JP3649217B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、地色部の耐熱性に優れた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、感熱記録体は、通常無色ないし淡色の電子供与性無色染料とフェノール性化合物などの顕色剤とを、各々微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤、およびその他の助剤を添加して得た塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチックなどの支持体に塗工したものであり、サ−マルヘッド、ホットスタンプ、レーザー光などの加熱による瞬時の化学反応により発色させ可視記録を得るものである。
【0003】
これらの感熱記録体は、計測用レコーダー、コンピュータ−の端末プリンター、ファクシミリ、自動券売機、バーコードラベルなどの広範囲の分野に応用されている。しかしながら、これら記録装置の多様化、高性能化が進められるに従って、感熱記録体に対する要求品質もより高度なものとなっている。例えば、記録の高速化に伴い、より微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像が得られることが要求されており、一方では、耐光性、耐熱性、耐水性、耐油性、及び耐可塑剤性などに関する保存性の優れていることが要求されている。
【0004】
さらに最近では、電子写真方式やインクジェット方式などの普通紙へ記録する方式が普及するにつれ、感熱記録もこれら普通紙記録と比較される機会が多くなっている。例えば、感熱記録体の記録部(画像部)の安定性は、トナー記録並の品質に、他方、感熱記録体の非記録部(白紙部、あるいは地色部)の安定性(以下、地色安定性と言う。)は、普通紙記録並の品質に近付くことが要求されている。特に、熱(100℃以上)および溶剤などに対する地色安定性の改良は、重要な課題である。
【0005】
熱に対する地色安定性に関して、例えば、特開平4-353490号公報は、感熱記録層に特定のフルオラン化合物/4-ヒドロキシジフェニルスルホン化合物/フォスフェイトの金属塩を含有させることにより、90℃前後の高温条件下においても記録濃度、あるいは地色部の白色度が低下しない感熱記録体を開示している。また一方では、一般に使用されているフェノ−ル系顕色剤とは異なる構造のチオウレア系化合物を用いた感熱記録体により、地色安定性の改善などが図られている。例えば、特開昭58-211496 号公報、特開昭59-184694 号公報、特開昭60-145884号公報、特開昭61-211085 号公報、特開平5-4449号公報、特開平5-185739号公報などにおいて、チオウレア化合物を使用して、地色安定性(地色部の耐熱性、耐水性、耐可塑剤性など)や画像安定性の良好な感熱記録体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4-353490号公報に開示された感熱記録体の地色安定性は、乾燥器で95℃、5時間処理した時の地色のマクベス濃度が0.11程度であって、かなりの安定性を示すが、例えば、 120℃以上の地色安定性という点では、未だ不十分である。
【0007】
また、チオウレア化合物を用いる感熱記録体に関しては、特開昭58-211496 号公報、特開昭59-184694 号公報、特開昭61-211085 号公報において開示されているチオウレア化合物は、フェニルチオウレア構造(Ar-NH-C=S-NH-)を1個しか有していないモノウレア化合物であり、地色部の耐熱性の点などに関して、フェノール系顕色剤に対して有利な点がなく実用化されていない。特開昭60-145884 号公報では、分子内に2個のチオウレア構造を有する化合物(以下、ビスチオウレア化合物と言う。)、具体的に言うと、2個のフェニルチオウレア構造が直結した型であるジフェニルビスチオウレア、および2個のフェニルチオウレア構造がフェニレン基で連結した型であるジフェニル-p- フェニレン−ジチオウレア、ジフェニル-m- フェニレン−ジチオウレアを用いた感熱記録体が記載されている。しかし、同公報では、これらのビスチオウレア化合物は、発色促進剤と併用されており、地色部の耐熱性の点に関して、問題があった。また、これらのビスチオウレア化合物は、単独で使用した場合でも、記録部や地色部の耐熱性に問題があった。特開平5-4449号公報では、染料前駆体とサルチル酸顕色剤とからなる発色成分に対して、ビスチオウレア化合物を第三の添加剤として使用することにより画像が安定化することが開示されている。しかし、ビスチオウレア化合物を同公報に開示されたような処方で使用しても、120 ℃以上の地色部の耐熱性を得ることができなかった。また、特開平5-185739号公報では、ビスチオウレア化合物を顕色剤として用いた耐エタノ−ル性、耐可塑剤性に優れた感熱記録体が開示されている。しかし、同公報では、ビスチオウレア化合物は、増感剤と併用されており、これでは、120 ℃以上の耐熱性を得ることもできなかった。
【0008】
そこで、本発明では、地色部の耐熱性に優れた感熱記録体を提供することを課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記特定の構造を有するビスチオウレア化合物を用いた感熱記録体により、解決を図った。
【0010】
本発明は、無色または淡色の染料前駆体と、加熱時に反応して該染料前駆体を発色させる顕色剤とを含む感熱発色層を有する感熱記録体において、該顕色剤が、下記一般式(1)で表されるビスチオウレア化合物であって、かつその感熱発色層が増感剤を含有しないことを特徴とする地色部の耐熱性に優れた感熱記録体に関する。
【0011】
【化2】
Figure 0003649217
(ここで、X、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、及びR8 は、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シクロヘキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。Yは、Sを表す。mは、1〜3の整数である。)
【0012】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表されるビスチオウレア化合物の具体例として次のような化合物を例示することができる。
【0013】
【化3】
Figure 0003649217
【0014】
【化4】
Figure 0003649217
【0015】
【化5】
Figure 0003649217
【0017】
本発明の耐熱性に優れた感熱記録体は、耐熱性が高く、作成した感熱記録体を、ワ−プロプリンタ−で印字後、発色させた感熱記録体を、簡易ラミネ−ト装置で熱ラミネ−トを行っても、地色部の発色がなく、鮮明な記録ともに熱ラミネートができる。また、作成した感熱記録体を、200 ℃に加熱した熱板に10g/cm2 の圧力で5秒間押しつけ静的発色させ、その発色させた感熱記録体を、 160℃の熱ロ−ルの間をスピ−ド30mm/sで通過させるというような操作を行っても地色が発色することがないという高耐熱性の感熱記録体である。
【0018】
本発明の感熱記録体では、従来から顕色剤として知られているフェノ−ル化合物、あるいはサリチル酸誘導体と併用しない方がよい。フェノ−ル化合物、あるいはサリチル酸誘導体との併用にすると、感熱記録体の発色がフェノ−ル化合物、あるいはサリチル酸誘導体によっても起こるため、地色部の耐熱性が従来の感熱記録体と同程度になってしまい、好ましくない。
【0019】
また、本発明の感熱記録体の特徴の一つは、増感剤を使用しないことである。増感剤は、染料前駆体や顕色剤の融点より低い融点を有する物質であり、加熱時にその融点で融解し、染料前駆体および顕色剤を相溶させ、発色させる働きをする化合物である。そのため、増感剤を使用することにより、感熱記録体の発色感度を向上させることができる。しかし、地色部の耐熱性の点から言うと、感熱記録体の耐熱性が増感剤の融点などに依存するようになるため、増感剤の使用は、好ましくない。特開平5-185739号公報では、例えば、その実施例においてシュウ酸ジ(p-メチルベンジル)エステルを用いており、これでは、十分な耐熱性を得ることはできなかった。増感剤の例としては、特開昭58-57989号公報、特開昭58-87094号公報、特開昭63-39375号公報に開示されている化合物などが挙げられる。
【0020】
本発明の上記のビスチオウレア化合物を顕色剤として使用し、かつ増感剤を使用しない感熱記録体は、サーマルヘッドなどによる瞬時の高い熱エネルギーでは発色するが、一方、この感熱記録体を120 ℃以上の高温環境下に置いても、記録体の地色部は実質的に発色せず、安定である。したがって、本発明の感熱記録体は、例えば、a)感熱記録後の記録面をプラスチックフイルムなどで熱接着する熱ラミネートを行うこと、b)電子写真用転写シ−トとして、感熱記録層表面にトナーを付着させ熱定着させること、あるいはc)感熱記録後の記録面にトナーを付着させ熱定着させることも可能となった。
【0021】
本発明の地色部の耐熱性に優れた感熱記録体は、サ−マルヘッドなどで印字できるのにもかかわらず、一方では、120 ℃でも実質的に発色しないという、互いに相反する機能を有している。また、用いられるビスチオウレア化合物が、アルコール系溶剤以外の有機溶媒に対する溶解度が極めて低いためか、これらの感熱記録体は、アルコール系溶剤以外の有機溶媒と接触しても、記録部が消色したり、地色部が変色したりすることが殆どない。
【0022】
本発明の地色部の耐熱性に優れた感熱記録体は、さらに、製造工程の管理が極めて容易である利点もある。すなわち、従来、感熱記録体の製造において、感熱発色層の塗工後の乾燥工程は、塗工面の地発色が起こらないようにするため、非常に厳しい温度管理が必要とされ、そのため高速塗工にも限界があった。しかし、本発明の感熱記録体の場合は、110 ℃の熱風を当てても、地色部の発色を生じないので、乾燥工程で高温での乾燥が可能である。また、乾燥温度の管理幅を大きく広げることができるので、飛躍的に生産性の向上が期待できる。
【0023】
本発明の感熱記録体を製造する一般的な方法は、(a) 染料前駆体と、(b) 顕色剤として、ビスチオウレア化合物とを、バインダ−と共に各々分散し、必要に応じて、填料、滑剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、消泡剤などの助剤を添加して塗液を作成し、支持体上に通常の方法で塗布、乾燥する方法である。
【0024】
本発明の感熱記録体に使用する染料前駆体は、従来感熱記録の分野で公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フルオレン系染料前駆体などが好ましく、以下に、染料前駆体を例示する。
【0025】
3,3-ビス(4'- ジメチルアミノフェニル)-6- ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタル・バイオレット・ラクトン(CVL))
3,3-ビス(4'- ジメチルアミノフェニル)-6- ピロリジルフタリド3,3-ビス(4'- ジメチルアミノフェニル)フタリド(別名:マラカイトグリ−ンラクトン(MGL))
トリス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン(別名:ロイコ・クリスタル・バイオレット(LCV))
3-ジメチルアミノ-6- メチル-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル−フルオラン3-ジエチルアミノ-7- メチル−フルオラン
3-ジエチルアミノ-7- クロロ−フルオラン3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- クロロフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-p- メチルアニリノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(p-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(o-フルオロロアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7-n- オクチルアミノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- クロロ-7- アニリノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- エトキシエチル-7- アニリノフルオラン
3-ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン
3-ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- ベンジルアミノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- ジベンジルアミノフルオラン
3-ジエチルアミノ-7- ジ(p-メチルベンジル)アミノフルオラン
3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- ジフェニルメチルアミノフルオラン
3-ジエチルアミノ-7- ジナフチルメチルアミノフルオラン
10- ジエチルアミノ-4- ジメチルアミノベンゾ[a]フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル−フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7- クロロフルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-p- メチルアニリノフルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-(p-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジブエチルアミノ-6- メチル-7-(o-フルオロロアニリノ)フルオラン
3-ジブエチルアミノ-6- メチル-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン
3-ジブチルアミノ-6- メチル-7-n- オクチルアミノフルオラン
3-ジブチルアミノ-6- クロロ-7- アニリノフルオラン
3-ジブチルアミノ-6- エトキシエチル-7- アニリノフルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7-(p-クロロアニリノ)フルオラン
3-ジn-ペンチルアミノ-6- メチル-7-(o-フルオロロアニリノ)フルオラン
3-ピロリジノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-ピペリジノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- メチル-N-n- プロピルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-n- プロピルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-iso- プロピルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-n- ブチルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-iso- ブチルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-n- ヘキシルアミノ)-6- メチル-7-p- メチルアニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-n- ヘキシルアミノ)-6- メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン
3-(N- エチル-N-n- ヘキシルアミノ)-6- メチル-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3-(N- エチル-N-n- ヘキシルアミノ)-6- メチル-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン
3-(N- エチル-N-iso- アミルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-iso- アミルアミノ)-6- クロロ-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-3- メチルブチルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-p- トルイジノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-p- トルイジノ)-6- メチル-7-(p-メチルアニリノ)フルオラン
3-(N- エチル-N-p- トルイジノ)-6- メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン
3-(N- エチル-N- テトラヒドロフルフリルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- シクロヘキシル-N- メチルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- シクロヘキシル-N- メチルアミノ)-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-3- メトキシプロピルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(N- エチル-N-3- エトキシプロピルアミノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン
2-(4- オキサヘキシル)-3- ジメチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン2-(4- オキサヘキシル)-3- ジエチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン2-(4- オキサヘキシル)-3- ジプロピルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン
3-(4''- アミノスチルブルジル-4'-アミノ)-7,8- ベンゾフラン
3,6,6'- トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン-9,3'-フタリド]
3,6,6'- トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン-9,3'-フタリド]
3-(4- ジエチルアミノ-2- エトキシフェニル)-3-(1- エチル-2- メチルインド−ル-3- イル)-4- アザフタリド
3-(4- ジエチルアミノ-2- エトキシフェニル)-3-(1- オクチル-2- メチルインド−ル-3- イル)-4- アザフタリド
3-(4- ジエチルアミノ-2-n- ヘキシルフェニル)-3-(1- エチル-2- メチルインド−ル-3- イル)-4- アザフタリド
3-(4- シクロヘキシルメチルアミノ-2- メトキシフェニル)-3-(1- エチル-2-メチルインド−ル-3- イル)-4- アザフタリド
3-(4- シクロヘキシルエチルアミノ-2- メトキシフェニル)-3-(1- エチル-2-メチルインド−ル-3- イル)-4- アザフタリド
3,3-ビス(1-エチル-2- メチルインド−ル-3- イル)フタリド3,3-ビス(2-メチル-1- オクチルインド−ル-3- イル)フタリド
3-(1-エチル-2- メチルインド−ル-3- イル)-3- (1-n-ブチル-2- メチルインド−ル-3- イル)フタリド
3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10-ベンゾイルフェノチアジン
3,7-ビス(ジメチルアミノ)-N-[p-N-ビス(4,4'-ジメチルアミノフェニル)メチルアミノ] ベンゾイルフェノチアジン
3,7-ビス(ジメチルアミノ)-N-[p-N-ビス(4,4'-ジエチルアミノフェニル)メチル] ベンゾイルフェノチアジン
3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(2'-ニトロ)アニリノラクタム3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'-ニトロ)アニリノラクタム
3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'-ニトロ)アニリノラクタム
3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム
【0026】
これらの染料前駆体は、単独または2種以上混合して使用しても良い。フルオラン系染料前駆体は、特に高温下での地色の安定性が高くなるので、本発明において好ましく使用できる。地色の熱安定性を重視する場合、融点及び分解温度が高い染料が好ましい。また、2種以上の染料前駆体を混合して使用する方法は、本発明の目的すなわち高い地色の熱安定性の上で好ましい。
【0027】
本発明で使用するビスチオウレア化合物単独で用いてもよいし、これらを組み合わせて使用してもよい。
【0028】
本発明で使用することができるバインダーとしては、重合度が 200〜1900の完全ケイ化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これらの中では、ポリビニルアルコール系バインダーが分散性、バインダー性及び地色の熱安定性の点で好ましいものである。これらのバインダ−は、水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中に、乳化またはペースト状に分散した状態で使用し、また要求される品質に応じて併用することも出来る。
【0029】
本発明で使用される填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機填料、またはポリスチレン系有機填料、スチレン/ブタジエン系有機填料、スチレン/アクリル系有機填料などの有機填料などが挙げられる。
【0030】
このほかに、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤などを使用することができる。
【0031】
本発明のビスチオウレア化合物と染料前駆体の配合量、およびその他の各種成分の種類と配合量は、要求される性能、および記録適性に従って決定さればよく、特に限定されるものではない。しかし、地色部の熱安定性を低下させないためには、出来るだけ単純な配合が望ましく、通常染料前駆体1部に対して、ビスチオウレア化合物1〜8部、充填剤1〜20部であって、バインダーは全固形分中10〜25重量%である。
【0032】
これらの材料は、ボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機、あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒子化し、バインダー、および目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。上記組成から成る塗液を紙、合成紙、不織布、金属箔、プラスチックフィルム、プラスチックシ−ト、あるいはこれらを組み合わせた複合シ−トなどの任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録体が得られる。
【0033】
さらに、得られた感熱記録体は、保存性を高める目的で高分子物質などのオーバーコート層を感熱発色層上に設けたり、また発色感度を高める目的で填料を含有した高分子物質などのアンダーコート層を感熱層下に設けることもできる。
【0034】
特に、本発明の耐熱性に優れる感熱記録体は、地色の高い熱安定性を生かして記録後、画像面にフイルムを熱ラミネートすることによって透明で強力な保護被覆を設けることができる。その場合、市販の簡易ラミネート機を使用すれば、感熱記録した記録面を有する耐熱性のカードを容易に作成することができる。
【0035】
ビスチオウレア化合物が、それ自体単独で染料前駆体の顕色剤として機能すること、増感剤を用いないことにより従来考えられなかった程の高い耐熱性を示すこと、および化合物によっては高い可逆記録性が得られることの理由は、明確には解明されていないが、次のように考えられる。本発明で用いるビスチオウレア化合物は、条件により次式のように構造が変化し、チオケトン化、あるいはエンチオール化する。
【0036】
【化7】
Figure 0003649217
(チオケトン型) (エンチオール型)
【0037】
ビスチオウレア化合物が、顕色剤として機能するには、エンチオール化が必要であると考えられる。エンチオール化には高温が必要であり、サーマルヘッドでは瞬間的に200 〜300 ℃の高温度になるので、サーマルヘッドと接触するビスチオウレア化合物にエンチオール化が起こり、顕色機能が生じて染料前駆体のラクトン環を開裂させ発色するものと思われる。一方、逆に、エンチオール化が起こる温度まではビスチオウレア化合物は変化せず、染料前駆体と反応しないので、地色は白いままであり、これが耐熱性が高い理由であると思われる。また、モノチオウレア化合物では、活性水素が1個であるため、良好な顕色性が得られないが、ビスチオウレア化合物では、活性水素が増加することにより、良好な顕色性が得られると考えられる。
【0038】
また、耐溶剤性などに優れているのは、ビスチオウレア化合物は、それらの溶剤に対する溶解度が極めて低く、これらの溶剤と接触しても染料前駆体と顕色剤との混合が実質的に生じないからであると考えられる。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって説明する。尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0040】
[実施例1〜
染料前駆体として、3-N,N-ジエチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン(ODB)を使用し、顕色剤としてビスチオウレア化合物を使用して、以下のようにして、感熱記録体を作成した。
(顕色剤分散液)
ビスチオウレア化合物(表1参照) 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
(染料前駆体分散液)
3-N,N-ジエチルアミノ-6- メチル
-7- アニリノフルオラン(ODB) 2.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部
水 2.6部
上記の組成物の各液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
顕色剤分散液 36.0部
染料前駆体分散液 9.2部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布量 6.0g/m2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパーカレンダーで平滑度が 500〜 600秒になるように処理し、感熱記録シートを作成した。
【0041】
[比較例1〜17]
以下のように、顕色剤として下記の公知化合物(E-1〜E-17)、および本願と類似の顕色剤化合物(E-18〜E-22)を使用して、比較例のための感熱記録体を作成した。比較例1〜17は、E-1〜E-17を用いた例である。
ビスフェノ−ルA(E-1)
ビスフェノ−ルS(E-2)
4-ヒドロキシ-4'-iso-プロポキシジフェニルスルホン(E-3)
4−ヒドロキシ-4'-n-ブトキシジフェニルスルホン(E-4)
1,3−ジフェニルチオウレア(E-5) (特開昭58-211496 号公報記載物)
1,3-ベンジルフェニルチオウレア(E-6)
1,3-フェニルステアリルチオウレア(E-7)
1,3−ジ(m-クロロフェニル)チオウレア(E-8)
1,3−ジ(p-トルイル)チオウレア(E-9)(特開昭58-211496 号公報記載物)
ジフェニルビスチオウレア(E-10)(特開昭60-145884 号公報記載物)
ビスチオウレア化合物(E-11)(特開平5-185739号公報記載物)
ビスチオウレア化合物(E-12)(特開平5-185739号公報記載物)
ビスチオウレア化合物(E-13)(特開平5-185739号公報記載物)
ジフェニル-p- フェニレン−ジチオウレア(E-14)(特開昭60-145884 号公報記載物)
ジフェニル-m- フェニレン−ジチオウレア(E-15)(特開昭60-145884 号公報記載物)
ビスチオウレア化合物(E-16)(特開平5-185739号公報記載物)
ビスチオウレア化合物(E-17)(特開平5-185739号公報記載物)
【0042】
【化8】
Figure 0003649217
【化9】
Figure 0003649217
【化10】
Figure 0003649217
【0043】
(顕色剤分散液)
比較例用化合物(E-1 〜E-17、表2参照) 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
(染料前駆体分散液)
3-N,N-ジエチルアミノ-6- メチル
-7- アニリノフルオラン 2.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部
水 2.6部
上記の組成物の各液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
比較例用化合物の顕色剤分散液 36.0部
染料前駆体分散液 9.2部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
以下、実施例1〜と同様にして感熱記録シートを作成した。
【0044】
[比較例18〜20]
特開平5-4449号公報と同様に、サリチル酸亜鉛系化合物を顕色剤として、ビスチオウレア化合物を第3物質として添加して、感熱記録体を作成した。(a) 染料前駆体として、2-アニリノ-3- メチル-6-N- テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、(b) 顕色剤として4-p-メトキシフェノキシエトキシサルチル酸亜鉛(表3では、SA1−Znと記載する。)、(c) 添加剤としてビスチオウレア化合物E−18、E−19あるいはE−10を、(d) 増感剤としてシュウ酸ジ(p-メチルベンジル)エステルを、各々20gを 100gの5%ポリビニルアルコール(クラレPVA-105 )水溶液と共に一昼夜ボールミルで分散し、平均粒径を1.5 μ以下にし、各々の分散液を得た。また、炭酸カルシウム80gをヘキサメタリン酸ソーダー0.5 %溶液 160gと共にホモジナイザーで分散して顔料分散液(e) を得た。以上のように作製した各分散液を下記の割合で混合し、感熱塗布液を得た。
(a) 染料前駆体分散液 5部
(b) 顕色剤分散液 10部
(c) チオウレア化合物分散液 3部
(d) 増感剤分散液 10部
(e) 炭酸カルシウム分散液 5部
この感熱塗布液を坪量50g/m2の上質紙上にワイヤーバーを用いて塗布層の乾燥重量が5g/m2 になるように塗布し、50℃で1分乾燥して感熱記録紙を作成した。
【0045】
[比較例21〜23]
比較例18〜20で使用した顕色剤4-p-メトキシフェノキシエトキシサルチル酸亜鉛(SA1−Zn)の代わりに、3,5-ビス(メチルベンジル)サルチル酸亜鉛(表3では、SA2−Znと記載する。)を使用し、添加剤としてビスチオウレア化合物、E−18、E−19あるいはE−10の代わりに化合物E−20,E−21、あるいはE−12を使用した以外は、比較例18〜20と同様な方法で、感熱記録体を作成した。
【0046】
[比較例24〜25]
特開平5-185739号公報と同様に、ビスチオウレア化合物を顕色剤として、シュウ酸ジ(p-メチルベンジル)エステルを増感剤として添加して、感熱記録体を作成した。(a) 染料前駆体として、2-アニリノ-3- メチル-6-N- テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、(b) 顕色剤としてビスチオウレア化合物E−20あるいはE−22を、(c) 増感剤としてシュウ酸ジ(p-メチルベンジル)エステルを、各々20gを 100gの5%ポリビニルアルコール(クラレPVA-105 )水溶液と共に一昼夜ボールミルで分散し、平均粒径を1.5 μ以下にし、各々の分散液を得た。また、炭酸カルシウム80gをヘキサメタリン酸ソーダー0.5 %溶液 160gと共にホモジナイザーで分散して顔料分散液(d) を得た。以上のように作製した各分散液を下記の割合で混合し、感熱塗布液を得た。
(a) 染料前駆体分散液 5部
(b) 顕色剤分散液 10部
(c) 増感剤分散液 10部
(d)炭酸カルシウム分散液 5部
(e) 21%-ステアリン酸亜鉛分散液 3部
この感熱塗布液を坪量50g/m2の上質紙上にワイヤーバーを用いて塗布層の乾燥重量が5g/m2 になるように塗布し、50℃で1分乾燥して感熱記録紙を作成した。
【0047】
[実施例7〜10]
染料前駆体として、下記に示す染料前駆体を使用し、顕色剤としてB−1を使用して、以下のようにして、感熱記録体を作成した。
(染料前駆体)
CVL:3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6- ジメチルアミノフタリド
ODB-2:3-N,N-n-ジブチルアミノ -6-メチル -7-アニリノフルオラン
NEW-Blue:3-(4- ジエチルアミノ -2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル -2-メチルインドール -3-イル) -4-アザフタリド
I-red:3,3-ビス(1-エチル-2- メチルインド−ル-3- イル)フタリド
(染料前駆体分散液)
上記染料前駆体 2.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部
水 2.6部
この染料前駆体分散液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕し、次いで顕色剤分散液と下記の割合で混合して塗液とした。
実施例1の顕色剤分散液 36.0部
染料前駆体分散液 9.2部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布量 6.0g/m2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパーカレンダーで平滑度が 500〜 600秒になるように処理し感熱記録シートを作成し実施例と同様に評価した。
【0048】
[比較例26〜27]
実施例7〜10で使用した顕色剤(化合物B−1)の代わりに化合物E−1あるいはE−2を顕色剤として使用した以外は、実施例7〜10と同様の操作で感熱記録シートを作成した。
【0049】
作成した感熱記録体に対し、以下のような評価テストを行った。結果を表1〜表4に示す。
【0050】
[記録性テスト(動的発色濃度)]
ワープロプリンタ−(RUPO-90F(東芝製))を使用し、印加エネルギー最大で記録し、記録部をマクベス濃度計(RD-914、アンバーフィルター使用。以下濃度測定はこの条件で行った。)で測定した。この場合、マクベス値が大きいほど記録濃度が高く、記録適性が良い。
【0051】
[耐熱性テストA(熱ロ−ルによる耐熱性テスト)]
200 ℃に加熱した熱板に10g/cm2 の圧力で5秒間押しつけ静的発色させた感熱記録体を、 160℃の熱ロ−ルの間をスピ−ド30mm/sで通過させ、記録部と地色部をマクベス濃度計で測定した。熱ロ−ルの通過前と通過後で記録部の発色濃度の差が小さいほど熱安定性が高い。また、記録部の熱安定性が極めて低いことは、熱ロ−ル処理により画像を消去できる可能性が高いことを示す。
【0052】
[耐熱性テストB(ステップエッジによる耐熱性テスト)]
記録シ−トの地色の熱安定性を見るために、150 ℃に加熱した熱板に8g/cm2 の圧力で4秒間押しつけ発色部のマクベス濃度を測定した。値が小さいほど地色の着色度が少なく地色の熱安定性が高い。
【0053】
[熱ラミネートテスト]
動的発色させた感熱記録体を、MSパウチフイルムに挟み、簡易ラミネ−ト装置(MSパウチH-140 (明光商会製))の熱ロ−ルの間をスピードコントロール中速で通過させることにより熱ラミネート処理し、記録部と地色部のマクベス濃度を測定した。記録部と地色部の濃度の差が、ラミネ−ト前後で、小さいほどカ−ド化適性が高いことを示す。
【0054】
[油性インク適性テスト]
油性赤マジックインキNo.500(寺西化学製)を用いて、感熱記録体に筆記し、本来の赤色に対する変色の度合を目視により測定した。
◎…変色しない
○…殆ど変色しない
△…やや変色する
×…著しく変色する
【0055】
【表1】
Figure 0003649217
【表2】
Figure 0003649217
【0056】
【表3】
Figure 0003649217
【表4】
Figure 0003649217
【表5】
Figure 0003649217
【表6】
Figure 0003649217
注:表2−1〜4において、染料はODBを使用した。
【0057】
【表7】
Figure 0003649217
【表8】
Figure 0003649217
注:表3−1、2において、染料はODBを使用した。
SA1-Zn=4-p-メトキシフェノキシエトキシサリチル酸亜鉛
AS2-Zn=3,5-ビス(メチルベンジル)サリチル酸亜鉛
増感剤A=シュウ酸ジ(p-メチルベンジル)エステル
【0058】
【表9】
Figure 0003649217
【表10】
Figure 0003649217
注:表4−1において、添加剤はなし。
【0059】
また、作成した感熱記録体について、以下のような耐可塑剤性テストを行って、評価結果を表5に示す。
[耐可塑剤性テスト]
ワ−プロプリンタ−で発色させた感熱記録体に、可塑剤を含有した塩化ビニル製ラップ(商品名:ハイラップKMA-S /三井東圧化学(株)製)を密着させ、17時間室温で放置した。塩化ビニル製ラップを剥がして、記録部をマクベス濃度計で測定し、下記の式より残存率を算出した。
【数1】
残存率(%)=(処理後の記録部の濃度)/(処理前の記録部の濃度)× 100
【0060】
【表3】
Figure 0003649217
【0061】
[実施例11]
実施例1で得られた感熱記録体を、PPC複写機(商品名:NP6060/キャノン(株)製)でトナ−記録を行ったところ、地色部が発色すること無く、鮮明な複写をすることができた。
【0063】
[比較例28]
比較例1で得られた感熱記録体を、PPC複写機(商品名:NP6060/キャノン(株)製)でトナ−記録を行ったところ、地色部が発色してしまい、鮮明な複写をすることはできなかった。
【0064】
【発明の効果】
表1〜表5の結果から分かるように、本発明の地色部の耐熱性に優れた感熱記録体の場合、120 〜150 ℃の範囲の環境温度では実質的に地色の変化がないにもかかわらず、サーマルヘッドでは実用に足る画像濃度の記録を得ることができる画期的な記録体であることが分かる。従って、本発明の効果として次の諸点が挙げられる。
【0065】
(1)これまで使用できなかった100 ℃〜150 ℃範囲の過酷な温度条件下で、感熱記録体を使用することが可能となる。
(2)感熱記録後、記録面にフイルムの熱ラミネートが行えるので、感熱記録カ−ドを簡単に作成することができる。
(3)各種の電子写真方式複写機に使用可能である。
(4)油性インキにより筆記する際に変色を起こさないので、これらの筆記用具を使用して感熱記録シートに自由に筆記することが可能になる。

Claims (3)

  1. 無色または淡色の染料前駆体と、加熱時に反応して該染料前駆体を発色させる顕色剤とを含む感熱発色層を有する感熱記録体において、該顕色剤が、下記一般式(1)で表されるビスチオウレア化合物であって、かつその感熱発色層が増感剤を含有しないことを特徴とする地色部の耐熱性に優れた感熱記録体。
    Figure 0003649217
    (ここで、X、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、及びR8 は、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シクロヘキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表す。Yは、Sを表す。mは、1〜3の整数である。)
  2. 請求項1記載の感熱記録体をプラスチックフィルムでラミネ−トした感熱記録カ−ド。
  3. 請求項1記載の感熱記録体を使用した電子写真用転写シ−ト。
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