JP2006154014A - 手振れ補正装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で角速度検出手段から出力される角速度信号のドリフト成分にかかわらず、適正な振れ補正を可能とする。
【解決手段】 フィルタ回路72は、入力信号として入力される角速度信号から基準値を差し引いて出力する。正負判定部78は、入力信号と基準信号の差分から出力信号の正負を判定し、正負反転制御部80は、この判定結果に基づいて定数値を加算するか減算するかを設定し、この設定に基づいて入力信号を設定値によって加減算されることにより基準値が設定される。これにより、入力信号から的確にドリフト成分を抽出した出力信号が得られるようにすることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮影画像に応じた画像データを得る撮像装置に係り、詳細には、手振れによる撮影画像のぶれを防止する手振れ補正装置及び撮像装置に関する。
デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどは勿論、銀塩写真カメラなどにおいても、所謂手振れによる撮影画像のブレを補正する手振れ補正機能を備えたものがある。
このような手振れによる撮影画像のぶれを解消するものとして、撮像素子上に結像された画像の相関を用いて撮像素子からのデータ(画像データ)の読出し位置やメモリ上に展開した画像の読出し位置を制御する電子式ぶれ補正がある。
また、手振れ補正には、装置本体の加速度、角加速度、角速度などを検出するセンサ(例えばジャイロセンサ)を用い、このセンサの出力信号に基づいて、レンズの中玉を、光軸と直交する方向に沿ってシフトし、レンズ内で入射光の傾きをかえることで光軸ズレを補正することで手振れによる光軸の傾きを相殺するように制御する光学式ぶれ補正がある。
ところで、光学式ぶれ補正は、装置全体の回転により発生する振れを角速度センサにより所定のサンプリング間隔で回転速度の時系列情報として検出し、これを累積積算(順次加算)することで、サンプリング周期を時間単位とする積分を行って補正角情報を得るようにしている。また、この積算値を、レンズ位置を指定する情報として駆動回路へ送ることにより、駆動回路が、この積算値に基づいて所定のレンズを移動することにより撮像素子に結像される被写体像の振れ、すなわち、結像位置の変化の発生を抑えるようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
一方、振れ検出に使用する角速度センサは、振動物体の捩れ力を検知する方式が用いられており、このために検出感度が低く、回転速度の時系列情報として抽出するときに、増幅する必要がある。このために、温度特性などによりDCのドリフトやノイズなどの影響を受けて出力変動が生じ易く、このために、振れ補正装置が誤動作しやすくなってしまっている。
図15(A)には、角度センサ200A、200Bを用いた一般的な出力回路202を示しており、この出力回路202では、大きな容量のコンデンサ204を用いたHPF206を形成し、角速度センサ200A、200Bの直流成分を遮断して、増幅回路208側で所定のバイアス電圧を与えることにより、ドリフトや直流成分により誤差の発生を抑えた信号(PITCH信号、YAW信号)を出力するようにしている。
一方、振れの周波数成分には、1Hz前後の低周波数成分も含まれており、HPF206によって直流成分除去を大きくすると、低周波数の手振れ成分を減衰させてしまうことになり、十分な手振れ補正効果を得ることができなくなってしまう。
これを防止するためには、HPF206での時定数を長く(例えば10sec以上)する必要があるが、これを行うとドリフト軽減の効果が低下してしまう。すなわち、角速度センサの出力回路側で低周波数の的確な振れ検出とドリフト軽減を両立させることが困難となっている。
これを解決する方法として、HPFの時定数を10sec以上として、センサ出力(出力回路の出力)をA/D変換、サンプリングすることにより得られる数値データに対して、長周期の巡回フィルタを用いて、入力変動に追従する基準値を求め、この基準値を入力信号から減算することにより、ドリフト軽減を図るようにしている。
図15(B)は、一般的な巡回フィルタ210の概略構成を示しており、この巡回フィルタ210では、レジスタ212の伝達係数をn、入力信号をSin、出力信号(基準値)Soutとしたときに、基準値Soutを、
Sout=Sin×(1−n)+Sout×n
として、入力信号Sinから基準値Soutとしてドリフト成分を抽出するようにしている。
しかしながら、このような巡回フィルタを用いたドリフト追従は、入力信号に対して高域通過制限(LPF)特性となってしまう。このために、高周波数の振れに対しては、補正値が減衰してしまう。また、高周波成分が減衰した検出信号は、巡回フィルタの出力である基準値とは逆に周波数が高くなるほど振幅の大きくなるHPF特性を持つことになってしまう。
これにより、検出値を積分して得る補正値のレベルが、周波数によって異なってしまい、特定の周波数の振動に対してしか最適な補正レベルが得られなくなってしまうという問題がある。
特開昭63−8628号公報 特開平8−101418号公報
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、周波数にかかわらず略一定の特性が得られると共に、ドリフトの確実な低減を図り高精度の振れ補正が可能となる手振れ補正装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置に設けられる手振れ補正装置であって、前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、前記積分演算手段から出力される積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、前記角速度検出手段によって検出される前記角速度信号から基準値を抽出し、角速度信号と該基準値の差分を補正した角速度信号として前記積分演算手段に出力するときに、角速度検出手段から入力される角速度信号と基準値の比較結果に基づいて予め設定した定数値を加算又は減算した角速度信号から基準値を抽出するフィルタ処理部と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、角速度検出手段から出力される角速度信号から基準値を差し引くことにより補正した角速度信号を出力する。このときに予め定数値を設定しておき、補正した角速度信号の正負を判断し、この判断結果に基づいて、基準値に定数値を加減算することにより、基準値を更新する。
このように更新した基準値を用いることにより、入力される角速度信号から直流成分を的確に抽出した角速度信号を得ることができる。
この角速度信号を用いることにより、適正な振れ補正が可能となり、撮影画像にぶれが生じてしまうのを的確に抑えることができる。
このような本発明においては、前記フィルタ処理部が、前記角速度信号のレベルが前記基準値のレベルよりも大きいときに前記定数値を角速度信号に加算し、前記角速度信号のレベルが前記基準値のレベルよりも小さいときに前記定数値を角速度信号から減算するものであれば良い。
また、本発明の手振れ補正装置は、筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置に設けられる手振れ補正装置であって、前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、前記積分演算手段から出力される積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、前記制御値設定手段に設けられて、前記積分演算手段から出力される前記積分値の正負の符号に応じて、該積分値に予め設定している定数値を加算又は減算することにより、前記制御値の設定に用いる積分値を補正する積分値フィルタ処理部と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、角速度検出手段から出力される角速度信号を積分処理することにより得られる積分値(積算値)から、レンズ駆動手段で用いる制御値を設定するときに、積分値から基準値を差し引く。このときに予め定数値を設定しておき、基準値が差し引かれた積分値の正負を判断し、この判断結果に基づいて、基準値に定数値を加減算することにより、基準値を更新する。
このように更新した基準値を用いることにより、積分処理によって得られた積分値から、角速度信号中の直流成分を的確に抽出した積分値を得ることができると共に、高周波数においても積分値を収束させてしまうのを防止することができる。
したがって、角速度検出手段の検出結果に基づいた適正な振れ補正が可能となり、撮影画像にぶれが生じてしまうのを的確に抑えることができる。
このような本発明においては、前記積分値フィルタ処理部が、前記積分値が正であるときに該積分値から前記定数値を減算し、前記積分値が負であるときに該積分値に前記定数値を加算するものであれば良い。
本発明が適用される撮像装置は、筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置であって、前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段によって検出される前記角速度信号から基準値を抽出し、角速度信号と該基準値の差分を補正した角速度信号として出力するときに、角速度検出手段から入力される角速度信号と基準値の比較結果に基づいて予め設定した定数値を加算又は減算した角速度信号から基準値を抽出するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部によって補正された前記角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより前記振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、前記積分演算手段から出力される前記積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、を含むものであれば良い。
また、本発明が適用される撮像装置は、筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置であって、前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、前記積分演算手段から出力される前記積分値の正負の符号に応じて、該積分値に予め設定している定数値を加算又は減算することにより、積分値を補正する積分値フィルタ処理部と、前記積分値フィルタ処理部によって補正された前記積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、を含むものであれば良い。
以上説明したように本発明によれば、角速度検出手段から出力する角速度信号から、簡単な処理でドリフト成分を的確に抽出して、正確な手振れ補正が可能となるようにすることができる。
これにより、撮像装置によって撮影される撮影画像にぶれ等が生じてしまうのを確実に防止して、高品質の撮影画像がえられるようにすることができるという優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1には、本実施の形態に撮像装置として適用したデジタルスチルカメラ(以下、デジタルカメラとする)10の外観の概略構成を示している。
このデジタルカメラ10には、被写体像を結像させるためのレンズ12、撮影する被写体の構図を決定するためのファインダ14、撮影時に押下されるレリーズボタン(所謂シャッターボタン)16、電源スイッチ18などを備えている。なお、デジタルカメラ10では、レリーズボタン16が、中間位置まで押下される半押し状態と、中間位置を越えて最終位置まで押下される全押し状態と、の2段階の押下操作が可能となっている。
デジタルカメラ10の背面には、撮影によって得られたデジタル画像データに応じた被写体像や各種のメニュー画面、メッセージ等の表示に用いる液晶ディスプレイ(以下、LCDとする)20と共に、撮影モード及び撮影モード時のモード(静止画モードと動画モード)に設定するときに操作される撮影スイッチ22、撮影画像をLCD20に表示する再生モードに設定するときに操作される再生スイッチ24、LCD20にメニュー画面を表示したときに操作される十字カーソルボタン26、撮影時に被写体像のズーミング(拡大及び縮小)を行うときに操作されるズームボタン28などが設けられている。
さらに、デジタルカメラ10の底面には、外部装置とUSB(Universal Serial Bus)などの所定のインターフェイス規格で接続可能とするレセプタクル30が設けられている。なお、デジタルカメラ10としては、セルフタイマ機能を用いて画像撮影を行うときの撮影タイミングの到来を点滅間隔によって報知するセルフタイマLED34などが設けられていてもよく、外部から作動用の電力を供給可能とするためのDC端子36などが設けられていてもよい。
このデジタルカメラ10は、静止画モード(静止画撮影モード)に設定されているときに、レリーズボタン16を半押し状態とすることにより、AE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて、シャッタースピード、絞り状態などの露出状態が設定され、この後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御される。また、デジタルカメラ10は、レリーズボタン16の半押し状態から、続いて全押し状態とすることにより画像露光(画像撮影)が行われる。
また、デジタルカメラ10は、動画モード(動画撮影モード)が設定されているときに、レリーズボタン16を全押し状態とすることにより動画撮影が開始され、全押し状態から半押し状態に戻した後、さらに全押し状態とすることにより動画撮影が停止される。なお、自導露出機能や合焦制御等は、従来公知の手法が適用可能であり、本実施の形態では詳細な説明を省略する。また、本発明が適用される撮像装置の動作はこれに限るものではない。
図2には、デジタルカメラ10の要部の概略構成を示している。デジタルカメラ10には、筐体38(図1参照)内に被写体からの光を集光するレンズ12と共に、CCD、CMOSイメージセンサなどを用いた撮像素子40が設けられている。
レンズ12は、例えば、固定レンズ12A、変倍を行うズームレンズ12B及び、変倍に伴う焦点面の移動補正と共に焦点調節機能を備えたフォーカスレンズ12Cなどを含んで形成されている。なお、図2では、図示しない絞りないしシャッター等の図示を省略している。
これにより、デジタルカメラ10では、固定レンズ12Aによって集光された光によって撮像素子40上に被写体像が結像され、撮像素子40から、画素ごとの受光量に応じた電気信号(アナログ画像信号)が出力される。
また、デジタルカメラ10には、増幅部42が設けられている。増幅部42は、撮像素子40から出力されるアナログ信号を増幅する。
さらに、デジタルカメラ10は、図示しないCPU、ROM、RAM、データバス、システムバスなどを含むマイクロコンピュータを備えた画像処理システムICなどを用いて信号処理部44が形成されている。
この信号処理部44では、増幅部42から入力されるアナログ信号に対して、A/D変換を行うことにより撮影画像(被写体像)に応じたデジタル画像データを生成する。このとき、信号処理部44では、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の信号を例えば12ビットのR、G、B信号に変換する。
また、信号処理部44では、A/D変換されて生成された画像データに対して光源種に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、γ処理、シャープネス処理等を行って例えば8ビットの画像データを生成する。さらに、信号処理部44では、画像データに対してYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(YC信号)を生成する。
このYC信号は、図示しない画像バッファに格納され、LCD20に画像を表示するときには、このYC信号を用いることができ、これにより、LCD20にスルー画像の表示が可能となっている。
ここで、静止画の撮影が設定され、レリーズボタン16が押下(全押し)されたときには、このYC信号が信号処理部44でJPEGなどの所定の圧縮形式で圧縮処理され、撮影画像の画像ファイルとして出力される。
信号処理部44から出力される画像ファイルは、デジタルカメラ10に装着されている記録メディア(例えば、スマートメディア、ICカード、CD−R、CD−RWなど)に記録される。また、信号処理部44から出力される画像ファイルや、記録メディアに記録された画像ファイルは、レセプタクル30を介して、パーソナルコンピュータ(PC)や、TVなどへ出力可能となっている。
また、動画撮影が設定されているときには、レリーズボタン16が全押しされることにより動画撮影を開始し、レリーズボタン16が半押し状態に戻された後、全押しされるまでの期間、すなわち、動画の撮影を行っている期間において、所定の時間ごと(例えば、1/30secごとなどの予め設定されている時間)に図示しない画像バッファに格納されているYC信号が、所定形式(例えば、Motion JPEG形式など)で圧縮処理され、動画像の画像ファイルとして出力される。
このように構成されているデジタルカメラ10では、電源スイッチ18のオン操作及び撮影スイッチ22が操作されることにより、レンズ12によって被写体が撮像素子40上に結像される。
撮像素子40は、結像された被写体像に応じたデータを出力する。このデータは、増幅処理された後に、A/D変換されることにより、画像データとして信号処理部44に読み込まれる。
信号処理部44では、この画像データに対して所定の処理を施すことにより、LCD20に表示可能となる。また、レリーズボタン16が操作されて画像撮影が行われることにより、撮影画像の画像ファイルが信号処理部44から出力される。
ところで、デジタルカメラ10では、手振れなどによって筐体38に振動が生じると、被写体に対するレンズ12の光軸に傾きが生じ、撮像素子40上に結像される被写体像の位置にズレが生じる。このようなズレは、撮影画像のぶれとなって撮影画像の品質低下を生じさせてしまう。
このような撮影画像のぶれを防止するために、デジタルカメラ10には、光学式で手振れ補正を行う振れ補正機能を備えている。ここで、第1及び第2の実施の形態として、デジタルカメラ10に設ける振れ補正機能を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図2に示すように、デジタルカメラ10には、振れ補正モジュール50が設けられている。この振れ補正モジュール50は、筐体38(図1参照)が振れるときの角速度を検出する角速度検出手段として設けられているジャイロセンサ52を備えている。
また、振れ補正モジュール50には、補正演算部54、レンズ駆動回路56が設けられ、レンズ12には、レンズ駆動回路56によってレンズ12の光軸と直交する二方向(例えば、光軸と水平にしたときには、垂直方向と垂直方向及び光軸のそれぞれと直交する水平方向、以下では、説明を簡略化するために垂直方向及び水平方向をこの二方向とする)にシフトされるシフトレンズ58が設けられている。
図3には、第1の実施の形態に係る振れ補正モジュール50の要部の概略構成を示している。ジャイロセンサ52は、垂直角速度センサ52A及び水平角速度センサ52Bを備えており、垂直角速度センサ52A及び水平角速度センサ52Bは、デジタルカメラ10の水平方向の角速度、水平方向の角速度を検出し、検出した角速度に応じた信号を出力する。なお、角速度センサに換えて、加速度センサや角加速度センサ等を用いてもよい。
また、ジャイロセンサ52には、垂直角速度センサ52A、水平角速度センサ52Bのそれぞれから出力する信号から低域の周波数成分を減衰させるHPF60及び、HPF60を通過した信号を増幅する増幅回路(Amp)62が設けられており、これにより、ジャイロセンサ52は、直流成分を抑えた垂直方向及び水平方向に対する角速度信号を出力する。なお、ジャイロセンサ52は、角速度センサの検出信号に応じた角速度信号を出力可能であれば、これに限らず任意の構成を適用することができる。
一方、補正演算部54には、ジャイロセンサ52から入力される角速度信号をデジタル信号に変換するA/D変換器64と共に、図示しないマイクロコンピュータによって形成された積分演算部66及び制御電圧変換部68が設けられている。
積分演算部66は、予め設定されたサンプリング間隔でA/D変換器64から入力される角速度信号を時間積分する。これにより、光軸の角度に応じた積分値が得られるようにしている。
積分演算部66から出力される積分値は、制御電圧変換部68に入力される。この制御電圧変換部68では、積分値に基づいて制御電圧(制御値)を設定し、設定した制御値をレンズ駆動回路56へ出力する。
レンズ駆動回路56は、この制御値に応じて図示しないアクチュエータを駆動して、シフトレンズ58を垂直方向ないし水平方向へ移動する。
これにより、振れ補正モジュール50では、筐体38の振れにより発生するレンズ12の光軸の傾きを、シフトレンズ58の移動によって生じる光軸の傾きによって相殺することにより、撮像素子40に結像される被写体像に、位置ズレが生じないようにしている。
一方、ジャイロセンサ52から出力される角速度信号には、ノイズ成分と共に直流成分が含まれており、特に直流成分によって角速度センサ52A、52Bの出力信号が大きくドリフトされていることがあり、このドリフトによって適正な補正が困難となってしまうことがある。
すなわち、図4(A)に示すように、ジャイロセンサ52から出力される角速度信号にドリフトが生じていないときには、規定の中心値を中心とした所定範囲の振幅(図4では、角速度信号の振幅の上下限を二点鎖線で示す)の信号となっている。
これに対して、ジャイロセンサ52から出力する角速度信号にドリフト(例えば図4(B)で実線で示す信号)が含まれると、角速度信号の振幅の範囲が変化する。このときに、図4(C)に示すように、固定した中心値を基準にして角速度を積算し、積算結果に基づいて手振れ補正を行ってしまうと、大きな誤差を生じ、撮影画像のぶれを抑えることができなくなる。
すなわち、図5に示すように、本来の角速度信号(図5で二点鎖線で示す)に対して、角速度信号にドリフト成分(図5で破線で示す)が含まれることにより、実際にジャイロセンサ52から出力される角速度信号が、図5で実線で示すように、ドリフト成分によって実際の角速度と異なってしまうことになる。
これにより、ジャイロセンサ52から出力される角速度信号に基づいて手振れ補正を行うと、大きな誤差が生じ、さらに、撮影画像のぶれを増長させてしまうことがある。
このような誤差の発生を防止するためには、ドリフトに合わせて中心値(以下、基準値とする)を追従させることにより、図4(B)の角速度信号から、図4(A)の角速度信号を抽出して、角速度センサ52A、52Bの出力信号に応じた適正な手振れ補正が可能となる。
これを実行するために、図3に示すように、第1の実施の形態に適用した振れ補正モジュール50には、フィルタ処理部70が設けられている。このフィルタ処理部70は、ハードウェアによって構成してもよく、また、図示しないマイクロコンピュータで実行するソフトウェアで構成することもできる。
図6(A)には、フィルタ処理部70をハードウェアで構成するときに用いるときの一例とするフィルタ回路72を示している。
このフィルタ回路72には、所定の伝達係数nのレジスタ74が設けられており、このレジスタ74に、入力信号として角速度信号が入力されるようになっている。また、伝達係数nは、0<n<1の範囲としている。
また、フィルタ回路72には、減算器76が設けられており、入力信号からレジスタ74の出力信号の差分信号が検出出力として出力される。フィルタ回路72では、この検出出力が、補正した角速度信号となるようにしている。
フィルタ回路72には、正負判定部78、正負反転制御部80及び加算器82が設けられている。正負判定部78は、減算器76から出力される出力信号(出力信号値)が正であるか負であるかを判定し判定結果を正負反転制御部80へ出力する。
正負反転制御部80には、予めジャイロセンサ52ごとに設定しているフィルタ係数が定数値として入力されるようになっており、正負反転制御部80では、正負判定部78の判定結果に基づいて、定数値を反転させて加算器82へ出力する。
また、加算器82には、入力信号値が入力され、これにより、入力信号値に定数値が加算されて、レジスタ74に入力される。
正負反転制御部80では、正負判定部78で正と判定した信号が入力されることにより、定数値が、入力信号に加算されるようにし、負と判定されたときには、入力信号から定数値を差し引くように定数値の符号を反転させる。
すなわち、レジスタ74の出力値が入力信号値より小さいときには、入力信号値に定数値を加算した信号値をレジスタ74に入力し、レジスタ74の出力値が入力信号値より大きくなったときには、入力信号値から定数値を差し引いた信号がレジスタ74に入力されるようにしている。
これにより、フィルタ回路72では、レジスタ74の出力値が基準値となるようにし、入力信号値から基準値を差し引くことにより、出力信号値として、ドリフト補正を行った角速度信号値を出力するようにしている。
図6(B)には、フィルタ回路72に入力する入力信号例を示し、図6(C)には、図6(B)の入力信号に対する基準値の変化の概略を示している。
図6(B)及び図6(C)に示すように、フィルタ回路72では、入力信号が信号中点よりも大きいときには、基準値が所定の傾斜で徐々に大きく(増加)する。また、入力信号が信号中点よりも下がると、基準値が徐々に小さくなる(減少する)。このときの基準値は、定数値に応じた傾斜で変化する。
このような定数値は、デジタルカメラ10ごとに、ジャイロセンサ52から出力する角速度信号からドリフトを的確に除去するように試験を行って決定するようにしている。
なお、図7(A)には、一般的な手振れ補正に用いるフィルタ回路の一例とするフィルタ回路84を示している。このフィルタ回路84では、予め設定されたフィルタ係数αと(1−フィルタ係数)を用い、基準値と入力信号値の比較結果を用いずに、入力信号値に基準値を追従させるようにしている。また、図7(B)には、図6(B)と同じ入力信号例を示し、図6(C)に対応する図7(C)には、その入力信号に対する基準値の変化を示している。
ここで、図8(A)から図8(C)には、フィルタ回路72を用いた試験結果を示し、比較例として図9(A)から図9(C)には、フィルタ回路84を用いた同様の試験結果を示している。
なお、図8及び図9では、BASEで基準値を示し、SIGNALが入力信号、DETECTが出力信号を示しており、横軸が時間、縦軸が電圧となっている。また、図8(A)及び図9(A)が入力信号の周期を32msecとし、図8(B)及び図9(B)が入力信号の周期を64msecとし、図8(C)及び図9(C)が入力信号の周期を128msecとしている。
図9(A)から図9(C)に示すように、フィルタ回路84を用いた場合、基準値が入力信号に応じて周期的に変化していると共に、入力信号と基準値の間に位相のズレが生じている。このために、入力信号と出力信号の間に位相のズレが生じ、特に、図9(C)に示すように周期が長くなると、この位相のズレも大きくなる。
すなわち、フィルタ回路82においては、基準値に直流成分のみでなく入力信号の周期に応じた周波数成分も含んでおり、このために、入力信号から基準値を抽出していくと、入力信号と出力信号の誤差が大きくなってしまい、適正な振れ補正が困難となってしまうことになる。
これに対して、図8(A)から図8(C)に示すように、フィルタ回路72では、基準値の変化が少ない。
このために、フィルタ回路72を用いたときには、入力信号と出力信号の間に位相のズレが生じることがない。すなわち、ドリフト成分(直流成分)のみの抽出が可能となる。
したがって、ドリフト成分による入力信号のドリフトを抑えた出力信号を得ることが可能となり、ジャイロセンサ52から出力する角速度信号からドリフトを除去して、適正な手振れ補正を行うことが可能となる。
また、フィルタ回路72では、予め設定している定数値の加減算のみの簡単な構成で可能となる。
一方、ここまでは、フィルタ回路72を用いた例を説明したが、ソフトウェアによる処理を適用することができる。
図10には、このときの処理の流れを示している。このフローチャートは、例えば、デジタルカメラ10が撮影モードとなっているときに実行され、最初の初期設定を行う。
この初期設定では、ステップ100でジャイロセンサ92から出力する角速度信号(角速度信号値)を入力信号(入力信号値)として読込み、次のステップ102では、読み込んだ入力信号値から基準値の初期値を設定する。
この後、入力信号値から基準値を差し引いた値を出力信号値(出力信号)として出力する(ステップ104)。なお、この初期設定は省略して、予め設定している値を基準値としてもよい。
このようにして初期設定が行われると、所定のサンプリング間隔(手振れ補正の制御時間間隔)でステップ106以下を繰返し実行する。このステップ106では、ジャイロセンサ52から出力される入力信号値を読み込み、次のステップ108では、入力信号値と基準値とを比較して、入力信号値が基準値よりも大きいか否かを判断する。
ここで、入力信号が出力信号よりも大きいときには、ステップ108で肯定判定してステップ110へ移行し、予め設定している定数値を加算値に設定する。続いて、ステップ112では、設定した加算値を基準値に加算して、基準値を更新する。
この後に、ステップ114へ移行して、入力信号値から基準値を差し引くことにより、出力信号値を算出する。
また、入力信号値に対して、基準値が大きいときには、ステップ108で否定判定してステップ116へ移行する。このステップ116では、入力信号値が基準値よりも低いか否かを確認し、肯定判定されることにより、ステップ118へ移行する。
このステップ118では、定数値を減算値に設定し、次のステップ120では、基準値から定数値を減算することにより、基準値を更新する。
この後、ステップ114へ移行して、入力信号値と基準値から出力信号値を算出する。
さらに、入力信号値と基準信号値が同じときには、ステップ116で否定判定されてステップ114へ移行する。これにより、基準値が更新されず、この基準値を用いた出力信号値の演算を行う。
このような処理を行うことにより、入力信号からドリフト成分を的確に除去した出力信号を得ることができ、この出力信号を、ジャイロセンサ52で検出する角速度信号として用いることにより、シフトレンズ58を用いた最適な振れ補正を行うことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同じであり、第2の実施の形態において第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図11には、第2の実施の形態に適用した振れ補正モジュール50Aの概略構成を示している。
この振れ補正モジュール50Aは、補正演算部54AにA/D変換器64、積分処理部66及び制御電圧変換部68に加えて、積分処理部66と制御電圧変換部68の間にフィルタ処理部86を備えている。
フィルタ処理部86では、ジャイロセンサ52から出力される角速度信号を積分処理することにより得られる積分値から、角速度信号に含まれるドリフト成分を除去するようにしており、これにより、振れ補正モジュール50Aでは、ドリフト成分を含まない角速度信号に基づいた適正な振れ補正処理が可能となるようにしている。
図12(A)には、フィルタ処理部86に設けるフィルタ回路の一例とするフィルタ回路88を示している。フィルタ回路88は、レジスタ90、減算器92、加算器94と共に正負判定部78Aと正負反転制御部80Aを含んで形成されている。
このフィルタ回路88には、入力信号(入力信号値)として、積分処理部66で積分処理することにより得られる積分値である積算値(入力積算値)が入力されるようになっており、この積算値が、レジスタ90から出力される基準値が減算されて、シフトレンズ56の駆動するときの制御値(制御電圧)の設定に用いる積算値が出力される。
正負判定部78Aには、減算器92の出力信号値(出力積算値)が入力されるようになっており、フィルタ回路88から出力する出力積算値の符号を判定する。
一方、正負反転制御部80Aには、正負判定部78Aの判定結果に応じた信号と共に、加減算に用いる加減算定数として、予め設定されている定数値(補正定数値)が入力されるようになっている。
この正負反転制御部80Aでは、フィルタ回路88から出力する出力積算値が負であるときには、補正定数値を減算に用いるように設定し減算定数値として用いるように設定し、出力積算値が正であるときには、補正定数値を加算定数値として用いるように設定する。
正負反転制御部80Aで正負の符号が設定された補正定数は、基準値に加算又は減算されてレジスタ90に入力される。これにより、フィルタ回路88では、レジスタ90から出力する基準値が発散補正値となるようにしている(以下、発散補正値とする)。
レジスタ90の伝達係数n及び補正定数値は、予め試験等を行うことによりフィルタ回路88から出力される積算値の測定を行って、ジャイロセンサ52によって検出される角速度に対して、シフトレンズ58を適正に移動可能とする値が設定されている。
フィルタ回路88では、この補正定数値を用いて、レジスタ90から出力する基準値が発散補正値となるようにし、フィルタ回路88から出力する積算値が、高い周波数域で収束してしまうのを防止すると共に、ジャイロセンサ52から出力される角速度信号に含まれるドリフト成分が、シフトレンズ58の駆動するための制御値の設定に用いる積算値に現れることがないようにしている。
図12(B)には、フィルタ回路88に入力する入力信号例(入力積算値の変化例)を示し、図12(C)には、図12(B)の入力信号に対する発散補正値の変化の概略を示している。
図12(B)及び図12(C)に示すように、フィルタ回路88では、入力信号である入力積算値が信号中点よりも大きいときには、発散補正値が所定の傾斜で徐々に大きく(増加)する。また、入力信号が信号中点よりも下がると、発散補正値が徐々に小さくなる(減少する)。このときの発散補正値は、加減算定数値(補正定数)に応じた傾斜で変化する。
なお、図13(A)には、手振れ補正を行うときの積算値の発散を抑える一般的構成のフィルタ回路の一例とするフィルタ回路96を示している。このフィルタ回路96では、予め設定されたフィルタ係数を用い、レジスタ98から発散補正値を出力するようにしている。このときに、フィルタ回路96では、入力信号と発散補正値の比較結果を用いずに、入力信号に発散補正値を追従させるようにしている。また、図13(B)には、図12(B)と同じ入力信号例を示し、図12(C)に対応する図13(C)には、その入力信号に対する基準値(発散補正値)の変化を示している。
図12(B)、図12(C)と図13(B)、13(C)を比較することによりわかるように、フィルタ回路88を用いたときにも、前記した第1の実施の形態に適用したフィルタ回路72と同等の効果を得ることができる。したがって、角速度信号の積算値からドリフト成分を除去する振れ補正モジュール50Aにおいても、ジャイロセンサ52を用いた適正な手振れ補正が可能となる。
また、フィルタ処理部86においても、フィルタ回路88に換えてソフトウェアによる処理を適用することができる。
図14には、このときの処理の流れを示している。このフローチャートは、所定のサンプリング間隔(手振れ補正の制御時間間隔)で実行され、最初のステップ130では、積分処理部から入力される積分値である積算値を入力積算値として読込み、次のステップ132では、入力積算値が正であるか否かを判断する。
ここで、入力積算値が正であるときには、ステップ132で肯定判定してステップ134へ移行し、予め設定している補正定数を減算値に設定する。続いて、ステップ136では、設定した減算値を発散補正値に加算(発散補正値から補正定数を減算)することにより、発散補正値を更新する。
この後に、ステップ138へ移行して、入力積算値から発散補正値を差し引くことにより、出力積算値を算出する。
また、入力積算値が正でないときには、ステップ132で否定判定してステップ140へ移行し、入力積算値が負であるか否かを確認し、入力積算値が負であるときには、ステップ140で肯定判定してステップ142へ移行する。
このステップ142では、補正定数を加算値に設定し、次のステップ144では、発散補正値に補正定数を加算することにより発散補正値を更新する。
この後、ステップ138へ移行して、入力積算値と発散補正値から出力積算値を算出する。
さらに、入力積算値がゼロであるときには、ステップ132及びステップ140で否定判定されてステップ138へ移行する。これにより、発散補正値が更新されず、この発散補正値を用いた出力積算値の算出を行う。
このような処理を行うことにより、積分処理部66で演算された積算値が発散してしまうのを防止しながら、角速度信号からドリフト成分を的確に除去したのと同等の出力積算値を得ることができ、この出力積算値を用いることにより、シフトレンズ58を用いた最適な振れ補正を行うことができる。
なお、以上説明し本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)10を例に説明したが、本発明は光学式の手振れ補正機能を備えたものであれば、任意の構成のデジタルスチルカメラに適用することができる。
また、本発明は、デジタルスチルカメラに限らず、デジタルビデオカメラなどのレンズによって集光した光を撮像素子に結像することにより、被写体像に応じた画像データを生成する任意の構成の撮像装置に適用することができる。
本実施の形態に適用したデジタルカメラの概略外観図である。 デジタルカメラの要部の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に適用した振れ補正モージュールの概略構成図である。 (A)はドリフト成分を含まない角速度信号の振幅範囲の概略を示す線図、(B)はドリフト成分を含んだ角速度信号の振幅範囲の概略を示す線図、(C)はドリフト線分を考慮しないときの角速度信号の振幅範囲の概略を示す線図である。 ドリフト成分及びドリフト成分を含んだ角速度信号とドリフト成分を含まない角速度信号の概略を示す線図である。 (A)は第1の実施の形態に適用したフィルタ回路の概略構成図、(B)は入力信号の一例を示す線図、(C)は(B)の入力信号としたときの(A)に示すフィルタ回路での基準値の変化の概略を示す線図である。 (A)は図6(A)の比較例とするフィルタ回路の概略構成図、(B)は入力信号の一例を示す線図、(C)は(B)の入力信号としたときの(A)に示すフィルタ回路での基準値の変化の概略を示す線図である。 (A)から(C)は図7(A)のフィルタ回路を用いたときの測定結果を示す線図である。 (A)から(C)は図8(A)のフィルタ回路を用いたときの測定結果を示す線図である。 第1の実施の形態でフィルタ回路に換えて適用可能な処理の流れ図である。 第2の実施の形態に適用した振れ補正モジュールの概略構成図である。 (A)は第2の実施の形態に適用したフィルタ回路の概略構成図、(B)は入力信号の一例を示す線図、(C)は(B)の入力信号としたときの(A)に示すフィルタ回路での基準値の変化の概略を示す線図である。 (A)は図12(A)の比較例とするフィルタ回路の概略構成図、(B)は入力信号の一例を示す線図、(C)は(B)の入力信号としたときの(A)に示すフィルタ回路での基準値の変化の概略を示す線図である。 第2の実施の形態でフィルタ回路に換えて適用可能な処理の流れ図である。 (A)は一般的な出力回路を示す要部の概略配線図、(B)は一般的巡回フィルタの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 デジタルカメラ
12 レンズ
38 筐体
40 撮像素子
50、50A 振れ補正モジュール(手振れ補正装置)
52 ジャイロセンサ
52A、52B 角速度センサ
54、54A 補正演算部
56 レンズ駆動回路
58 シフトレンズ
64 A/D変換器
66 積分演算部
68 制御電圧変換部
70 フィルタ処理部
72 フィルタ回路
86 フィルタ処理部
88 フィルタ回路

Claims (6)

  1. 筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置に設けられる手振れ補正装置であって、
    前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、
    前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、
    前記積分演算手段から出力される積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、
    前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、
    前記角速度検出手段によって検出される前記角速度信号から基準値を抽出し、角速度信号と該基準値の差分を補正した角速度信号として前記積分演算手段に出力するときに、角速度検出手段から入力される角速度信号と基準値の比較結果に基づいて予め設定した定数値を加算又は減算した角速度信号から基準値を抽出するフィルタ処理部と、
    を含むことを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記フィルタ処理部が、
    前記角速度信号のレベルが前記基準値のレベルよりも大きいときに前記定数値を角速度信号に加算し、
    前記角速度信号のレベルが前記基準値のレベルよりも小さいときに前記定数値を角速度信号から減算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
  3. 筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置に設けられる手振れ補正装置であって、
    前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、
    前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、
    前記積分演算手段から出力される積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、
    前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、
    前記制御値設定手段に設けられて、前記積分演算手段から出力される前記積分値の正負の符号に応じて、該積分値に予め設定している定数値を加算又は減算することにより、前記制御値の設定に用いる積分値を補正する積分値フィルタ処理部と、
    を含むことを特徴とする手振れ補正装置。
  4. 前記積分値フィルタ処理部が、
    前記積分値が正であるときに該積分値から前記定数値を減算し、
    前記積分値が負であるときに該積分値に前記定数値を加算することを特徴とする請求項3に記載の手振れ補正装置。
  5. 筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置であって、
    前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、
    前記角速度検出手段によって検出される前記角速度信号から基準値を抽出し、角速度信号と該基準値の差分を補正した角速度信号として出力するときに、角速度検出手段から入力される角速度信号と基準値の比較結果に基づいて予め設定した定数値を加算又は減算した角速度信号から基準値を抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部によって補正された前記角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより前記振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、
    前記積分演算手段から出力される前記積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、
    前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、
    を含むことを特徴とする撮像装置。
  6. 筐体に収容したレンズを透過して撮像素子に結像された撮影画像に応じた画像データを出力する撮像装置であって、
    前記筐体に振れが生じたときの該振れによる角速度を検出する角速度検出手段と、
    前記角速度検出手段から出力される角速度信号を所定の時間間隔で時間積分することにより振れによる前記レンズの光軸の角度変化に応じた積分値を演算する積分演算手段と、
    前記積分演算手段から出力される前記積分値の正負の符号に応じて、該積分値に予め設定している定数値を加算又は減算することにより、積分値を補正する積分値フィルタ処理部と、
    前記積分値フィルタ処理部によって補正された前記積分値に基づいて前記振れによる前記レンズの光軸の傾きを相殺するのに必要な補正角を得るための制御値を設定する制御値設定手段と、
    前記制御値設定手段によって設定された前記制御値に基づいて前記レンズの光軸を傾けるように駆動するレンズ駆動手段と、
    を含むことを特徴とする撮像装置。
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