JPH0725148A - 可逆感熱系複合記録材料 - Google Patents

可逆感熱系複合記録材料

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JPH0725148A
JPH0725148A JP5173091A JP17309193A JPH0725148A JP H0725148 A JPH0725148 A JP H0725148A JP 5173091 A JP5173091 A JP 5173091A JP 17309193 A JP17309193 A JP 17309193A JP H0725148 A JPH0725148 A JP H0725148A
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JP
Japan
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reversible thermosensitive
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reversible
recording material
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Application number
JP5173091A
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English (en)
Inventor
Shigetoshi Hiraishi
重俊 平石
Yasuro Yokota
泰朗 横田
Mitsuhiro Ikeda
光弘 池田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つの記録材料に、常時必要な可視情報を記
録し、かつこれとは別に一時的に必要な可視情報を記録
し繰り返して情報を書き込みおよび消去することがで
き、画像のコントラストに優れ、更にその色による差別
化も可能な可逆感熱系複合記録材料を提供する。 【構成】 支持体の一方の面に、熱エネルギーを変化さ
せることにより可視画像の繰り返し書き込み及び消去が
できる可逆感熱記録層を設け、支持体の該面の可逆感熱
記録層上及び/又はこれとは異なる場所に、及び/又は
支持体の他の一方の面に、非可逆記録層を1種以上設け
た可逆感熱系複合記録材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーを制御す
ることにより、可視画像の繰り返し書き込み及び消去が
できる可逆感熱系複合記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に広く用いられている感熱記録材料
は、支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料
前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録
層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光
等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時
反応し記録画像が得られるもので、特公昭43−416
0号公報、特公昭45−14039号公報等に開示され
ている。
【0003】このような感熱記録材料は、一度画像を形
成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻
すことは不可能であるため、さらに情報を記録する場合
には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。この
ため感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録
可能な情報が制限されるという問題が生じていた。
【0004】そこで、特開平3−246091号公報に
は、通常の感熱記録層を基紙の両面に設ける事により、
裏面にも印字記録が可能な感熱記録材料が提案されてい
る。これにより、表裏面の2面に印字が可能となり、従
来の感熱記録材料の2倍量の情報を記録することが可能
になった。しかし、この感熱記録材料も一度画像を形成
すると、その部分を消去して再び画像形成前の状態に戻
すことは不可能であった。
【0005】一方、特開昭64−40372号公報ある
いは実開昭48−57106号公報には、基材の表面に
感熱記録層、裏面に感圧転写層を設けた記録シートが開
示されている。しかし、この記録シートの表面に設けら
れている感熱記録層も、一度画像を形成すると、その部
分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能
であった。
【0006】また、特開平4−43094号公報には、
製造上のトラブルをおさえ、寸法安定性が良好で、磁気
記録特性及び可視情報記録特性に優れた磁気記録シート
が開示されており、この磁気記録シートの片面には、ラ
テックス層上に磁気記録層が設けられ、他面には可視情
報記録層が設けられている。しかし、この磁気記録シー
トの片面に設けられている磁気記録層は情報の繰り返し
書き込み及び消去ができるが、この情報は可視情報でな
いため、記録されている情報を目視により直ちには認識
することができず、それを取り出して認識するには磁気
読み取り装置が必要である等の不便さがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近の種々のメディア
の発展に伴い、情報も多様化し、情報の記録に関して
も、一度記録したらそのまま保存したい情報と、確認の
ために一度だけ記録し、後は消去しても良い情報が混在
し、その量も増加してきている。そのため、これらの情
報をすべて可視状態で1枚のシートに記録でき、更に情
報の内容により色調によって差別化もできる記録材料が
望まれている。しかも、記録する手段も簡便で小型化が
可能な記録方式が好ましい。
【0008】本発明の目的は、一つの記録材料に、常時
必要な可視情報を記録し、かつこれとは別に一時的に必
要な可視情報を記録し繰り返して情報を書き込みおよび
消去することができ、画像のコントラストに優れ、更に
その色による差別化も可能な可逆感熱系複合記録材料を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するため研究を行った結果、支持体の一方の面
に、熱エネルギーを変化させることにより可視画像の繰
り返し書き込み及び消去ができる可逆感熱記録層を設
け、支持体の該面の可逆感熱記録層上及び/又はこれと
は異なる場所に、及び/又は支持体の他の一方の面に、
非可逆記録層を1種以上設けることによって、目的とす
る可逆感熱系複合記録材料を得ることができた。
【0010】本発明の可逆感熱系複合記録材料における
可逆感熱記録層としては、例えば、特開昭54−119
377号公報、特開昭63−39377号公報、特開昭
63−41186号公報に開示されている、樹脂母材と
この樹脂母材中に分散された有機低分子化合物から構成
される可逆感熱記録材料を用いることができる。この記
録材料は、熱エネルギーによって可逆感熱記録層の透明
度を可逆的に変化させるものであり、予め樹脂母材中に
有機低分子化合物を含有せしめ、フィルム状に形成され
る。そのため、透過光を利用して使用する場合はそのま
まフィルムとして利用することが出来るが、本発明の可
逆感熱系複合記録材料において使用するためには、反射
光を利用して画像を認識する事が必要である。この場
合、着色した支持体上に、あるいは着色層を持つ支持体
上に、該フィルムを貼り合わせて使用する事が必要であ
る。
【0011】好ましい可逆感熱記録層は、例えば特願平
4−347032号で提案した、あるいは特開昭61−
239444号公報、特開昭63−27587号公報、
特開昭63−173684号公報、特開平2−1882
93号公報に開示されている、加熱により高濃度に発色
し更に再加熱により消色するタイプであり、画像のコン
トラストが大きく画像認識し易い。このタイプとして特
に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却
速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生
じさせる可逆顕色剤とを主成分としてなる可逆感熱記録
層が好ましく用いられる。
【0012】本発明における可逆感熱記録層に用いる可
逆顕色剤としては、加熱により染料前駆体に可逆的な色
調変化を生じさせる化合物であれば特に限定されず、例
えば、特開昭61−239444号公報に開示の光吸収
剤、特開昭63−173684号公報に開示のアスコル
ビン酸−6−0−アシル誘導体、特開平2−18829
3号公報に開示の顕減色剤を挙げることができるが、画
像のコントラスト、繰り返しの耐久性等から、本出願人
が特願平4−347032号で提案した可逆感熱記録材
料に用いる炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を有する電
子受容性化合物が好ましく、特に炭素数6以上の脂肪族
炭化水素基を少なくとも一つ有するフェノール性化合物
であることが好ましい。
【0013】本発明に用いる可逆顕色剤としては、例え
ば一般式化1で表されるものなどがあるが、これに限定
されるものではない。
【0014】
【化1】
【0015】式化1中、nは1以上3以下の整数を、m
は0または1の整数を表す。R1 、R2 は脂肪族炭化水
素基、アルコキシ基、ハロゲン原子から選ばれる置換基
または水素原子を表し、互いに同一でも異なっていても
良い。R3 は脂肪族炭化水素基を表す。Yは式化2で表
される基である。また、化1で表される化合物の中、R
3 の炭素数の多い方が好ましく、R3 の炭素数が5以下
であるものは消色効果が十分ではない。また、R3 の炭
素数が23以上であるものは製造コストが高いため、R
3 は炭素数6以上22以下の脂肪族炭化水素基であるも
のが特に好ましい。
【0016】
【化2】
【0017】式化2中、11、12は各々0または1の
整数を表す。X1 、X2 は各々少なくとも1つのヘテロ
原子を有する2価の基を表し、互いに同一でも異なって
いても良い。Arは置換基を有してもよい芳香族基を示
し、化3で表される芳香族基が特に好ましい。
【0018】
【化3】
【0019】式化3中、k1、k2は各々0または1の
整数を表し、X3 、X4 は各々少なくとも1つのヘテロ
原子を有する2価の基を示し、互いに同一でも異なって
いても良い。k1が0のとき、R4 は脂肪族炭化水素
基、アルコキシ基、ハロゲン原子から選ばれる置換基ま
たは水素原子を表し、k1が1のとき、R4 は脂肪族炭
化水素基を示す。また、k2が0のとき、R5 は脂肪族
炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子から選ばれる
置換基または水素原子を表し、k2が1のとき、R5
脂肪族炭化水素基を示す。
【0020】式化3中、R4 、R5 が脂肪族炭化水素基
であるときには、R4 、R5 は各々炭素数6以上22以
下の脂肪族炭化水素基であることが特に好ましい。ま
た、式化1および式化3中、R1 〜R5 が脂肪族炭化水
素基であるときには、R1 〜R5 はアルキル基、シクロ
アルキル基またはアルケニル基であることが特に好まし
い。
【0021】式化2および式化3中、X1 〜X4 で表さ
れる少なくとも1つのヘテロ原子を有する2価の基とし
ては、例えばアミド結合、スルホンアミド結合、エステ
ル結合、炭酸エステル結合、エーテル結合、スルフィド
結合、チオエステル結合、カルボニル基、アミノ結合、
尿素結合、チオ尿素結合、ウレタン結合、アゾメチン結
合などが挙げられ、特に、アミド結合、スルホンアミド
結合、スルフィド結合、尿素結合、アゾメチン結合から
選ばれる2価の基が好ましいが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0022】次に、本発明に用いる可逆顕色剤として好
ましいものの具体例を挙げるが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0023】4′−ヒドロキシヘプタンアニリド、4′
−ヒドロキシ−3−メチルオクタンアニリド、4′−ヒ
ドロキシトリデカンアニリド、4′−ヒドロキシノナデ
カンアニリド、3′−ヒドロキシノナデカンアニリド、
2′,4′−ジヒドロキシヘプタデカンアニリド、4′
−ヒドロキシ−4−ヘキシルベンズアニリド、4′−ヒ
ドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、4′−ヒ
ドロキシ−4−(ヘプチルチオ)ベンズアニリド、4′
−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンズアニリ
ド、4′−ヒドロキシ−4−ドデシルスルホニルベンズ
アニリド、4′−ヒドロキシ−4−(N−ヘプタデシリ
デンアミノ)ベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3,
4−ジオクチルオキシベンズアニリド、4′−ヒドロキ
シ−3−(ヘプタデシルチオ)−5−ペンタデシルオキ
シベンズアニリド、4′−ヒドロキシ−3−ヘプタデシ
ルカルボニルアミノ−5−ドデシルベンズアニリド、
4′−ヒドロキシ−3,5−ビス(N−ドコシリデンア
ミノ)ベンズアニリド、
【0024】N−シクロヘキシル−4−ヒドロキシベン
ズアミド、N−シクロヘキシルメチル−4−ヒドロキシ
ベンズアミド、N−メチル−N−オクタデシル−4−ヒ
ドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシ−4′−ヘプチ
ルカルボニルアミノベンズアニリド、4−ヒドロキシ−
4′−オクチルオキシカルボニルアミノベンズアニリ
ド、N−メチル−3−ヒドロキシ−4′−オクタデシル
ベンズアニリド、4−(N−オクチルスルホニルアミ
ノ)フェノール、4′−ヒドロキシ−4−シクロヘキシ
ルベンゼンスルホンアニリド、4′−ヒドロキシ−4−
オクタデシルアミノベンゼンスルホンアニリド、N−オ
クチリデン−4−(4−ヒドロキシフェニル)アミノス
ルホニルアニリン、
【0025】4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキ
シジフェニルスルフィド、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N′−オクタデシル尿素、N−(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、N
−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−(4−テトラデ
シルフェニル)尿素、N−(4−ヒドロキシベンジリデ
ン)オクタデシルアミン、N−(4−ヒドロキシベンジ
リデン)−4′−テトラデシルカルボニルオキシアニリ
ン、N−(3−ヒドロキシベンジリデン)ドデシルアミ
ン、N−(4−ヒドロキシ−α−メチルベンジリデン)
−4′−オクタデシルアニリン、N−(4−オクタデシ
ルカルボニルアミノ)ベンジリデン−4′−ヒドロキシ
アニリン等が挙げられる。
【0026】本発明における可逆感熱記録層に用いる通
常無色ないし淡色の染料前駆体としては、一般に感圧記
録紙、感熱記録紙、感光感圧紙、通電感熱記録紙、感熱
転写紙等に用いられる電子供与性化合物に代表される
が、特に制限されるものではない。具体的な例として
は、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0027】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)
フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル
インドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインド
ール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−
ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチ
ルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド
等のトリアリールメタン系化合物。
【0028】4,4´−ビス(ジメチルアミノフェニ
ル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェ
ニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフ
ェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合
物。
【0029】ローダミンBアニリノラクタム、ローダミ
ンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロ
ロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0030】3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペ
リジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−
フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4
−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチ
ル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テト
ラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン等のキサンテン系化合物。
【0031】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化
合物。3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルス
ピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフ
トピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メ
チルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3
−プロピルスピロベンゾピラン等のスピロ系化合物等が
ある。これらの通常無色ないし淡色の電子供与性染料前
駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用し
てもよい。
【0032】可逆感熱記録層において、染料前駆体に対
する可逆顕色剤の使用量は5〜5000重量%が好まし
く、10〜3000重量%が特に好ましい。また、染料
前駆体の塗布量は、発色濃度およびコストの点から、
0.01〜2.0g/m2 であることが好ましく、0.
1〜1.5g/m2 が特に好ましい。
【0033】また、可逆感熱記録層の強度を向上させる
等の目的で、バインダーを可逆感熱記録層中に添加する
事も可能である。これらのバインダーの具体例として
は、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、
カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/ア
クリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリ
ル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポ
リ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステ
ル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン
共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテック
スなどがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0034】また、可逆感熱記録層の発色感度及び消色
温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可
逆感熱記録層中に含有させることができる。これらの熱
可融性物質としては60℃〜200℃の融点を有するも
のが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するも
のが好ましい。また、一般の感熱記録紙に用いられてい
る増感剤を使用することもできる。具体例としては、N
−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸
アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベ
ンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベ
ンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビ
フェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキ
シ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキ
シ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)
エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シ
ュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジ
ル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体
等が挙げられ、2種以上併用して添加することもできる
が、これらに限定されるものではない。更に、可逆感熱
記録層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオ
リン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素
−ホルマリン樹脂等の無機及び有機顔料、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光
染料などを含有させることもできる。
【0035】本発明における非可逆記録層としては、例
えば、公知の感熱記録層、感圧記録層、インクジェット
受理層、熱転写受理層を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。
【0036】本発明における非可逆記録層が感熱記録層
である場合、この感熱記録層としては、加熱により発色
画像が得られるもので、2成分発色系が好ましく更に前
述のバインダーを併用するのが好ましい。例えば、通常
無色ないし淡色の前記染料前駆体と、加熱により該染料
前駆体と反応し発色画像を形成する顕色剤を主成分とし
て成る系、芳香族イソシアナート化合物と、加熱により
該芳香族イソシアナート化合物と反応し発色画像を形成
するイミノ化合物を主成分として成る系、高級脂肪酸金
属塩と、加熱により該高級脂肪酸金属塩と反応し発色画
像を形成する多価フェノール系化合物等を主成分として
成る系、ジアゾニウム塩と、加熱により該ジアゾニウム
塩と反応し発色画像を形成するカプラー等を主成分とし
て成る系が挙げられる。これらから、選択された発色系
で使用する、2成分の少なくとも一方の成分がマイクロ
カプセル化されていても良い。
【0037】本発明における感熱記録層に用いる染料前
駆体は可逆感熱記録層に用いられるものはいずれも使用
することができ、両層に用いられる染料前駆体は同一で
あっても異なっていてもよい。感熱記録層に用いる顕色
剤としては、加熱により染料前駆体と反応し、発色画像
を生じせしめる化合物であれば特に限定されない。例え
ばフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,
N′−ジアリールチオ尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩
などの多価金属塩を用いることができる。また、特に好
ましいものはフェノール誘導体である。
【0038】具体的には、p−フェニルフェノール、p
−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−
メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イ
ソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2
−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼ
ン、
【0039】1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−
〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベ
ンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス
(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチ
ルエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン、p−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジ
ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジ
ル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、5−クロ
ロサリチルアニリド等がある。
【0040】本発明における感熱記録層に用いる芳香族
イソシアナート化合物は、常温で固体の無色または淡色
の芳香族イソシアナート化合物または複素環イソシアナ
ート化合物であり、例えば、下記のイソシアナート化合
物の1種以上が用いられる。
【0041】2,6−ジクロロフェニルイソシアナー
ト、p−クロロフェニルイソシアナート、1,3−フェ
ニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシ
アナート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソ
シアナート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイ
ソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソ
シアナート、1−メトキシベンゼン−2,5−ジイソシ
アナート、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシア
ナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソ
シアナート、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジ
イソシアナート、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4
−ジイソアナート、アゾベンゼン−4,4′−ジイソア
ナート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアナ
ート、
【0042】ナフタリン−1,4−ジイソシアナート、
ナフタリン−1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−
2,6−ジイソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイ
ソシアナート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,
4′−ジイソシアナート、3,3′−ジメトキシビフェ
ニル−4,4′−ジイソシアナート、ジフェニルメタン
−4,4′−ジイソシアナート、ジフェニルジメチルメ
タン−4,4′−ジイソシアナート、ベンゾフェノン−
3,3′−ジイソシアナート、フルオレン−2,7−ジ
イソシアナート、アンスラキノン−2,6−ジイソシア
ナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシア
ナート、ピレン−3,8−ジイソシアナート、ナフタレ
ン−1,3,7−トリイソシアナート、ビフェニル−
2,4,4′−トリイソシアナート、4,4′,4″−
トリイソシアナート−2,5−ジメトキシトリフェニル
アミン、p−ジメチルアミノフェニルイソシアナート、
トリス(4−フェニルイソシアナート)チオフォスフェ
ート等がある。
【0043】これらのイソシアナート化合物は、必要に
応じて、フェノール類、ラクタム類、オキシム類等との
付加化合物である、いわゆるブロックイソシアナートの
かたちで用いてもよく、ジイソシアナートの2量体、例
えば1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアナートの
2量体、および3量体であるイソシアヌレートのかたち
で用いてもよく、また、各種のポリオール等でアダクト
化したポリイソシアナートとして用いることも可能であ
る。
【0044】該芳香族イソシアナート化合物と加熱時に
反応して発色画像が得られるイミノ化合物としては、常
温で固体の無色または淡色の化合物が好ましい。以下に
具体例を示す。目的に応じて、2種以上のイミノ化合物
を併用することも可能である。
【0045】3−イミノイソインドリン−1−オン、3
−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリ
ン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラブ
ロモイソインドリン−1−オン、3−イミノ−5,6−
ジクロロイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,
5,7−トリクロロ−6−メトキシイソインドリン−1
−オン、3−イミノ−4,5,7−トリクロロ−6−メ
チルメルカプト−イソインドリン−1−オン、3−イミ
ノ−6−ニトロイソインドリン−1−オン、3−イミノ
−イソインドリン−1−スピロ−ジオキソラン、1,1
−ジメトキシ−3−イミノイソインドリン、1,1−ジ
エトキシ−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロ
イソインドリン、1−エトキシ−3−イミノイソインド
リン、1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイ
ミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、
1,3−ジイミノ−6−メトキシイソインドリン、1,
3−ジイミノ−6−シアノイソインドリン、1,3−ジ
イミノ−4,7−ジチア−5,5,6,6−テトラヒド
ロイソインドリン、7−アミノ−2,3−ジメチル−5
−オキソピロロ〔3,4b〕ピラジン、1−イミノナフ
タル酸イミド、1−フェニルイミノ−3−イミノイソイ
ンドリン、1−(2,5−ジクロロフェニルイミノ)−
3−イミノイソインドリン、
【0046】1−(2,4,5−トリクロロフェニルイ
ミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2,5−ジ
メトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(3−N,N−ジメチルアミノ−4−メトキシ
フェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(6−メチルベ
ンゾチアゾリル−2−イミノ)−3−イミノイソインド
リン、1−(p−フェニルアゾフェニルイミノ)−3−
イミノイソインドリン、1−(ナフチル−1−イミノ)
−3−イミノイソインドリン、1−(N−エチルカルバ
ゾリル−3−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1
−(ナフトキノン−1′−イミノ)−3−イミノイソイ
ンドリン、1−(ベンズイミダゾロン−6−イミノ)−
3−イミノイソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル
−2−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(イ
ンダゾリル−3−イミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(シアノカルボメトキシメチレン)−3−イミ
ノイソインドリン、1−(シアノ−N−フェニルカルバ
モイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−
〔シアノ−N−(4−クロロフェニル)−カルバモイル
メチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ
−N−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−カルバモ
イルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、
【0047】1−(シアノ−p−ニトロフェニルメチレ
ン)−3−イミノイソインドリン、1−(ジシアノメチ
レン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノチア
ゾリル−(2)−カルバモイルメチレン)−3−イミノ
イソインドリン、1−(シアノベンゾチアゾリル−
(2)−カルバモイルメチレン)−3−イミノイソイン
ドリン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2)−メ
チレン〕−3−イミノ−5−メトキシイソインドリン、
1−〔(1−メチル−3−n−ブチル)−バルビツル酸
−5′〕−3−イミノイソインドリン、3−イミノ−1
−スルホ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−6
−クロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−
5,6−ジクロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−ス
ルホ−6−メトキシ安息香酸イミド、3−イミノ−1−
スルホナフトエ酸イミド、3−イミノ−2−メチル−
4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オ
ン等がある。
【0048】本発明における感熱記録層に用いる高級脂
肪酸金属塩としては、多価フェノール化合物と加熱溶融
によりコンプレックスを形成し、着色色素が得られる化
合物が用いられる。具体的には、ステアリン酸第2鉄、
ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸第2銅、ベヘン酸
鉄、ベヘン酸銀、ミリスチン酸鉛等がある。多価フェノ
ール化合物として、具体的には、タンニン酸、没食子
酸、ハイドロキノン等がある。
【0049】本発明における感熱記録層に用いるジアゾ
ニウム塩は芳香族系が好ましく、具体的には4−モルフ
ォリノベンゼンジアゾニウムフルオロボレート、p−
N,N−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウムクロリド
塩化亜鉛複塩、4−(4−メトキシベンゾイルアミノ)
−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムクロリド塩
化亜鉛複塩等があり、ジアゾニウム塩と熱アルカリ発生
剤下で反応して着色色素が得られるカプラーとしては、
1−ヒドロキシナフタレン−4−スルホン酸ナトリウ
ム、フロログリシン、1,2−ビス(m−ヒドロキシフ
ェノキシ)エタン、2−ヒドロキシナフタレン−3−カ
ルバモイル−β−アミノエチルアミノ塩酸塩等がある。
【0050】本発明における非可逆記録層が感圧記録層
である場合、この感圧記録層としては、加圧により発色
画像が得られるもので、通常無色ないし淡色の染料前駆
体と顕色剤の2成分のうち少なくとも一方の成分がマイ
クロカプセル化されている2成分自己発色系、あるいは
マイクロカプセル化されていてもよい顕色剤を含む系が
好ましく用いられる。前者の系は、感圧記録層に直接加
圧することにより、感圧記録層上に発色画像を得る場合
と、感圧記録層の上に他のシートを重ね合わせ、反対側
から加圧することにより、他のシート上に発色画像を得
る場合等がある。後者の系は感圧記録層に含まれる顕色
剤と反応して色素を形成する染料前駆体を、好ましくは
マイクロカプセル中に含んだ状態で支持体上に保持した
シートを重ね合わせて、加圧することにより発色画像が
得られるものである。これらの系には、その強度を向上
させるため、前述のバインダーを併用するのが好まし
い。また、特開昭55−3969号公報に開示されてい
るポリオレフィン系粉末を添加した感圧記録層も好まし
く用いられる。あるいは特開昭64−40327号公報
に開示されているワックス含有の感圧転写層としてもよ
い。
【0051】本発明における感圧記録層の形成に用いる
染料前駆体としては、可逆感熱記録層に用いられるもの
はいずれも使用することができ、両層に用いられる染料
前駆体は同一であっても異なっていてもよい。
【0052】顕色剤としては、酸性白土、活性白土、カ
オリン、ゼオライト、ベントナイト等の無機酸性物質、
p−クレゾール、p−オクチルフェノール、p−シクロ
ヘキシルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナ
フチルフェノール、クミルフェノール、p−クロロフェ
ノール等の置換フェノール系化合物、フェノール−ホル
マリン縮合物等のフェノール樹脂系化合物、及びそれら
を亜鉛、ニッケル等の多価金属塩で変性した金属塩変性
フェノール樹脂系化合物、p−ブチル安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,5−ヒドロキシ安息香酸、サリ
チル酸、5−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ
−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸等の芳香族カルボン酸系化合
物、及びそれらを亜鉛、ニッケル等の多価金属で金属塩
とした芳香属カルボン酸系化合物の金属塩、又はこれら
と芳香属カルボン酸系化合物との混合物等が挙げられ
る。
【0053】染料前駆体、顕色剤のマイクロカプセル化
は、当業界公知の方法で行なうことができる(例えば、
米国特許第2800457号明細書、特公昭38−19
574号公報、特公昭51−9079号公報、英国特許
第952807号明細書、米国特許第3111407号
明細書参照)。マイクロカプセル化のための壁膜形成材
としては、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン、アルギ
ン酸ソーダ、エチルセルロース、カルボキシエチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポレエチレンイミ
ン等が用いられる。マイクロカプセル化のために用いる
不揮発性油としては、アルキルナフタレン系、塩素化パ
ラフィン系、ジアリールエタン系、ジアリールメタン
系、アルキルジフェニル系、芳香属エステル系、脂肪酸
エステル系等の油があり、これらは単独または組合せて
使用することができる。さらに、カプセル保護剤、無機
顔料、有機顔料、分散剤、消泡剤、減感剤などを添加し
ても良い。
【0054】また、外圧による不所望のマイクロカプセ
ルの破壊を防止するため、特開昭55−3969号公報
に開示のポリオレフィン系粉末を、マイクロカプセル化
された前記2成分系に併用することは有用である。ま
た、転写性を向上させるため、特開昭64−40327
号公報に開示のワックス類を併用することも好ましい。
【0055】本発明における非可逆記録層がインクジェ
ット受理層である場合、このインクジェット受理層とし
ては、インク吸収性が良好であり、インクのにじみが少
なく、高濃度、高解像度が得られると共に、白色度の高
いことが要求される。このため、一般にアート紙やコー
ト紙に使用されている顔料、例えば、カオリン、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等が用いられる
が、特に微細シリカが好ましく用いられる。またバイン
ダーとしては前述のバインダーが用いられるが、水溶性
バインダーが好ましく用いられる。さらに必要により、
分散剤、消泡剤等を含有するものが好ましく用いられる
(例えば特開平4−43094号公報、特開昭55−5
1583号公報、特開昭57−107878号公報参
照)。
【0056】特に、耐水性及び耐光性に優れたインクジ
ェット受理層を目的とする場合には、特開昭60−23
2990号公報に開示されている多孔質のカチオン性水
和アルミニウム酸化物を含有するものが好ましい。
【0057】本発明における非可逆記録層が熱転写受理
層である場合、この熱転写受理層として、溶融転写型あ
るいは昇華転写型の従来公知の種々の成分を含有するも
のを用いることができる。溶融転写型のものとしては、
具体的には例えば、特開平4−43094号公報に開示
されている顔料と前述のバインダーを主成分とする熱転
写受理層を挙げることができる。高階調性を目的とする
場合には、更に表層に融点の高い熱溶融性物質を塗設し
たタイプも好ましい(特開昭60−255487号公報
参照)。
【0058】顔料としては例えば、天然又は合成のゼオ
ライト、カオリン、タルク、ろう石、ケイソウ土、合成
シリカ、クレー、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ケイ
酸マグネシウム、酸化チタン、炭酸バリウム、水酸化ア
ルミニウム等の無機顔料、尿素−ホルマリンフィラー等
の有機顔料を挙げることができる。他の添加剤として、
顔料分散剤、消泡剤、滑剤、染料、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤、耐水化剤、防腐剤等が適宜使用される。
【0059】溶融転写型の他の例としては、特開昭63
−25088号公報に開示されている、イミノ化合物又
は芳香族性イソシアナート化合物を含有する層を挙げる
ことができる。
【0060】昇華転写型のものとしては、具体的には例
えば、特開平2−111586号公報に開示の染料画像
受容ポリマー層を挙げることができる。染料画像受容ポ
リマー層は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、スチレン/アクリ
ロニトリル共重合体、又はこれらの混合物を含有する。
昇華転写型の他の例としては、特開昭59−85792
号公報あるいは特開昭60−236794号公報に開示
されている各層を挙げることができる。
【0061】本発明の可逆感熱系複合記録材料を形成す
る層構成は、支持体の一方の面に可逆感熱記録層を設
け、支持体の該面の可逆感熱記録層上及び/又はこれと
は異なる場所に、及び/又は支持体の他の一方の面に、
非可逆記録層を1種以上設ける。すなわち例えば、支持
体上に、可逆感熱記録層と非可逆記録層をこの順で積層
することもできる。この場合、支持体は透明であること
が好ましい。耐久性向上のため、可逆感熱記録層上には
保護層を設けることが好ましく、非可逆記録層上にも保
護層を設けてもよい。可逆感熱記録層と支持体との間、
あるいは非可逆記録層と支持体との間に、または可逆感
熱記録層と保護層との間、あるいは非可逆記録層と保護
層の間に、中間層を設けることもできる。この場合、保
護層及び/又は中間層は2層以上の層から構成されてい
てもよい。更に、支持体と可逆感熱記録層又は非可逆記
録層との間、及び/又は可逆感熱記録層と非可逆記録層
との間及び/又は保護層上及び/又は可逆感熱記録層上
及び/又は非可逆記録層上などに、電気的、磁気的、光
学的に情報が記録可能な材料を含んだ層を形成しても良
い。
【0062】保護層を形成する材料としては、水溶性高
分子、ラテックス類、重合性化合物等がある。例えば、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、メタアクリル酸エステル、アクリル酸オリゴマー、
アクリル酸エステルオリゴマー等が挙げられる。また必
要に応じて、エポキシ化合物、尿素誘導体、ビニル化合
物等の架橋剤、リン酸系、スルホン酸系、ポリアミド
系、アミン系等の硬化剤等を添加することが出来る。ま
た、予めポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等
のように透明フィルムの状態にして、可逆感熱記録層、
非可逆記録層の上に貼り合わせ等の手段で保護層を形成
することもできる。
【0063】また、保護層及び/又は中間層には、ケイ
ソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂、
メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機及び無機顔
料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィ
ン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸ア
ミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、さらに界
面活性剤、蛍光染料などを含有させることもできる。
【0064】可逆感熱記録層あるいは非可逆記録層中
に、各成分化合物を含有させる方法としては、各々の化
合物を単独で水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散す
る方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから水あるいは有
機溶媒に溶解もしくは分散する方法、各々の化合物を加
熱溶解し均一化した後冷却し、水あるいは有機溶媒に溶
解もしくは分散する方法等により得られた各々の溶液あ
るいは分散液を混合し、支持体上に印刷、塗布し乾燥す
る方法等がある。この場合、例えば、可逆感熱記録層に
おいて、その各発色成分を一層ずつに含有させ多層構造
としてもよいが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0065】本発明に用いる支持体としては、紙、塗工
紙、各種不織布、織布、ラミネート紙、合成紙、金属
箔、合成樹脂、あるいは合成樹脂に白色顔料等を加えて
成膜した白色シート、発泡シート、あるいはこれらを組
み合わせた複合シートを、目的に応じて任意に用いるこ
とができる。これらは不透明、半透明、透明のいづれで
あってよい。また支持体の厚みは、繰り返しの使用に耐
える範囲であれば特に制限されないが、好ましくは30
〜1500μm、特に好ましくは40〜800μm程度
である。
【0066】本発明の可逆感熱系複合記録材料におい
て、支持体の両面の各々に設けた可逆感熱記録層及び非
可逆記録層の画像の色相をそれぞれ変えることは、情報
の差別化の点で好ましい。この場合、可逆感熱記録層、
及び感熱記録層あるいは感圧記録層については、これら
に使用する通常無色ないし淡色の染料前駆体を選択する
ことにより、容易に画像の色相を変えることができる。
使用する支持体に不透明な支持体を用いた場合、表裏に
書き込まれた情報の識別が容易であること、また透明、
半透明な支持体を用いた場合、一方の面より見ることに
より、2色で表示された情報が得られること等、発色色
相を変えた形態では情報の識別、優位性の確認等を色で
表示することが可能なため有利に用いられる。
【0067】本発明の可逆感熱系複合記録材料を構成す
る各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるもの
ではなく、従来の方法により形成することが出来る。例
えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バー
コーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平版、凸
版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメ
ルト等の方式による各種印刷機等を用いる事が出来る。
さらに通常の乾燥工程の他、UV照射・EB照射により
各層を保持させる事が出来る。これらの方法により、支
持体の両面同時に、あるいは片面別々に塗抹、印刷する
ことができる。
【0068】また、本発明の可逆感熱系複合記録材料
は、例えば、2枚の同一あるいは異った種類の一方の支
持体の片面に可逆感熱記録層を含む層を形成し、更に他
の一方の支持体の片面に非可逆記録層を含む層を形成し
た後、それぞれの支持体の可逆感熱記録層あるいは非可
逆記録層を含まない面を対峙させ、接着剤等により貼り
合わせる事により形成することもでき、また、貼り合わ
せの際に、お互いを別の支持体の両面に貼り合わせる事
により形成することもできる。
【0069】本発明の特に好ましい可逆感熱記録層に発
色記録画像を形成するためには、加熱に引き続き急速な
冷却が起これば良く、記録画像の消色を行うためには加
熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で
加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等し
て急速に冷却させることにより、発色状態を発現させる
ことができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を
用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直
ちに冷却する為、発色状態を発現させることができる。
一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロ
ール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタ
ングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻
射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だ
けでなく支持体等も加熱される為、熱源を除いても冷却
する速度が遅いので消色状態になる。従って、同じ加熱
温度及び/又は同じ熱源を用いても、冷却速度を制御す
ることにより、発色状態および消色状態を任意に発現さ
せることができる。
【0070】本発明の可逆感熱系複合記録材料は、片面
を別々に情報記録することも、また画像記録手段を該可
逆感熱系複合記録材料の両面に複数設置することによ
り、両面を同時に情報記録することも出来る。片面のみ
に可逆感熱記録層と非可逆記録層を設けた可逆感熱系複
合記録材料についても同様に、情報記録を行なうことが
出来る。
【0071】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。実施例中の「部」及び「%」はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。
【0072】実施例1 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン25部を2.5%ポリビニルアルコール水溶
液80部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料前駆
体分散液を得た。次いで、4´−ヒドロキシ−n−ヘプ
タンアニリド63部を2.5%ポリビニルアルコール水
溶液200部と共にボールミルで24時間粉砕し、可逆
顕色剤分散液を得た。得られた2種の分散液を混合し、
10%ポリビニルアルコール水溶液130部を添加し十
分に撹拌して、可逆感熱塗液を調製した。得られた塗液
をメイヤーバーにより、188μm厚のポリエチレンテ
レフタレート(PET)シート上の一方の面に、固形分
塗抹量が4g/m2 となる様に塗抹し乾燥し、スーパー
カレンダーで処理して、可逆感熱記録層を形成した。更
に、この可逆感熱記録層の表面に、ポリビニルアルコー
ルを3μmの厚さになるように塗抹し乾燥して、保護層
を形成した。
【0073】さらに、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン25部を2.5%ポリ
ビニルアルコール水溶液80部と共にボールミルで24
時間粉砕して、染料前駆体分散液を得た。次いで、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50部を
2.5%ポリビニルアルコール水溶液160部と共にボ
ールミルで24時間粉砕して、顕色剤分散液を得た。添
加剤として2−ベンジルオキシナフタレン50部を2.
5%ポリビニルアルコール水溶液160部と共にボール
ミルで24時間粉砕して、分散液を得た。これら3種の
分散液を混合し、次にステアリン酸亜鉛の40%分散液
25部、炭酸カルシウムの40%分散液50部を加え、
10%ポリビニルアルコール水溶液130部を添加し、
水160部を加えた後、十分に撹拌して、感熱塗液を調
製した。得られた塗液を、先に可逆感熱記録層を設けた
ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上の他の
一方の面に、メイヤーバーを用いて固形分塗抹量4g/
2 となる様に塗抹し乾燥し、スーパーカレンダーで処
理して、感熱記録層を更に設けた可逆感熱系複合記録材
料を得た。
【0074】得られた可逆感熱系複合記録材料の可逆感
熱記録層塗抹部分に、大倉電気製感熱ファクシミリ印字
試験機TH−PMDを用いて、京セラ製印字ヘッドKJ
T−256−8MGF1にて、印加パルス1.0ミリ
秒、印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた黒色
の発色画像の濃度を光学濃度計マクベスRD918にて
測定したところ1.20であった。この画像を熱スタン
プを用いて120℃で1秒間加熱して消色した後、同様
にして濃度を測定したところ0.18となった。
【0075】次に、得られた可逆感熱系複合記録材料の
可逆感熱記録層塗抹面にバーコード印字機でJANコー
ドを印字したところ、明瞭な黒色のバーコード印字がで
き、バーコードリーダーで読み取りができた。次に、他
の面に設けた感熱記録層塗抹面にワープロで印字したと
ころ、明瞭な黒色の文字が印字できた。可逆感熱系複合
記録材料の可逆感熱記録層のバーコード印字部に120
℃の熱スタンプを1秒間当てたところ、バーコードは消
失し、印字前の状態に戻った。他の面の感熱記録層上の
黒色の文字はそのまま残った。
【0076】実施例2 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン25部を2.5%ポリビニルアルコール水溶
液80部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料前駆
体分散液を得た。次いで、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N´−ドデシル尿素63部を2.5%ポリビニル
アルコール水溶液200部と共にボールミルで24時間
粉砕し、可逆顕色剤分散液を得た。得られた2種の分散
液を混合し、10%ポリビニルアルコール水溶液130
部を添加し十分に撹拌して、可逆感熱塗液を調製した。
得られた塗液を、メイヤーバーにより48μm厚の上質
紙の一方の面に、固形分塗抹量3g/m2 となる様に塗
抹し乾燥し、スーパーカレンダーで処理して、可逆感熱
記録層を形成した。更に、この可逆感熱記録層の表面
に、ポリアクリル酸エステル共重合体を4μmの厚さに
なるように塗抹し乾燥して、保護層を形成した。
【0077】次に、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−クロロフルオラン25部を2.5%ポリビニルアル
コール水溶液80部と共にボールミルで24時間粉砕し
て、染料前駆体分散液を得た。次いで、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50部を2.5%
ポリビニルアルコール水溶液160部と共にボールミル
で24時間粉砕して、顕色剤分散液を得た。添加剤とし
て2−ベンジルオキシナフタレン50部を2.5%ポリ
ビニルアルコール水溶液160部と共にボールミルで2
4時間粉砕し、分散液を得た。これら3種の分散液を混
合し、10%ポリビニルアルコール水溶液80部を添加
し十分に撹拌して、感熱塗液を調製した。得られた塗液
を、別の48μm厚の上質紙の一方の面に、メイヤーバ
ーを用いて固形分塗抹量3.4g/m2 となる様に塗抹
し乾燥し、スーパーカレンダーで処理して、感熱記録層
を得た。更に、得られた感熱記録層の表面に、ポリアク
リル酸エステル共重合体を4μmの厚さになるように塗
抹し乾燥して、保護層を形成した。
【0078】次に、75μm厚の発泡ポリエチレンテレ
フタレート(PET)シートの両面の各々の面に接着剤
を塗り、上記で得られた2種類の塗抹紙の未塗抹面を対
峙させ、貼り合わせた後、カレンダーで両面を処理し
て、可逆感熱系複合記録材料を得た。
【0079】得られた可逆感熱系複合記録材料の可逆感
熱記録層塗抹部分に、大倉電気製感熱ファクシミリ印字
試験機TH−PMDを用いて、京セラ製印字ヘッドKJ
T−256−8MGF1にて、印加パルス1.0ミリ
秒、印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色
画像の濃度を光学濃度計マクベスRD918にて測定し
たところ、その濃度は1.25であった。この画像を熱
スタンプを用いて120℃で1秒間加熱して消色した
後、同様にして濃度を測定したところ、0.18となっ
た。
【0080】次に、得られた可逆感熱系複合記録材料の
可逆感熱記録層塗抹面にバーコード印字機でJANコー
ドを印字したところ、明瞭な黒色のバーコード印字がで
き、バーコードリーダーで読み取りができた。次に、ワ
ープロにて感熱記録層を形成した面に印字したところ、
明瞭な赤色の文字印字が出来た。可逆感熱系複合記録材
料の可逆感熱記録層のバーコード印字部に120℃の熱
スタンプを当てたところ、バーコードは消失し、印字前
の状態に戻った。更に、この面に再びバーコード印字機
でJANコードを印字したところ、再び明瞭な黒色のバ
ーコード印字ができ、バーコードリーダーで読み取りが
できた。他の面の感熱記録層に印字された赤色の印字文
字はそのまま残った。
【0081】実施例3 実施例2における可逆感熱塗液及びポリアクリル酸エス
テル共重合体と同じものを用いて、実施例2と同様にし
て、188μm厚のポリエチレンテレフタレート(PE
T)シートの一方の面に、可逆感熱記録層及び保護層を
順次積層した。
【0082】次に、この可逆感熱記録層及び保護層を積
層したポリエチレンテレフタレート(PET)シートの
他の一方の面に、以下のようにして調製した水分散塗液
を6g/m2 となるように塗抹して、感圧記録層を更に
設けた可逆感熱系複合記録材料を得た。 (1)染料前駆体を含むマイクロカプセル分散液の調製 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン6部をハイゾールSASN296(日本石油化学社
製、ジアリールメタン系溶剤)94部に溶解し、染料前
駆体溶液とした。5%エチレン/無水マレイン酸水溶液
200部に前記染料前駆体溶液を乳化させ、乳化液のp
Hを4.0とした。尿素10部とレゾルシン2部を溶解
した水溶液200部を前記乳化液に加え、さらに37%
ホルマリン水溶液25部を加えた後、液の温度を55℃
に保って3時間反応させた後、冷却し、pHを8.0と
し、マイクロカプセル化を終了した。 (2)顕色剤を含むマイクロカプセル分散液の調製 エチレン/無水マレイン酸共重合体の10%水溶液10
0部、尿素10部、レゾルシン1部、および水200部
を混合して得られた溶液を、20%水酸化ナトリウム水
溶液を用いて、pH3.5に調節した。p−フェニルフ
ェノール−ホルマリン樹脂60部をジイソプロピルナフ
タレン140部に溶解し、顕色剤溶液とした。顕色剤溶
液を上記混合水溶液に乳化分散し3〜5μmの油滴とし
たのち、37%ホルマリン水溶液25部を加え攪拌しな
がら、分散液の温度を55℃に保った。2時間反応させ
たのち、冷却し、分散液のpHを9.5とし、カプセル
化を終了した。 (3)水分散塗液の調製 上記(1)及び(2)で調製した染料前駆体含有マイク
ロカプセル分散液及び顕色剤含有マイクロカプセル分散
液を用いて、次のような組成の塗液を調製した。 染料前駆体含有マイクロカプセル分散液 10部 顕色剤含有マイクロカプセル分散液 18部 パラフィン・ワックスエマルジョン 12部 ポリビニルメチルエーテル 2部 小麦デンプン 10部 SBRラテックス 8部 この塗液に更に水を加えて、20%固形分の水分散塗液
を調製した。
【0083】得られた可逆感熱系複合記録材料の可逆感
熱記録層塗抹面に、予め用意した文字原稿を高速ファク
シミリ(松下電送製UF−920)により3枚複写し
た。複写した記録シートは印字面(可逆感熱記録層)を
上にして重ね、さらに3枚目の後に普通紙を重ねて4枚
組とした。次に、印字面より文字の訂正及び追加記入の
ため赤色のボールペンを用いて加圧した。このようにし
て添削したのち、4枚を分けたとき、1枚目のボールペ
ンの加圧文字は2枚目、3枚目の可逆感熱記録層上に鮮
明な赤色の転写文字として得ることができた。さらに、
4枚目の普通紙上には添削部分のみであるが鮮明な赤色
の転写文字を得ることができた。前記両層が印字、記録
されている可逆感熱系複合記録材料の可逆感熱記録層に
形成された複写記録部に120℃の熱スタンプを当てた
ところ、この複写記録は消失した。次に、この可逆感熱
記録層塗抹面に前記と同じ文字原稿を高速ファクシミリ
により複写したところ、再び明瞭な黒色の複写記録を得
ることができた。
【0084】実施例4 実施例3における可逆感熱塗液、ポリアクリル酸エステ
ル共重合体と同じもの及び感圧記録層形成用の水分散塗
液から、パラフィン・ワックスエマルジョン12部、ポ
リビニルメチルエーテル2部を除いた以外は同様にして
作製した水分散塗液を用いて、実施例3と同様にして、
45μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)シ
ート上に、可逆感熱記録層、保護層及び感圧記録層を順
次積層した可逆感熱系複合記録材料を得た。
【0085】得られた可逆感熱系複合記録材料の感圧記
録層塗抹面に、予め用意した文字原稿を重ね合わせ、こ
の文字原稿の上からその文字の通りに加圧し、なぞった
ところ、感圧記録層に鮮明な赤色の前記文字を得ること
ができた。次に、PETシート側から、大倉電気製感熱
ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、京セラ
製印字ヘッドKJT−256−8MGF1にて、印加パ
ルス1.2ミリ秒、印加電圧26ボルトの条件で前記文
字を印字したところ、明瞭な黒色の文字が印字できた。
この発色文字に熱スタンプを120℃で1秒間当てたと
ころ、発色文字は消失し、印字前の状態に戻った。
【0086】実施例5 実施例2における可逆感熱塗液と同じものを用いて、実
施例2と同様にして、48μm厚の上質紙の一方の面の
一部に、可逆感熱記録層を形成した。
【0087】次に、この上質紙の可逆感熱記録層塗抹面
と同じ面上であって可逆感熱記録層が設けられていない
場所(上質紙上)に、合成シリカ100部、ポリビニル
アルコール(重合度1700、完全ケン化型)20部、
ポリアクリルアミド(分子量20万)20部、及び水3
00部を配合した塗布液を固形分塗布量10g/m2
なるように塗布し、105℃で乾燥し、次いでスーパー
カレンダーで処理して、インクジェット受理層を更に設
けた可逆感熱系複合記録材料を得た。
【0088】得られた可逆感熱系複合記録材料の可逆感
熱記録層塗抹面にバーコード印字機でJANコードを印
字したところ、明瞭な黒色のバーコード印字ができ、バ
ーコードリーダーで読み取りができた。次に、インクジ
ェットプリンター(IO−700、シャープ社製)によ
り、インクジェット受理層に赤色で前記バーコードを印
字した。前記両層に印字、記録されている可逆感熱系複
合記録材料のバーコード印字部に120℃の熱スタンプ
を当てたところ、可逆感熱記録層に印字されていたバー
コードは消失した。インクジェット受理層に印字されて
いる赤色のバーコードはそのまま残った。更に、可逆感
熱記録層塗抹面に再びバーコード印字機でJANコード
を印字したところ、再び明瞭な黒色のバーコード印字が
でき、バーコードリーダーで読み取りができた。
【0089】実施例6 実施例2における可逆感熱塗液と同じものを用いて、実
施例2と同様にして、48μm厚の上質紙の一方の面
に、可逆感熱記録層を形成した。
【0090】次に、この可逆感熱記録層を設けた上質紙
の他の一方の面に、合成シリカ100部、ピロリン酸ソ
ーダ0.3部、ポリビニルアルコール20部、エチレン
/酢酸ビニルラテックス20部、及び水300部を配合
した塗布液を固形分塗布量10g/m2 となるように塗
布し、105℃で乾燥し、次いでスーパーカレンダーで
処理して、熱転写受理層を更に設けた可逆感熱系複合記
録材料を得た。
【0091】得られた可逆感熱系複合記録材料の可逆感
熱記録層塗抹面にバーコード印字機でJANコードを印
字したところ、明瞭な黒色のバーコード印字ができ、バ
ーコードリーダーで読み取りができた。次に、溶融熱転
写プリンターでインキシートから熱転写受理層に、青色
の上記バーコードを印字した。その印字性を画像のカス
レで評価したところ、カスレは全く認められなかった。
可逆感熱系複合記録材料の可逆感熱記録層のバーコード
印字部に120℃の熱スタンプを当てたところ、印字さ
れていたバーコードは消失した。熱転写受理層に印字さ
れている青色のバーコードはそのまま残った。更に、可
逆感熱記録層塗抹面に再びバーコード印字機でJANコ
ードを印字したところ、再び明瞭な黒色のバーコード印
字ができ、バーコードリーダーで読み取りができた。
【0092】実施例7 実施例2における可逆感熱塗液、実施例4における感圧
記録層形成用の水分散塗液及び実施例6における熱転写
受理層形成用の塗布液と同じものを用いて、実施例2、
実施例4、実施例6と同様にして、100μm厚の上質
紙の一方の面の一部に、可逆感熱記録層を形成し、同じ
面の可逆感熱記録層が設けられていない場所の一部(上
質紙上)に、感圧記録層を形成し、更にこの上質紙の他
の一方の面に、熱転写受理層を形成した可逆感熱系複合
記録材料を得た。
【0093】得られた可逆感熱系複合記録材料の感圧記
録層塗抹面に、予め用意した文字原稿を重ね合わせ、こ
の文字原稿の上からその文字の通りに加圧し、なぞった
ところ、感圧記録層に鮮明な赤色の前記文字を得ること
ができた。次に、可逆感熱記録層塗抹面に、大倉電気製
感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、京
セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1にて、印
加パルス1.0ミリ秒、印加電圧26ボルトの条件で前
記文字を印字したところ、明瞭な黒色の文字が印字でき
た。この発色文字に熱スタンプを120℃で1秒間当て
たところ、発色文字は消失し、印字前の状態に戻った。
次に、溶融熱転写プリンターでインキシートから熱転写
受理層に、青色の前記文字を印字した。その印字性を画
像のカスレで評価したところ、カスレは全く認められな
かった。
【0094】
【発明の効果】このように、支持体上に可逆感熱記録層
と非可逆記録層を設けた本発明の可逆感熱系複合記録材
料により、1枚の記録材料に、常時必要な可視情報を記
録し、かつこれとは別に一時的に必要な可視情報を記録
し繰り返して情報を書き込み及び消去して、保存する必
要のある情報と一過性の情報を選択して記録することが
可能になった。また、可逆性のある情報記録と可逆性の
ない情報記録を色により差別化することもできるし、一
方の可逆性のない情報記録に対応させて、他の可逆的な
情報記録を変更することも可能となった。しかも、本発
明の可逆感熱系複合記録材料における可逆感熱記録層か
ら形成される画像は、コントラストに優れており、かつ
様々な色調とすることもできるので、目視により情報の
判断・確認が容易である。そのため、例えば、膨大かつ
多種多様な情報を随時あるいは常時記録する必要のある
乗車券、定期券、回数券、入場券、食券、あるいはプリ
ペイドカード等として広範囲に応用できる。
【0095】このような本発明の基本的効果のほか、可
逆感熱記録層と感熱記録層を設けた可逆感熱系複合記録
材料には、その記録にサーマルヘッドを用いることがで
きるため、記録装置が簡易という利点がある。可逆感熱
記録層と感圧記録層を設けた可逆感熱系複合記録材料に
は、可逆感熱記録層に一時的に記録した情報に従って、
感圧記録層に記録してある情報を手書き等により簡便に
加筆修正し、この加筆修正した情報のみを保存すること
ができる利点がある。
【0096】可逆感熱記録層とインクジェット受理層を
設けた可逆感熱系複合材料は、例えば、フルカラープリ
ンター用あるいはカラー複写機用に好適に適用できる。
可逆感熱記録層と熱転写受理層を設けた可逆感熱系複合
材料は、熱転写受理層が昇華型の場合には、例えば、ビ
デオプリンターに好適に適用できる。熱転写受理層が熱
溶融型の場合には、例えば、可逆感熱記録層に記録され
ている情報を確理した後、この情報を熱転写受理層にカ
ラー複写し保存することができるので、色のある情報記
録の修正等の取扱いに有利である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に、熱エネルギーを変
    化させることにより可視画像の繰り返し書き込み及び消
    去ができる可逆感熱記録層を設け、支持体の該面の可逆
    感熱記録層上及び/又はこれとは異なる場所に、及び/
    又は支持体の他の一方の面に、非可逆記録層を1種以上
    設けてなること、を特徴とする可逆感熱系複合記録材
    料。
  2. 【請求項2】 該可逆感熱記録層が、通常無色ないし淡
    色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染
    料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆顕色剤と
    を主成分とする可逆感熱記録層である請求項1に記載の
    可逆感熱系複合記録材料。
  3. 【請求項3】 該非可逆記録層が感熱記録層である請求
    項1又は2に記載の可逆感熱系複合記録材料。
  4. 【請求項4】 該非可逆記録層が感圧記録層である請求
    項1又は2に記載の可逆感熱系複合記録材料。
  5. 【請求項5】 該非可逆記録層がインクジェット受理層
    である請求項1又は2に記載の可逆感熱系複合記録材
    料。
  6. 【請求項6】 該非可逆記録層が熱転写受理層である請
    求項1又は2に記載の可逆感熱系複合記録材料。
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