JP2008048270A - ブレ補正可能な撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイナミックレンジを確保しつつブレ補正時の演算誤差を小さくして適切なブレ補正を行うことができるブレ補正可能な撮影装置を提供すること。
【解決手段】撮影待機状態においては、ジャイロセンサ201において検出された角速度信号をADC203において角速度データに変換する際に、ADC203の角速度データが所定レンジに収まるようにオフセット量計算部204においてオフセット量を計算し、求めたオフセット量をオフセット除去回路205に出力する。オフセット除去回路205はジャイロセンサ201の出力をオフセットしてADC203に出力する。撮影動作状態においては、オフセット量計算部204はオフセット量の計算を行わない。
【選択図】図3
【解決手段】撮影待機状態においては、ジャイロセンサ201において検出された角速度信号をADC203において角速度データに変換する際に、ADC203の角速度データが所定レンジに収まるようにオフセット量計算部204においてオフセット量を計算し、求めたオフセット量をオフセット除去回路205に出力する。オフセット除去回路205はジャイロセンサ201の出力をオフセットしてADC203に出力する。撮影動作状態においては、オフセット量計算部204はオフセット量の計算を行わない。
【選択図】図3
Description
本発明は、ブレ補正可能な撮影装置に関する。
デジタルカメラ等において、手ブレ等の振動を検出し、この検出した振動に基づいて撮像素子を移動させてブレ補正を行うブレ補正装置が知られている。このようなブレ補正装置を備えるデジタルカメラ等の撮影装置においては、ジャイロセンサのような角速度センサによって手ブレ信号を角速度信号として検出し、この角速度信号を取り扱いやすいように増幅した後、角速度情報を角度情報に変換するために、角速度信号を積分している。そして、この積分結果(角度情報)に基づいてブレ補正に必要な補正量を演算し、この演算結果に基づいて撮像素子を駆動している。
ここで、角速度センサは手ブレ信号を検出するために使用されているが、基準値(ゼロ点)、即ちブレなしを表す値は、装置毎の個体差や温度変化によるドリフト等の影響でばらつき範囲が大きいことが知られている。そこで、角速度センサの出力に対してハイパスフィルタ(HPF)処理を施すことにより低周波のドリフト成分を除去することが行われている。しかしながら、この手法は、HPF回路を構成するために大容量のコンデンサが必要となり、かつHPFの時定数のため、大きなブレに対しては角速度センサの出力が安定化するまでに時間がかかる。
そこで、特許文献1の手法では、DA変換器(DAC)を用いてゼロ点を求めるようにしている。これによりHPFの時定数の影響を受けず、またドリフト成分の影響に追従したゼロ点を求めることができる。
特開平10−228043号公報
ここで、特許文献1においてはDACを用いてゼロ点を求めることができると共に、DACを用いてダイナミックレンジを拡大できると述べられているが、実際にはダイナミックレンジの拡大のためにDACの出力電圧を切り替える際にはDACの微分非直線性誤差(DNL)により、検出される角速度データに誤差が生じてしまい、結果としてブレ補正の精度が劣化してしまうおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ダイナミックレンジを確保しつつブレ補正時の演算誤差を小さくして適切なブレ補正を行うことができるブレ補正可能な撮影装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるブレ補正可能な撮影装置は、振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、上記角速度信号を角速度データへ変換するAD変換器と、設定されたオフセット量に基づいて上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、上記角速度データが所定レンジに収まるように上記オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定するオフセット量設定部と、上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部とを具備し、上記オフセット設定部は、撮影待機状態においては上記オフセット量の設定を繰り返し実行し、撮影動作状態においては上記オフセット量の設定を実行しないことを特徴とする。
この第1の態様によれば、撮影動作状態においてはオフセット量の変更を行わないことにより、オフセット量の設定時の誤差が撮影動作状態のブレ補正時に影響しない。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるブレ補正可能な撮影装置は、振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、上記角速度信号を角速度データへ変換するAD変換器と、設定されたオフセット量に基づいて上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、上記角速度データが所定レンジに収まるように上記オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定するオフセット量設定部と、上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部とを具備し、上記所定レンジは、撮影待機状態よりも撮影動作状態のほうが広く設定されることを特徴とする。
この第2の態様によれば、撮影待機状態においては撮影動作状態よりも狭い所定レンジに基づいてオフセット量を計算することにより、ダイナミックレンジの中央付近でゼロ点を算出することが可能である。また、撮影動作状態においては広い所定レンジでオフセット量を計算することにより、ブレ補正動作時もオフセット量の演算を行ってダイナミックレンジを確保しつつ、その際のオフセット設定による誤差を小さくすることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様によるブレ補正可能な撮影装置は、振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、上記角速度信号をデジタルデータへ変換するAD変換器と、上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、上記デジタルデータが所定レンジに収まるように第1オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定すると共に、上記第1オフセット量に対応して設定される第2オフセット量と上記デジタルデータとから、角速度データを求めるオフセット設定部と、上記第1オフセット量と上記第2オフセット量とを対応させたデータテーブルを記憶する記憶部と、上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部とを具備することを特徴とする。
この第3の態様によれば、第1オフセット量と第2オフセット量とを対応させたデータテーブルを持たせることにより、よりブレ補正時におけるオフセット設定の誤差が少なくなる。
本発明によれば、ダイナミックレンジを確保しつつブレ補正時の演算誤差を小さくして適切なブレ補正を行うことができるブレ補正可能な撮影装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るブレ補正装置を備える撮影装置の構成を示すブロック図である。図1に示す撮影装置1は、例えばレンズ交換式カメラを想定しておりレンズ部10と、本体部50とから構成されている。レンズ部10は、本体部50に対して着脱自在に構成され、本体部50にレンズ部10が装着されるとレンズ部10と本体部50とが通信可能状態となる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るブレ補正装置を備える撮影装置の構成を示すブロック図である。図1に示す撮影装置1は、例えばレンズ交換式カメラを想定しておりレンズ部10と、本体部50とから構成されている。レンズ部10は、本体部50に対して着脱自在に構成され、本体部50にレンズ部10が装着されるとレンズ部10と本体部50とが通信可能状態となる。
レンズ部10は、撮影レンズ11と、レンズ枠12と、レンズ駆動機構13と、レンズ駆動回路14と、シャッタ15と、シャッタ駆動機構16と、シャッタ駆動回路17とから構成されている。
撮影レンズ11は、レンズ枠12によって保持され図示しない被写体からの光を本体部50方向に入射させる。レンズ駆動機構13は、モータ等から構成されレンズ駆動回路14からの出力を受けてレンズ枠12に保持された撮影レンズ11を駆動して撮影レンズ11のズーム及びフォーカス駆動を行う。シャッタ15は、本体部50のCCDユニット20の撮像面を露出状態又は遮光状態とする。シャッタ駆動機構16は、モータ等から構成されシャッタ駆動回路17からの出力を受けてシャッタ15の駆動を行う。
本体部50は、カメラ制御用マイクロコンピュータ(Mucom)18と、光学ローパスフィルタ19と、CCDユニット20と、CCDインターフェース回路21と、画像処理コントローラ22と、SDRAM23と、不揮発性メモリ24と、記録メディア25と、FlashRom26と、ストロボ27と、ストロボ制御回路28と、カメラ操作スイッチ(SW)29と、液晶モニタ30と、電池31と、電源回路32と、手ブレ補正ユニット40とから構成されている。
Mucom18は、本体部50の全体的な制御を行うと共に、レンズ部10が装着されたときにはレンズ部10のレンズ駆動回路14及びシャッタ駆動回路17の制御を行うことにより、撮影装置1の全体的な制御を行う。
光学ローパスフィルタ19は、撮影レンズ11の光軸上に設けられ、撮影レンズ11から入射してくる光の所定周波数成分(例えば赤外成分)を除去すると共に、CCDユニット20の撮像面を保護する。CCDユニット20は、光学ローパスフィルタ19の撮影レンズ11の光軸上に設けられた光電変換ユニットであり、撮影レンズ11を介して入射した被写体の像を光電変換によって電気信号に変換する。撮影時には、Mucom18の制御の下、シャッタ駆動回路17によってシャッタ15が駆動されて撮影レンズ11を介した光がCCDユニット20の撮像面上に結像する。
CCDインターフェース回路21は、CCDユニット20において得られた電気信号を読み出すインターフェース回路である。画像処理コントローラ22は、Mucom18の指令に従って種々の画像処理を行う。SDRAM23及びFlashRom24は、画像処理コントローラ22等で処理される各種データを記憶するための記憶領域である。記録メディア25は、画像処理コントローラ22においてJPEG方式等の所定の圧縮方式に従って圧縮された画像データが記録される。
不揮発性メモリ26は、例えばEEPROMから構成され、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶している。この不揮発性メモリ26は、Mucom18からアクセス可能に設けられている。
ストロボ27は、被写体に向けて補助光を照射する。ストロボ制御回路28は、ストロボ27の駆動を行う。Mucom18は撮影時に被写体が暗い場合等においてストロボ制御回路28を介して被写体に補助光の照射を行う。
カメラ操作SW29は、例えばレリーズSW、モード変更SW、及びパワーSWなどの、ユーザが当該撮影装置1を操作するために必要な操作釦の操作に応答するスイッチ群である。ここで、レリーズSWは撮影開始の指示を与えるためのスイッチであり、モード変更SWは撮影装置1のモードを例えば撮影モードと再生モードとの間で切り替えるなどの、各種モード切替を行うためのスイッチである。パワーSWは当該撮影装置1の電源をオン又はオフするためのスイッチである。
液晶モニタ30は、画像処理コントローラ22において画像データを変換して得られたビデオ信号に基づいて画像表示を行う。ユーザはこの液晶モニタ30の表示画像から撮影した画像を確認できる。
電池31は、当該撮影装置1の電源である。また、電源回路32は、電池31の電圧を、当該撮影装置1を構成する各回路が必要とする電圧に変換して供給する。
手ブレ補正ユニット40は、Mucom30の指示に基づいてCCDユニット20を移動させて当該撮影装置1におけるブレを補正する。以下、この手ブレ補正ユニット40について更に詳しく説明する。図2は、手ブレ補正ユニット40の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、手ブレ補正ユニット40は、手ブレ補正制御用マイクロコンピュータ(Tucom)100と、ブレ検出部101と、ブレ補正駆動回路102と、ブレ補正駆動機構103と、位置検出センサ104とから構成されている。
Tucom100は、手ブレ補正ユニット40の全体的な制御を行う。ここで、Tucom100にはFlashRom100aが設けられている。FlashRom100aにはTucom100が手ブレ補正時等において実行する各種プログラムや手ブレ補正ユニット40の各部の調整データ等が格納されている。さらに、Tucom100とMucom18とは電気的な接続がなされており、Tucom100は、Mucom18からの指示に従って動作する。
ブレ検出部101は、撮影装置1の振動を検出する。この振動に基づいてTucom100はブレ補正量の演算を行い、ブレ補正駆動回路102にブレ補正量に応じた信号を出力する。ブレ補正駆動回路102は、Tucom100からの信号に従ってモータ等から構成されるブレ補正駆動機構103を介してCCDユニット20を駆動してブレ補正を行う。位置検出センサ104はCCDユニット20の駆動位置を検出し、この駆動位置に基づく信号をTucom100に出力する。Tucom100はこの駆動位置の信号に従ってブレ補正信号に対してフィードバック制御を行う。
以下、図2に示す手ブレ補正ユニット40について更に詳しく説明する。図3は、手ブレ補正ユニット40の詳細な構成について示す図である。図3において、ジャイロセンサ201は、撮影装置1の振動(手ブレ)量を検出するための角速度センサである。ジャイロセンサ201は撮影装置1の振動を検出し、検出した振動に応じた角速度信号を増幅回路202に出力する。増幅回路202は、振幅の小さなジャイロセンサ201の出力を増幅する。オフセット除去回路205は、増幅回路202における増幅の際にその出力が、後段のAD変換器(ADC)203のダイナミックレンジに収まるように増幅回路202の出力信号から所定のオフセット量を除去する。なお、オフセット除去回路205において除去すべきオフセット量は、オフセット量設定部としてのオフセット量計算部204において決定される。
ADC203は、入力信号をデジタル化して、これによって得られる角速度データをオフセット加算部206に出力する。オフセット加算部206は、オフセット除去回路205によって除去されたオフセット量をAD変換器203の出力に加算する。なお、オフセット加算部206から出力される角速度データは後述する基準値(ゼロ点)成分が含まれたものであるが、ブレ補正動作においてはこのゼロ点成分基準値を除去した角速度データが必要となる。以後、ゼロ点成分を含んだ角速度データを第1角速度データと定義し、ゼロ点成分が除去された角速度データを第2角速度データと定義する。
ここで、増幅回路202、オフセット除去回路205について詳細に説明する。図4は、増幅回路202、オフセット除去回路205、及びその周辺の回路図である。
増幅回路202及びオフセット除去回路205は図4に示すような回路になっている。即ち、増幅回路202は、演算増幅器301、及び抵抗R1、R3、R4を用いた反転増幅回路によって構成されている。また、オフセット除去回路205には例えば8ビットのDA変換器(DAC)302が設けられている。そして、DAC302の出力は、抵抗R2を介して演算増幅器301の反転入力端子に接続されている。また、演算増幅器301の非反転入力端子はジャイロセンサ201のVref端子(例えば1.35V)に接続されている。図4のような回路構成とすることにより、ADC203への入力信号は、
となる。なお、(1)式の右辺第2項が増幅回路202の部分に対応し、右辺第3項がオフセット除去回路205の部分に対応している。
なお、ADC203とDAC302の電源電圧を例えば3.3Vとし、ビット数を共に8ビットとすると、理想的なADCとDACであれば、DAC302の出力を1LSB増やすと、(1)式より、AD変換入力は(R3/R2)LSBだけ減ることが分かる。なお、(1)式のAD変換入力の波形を図5の波形401で示す。この波形401は、増幅回路202の出力から図5の波形402で示すDAC302の出力×DAC302のゲインを減算したものである。このような信号をADC203に入力することにより、増幅回路202の出力信号がADC203のダイナミックレンジに収まる。
このような波形401からもとの角速度信号を再現するためには、
とすれば良い。(2)式の右辺第2項がオフセット量計算部204において演算される値である。このようにして波形403に示すような角速度信号に対応したデジタルデータが再現される。
このようにすることで、ダイナミックレンジをAD変換器203のダイナミックレンジよりも広く確保することができると共に、後段の演算において検出可能なブレ角度範囲を拡大させることが可能である。
ここで、現実のDACには誤差要因が存在する。その1つが微分非直線性誤差(DNL)である。これは、1ビットあたりの実際のコード幅と理想的なコード幅との差のことであり、DACの構造上発生する誤差である。例えば、DNLが最大0.5LSB存在するDACでは、最大(R3/R2×0.5)LSBの誤差が第1角速度データに生じることになる。この場合、例えばR3/R2の値が10の場合には誤差は5LSBである。DNLは1ビットあたりに生じる誤差であるので、Nビットでは最大でN×5LSBもの誤差が生じる可能性がある。
オフセット加算部206において第1角速度データが得られた後、オフセット加算部206はこの第1角速度データを平均化部207とゼロ点減算部208とに出力する。平均化部207は、第1角速度データの平均値を演算する。
ゼロ点減算部208は、基準値(ゼロ点)を除去した第2角速度データを算出するために第1角速度データからゼロ点を減算して第2角速度データを得る。積分部209はゼロ点減算部208から出力される第2角速度データを積分して角速度データを角度データ(ブレ角度データ)に変換し、変換して得られたブレ角度データを除算部210とハイパスフィルタ(HPF)213とに出力する。除算部210は、積分部209の出力を積分時間で除算(即ち、第2角速度データの平均値を演算)する。
ゼロ点更新判定部211は、撮影装置1が静止状態であるか否かを判定し、この結果に基づきゼロ点を更新するか否か、更新する場合にはどのようにしてゼロ点を更新するかを判定する。ゼロ点更新部212は、ゼロ点更新判定部211の判定結果に基づいてゼロ点を更新し、更新したゼロ点(既算出済みゼロ点)をゼロ点減算部208に出力する。
ここで、角速度センサであるジャイロセンサ201のゼロ点は、固体ばらつき、温度ドリフト、及び経年変化によって変動するものである。そして、この変動範囲は検出しようとしているブレ信号よりも大きい。例えば、実用に足りるブレ角速度信号の精度は0.01deg/s(ジャイロセンサ201の出力電圧20μVに相当する)であるが、ゼロ点の変動範囲は±600mVである。即ち、ゼロ点の変動範囲のほうが検出しようとするブレ角信号よりも3万倍以上大きいため、正確なブレ角度の検出するためには、精度の良いゼロ点を算出する必要がある。
第1の実施形態においてはゼロ点を、
1. 平均化部207において第1角速度データを平均化する
2. 第1角速度データと既算出済みゼロ点との差である第2角速度データを平均化する(積分部209において第2角速度データを積分した後、除算部210において除算する)
、の何れかによりゼロ点を求める。
1. 平均化部207において第1角速度データを平均化する
2. 第1角速度データと既算出済みゼロ点との差である第2角速度データを平均化する(積分部209において第2角速度データを積分した後、除算部210において除算する)
、の何れかによりゼロ点を求める。
ここで、上述1、2の何れの手法によってゼロ点を求めるかの判定はゼロ点更新判定部211によって行う。また、撮影装置1が静止状態であり、かつ既算出済みゼロ点と新たに算出したゼロ点との差が所定値以下の場合には算出したゼロ点の精度が良いと考えられる。この場合に、ゼロ点更新判定部211は、ブレ補正効果が期待できるとして、表示部105を点灯状態としブレ補正を行う旨をユーザに告知すると共に、駆動判定部215にブレ補正を許可する旨の指示を送る。
HPF213は、撮影時のブレ補正に先立って角度データにおける低周波成分を除去する。これは、例えばバルブ撮影などの長秒時露光の場合には、温度変動によるドリフトによってゼロ点がずれてしまうため、低周波(例えば1Hz未満)のドリフト成分をカットするためのものである。逆に短時間の露光の場合にHPF213を用いると角度検出の精度が低下するためHPF213を使用しないことが好ましい。
補正量演算部214は、HPF213の出力値と位置検出センサ104によって検出されるCCDユニット20の位置とに基づいてブレ補正駆動機構103を構成するモータを駆動する際の駆動量(ブレ補正量)を演算する。駆動判定部215は、ゼロ点更新判定部211の指示に従ってブレ補正駆動を行うか否かをする。
以下、第1の実施形態のブレ補正装置を含む撮影装置1の動作について更に説明する。図6はTucom100の動作について示すフローチャートである。ここで、図6(a)は撮影装置1が静止画撮影前の状態にあるときにTucom100により行われる処理について示す図であり、図6(b)は撮影装置1の静止画撮影時にTucom100により行われる処理について示す図である。
ユーザによってパワーSWがオンされ撮影装置1の主電源がオンされると、所定時間(例えば250μs)毎にゼロ点の算出が行われる。まず、Tucom100は、増幅回路202の出力をADC203においてAD変換して取り込んだ後、オフセット加算部206により、ADC203の出力に(2)式に基づいて演算されたオフセット量を加算して第1角速度データを得る(ステップS101)。次に、Tucom100はADCの出力に基づいてオフセット量を算出し、必要に応じてオフセット除去回路205において除去するオフセット量、即ちDAC302の電圧値を変更するための指示を送る(ステップS102)。このDAC電圧変更処理については後述する。
続いて、Tucom100は、ゼロ点減算部208において第1角速度データとゼロ点との差分を演算して第2角速度データを得る。その後に、この第2角速度データを積分部209において積分する(ステップS103)。続いて、Tucom100はゼロ点算出処理を行い、ゼロ点更新判定部211において駆動許可フラグを設定する(ステップS104)。このゼロ点算出処理については後述する。
次に、ゼロ点更新判定部211は、ステップS104のゼロ点算出処理の結果として設定された駆動許可フラグが0であるか1であるかを判定する(ステップS105)。ステップS104の判定において、駆動許可フラグが1である場合に、ゼロ点更新判定部211は表示部105を点灯させる(ステップS106)。一方、ステップS104の判定において、駆動許可フラグが0である場合に、ゼロ点更新判定部211は表示部105を消灯させる(ステップS107)。
次に、Tucom100は250μs経過したか否かを判定し(ステップS108)、250μsが経過するまで待機する。ステップS108の判定において、250μsが経過した場合に、Tucom100はMucom18から撮影開始指示がなされたか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109の判定において、撮影開始指示がなされた場合には、ステップS101に戻り、ゼロ点の算出が再び行われる。このように、撮影開始指示がなされるまではゼロ点の算出が繰り返し行われる。ここで、“撮影開始指示”は撮影装置1が露光動作を開始する際にMucom18がTucom100へ送信するコマンドである。このコマンドを受信することでTucom100は、撮影装置1が露光動作に入ったことを検知できる。
一方、ステップS109の判定において、Mucom18から撮影開始指示がなされた場合に、Tucom100は、増幅回路202の出力をADC203においてAD変換して取り込んだ後、オフセット加算部206により、ADC203の出力に(2)式に基づいて演算されたオフセット量を加算して第1角速度データを得る(ステップS110)。次に、Tucom100は、ゼロ点減算部208において第1角速度データとゼロ点との差分を演算して第2角速度データを得る。その後に、この第2角速度データを積分部209において積分する(ステップS111)。即ち、第1の実施形態においては、撮影開始指示がなされた後は、DAC電圧変更処理を行わない。
その後、ゼロ点算出処理を行わずに、積分部209において得られたブレ角度データを露光時間に従ってHPF(デジタルフィルタ処理によってハイパスフィルタを形成)処理する(ステップS112)。次に、Tucom100は、補正量演算部214においてブレ補正量を演算する(ステップS113)。
続いて、Tucom100の駆動判定部215は、駆動許可フラグが0であるか1であるかを判定する(ステップS114)。ステップS114の判定において、駆動許可フラグが1である場合には、駆動判定部215はブレ補正駆動回路102を介してブレ補正駆動機構(モータ)103を駆動してブレ補正を行う(ステップS115)。その後にステップS116に移行する。一方、ステップS114の判定において、駆動許可フラグが0である場合には、ブレ補正を行わずにステップS116に移行する。
その後、Tucom100は400μs経過したか否かを判定し(ステップS116)、400μsが経過するまで待機する。ステップS116の判定において、400μsが経過した場合に、Tucom100はMucom18から撮影終了指示がなされたか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117の判定において、撮影終了指示がなされていない場合には、ステップS110に戻り、撮影(露光)が継続される。一方、ステップS117の判定において、撮影終了指示がなされた場合には、ステップS101に戻る。ここで、“撮影終了指示”は撮影装置1の露光動作が終了した際にMucom18がTucom100に送信するコマンドである。このコマンドを受信することでTucom100は露光動作の終了を検知できる。
次に、図6のステップ102のDAC電圧変更処理について更に説明する。図7は、DAC電圧変更処理について示すフローチャートである。なお、図7の処理はオフセット量計算部204において行われるものである。
オフセット量計算部204は、まず、変数adをADC203からのAD変換入力値に設定する(ステップS201)。次に、オフセット量計算部204は、変数adが所定値、例えば2.0Vを超えているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202の判定において、変数adが2.0V以下である場合に、オフセット量計算部204は、変数adが所定値、例えば1.0V未満であるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203の判定において、変数adが1.0V以上である場合に、オフセット量計算部204は、オフセットの除去量が適切であり、DAC電圧を変更する必要がないと判定して図7の処理を終了して図6に戻る。
一方、ステップS202の判定において、変数adが2.0Vを超えている場合には、オフセット量計算部204は、オフセット除去量が足りないと判定して、DAC302の出力をαVだけ増やすようにDAC302に指示を送る(ステップS204)。また、ステップS203の判定において、変数adが1.0V未満である場合には、オフセット量計算部204は、オフセット除去量が過度であると判定して、オフセット除去回路205のDAC302の出力をαVだけ減らすようにDAC302に指示を送る(ステップS205)。以上のようにしてDAC302の電圧を調整した後、図7の処理を終了して図6に戻る。
第1の実施形態においては、撮影開始前の撮影待機状態の際にはDAC電圧変更処理を行うことにより、オフセット除去回路205によるオフセット量を調整する。これにより、ダイナミックレンジを確保してゼロ点の演算を行うことができる。これに対し、撮影開始後の撮影動作状態においてはDAC電圧変更処理を行わずにオフセット量を固定とすることによりDAC電圧の変更によってADC203からの第1角速度データに発生する誤差をなくすことが可能である。
なお、撮影時においてDAC電圧の変更を行わないようにするための手法としては、例えばステップS202及びステップS203の判定閾値を、絶対に条件が満たされないような値に設定しておけば良い。また、オフセット量設定部204(Tucom100)とオフセット除去回路205との間をスイッチによって切断するようにしても良い。
次に、図6のステップS104のゼロ点算出処理について更に説明する。図8は、ゼロ点算出処理について示すフローチャートである。
まず、ゼロ点更新判定部211は、所定の平均化時間β秒が経過したか否かを判定している(ステップS301)。β秒が経過していない場合には、図8の処理を終了して図6の処理に戻る。一方、ステップS301の判定において、β秒が経過した場合に、ゼロ点更新判定部211は積分部209の出力が所定値を超えたか否かを判定する(ステップS302)。通常は、上述2の第2角速度データの平均値を算出する手法で新たなゼロ点を算出するが、ステップS302の判定において、積分部209の出力が所定値を超えた場合には上述1の第1角速度データの平均値を算出する手法でゼロ点を算出する。即ち、この場合、ゼロ点更新判定部211は、平均化部207の出力を用いてゼロ点を算出する(ステップS303)。
一方、ステップS302の判定において、積分部209の出力が所定値を超えていない場合には、上述2の手法でゼロ点を算出する。ただし、このゼロ点の算出に先立って、ゼロ点更新判定部211は、撮影装置1が静止状態にあるか否かを積分部209から出力される積分データの傾きが一定であるか否かによって判定する(ステップS308)。ステップS308の判定において、積分データの傾きが一定でない場合に、ゼロ点更新判定部211は、ゼロ点更新部212にゼロ点の更新を行わせずに図8の処理を終了する。一方、ステップS308の判定において、積分データの傾きが一定である場合に、ゼロ点更新判定部211は、積分部209の出力を用いてゼロ点を算出する(ステップS304)。
ここで、ステップS302及びステップS308の判定を行う理由について図9及び図10を参照して説明する。
撮影装置1が静止状態にある場合、第1角速度データは、図9(a)に示すように実際のゼロ点(これから算出しようとしているゼロ点)を中心としてほぼ一定となる。そして、積分部209からの積分データは、実際のゼロ点と既算出済みゼロ点(更新前のゼロ点)との差(ゼロ点誤差)を積分したものであるので、この場合、積分データは、図9(b)で示すような直線で近似できる。図9(b)において、y1、y2、…y5のそれぞれの点における積分データの変化量(傾き)が一定となることが分かる。また、図9(b)に示す直線は、ゼロ点誤差が小さいほど傾きが小さくなり、ゼロ点誤差が大きいほど傾きが大きくなる。
撮影装置1が静止状態にある場合、第1角速度データは、図9(a)に示すように実際のゼロ点(これから算出しようとしているゼロ点)を中心としてほぼ一定となる。そして、積分部209からの積分データは、実際のゼロ点と既算出済みゼロ点(更新前のゼロ点)との差(ゼロ点誤差)を積分したものであるので、この場合、積分データは、図9(b)で示すような直線で近似できる。図9(b)において、y1、y2、…y5のそれぞれの点における積分データの変化量(傾き)が一定となることが分かる。また、図9(b)に示す直線は、ゼロ点誤差が小さいほど傾きが小さくなり、ゼロ点誤差が大きいほど傾きが大きくなる。
ここで、平均化部207には第1角速度データの加算結果を格納しておくためのバッファが設けられており、除算部210には積分部209の積分結果を格納しておくためのバッファが設けられている。通常は上述1の手法のほうが少ない時間でバッファがオーバーフローするが、ゼロ点誤差が大きい場合には上述2の手法のほうが少ない時間でバッファがオーバーフローしてしまう。ゼロ点算出の精度は平均化時間を長くするほど高くなるので、第1の実施形態では、ステップS302の判定を行い、積分部209の出力が、バッファをオーバーフローさせてしまう程の所定値を超えた場合には上述1の手法でゼロ点を算出し、積分部209の出力が所定値以下の場合には上述2の手法でゼロ点を算出する。
次に、撮影装置1が静止状態でない場合には、図10(a)に示すように第1角速度データは一定ではないため、図10(b)に示すように積分データの傾きも一定とならない。つまり、積分データの傾きが一定であるか否かを判定することにより、撮影装置1が静止しているか否かを判定することができる。そして、積分データの傾きが一定である、即ち撮影装置1が静止している場合にのみゼロ点の算出を行うことにより、ゼロ点算出の精度を高くすることが可能である。
ステップS304の積分データの傾きが一定であるか否かの判定は図11のフローチャートに従って行う。まず、ゼロ点更新判定部211は、全体の傾きdaveをyn÷nの演算により算出する(ステップS401)。ここで、nはサンプリング回数であり、ynはn回目の積分データである。
次に、ゼロ点更新判定部211は、1回目の積分データy1と積分データの初期値y0との差分d1を算出する(ステップS402)。そして、ゼロ点更新判定部211は、d1がdave−γとdave+γとの間にあるか否かを判定する(ステップS403)。ゼロ点更新判定部211は、ステップS402〜ステップS403の演算をi=1〜nまで繰り返し、d1〜dnの全てがdave−γとdave+γとの間にある場合に傾きが一定であると判定する。
ここで、再び図8の説明に戻る。ステップS303又はステップS304の何れかおいてゼロ点が算出された場合に、ゼロ点更新判定部211は新たに算出されたゼロ点と既算出済みゼロ点との差(ゼロ点誤差)が所定値δ以下であるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の判定において、ゼロ点誤差がδ以下である場合には適正なブレ補正を行うことができるとして、ゼロ点更新判定部211は駆動許可フラグを1に設定し(ステップS306)、図8の処理を終了する。一方、ステップS305の判定において、ゼロ点誤差がδを超えている場合には、適正なブレ補正を行うことができない可能性が高いとして、ゼロ点更新判定部211は駆動許可フラグを0に設定する(ステップS307)、図8の処理を終了する。
ここで、ステップS302及びステップS308の判定を行う理由について図9及び図10を参照して説明する。
撮影装置1が静止状態にある場合、第1角速度データは、図9(a)に示すように実際のゼロ点(これから算出しようとしているゼロ点)を中心としてほぼ一定となる。そして、積分部209からの積分データは、実際のゼロ点と既算出済みゼロ点(更新前のゼロ点)との差(ゼロ点誤差)を積分したものであるので、この場合、積分データは、図9(b)で示すような直線で近似できる。図9(b)において、y1、y2、…y5のそれぞれの点における積分データの変化量(傾き)が一定となることが分かる。また、図9(b)に示す直線は、ゼロ点誤差が小さいほど傾きが小さくなり、ゼロ点誤差が大きいほど傾きが大きくなる。
撮影装置1が静止状態にある場合、第1角速度データは、図9(a)に示すように実際のゼロ点(これから算出しようとしているゼロ点)を中心としてほぼ一定となる。そして、積分部209からの積分データは、実際のゼロ点と既算出済みゼロ点(更新前のゼロ点)との差(ゼロ点誤差)を積分したものであるので、この場合、積分データは、図9(b)で示すような直線で近似できる。図9(b)において、y1、y2、…y5のそれぞれの点における積分データの変化量(傾き)が一定となることが分かる。また、図9(b)に示す直線は、ゼロ点誤差が小さいほど傾きが小さくなり、ゼロ点誤差が大きいほど傾きが大きくなる。
ここで、平均化部207には第1角速度データの加算結果を格納しておくためのバッファが設けられており、除算部210には積分部209の積分結果を格納しておくためのバッファが設けられている。通常は上述1の手法のほうが少ない時間でバッファがオーバーフローするが、ゼロ点誤差が大きい場合には上述2の手法のほうが少ない時間でバッファがオーバーフローしてしまう。ゼロ点算出の精度は平均化時間を長くするほど高くなるので、第1の実施形態では、ステップS302の判定を行い、積分部209の出力が、バッファをオーバーフローさせてしまう程の所定値を超えた場合には上述1の手法でゼロ点を算出し、積分部209の出力が所定値以下の場合には上述2の手法でゼロ点を算出する。
また、撮影装置1が静止状態でない場合には、図10(a)に示すように第1角速度データは一定ではないため、図10(b)に示すように積分データの傾きも一定とならない。つまり、積分データの傾きが一定であるか否かを判定することにより、撮影装置1が静止しているか否かを判定することができる。そして、積分データの傾きが一定である、即ち撮影装置1が静止している場合にのみゼロ点の算出を行うことにより、ゼロ点算出の精度を高くすることが可能である。
ステップS304の積分データの傾きが一定であるか否かの判定は図11のフローチャートに従って行う。まず、ゼロ点更新判定部211は、全体の傾きdaveをyn÷nの演算により算出する(ステップS401)。ここで、nはサンプリング回数であり、ynはn回目の積分データである。
次に、ゼロ点更新判定部211は、1回目の積分データy1と積分データの初期値y0との差分d1を算出する(ステップS402)。そして、ゼロ点更新判定部211は、d1がdave−γとdave+γとの間にあるか否かを判定する(ステップS403)。ゼロ点更新判定部211は、ステップS402〜ステップS403の演算をi=1〜nまで繰り返し、d1〜dnの全てがdave−γとdave+γとの間にある場合に傾きが一定であると判定する。
ここで、再び図8の説明に戻る。ステップS303又はステップS304の何れかにおいてゼロ点が算出された場合に、ゼロ点更新判定部211は新たに算出されたゼロ点と既算出済みゼロ点との差(ゼロ点誤差)が所定値δ以下であるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の判定において、ゼロ点誤差がδ以下である場合には適正なブレ補正動作の効果が高いとして、ゼロ点更新判定部211は駆動許可フラグを1に設定し(ステップS306)、図8の処理を終了する。一方、ステップS305の判定において、ゼロ点誤差がδを超えている場合には、ブレ補正動作の効果が低いとして、ゼロ点更新判定部211は駆動許可フラグを0に設定する(ステップS307)、図8の処理を終了する。
ここで、ゼロ点誤差が大きい場合にブレ補正動作の効果が低い理由について図12を参照して説明する。
上述したように、ブレ補正量は、静止画の露光中に例えば図12(a)に示すようなブレ角速度信号が生じたとすると、このブレ角速度信号からゼロ点成分Δω0を減算した後で積分を行ってブレ角度信号を求め、このブレ角度信号に基づいて求める。したがって、ゼロ点の誤差が大きい場合、ゼロ点成分が含まれた状態で積分が行われるために、ブレ角度信号は図12(b)に示すような波形となり正しいブレ角度信号を求めることができない。これに対し、ゼロ点の誤差が小さい場合には、ゼロ点成分が積分されないため図12(c)に示すようにして正しいブレ角度信号を求めることができる。
上述したように、ブレ補正量は、静止画の露光中に例えば図12(a)に示すようなブレ角速度信号が生じたとすると、このブレ角速度信号からゼロ点成分Δω0を減算した後で積分を行ってブレ角度信号を求め、このブレ角度信号に基づいて求める。したがって、ゼロ点の誤差が大きい場合、ゼロ点成分が含まれた状態で積分が行われるために、ブレ角度信号は図12(b)に示すような波形となり正しいブレ角度信号を求めることができない。これに対し、ゼロ点の誤差が小さい場合には、ゼロ点成分が積分されないため図12(c)に示すようにして正しいブレ角度信号を求めることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、撮影開始前の撮影待機状態の際にはDAC電圧変更処理を行うことにより、ダイナミックレンジを確保してゼロ点の演算を行うことができる。これに対し、撮影開始後にはDAC電圧変更処理を行わずにオフセット量を固定とすることによりDAC電圧の変更によって第1角速度データに発生する誤差をなくしてブレ補正の精度を高めることが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、撮影開始後の撮影動作状態においてもDAC電圧変更処理を行う例である。ここで、図13(a)は撮影装置1が静止画撮影前の状態にあるときにTucom100により行われる処理について示す図であり、図13(b)は撮影装置1の静止画撮影時にTucom100により行われる処理について示す図である。図13(a)は図6(a)と同様であり、図13(b)は図6(b)に対してDAC電圧変更処理を行うステップS511が追加されている点のみが異なっている。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、撮影開始後の撮影動作状態においてもDAC電圧変更処理を行う例である。ここで、図13(a)は撮影装置1が静止画撮影前の状態にあるときにTucom100により行われる処理について示す図であり、図13(b)は撮影装置1の静止画撮影時にTucom100により行われる処理について示す図である。図13(a)は図6(a)と同様であり、図13(b)は図6(b)に対してDAC電圧変更処理を行うステップS511が追加されている点のみが異なっている。
図14は、第2の実施形態におけるDAC電圧変更処理について示すフローチャートである。
オフセット量計算部204は、まず、変数adをADC203からのAD変換入力値に設定する(ステップS601)。次に、オフセット量計算部204は、現在の撮影装置1の動作状態が撮影(露光)中であるかを判定する(ステップS602)。ステップS602の判定において、露光中である場合には、オフセット量計算部204は、DAC302の電圧を変更するか否かを判定するための閾値TH1及びTH2をそれぞれ露光中用の所定値(図ではTH1=2.9V、TH2=0.1)に設定する(ステップS603)。また、ステップS602の判定において、露光中でない場合には、オフセット量計算部204は、閾値TH1及びTH2をそれぞれ露光中以外用(ゼロ点算出時用)の所定値(図ではTH1=2.0V、TH2=1.0)に設定する(ステップS604)。なお、これらの閾値はFlashRom100aに格納しておけば良い。また、図に示した閾値の値は一例であるが、少なくとも露光中のダイナミックレンジがそれ以外の場合のダイナミックレンジよりも広くなるように閾値を設定する。
閾値の設定後、オフセット量計算部204は、変数adがTH1を超えているか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605の判定において、変数adがTH1以下である場合に、オフセット量計算部204は、変数adがTH2未満であるか否かを判定する(ステップS606)。ステップS606の判定において、変数adがTH2以上である場合に、オフセット量計算部204は、オフセットの除去量が適切であり、DAC電圧を変更する必要がないと判定して図14の処理を終了して図6に戻る。
一方、ステップS605の判定において、変数adがTH1を超えている場合には、オフセット量計算部204は、オフセット除去量が足りないと判定して、DAC302の出力をαVだけ増やすようにDAC302に指示を送る(ステップS607)。また、ステップS606の判定において、変数adがTH2未満である場合には、オフセット量計算部204は、オフセット除去量が過度であると判定して、オフセット除去回路205のDAC302の出力をαVだけ減らすようにDAC302に指示を送る(ステップS608)。以上のようにしてDAC302の電圧を調整した後、図14の処理を終了して図6に戻る。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、露光中においてもDAC電圧変更処理を行うことができるので露光中においてもある程度のダイナミックレンジを確保することが可能である。また、露光中におけるブレ補正中はDAC電圧の変更による誤差を小さくする(必要以上にDAC電圧が変更されないようにする)ために閾値範囲を広げ、露光中以外(特にゼロ点算出中)においてはダイナミックレンジの中央付近で演算が可能となるように閾値範囲を狭めることにより、ゼロ点の算出精度とブレ補正の精度とを両立させることが可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、DAC302におけるDNLを考慮したテーブルデータを参照してDAC電圧変更処理を行う例である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、DAC302におけるDNLを考慮したテーブルデータを参照してDAC電圧変更処理を行う例である。
図15は、第3の実施形態における手ブレ補正ユニット40の詳細な構成について示す図である。図15に示すように、第3の実施形態においては記憶部としてのテーブルデータ記憶部216が設けられている点が図3と異なっている。テーブルデータ記憶部216には、例えば図16に示すようなテーブルデータが記憶されている。このテーブルデータは、DACの1ビット毎にDNL誤差を含んだ値を測定して得られる理想的なDAC値と実際のDAC値データである。
ここで、図16に示したテーブルデータからオフセット加算部206において第1角速度データを求めるには図17のフローチャートに従った演算を行えば良い。即ち、オフセット量計算部204は、図7のDAC電圧変更処理によってDAC電圧の変更が必要であると判定した場合には、図7のステップS204又はステップS205に従ってDAC出力電圧(第1オフセット量)を求め、この値をオフセット除去回路205に出力する。この値に従ってDAC302においてオフセットの除去が行われるが、この際、DNL誤差によってADC203への入力が変化するので、オフセット量計算部204は、オフセット除去回路205に指示したDAC出力電圧に対応するDAC値(第2オフセット量)を、テーブルデータを参照して求め、この値をオフセット加算部206に出力する。これにより、オフセット加算部206においてはADC203からの出力値にテーブルデータに対応した値が加算される(ステップS701)。これによってDNL誤差を考慮した第1角速度データを求めることが可能である。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、DAC電圧の変更の際の誤差をテーブルデータとして記憶しておくことにより、第2の実施形態のようにダイナミックレンジを縮小することなく演算精度を上げることができる。また、テーブルデータは実測に基づいて求めているため、実際には、テーブルデータは、DAC302の誤差のみならず、R3/R2という増幅回路201における回路定数がばらつくことによる誤差も含めて求めることができる。したがって、第1及び第2の実施形態に比べてDAC電圧及び第1角速度データの演算精度を向上させることができる。
なお、第3の実施形態におけるテーブルデータ記憶部216にFlashRom101aを利用するようにしても良い。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1…撮影装置、18…カメラ制御用マイクロコンピュータ(Mucom)、20…CCDユニット、21…CCDインターフェース回路、22…画像処理コントローラ、40…手ブレ補正ユニット、100…手ブレ補正制御用マイクロコンピュータ(Tucom)、100a…FlashRom、101…ブレ検出部、102…ブレ補正駆動回路、103…ブレ補正駆動機構、104…位置検出センサ、105…表示部、201…ジャイロセンサ、202…増幅回路、203…AD変換器(ADC)、203…オフセット除去回路、204…オフセット量計算部、205…オフセット除去回路、206…オフセット加算部、207…平均化部、208…ゼロ点減算部、209…積分部、210…除算部、211…ゼロ点更新判定部、212…ゼロ点更新部、213…ハイパスフィルタ(HPF)、214…補正量演算部、215…駆動判定部、216…テーブルデータ記憶部、301…演算増幅器、302…DA変換器(DAC)
Claims (3)
- 振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、
上記角速度信号を角速度データへ変換するAD変換器と、
設定されたオフセット量に基づいて上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、
上記角速度データが所定レンジに収まるように上記オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定するオフセット量設定部と、
上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部と、
を具備し、
上記オフセット設定部は、撮影待機状態においては上記オフセット量の設定を繰り返し実行し、撮影動作状態においては上記オフセット量の設定を実行しないことを特徴とするブレ補正可能な撮影装置。 - 振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、
上記角速度信号を角速度データへ変換するAD変換器と、
設定されたオフセット量に基づいて上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、
上記角速度データが所定レンジに収まるように上記オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定するオフセット量設定部と、
上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部と、
を具備し、
上記所定レンジは、撮影待機状態よりも撮影動作状態のほうが広く設定されることを特徴とするブレ補正可能な撮影装置。 - 振動に応じて角速度信号を検出する角速度センサと、
上記角速度信号をデジタルデータへ変換するAD変換器と、
上記角速度センサの出力をオフセットし、上記AD変換器へ出力するオフセット除去回路と、
上記デジタルデータが所定レンジに収まるように第1オフセット量を計算して上記オフセット除去回路に設定すると共に、上記第1オフセット量に対応して設定される第2オフセット量と上記デジタルデータとから、角速度データを求めるオフセット設定部と、
上記第1オフセット量と上記第2オフセット量とを対応させたデータテーブルを記憶する記憶部と、
上記角速度データを積分した積分データに基づきブレ補正動作を行う制御部と、
を具備することを特徴とするブレ補正可能な撮影装置。
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CN107241099A (zh) * | 2017-05-23 | 2017-10-10 | 上海麦歌恩微电子股份有限公司 | 角度传感器信号处理电路及处理方法 |
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2006
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