JPH07253604A - 振動検出装置 - Google Patents

振動検出装置

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JPH07253604A
JPH07253604A JP4365594A JP4365594A JPH07253604A JP H07253604 A JPH07253604 A JP H07253604A JP 4365594 A JP4365594 A JP 4365594A JP 4365594 A JP4365594 A JP 4365594A JP H07253604 A JPH07253604 A JP H07253604A
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順一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、正確で高速高安定にするために、
振動センサと基準電圧による差動増幅後の信号で基準電
圧を制御し、ドリフトが発生しても出力の飽和を避ける
ことを特徴とする。 【構成】振動検出センサ部11で振動が検出されると、
この振動検出センサ部11の出力と、基準電圧出力部1
4から出力された基準電圧とが、差動増幅部12に供給
されて差動増幅される。基準電圧制御部13は、この差
動増幅部12の出力に応じて、上記基準電圧出力部14
による基準電圧を所定値毎に上昇或いは下降させる。そ
して、振動信号補正部15に於いて、電圧制御部13の
基準電圧の変更に応じて上記差動増幅部12のからの差
動増幅出力が補正されて、振動信号が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】撮影装置等の振動を検出する振動
検出装置、及びそれを利用したカメラ等の撮影装置の手
ぶれ防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より振動検出装置として、加速度セ
ンサ、角速度センサやレート・ジャイロが利用されてい
る。そして、機器の小型化のために、これらの振動検出
装置も小型化が進んでいる。しかし、検出部を小型化す
ることにより、使用環境の温度変化や、素子自体の使用
による温度上昇等により、出力信号にドリフトやオフセ
ット成分が加わり、その出力の精度が低下している。特
に小型化されるものに検出部を圧電素子で構成した装置
が提案されているが、温度変化による形状の変化に加え
静電容量の変化によって大きなドリフトが発生してい
る。
【0003】図18は、振動検出センサである振動ジャ
イロ型角速度センサの起動時の信号の変化について示し
たもので、横軸に時間、縦軸に振動ジャイロ型角速度セ
ンサの出力を表している。センサが静止時は、電源投入
から数10msec間(図中では代表的に50msec
と例を示す)は起動時の極めて不安定な信号特性を示
す。これはセンサの出力が、振動がない場合の出力レベ
ル(いわゆるヌル電圧)近傍まで大きく変化する期間で
ある。
【0004】その後、数100msec(図中では代表
的に300msecと示す)の初期不安定期をむかえ
る。この初期不安定期間は、おおよそ定まっているヌル
電圧近傍からに緩やかにヌル電圧出力に達し、その後安
定期に入り、センサ出力の目だった変化は無くなる。
【0005】更に、長時間経過する場合の信号の変化を
図19に示す。センサは安定期にあるにも関わらず、ヌ
ル電圧が変化する。これは、環境の温度等の変化により
センサの出力がドリフトを発生するためである。
【0006】この主に温度変化によると考えられる振動
センサのドリフトによるヌル電圧の変化は、数分周期程
度の極めて緩い変化であるが、振動信号の誤差となる。
このドリフトの成分をそのままに振動信号を得ようとす
ると、ドリフトによる信号の誤差が加わるばかりでな
く、必要な信号サイズに増幅する場合、ドリフト成分を
も増幅してしまう。そのため、増幅により信号が飽和し
てしまい、その後の処理によっても振動信号を得ること
ができなくなってしまう。
【0007】このドリフト成分を除去するための技術と
して、特開昭60−143330号公報に、振動ジャイ
ロによる角速度センサの低周波成分を除去するためにハ
イパスフィルタを用いる例が記載されている。ハイパス
フィルタを用いた場合、フィルタで除去する周波数の上
限を決める、いわゆるカットオフ周波数とフィルタの時
定数とは反比例の関係にある。センサやフィルタの起動
時には、信号が安定化するまでに、その時定数分の時
間、つまり切り落とせる上限の周波数fの2π/f秒の
時間が必要になる。特に、起動時には、ノイズやセンサ
の不安定さも加わり、誤差分を除去するのに時間が多く
かかる。
【0008】図20は、従来の典型的な振動ジャイロ型
角速度センサによる振動検出のブロック図の一例であ
る。同図に於いて、振動ジャイロ型角速度センサ1の出
力は、ハイパスフィルタ(HPF)2によりドリフト成
分が除去されて、増幅器3により必要な信号サイズまで
増幅される。そして、増幅器3のオフセット出力をキャ
ンセルするため、また振動が無い場合の出力を所定電圧
になるように電圧調整器4で調節され、振動信号として
出力・使用される。
【0009】撮影装置の手ぶれ防止のためにこの撮影装
置の振動を測定する場合、手ぶれによる振動の周波数
は、高周波側でも15Hz程度であり、反比例的に低周
波数の振動の振幅は大きなものである。手ぶれ信号を減
衰させずに、センサのドリフトを除去するためには、大
きな時定数のハイパスフィルタ(HPF)が必要であ
る。
【0010】特に、スチルカメラで用いる場合には、ビ
デオの場合のように撮影者の目により緩い周波数の振動
が補正されることはなく、1駒のフィルム上に全てのぶ
れが写し込まれてしまう。そのため、より低い周波数の
ぶれを検出する必要があり、数10秒の時定数のHPF
が必要となる。
【0011】図21は、図20の装置による構成の振動
信号の起動からの推移を示したものである。図示される
ように、センサの出力の起動前と起動後の値が大きく異
なり、HPFの入力が初期に大きく変化するため、HP
F出力の収束までに時定数相当の長い時間が必要とな
る。
【0012】また、特開昭63−50729号公報で
は、このフィルタの起動時の不安定さが無くなるまでの
時間を短縮するために、加速度センサを積分する際に、
時定数の異なるHPF付の積分器を複数用意し、切り換
えて使用するように工夫している。
【0013】しかしながら、この特開昭63−5072
9号公報に開示された方法でも、図22に示されるよう
に、センサの出力の起動前と起動後の値が大きく異な
り、HPFの入力が初期に大きく変化するため、HPF
出力の収束の改善の効果は有っても、収束までに長い時
間が必要となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、振動セン
サのドリフトの問題は、振動検出装置の出力の安定まで
の時間が絡んでくる。ここで問題になるのは、(1)セ
ンサのドリフト、(2)センサのドリフトをHPFで除
去する際の安定化までの時間である。
【0015】更に、上記の上述した特開昭60−143
330号公報、特開昭63−50729号公報のよう
に、HPFを用いてドリフトを除去させる場合、HPF
の入力可能な電圧範囲に、振動信号(角速度信号、加速
度信号)+ドリフト成分が入っていなければならない。
例えば、振動ジャイロ型の角速度センサの場合、撮影装
置として検出したい角速度の数十倍の温度ドリフトを考
慮しなければならず、HPF処理後に増幅する必要があ
る。この増幅器にも、オフセットやセンサに較べれば小
さい温度ドリフト成分の付加の特性があり、これらのオ
フセットやドリフトを無くすためのHPFや調節器等の
必要が生じ、回路構成が複雑化してしまうという課題を
有していた。
【0016】また、このように振動の有効成分に対して
除去したいドリフト成分が大きいためにHPF処理信号
が安定化していると判断できるまでの時間も、長く必要
であった。
【0017】異なるHPFを複数用意する場合には、無
論回路構成は複雑化する。よりきめを細かく滑らかな形
で処理するには、より多くのHPFを用意する必要があ
り、性能の向上のためには非常に大きな回路規模が必要
である。
【0018】更に、上記の例ではアナログ的にHPFの
処理を行うために、検出された振動信号をCPUやDS
Pを用いてデジタル的に処理する際に調節が必要とな
る。これは、例えばA/Dコンバータを用いてそれらの
処理装置に入力する際に、基準電圧、例えば振動が無い
場合の振動検出手段の出力電圧(ヌル電圧)の調節であ
る。これを調節しなければ正確な処理を行うことはでき
ない。
【0019】そして、この調節は、例えば、製作時にト
リマ抵抗等を用いて調節されるもので、この調節の誤差
はそのまま振動信号の誤差になる。例えば、撮影装置の
手ぶれを低減するためのぶれ補正装置の振動検出の場合
では、振動が無くてもぶれ補正装置が画像を移動させて
しまい、誤動作に繋がる。
【0020】また、使用者が使っている間に経時的にヌ
ル電圧がずれた場合(例えば増幅回路のドリフトやオフ
セットの発生による)、調節は不可能になり、正確な振
動の処理を行うことができなくなる。このような誤差
は、アナログ的な処理でも同様に発生する可能性があ
る。
【0021】センサの出力を直接的にソフトウエア的な
HPFに入力したドリフトを除去する構成にする場合で
は、振動による信号をドリフトによる信号を含めてデジ
タル化する必要があり、A/Dコンバータの分解能は振
動信号のみの場合に較べて必要以上に細かくなり、回路
が複雑化すると共にA/Dコンバータの精度にも問題が
生じてくる。
【0022】更に、センサの出力をアナログHPF、増
幅と処理した後、デジタル化してCPUで再度ソフトH
PFでずれを調節することも可能である。しかしなが
ら、アナログHPFの立上がり特性は改善されない。
【0023】この発明は、上述した(1)センサのドリ
フトの発生で処理回路の処理可能電圧範囲を越える、
(2)センサのドリフトをHPFで除去する際の安定化
までの時間が長い、(3)時定数制御のためのHPFの
回路構成が複雑になる、(4)デジタル処理のためのヌ
ル電圧の調節が必要である、(5)増幅回路のオフセッ
ト、ドリフト成分の発生という課題を解決して、正確で
高速高安定の振動検出装置を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、振
動を検出する振動検出センサ手段と、基準電圧を出力す
る基準電圧出力手段と、上記振動検出センサ手段の出力
と上記基準電圧出力手段からの基準電圧とを差動増幅す
る差動増幅手段と、この差動増幅手段の出力に応じて上
記基準電圧出力手段による基準電圧を変更する基準電圧
制御手段と、上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧
制御手段による上記基準電圧の変更に応じて補正する振
動信号補正手段とを具備したことを特徴とする。
【0025】またこの発明は、振動を検出する振動検出
センサ手段と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段
と、上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力
手段からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、
この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、上記差
動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段による上記
基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手段と、
この振動信号補正手段からの差動信号出力初期値と出力
タイミングとを指示する振動信号出力指示手段とを具備
したことを特徴とする。
【0026】更にこの発明は、振動を検出する振動検出
センサ手段と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段
と、上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力
手段からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、
この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、上記差
動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段による上記
基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手段と、
この振動信号補正手段の出力を基に、ハイパスフィルタ
演算処理により緩やかなドリフトによる信号の変化を除
去するハイパスフィルタ演算手段とを具備したことを特
徴とする。
【0027】この発明は、振動を検出する振動検出セン
サ手段と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、上
記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段か
らの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、この差
動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段による
基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、上記差動増幅
手段の出力を、上記基準電圧制御手段による上記基準電
圧の変更に応じて補正する振動信号補正手段と、この振
動信号補正手段の出力を基にハイパスフィルタ演算処理
するハイパスフィルタ演算手段と、このハイパスフィル
タ演算手段若しくは上記振動信号補正手段からの差動信
号出力の出力初期値と出力タイミングとを指示する振動
信号出力指示手段とを具備したことを特徴とする。
【0028】またこの発明は、振動を検出する振動検出
センサ手段と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段
と、上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力
手段からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、
この差動増幅手段の出力をデジタル信号化するA/Dコ
ンバータ手段と、上記差動増幅手段若しくは上記A/D
コンバータの少なくとも一方の出力に応じて上記基準電
圧出力手段による基準電圧を変更する基準電圧制御手段
と、上記A/Dコンバータ手段の出力を、上記基準電圧
制御手段による上記基準電圧の変更に応じて補正する振
動信号補正手段と、この振動信号補正手段の出力を基に
ハイパスフィルタ演算処理するハイパスフィルタ演算手
段と、このハイパスフィルタ演算手段若しくは上記振動
信号補正手段からの差動信号出力の出力初期値と出力タ
イミングとを指示する振動信号出力指示手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0029】
【作用】この発明の振動検出装置にあっては、振動検出
センサ手段によって振動が検出され、基準電圧出力手段
によって基準電圧が出力される。そして、上記振動検出
センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基準電
圧とが、差動増幅手段にて差動増幅される。この差動増
幅手段の出力に応じて、上記基準電圧出力手段による基
準電圧が基準電圧制御手段で変更される。上記差動増幅
手段の出力は、上記基準電圧制御手段による上記基準電
圧の変更に応じて、振動信号補正手段により補正され
る。
【0030】また、この発明にあっては、振動検出セン
サ手段によって振動が検出され、基準電圧出力手段によ
って基準電圧が出力される。そして、上記振動検出セン
サ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基準電圧と
が、差動増幅手段にて差動増幅される。この差動増幅手
段の出力に応じて、上記基準電圧出力手段による基準電
圧が基準電圧制御手段で変更される。上記差動増幅手段
の出力は、上記基準電圧制御手段による上記基準電圧の
変更に応じて振動信号補正手段で補正され、更にこの振
動信号補正手段からの差動信号出力初期値と出力タイミ
ングとが振動信号出力指示手段により指示される。
【0031】更にこの発明では、振動検出センサ手段に
よって振動が検出され、基準電圧出力手段によって基準
電圧が出力される。そして、上記振動検出センサ手段の
出力と上記基準電圧出力手段からの基準電圧とが、差動
増幅手段にて差動増幅される。この差動増幅手段の出力
に応じて、上記基準電圧出力手段による基準電圧が基準
電圧制御手段で変更される。上記差動増幅手段の出力
は、上記基準電圧制御手段による上記基準電圧の変更に
応じて振動信号補正手段で補正される。この振動信号補
正手段の出力を基に、ハイパスフィルタ演算手段にて、
ハイパスフィルタ演算処理により緩やかなドリフトによ
る信号の変化が除去される。
【0032】また、この発明の振動検出装置では、振動
検出センサ手段により振動が検出され、基準電圧出力手
段により基準電圧が出力される。そして、上記振動検出
センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基準電
圧とが、差動増幅手段で差動増幅される。この差動増幅
手段の出力に応じて、上記基準電圧出力手段による基準
電圧が基準電圧制御手段にて変更される。上記差動増幅
手段の出力は、上記基準電圧制御手段による上記基準電
圧の変更に応じて、振動信号補正手段によって補正され
る。この振動信号補正手段の出力を基に、ハイパスフィ
ルタ演算手段でハイパスフィルタ演算処理がなされる。
そして、このハイパスフィルタ演算手段若しくは上記振
動信号補正手段からの差動信号出力の出力初期値と出力
タイミングとが、振動信号出力指示手段によって指示さ
れる。
【0033】更にこの発明にあっては、振動検出センサ
手段により振動が検出され、基準電圧出力手段により基
準電圧が出力される。そして、上記振動検出センサ手段
の出力と上記基準電圧出力手段からの基準電圧とが、差
動増幅手段で差動増幅される。この差動増幅手段の出力
は、A/Dコンバータ手段にてデジタル信号化され、上
記差動増幅手段若しくは上記A/Dコンバータの少なく
とも一方の出力に応じて、上記基準電圧出力手段による
基準電圧が基準電圧制御手段により変更される。上記A
/Dコンバータ手段の出力は、上記基準電圧制御手段に
よる上記基準電圧の変更に応じて振動信号補正手段で補
正され、この振動信号補正手段の出力を基にハイパスフ
ィルタ演算手段にてハイパスフィルタ演算処理される。
そして、このハイパスフィルタ演算手段若しくは上記振
動信号補正手段からの差動信号出力の出力初期値と出力
タイミングとが、振動信号出力指示手段より指示され
る。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。図1は、この発明の第1の実施例として第1の
基本的構成を示したブロック図である。
【0035】図1に示されるように、この発明による振
動検出装置の第1の基本的構成は、振動検出センサ部1
1の出力は差動増幅部12に供給される。この差動増幅
部12の出力は、基準電圧制御部13を介してその出力
を差動増幅部12に供給する基準電圧出力部14に供給
される。振動信号補正部15では、上記基準電圧制御部
13及び差動増幅部12の出力を得て、振動信号が出力
される。
【0036】このような構成に於いて、振動検出センサ
部11で振動が検出されると、この振動検出センサ部1
1の出力と、基準電圧出力部14から出力された基準電
圧とが、差動増幅部12にて差動増幅される。この差動
増幅部12の出力に応じて、基準電圧制御部13が上記
基準電圧出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或
いは下降させる。そして、振動信号補正部15に於い
て、電圧制御部13の基準電圧の変更に応じて、上記差
動増幅部12の出力が補正されて振動信号が得られる。
【0037】この第1の基本構成は、振動検出のための
センサにドリフトが発生しても、増幅後の出力が飽和し
ないようにし、その後の処理で振動成分を抽出可能にし
た振動センサの出力の増幅器である。
【0038】図2は、この発明の第2の実施例として第
2の基本的構成を示したブロック図である。図2に示さ
れるように、この発明による振動検出装置の第2の基本
的構成は、振動検出センサ部11と、基準電圧出力部1
4と、上記振動検出センサ部11及び基準電圧出力部1
4の出力を差動増幅する差動増幅部12と、この差動増
幅部12の出力に応じて上記基準電圧出力部14による
基準電圧を所定値毎に上昇或いは下降させる基準電圧制
御部13と、この基準電圧制御部13の基準電圧の変更
に応じた上記差動増幅部12の出力を補正する振動信号
補正部15を有している。そして、更に、振動信号補正
部15による振動信号出力の出力初期値と出力タイミン
グとを指示する振動信号出力指示部16を有した構成と
なっている。
【0039】この第2の基本的構成による振動検出装置
では、振動検出センサ部11で振動が検出されると、こ
の振動検出センサ部11の出力と、基準電圧出力部14
から出力された基準電圧とが、差動増幅部12にて差動
増幅される。この差動増幅部12の出力に応じて、基準
電圧制御部13が上記基準電圧出力部14による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる。そして、振動信
号補正部15に於いて、電圧制御部13の基準電圧の変
更に応じて、上記差動増幅部12の出力が補正されて振
動信号が得られる。更に、振動信号補正部15による振
動信号出力の出力初期値と出力タイミングとが、振動信
号出力指示部16から指示されるようになっている。
【0040】この第2の基本構成は、振動検出のための
センサにドリフトが発生しても増幅後の出力が飽和しな
いようにし、また、出力についての初期値を設定するこ
とを可能にする振動検出センサの出力の増幅器である。
【0041】図3は、この発明の第3の実施例として第
3の基本的構成を示したブロック図である。図3に示さ
れるように、この発明による振動検出装置の第3の基本
的構成は、振動検出センサ部11と、基準電圧出力部1
4と、上記振動検出センサ部11及び基準電圧出力部1
4の出力を差動増幅する差動増幅部12と、この差動増
幅部12の出力に応じて上記基準電圧出力部14による
基準電圧を制御する基準電圧制御部13と、上記差動増
幅部12の出力を補正する振動信号補正部15を有して
いる。そして、更に、この振動信号補正部15の出力を
基にHPF演算処理により緩やかなドリフトによる信号
の変化を除去するHPF演算部17を有した構成となっ
ている。
【0042】この第3の基本的構成による振動検出装置
では、振動検出センサ部11で振動が検出されると、こ
の振動検出センサ部11の出力と、基準電圧出力部14
から出力された基準電圧とが、差動増幅部12にて差動
増幅される。この差動増幅部12の出力に応じて、基準
電圧制御部13が上記基準電圧出力部14による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる。そして、振動信
号補正部15に於いて、電圧制御部13の基準電圧の変
更に応じて、上記差動増幅部12の出力が補正されて振
動信号が得られる。更に、上記振動信号補正部15の出
力を基に、HPF演算部17に於いて、HPF演算処理
により緩やかなドリフトによる信号の変化が除去され
て、振動信号が得られるようになっている。
【0043】この第3の基本構成では、振動検出のため
のセンサにドリフトが発生しても増幅後の出力が飽和し
ないようにし、その後のHPF処理で振動成分を抽出す
る振動センサの出力の増幅器である。
【0044】図4は、この発明の第4の実施例で第4の
基本的構成を示したブロック図である。図4に示される
ように、この発明による振動検出装置の第4の基本的構
成は、振動検出センサ部11と、基準電圧出力部14
と、上記振動検出センサ部11及び基準電圧出力部14
の出力を差動増幅する差動増幅部12と、この差動増幅
部12の出力に応じて上記基準電圧出力部14による基
準電圧を制御する基準電圧制御部13と、上記差動増幅
部12の出力を補正する振動信号補正部15を有してい
る。そして、この振動信号補正部15の出力を基にHP
F演算処理するHPF演算部17と、HPF演算部17
或いは振動信号補正部15による振動信号出力の出力初
期値と出力タイミングとを指示する振動信号指示部16
を有した構成となっている。
【0045】この第4の基本的構成による振動検出装置
では、振動検出センサ部11で振動が検出されると、こ
の振動検出センサ部11の出力と、基準電圧出力部14
から出力された基準電圧とが、差動増幅部12にて差動
増幅される。この差動増幅部12の出力に応じて、基準
電圧制御部13が上記基準電圧出力部14による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる。そして、振動信
号補正部15に於いて、電圧制御部13の基準電圧の変
更に応じて、上記差動増幅部12の出力が補正されて振
動信号が得られる。更に、上記振動信号補正部15の出
力を基に、HPF演算手段17にて、緩やかなドリフト
による信号の変化を除去するためのHPF演算処理がな
される。また、HPF演算部17或いは振動信号補正部
15による振動信号出力の出力初期値と出力タイミング
は、振動信号指示部16から指示される。
【0046】この振動検出装置の第4の基本構成は、振
動検出のためのセンサにドリフトが発生しても、増幅後
の出力が飽和しないようにし、その後のHPF処理で振
動成分を抽出する振動センサの出力の改良された増幅器
である。
【0047】図5は、この発明の第5の実施例で第5の
基本的構成を示したブロック図である。図5に示される
ように、この発明による振動検出装置の第5の基本的構
成は、振動検出センサ部11と、基準電圧出力部14
と、上記振動検出センサ部11及び基準電圧出力部14
の出力を差動増幅する差動増幅部12と、この差動増幅
部12の出力をテジタル信号化するA/Dコンバータ部
18と、上記差動増幅部12の出力と上記A/Dコンバ
ータ部18の少なくとも何れかの出力に応じて上記基準
電圧出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或いは
下降させる基準電圧制御部13と、上記基準電圧制御部
13の基準電圧の変更に応じて上記A/Dコンバータ部
18の出力した差動増幅部12の差動増幅値を補正する
振動信号補正部15と、この振動信号補正部15の出力
を基にHPF演算処理するHPF演算部17と、HPF
演算部17或いは振動信号補正部15による振動信号出
力の出力初期値と出力タイミングとを指示する振動信号
指示部16を有した構成となっている。
【0048】この第5の基本的構成による振動検出装置
では、振動検出センサ部11で振動が検出されると、こ
の振動検出センサ部11の出力と、基準電圧出力部14
から出力された基準電圧とが、差動増幅部12にて差動
増幅される。この差動増幅部12の出力は、A/Dコン
バータ部18でテジタル信号化され、基準電圧制御部1
3が上記差動増幅部12の出力と上記A/Dコンバータ
部18の少なくとも何れかの出力に応じて上記基準電圧
出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或いは下降
させる。そして、振動信号補正部15に於いて、上記基
準電圧制御部13の基準電圧の変更に応じて、上記A/
Dコンバータ部18の出力した差動増幅部12の差動増
幅値が補正される。更に、上記振動信号補正部15の出
力を基に、HPF演算手段17にて、緩やかなドリフト
による信号の変化を除去するためのHPF演算処理がな
される。また、HPF演算部17或いは振動信号補正部
15による振動信号出力の出力初期値と出力タイミング
は、振動信号指示部16から指示される。
【0049】この振動検出装置の第5の基本構成は、振
動検出のためのセンサにドリフトが発生しても、増幅後
の出力が飽和しないようにし、その後のデジタル的なH
PF処理で振動成分を抽出する振動センサの出力の改良
された増幅器である。
【0050】上記振動検出センサ部11は、振動を加速
度や速度や位置の次元で検出するもので構成されてい
る。例えば、図6(a)に示されるような加速度センサ
としては、マクロ的なおもり部を圧電素子と組合わせて
慣性力を圧電効果で検出するもの、電磁アクチュエータ
等でおもりを固定するためにサーボ制御し、消費される
電力から加速度を求めるもの、また半導体チップ上に形
成されたピエゾ抵抗素子とおもり部から成るもの、半導
体チップ上に形成されたおもり部を静電アクチュエータ
でサーボし、流れる電荷量を加速度とするもの等があ
る。これらを回転型のおもりにすることや2箇所で同一
の加速度を測って差を得ることで、角加速度センサとし
て用いるもので振動検出センサ部11を構成することが
できる。
【0051】振動を速度の次元として検出するために
は、上記の加速度の次元での振動センサに積分器を接続
して構成するものでもよい。また、振動検出センサ部
は、図6(b)に示されるような、回転型のジャイロの
空間固定力から角速度を求めるセンサで構成してもよ
い。
【0052】更に、図6(c)に示されるように、圧電
素子や磁歪素子で励起される超音波振動片の回転による
コリオリ力が与える振動の変化を圧電素子や磁歪素子で
検出することで超音波振動片に加えられた回転速度(角
速度)を検出する、いわゆる振動ジャイロ型角速度セン
サで構成することも可能である。特に、振動型ジャイロ
は、温度ドリフトが大きく本発明による効果は大きい。
【0053】位置の次元では、慣性やジャイロ効果によ
る空間固定されたおもり部の変位を、光学的、電気的、
或いは磁気的な方法により検出するセンサで構成され
る。また、上記基準電圧制御部13による指示によって
決められる基準電圧を、基準電圧出力部14が出力す
る。
【0054】上記基準電圧制御部13は、図7に示され
るように、差動増幅部12に接続されて該差動増幅部1
2の出力電圧が差動増幅基準所定値より高いか低いかを
判断する差動増幅基準所定値判断部13aと、この差動
増幅基準所定値判断部13aの判断結果に基いて基準電
圧出力部14にその出力電圧の変更を指示する基準電圧
変更指示部13bとから構成することもできる。
【0055】更に、上記基準電圧制御部13は、図8に
示されるように、上記差動増幅基準所定値判断部13a
及び基準電圧変更指示部13bを、それぞれ分割して2
系統設けて構成してもよい。すなわち、差動増幅基準所
定値判断部13aは、第1の差動増幅基準所定値を用い
て判断する第1差動増幅基準所定値判断部13a1 と、
第1の差動増幅基準所定値より低い電圧である第2の差
動増幅基準所定値で判断する第2差動増幅基準所定値判
断部13a2 とで構成され、基準電圧変更指示部13b
は、それぞれの判断で基準電圧出力部14に電圧の上昇
と下降を独立に指示する基準電圧上昇指示部13b1
基準電圧下降指示部13b2 から構成される。
【0056】振動検出センサ部11の出力を非反転増幅
する差動増幅部12の場合、差動増幅部12は、 差動増幅出力=差動増幅率×(振動検出センサ部11の
出力−基準電圧) となる。このとき、差動増幅部12の出力が第1の差動
増幅基準所定値より高いと、基準電圧制御部13の第1
の差動増幅基準所定値判断部13a1 により判断されれ
ば、振動検出センサ部11や差動増幅部12の出力が高
電圧側にドリフトしていると考えられ、高電圧側に飽和
する危険性が高い。また、この場合、振動検出センサ部
11の出力よりも差動増幅の基準電圧が低すぎる電圧で
あると考えられる。
【0057】そこで、基準電圧制御部13は、基準電圧
上昇指示部13b1 を用いて、基準電圧出力部14によ
る差動増幅部12へ入力される基準電圧を、基準電圧変
更所定値分高くする。これにより、(振動検出センサ部
11の出力−基準電圧)の値が減少し、差動増幅部12
の出力は、(基準電圧変更所定値×差動増幅部12の差
動増幅率)分下降する。これにより、差動増幅部12の
出力が高電圧側に飽和する危険を回避することができ
る。
【0058】振動検出センサ部11の出力を反転増幅す
る差動増幅部12の場合、差動増幅部12は、 差動増幅出力=差動増幅率×(基準電圧−振動検出セン
サ部11の出力) となる。このとき、差動増幅部12の出力が第1の差動
増幅基準所定値より高いと、基準電圧制御部13の第1
の差動増幅基準所定値判断部13a1 により判断されれ
ば、振動検出センサ部11や差動増幅部12の出力が高
電圧側にドリフトしていると考えられ、高電圧側に飽和
する危険性が高い。また、この場合、振動検出センサ部
11の出力よりも差動増幅の基準電圧が高すぎる電圧で
あると考えられる。
【0059】そこで、基準電圧制御部13は基準電圧上
昇指示部13b1 を用いて、基準電圧出力部14による
差動増幅部12へ入力される基準電圧を基準電圧変更所
定値分低くする。これにより、(基準電圧−振動検出セ
ンサ部11の出力)の値が減少し、差動増幅部12の出
力は、(基準電圧変更所定値×差動増幅部12の差動増
幅率)分下降する。これにより、差動増幅部12の出力
が高電圧側に飽和する危険を回避することができる。
【0060】このように、差動増幅部12は、非反転増
幅でも反転増幅でもそれに応じた制御を行うことで利用
できる。オペアンプを用いて増幅率を大きく差動増幅す
る場合では、反転増幅の方が回路的に簡易に構成でき
る。
【0061】ここで、図9に示されるように、基準電圧
変更所定値は、差動増幅基準所定値判断部13aの判断
結果に基いて基準電圧変更の量を定める基準電圧変更所
定値出力部13cを介して、基準電圧変更指示部13b
による基準電圧出力部14への電圧変化量を指示するこ
ともできる。
【0062】また、同様に、図8に示される構成に於い
て、非反転増幅の差動増幅部12の出力が、第1の差動
増幅基準所定値より低い電圧である第2の差動増幅基準
所定値より低いと基準電圧制御部13によって判断され
れば、振動検出センサ部11や差動増幅部12の出力が
低電圧側にドリフトしていると考えられ、低電圧側に飽
和する危険性が高い。また、この場合、振動検出センサ
部11の出力よりも、差動増幅の基準電圧が高すぎる電
圧であると考えられる。
【0063】そこで、基準電圧出力部14による差動増
幅部12へ入力される基準電圧を、基準電圧変更所定値
分低くする。これにより、(振動検出センサ部11の出
力−基準電圧)の値が増加し、差動増幅部12の出力
は、(基準電圧変更所定値×差動増幅部12の差動増幅
率)分上昇する。これにより、差動増幅部12の出力が
低電圧側に飽和する危険を回避することができる。
【0064】これにより、振動検出センサ部11にドリ
フトが発生しても、増幅後に飽和することを回避でき
る。基準電圧出力部14による基準電圧の上昇或いは下
降の単位電圧は、上述したように、(基準電圧変更所定
値×差動増幅部12の差動増幅率)である。この変更に
より、差動増幅部12の出力が飽和がしないようにする
ためには、 差動増幅器出力範囲>(基準電圧変更所定値×差動増幅
部12の差動増幅率) にすればよい。或いは、第1の差動増幅基準所定値より
低い電圧である場合での変更後に、差動増幅部12の出
力が第2の差動増幅基準所定値より低くならない様にす
るためには、 (第1差動増幅基準所定値−第2差動増幅基準所定値)
≧(基準電圧変更所定値×差動増幅部12の差動増幅
率) とすればよい。
【0065】このように、この発明の第1乃至第5の実
施例によれば、振動検出センサ部11のドリフトによる
信号の飽和による無効化は排除される。次に、図10を
参照して、この発明の第1の構成例を用いた場合の、セ
ンサの信号、基準電圧、振動信号について説明する。
【0066】図10(a)は、振動検出センサ部11の
起動から安定までの出力と、そのときの基準電圧の推移
について示したものである。振動検出センサ部11の出
力電圧の変化に対して、差動増幅部12の出力が、基準
電圧制御部13の第1と第2の差動増幅所定値(判定電
圧)内に収まるように、基準電圧制御部13に制御され
た基準電圧出力部14の出力である基準電圧が階段状に
追従している。
【0067】このときの差動増幅部12の出力は、基準
電圧と振動検出センサ部11の出力の差を差動増幅した
結果であり、図10(b)に示されるように、鋸歯状の
値となる。この信号は、第1と第2の判定電圧の間の領
域におおむね存在し、逸脱した場合に基準電圧制御部1
3の作用により、基準電圧出力部14の出力が所定値変
更され急激に変化する。
【0068】尚、図10(b)に於いて、白丸印は基準
電圧制御部13の加算信号タイミングを表し、白三角印
は同減算信号タイミングを表している。この図10
(a)及び(b)に示された例では、基準電圧の変更の
値、差動増幅後で、第1と第2の判定電圧の半分に設定
しているが、これは、この発明の一例であり、この値に
限定されるものではない。
【0069】図10(c)は、基準電圧制御部13によ
る基準電圧の変更のタイミングを示したものである。基
準電圧出力部14は、このタイミング信号により、その
出力を所定値ずつ上昇或いは下降させる。
【0070】振動信号補正部15では、基準電圧制御部
13の加算信号と減算信号のタイミングに応じて、基準
電圧出力部14の基準電圧制御部13による電圧変更時
の差動増幅部12の出力変化に応じた値を、差動増幅部
12の信号に加算、或いは減算する。その結果、振動信
号補正部15内の振動信号の演算レンジが十分に大きい
場合には、図10(d)に示されるように信号が推移
し、振動検出センサ部11の出力を完全にトレースでき
る。
【0071】これにより、センサがドリフト成分を有し
て出力する場合でも、有効、且つ必要な振動成分を失う
こと無く振動信号を得ることができる。ここで、図2の
第2の基本構成に示すように、振動検出装置は、振動を
検出する振動検出センサ部11と、上記振動検出センサ
部11の出力と基準電圧とを差動増幅する差動増幅部1
2と、上記基準電圧を出力する基準電圧出力部14と、
上記差動増幅部12の出力に応じて上記基準電圧出力部
14による基準電圧を所定値毎に上昇或いは下降させる
基準電圧制御部13と、この基準電圧制御部13の基準
電圧の変更に合わせて上記差動増幅部12の出力を補正
する振動信号補正部15と、振動信号補正部15による
振動信号出力の出力初期値や出力タイミングとを指示す
る振動信号出力指示部16から構成される。そして、振
動信号指示部16により、所定タイミングで、振動信号
補正部15に、振動信号の初期値が設定される。
【0072】図10(d)及び(e)に示されるよう
に、振動信号補正部15の信号は、このタイミングでの
差動増幅部12の出力が振動“0”と判断され、振動検
出センサ部11の初期の不安定性が除去された信号が出
力される。
【0073】すなわち、振動検出センサの起動不安定期
の影響を受けずに、且つセンサ信号を飽和すること無
く、センサの信号を所定の感度状態にまで増幅すること
ができる。その後、振動検出センサ部11にドリフトが
発生しても、増幅後の出力が飽和しないようにし、ま
た、出力についての初期値を設定することを可能にな
る。
【0074】また、図3の第3の基本構成に示されるよ
うに、振動を検出する振動検出センサ部11と、上記振
動検出センサ部11の出力と基準電圧とを差動増幅する
差動増幅部12と、上記基準電圧を出力する基準電圧出
力部14と、上記差動増幅部12の出力に応じて上記基
準電圧出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或い
は下降させる基準電圧制御部13と、この基準電圧制御
部13の基準電圧の変更に合わせて上記差動増幅部12
出力を補正する振動信号補正部15と、この振動信号補
正部15の出力を基にHPF演算処理により緩やかなド
リフトによる信号の変化を除去するためのHPF演算部
17とから構成することで、振動検出のためのセンサに
ドリフトが発生しても、増幅後の出力が飽和しないよう
にし、その後のHPF処理で必要な振動成分を抽出する
振動センサの出力の増幅器を構成することができる。
【0075】温度によるセンサ出力のドリフトは、手ぶ
れ等の振動よりも周波数が低いために、有効な手ぶれ振
動の周波数よりも低いカットオフ周波数のHPFを用い
ることで、ドリフト成分を除去する。スチルカメラで問
題になる手ぶれ振動の場合には、1Hzの手ぶれ振動を
十分に検出し処置する必要があるため、0.1Hz以下
にそのカットオフ周波数を設定することが考えられる。
【0076】更に、第2構成と第3の構成を合わせた図
4の第4の基本構成は、振動検出のためのセンサにドリ
フトが発生しても、増幅後の出力が飽和しないように
し、その後のHPF処理で振動成分を抽出する振動セン
サの出力の改良された増幅器である。図4に示されるよ
うに、この発明による振動検出装置の第4の基本的構成
は、振動を検出する振動検出センサ部11と、この振動
検出センサ部11の出力と基準電圧とを差動増幅する差
動増幅部12と、上記基準電圧を出力する基準電圧出力
部14と、上記差動増幅部12の出力に応じて上記基準
電圧出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或いは
下降させる基準電圧制御部13と、この基準電圧制御部
13の基準電圧の変更に合わせて上記差動増幅部12の
出力を補正する振動信号補正部15と、この振動信号補
正部15の出力を基にHPF演算処理により緩やかなド
リフトによる信号の変化を除去するためのHPF演算部
17と、このHPF演算部17或いは振動信号補正部1
5による振動信号出力の出力初期値と出力タイミングと
を指示する振動信号出力指示部16から構成される。
【0077】振動信号出力指示部16の振動信号出力指
示信号に従い、HPF演算部17のHPF演算データを
初期値に設定することで、振動検出センサ部11の起動
時の不安定なセンサ出力の影響を受けずに、また必要且
つ有効な振動の信号成分を失わず、且つセンサのオフセ
ット成分のみを除去することができる。
【0078】この場合、HPF演算部17に直接的に振
動信号出力指示信号を与えずとも、振動信号補正部15
に振動信号の出力を行わないで振動“0”に相当する信
号を所定のタイミングまで行うようにし、振動信号出力
指示部16の信号により、この抑制を解除するように構
成しても同様の効果が得られる。
【0079】尚、HPF演算部17の起動時の安定性を
確保し、立上がりの際の収束の速さを更に促進するため
には、また、HPFの収束性を制御することも可能であ
る。図11に示されるように、HPF演算部17は、演
算開始後所定時間の間に時定数を小さい値から大きな値
に段階的に変更しながらハイパスフィルタ演算を行うH
PF時定数制御部17bと、このHPF時定数制御部1
7bにより設定される時定数に基いてHPF演算を行う
HPF演算部17aとで構成することができる。
【0080】時定数の変更は、回路への電源投入か、或
いは振動信号出力指示部16によるHPF演算の開始時
点では、収束を高めるために短い時定数が設定される。
これにより、振動信号のオフセット成分が速やかに除去
される。しかし、この場合、振動信号の低周波成分も除
去されてしまう。また、時定数の短いHPFは位相の回
し量も大きくなるため振動信号の誤差が大きくなる。そ
こで、時間の経過により、より長い時定数に変更され、
所定時間経過後は、時定数の不足による振動信号の歪、
つまり有効な低周波の手ぶれ信号の無用な除去と位相の
回りを回避する。時定数の切換えには、特開昭63−5
0729号公報に記載されているような方法が利用でき
る。
【0081】ところで、振動信号出力指示部16の振動
信号出力指示信号の出力は、振動信号が起動初期の不安
定な状態の信号を含まないようにするために、センサや
差動増幅回路の電源投入時の特性を把握しておき、その
信号が十分に安定そして正常動作になるまでの時間を用
いて、この所定時間と、実際の振動検出の際の上記振動
検出センサ部11と差動増幅部12と基準電圧出力部1
4と基準電圧制御部13への少なくとも1つの給電の開
始時点からの経過時間の計時結果を比較し、この所定時
間経過後に差動増幅部12の差動増幅信号は安定してい
ると判断し、この時点で、振動信号出力指示部16の振
動信号出力指示信号の出力を行い、振動信号補正部15
やHPF演算部17による処理を開始するように構成す
る。
【0082】或いは、大きなドリフト成分が発生してい
る場合には、差動増幅部12の出力を飽和させないため
に、基準電圧制御部13による基準電圧出力部14の出
力基準電圧の変更が頻繁に生じる。そこで、この基準電
圧の変更の頻度により差動増幅部12の出力振動信号の
安定を判断し、この時点で振動信号出力指示部16の振
動出力指示信号の出力を行い、振動信号補正部15やH
PF演算部17による処理を開始するように構成もでき
る。
【0083】また、数秒や数分レベルで間欠に電源のオ
ンとオフが繰返される場合等では、振動検出装置の環境
温度はそうは変わらないため、同一のオフセットが発生
すると考えられる。
【0084】そこで、前回の安定した時の基準電圧と同
一の基準電圧に基準電圧出力部14の出力が達した場合
に、差動増幅部12の出力振動信号の安定を判断し、こ
の時点で振動信号出力指示部16の振動信号出力指示信
号の出力を行い、振動信号補正部15やHPF演算部1
7による処理を開始するように構成もできる。
【0085】更に、第5の基本構成は、上述したよう
に、振動検出のためのセンサにドリフトが発生しても増
幅後の出力が飽和しないようにし、その後のデジタル的
なHPF処理で振動成分を抽出する振動センサの出力の
改良された増幅器である。
【0086】図5に示されるように、この発明による振
動検出装置の第5の基本的構成は、振動を検出する振動
検出センサ部11と、この振動検出センサ部11の出力
と基準電圧とを差動増幅する差動増幅部12と、この差
動増幅部12の出力をデジタル信号化するA/Dコンバ
ータ部18と、上記基準電圧を出力する基準電圧出力手
段4と、上記差動増幅部12の出力と上記A/Dコンバ
ータ部18の少なくとも何れかの出力に応じて、上記基
準電圧出力部14による基準電圧を所定値毎に上昇或い
は下降させる基準電圧制御部13と、上記基準電圧制御
部13の基準電圧の変更に合わせて上記A/Dコンバー
タ部18の出力した差動増幅部12の差動増幅値を補正
する振動信号補正部15と、この振動信号補正部15の
出力を基にHPF演算処理により緩やかなドリフトによ
る信号の変化を除去するためのHPF演算部17と、こ
のHPF演算部17或いは振動信号補正部15による振
動信号出力初期値と出力タイミングとを指示する振動信
号出力指示部16から構成される。
【0087】このように、A/Dコンバータ部18を用
いて振動信号をデジタル化し、テジタル処理すること
で、いくつかの有利な点が生じる。A/Dコンバータ部
18を用いてデジタル化した振動信号を、振動信号補正
部15やHPF演算部17で処理することで、演算レン
ジの拡大を容易に行うことができる。つまり、アナログ
電圧で処理する場合には、アナログ処理回路の電源の範
囲を越える信号を扱うことは難しいが、デジタル化した
場合には、レジスタや記憶手段の桁数を多くすること
で、容易にそのデータの示せる値の範囲を設定すること
ができるわけである。
【0088】例えば、A/D変換を8bitで行い、そ
の後の処理を16bitで行うことを考えた場合、25
6倍のデータの範囲があるわけである。これにより、A
/Dの量子化の値を非常に小さな振動レベルに対応させ
たとしても、A/Dコンバータ部18の構成を複雑化し
なくとも、大きな振動信号まで検出できる広い検出範囲
を設定することができる。
【0089】また、振動信号補正部15やHPF演算部
17の初期値、或いは出力値を設定する場合でも、レジ
スタの値を変更、或いは設定するだけの容易な動作で実
現できる。
【0090】HPF演算を、プログラム等のデジタル処
理手段を用いて行うことは、アナログ回路で必要とす
る、抵抗やコンデンサ等の回路素子を必要とせず、特に
カットオフ周波数の低いHPFに必要な、値の大きな、
すなわちサイズの大きな素子を省くことができる。
【0091】振動信号補正部15で差動増幅部12の出
力を補正するデータも、ROMやRAM等の記憶手段に
設定することができ、容易に演算を行うことができる。
特に、EEPROM等の書換可能な不揮発性の記憶手段
を用いた場合には、製造工程での調節が容易に行うこと
ができる。
【0092】HPF演算の時定数を変更する場合でも、
容易に時定数データを格納するレジスタの値を変更する
ことで達成でき、非常に簡易な回路でHPFの時定数を
制御できる。また、時定数のみではなく、演算結果に対
して係数を設定することで、利得を制御することも同一
の回路構成で実現することができる。また、基準電圧制
御部13、振動信号出力指示部16も、デジタル信号を
扱うプログラムとして容易に構成できる。
【0093】この振動検出装置全体の制御や、この振動
検出装置を応用した機器の制御が、同様にデジタル化さ
れる場合には、この振動信号補正部15やHPF演算部
17がデジタル処理化されることは、装置全体の構成を
大いに簡略化する。
【0094】基準電圧出力部14も同様に、いわゆるA
/Dコンバータを用いてデジタル化することができ、そ
の場合、この発明による振動検出装置の構成は、純粋に
アナログ的に処理する部分が、振動検出センサ部11と
差動増幅部12のみになり、余分な回路素子が必要でな
くなり、構成は大いに簡略化される。
【0095】また、A/Dコンバータ部18によるデジ
タル化の後にHPF演算を行うことで、従来必要なデジ
タル処理とのマッチングを取るためのヌル電圧の調節を
無くし、また差動増幅回路のオフセット、ドリフト成分
の発生の問題の解決をも達成できる。
【0096】振動検出センサ部11は、センサそのもの
で構成することも、或いは振動検出センサ部と、振動検
出センサ出力増幅部から構成して、所定の感度にして差
動増幅手段へ振動信号を出力するように構成してもよ
い。
【0097】次に、この発明による振動検出装置の第6
の実施例について説明する。図12は、この発明の第6
の実施例に従った振動検出装置の主要部分のブロック図
である。
【0098】振動を検出する振動検出センサ部11とし
ての振動ジャイロ型角速度センサ19の出力が、差動増
幅部12であるオペアンプ20の反転入力端子に接続さ
れている。また、オペアンプ20の非反転入力端子に
は、基準電圧出力部14としてD/Aコンバータ21が
接続されている。これにより、差動増幅部12は、振動
検出センサ部11の出力を反転増幅する。
【0099】上記オペアンプ20の出力は、A/Dコン
バータ部18のA/Dコンバータ22に接続されてデジ
タル化された信号が、CPU23内の振動信号補正部2
4、基準電圧制御部25、HPF演算部26に接続され
る。このHPF演算部26には、シーケンス制御部27
の振動信号出力指示部28が接続されている。
【0100】尚、振動信号補正部24、基準電圧制御部
25、HPF演算部26、シーケンス制御部27、振動
信号出力指示部28は、CPU23で動作するプログラ
ム手段である。
【0101】振動ジャイロ型角速度センサ19の感度と
して、1秒あたりの角速度をデグリーで表した出力が、
0.001[V/(deg/sec)]とする。A/D
コンバータ22は、0から5Vの間を10bit精度の
分解能で量子化するとする。また、必要な分解能を
[0.01deg/sec]とする。この場合、A/D
コンバータ22の範囲5Vでは、0.01×1023=
10.23[deg/sec]の角速度が検出される。
この場合、1mVあたり0.2046[deg/se
c]出力であるので、そのため、オペアンプ20の増幅
率βは、204.6倍が必要である。
【0102】オペアンプ20の出力を2.5V±0.8
33V(レンジで1.67V(0から5Vの1/3))
で出力するように制御するようにするために、基準電圧
制御部25での第1の差動増幅基準所定値を3.33
V、第2の差動増幅基準所定値を1.67Vとして、基
準電圧の1回の変更でオペアンプ20の出力が1.67
V変化するように構成する。このとき、基準電圧制御部
25でA/Dコンバータ22の出力を判定する場合、第
1の差動増幅基準所定値は682LSB、第2の差動増
幅基準所定値は341LSB(Least signi
ficationbit)であり、最小単位の341倍
となる。
【0103】これにより、D/Aコンバータ21の入力
デジタル値が“1”だけ変化した場合には、出力は0.
008162V変化するように設定され、差動増幅後に
1.67V変化する。
【0104】また、基準電圧の1回の変更で、オペアン
プ20の出力が1.67V変化するが、これはA/Dコ
ンバータ22の量子化数としては、341LSBに相当
する。基準電圧制御部25による基準電圧の変更が行わ
れた場合、振動信号補正部24では、この値だけA/D
コンバータ22の出力を補正する。この値をΔxとす
る。
【0105】A/Dコンバータ22で量子化された振動
信号は、HPF演算を行う場合に、先ずHPF演算処理
され、後に基準電圧制御部25により基準電圧の上昇或
いは下降が必要か判断され、必要がある場合にはD/A
コンバータ21を介して基準電圧を変更する。その後、
振動信号を振動信号補正部24で補正する。
【0106】HPF演算部26での演算は、前回のHP
Fの演算結果に0より大きく1より小さい係数を乗じた
ものに振動信号の変化分を加算することで低周波成分を
除去する。HPF演算出力をH0 、HPFの係数をK
H 、前回の入力振動信号をx1、今回の入力振動信号を
0 とすると、H0 は、 H0 =x0 −x1 +(KH ×H0 ) …(1) の漸化式により求めることがてきる。ここで、上記漸化
式の等号の前のH0 は、今回のHPF演算出力であり、
等号の後ろのH0 は前回のHPF演算出力である。
【0107】オペアンプ20の出力が3.33Vより高
電圧の場合、A/Dコンバータ22により出力される振
動信号は上述した通り682LSB以上であるが、この
場合、この値を小さくするために、基準電圧を上げる必
要がある。D/Aコンバータ21によりオペアンプ20
の非反転入力端子に入力されている差動増幅の基準電圧
が、D/A1段分下降された場合、オペアンプ20の出
力は、上述した通り、1.67V電圧が下降する。これ
は、次回のA/Dコンバータ22での振動信号の検出時
に反映される。
【0108】このため、次回のHPFの演算は、A/D
変換の結果の値x0 ′が、基準電圧を変更しなかった場
合に較べて1.67V下降したデータとして検出され、
次回のHPFでの前回のAD値、つまり今回のAD値に
較べて、振動信号が無い場合にも1.67V低い値とな
り、誤差が生じる。そこで、次回のHPFでの前回のA
D値、つまり今回のAD値を同様に1.67V低い値に
補正する。つまり、次回のHPFの演算出力H0 ′は、
実質的に今回のHPF演算出力H0 と、今回のA/D変
換の結果とA/D変換の補正値Δxとから、 H0 ′=x0 ′(x0 −Δx)+(KH ×H0 ) …(2) と計算されることになる。したがって、今回と次回のA
/D変換の結果の値との間に生じた基準電圧の変更によ
る電圧差をキャンセルして、HPFの演算を正確に行う
ことができる。
【0109】このように、A/D変換の結果を、基準電
圧制御手段による基準電圧の補正に合わせて補正する演
算が、振動信号補正部24の働きである。また、HPF
演算部26による演算は、センサの起動時の急激な信号
変化分を考慮しないように、振動検出装置の起動時に
は、振動信号出力指示部28により、演算や出力を抑制
されている。振動信号出力が指示された時点から、HP
F演算やHPF演算結果の出力を行うが、その時点ま
で、HPFのデータH0 を“0”に設定しておくこと
で、HPFの出力は“0”からスタート、つまりリセッ
ト状態からのスタートにすることができる。或いは、所
定の値から演算を開始したい場合には、H0 のレジスタ
と符号を示すフラグに所定の値を代入しておき、演算を
開始することで容易に初期状態を設定することができ
る。これも、デジタルHPFの特徴である。
【0110】このように、基準電圧制御部25の動作に
連動して振動信号補正部24と基準電圧出力部のD/A
コンバータ21とが動作することで、正確な振動信号が
得られる。したがって、HPF演算部26の動作で低周
波のドリフトやオフセット成分が除去され、必要な振動
信号が得られる。
【0111】次に、図13のフローチャートを参照し
て、図12に示された振動検出装置の動作を説明する。
先ず、CPU23が動作を開始し、ステップS1でD/
Aコンバータ21へ出力するDAデータ(D)を初期化
する。初期化には、0にする、変動可能範囲の中央値に
する、前回の動作時の安定値にする等の方法がある。
【0112】次いで、ステップS2で、振動ジャイロ型
角速度センサ19とオペアンプ20、A/Dコンバータ
22、D/Aコンバータ21に給電の指示を出す。勿
論、これは予めCPU23と同時に給電しておいてもよ
い。続いて、D/Aコンバータ21へDAデータ(D)
を出力し、D/Aコンバータ21に基準電圧を出力させ
る。
【0113】次に、ステップS4で、振動信号の処理を
定期的に行うため、所定の時間間隔毎にタイマのオーバ
ーフローの状態の信号を生成する、ループタイマ(T
L )を設定する。このループタイマをオートリロードタ
イプのタイマで構成することで、処理は容易になる。こ
れ以降、所定時間毎にTL オーバーのフラグがセットさ
れる。この時間は、基準電圧の制御の正確な制御のため
に、A/DやD/Aの変換速度も考慮しながら高速度で
フィードバックを行うために、数百μsecから1ms
ec程度の時間間隔がよい。このループは、後述するス
テップS7から始まるループ内である。
【0114】そして、ステップS5で、HPFデータ
(H0 )を初期化する。ここでは、0にリセットする。
また、ステップS6では、ループ内でのHPF演算につ
いてHPF演算を行う場合にセットされるHPF実行フ
ラグ(FH )をクリアする。
【0115】この後、ステップS7から、演算と処理の
ループが始まる。先ず、ステップS7に於いて、ループ
タイマTL のオーバーフローを調べ、オートリロードタ
イプのタイマがオーバーフローするまで繰返す。ここ
で、ループタイマTL がオーバーフローして所定時間の
経過が確認された場合、ステップS8へ進んで、A/D
コンバータ22のデータを読出す。そして、この差動増
幅後の振動信号をレジスタx0 に格納する。
【0116】次に、ステップS9にてHPF実行フラグ
H がセットされているか、すなわち既にHPF演算が
可能になっているかを調べる。ここで、セットされてい
ればHPF演算を実行するために、ステップS12へ進
む。もし、HPF演算がまだ実行可能でない場合は、フ
ラグがリセット状態の場合であり、ステップS10へ進
む。
【0117】このステップS10では、D/Aコンバー
タ21に指示するD/Aの出力データの変更の頻度を調
べる。ここで、例えば後述するステップS14〜ステッ
プS24を、DAデータを変更することなく何回実行し
たかを検出するためのループカウンタを設け、このカウ
ンタ値が連続して所定回数以上となった場合に、頻度が
所定値以下と判断する。もし、変更の頻度が所定値以上
のペースで頻繁に行われている場合には、まだセンサの
出力が安定していないと判断して、HPF演算を行わず
に基準電圧の制御のためにステップS14へ進む。一
方、基準電圧の変更の頻度が所定値より小さい場合に
は、振動ジャイロ型角速度センサ19の出力が起動時や
初期の不安定期を過ぎて安定期にあると判断する。した
がって、ステップS11へ進んでHPF実行フラグをセ
ットした後、ステップS12へ進む。
【0118】ステップS12では、HPF演算を上述の
式に従って行い、今回のA/D変換データx0 と前回の
A/D変換のデータであるx1 と、前回のHPF演算結
果であるH0 と、HPFの時定数を定めている係数KH
とから、今回のHPF演算結果H0 を求める。もし、H
PF演算が開始された直後の場合には、前回のHPFの
演算結果であるH0 は、上記ステップS7からのループ
に入る前に初期化されたH0 を使用することになる。
【0119】そして、ステップS12でのHPF演算
後、ステップS13に進んで、必要に応じてHPF演算
の結果のHPFデータH0 を出力する。その後、ステッ
プS14へ進む。
【0120】ステップS14では、A/Dコンバータ2
2の出力であるADデータx0 を、第1の差動増幅基準
所定値Thh と比較する。ここで、ADデータx0 がT
Hより大きい場合には、オペアンプ20の出力の飽和
の危険性を回避するために、D/Aコンバータ21によ
る基準電圧をさげるために、ステップS16に進む。こ
れに対して、x0 がThH 以下であればステップS15
へ進む。
【0121】ステップS15では、A/Dコンバータ2
2の出力であるADデータx0 を、第2の差動増幅基準
所定値ThL と比較する。ここで、ADデータx0 がT
Lより小さい場合には、オペアンプ21の出力の下限
での飽和の危険性を回避するために、D/Aコンバータ
21による基準電圧を上昇させるために、ステップS2
0に進む。一方、x0 がThL 以上であればステップS
24へ進む。
【0122】基準電圧を下げるためにステップS16へ
進んだ場合、先ずD/Aコンバータ21へ指示するDA
データDがデクリメント可能かを調べる。これは、レジ
スタDが取れる最小の値、例えば0よりも小さくするこ
とができないので、Dが0の場合に基準電圧の変更を行
わないようにするためである。また、Dが0より大きく
ても、D/Aコンバータ21の出力の連動範囲よりも小
さい値になる場合には、連動する値よりもDを小さくし
ないようにするためである。
【0123】上記ステップS16に於いて、Dがデクリ
メントできないと判断した場合には、基準電圧の変更を
止めてステップS24へ進む。一方、Dがデクリメント
可能な場合は、ステップS17に進んで、基準電圧を変
更した場合にADデータの補正ができるか否かを判断す
る。すなわち、 x0 =x0 −△x …(3) (ここで、Δxは基準電圧の変化に対する差動増幅器の
出力)の演算を行ってx0 を補正しようとする場合に、
減算の結果がレジスタx0 の範囲を越えてしまわないか
どうかを判断する。
【0124】ここで、越える場合には何か異常があり正
確な補正が行えないので、ステップS24へ進む。AD
データx0 の補正が可能な場合には、ステップS18に
進んで、D/Aコンバータ21に出力するDAデータD
をデクリメントする。そして、ステップS19にて、そ
れに対応してADデータx0 を補正する。その後、ステ
ップS24へ進む。
【0125】上記ステップS15に於いて、基準電圧を
上げるためにステップS20へ進んだ場合、先ずD/A
コンバータ21へ指示するDAデータDがインクリメン
ト可能か否かを調べる。これは、レジスタDが取れる最
大の値、例えば255よりも大きくすることができない
ので、Dが255の場合に基準電圧の変更を行わないよ
うにするためである。また、Dが255より小さくて
も、D/Aコンバータ21の出力の連動範囲よりも大き
な値になる場合には、連動する値よりもDを大きくしな
いようにするためである。
【0126】ステップS20にて、Dをインクリメント
できないと判断した場合には、基準電圧の変更を止め、
ステップS24へ進む。一方、Dがインクリメント可能
な場合、ステップS22にて、基準電圧を変更した場合
にADデータの補正ができるか否かを判断する。すなわ
ち、 x0 =x0 +Δx …(4) の演算を行ってx0 を補正しようとする場合に、減算の
結果がレジスタx0 の範囲を越えてしまわないかどうか
を判断する。越える場合には、何か異常があり正確な補
正は行えないので、ステップS24へ進む。ADデータ
0 の補正が可能な場合には、ステップS22にて、D
/Aコンバータ21に出力するDAデータDをインクリ
メントする。そして、それに対応して、ステップS23
でADデータx0 を補正した後、ステップS24へ進
む。
【0127】このステップS24では、DAデータDを
D/Aコンバータ21へ出力する。続いて、次回のHP
F演算のために、ADデータx0 を、次回の前回のAD
データのレジスタx1 に格納する。その後、ステップS
7へ進み、上述した動作を繰返す。
【0128】このように、振動ジャイロ型角速度センサ
19の出力のドリフト成分やオフセット成分が、オペア
ンプ20、D/Aコンバータ21、A/Dコンバータ2
2、CPU23内の振動信号補正部24、基準電圧制御
部25、HPF演算部26により除去される。
【0129】次に、この発明の振動検出装置を、露光中
の手振れによる画像の劣化を補正するカメラの手振れ振
動の検出に応用した第7の実施例について説明する。カ
メラの手振れ補正装置は、公知の、画面の左右(X
軸)、上下(Y軸)の手振れを検出して、それに基いて
一部の光学系を移動させ、フィルム上の画像を固定する
装置を用いる。
【0130】撮影装置の振動を検出するための基本的な
構成は、x軸、y軸それぞれに図12に示された第6の
実施例の構成と同様のものであるので、ここでの図示は
省略する。
【0131】ここで、図14のフローチャートを参照し
て、カメラの基本的な動作の概略を説明する。先ず、ス
テップS31で被写体の輝度を測光し、適正露光量にな
る露光の制御絞り値と制御シャッタ速度を公知のアペッ
クス演算を用いて求める。次いで、ステップS32に
て、ファインダ内やカメラ外装の表示手段を用いて、制
御露出値を表示する。
【0132】次に、ステップS33に於いて、被写体に
ピントを合わせるための撮影者によるオートフォーカス
動作の指示を、ファーストレリーズスイッチ(1stR
elSw)の操作の有無から検出、判断し、操作がなけ
ればステップS31へ戻る。一方、ファーストレリーズ
スイッチの操作があった場合は、ステップS34へ進
み、自動的に被写体にピントを合わせるためにオートフ
ォーカス装置を用いてピント調整を行う。
【0133】次に、ステップS35に於いて、撮影者に
よるフィルムへの露光の指示を、セカンドレリーズスイ
ッチ(2ndRelSw)を用いて検出する。ここで、
セカンドレリーズスイッチの操作がない場合には、ステ
ップS31へ戻る。一方、ステップS35で、セカンド
レリーズスイッチの操作を検出した場合には、ステップ
S36に進んで、露光のルーチンを実行する。
【0134】この露光ルーチンの終了後、ステップS3
7で露光後の後処理として、次回の撮影のために、手振
れ補正光学系の位置の初期化と、シャッタのチャージや
絞りのリセット、一眼レフレックスカメラであればクイ
ックリターンミラーのリセット等を行う。その後、ステ
ップS38でフィルムを一駒巻上げ、ステップS31へ
戻る。
【0135】上記ステップS36の露光ルーチンでは、
手振れ検出のセンサと回路に電源を投入し、手振れの検
出、手振れ補正動作を実行すると共に、撮影のためにク
イックリターンミラーを光路外に退避させるミラーアッ
プ動作、露出演算の結果による制御絞り値と制御シャッ
タ速度による絞り装置とシャッタ装置の駆動等が、所定
の手順で実行される。
【0136】図15は、露光ルーチンでの動作について
のフローチャートである。以下、このフローチャートを
参照して動作を説明する。先ず、ステップS41で、手
振れの補正を行うか否かを判断する。判断材料として
は、手振れ防止モードの設定状態や、露出時間と焦点距
離の関係が用いられる。広角側や高速秒時では、手振れ
防止を必要としないので無用の電力消費や応答の遅れを
防ぐためである。ここで、手振れ防止が必要ない場合に
は、ステップS42へ進んで、従来通りの通常露出を行
ってリターンする。一方、手振れ防止を行う場合には、
ステップS43へ進む。
【0137】ステップS43では、x軸、y軸それぞれ
の振動を検出するセンサとアンプ、つまり、それぞれの
振動ジャイロ型角速度センサ19、オペアンプ20、D
/Aコンバータ21、A/Dコンバータ22に電源を投
入する。続いて、ステップS44で、x軸、y軸それぞ
れのD/Aコンバータに出力データDx 、Dy を出力す
る。これにより、2つのD/Aコンバータは、それぞれ
の基準電圧を出力する。
【0138】次に、ステップS45にて、振動信号の検
出と演算処理を定期的に行うための、周期時間を生成す
るループタイマTL を設定する。これは、オートリロー
ドタイプのタイマであり、所定の時間毎にオーバーフロ
ーの信号を出力し、フラグをセットするタイマである。
更に、ステップS46では、ループの処理回数をカウン
トするためのループカウンタCL をクリアする。このル
ープカウンタCL は、ループの処理一回毎にインクリメ
ントされるカウンタである。また、このカウンタは、露
光のためのミラーのアップや絞りの駆動が済んだ後、イ
ンクリメントされる。
【0139】次に、ステップS47で、センサのオフセ
ットとドリフトを除去するためのHPF演算用のHPF
データレジスタを初期化する。これは、HPF演算の結
果を格納するためのHx 、Hy レジスタのクリアと、H
PFの時定数を定めるHPF係数KH へ所定値の代入で
ある。KH の初期化の所定値としては、HPF演算の演
算開始直後の集束性を高めるために、10Hz程度のカ
ットオフ周波数の値がよい。
【0140】その後、ステップS48にて、高周波のノ
イズを除去するためのLPF演算用のLPFデータレジ
スタもクリアする。また、センサの応答遅れ、手振れ補
正手段の応答遅れを補正した振動信号を生成するため
に、これから起きるであろう手ぶれ信号に予測変換演算
する予測演算のための予測係数を、ステップS49にて
セットする。この予測演算については、本件出願人によ
る先の出願である特開平5−204013号公報等に記
載されている、過去のデータにそれぞれの重みをもって
加算する方法で容易に未来の信号を予測することができ
る。そのために、記憶されているLPFの演算結果につ
いて必要な過去のデータを読出し使用する。ここで、上
記予測する演算式として、Px =Σai ・Lxiを用い
る。尚、aiは重み係数であり、Lx はLPFの出力で
あり、iは時系列のデータの並びに対応する。
【0141】次に、ステップS50にて、露光に先立
ち、いわゆるクイックリターンミラーを光路外に退避さ
せるために、ミラーアップをスタートさせる。続いて、
ステップS51で、絞りも制御露出値になるように駆動
をスタートする。
【0142】そして、ステップS52に於いて、定期的
な処理を行うため、ループタイマTL のオーバーフロー
を調べる。ここでは、オーバーフローを検出するまで繰
返し調べる。上記ステップS52で、オーバーフローを
検出した場合には、ステップS53へ進む。
【0143】このステップS53では、x軸、y軸それ
ぞれのA/Dコンバータ22を用いてそれぞれのオペア
ンプ20から、振動ジャイロ型角速度センサ19で検出
したカメラの手振れ振動をデジタル化して読出し、レジ
スタx0 とy0 に代入する。次に、ステップS54で、
このルーチンでの経過時間が演算処理を行えるまでの時
間を経過しているかを、演算開始カウントデータCS
りループカウンタCLが大きくなっているかで判断す
る。これは、HPF演算等の演算を行えるまでにセンサ
の起動からの時間が経過している判断するためであり、
電源投入時の不安定な振動信号をHPFに入力しないた
めである。
【0144】上記ステップS54に於いて、ループカウ
ンタCL が演算開始カウントデータCS より大きくない
場合には、ステップS67へ進む。一方、CL がCS
り大きくなっている場合には、ステップS55へ進み、
HPFの時定数を定めている係数KH を少しずつ大きく
し、カットオフ周波数を徐々に低く、最終的には0.1
Hz程度の値になるように補正する。そのため、 KH =KH +(CL /CL0) …(5) の演算を行う。ここで、CL0は定数であり、KH が、H
PFの演算開始から数百msecで、0.1Hz程度の
カットオフ周波数のための値KH0になるように設定され
る値である。
【0145】尚、この式は、上述したHPF演算出力を
求める(1)式にて使用される。このように、ループを
通過する回数に依存させてHPFの時定数を設定するこ
とで、非常に細かく適切にHPFの特性をコントロール
することができる。
【0146】また、ステップS56にて、KH が最終的
に狙いのカットオフ周波数のための値H0 を越えてしま
った場合には、ステップS57に進んで、KH はH0
修正される。次いで、ステップS58でHPF演算が行
われ、HPFデータHx 、Hy が求められる。
【0147】次に、ステップS59で、高周波ノイズ除
去のためのLPF(ローパスフィルタ)演算を行う。こ
の演算は、今回のLPF演算結果をL0 、前回のLPF
演算結果をL1 、入力値は同実施例では先のHPFの演
算結果であるので、H0 としたときに、次の漸化式によ
って行う。
【0148】 L0 =KL ・H0 +(1−KL )・L1 …(6) ここで、KH は、0から1の間の数値であり、小さけれ
ば過去のデータを重視するようになり、大きなローパス
フィルタの効果が得られる係数である。このKL の値
は、アナログのCR結合によるハイパスフィルタの時定
数と比較する場合、フィルタのカットオフ周波数をf
L 、演算の行われる時間間隔をΔt(同実施例では50
0μsec)とすると、 KL =2・π・fL ・Δt …(7) の関係があることは、アナログCRフィルタの微分方程
式より導かれる。
【0149】こうして、x軸、y軸それぞれのHPF演
算結果に同様の処理がなされ、LPF演算結果Lx 、L
y が求められる。このLPF演算結果は、予測演算時の
過去のデータをとして用いるため順次記憶される。
【0150】次に、ステップS60に於いて、ループカ
ウンタCL を、手ぶれ補正を開始する時刻を設定するた
めの手ぶれ補正開始カウントデータCP と比較する。こ
こで、L がCP よりも大きければ、手ぶれ補正のための
ステップS61へ、小さければステップS67へ進む。
【0151】手ぶれ補正の開始時刻を経過してステップ
S61へ進んだ場合、先ず予測演算を行って、x軸、y
軸それぞれの予測振動信号Px 、Py を求める。続い
て、ステップS62で手ぶれ補正手段を用いて、x軸、
y軸の振れによる画像の移動を補正する。
【0152】次に、ステップS63で、ループカウンタ
L を、フィルムへの露光を開始する時刻を設定するた
めの手ぶれ補正開始カウントデータCESと比較する。そ
の結果が等しければ、ステップS64でシャッタを開き
露光を開始した後、ステップS67へ進む。上記ステッ
プS63の比較結果が等しくなければ、ステップS65
へ進む。
【0153】ステップS65では、ループカウンタCL
を、フィルムへの露光を終了する時刻を設定するための
手ぶれ補正開始カウントデータCEEと比較する。ここ
で、CL とCEEが等しければステップS66へ進み、シ
ャッタを閉じ、露光を終了してリターンする。上記ステ
ップS65での比較結果が等しくない場合は、ステップ
S67に進む。
【0154】ステップS67に進んだ場合は、オペアン
プの出力を飽和させないよう、D/Aコンバータ21の
制御を行う。すなわち、先ずステップS67でx軸のH
PF演算結果Hx の絶対値が、HPFのデータの上限を
設定するデータであるHM より大きいか否かを判定す
る。そして、HM よりHx の絶対値が小さいときのみス
テップS68でD/Aコンバータの制御を行う。
【0155】ここで、Hx 、HY のHPF演算は、上述
したステップS58によって行われるので、ステップS
54を“YES”で抜ける以前は、ステップS67では
|Hx |は0であるため、必ず“YES”で抜けること
になり、ステップS68に於いて、DAx の制御が行わ
れることになる。尚、ここでDAx の制御は、図13の
フローチャートのステップS14〜S24と同様の処理
がなされる。更に、この制御は、同時に上述した例と同
様に、D/Aデータの修正とA/Dデータの修正の両方
を行う。
【0156】このように、HPF演算結果の値により、
D/Aコンバータの制御を抑制する理由は、衝撃等で急
激に振動が大きくなった場合に、無用な基準電圧の変更
を避け、またHPFの入力信号を±均等に発生させ、H
PF演算時のオフセットの発生を防止するためである。
【0157】同様に、y軸についてもステップS69で
処理される。すなわち、y軸のHPF演算結果Hy の絶
対値が、HPFのデータの上限を設定するデータである
Mより大きいか否かを判定する。そして、HM よりHy
の絶対値が小さいときのみステップS70でD/Aコ
ンバータの制御を行う。
【0158】x軸、y軸それぞれのD/Aコンバータの
制御が終了した後、ステップS71及びS72にて、次
回のHPF演算の前回のA/D変換データのために、A
Dデータx0 、y0 を、それぞれx1 、y1 のレジスタ
に転写する。
【0159】次に、ミラーアップの完了を判定し、ミラ
ーアップが完了していなければステップS52へ戻る。
ミラーアップが完了していれば、続いてステップS74
で絞り駆動の完了を判定する。そして、ここで絞り駆動
が完了していなければステップS52へ戻る。
【0160】上記ステップS73及びS74にて、ミラ
ーアップと絞りの駆動が完了していた場合、ステップS
75で、ループカウンタCL を1だけインクリメント
し、ステップS52へ戻って上述した動作を継続する。
【0161】このように、露光ルーチンの中で、ループ
カウンタCL の値に基いて、適時、必要な動作を行うこ
とで、センサの起動時の不安定な出力による影響を受け
ずに、正確に振動信号を検出し、カメラの撮影画像の手
ぶれによる劣化を防止することができる。
【0162】上述した第7の実施例では、セカンドレリ
ーズ操作の検出後に、露光ルーチンの中で、センサやア
ンプに電源を供給したが、図16及び図17に示される
ようなフローチャートで行ってもよい。
【0163】すなわち、図16に於いて、ファーストレ
リーズの検出(ステップS83)後に、ピント調整を行
いながら、割込み処理によりD/Aコンバータ21の制
御を行う(ステップS84)ピント調整Bルーチンと、
図15で説明した露光ルーチン(ステップS86)か
ら、センサとアンプへの電源投入を無くした露光Bのル
ーチンを構成することもできる。尚、図16のフローチ
ャート中のステップS81、S82、S85、S87及
びS88の処理については、上述した図14のフローチ
ャートのステップS31、S32、S35、S37及び
S38と同じであるので、説明は省略する。
【0164】また、図17のピント調整Bのルーチンに
ついては、センサ、アンプの電源を投入し(ステップS
91)、D/A制御の割込み設定がなされた後(ステッ
プS92)、測距を行う(ステップS93)。ここで検
出したピントずれとピントの許容値とを比較し(ステッ
プS94)、許容値の外であればフォーカス群の駆動量
を演算して(ステップS95)、フォーカス群を駆動す
る(ステップS96)。一方、ピントずれがピント許容
値内であれば、割込みを禁止した後(ステップS9
7)、リターンする。
【0165】このルーチン中、ステップS92で許可さ
れる割込み処理に於いては、図15のフローチャート中
のステップS67〜S70がなされ、また図13のフロ
ーチャート中のステップS14〜S24がなされる。
【0166】このようにすることで、センサの立上がり
の安定時間をピント合わせ中に設定できるので、露光ル
ーチンの中での露光開始までの時間を短く設定すること
が可能になる。
【0167】また、センサやアンプへの給電を、パワー
スイッチ等の各種操作スイッチの操作に応じて行っても
良い。このような構成を取ることにより、ファーストレ
リーズから直ちにセカンドレリーズに移行しても、速や
かに安定した振動信号を得ることができる。
【0168】更に、上述した実施例に於いては、センサ
の安定の判定として、頻度が所定値以下か経過時間に基
いて判定していたが、これに限られるものではない。例
えば、振動検出センサ部と差動増幅部と基準電圧制御部
への少なくとも1つの給電の後、前回の安定したときの
基準電圧と同一の基準電圧になった場合にセンサが安定
していると判定しても良い。
【0169】尚、この発明の上記実施態様によれば、以
下の如き構成が得られる。 (1)振動を検出する振動検出センサ手段と、基準電圧
を出力する基準電圧出力手段と、上記振動検出センサ手
段の出力と上記基準電圧出力手段からの基準電圧とを差
動増幅する差動増幅手段と、この差動増幅手段の出力に
応じて上記基準電圧出力手段による基準電圧を所定値毎
に上昇或いは下降させる基準電圧制御手段と、上記差動
増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段による上記基
準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手段とを具
備したことを特徴とする振動検出装置。
【0170】(2)振動を検出する振動検出センサ手段
と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、上記振動
検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基
準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、この差動増幅
手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる基準電圧制御手段
と、上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段
による上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補
正手段と、この振動信号補正手段からの差動信号出力の
出力初期値と出力タイミングとを指示する振動信号出力
指示手段とを具備したことを特徴とする振動検出装置。
【0171】(3)振動を検出する振動検出センサ手段
と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、上記振動
検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基
準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、この差動増幅
手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる基準電圧制御手段
と、上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段
による上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補
正手段と、この振動信号補正手段の出力を基に、ハイパ
スフィルタ演算処理により緩やかなドリフトによる信号
の変化を除去するハイパスフィルタ演算手段とを具備し
たことを特徴とする振動検出装置。
【0172】(4)振動を検出する振動検出センサ手段
と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、上記振動
検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基
準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、この差動増幅
手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段による基準電
圧を所定値毎に上昇或いは下降させる基準電圧制御手段
と、上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段
による上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補
正手段と、この振動信号補正手段の出力を基にハイパス
フィルタ演算処理するハイパスフィルタ演算手段と、こ
のハイパスフィルタ演算手段或いは上記振動信号補正手
段からの差動信号出力の出力初期値と出力タイミングと
を指示する振動信号出力指示手段とを具備することを特
徴とする振動検出装置。
【0173】(5)振動を検出する振動検出センサ手段
と、基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、上記振動
検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの基
準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、この差動増幅
手段の出力をデジタル信号化するA/Dコンバータ手段
と、上記差動増幅手段若しくは上記A/Dコンバータの
少なくとも一方の出力に応じて上記基準電圧出力手段に
よる基準電圧を所定値毎に上昇或いは下降させる基準電
圧制御手段と、上記A/Dコンバータ手段の出力を、上
記基準電圧制御手段による上記基準電圧の変更に応じて
補正する振動信号補正手段と、この振動信号補正手段の
出力を基にハイパスフィルタ演算処理するハイパスフィ
ルタ演算手段と、このハイパスフィルタ演算手段或いは
上記振動信号補正手段からの差動信号出力の出力初期値
と出力タイミングとを指示する振動信号出力指示手段と
を具備したことを特徴とする振動検出装置。
【0174】(6)上記(1)乃至(5)に記載の振動
検出装置を有する撮影装置。 (7)上記(1)乃至(5)に記載の振動検出装置を利
用した手ぶれによる画像の劣化を改善する手段を有する
撮影装置。
【0175】(8)上記(1)乃至(5)に記載の振動
検出装置を利用した手ぶれによる画像の劣化を改善する
手段を有するスチル画像撮影装置。 (9)上記振動検出センサ手段は振動ジャイロから成る
角速度検出手段から振動を検出する上記(1)乃至
(5)に記載の振動検出装置。
【0176】(10)上記振動検出センサ手段は加速度
を検出する上記(1)乃至(5)に記載の振動検出装
置。 (11)上記振動信号出力指示手段は、振動検出センサ
手段と差動増幅手段と基準電圧出力手段と基準電圧制御
手段への少なくとも一つの給電の開始時点からの経過時
間の計時結果により振動出力指示信号を出力することを
特徴とする上記(2)、(4)、(5)に記載の振動検
出装置。
【0177】(12)上記振動信号出力指示手段は、振
動検出センサ手段と差動増幅手段と基準電圧出力手段と
基準電圧制御手段への少なくとも一つの給電後、基準電
圧の変更の頻度が所定の頻度以下になった場合に振動信
号出力指示信号を出力することを特徴とする上記
(2)、(4)、(5)に記載の振動検出装置。
【0178】(13)上記振動信号出力指示手段は、振
動検出センサ手段と差動増幅手段と基準電圧出力手段と
基準電圧制御手段への少なくとも一つの給電の後、前回
の安定した時の基準電圧と同一の基準電圧に基準電圧出
力手段の出力が達した場合に、振動信号出力指示信号を
出力することを特徴とする上記(2)、(4)、(5)
に記載の振動検出装置。
【0179】(14)撮影のための撮影者による操作に
応じて、振動検出センサ手段と差動増幅手段と基準電圧
出力手段と基準電圧制御手段への少なくとも1つに給電
することを特徴とする上記(6)、(7)、(8)に記
載の撮影装置。
【0180】(15)レリ―ズ操作の半押しによるファ
―ストレリ―ズ操作に応じて、振動検出センサ手段と差
動増幅手段と基準電圧出力手段と基準電圧制御手段への
少なくとも1つに給電することを特徴とする上記
(6)、(7)、(8)に記載の撮影装置。
【0181】(16)レリ―ズ操作の全押しによるセカ
ンドレリ―ズ操作に応じて、振動検出センサ手段と差動
増幅手段と基準電圧出力手段と基準電圧制御手段への少
なくとも1つに給電することを特徴とする上記(6)、
(7)、(8)に記載の撮影装置。
【0182】(17)振動を検出する振動検出センサ手
段と、基準信号を出力する基準信号出力手段と、上記振
動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段からの
基準信号との差を演算する差演算手段と、上記差演算手
段の出力に応じて上記基準信号出力手段による基準信号
を変更する基準信号制御手段と、上記差演算手段の出力
を、上記基準信号制御手段による上記基準信号の変更に
応じて補正する振動信号補正手段とを具備したことを特
徴とする振動検出装置。
【0183】(18)上記振動検出センサ手段の出力が
安定するタイミングでもって、上記振動信号補正手段か
らの出力を許可する出力許可手段を有する上記(17)
に記載の振動検出装置。
【0184】(19)上記振動信号補正手段からの出力
をハイパスフィルタ演算を施すハイパスフィルタ演算手
段を有する上記(17)、(18)に記載の振動検出装
置。 (20)上記差演算手段の出力をデジタル信号化するA
/Dコンバータ手段を有する上記(17)乃至(19)
に記載の振動検出装置。
【0185】(21)上記振動検出装置を組込み、上記
振動信号に基いて手ぶれの影響を除去した撮影装置。 上記(1)、(17)の実施態様によれば、振動検出セ
ンサの出力にドリフト成分が含まれる場合でも、有効に
振動信号を検出することができる。また、上記(2)の
実施態様によれば、起動不安定時の影響を受けず、且つ
センサ信号が飽和することがない。上記(3)の実施態
様によれば、HPF処理で振動信号を検出することがで
きる。上記(4)の実施態様によれば、起動不安定時の
影響を受けず、且つセンサ信号が飽和することがないと
共に、HPF処理で振動信号を検出することができる。
上記(5)の実施態様によれば、振動信号出力指示信号
に従いHPF演算データを初期値に設定することで、振
動検出センサの起動時の不安定なセンサ出力の影響を受
けず、必要な有効な振動成分を失わずに、オフセット成
分のみを除去することができる。上記(6)乃至(8)
の実施態様によれば、上記振動検出装置を組込んだ撮影
装置を提供できるので、ドリフト成分の影響を受けない
撮影装置となる。上記(11)の実施態様によれば、セ
ンサの起動時の不安定時間は略一定であり、この時間の
経過後に振動信号を出力させるので、センサ安定時の信
号を簡単な構成で得ることができる。上記(12)の実
施態様によれば、基準電圧の変更の頻度が減少したこ
と、すなわちセンサ安定となったことを検出してから振
動信号を出力させることができるので、センサ安定時の
信号を簡単な構成で得ることができる。上記(13)の
実施態様によれば、前回の条件でセンサの安定を検出し
ているので、簡単な構成で、安定時の振動信号を出力さ
せることができる。上記(14)の実施態様によれば、
撮影に先立って給電動作が行われるので、撮影時にはセ
ンサ出力が安定状態となり、速やかに防振動作を行うこ
とができる。上記(15)の実施態様によれば、比較的
速やかにセンサ出力が安定状態となると共に、電源の消
耗を小さくすることができる。上記(16)の実施態様
によれば、撮影時に給電動作が行われるので、電源の消
耗を最小限とすることができる。上記(18)の実施態
様によれば、安定した振動信号を得ることができる。上
記(19)の実施態様によれば、緩やかなドリフトの影
響を除去することができる。上記(20)の実施態様に
よれば、デジタル信号に基いて制御できるので、コンピ
ュータの処理が容易となる。上記(21)の実施態様に
よれば、安定した振動信号に基いて手ぶれの影響を除去
できる。
【0186】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、従来の
振動測定装置にあった、(1)センサのドリフトの発生
で処理回路の処理可能電圧範囲を越える、(2)センサ
のドリフトをHPFで除去する際の安定化までの時間が
長い、(3)時定数制御のためのHPFの回路構成が複
雑になる、(4)デジタル処理のためのヌル電圧の調節
が必要である、(5)増幅回路のオフセット、ドリフト
成分の発生という課題を解決して、正確で高速高安定の
振動検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例として第1の基本的構
成を示したブロック図である。
【図2】この発明の第2の実施例として第2の基本的構
成を示したブロック図である。
【図3】この発明の第3の実施例として第3の基本的構
成を示したブロック図である。
【図4】この発明の第4の実施例で第4の基本的構成を
示したブロック図である。
【図5】この発明の第5の実施例で第5の基本的構成を
示したブロック図である。
【図6】振動検出センサ部11の構成例を示すもので、
(a)は加速度センサ、(b)は角速度センサ、(c)
は振動ジャイロ型角速度センサを示した図である。
【図7】基準電圧制御部13及びその周辺部の構成の一
例を示した図である。
【図8】基準電圧制御部13及びその周辺部の構成の他
の例を示した図である。
【図9】基準電圧制御部13及びその周辺部の構成の更
に他の例を示した図である。
【図10】この発明の第1の構成例を用いた場合の、セ
ンサの信号、基準電圧、振動信号について説明する図で
ある。
【図11】HPF演算部17の構成例を示した図であ
る。
【図12】この発明の第6の実施例に従った振動検出装
置の主要部分のブロック図である。
【図13】図12に示された振動検出装置の動作を説明
するフローチャートである。
【図14】カメラの基本的な動作の概略を説明するフロ
ーチャートである。
【図15】露光ルーチンでの動作を説明するフローチャ
ートである。
【図16】カメラの基本的な動作の概略の他の例を説明
するフローチャートである。
【図17】図16のピント調整Bについての動作を説明
するフローチャートである。
【図18】従来の振動検出センサである振動ジャイロ型
角速度センサの起動時の信号の経時変化を示した図であ
る。
【図19】振動ジャイロ型角速度センサの長時間経過す
る場合の信号の経時変化を示した図である。
【図20】従来の典型的な振動ジャイロ型角速度センサ
による振動検出の一例を示したブロック図である。
【図21】図20の装置による構成の振動信号の起動か
らの推移を示した図である。
【図22】従来の時定数の異なるHPF付の積分器を複
数使用したセンサの出力の起動前と起動後の値を示した
図である。
【符号の説明】
11…振動検出センサ部、11a…加速度センサ、11
b…角速度センサ、11c…振動ジャイロ型角速度セン
サ、12…差動増幅部、13…基準電圧制御部、14…
基準電圧出力部、15…振動信号補正部、16…振動信
号出力指示部、17…HPF演算部、18…A/Dコン
バータ、19…振動ジャイロ型角速度センサ、20…オ
ペアンプ、21…D/Aコンバータ、22…A/Dコン
バータ、23…CPU、24…振動信号補正部、25…
基準電圧制御部、26…HPF演算部、27…シーケン
ス制御部、28…振動信号出力指示部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を検出する振動検出センサ手段と、 基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、 上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段
    からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
    による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、 上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段によ
    る上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手
    段とを具備したことを特徴とする振動検出装置。
  2. 【請求項2】 振動を検出する振動検出センサ手段と、 基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、 上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段
    からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
    による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、 上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段によ
    る上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手
    段と、 この振動信号補正手段からの差動信号出力初期値と出力
    タイミングとを指示する振動信号出力指示手段とを具備
    したことを特徴とする振動検出装置。
  3. 【請求項3】 振動を検出する振動検出センサ手段と、 基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、 上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段
    からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
    による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、 上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段によ
    る上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手
    段と、 この振動信号補正手段の出力を基に、ハイパスフィルタ
    演算処理により緩やかなドリフトによる信号の変化を除
    去するハイパスフィルタ演算手段とを具備したことを特
    徴とする振動検出装置。
  4. 【請求項4】 振動を検出する振動検出センサ手段と、 基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、 上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段
    からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力に応じて上記基準電圧出力手段
    による基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、 上記差動増幅手段の出力を、上記基準電圧制御手段によ
    る上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信号補正手
    段と、 この振動信号補正手段の出力を基にハイパスフィルタ演
    算処理するハイパスフィルタ演算手段と、 このハイパスフィルタ演算手段若しくは上記振動信号補
    正手段からの差動信号出力の出力初期値と出力タイミン
    グとを指示する振動信号出力指示手段とを具備したこと
    を特徴とする振動検出装置。
  5. 【請求項5】 振動を検出する振動検出センサ手段と、 基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、 上記振動検出センサ手段の出力と上記基準電圧出力手段
    からの基準電圧とを差動増幅する差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力をデジタル信号化するA/Dコ
    ンバータ手段と、 上記差動増幅手段若しくは上記A/Dコンバータの少な
    くとも一方の出力に応じて上記基準電圧出力手段による
    基準電圧を変更する基準電圧制御手段と、 上記A/Dコンバータ手段の出力を、上記基準電圧制御
    手段による上記基準電圧の変更に応じて補正する振動信
    号補正手段と、 この振動信号補正手段の出力を基にハイパスフィルタ演
    算処理するハイパスフィルタ演算手段と、 このハイパスフィルタ演算手段若しくは上記振動信号補
    正手段からの差動信号出力の出力初期値と出力タイミン
    グとを指示する振動信号出力指示手段とを具備したこと
    を特徴とする振動検出装置。
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Cited By (12)

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