジアルカン酸エステル 1,11ウンデカンジオールジアルカン酸エステル 1,12ドデカンジオールジアルカン酸エステル 1,13トリデカンジオールジアルカン酸エステル 1,14テトラデカンジオールジアルカン酸エステル 1,15ペンタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,16ヘキサデカンジオールジアルカン酸エステル 1,17ヘプタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,18オクタデカンジオールジアルカン酸エステル 1,19ノナデカンジオールジアルカン酸エステル 1,20イコサンジオールジアルカン酸エステル 1,21ヘンイコサンジオールジアルカン酸エステル 1,22ドコサンジオールジアルカン酸エステル 1,23トリコサンジオールジアルカン酸エステル 1,24テトラコサンジオールジアルカン酸エステル 1,25ペンタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,26ヘキサコサンジオールジアルカン酸エステル 1,27ヘプタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,28オクタコサンジオールジアルカン酸エステル 1,29ノナコサンジオールジアルカン酸エステル 1,30トリアコンタンジオールジアルカン酸エステル 1,31ヘントリアコンタンジオールジアルカン酸エス
テル 1,32ドトリアコンタンジオールジアルカン酸エステ
ル 1,33トリトリアコンタンジオールジアルカン酸エス
テル 1,34テトラトリアコンタンジオールジアルカン酸エ
ステル
テルとしては、下記のものが挙げられる。多価アルコー
ルとして、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオ
ール、1,6ヘキサンジオール、1,7ヘプタンジオー
ル、1,8オクタンジオール、1,9ノナンジオール、
1,10デカンジオール、1,11ウンデカンジオー
ル、1,12ドデカンジオール、1,13トリデカンジ
オール、1,14テトラデカンジオール、1,15ペン
タデカンジオール、1,16ヘキサデカンジオール、
1,17ヘプタデカンジオール、1,18オクタデカン
ジオール、1,19ノナデカンジオール、1,20イコ
サンジオール、1,21ヘンイコサンジオール、1,2
2ドコサンジオール、1,23トリコサンジオール、
1,24テトラコサンジオール、1,25ペンタコサン
ジオール、1,26ヘキサコサンジオール、1,27ヘ
プタコサンジオール、1,28オクタコサンジオール、
1,29ノナコサンジオール、1,30トリアコンタン
ジオール、1,31ヘントリアコンタンジオール、1,
32ドトリアコンタンジオール、1,33トリトリアコ
ンタンジオール、及び1,34テトラトリアコンタンジ
オールから選ばれたジオールを用いた、ジラウレート、
ジトリデケート、ジミリステート、ジペンタデケート、
ジパルミテート、ジマルガレート、ジステアレート、ジ
ノナデケート、ジアラキケード、ジヘンイコセート及び
ジベヘネート等が挙げられる。
素数で比較すると脂肪酸より融点が低く、逆に同じ融点
で比較すると脂肪酸より炭素数が多いという特徴を持
つ。サーマルヘッドでの印字の繰り返し耐久性は樹脂と
有機低分子物質の加熱時での相溶性が原因と考えられ、
樹脂と有機低分子物質の相溶性は有機低分子物質の炭素
数が多いほど低下すると考えられる。さらに白濁度も炭
素数に比例し、増加する傾向にあり、そのため多価アル
コールジ脂肪酸エステルを用いることにより、同じ透明
化温度(融点付近にある)の可逆性感熱記録材料におい
て脂肪酸と比較し、繰り返し耐久性が向上すると思われ
る。
低融点で、それより高融点の脂肪酸と白濁度、繰り返し
耐久性の面で同程度の特性を持つため、これらより高融
点の有機低分子物質と混合し、透明化温度範囲を広げた
際に、脂肪酸を用いた場合と同程度の白濁度、繰り返し
耐久性等の性能を持ちながら透明化温度範囲を広げるこ
とができ、ひいてはサーマルヘッド等による、短時間で
の加熱による画像消去(透明化)を向上させることがで
き、さらに、画像消去のマージンが増えることにより経
時により画像消去エネルギーが変動しても、実用上問題
なく、サーマルヘッドでの消去も可能となる。
低分子物質としては、脂肪族飽和ジカルボン酸、高級ア
ルキル基を有するケトン、該ケトンから誘導されるセミ
カルバゾン、α−ホスホノ脂肪酸などが挙げられ、下記
のものが好ましいが、これらに限定されるものではな
い。これらは、一種または二種以上選択して用いられ
る。
の具体例を以下に示す。脂肪族ジカルボン酸の、例えば
融点100〜135℃程度の具体例としては、例えば、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、
ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、
ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二
酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン
二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
と高級アルキル基を必須の構成基として含み、その他無
置換または置換基を有する芳香環あるいは被素環を含む
こともできる。前記ケトンの全炭素数は16個以上が好
ましく、更に好ましくは21個以上である。又、本発明
に用いるセミカルバゾンは、上記ケトンから誘導された
ものである。本発明において使用するケトン、セミカル
バゾンとしては、例えば次の表1に示すようなものを挙
げることができる。
ばE.V.Kaurer等、J.Ak.Oil Che
kist’s Soc,41,205(1964)の方
法に従って脂肪酸をHell−Volhard−Zel
inskin反応によって臭素化してα−臭素化酸臭化
物とし、次いでエタノールを加えα−プロモ脂肪酸エス
テルを得、さらにトリエチルホスファイトと加熱反応し
てα−ホスホノ脂肪酸エステルとし、濃塩酸による加水
分解を行なって生成物をトルエンから再結晶することに
より得ることができる。本発明で用いるホスホノ脂肪酸
に具体例を以下に示す。 α−ホスホノペラルゴン酸 CH3(CH2)6CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃) α−ホスホノカプリル酸 CH3(CH2)7CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 16
2-4℃) α−ホスホノラウリル酸 CH3(CH2)9CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 16
2-3℃) α−ホスホノミリスチル酸 CH3(CH2)11CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 15
3-6℃) α−ホスホノパルミチン酸 CH3(CH2)13CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 15
6-65℃) α−ホスホノステアリン酸 CH3(CH2)15CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃,mp 15
7-65℃) などがあげられる。なお、α−ホスホノベラルゴン酸以
外は2つのmp(融点)をもっている。
融点有機低分子物質の混合重量比は95:5〜5:95
が好ましく、90:10〜10:90が更に好ましく、
80:20〜20:80が特に好ましい。またこれらの
低融点、高融点有機低分子物質以外に前記した他の有機
低分子物質を混合して用いてもよい。これらは下記のも
のが挙げられる。
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、
オレイン酸等の高級脂肪酸; 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ペンタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸が好ま
しく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好ましい。
きる温度の巾を広げるには、この明細書において記載し
た有機低分子物質を適宜組合せるか、または、そうした
有機低分子物質と融点の異なる他の材料とを組合せれば
よい。これらは例えば特開昭63−39378号、特開
昭63−130380号などの公報や、特願昭63−1
4754号、特願平3−2089号などの明細書に開示
されているが、これらに限定されるものではない。
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質
を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
形成を容易にするために、界面活性剤、可塑剤等の添加
物を添加することができる。これらの添加物の具体例は
次の通りである。可塑剤としては、リン酸エステル、脂
肪酸エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、
グリコール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤
が挙げられ、具体例としては下記のものである。リン酸
トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チルなど。
級アルキルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステ
ル、高級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂
肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又は
ポリプロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド
付加物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼン
スルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのC
a、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキル
アクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキ
ルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミ
ン含有モノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共
重合体;オレフィン−無水マレイン酸共重合体など。
また、前記の感熱層が電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物との間の発色反応を利用したものも含み、
このような可逆的熱発色反応を利用したものについて以
下に述べることにする。該発色反応は、電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用し
たものであり、これら化合物からなる熱発色性組成物
は、該電子供与性呈色性化合物と該電子受容性化合物を
加熱溶融混合させたときに非晶質の発色体を生成し、一
方、該非晶質の発色体を該溶融温度より低い温度で加熱
したときに該電子受容性化合物が結晶化を起して該発色
体が消色することの現象を利用したものである。
し、その発色状態は常温においても安定的に存在し、一
方、発色状態にある組成物は、これを発色温度以下の加
熱により瞬時に消色し、その消去状態は常温においても
安定的に存在するもので、このような可逆的な特異な発
消色挙動は従来には見られない新規な驚くべき現象であ
る。
色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図8に示し
たグラフによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度を
表わし、横軸は温度を表わしており、実線は加熱による
画像形成過程を、破線は加熱による画像消去過程を示し
たものである。Aは完全消去状態における濃度であり、
BはT6以上の温度に加熱した時の完全発色状態におけ
る濃度であり、Cは完全発色状態のT5以下の温度にお
ける濃度であり、DはT5〜T6間の温度で加熱消去した
時の濃度を示している。
度においては無色の状態(A)にある。記録(画像形
成)を行なうにはサーマルヘッド等によりT6以上の温
度に加熱することにより発色(B)して記録画像を形成
する。この記録画像は実線に従ってT5以下の温度に戻
しても、そのままの状態(C)を保持しており記録のメ
モリー性は失われない。
れた記録画像を発色温度よりも低いT5〜T6間の温度に
加熱することによって無色の状態(D)になる。この状
態はT5以下の温度に戻しても、そのままの無色の状態
(A)を保持している。即ち、記録画像の形成過程は実
線ABCの経路によりCに至り記録が保持される。次に
記録画像の消去過程は破線CDAの経路によりAに至り
消去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙
動特性は可逆性を有し何回も繰り返し行なうことができ
る。
を必須成分とし、更に必要により結着樹脂を含んでい
る。そして、発色剤と顕色剤の加熱溶融により発色状態
を形成し、一方、発色温度よりも低い温度の加熱により
発色状態は消去され、発色状態及び消色状態が常温で安
定的に存在するものである。組成物におけるこのような
発色と消色の機構は、先に触れたように、発色剤と顕色
剤を発色温度で加熱溶融混合した時に、組成物が非晶質
化を起こして発色状態を形成し、一方、発色温度よりも
低い温度で加熱した時に、発色した組成物の顕色剤が結
晶化を起こして発色の消去状態を形成する特性に基づく
ものである。ただし、この場合においても感熱層はT6
以上の温度に加熱してから消色する過程がとられること
によって、発色剤及び顕色剤の粒子が元に戻り、新たな
発色状態を形成するのに有利である。
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物からなる組成物は、これを加熱によって溶融
混合させると、ロイコ化合物のラクトン環の開環に基づ
く発色状態となる。この発色状態は両者が相溶した非晶
質状態を呈している。この発色した非晶質状態は常温で
安定的に存在するが、再び加熱を行っても結晶化は起こ
らず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分離が
ないためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
剤の組成物も加熱によって溶融混合させた時に、発色状
態となり、従来の場合と同様に非晶質状態を呈し、常温
で安定的に存在する。しかし、本発明の場合は、この発
色した非晶質状態の組成物は、発色温度以下、即ち溶融
状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結晶化が起
こり、発色剤との相溶状態による結合が保持できなくな
り、顕色剤が発色剤から分離する。そして、この顕色剤
の結晶化による発色剤からの分離により、顕色剤は発色
剤から電子を受容することができず、発色剤は消色する
ものと考えられる。
消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による相互溶
解性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色剤
に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係しているが、
原理的には、加熱溶融による非晶質化を起こし、一方、
発色温度よりも低い温度の加熱により結晶化を起こす発
色剤/顕色剤系であれば、本発明における組成物成分と
して利用し得るものである。さらに、この様な特性を有
するものは、熱分析において溶融による吸熱変化及び結
晶化による発熱変化を示すことから、本発明に適用し得
る発色剤/顕色剤系は、熱分解析により容易に確認する
ことができる。また、本発明に係る可逆的熱発色性組成
物系には、必要に応じて結着樹脂等の第三物質が存在さ
せることができ、例えば、高分子物質が存在してもその
可逆的な消発色挙動が保持されることが確認された。
尚、結着樹脂としては、前記の可逆性感熱記録媒体の
感熱層を構成する樹脂母材と同様のものが使用できる。
本発明の熱発色性組成物において、その消色は顕色剤の
結晶化による発色剤からの分離に起因することから、消
色効果のすぐれたものを得るには、顕色剤の選択は重要
である。
を例示すると以下の通りであるが、前記のように、本発
明に適用できる顕色剤は熱分析により容易に知見し得る
ので、それらのものに限定されるものでない。 (1)下記一般式で示される有機リン酸化合物 R1−PO(OH)2 (但し、R1は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) この有機リン酸化合物の具体例としては、例えば、以下
のものが挙げられる。オクチルホスホン酸、ノニルホス
ホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テト
ラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタ
デシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホ
スホン酸、テトラコシルホスホン酸。
水酸基を有する有機酸 R2−CH(OH)COOH (但し、R2は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。 α−ヒドロキシオクタノイック酸、α−ヒドロキシドデ
カノイック酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、
α−ヒドロキシヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシ
オクタデカノイック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシエイコサノイック酸、α−ヒド
ロキシドコサノイック酸等。
示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料前
駆体であり、特に限定されず、従来公知のもの例えば、
トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化
合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化
合物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン系化
合物、インドリノフタリド系化合物等があり、具体例と
して以下のようなものが挙げられる。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレッ
トラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタ
リド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラ
ン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p
−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメ
チルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−6−(o
−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルア
ミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N
−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾロイ
コメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベ
ンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−
メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−
(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2′メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニ
ル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチ
ルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メ
チルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′
−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ
−4′−クロル−5′−メトキシフェニル)フタリド、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリン)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−
クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−ク
ロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミ
ノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)
−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチ
ル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−ク
ロロ−3−(N−メトキシトルイジノ)−7−(p−n
−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N
−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタ
リド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′
−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル
−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2
−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフル
フリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′,5′−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−
イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン等。
る手段としては、加熱することにより又は紫外線照射、
電子線照射により行なうことができるが、これらの中で
電子線照射するのが最適である。これら架橋させる方法
は具体的には以下のとおりである。(i)樹脂に架橋性
のあるものを用いる方法、(ii)架橋剤の添加による方
法、(iii)紫外線、又は電子線の照射によって架橋さ
せる方法、(iv)架橋剤の存在下で紫外線、又は電子線
の照射によって架橋させる方法、等がある。架橋剤とし
ては非官能性モノマー、官能性モノマーがあり、具体的
には下記のものがあげられる。
A) (16)メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA) (17)メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロラ
イド塩(DMCMA) (18)メタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEMA) (19)メタクリル酸グリシジル(GMA) (20)メタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFM
A) (21)メタクリル酸アリル(AMA) (22)ジメタクリル酸エチレングリコール(EDMA) (23)ジメタクリル酸トリエチレングリコール(3ED
MA) (24)ジメタクリル酸テトラエチレングリコール(4E
DMA) (25)ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール(B
DMA) (26)ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール(HX
MA) (27)トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TM
PMA) (28)メタクリル酸2−エトキシエチル(ETMA) (29)2−エチルヘキシルアクリレート (30)フェノキシエチルアクリレート (31)2−エトキシエチルアクリレート (32)2−エトキシエトキシエチルアクリレート (33)2−ヒドロキシエチルアクリレート (34)2−ヒドロキシプロピルアクリレート (35)ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート (36)N−ビニルピロリドン (37)酢酸ビニル
H=CH2 (42)テトラエチレングリコールジアクリレート CH2=CHCOO(CH2CH2O)4OCCH=CH2 (43)トリプロピレングリコールジアクリレート (44)トリプロピレングリコールジアクリレート (45)ポリプロピレングリコールジアクリレート (46)ビスフェノールA.EO付加物ジアクリレート
2モル付加のジアクリレート (49)ジエチレングリコールジアクリレート (50)ポリエチレングリコール(400)ジアクリレー
ト (51)ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコール
のエステルのジアクリレート (52)2,2−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフ
ェニル)プロパン (53)ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレ
ート
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
ル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジ
オキサンジアクリレート
ε−カプロラクトン付加物
ルのジアクリレート
ールプロパントリアクリレート (61)ペンタエリスリトールトリアクリレート (62)グリセリンPO付加トリアクリレート
3モル付加物のトリアクリレート (66)グリセリルプロポキシトリアクリレート (67)ジペンタエリスリトール・ポリアクリレート (68)ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物
のポリアクリレート (69)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアク
リレート (70)ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプ
ロピントリアクリレート (71)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラ
アクリレート (72)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート (73)プロピオン酸ジペンタエリスリトールのペンタア
クリレート (74)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA) (75)DPHAのε−カプロラクトン付加物
合して使用される。これらの架橋剤の添加量としては、
樹脂1重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ま
しく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
添加量が0.001重量部以下であると架橋効率が悪く
なり、逆に1.0重量部以上になると白濁度が低下し、
コントラストが低くなる。前記したように、架橋剤の添
加量を少量にして架橋効率を向上させるためには、前記
した架橋剤の中では、非官能性モノマーより官能性モノ
マーが好ましく、更に単官能モノマーよりも多官能モノ
マーが好ましい。
橋させる手段として紫外線照射を用いる場合には次のよ
うな架橋剤、光重合開始剤、光重合促進剤を用いてもよ
い。具体的には下記のものが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
と光重合性モノマーに大別することができ、光重合性モ
ノマーとしては前記した電子線照射で用いる架橋剤とし
て挙げた単官能性モノマー及び多官能性モノマーと同じ
ものを挙げることができる。また次に光重合性プレポリ
マーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルア
クリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレー
ト、ポリオールアクリレートなどが挙げられる。これら
の架橋剤は単独で又は2種以上が混合して使用される。
これらの架橋剤の添加量としては、樹脂1重量部に対し
て0.001〜1.0重量部が好ましく、更に好ましく
は0.01〜0.5重量部である。添加量が0.001
重量部以下であると架橋効率が悪くなり、逆に1.0重
量部以上になると白濁度が低下し、コントラストが低く
なる。
とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開
裂型と水素引抜き型とに分けられる。具体的には下記表
2に示すものが挙げられる。
以上混合して使用される。添加量としては架橋剤1重量
部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、更に
好ましくは0.01〜0.5重量部である。
ン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重
合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があり、芳
香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系がある。具体的
には下記のものが挙げられる。
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜
3重量部である。
源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されてい
る。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリ
ウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプが
あるが、前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また紫外線照射条件については、樹脂を
架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。
熱層の樹脂を架橋するのに特に効果的な電子線照射法は
以下のとおりである。まず、EB照射装置としては、走
査形(スキャンビーム)あるいは非走査形(エリアビー
ム)の2種に大別できるが、照射面積、照射線量等の目
的に応じて決めればよい。次に、EB照射条件について
は、樹脂を架橋するために必要な線量に応じて、電子
流、照射幅、搬送スピードを考慮し下記式から決められ
る。 D=(ΔE/ΔR)・η・I/(W・V) D:必要線量(Mrad) ΔE/ΔR:平均エネルギ損失 η:効率 I:電子流(mA) W:照射幅(cm) V:搬送速度(cm/s) 工業的には、これを簡略化し、 D・V=K・I/W とし、装置定格をMrad・m/minで示す。電子流
定格は、実験器では20〜30mA、パイロット機では
50〜100mA、生産機では100〜500mA程度
が選ばれる。
ついては、樹脂の種類および重合度、架橋剤の種類およ
び添加量、可塑剤の種類および添加量等により架橋効率
が変わり、線量に対してのゲル分率が一定でないため、
これらの可逆性感熱記録媒体の感熱層の構成因子水準を
決めて記録層を作成し、ゲル分率目標値を決め、それに
応じての線量を決めればよい。またここで、照射線量
は、樹脂を架橋させるために高エネルギーを必要とする
場合には、支持体または樹脂等が照射により発生する熱
によって変形、熱分解をするのを防ぐため、照射を複数
回に分けて、1回当たりの照射で高熱になるのを防ぐこ
とが好ましい。また、EB照射を行なう前に、記録層に
含有される有機低分子物質の少なくとも一部を溶融する
温度以上で加熱した後、架橋することが好ましく、また
更に有機低分子物質が全て溶融する温度以上に加熱した
後、架橋することが好ましい。感熱層構成因子それぞれ
のゲル分率との関係は前記したとおりである。まず、樹
脂の種類としては前記した樹脂が選択できるが、これら
の重合度は平均重合度(P)が高くなるにつれてゲル分
率が向上する傾向にあり、好ましくはP=300以上で
あり、更に好ましくはP=600以上である。
したとおりであり、また可塑剤の種類としては、前記し
た可塑剤の中で脂肪酸エステル、ポリエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤等が好ましく、特にエポキシ系可
塑剤が照射変色、架橋効率からみて最適である。可塑剤
の添加量については、その添加量の増加につれてゲル分
率が向上する傾向にあり、樹脂1重量部に対して0.0
1〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.05
〜0.5重量部である。
ためには、以下の方法がある。第1に感熱層の軟化温度
を高温側へ上げることによって耐久性は向上する。軟化
温度がより高い方が更に耐久性は向上する。軟化温度の
測定方法としては、ゲル分率測定で用いたものと同様な
膜を用いて、熱機械分析装置(TMA)や動的粘弾性測
定装置を用いて測定することができる。また、更に前記
した様に形成された記録層を剥離せずに剛体振り子法・
動的粘弾性測定装置により測定することができる。ま
た、その軟化点については経時での変動が少ない方が前
記した透明化温度巾、範囲の変動が少なくなる。
上に形成された感熱層上に前記した保護層を積層し、そ
の積層間の層間強度を強くすることによっても耐久性は
向上する。層間強度がより強い方がより耐久性は向上す
る。層間強度測定方法はTappi UM−403に準
じて行なうことができる。
よる針入度が少ない方が耐久性は向上する。針入度がよ
り少ない方が更に耐久性は向上する。針入度測定方法と
しては、支持体上に形成された記録層を用いて、軟化温
度測定に用いたTMAを用い、先端断面積の小さなプロ
ーブ(針入プローブ)を記録層上に乗せ荷重を加え、必
要により加熱してその変位量により測定することができ
る。
存する架橋剤量が少ない方が耐久性は向上する。残存量
がより少ない方が耐久性は更に向上する。残存量測定方
法としては下記方法が挙げられる。測定装置としてフー
リエ変換赤外分光光度計に取り付けられるATR測定付
属装置を用い、測定サンプルとしては上記ゲル分率測定
に用いた感熱層塗膜を使用し、EB照射後の資料の81
0cm-1付近に現われるアクリロイル基のCH面外変角
振動による吸収帯強度を測定する。この吸収帯強度は架
橋剤残存量と比例関係にあり、残存量が減れば、強度も
減少するこれにより残存量を知ることができる。残存量
値としては感熱層中樹脂1重量部に対して0.2重量部
以下が良く、好ましくは0.1重量部以下であり、更に
好ましくは0.05重量部以下であり、特に好ましくは
0.01重量部以下である。この測定方法においては、
上記測定のほかにUV硬化で用いられる光重合開始剤、
光増感剤及び熱硬化で用いられる触媒等の残存量も知る
ことができ、またそれぞれの残存成分の定性分析によ
り、感熱層中の樹脂の架橋が、EB硬化かUV硬化ある
いは熱硬化のうち、どの方法を用いたのかを判定するこ
とができる。いずれの方法においても残存成分が少ない
方が耐久性が良くなる。またこの測定方法では、塗膜表
面の数μmオーダの薄い層のみの知見が得られるため、
支持体上に形成した感熱層をそのまま測定することも可
能である。
機低分子物質粒子との界面及び/又は粒子中に樹脂及び
粒子の屈折率と異なる空隙があると、白濁状態での画像
濃度が向上し、コントラストが向上する効果がある。空
隙の大きさが不透明状態を検知するために用いる光の波
長の1/10以上であるとより効果が顕著である。
画像として用いる場合には、感熱層の背面に光を反射す
る層を設けるのが望ましい。また、反射層があると感熱
層の厚みを薄くとてもコントラストを上げることができ
る。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙
げられる(特開昭64−14079号公報に記載)。
めに保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.1
〜10μm)の材料としては、シリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂(特開昭63−221087号公報)、ポリ
シロキサングラフトポリマー(特願昭62−15255
0号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹
脂(特願昭63−310600号明細書に記載)等が挙
げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、
その溶剤は、記録層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶
解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分
子物質を溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサン、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面か
ら望ましい。
橋するのと同時に硬化させることも可能である。この場
合には前記した方法により支持体上に感熱層を形成した
後に、保護層を塗布、乾燥し、その後に前記したEB照
射装置及び照射条件あるいはUV照射装置及び照射条件
により電子線又は紫外線照射を行ない、それぞれの層を
硬化させれば良い。
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材の材料として挙げたものの他に下記のような熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽
和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙
げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ま
しい。
熱層の間に視認性を良くするために着色層を設けること
ができる。着色層は着色剤及び樹脂バインダーを主成分
とする溶液又は分散液を対象面に塗布、乾燥するか、或
いは単に着色シートを貼合せることにより形成される。
ここで着色剤としては上層の記録層の透明及び白濁の変
化を反射画像として認識できればよく、赤、黄、青、
紺、紫、黒、茶、灰、橙、緑などの色を有する染料、顔
料等が使用される。また、樹脂バインダーとしては各種
熱可塑性、熱硬化性又は紫外線硬化性樹脂が使用され
る。
する非密着部である空気層を設けることができる。空気
層を設けると、感熱層の主成分として用いられた有機高
分子材料の屈折率が1.4〜1.6程度で、空気の屈折
率1.0との差が大きいため、感熱記録層側フィルムと
非密着部との界面で光が反射し、感熱層が白濁状態のと
き白濁度が増幅され、視認性が向上するので、この非密
着部位を表示部として用いることが望ましい。非密着部
位は非密着部の内部に空気を有するため、その非密着部
が断熱層となり、感熱度が向上する。更に、非密着部位
はクッションの役目もなし、サーマルヘッドで圧力をか
けて押さえつけても実際に感熱部材に加わる圧力は低く
なり、熱を加えても感熱層の変形は少なく、有機低分子
物質粒子の拡大もなく、繰り返し耐久性が向上する。
を設けて、可逆性感熱記録ラベルとして用いることも可
能である。このラベルシートは被貼着体と貼り合わされ
るが、被貼着体としては、例えば、クレジットカード等
の塩ビカード、ICカード、IDカード、紙、フィル
ム、合成紙、ボーディングバス、定期券等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、支持体が
Al蒸着層のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合
には、支持体と感熱層との間に接着層を設けても良い
(特開平3−7377号公報)。
の感熱記録画像表示装置として用いる場合には、多種多
様なものが挙げられるが、その代表的なものは可逆性記
録媒体に画像形成・消去を行なうための画像形成手段と
画像消去手段が同一の発熱体、例えばサーマルヘッド
で、サーマルヘッドに印加するエネルギーを変化させる
ことにより画像処理を行なうことができる感熱記録画像
表示装置、または画像形成手段がサーマルヘッドであ
り、画像消去手段がサーマルヘッド、ホットスタンプ、
ヒートローラー、ヒートブロック等の発熱体を接着させ
る接触押圧型手段か、あるいは温風や赤外線などを用い
た非接触型手段のうち一つから選択される感熱記録画像
表示装置がある。
(c)及び(d)の様な感熱記録消去装置を挙げること
ができる。図9(a)は、静止させた可逆性感熱記録媒
体1にホットスタンプ402を押し当てて透明化を行な
う接触押圧型加熱装置の概略である。図中、403はス
テンプ台を示している。図9(b)は、ヒートローラー
404によって透明化を行なう接触型加熱装置の概略で
ある。図中、5はアイドルローラーを示している。この
装置では、ヒートローラー404及びアイドルローラー
405は等しい周速で回転しており、これらの間に可逆
性感熱記録媒体401が狭持されながら移動せしめられ
る。図9(c)は、ドライヤー406からの温風によっ
て透明化を行なう非接触型感熱装置の概略であり、図
中、407は送りローラーを表わしている。図9(d)
は、ヒートブロック408によって透明化を行なう接触
押圧型加熱装置の概略である。図中、407は送りロー
ラーを表わしている。またこの図中に挙げていないが、
図10に挙げているように画像消去装置としてサーマル
ヘッドを用いることができることはもちろんである。
熱記録画像表示装置を用いた具体的な例を下記に述べ
る。先ず第一として、該可逆性記録媒体に画像形成・消
去を行なうための画像形成手段と画像消去手段がサーマ
ルヘッドである例について図10(a)に示す。図10
(a)において、図中501−1の画像形成されている
可逆性感熱記録媒体は、図中511のプラテンロールに
よって右方向に送り出され、その時に図中509の画像
消去用サーマルヘッドにてエネルギー印加されて画像が
消去される(同時に記録媒体とサーマルヘッド接触面に
ズレ応力が発生するが、感熱層の樹脂は架橋されている
のでその程度は極めて小さい。この時点では画像形成用
サーマルヘッドのエネルギー印加はされず図中11のプ
ラテンロールのみ駆動して、その後図中512,512
のガイドロールにて図中513のストッパーまで搬送さ
れる。図10の(b)において図中501−2の画像消
去されている可逆性感熱記録媒体は図中512のガイド
ロールで左方向に送り出され、その後図中511のプラ
テンロールにて更に左方向に送り出される。その時に図
中510の画像形成用サーマルヘッドにてエネルギー印
加されて新しく画像が形成される(同時に記録媒体とサ
ーマルヘッド接触面にズレ応力が発生するが、前記のと
おり、その程度は極めて小さい)。この時点では図中5
09の画像消去用サーマルヘッドのエネルギー印加はさ
れず、図中511のプラテンロールのみ駆動して、更に
左方向に搬送される。
ことで可逆性感熱記録媒体を用いた画像表示を実施でき
ることは明らかである。また上記の感熱記録画像形成装
置において、図中509,510のサーマルヘッドを同
一のサーマルヘッドにすることも可能であり、図中50
9の画像消去用サーマルヘッドからホットスタンプ、ヒ
ートローラー、ヒートブロック等の接触押圧型消去装置
か、あるいは温風や赤外線を用いた非接触型消去装置に
変更することも可能である。また更に本装置では図中9
に画像消去用サーマルヘッド、図中510に画像形成用
サーマルヘッドを設けることが定義されているが、この
逆の装置であっても何らさしつかえはない。
像形成、消去を行うための画像形成手段と画像消去手段
が同一のサーマルヘッドであり、そのサーマルヘッドの
後ろに加圧手段としてガイドロールを用いた例を図11
に示す。図11において、図中501−1の画像形成さ
れている可逆性感熱記録媒体は、図中511のプラテン
ロールによって右方向に送り出され、その時に図中51
4の画像形成−消去用サーマルヘッドにて、旧画像が消
去されて新しく画像形成が行われる。次に、図中501
−3の新しく画像が形成された可逆性記録媒体は、図中
511のプラテンロールによって更に右方向に送り出さ
れて、図中512,512のガイドロール間を通過して
右方向へ移動する。以上の様に、このような感熱記録画
像形成装置においても画像表示を実施できることは明ら
かである。なお、画像形成及び消去は非接触で行なうこ
ともできる。また、画像形成と消去との間に、画像形
成温度以上に非接触で加熱したり、画像形成温度以上
に圧力を加えながら加熱する、等の手段を採用すること
もできる。
録層が全体として架橋構造を呈しているため、記録層は
有機低分子物質粒子を含めて歪みを生じることがなく、
常に良好な記録の消去が行なえる。また、本発明のの
可逆性感熱記録媒体においても、結着樹脂を架橋させる
ことによって、発色させた際の色ズレその他不都合は生
じなくなる。
説明する。ここでの部及び%はいずれも重量基準であ
る。
ステルフィルム上にA1を約400Å厚となるように真
空蒸着して光反射層を設けた。この上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 5部 (電気化学工業社製 デンカビニール#1000P) THF 95部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約0.5μm厚の
接着層を設けた。さらにその上に ベヘン酸(日本油脂製 NAA−22S) 5部 エイコサン2酸(岡村製油社製 SL−20−99) 5部 トリメチロールプロパントリアクリレート 1.25部 (大阪有機化学社製 TMP3A) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 25部 (鐘淵化学工業社製 No.20−1497 塩化ビニル80%, 酢酸ビニル20%,平均重合度=500) THF 150部 トルエン 15部 よりなる溶液を塗布し、130℃で3分間加熱乾燥して
約15μm厚の感熱層(可逆性感熱記録層)を設けた。
次に上記のように作成した感熱層に以下のとおりにし
て、電子線照射を行なった。電子線照射装置として日新
ハイボルテージ社製エリアビーム型電子線照射装置EB
C−200−AA2を用い、照射線量が15Mradに
なるように調整して、電子線照射を行なった。このよう
にして感熱層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成し
た。次に、このようにして形成した感熱層の上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 10部 IPA 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
adとなるように2回に分けて照射を行なうことに調整
・変更した以外は実施例1と同様にして感熱層及び保護
層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
プロパントリアクリレート)をなくし、電子線照射の総
照射線量が60Mradとなるように4回に分けて照射
を行なうことに調整・変更した以外は実施例1と同様に
して感熱層及び保護層の形成された可逆性感熱記録媒体
を作成した。
共重合体を鐘淵化学工業社製No.20−1796(塩
化ビニル80%,酢酸ビニル20%,平均重合度=30
00)に変更し、照射線量を15Mradとなるように
調整・変更した以外は実施例1と同様にして記録層及び
保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
うに2回に分けて照射を行なうことに調整・変更した以
外は実施例1と同様にして感熱層及び保護層の形成され
た可逆性感熱記録媒体を作成した。
m厚のAl蒸着済ポリエステルフィルム(東レ社製メタ
ルミー100TS)を用い、該フィルム面上に ベヘン酸 8部 (SIGMA CHEMICAL CO.B−7644) ステアリン酸 2部 (SIGMA CHEMICAL CO.S−4751) トリメチロールプロパントリアクリレート 2部 (大阪有機化学社製 TMP3A) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 37部 (鐘淵化学工業社製 No.20−1510 塩化ビニル70%, 酢酸ビニル30%,平均重合度=500) THF 130部 トルエン 90部 よりなる溶液を塗布し、90℃で5分間加熱乾燥して約
10μm厚の感熱層(可逆性感熱記録層)を設けた。次
に上記のように作成した感熱層に以下のとおりにして、
電子線照射を行なった。電子線照射装置として日新ハイ
ボルテージ社製エリアビーム型電子線照射装置EBC−
200−AA2を用い、照射線量が15Mradになる
ように調整して、電子線照射を行なった。このようにし
て感熱層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
次に、このようにして形成した感熱層の上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 10部 IPA 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
adとなるように2回に分けて照射を行なうことに調整
・変更した以外は実施例6と同様にして感熱層及び保護
層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
プロパントリアクリレート)をなくし、電子線照射の総
照射線量が60Mradとなるように4回に分けて照射
を行なうことに調整・変更した以外は実施例6と同様に
して記録層及び保護層の形成された可逆性感熱記録媒体
を作成した。
ビニル共重合体を鐘淵化学工業社製No.20−150
7(塩化ビニル70%,酢酸ビニル30%,平均重合度
=3000)に変更し、照射線量を15Mradとなる
ように調整・変更した以外は実施例6と同様にして感熱
層及び保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成し
た。
うに2回に分けて照射を行なうことに調整・変更した以
外は実施例6と同様にして感熱層及び保護層の形成され
た可逆性感熱記録媒体を作成した。
トリアクリレートをDPCA−30(日本化薬社製DP
CA−30)に変更し、添加量を6.2部に変更し、電
子線照射の総照射線量が20Mradとなるように2回
に分けて照射を行なうことにした以外は実施例6と同様
にして感熱層及び保護層の形成された可逆性感熱記録媒
体を作成した。
トリアクリレートをDPHA(日本化薬社製DPHA)
に変更し、添加量を3.7部に変更し、電子線照射の総
照射線量が20Mradとなるように2回に分けて照射
を行なうことにした以外は実施例6と同様にして感熱層
及び保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成し
た。
トリアクリレートをDPCA−30(日本化薬社製DP
CA−30)に変更し、添加量を12.4部に変更し、
実施例6と同様にして感熱層を設けた。次にこのように
して作成した感熱層に電子線照射は行なわずに以下のと
おりにして紫外線照射を行なった。紫外線照射装置とし
て日本電池社製ハイキュア250小型コンベヤタイプU
V照射装置を用い、光源には水銀ランプを用いランプ出
力3KW(120W/cm)で搬送スピードを10m/
分にし、9回の紫外線照射を行なった。この以外は実施
例6と同様にして感熱層及び保護層の形成された可逆性
感熱記録媒体を作成した。
サントン(日本化薬社製DETX−S)を0.6部及び
P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル(日本
化薬社製DMBI)を0.6部それぞれ添加した以外は
実施例13と同様にして、感熱層及び保護層の形成され
た可逆性感熱記録媒体を作成した。
た以外は実施例10と同様にして、感熱層及び保護層の
形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
は実施例10と同様にして、感熱層及び保護層の形成さ
れた可逆性感熱記録媒体を作成した。
プロパントリアクリレート)をなくし、電子線照射を行
なわなかった以外は実施例1と同様にして、感熱層及び
保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
と同様にして、感熱層及び保護層の形成された可逆性感
熱記録媒体(感熱層は架橋されていない)を作成した。
プロパントリアクリレート)をなくし、電子線照射を行
なわなかった以外は実施例6と同様にして、感熱層及び
保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
と同様にして、感熱層及び保護層の形成された可逆性感
熱記録媒体を作成した。
プロパントリアクリレート)をなくし、電子線照射を行
なわなかった以外は実施例9と同様にして、感熱層及び
保護層の形成された可逆性感熱記録媒体を作成した。
と同様にして、感熱層及び保護層の形成された可逆性感
熱記録媒体を作成した。
熱硬化させて、硬化膜厚約10μmの感熱層(可逆性感
熱記録層)を設けた以外は実施例6と同様にして、可逆
性感熱記録媒体を作成した。なおこの感熱層は熱硬化で
あるため、電子線照射及び紫外線照射は行なわなかっ
た。
の各可逆性感熱記録媒体について、以下に示す各性能を
測定し、その結果を表3〜7に示す。
−1)前記のようにして得られた感熱層形成済の可逆性
感熱記録媒体を用いて感熱層形成面に前記した図1の熱
圧力印加装置により、印加圧力2.5Kg/cm2、印
加時間10秒、印加温度130℃の条件で熱圧力印加を
行ない、前記した二次元粗さ解析装置サーフコーダAY
−41、記録計RA−60E、及びサーフコーダSE3
0Kを用い、熱圧力段差平均値(Dm)を読みとり、初
期圧力段差量(DI)を求めた。次に上記測定に用いた
サンプルと同時に作製した可逆性感熱記録媒体を50℃
の恒温槽に24時間放置した後室温まで冷却して、上記
と同様な測定方法にて、経時熱圧力段差量(DD)を求
めた。次に上記により求めた初期熱圧力段差量(DI)
と経時熱圧力段差量(DD)により熱圧力段差変化率
(DC)を算出した。結果を表3に示す。また上記試験
によって得られた初期熱圧力段差量測定での記録計RA
−60Eによって出力された表面粗さ曲線を実施例7及
び比較例3の記録媒体について図12に挙げる。
次に、各可逆性感熱記録媒体を用いて感熱層を支持体よ
り剥離して初期ゲル分率値(GI)を求めた。次に上記
測定に用いたサンフルと同時に作成したサンプルを50
℃の恒温槽に放置した後室温まで冷却して、上記と同様
な測定方法にて経時ゲル分率値(GD)を求めた。なお
この測定には溶剤としてTHF(テトラヒドロフラン)
を用いた。次に上記により求めた初期ゲル分率値(G
I)と経時ゲル分率値(GD)によりゲル分率変化率(G
C)を算出した。結果を表3に示す。
いて次の様に画像形成・消去の繰り返し耐久性試験を行
なった。画像形成装置として、八城電気社製サーマルヘ
ッド印字試験装置を用いて、サーマルヘッドにはリコー
社製8ドット/mmサーマルヘッドを用い、パルス巾2
msec、印加電圧20.0Vの条件で白濁画像形成を
行ない、また画像消去はホットスタンプを用い画像消去
条件は実施例1〜5、比較例1,2は消去温度100
℃、その他は消去温度70℃にして、印加圧力1kg/
cm2、印加時間1.0secに設定して画像消去を行
なった。可逆性感熱記録媒体の白濁画像形成、消去を1
回ずつ行なうことを1サイクルと考えて、合計100サ
イクルになるまで同じ条件で繰り返し耐久性試験を行な
った。また繰り返し耐久性試験での白濁画像濃度につい
て、1サイクル目と100サイクル目の白濁濃度をマク
ベス反射濃度計(RD−914)で測定した。測定結果
をまとめて表4に示す。
例1〜5、比較例1,2の可逆性感熱記録媒体を用いて
次に示す高エネルギー印加試験を行なった。画像形成装
置として耐久性試験で用いた装置と同様のものを用い、
画像形成装置のサーマルヘッドの印加エネルギーを0.
4mj/dotの適正エネルギーと3.2mj/dot
の高エネルギーの2条件に設定して、それぞれの条件に
て印字を行なった。これらの条件での印字後、画像白濁
濃度をマクベス反射濃度計(RD−914)で測定し
た。結果をまとめて表5に示す。
別に、次のようにして各可逆性感熱記録媒体の透明化温
度範囲、巾を測定した。まず前記のようにして得られた
記録媒体はいずれも透明状態であった。これらの記録材
料を120℃の恒温槽で1分間加熱した後、室温まで冷
却して、白色不透明状態にした。次にこれらの記録材料
を50℃から1℃きざみに実施例1〜5、比較例1,2
は120℃までその他は80℃まで1分間加熱後、室温
まで冷却し、これをマクベス反射濃度計(RD−91
4)で反射濃度測定を行なった。この際、反射濃度が
0.8を越えた時の温度を透明化温度とし、その範囲と
巾を示した。結果を表6に示す。また上記測定に用いた
サンプルと同時に作成したサンプルを50℃の恒温槽に
24時間放置した後、室温まで冷却して上記と同様な方
法にて、経時での透明化温度範囲、巾を測定した。結果
を表6に示す。また実施例7、及び比較例7について、
上記測定により得られた、透明化温度範囲及び巾につい
ての初期及び経時(50℃、24時間後)のグラフを図
13、14に挙げる。
−2)また次に、実施例7及び比較例3について、下記
の試験を行なった。前記のようにして得られた実施例7
及び比較例3の保護層形成済の可逆性感熱記録媒体を用
いて、前記した図5の方法により、保護層を削り取り可
逆性感熱層表面を露出させて、感熱層表面に前記した測
定−1と同条件で熱圧力印加して、熱圧力段差量を測定
し、初期熱圧力段差量(DI'')、経時熱圧力段差量
(DD'')及び熱圧力段差変化率(DC'')を求めた。結
果をまとめて表7に示す。また上記試験によって得られ
た初期熱圧力段差量測定での記録計RA−60Eによっ
て出力された表面粗さ曲線を図12に挙げる。
熱圧力段差量が40%以下であり、かつ熱圧力段差変化
率が70%以下であり、しかも該感熱層が樹脂を含有
し、該樹脂のガラス転移温度が100℃未満であり、該
樹脂が架橋されているので、サーマルヘッド等での画像
形成及び消去を繰り返しても白濁画像劣化が少なく、繰
り返し耐久性が向上し、更に熱破壊方式感熱記録媒体用
プリンター等で高エネルギー印字された場合においても
適正エネルギー印字での画像濃度と比べて濃度差が少な
く、またサーマルヘッド等での繰り返し耐久性後の感熱
層表面の印字跡、クラックが少なく、高コントラストを
維持することができ、また更に経時での透明化温度範囲
及び巾を安定させることが可能である。また、これらの
記録媒体の感熱層の樹脂を架橋させ、ゲル分率変化率を
110%以下にし、しかも該樹脂のガラス転移温度が1
00℃未満のものとすることによっても、上記効果を発
揮することができる。この際に更にゲル分率値を30%
以上にすることにより、前記した効果を更に向上させる
ことができる。
ー式卓上TCフィルム消去装置テスト機(ユニークマシ
ナーリ株式会社製) (a)は、該装置の正面概略図 (b)は、該装置の側面概略図 (c)は、該装置の温度調節部概略図
プル支持台
れた部分の拡大図
示における発熱体による可逆性感熱記録媒体の影響を表
わした図。
表わした図。
を表わした図。
の種々の具体例を表わした図。
ーマルヘッドを用いた可逆性感熱記録媒体への画像の形
成−消去を行なった例。
けた加圧手段とマてのガイドロールを用いた可逆性感熱
記録媒体への画像の形成−消去を行なった例。
粗さ曲線。(a)及び(b)は、実施例7の可逆性感熱
記録媒体について測定した場合のグラフ。(c)及び
(d)は、比較例3の可逆性感熱記録媒体について測定
した場合のグラフ。
化温度範囲、巾を測定したグラフ。
化温度範囲、巾を測定したグラフ。
体 402 ホットスタンプ 403 スタンプ台 404 ヒートローラ 405 アイドルローラー 406 ドライヤー 407 送りローラー 408 ヒートブロック 509 画像消去用ヘッド 510 画像形成用ヘッド 511 プラテンロール 512 ガイドロール 513 ストッパー 514 画像形成−消去用ヘッド
Claims (17)
- 【請求項1】 支持体上に、温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱記録
媒体において、該感熱層の熱圧力段差量が40%以下で
あり、かつ熱圧力段差変化率が70%以下であり、しか
も該感熱層が樹脂を含有し、該樹脂のガラス転移温度が
100℃未満であり、該樹脂が架橋されていることを特
徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項2】 支持体上に、温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱記録
媒体において、該感熱層が樹脂を含有し、該樹脂が架橋
され、かつゲル分率変化率が110%以下であり、しか
も該樹脂のガラス転移温度が100℃未満であることを
特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項3】 前記樹脂のゲル分率値が30%以上であ
ることを特徴とする請求項2記載の可逆性感熱記録媒
体。 - 【請求項4】 前記樹脂が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リメタクリレート、ポリアミド、ポリビニルピロリド
ン、天然ゴム、ポリアクロレイン、ポリカーボネート、
或いはこれらの共重合体から選ばれた少なくとも一種で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項5】 前記樹脂が、架橋剤を用いて架橋された
ものである請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性感熱
記録媒体。 - 【請求項6】 前記樹脂が、電子線照射又は紫外線照射
により架橋されたものである請求項1〜5のいずれかに
記載の可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項7】 前記感熱層上に、保護層を設けたことを
特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可逆性感熱
記録媒体。 - 【請求項8】 支持体上に、温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化し、樹脂を含む感熱層を形成する可
逆性感熱記録媒体の製造方法において、電子線又は紫外
線を複数回照射して、該樹脂を架橋することを特徴とす
る請求項6記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】 支持体上に、熱により透明度又は色調が
可逆的に変化し、樹脂と有機低分子物質を含む感熱層が
形成されてなる可逆性感熱記録媒体の製造方法におい
て、該有機低分子物質の少なくとも一部を溶融する温度
以上で加熱した後、上記樹脂を架橋することを特徴とす
る請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体の製造方
法。 - 【請求項10】 前記可逆性感熱記録媒体に、更に磁気
記録部を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
かに記載の可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項11】 請求項1〜7、10のいずれかに記載
の可逆性感熱記録媒体に、更に接着剤層又は粘着剤層を
設けたことを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。 - 【請求項12】 請求項11記載の可逆性感熱記録ラベ
ルに被貼着体を貼り合わせたことを特徴とする可逆性感
熱記録媒体。 - 【請求項13】 請求項11記載の可逆性感熱記録ラベ
ルを塩ビカード、ICカード、又はIDカードに貼り合
わせたことを特徴とするカード。 - 【請求項14】 支持体上に温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化する感熱層を設け、該感熱層の熱圧
力段差量が40%以下であり、かつ熱圧力段差変化率が
70%以下であり、しかも該感熱層が樹脂を含有し、該
樹脂のガラス転移温度が100℃未満であり、該樹脂が
架橋されていることを特徴とする可逆性感熱記録材料
を、加熱により画像形成及び/又は画像消去することを
特徴とする画像形成・消去方法。 - 【請求項15】 支持体上に温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化する感熱層を設け、該感熱層が樹脂
を含有し、該樹脂が架橋され、かつゲル分率変化率が1
10%以下であり、しかも該樹脂のガラス転移温度が1
00℃未満であることを特徴とする可逆性感熱記録材料
を、加熱により画像形成及び/又は画像消去することを
特徴とする画像形成・消去方法。 - 【請求項16】 前記加熱をサーマルヘッドで行うこと
を特徴とする請求項14又は15記載の画像形成・消去
方法。 - 【請求項17】 前記画像消去をサーマルヘッド、ホッ
トスタンプ、ヒートローラ、ヒートブロックの少なくと
も1種を用いて行うことを特徴とする請求項14又は1
5記載の画像形成・消去方法。
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