JP2001096925A - 熱定着型感熱記録体を用いた隠しマークの記入方法及び感熱記録情報の改ざん防止方法 - Google Patents

熱定着型感熱記録体を用いた隠しマークの記入方法及び感熱記録情報の改ざん防止方法

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JP2001096925A
JP2001096925A JP28217899A JP28217899A JP2001096925A JP 2001096925 A JP2001096925 A JP 2001096925A JP 28217899 A JP28217899 A JP 28217899A JP 28217899 A JP28217899 A JP 28217899A JP 2001096925 A JP2001096925 A JP 2001096925A
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Yoshiyuki Takahashi
義之 高橋
Takako Segawa
貴子 瀬川
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録前後の簡便な操作により、感熱記録体の
記録層に隠しマークを記入する方法を提供することを課
題とする。更には、感熱記録情報の改ざんを防止するこ
とを課題とする。 【解決手段】 下塗り層を有する、感熱記録体で、顕色
剤として、発色後の画像耐溶剤性が高い顕色剤を使用
し、下塗り層は、該顕色剤の顕色能力を低減させる、融
解温度が40℃以上の物質を含有する熱定着型感熱記録
体を記録媒体として用い、当該記録媒体をサーマルヘッ
ドにより加熱記録する前または後に、40℃以上の温度
で特定のマーク様に加熱して隠しマークを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録体におけ
る隠しマークの記入方法及び、その方法を利用した、感
熱記録情報の改ざんを防止する方法に関するものであ
る。更に詳しくは熱定着型感熱記録体を用いて、上記の
目的を達する隠しマークの記入方法および感熱記録情報
の改ざん防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイコ染
料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とす
る感熱記録層を設けたものであり、それらの発色成分を
熱エネルギーによって反応させて記録画像を得ることが
できる。このような感熱記録体は特公昭43−4160
号公報、特公昭45−14039号公報、及び特公昭4
8−27736号公報などに開示されており、広く実用
化されている。感熱記録体は、記録装置がコンパクトで
安価でかつ保守が容易であることから、電子計算機のア
ウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器の
プリンター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等
に広範囲に使用されている。
【0003】近年は、この感熱記録方式のもつ記録の簡
便さ、記録装置の小型化、省エネルギー化及び、メイン
テナンスがほとんど要らないという利点から、金銭情報
を記録するレジスター用紙、さらに、宝くじや、勝ち馬
投票権等への適用もなされ、あるいはなされようとして
いる。しかし、この分野への感熱記録体の応用には、問
題も指摘されている。すなわち、その記録の容易性や熱
による記録であることを逆手に取った、記録の改ざんの
心配である。感熱プリンターの入手は容易であるため、
後から別の情報を重ねて印字をして情報を不鮮明にした
り、書き換えたりすることは不可能なことではない。ま
た、印字されている感熱記録体に、後から高熱をかけ、
印字情報を見えなくするように発色させることも不可能
ではない。
【0004】このような、感熱記録体の改ざんや偽造を
防ぐために、以下のような技術開発が行われてきた。特
開平10−29371号公報では、感熱記録媒体の一部
に、減感領域を設け、疑わしい記録媒体については、そ
の部分に印字操作をすることにより、発色しなければ
真、してしまえば偽の判断が可能という技術が開示され
ている。しかし、この方法は、情報の改ざんを防ぐには
不適当であり、また、感熱記録体の減感は、後からの操
作でもできるため、偽造防止効果も弱い。特開平11−
165463号公報では、透かし処理をした原紙上に、
一定の透明性を有する感熱層を形成し、透かしを確認す
ることで、偽造を防止する方法が開示されている。しか
し、この方法も、感熱記録媒体で一番問題である記録情
報の改ざんには効果が無く、また、いったん透かし紙を
作られてしまえば偽造防止もできない。特開平7−26
6763号公報には記録層の一つとして、加熱により近
赤外波長を吸収する層を設け、レーザーにより不可視マ
ークを形成し、必要なときは近赤外レーザーにより判別
する技術が開示されている。しかし、この方法では、感
熱記録装置を利用する場合の装置の小型簡便性というも
っとも大きい魅力が失われ、かつ不可視マークの確認
に、大掛かりな特別の装置が要るという欠点も有する。
以上のように、従来の技術では、感熱記録の簡便性を生
かしながら、情報の改ざんを防ぐという問題を解決する
ことが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便な記録
ができると言う感熱記録体の特性を最大限に生かしなが
ら、記録前後の簡便な操作により、感熱記録体の記録層
に隠しマークを記入する方法を提供することを課題とし
ている。更には、感熱記録情報の改ざんを防止すること
を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の方法を採用する。用いる感熱記録体
は、簡単な加熱操作により、白紙部の発色能力を減殺す
ることのできる、熱定着型感熱記録体である。この感熱
記録体は、「シート状基体、下塗り層、感熱記録層をこ
の順に有し、該感熱記録層は、無色又は淡色の染料前駆
体と、該染料前駆体と加熱時に反応して発色させる顕色
剤とを含有する感熱記録体であって、顕色剤として、発
色後の画像耐溶剤性が高い顕色剤を使用し、下塗り層
は、該顕色剤の顕色能力を低減させる、融解温度が40
℃以上の物質を含有する」感熱記録体である。
【0007】さらに、より具体的には、前記顕色剤とし
ては、分子中に下記(1)〜(6)から選択される化学
構造を有するものから選ばれる有機化合物を使用するこ
とが好ましい。 (1)スルホニルウレア基(−SO2NHCONH
−)。 (2)スルホンアミド基(−SO2NH−)。 (3)尿素(−NHCONH−)またはチオ尿素(−N
HCSNH−)基。 (4)1分子中にフェノール構造を有し、かつ、少なく
とも一つの酸素以外のヘテロ原子を有する化学構造。 (5)サリチル酸構造またはサリチル酸の金属塩構造。 (6)1分子中にフェノールまたはサリチル酸構造を有
し、かつ分子量が1000以上の化学構造式。
【0008】この感熱記録体に隠しマークを記入する方
法は、具体的には以下のような操作による。「当該記録
媒体をサーマルヘッドにより加熱記録する前または後
に、40℃以上の温度で10秒以下、特定のマーク様に
加熱することで、隠しマークを形成する」また、改ざん
防止の方法として特に有効なのは、以下の操作である。
「サーマルヘッドにより加熱記録した後、40℃以上の
温度に10秒以下で特定のマーク様に加熱することによ
り隠しマークを形成し、かつその隠しマークが、サーマ
ルヘッドで記録された印字と実質的に重なるように記録
する」。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる感熱記録体につい
て詳述する。まず、層構成であるが、シート状基体をベ
ースにし、その上に下塗り層を形成する。そして、その
上に中間層を形成して良い。さらに、その上に感熱記録
層を形成する。この感熱層の上に、さらにコート層を形
成することもできる。 <支持体について>シート状基体としては、紙(酸性紙
や中性紙、再生紙を含む)、表面にフッ素加工を施した
紙(耐油紙)、表面に顔料、ラテックスなどを塗工した
コーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂か
ら作られた合成紙、プラスチックフィルムなどをあげる
ことができる。
【0010】<下塗り層について>下塗り層は、感熱記
録層に含まれる顕色剤の顕色能力を低減させる、融解温
度が40℃以上の物質およびそれを結着するバインダー
を必須成分としてなり、さらに前記物質の融解性や拡散
性をコントロールする目的で、熱可融性物質を含んでい
て良い。 <顕色剤の顕色能力を低減させる物質について>顕色剤
の顕色能力を低減させる物質としては、そのような能力
を有する融解温度が40℃以上の物質を使用するが、こ
のような物質としては、可塑剤、感熱記録用消色剤、塩
基性化合物、エステル類、エーテル類などから、感熱記
録された印字部の印字濃度を下げないものを選択すれば
良い。好ましい物質としては、脂肪族エステル、芳香族
エステル、塩基性物質であり、その中でも塩基性化合物
が特に好ましい。芳香族エステルの場合、難結晶性のも
のが好ましい。
【0011】ここで難結晶性芳香族エステル化合物と
は、芳香環およびエステル基をそれぞれ少なくとも1つ
含む有機化合物であって、化学合成または精製の段階で
適切な溶媒を用いれば、再結晶法の操作により結晶とし
て得られるが、そうして得られた結晶を一旦融点以上に
昇温して溶解後、融点以下に冷却し、その冷却状態で1
0分以上放置しても、結晶化しない特性を有する化合物
のことをいう。
【0012】難結晶性芳香族エステル化合物の具体的な
例としては、ペンタエリストールテトラ安息香酸エステ
ル(融点96℃)、ペンタエリストール テトラ(m−
トルイル酸エステル)(融点106℃)、ペンタエリス
トール テトラ(o−トルイル酸エステル)(融点93
℃)などをあげることができる。
【0013】また、脂肪族エステル化合物としてはグリ
セリンジ・トリステアレート(融点56℃)、植物硬化
油(融点65℃〜69℃)や牛脂(融点60℃)などの
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレンルリコールベヘ
ネート(融点58℃)などのプロピレングリコール脂肪
酸エステル、ステアリルステアレート(融点56℃)な
どの高級アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂
肪酸エステル(融点60℃)などをあげることができ
る。
【0014】また、塩基性化合物としては下記化学式
(I)(融点80℃)
【化1】 あるいは下記化学式(II)(融点80℃):
【化2】 あるいは下記化学式(III)(軟化点130−140
℃):
【化3】 で表される化合物が使用できる。
【0015】また、塩基性化合物として、テトラキス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート
(融点130℃位)、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート(融点84℃)など
のヒンダードアミン系化合物、N−メチルピペリジン基
2個と3級アミン1個を有する化合物(分子量約55
0、融点51℃)、N−メチルピペリジン基3個と3級
アミン1個を有する化合物(分子量約700、融点54
℃)などのN−メチルピペリジン基や3級アミンを有す
る化合物を使用しても良い。上記した各種塩基性化合物
は、いずれも、単独でまたは併用して使用することがで
きる。
【0016】顕色剤の顕色能力を低減させる物質で融解
温度が40℃以上の物質の下塗り層における含有量は、
感熱記録層中の顕色剤1重量部に対し0.5重量部から
5重量部とするのが好ましい。0.5重量部未満である
と再発色防止効果が不十分となり、5重量部を越えると
塗工性が悪くなることがある。<バインダーについて>
これらの、顕色剤の顕色能力を低減させる融解温度が4
0℃以上の物質を結着するバインダーであるが、これ
は、本発明に係わる感熱記録体の各層を結着するために
用いられるバインダーと本質的に同じものから選ばれる
ので、後でまとめて説明する。
【0017】<下塗り層に含有させる熱可融性物質につ
いて>次に、下塗り層に、必要に応じて含有させる熱可
融性物質について具体的に説明する。本発明に係わる感
熱記録体の感熱記録層にも熱可融性物質を含有すること
ができるので、区別を容易にするため、後述する感熱記
録層中の熱可融性物質を熱可融性物質Aとし、本下塗り
層中に含有される熱可融性物質を熱可融性物質Bと称す
る。熱可融性物質Bは、顕色剤の顕色能力を低減させる
物質で融解温度が40℃以上の物質と共融して融解温度
を下げたり、該物質の感熱記録層への浸透・拡散を良く
する働きをする。
【0018】熱可融性物質Bと感熱記録層にいわゆる増
感剤として含まれる熱可融性物質Aは、同一物質であっ
ても良いし、異なっていても良い。但し、両者が異なる
物質であり、かつ、熱可融性物質BのlogPが、熱可
融性物質AのlogPより大きい場合、記録画像に再加
熱を受けてもさらに良好に読みとれるので好ましい。
【0019】本発明でいうlogPは資料(OECDテ
スト化学品テストガイドラインNo.117分配係数:
編集(財)化学品検査協会)に基づいて測定した数値で
ある。logPは分配係数Pの対数をとった値であり、
logPの値が大きい程疎水性が高く、値が小さい程親
水性が高いことを示している。熱可融性物質Bの方が熱
可融性物質AよりlogPの値が大きい場合、すなわち
疎水性が高い場合、再加熱された時に、熱可融性物質B
が顕色剤の顕色能力を低減させる物質とともに融解し、
感熱記録層に浸透してくるが、感熱記録層中の疎水性の
低い熱可融性化合物Aに覆われている発色画像に侵入し
にくくなるために発色画像の保存性が良くなると考えて
いる。
【0020】下塗り層に含有する熱可融性物質B(かっ
こ内はlogPを示す)の具体的な例としては、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(logP
=5.1)、p−ベンジルビフェニル(logP=6.
3)、ベンジルナフチルエーテル(logP=5.
2)、ジベンジルテレフタレート(logP=5.
7)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、炭酸ジフ
ェニル、炭酸ジトリル、m−ターフェニル(logP=
6.16)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン
(logP=5.0)、1,2−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)エタン(logP=7.8)、1,5−ビ
ス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、
シュウ酸ジエステル類、シュウ酸−ジ−ベンジルエステ
ル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステルとシュ
ウ酸−ジ−p−クロロメチルベンジルエステルの混合
物、アジピン酸−ジ−o−クロルベンジルエステル(l
ogP=5.8)、1,4−ビス(pートリルオキシ)
ベンゼン(logP=3.1)、p−トルエンスルホン
酸フェニルエステル(融点96℃)、メシチレンスルホ
ン酸p−トリルエステル(融点100−102℃)(l
ogP=3.1)、4,4’−ジアリルオキシジフェニ
ルスルホン (logP=3.3)、4−エトキシフェ
ニルメチルスルホン(融点91℃)、4,4’−ジイソ
ペンチルオキシジフェニルスルホン(融点100℃)、
2,2−ビス(4−ベンゼンスルホニルオキシフェニ
ル)プロパン(融点114℃)、2,2−ビス(4−メ
タンスルホニルオキシフェニル)プロパン(融点101
℃)、N−フェニル−4−メチルフェニルスルホンアミ
ド(融点102℃)、o−クロロアセトアセトアニリド
(融点103℃)(logP=0.2)、p−メトキシ
ベンゼンアセトアセトアニリド、N−ベンジル−o−ス
ルホフタルイミド、1−フェノキシ−2−β−ナフトキ
シエタン(logP=5.2)などをあげることができ
る。
【0021】下塗り層に熱可融性物質を使用する場合、
その使用量は、該層の全重量に対して10〜50重量%
が好ましい。また、下塗り層にはバインダーを5〜30
重量%含有することが望ましい。下塗り層中には、顔料
が存在しても良い。 <中間層について>次に、下塗り層の上に形成してもよ
い中間層について、具体的に説明する。下塗り層と感熱
記録層との間に、吸油性顔料を主成分とする中間層を設
けることができる。その場合、その吸油性顔料のJIS
K5101に基づく吸油量が35ml/100g以上
であることが好ましい。その理由は、中間層は、印字時
に発生することがある過剰な溶融成分(これを感熱印字
時のヘッド粕と呼ぶが)の生成を抑制する作用をするか
らである。また、中間層は、製造中または保存中に定着
剤が記録層に移行することを防止する。更に、下塗り層
にも熱可融性物質を含んでいる場合に、印字時に、やや
カスを生成しやすいという特性があるが、中間層はこれ
を抑制し、印字動作をスムースにし、連続印字適性、長
距離印字適性を強化するという機能を有する。
【0022】本発明の中間層の主な成分である顔料成分
について、中間層中の含有率は、一般に中間層の乾燥重
量の50〜95重量%であることが好ましい。特に70
〜90重量%であることが好ましい。また、バインダー
の含有量は5〜20重量%であることが好ましい。
【0023】中間層に使用する顔料は無機顔料、有機顔
料のいずれでも良い。具体例としては、例えば炭酸カル
シウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、焼成クレ
ー、焼成カオリン、カオリン、タルク、および表面処理
された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、
並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル
酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉
末(プラスチック顔料)などの白色顔料を例示すること
ができる。この中でもJIS K5101に基づく吸油
量が35ml/100g以上の顔料を含有することが好
ましく、これらの例としては焼成カオリン(例:アンシ
レックス93、エンゲルハード社製、吸油量90ml/
100g)、カオリン(例:カオファイン、シール社
製、吸油量40〜50ml/100g、)、クレー(H
Gクレー、ヒューバー社製、吸油量35〜50ml/1
00g)、焼成クレー、シリカ(例:ミズカシルP52
7、水沢化学製、吸油量160ml/100gやミズカ
シルP603、水沢化学製、吸油量120ml/100
g)などが挙げられる。
【0024】本発明の中間層は主に顔料から成るが、必
要に応じて、前述した感熱記録層が含んでいてよいワッ
クスあるいは少量の熱溶融性有機化合物を含むことがで
きる。さらに、これらの成分を固着するためバインダー
を含むものである。また、本中間層に含有するバインダ
ーとしては、上記下塗り層に含まれるバインダーと同じ
グループから選ばれるものを用いることができる。バイ
ンダーについては、後述する。
【0025】<感熱記録層について>感熱記録層は、無
色又は淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と加熱時に反
応して発色させる顕色剤とを必須成分として含有する。
【0026】<染料前駆体について>まず、染料前駆体
であるが、本発明の染料前駆体として使用されるロイコ
染料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニ
ルメタン系化合物等が例示できる。たとえば、3−(4
−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1
−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ア
ザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−
(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フル
オラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチ
ル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフ
ルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルア
ミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−
ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニ
リノ)フルオラン、および2−クロロ−3−メチル−6
−(N,N−ジエチルアミノアニリノフルオラン、3−
(p−アニリノアニリノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレ
ン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリ
ド)、3,3−ビス(2−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル)−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド、ビス(p−ジメチ
ルアミノスチリル)−p−トルエンスルホニルメタン、
2,2−ビス(4−(6’−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−
3,9’−キサンテン)−2’−イルアミノ)フェニ
ル)プロパン等を例示できる。これらの中でも2、2−
ビス(4−(6’−(N−シクロヘキシル−N−メチル
アミノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−3,9’−
キサンテン)−2’−イルアミノ)フェニル)プロパン
は特に好ましい性能を示す。これらは単独で、または2
種以上を併用することもできる。感熱記録層における上
記ロイコ染料の感熱記録層中の含有率は、一般に感熱記
録層の乾燥重量の5〜40重量%であることが好まし
い。
【0027】<顕色剤について>つぎに、顕色剤につい
て説明する。本発明において用いられる「発色後の画像
耐溶剤性が高い顕色剤」は、顕色剤の顕色能力を低減さ
せる物質、例えば油脂類や、可塑剤、さらに塩基性化合
物が接触しても、比較的発色画像(印字情報)が残りや
すいものである。この特性により、後述する定着操作に
より、顕色剤の顕色能力を低減させる物質が接触しても
その画像が目視できる。ここで言う、「発色後の画像耐
溶剤性が高いもの」とは、具体的には、下記の性能を有
するものである。
【0028】<発色画像耐溶剤試験法>各種の顕色剤を
使用し、後述する実施例1で使用するA液60重量部、
B液240重量部、D液60重量部、および10%ポリ
ビニルアルコール水溶液90重量部を混合攪拌して塗布
液とし、該塗布液を坪量64g/m2の上質紙に、乾燥
重量で8g/m2となるように塗布・乾燥して試験用の
感熱記録体とする。それに、後述する実施例における
(13−2)の印字試験を行って得た発色部分に、ジオ
クチルフタレートを塗布し直ちに過剰の塗布液を拭き取
って30分放置した後のマクベス濃度が0.2D以上の
顕色剤が本発明に使用できる。もしくは、サラダ油を塗
布し直ちに過剰の塗布液を拭き取って30分間放置した
後のマクベス濃度が0.5D以上の顕色剤も使用でき
る。なお、上記試験において、染料前駆体としては、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ンあるいは3−(N−エチル−N−イソペンチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用して
も良い。
【0029】一方、発色画像を形成していない未印字部
に顕色剤の顕色能力を低減させる物質が接触した場合に
は、これらの化合物は顕色剤と強く相互作用すると考え
られ、再加熱した場合に本顕色剤が染料と相互作用して
発色するのが妨げられ、その操作後に印字しても発色し
にくくなると考えられる。
【0030】発色後の画像耐溶剤性が高い顕色剤として
は、具体的には下記に示される(1)〜(6)の化学構
造を分子中に有する顕色剤が例示される。さらに、それ
らを組み合わせた(7)に示される顕色剤が例示され
る。
【0031】(1)スルホニルウレア基(−SO2NH
CONH−)を有するもの 1分子中に1つ以上のスルホニルウレア基を有する顕色
剤としては、下記一般式(IV):
【化4】 (ただし、上記式中で、R1は無置換または低級アルキ
ル基、ハロゲン原子から選ばれた少なくとも一員を示
す)で表わされるスルホニルウレア基を1分子中に1つ
以上有する有機化合物が好ましい。さらに、1分子中に
上記スルホニルウレア基を2つ以上有する化合物は、特
に好ましい性能を有する。
【0032】これらの顕色剤の具体的な化合物として
は、以下のようなものをあげることができる。例えば、
N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿
素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−メ
トキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N’−(p―トリル)尿素、N
−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−フェニル
尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’―(o−
クロロフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−
N’−フェニル尿素(以上、特開平5−32061号公
報)、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノ
カルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’−ビス
(o−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジ
フェニルメタン、4,4’−ビス(ベンゼンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’
−ビス(1−ナフタレンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4’,4’’
−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
フェニル)プロパン、1,2−ビス(4’−(p−トル
エンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキ
シ)エタン、1,3−ビス(4’−(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ)ベン
ゼン、2,5−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノメチル)フラン、1,3−ビス(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン、
1,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノ)ベンゼン、1,5−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)ナフタレン、1,8−
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ナフタレン、4,4’−ビス(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、
3,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェ
ニルスルフィド、3,3’−ビス(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、
4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)ジフェニルスルホン、1,3−トリメチレ
ン ビス(4−p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノベンゾエート)等が挙げられる。これらの化合
物の中でも4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタンは特に好まし
い性能を示す。これらの化合物は単独で用いられても良
く、あるいはその2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】(2)スルホンアミド構造を有するもの 特開平4−358887号公報、同4−282291号
公報に記載されているようなスルホンアミドに直接カル
ボニル基がついている官能基を有する顕色剤、特開昭6
2−238789号公報に記載されているようなスルホ
ンアミドに直接アミノ基がついている官能基を有する顕
色剤。
【0034】(3)尿素(−NHCONH−)またはチ
オ尿素(−NHCSNH−) 特開昭59−169888号公報に記載されているよう
な、置換ジフェニル尿素誘導体、特開平7−16475
6号公報、同7−164757号公報に記載されている
ような、1分子中に、二つの尿素官能基を有している顕
色剤、特開昭58−93190号公報、同58−211
496号公報、同59−133096号公報に記載され
ているような置換ジフェニルチオ尿素誘導体、特開平7
−330652号公報に記載されているような1分子中
に、二つのチオ尿素官能基を有している顕色剤、さらに
具体的には、3,3’−ジトリフルオロメチルジフェニ
ル尿素、3,3’−ジクロロジフェニルチオ尿素、ビス
−1,4−ブテン(N’−フェニル尿素)などをあげる
ことができる。
【0035】(4)1分子中にフェノール構造を有しか
つ少なくとも一つの酸素以外のヘテロ原子を有する化学
構造 フェノール構造を有する顕色剤おいては、炭素、酸素及
び水素からのみで構成されているものでは一般的に、印
字の保存性があまり高くなく、そのため、本発明の必須
要件である下塗り層に含まれる、該顕色剤の顕色能力を
低減させる、融解温度が40℃以上の物質と接触すると
印字は大きく消色するという欠点がある。しかし、フェ
ノール構造を有する顕色剤の内、分子中にさらに酸素以
外のヘテロ原子(S,N,P)を含むものの中には、以
上の欠点を克服しているものも多く、その中でも、スル
ホン基を有するものは特に好ましい。
【0036】具体的には、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、特公昭63−46067号公報記載のp−イソプ
ロポキシ−p−ヒドロキシジフェニルスルホン、特開平
8−269000号公報記載の2,4-ビス(フェニル
スルホニル)フェノール、特開平8−333329号公
報記載のジヒドロキシジフェニルスルホン構造を、エチ
レンまたはエチレンオキシドあるいはポリエチレンオキ
シド構造でつなげた顕色剤、特開平1−110815号
公報記載の1分子中に二つのp-ヒドロキシフェニルス
ルホニル基を有する顕色剤、特開平5−8546号公報
記載の1分子中に二つのp-ヒドロキシフェニルチオ基
を有する顕色剤などである。これらの具体的な例として
は、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル
フェニルオキシ)エチレン、2,2’−ビス(p−ヒド
ロキシフェニルスルホニルフェニルオキシ)エチルエー
テルなどをあげることができる。ヘテロ原子として窒素
が含まれている顕色剤としては、特開平10−2447
58号公報、同10−244759号公報、同10−2
44760号公報記載の化合物などをあげることができ
る。また、ヘテロ原子として、リン原子が含まれている
顕色剤としては、特開平3−138195号、同3−1
82392号公報記載の化合物などをあげることができ
る。
【0037】(5)分子中にサリチル酸構造またはその
金属塩構造を有する顕色剤としては、例えば、特開昭6
3−95978号公報、同63−139783号公報、
特開平4−29886号公報記載の、サリチル酸誘導体
および、その金属塩が好ましく、さらに具体的には、4
−(2−(p−メトキシフェニルオキシ)エチルオキ
シ)サリチル酸、4−(2−(p−メトキシフェニルス
ルホニル)エチルオキシ)サリチル酸をあげることがで
きる。
【0038】(6)分子中にフェノールまたはサリチル
酸構造を有し、かつ分子量が1000以上の化学構造を
有する顕色剤としては例えば、下記化学式(V)(日本
化学会第76春季年会の予稿集I,2PB152,pp6
18(1999)):
【化5】 で表される化合物をあげることができる。
【0039】(7)上記(1)〜(6)の組み合わせよ
りなる顕色剤 本発明を構成する顕色剤は、上記官能基、化学構造
(1)〜(6)を1分子中に組み合わせて有していても
良い。例えば、尿素、チオ尿素とスルホンアミドの組み
合わせとしては、特開平8−59603号公報、特開平
8−59603号公報記載のアミノスルホニルジフェニ
ル尿素またはチオ尿素およびそれらの誘導体、あるい
は、特開平7−101154号公報記載のスルホニルヒ
ドラジノカルボニルアミノ化合物、スルホンアミド基と
フェノール構造の組み合わせとしては、特開平2−25
372号公報、特開平2−145560号公報記載のヒ
ドロキシ基で置換したジアリルスルホンアミド類をあげ
ることができる。さらに、チオ尿素基とサリチル酸構造
の組み合わせの例としては、特開平7−276809号
公報記載の化合物群をあげることができる。
【0040】(1)〜(6)で示した官能基または化学
構造は、顕色剤1分子中に2つ以上存在した場合、特に
印字保存性が高い感熱記録紙が得られることが多く、そ
のため、本発明の必須要件である下塗り層に含まれる、
該顕色剤の顕色能力を低減させる融解温度が40℃以上
の物質の選択幅が広くなり、設計製造が容易になる傾向
がある。また、上記(1)〜(7)であらわした顕色剤
2種以上を混合して用いることも、好ましい結果を示す
ことがある。特に、(1)の顕色剤を主成分として、
(4)の顕色剤を併用すると、耐熱特性に特に優れた感
熱記録体が得られる。耐溶剤性が高い顕色剤の含有率は
特に限定しないが、感熱発色層の乾燥重量の一般に5〜
50重量%であることが好ましい。
【0041】<バインダーについて>感熱記録層に限ら
ず、前述した下塗り層、中間層は全て、その主成分であ
る有機や無機の化合物を支持体に結着するためにバイン
ダーが必要である。これらバインダーについては、種々
の分子量のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘
導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸
3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アル
カリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラ
チン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並び
に、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジ
エン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタ
クリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびス
チレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラ
テックスを例示できる。多層構成であり、一つの層の上
に別の層を塗工することが前提であるので、使用するバ
インダーは、耐水性の高いもの、あるいは塗工後架橋反
応などにより耐水性が高くなるように処理できるものを
用いることが好ましい。バインダーの含有率は、一般に
各層の乾燥重量の5〜20重量%である。
【0042】<感熱記録層中の熱可融性物質について>
続いて、感熱記録層中に含有されてよい熱可融性物質に
ついて述べる。この物質は必須ではないが、記録感度を
向上するために含有させることが好ましい。前記したよ
うに、下塗り層中の熱可融性物質Bと区別するため、感
熱記録層中の熱可融性物質を熱可融性物質Aと表現し、
以下のものが例示される。
【0043】熱可融性物質Aとしては、例えば、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(logP
=5.1)(特開昭57−191089号公報)、ベン
ジルナフチルエーテル(logP=5.2)(特開昭5
8−87094号公報)、ジベンジルテレフタレート
(logP=5.7)(特開昭58−98285号公
報)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭5
7−201691号公報)、炭酸ジフェニル、炭酸ジト
リル(特開昭58−136489号公報)、1,2−ジ
フェノキシエタン(logP=3.6)、1,2−ビス
(m−トリルオキシ)エタン(logP=5.0)(特
開昭60−56588号公報)、1,5−ビス(p−メ
トキシフェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62
−181183号公報)、ビス(2−(4−メトキシフ
ェノキシ)エチル)エーテル(logP=2.9)、シ
ュウ酸ジエステル類(特開昭64−1583号公報、特
公平5−62597号公報)、シュウ酸−ジベンジルエ
ステル(logP=3.1)、シュウ酸−ジ−p−メチ
ルベンジルエステル(logP=4.3)、シュウ酸−
ジ−p−メチルベンジルエステルとシュウ酸−ジ−p−
クロロメチルベンジルエステルの混合物、1,4−ビス
(p−トリルオキシ)ベンゼン(特開平2−15378
3号公報)、ジフェニルスルホン(logP=1.5)
(融点124℃)、p−トルエンスルホン酸フェニルエ
ステル(logP=3.1)(融点96℃)、メシチレ
ンスルホン酸p−トリルエステル(融点100−102
℃)、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン
(logP=3.3)(融点145℃)、4−エトキシ
フェニルメチルスルホン(融点91℃)、4,4’−ジ
イソペンチルオキシジフェニルスルホン(融点100
℃)、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン(融点
130℃)、2,2−ビス(4−ベンゼンスルホニルオ
キシフェニル)プロパン(融点114℃)、2,2−ビ
ス(4−メタンスルホニルオキシフェニル)プロパン
(融点101℃)、2,2−ビス(4−メタンスルホニ
ルオキシフェニル)プロパン、N−フェニル−4−メチ
ルフェニルスルホンアミド(融点102℃)、1−フェ
ノキシ−2−β−ナフトキシエタン(融点137℃)な
どが例示できる。増感剤の含有率は10〜40重量%が
好ましい。
【0044】<その他の材料について>続いて、本発明
に係わる感熱記録体を構成する各塗工層中に含有でき
る、その他の物質について説明する。感熱記録層は、必
要に応じて、従来公知のフェノール系あるいは有機酸系
顕色剤、酸化防止剤、ヒンダードフェノール化合物、紫
外線吸収剤、ワックス類などを含むことができる。ま
た、有機又は無機顔料類を含んでいることが好ましい。
感熱記録層に酸化防止剤、ヒンダードフェノール化合
物、紫外線吸収剤が含まれる場合、その含有率は1〜1
0重量%であることが好ましい。また、ワックス類、顔
料が感熱記録層に含まれる場合、その含有率はそれぞれ
5〜20重量%、10〜50重量%であることが好ま
し。
【0045】酸化防止剤、ヒンダードフェノール化合物
又は紫外線吸収剤等の例としては、例えば特開昭57−
151394号公報、特開昭58−160191号公
報、特開昭58−69096号公報、特開昭59−28
84号公報、特開昭59−95190号公報、特開昭6
0−22288号公報、特開昭60−255485号公
報、特開昭61−44686号公報、特開昭62−16
9683号公報、特開昭63−17081号公報、特開
平1−249385号公報、特開平2−266645号
公報等に挙げられた化合物などである。具体的には2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を
例示できる。
【0046】感熱記録層に含有できる、有機又は無機の
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜
鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫
酸バリウム、クレー、焼成クレー、タルク、および表面
処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の
他、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタク
リル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の
微粉末などの白色顔料を例示することができる。下塗り
層の顔料としてはとくに吸油性の少ない有機系の微粉末
が好ましい。また、ワックス類としては、例えば、パラ
フィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高
級脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができ
る。
【0047】その他の構成要件についても説明する。各
層の塗布量は特に限定しないが、感熱記録層は塗布液層
が乾燥した状態で1〜15g/m2が好ましい。中間層
は塗布液層が乾燥した状態で1〜10g/m2が好まし
い。塗工量が少なすぎるとヘッド粕の発生が改善されな
い。下塗り層は塗布液層が乾燥した状態で1〜30g/
2が好ましい。本発明の感熱記録体においてその感熱
記録層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形
成することもできる。
【0048】本発明においては、感熱記録体の付加価値
を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付与
した感熱記録体とすることができる。典型的な事例とし
ては、磁気加工することで裏面に磁気記録可能な感熱記
録材料とするものである。
【0049】<隠しマークの形成方法について>この感
熱記録体を用いた、隠しマークの形成方法について説明
する。上記の構成からなる熱定着型感熱記録体は、印字
の前または後に、一定以上の温度で加熱をすると、加熱
を受けた部位の発色能力が著しく減殺されると言う特徴
を持つ。特に、印字部に重ねた形で、加熱をすると、印
字には変化が無く、その周囲の加熱を受けた部分の発色
能力が低下するため、定着が可能となる。例えば、この
定着操作を受けた感熱記録体を180℃から200℃の
高温で再加熱しても、周囲の発色濃度は低く、印字濃度
は高く、そのコントラストにより、印字情報を認識する
ことができる。隠しマークの形成は、この挙動を利用す
る。
【0050】(1)印字とは重ならないように隠しマー
クを形成する場合 上記感熱記録体に、印字前または後に、特定のパターン
を有する熱板を接触させる。熱板の温度は、上記下塗り
層の有機化合物を融解するには十分であるが、上記感熱
発色層を融解するには不十分な温度域を設定する。具体
的には、40〜150℃の範囲が好ましく、60〜13
0℃がより好ましい。この操作によって、上記特定パタ
ーンは、隠しマークとして、感熱記録体の上に記録され
たが、肉眼では見る事ができない。この操作の前後に、
サーマルヘッドを用いて、感熱記録層に隠しマークと重
ならないように所望の印字を行なうことができる。こち
らは、肉眼ではっきり見える印字となる。必要に応じ
て、印字部を加熱して、定着することもできる。その場
合、定着操作は、印字を含めた印字の周辺に行ない、隠
しマークに重ねて行なってはならない。
【0051】定着させるための加熱は例えば40℃以上
に昇温した熱板を印字操作を終了した定着型感熱記録体
の支持体側の面あるいは感熱発色層側の面に、若しくは
両面に、所望時間接触させることにより行うことができ
る。両面に接触させる場合、2つの熱板の温度は同一で
も異なっていても良いが、異なっている場合は支持体側
の熱板の温度が感熱発色層側の熱板の温度より高い方が
好ましい。また、加熱は上記熱板の代わりに40℃以上
に昇温した熱ローラーでも行うことができる。上記の如
く2つの熱ローラーを用い、それら2つの熱ローラーの
温度を同一にしても異なるようにしても良い。
【0052】さらに、加熱は熱バーと呼ばれる比較的熱
容量が小さいが、それゆえに急激に昇温できる装置を用
いても行うことができる。この場合は複数の熱バーを記
録体の進行方向に並べて配置することもできるし、記録
体を上下から挟むように配置、あるいはこれらを組み合
わせることもできる。さらに、加熱を熱パルスを発生す
るサーマルヘッドで行うことや、赤外線などの熱線を用
いることも可能である。いずれにしても、定着時の感熱
記録層の温度は、40〜150℃の範囲が好ましく、よ
り好ましくは、60〜130℃である。
【0053】いずれの方法により加熱定着操作を行うに
しても、その加熱時間は10秒以下であることが好まし
く、5秒以下であることが特に好ましい。定着操作に1
0秒以上の加熱時間が必要では、スピーディーな記録が
行えるという感熱印字方式の利点が失われてしまう。以
上のように、隠しマークを打ち込み、さらに印字の周辺
に定着操作をした、感熱記録体は、外面的には、サーマ
ルヘッドで印字した情報が見られるのみである。隠しマ
ークを見るためには、この感熱記録体の全面に高温をか
ける。これにより、隠しマーク部と、定着部は、発色能
力が減殺されているので、それらの操作を行なっていな
い部分が、激しく発色する中、発色の際だって薄い部分
として認識できる。印字部も、認識できる。例えば、印
字部と隠しマーク部に、何らかの関連を持たせた情報を
記録しておけば、その二つの比較により、印字部に何ら
かの改変が行なわれた場合は、簡単に分かる。
【0054】(1)印字と少なくとも1部分を重ねて隠
しマークを行なう場合 隠しマークを、印字と重ねて行なうことも出来、これ
は、改ざん防止に特に有効である。この場合まず、サー
マルヘッドで印字を行なう。つぎに、この印字に重ねる
ように特定のパターンを有する熱板を接触させる。熱板
の温度は、上記下塗り層の有機化合物を融解するには十
分であるが、上記感熱発色層を融解するには不十分な温
度域を設定する。具体的には、40〜150℃の範囲が
好ましく、60〜130℃がより好ましい。パターン
は、その部分が、再加熱処理で発色障害を起こしたと
き、それと実質重なっている印字が視認できるようなパ
ターンを選ぶのが好ましい。この操作によって、上記特
定パターンは、印字に重なった隠しマークとして、感熱
記録体の上に記録されたが、肉眼では見る事ができな
い。印字操作と隠しマークの打ち込み操作の間の時間間
隔は、10秒以下が好ましく、5秒以下が特に好まし
い。何らかの理由により、この時間間隔が10秒以上必
要では、前述のとおり、スピーディーな記録が行えると
いう感熱印字方式の利点が失われてしまう。必要に応じ
て、サーマルヘッドより他の印字を行ない、そこを上述
の定着処理して差し支えない。
【0055】隠しマークを見るためには、この感熱記録
体の全面に高温をかける。これにより、隠しマーク部
と、定着部は、発色能力が減殺されているので、それら
の操作を行なっていない部分が、激しく発色する中、発
色の際だって薄い部分として認識できる。隠しマークと
実質的に重なった印字部も、適切な隠しパターンの選択
により認識できる。また、隠しパターン自体も認識でき
る。例えば、印字部と隠しマーク部に、何らかの関連を
持たせた情報を記録しておけば、その二つの比較によ
り、印字部に何らかの改変が行なわれた場合は、簡単に
分かる。印字と、隠しパターンを実質的に重ねておけ
ば、両方同時の改ざんは極めて困難であり、万が一の改
ざんを確実に認識することが可能である。
【0056】特定のマーク様の隠しパターンは、一定体
の熱板を用意し、それを感熱記録体に接触させて作るこ
ともできるが、例えば、ドット状の発熱体の集合体を用
意し、随時にマークを変化させる方がより有効である。
本発明で言う「特定のマーク様」とは、記号、バーコー
ド、文字、飾り文字、地紋模様などのいずれであっても
良い。同じ目的で、定着操作時にも使用可能な熱バーを
用いることもまた、熱パルスを発生する比較的熱容量の
大きいサーマルヘッドで行うことも可能であり、特に後
者の場合、マークのパターンの変化には特に有利であ
る。
【0057】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0058】<実施例1> <熱定着型感熱記録体(感熱記録紙)の作成>下記操作
により感熱記録紙を作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 2,2−ビス(4−(6’−(N−シクロヘキシル −N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ(フタリド −3,9’−キサンテン)−2’−イルアミノ)フェニル)プロパン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm程度になるまで粉砕した。
【0059】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) 4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノ −カルボニルアミノ)ジフェニルメタン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 80 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0060】 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) 以下に記載する混合物A 30 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 60 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。 混合物A:特開平8−333329号公報に開示されて
いる1分子中に二つのp−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン構造を、エチレンまたはエチレンオキシドあるいはポ
リエチレンオキシド構造でつなげた顕色剤であり、本発
明における顕色剤分類では「顕色剤(4)」に相当す
る。混合物Aとは、具体的には、1,7−(1,4,7
−トリオキシヘプテン)ビス(4−(p−ヒドロキシフ
ェニルスルホニル)ベンゼン)と4,4’−ビス(7−
(4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニ
ル)−1,4,7−トリオキシヘプト−1−イル)ジフ
ェニルスルホンの82対18の組成のものである。
【0061】 (4)分散液Dの調製 成 分 量(部) シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル 30 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 60 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0062】 (5)分散液Eの調製 成 分 量(部) 化学式(III)の化合物 20 ハリコートBI680C(ハリマ化成)30%液 13 水 66 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
5μm以下になるまで粉砕した。
【0063】 (6)分散液Fの調製 成 分 量(部) 化学式(I)の化合物 20 ハリコートBI680C(ハリマ化成)30%液 12 ポリマロン326(荒川化学)20%液 1.8 水 46.2 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
5μm以下になるまで粉砕した。
【0064】 (7)分散液Gの調製 成 分 量(部) 1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン 30 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 60 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
2μm以下になるまで粉砕した。
【0065】(8)下塗り層の調製 上記分散液E200部、分散液F40部、分散液G13
3部、10%ポバール水溶液100部を混合して得た塗
液を、原紙の上に乾燥後の塗布量が5.0g/m2にな
るように塗工して、下塗り層を有する支持体を得た。
【0066】(9)中間層の形成 焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、エンゲル
ハード社、JISK5101による吸油量90ml/1
00g)粉末63部とカオリン粉末(商品名:カオファ
イン、シール社製、吸油量40〜50ml/100g)
18部と40%ポイズ520(界面活性剤)0.5部と
水107部とをカウレスを用いて攪拌、分散し、さら
に、11%酸化でんぷん水溶液110部を混合、撹拌
し、塗布液とした。この塗布液を、上記下塗り層を有す
る支持体の下塗り層上に、乾燥後の塗布量が2.0g/
2となるように塗布乾燥して中間層を形成した感熱記
録紙を作成した。
【0067】(10)感熱発色層の形成 上記分散液A60部、分散液B210部、分散液C10
部、分散液D80部、25%珪酸シリカ(商品名:パー
シレックスP−820A、デグサジャパン製)分散物8
0部、25%ステアリン酸亜鉛分散液16部、30%パ
ラフィン分散液27部、および10%ポリビニルアルコ
ール水溶液90部を混合、撹拌し、塗布液とした。この
塗布液を、上記下塗り層と中間層を有する支持体の中間
層上に、乾燥後の塗布量が8.0g/m2となるように
塗布乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成し
た。
【0068】(11)保護層の形成 固形分に対して0.2%のアニオン性界面活性剤を用い
たクレー70%分散物(商品名:HGクレー、ヒューバ
ー社製)86部、25%ステアリン酸亜鉛分散液10
部、および22%ポリビニルアルコール水溶液168
部、濡れ剤(商品名:ダプロU−99、サンノプコ社
製、3%水溶液)0.5部を混合、撹拌し、塗布液とし
た。この塗布液を、上記感熱発色層上に、乾燥後の塗布
量が2〜3g/m2となるように塗布乾燥して保護層を
形成し、感熱記録紙を作成した。
【0069】(12)スーパーカレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダ
ーによって処理し、その表面のベック平滑度を1000
〜3000秒とした。
【0070】(13)印字及び隠しマークの形成(隠し
マークを先に形成する場合) (13−1)隠しマークの形成 上記の操作により選られた熱定着型感熱記録紙を用い、
厚さ0.6mmのアルミ版を切断加工して、星型の形状
のアルミ片を用意し、このアルミ片と、感熱記録体の記
録面を重ね、東洋精機製熱傾斜試験機を用いて、加熱温
度90℃、圧力1kg/cm2、加熱時間5秒の条件で
アルミ片越しに感熱紙を感熱層側から加熱した。 (13−2)印字の形成 こうして得られた試料について、大倉電機製発色試験機
THPMDを用いて印字電圧21.7V、印字パルス
1.0msの条件で、隠しマーク部と重ならないように
アルファベットA,B,Cを印字した。
【0071】(14)定着処理 上記の試料を用い、定着処理を行った。東洋精機製熱傾
斜試験機を用いて、加熱温度90℃、圧力1kg/cm
2、加熱時間3秒の条件で印字部に重なるようにシート
を感熱層側から加熱した。
【0072】(15)隠しマークの可視化 東芝製アイロンTA−B53で(加熱条件:ドライ、加
熱「中」)、上記シートを感熱層側から通常のアイロン
がけの要領で約5秒間加熱した。
【0073】(16)各処理後の状態の観察結果 ・(13−1)の操作後、感熱シートを観察したが、星
型マークが形成されたことを示す兆候は観察できなかっ
た。 ・(13−2)の操作後、感熱シートを観察したが、白
地上に印字が黒くはっきりと観察された。 ・(14)の操作後、感熱シートを観察したが、白地上
に印字が黒くはっきりと観察され、定着操作を行なった
兆候は観察できなかった。 ・(15)の操作後、感熱シートを観察したところ、感
熱シートのアイロンがけされた部分は、一様に濃く黒く
発色していたが、隠しマークで印字した星型が、黒字を
背景にして、薄い灰色のパターンとしてはっきり観察さ
れた。また、印字部周辺の定着操作をした部分も灰色の
背景(定着部)に、文字A,B,Cがはっきり視認され
た。以上の観察より、隠しマークが、シート状に形成さ
れ、加熱によりその可視化が可能で、かつ、文字情報と
の対比が可能であることが分かる。
【0074】<実施例2>実施例1で作成した、熱定着
型感熱記録紙を用いる。実施例1における(13)以降
を以下の(17)以降のように変更して行なった。 (17)印字及び隠しマークの形成(印字情報と隠しマ
ークを重ねる場合) (17−1)印字の形成 熱定着型感熱記録紙を、大倉電機製発色試験機THPM
Dを用いて印字電圧21.7V、印字パルス1.0ms
の条件で、隠しマーク部と重ならないようにアルファベ
ットA,B,Cを印字した。 (17−2)隠しマークの形成および、印字部の定着 上記の操作により得られた熱定着型感熱記録紙を用い、
厚さ0.6mmのアルミ版を切断加工して、十字の形状
のアルミ片を用意し、このアルミ片と、感熱記録体の記
録面を重ね、東洋精機製熱傾斜試験機を用いて、加熱温
度90℃、圧力1kg/cm2、加熱時間5秒の条件で
アルミ片越しに感熱紙を感熱層側から加熱した。
【0075】(18)隠しマークの可視化、 東芝製アイロンTA−B53で(加熱条件:ドライ、加
熱「中」)、上記シートを感熱層側から通常のアイロン
がけの要領で約5秒間加熱した。
【0076】(19)各処理後の状態の観察結果 ・(17−1)の操作後、感熱シートを観察したが、白
地上に印字が黒くはっきりと観察された。 ・(17−2)の操作後、感熱シートを観察したが、印
字部周辺に十字マークが形成された兆候は観察されなか
った。 ・(18)の操作後、感熱シートを観察したところ、感
熱シートのアイロンがけされた部分は、一様に濃く黒く
発色していたが、文字A,B,Cと重なるようにして形成
された隠しマークが、黒地上に灰色の発色抜けとしては
っきり視認された。また、この十字は、ほぼA,B,Cの
文字を覆っているので、この灰色のマークの中に、A,
B,Cの文字が、はっきり視認できた。以上の観察よ
り、隠しマークが、シート状に形成され、加熱によりそ
の可視化が可能で、かつ、文字情報との対比が可能であ
ることが分かる。
【0077】
【発明の効果】以上の実施例より、本発明の方法によ
り、人の目には見えない隠しマークの形成が可能であ
り、かつ、そのマークは、自由な形状を選択することが
出来、感熱紙への印字とほぼ同時に行なえることが分か
る。印字と重ねてマークを形成する場合には、隠しマー
クの形成と、印字の定着操作が同時に行なえる。また、
その他の場合でも、隠しマークの形成操作と印字の定着
操作をほぼ同時に行なうことが可能である。この隠しマ
ークの可視化は、高温加熱操作により簡単にでき、その
場合でも、印字が定着されている場合は、印字情報も視
認することが容易で、隠しマークとの対応を調べること
ができる。隠しマークと印字に対応性を付与しておけ
ば、印字情報の検証を行なうことが出来、感熱記録情報
の改ざん防止に極めて有効である。この隠しマークは、
感熱記録体への印字の前後に、ほぼ同時に行なえるため
に、印字情報にかかわるマーク、記録の場所時間にかか
わるマークが形成でき、情報の改ざんを防ぐのに有効で
ある。特に印字と重ねて隠しマークを形成した場合、印
字情報を改ざんしようとしても、隠しマークの改ざんが
困難なこと、あるいは、印字改ざんのための操作が、隠
しマークに変質を与え、それにより改ざんの事実を明確
にすることが可能であるので、特に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/18 Z S Fターム(参考) 2C005 HA01 HB11 HB12 HB20 JA30 JB05 JB11 JB15 JB17 JB27 JC01 KA01 KA06 KA25 KA61 KA70 LA26 LB06 LB08 LB22 2H026 AA05 AA07 AA28 BB24 BB26 BB39 BB46 BB48 FF01 FF15 2H113 AA03 AA04 BA00 BB00 BB22 CA39 DA04 DA29 DA36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体、下塗り層、感熱記録層を
    この順に有し、該感熱記録層は、無色又は淡色の染料前
    駆体と、該染料前駆体と加熱時に反応して発色させる顕
    色剤とを含有する感熱記録体であって、顕色剤として、
    発色後の画像耐溶剤性が高い顕色剤を使用し、下塗り層
    は、該顕色剤の顕色能力を低減させる、融解温度が40
    ℃以上の物質を含有する熱定着型感熱記録体を記録媒体
    として用い、当該記録媒体をサーマルヘッドにより加熱
    記録する前または後に、40℃以上の温度で特定のマー
    ク様に加熱して隠しマークを形成することを特徴とす
    る、隠しマークの記入方法。
  2. 【請求項2】 該顕色剤として、分子中に下記(1)〜
    (6)から選択される化学構造を有するものから選ばれ
    た少なくとも一員を含む請求項1に記載の隠しマークの
    記入方法。 (1)スルホニルウレア基(−SO2NHCONH−) (2)スルホンアミド基(−SO2NH−) (3)尿素(−NHCONH−)またはチオ尿素(−N
    HCSNH−)基 (4)1分子中にフェノール構造を有し、かつ、少なく
    とも一つの酸素以外のヘテロ原子を有する化学構造 (5)サリチル酸構造またはサリチル酸の金属塩構造 (6)1分子中にフェノールまたはサリチル酸構造を有
    し、かつ分子量が1000以上の化学構造式
  3. 【請求項3】 サーマルヘッドにより加熱記録した後、
    40℃以上の温度で特定のマーク様に加熱することによ
    り隠しマークを形成し、かつその隠しマークが、サーマ
    ルヘッドで記録された印字と実質的に重ねて記録される
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の隠
    しマークの記入方法。
  4. 【請求項4】 隠しマークの記入を10秒以下の時間で
    行う、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の隠しマー
    クの記入方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    方法により隠しマークを記入することによる感熱記録情
    報の改ざん防止方法。
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