JPH0725029U - 水路魚道落差工 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 落差を有する圃場に於いて、その水路の流速
を抑制し、水流をエアレイションさせると共に、側壁よ
りを遡上する小魚の遡上をも容易にし、人には、潤いと
安らぎをもたらせ、水路の小動物の生息環境の保全を考
慮した親水→生水の落差工の構成を目的としている。 【構成】 落差を有する、水路の上流と下流の普通のＵ
字構成水路Ａ−１，Ａ−２間に下流より魚床（魚巣）付
き深場構成エプロン水路（静水池）Ｃを設け、その段差
部の上流には、圃場落差に応じたエアレイション（空気
混入）させる段状流速抑制魚道水路Ｂを水路縦仕切り壁
３をも有して、組合せ構成してなる水路魚道落差工。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案は、落差（段差）を有する圃場に於いて、その水路の流速を抑制し、流水 にエアレイション（空気混入）させると共に小魚の遡上をも容易にした水路魚道 落差工に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 従来の水路の落差工には、図示していないが、 落差部に上下流水路断面と同じか、やや大きい断面の製品を落差に応じた長 さで傾斜させて構築するスロープ型落差工。 落差部をヒューム管等で垂直構築とした円筒型落差工。 落差部を垂直とし、やや深く、水クッションと水落下拡散を考慮した静水池 型落差工。 落差部に阻壁を設けて、流速減勢する阻壁型落差工。 複雑な工法では、落差部に越流水槽を設ける工法等が有った。 しかし、従来のこれらの工法には次の様な欠点と解決課題が有った。 【０００３】 の工法では、低水位か平水位で流れている時は問題は無いが、水量の必要と する田植期又は、大雨時に、加えて、流速方向と逆風の吹く時などは、水路 外に水が溢れ、側壁外の盛土の土砂を流失させていた。 の工法では、上流から流れる流木、ゴミ等が絡み水の流れが悪く成るばかり か、大雨時などに管理が悪いとこれらの堆積により落差工の崩壊も有った。 この工法は、現地施工の為に、上流、下流の落差部を根堀、現地型枠取付、 鉄筋組立、コンリート打設、養生等の工事工程が東北地方では稲刈後（収穫 後）の降雨か降雪期に入る為に工事管理が大変なばかりか、工期短縮も出来 ない欠点もあった。 の工法は、水路巾の大きい場合は、工費がかさみ、 の工法同様に流木、 ゴミ等が絡む等の欠点が有った。 この工法も、 工法同様で、流木、ゴミ等での管理面と現地の諸条件 を考慮した模型実験を行うなどして、その機能を確認する等の必要が有り、 設計迄の準備も必要であったし、工事費も高い問題もあった。 【０００４】 以上が施工又は、工法、管理上の欠点であり課題であった。 加えて、従来のこれ等の工法はいずれも、活水→利水→遮水の人間の一方的な 目的のためのみの工法で有り、水路に生息する小動物への配慮を忘れた人間中心 の工法で有った。 【０００５】 そこで、高低差の有る圃場でコンクリートで水路落差部を構築する際に次の事を 解決課題としたものである。 【０００６】 【考案が解決しょうとする課題】 水路は、人間のみの利用目的のためにのみ加工する事なく、生物共有の空間 とする事、加えて、水路落差部は、親水→生水の場として、水路の小動物の 生息環境を保全創出する事。 製造を容易とし、降雨、降雪時の施工でも容易にコスト安価で構築出来る様 にすると共に壁高の高い側壁土圧を軽減する為に工夫する事。 水路落差部は側壁魚道とする事。 この落差部を利用して、水流を乱流させ、水流に空気を混入させる事。 跳水部は、深場エプロン水路とし、ここに魚溜り魚床（魚巣）も構築出来る 様にする事。 落差魚道部の側壁天端を流量に支障無く出来るだけ質量軽減を図り、製品コ スト、施工コストの低減も図り、工期の短縮出来る工法とする事。 【０００７】 【考案が解決するための手段】 本考案は、上記課題を解決するために、工場にて各製品を分割製造し、現地施工 組立とし、魚道部の床版の構成も凹凸段状製品で数個に分割し縦仕切壁組立後現 地取り付けとする。 【０００８】 考案の実施に当り、本考案出願人は、これ等の工法を必要とする地域に生まれ育 ち、その設計、施工に従事しながら本考案製品を次の様にしたものであ。 【０００９】 【考案の実施例】 これを実施例の施工組立断面 【図１】より順次説明する。 まず、高低差の有る圃場水酪の落差部に於いて、床版２．を介して、両側壁１ ．１．を有する上流の普通Ｕ字構成水路Ａ−１．と下流の普通Ｕ字構成水路Ａ− ２．と水路通水断面巾を同じくして、【図１】の施工組立断面の如く側壁高低差 を直線と成る様に傾斜させた製品とし、低部を落差段状に設ける。 【００１０】 製品間の落差段状の高低差は、水路の動水勾配にもよるが、２０〜３０ｃｍを限 度とし、その間を低版を有する魚道構成切欠５．付き阻水版４．の組合せにより 、さらに、落差を分割（普通は図の如く、２ｍ製品で２分割）して設けて魚道部 の落差を最終的に１０〜１５ｃｍ程度とする。 【００１１】 この魚道部製品は、その落差が６０ｃｍであれば、製品３個、阻水版４．が６個 を使用、落差が１ｍであれば、製品５個、阻水版４．を１０個を使用する。 【００１２】 この阻水版４．の組立は、切欠部５．が平面的に直線と成らぬ様に千鳥状に設け 、水が蛇行して流れ段差越流する様にし、調整コンクリート７．で調整セッテン グし、施工組立構築するものである。 【００１３】 特に水路動水勾配が大きい場合は、切欠５．の下の低版と調整コンクリートを、 くりぬき深場（溝穴）６．を構築して、遡上する小魚のジャンプを容易にする事 の配慮を生息環境を良くする。 【００１４】 次に、深場エプロン構成魚床付き水路Ｃ．の本体は、水クッション末端位置Ｓ− Ｓ．点での水深を計算し、下流水路Ａ−２．の深さにプラスした深さの水路とし 、止めは、流水路に不整な流れ、波が起こらぬ様に漸縮角度の末端妻版１０．と する。 【００１５】 この水クッション（静水池部）の長さ（製品の数）は、落下水脈の水平距離を計 算し水クッション内での減勢が十分に行なわれる長さとするも、この深場を利用 して、子供達の遊び場とする時は、計算上で算出される、Ｌ＝３×Ｌａ．よりも 長くした方が理想的である。 【００１６】 この製品の側壁１．には、魚の貫通孔８．を設け、一方か両側壁外の盛土下に魚 床（魚巣）ＢＯＸ ９．を施工時現地で組立構成するものである。 【００１７】 以上様にして構成構築される本考案製品には、次の様な作用、効果がある。 【００１８】 【考案の作用効果】 普通Ｕ字水路 Ａ−１．〜 Ａ−２．、縦仕切壁３．製品は無論の事、魚道 水路Ｂ．の本体もエプロン水路Ｃ．の本体も工場分割製造（標準長２ｍ）す るので製造が容易である。 縦仕切壁３．は、製造工場か現地で組立、魚道階段構築の切欠５．付き阻水 版４．も工場製造し施工現場で平面的に交互（ 切欠５．が千鳥状 ）に、 高低を調整しながら調整コンクリートで取り付け組立するものであるから製 造は同じ製品の型枠で良く、施工も簡単容易であり、コストも低減出来る。 水路内の構築物が上流の床版より、最初の縦仕切壁３．と阻水版４．を除い て低い位置にあり、前面オプン水路と成っているので、流木、ゴミが絡んで も満水時又は、洪水時には、浮き上げ流されて、維持管理に余り労力を必要 としない。 落差工を構築する製品で最も大きい製品のエプロン水路（静水池水路）Ｃ． に於いては、側壁外低部に魚床（魚巣）ＢＯＸ ９．を分割製造、現地組立 構築する構造と成っているので、エプロン水路Ｃ．の魚の貫通孔８．の分だ け本体質量軽減する事が出来るし、魚床ＢＯＸ ９．部が組立られて、これ が仮想背面版又はＢＯＸとして構築され、製品有効厚も大きく構成されて、 製品構造上も又、製品浮力防止にも役立つものである。 この様に、落差工を縦仕切り付き階段魚道、エプロン深場魚巣とする事によ り、小魚の水路遡上を容易に、かつ、小魚の生息環境を保全する事が出来る 。 魚道の凹凸部を蛇行乱流する水は、砕かれて空気を混入出来、下流に生息す る小動物ばかりで無く、田畑の作物にも良い結果をもたらすものでありる。 【００１９】 加えて、これらの製品を側壁傾斜させ、表面を自然石、天然木を埋設又は、擬石 、擬木製品とし、その一部に人道階段を設け全体を構築する事により、従来の落 差工に無かった親水、生水機能を有した水辺空間落差工として、水路小動物には 、ソフトな配慮がなされ、人には潤いと安らぎをもたらす場とも成るものである 。 【００２０】

【図面の簡単な説明】 【図１】は、本考案の実施例を示す施工組立概要断面
図。 【図２】は、魚道階段部の概要、正．断面図。 【図３】は、中央をスロープ両サイドを魚道とした製品
の概要断面図。 【図４】は、一方を魚道他を玉石埋設とした製品の概要
断面図。 【図５】は、側壁外に標準的魚床を構築した深場エプロ
ン魚床付き水酪の概要断面図である。 【図６】は、側壁高に加え、側壁上載荷重も大きい製品
に仮想背面突出版ＢＯＸ魚床を構築した深場エプロン水
路の概要断面図である。 【図７】は、側壁内面両側に魚床を構築した深場エプロ
ン魚床付き水路の概要断面図である。 【図８】は、製品床版の下と側壁構成魚床部を深く泥溜
りとした深場エプロン魚床付き水路の概要断面図であ
る。 【符号の説明】 Ａ−１．〜 Ａ−２． 普通Ｕ字水路 Ｂ． 段状魚道水路 Ｃ． エプロン魚床（魚巣）付き水路 １． 側壁 ２． 床版 ３． 縦仕切り壁 ４． 阻水版 ５． 切欠部 ６． 深場 ７． 調整コンクリート ８． 魚の貫通孔 ９． 魚床（魚巣）ＢＯＸ １０． 末端妻版（漸縮版） １１． 仮想背面突出版付き魚床ＢＯＸ １２． スロープ １３． 玉石 １４． トラック荷重 １５． 小魚 １６． 泥溜り １７． 深場構築ブロック

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 圃場水路の落差部に於いて、上流の普通
   Ｕ字構成水路Ａ−１．下流の普通Ｕ字構成水路Ａ−２．
   間に水路落差に応じた複数個の天端傾斜側壁を有する段
   状流速抑制魚道水路Ｂ．と深場エプロン構成魚床付き水
   路（静水池水路）Ｃ．との組合せで全体を構築してなる
   コンクリート３面張り水路魚道落差工。 【請求項２】側壁を１：０．３以上に傾斜させ、その表
   面を自然石、天然木又は擬石、擬木模様等に粗面加工し
   小動物昇降の環境製品とした 【請求項１】の水路魚道落差工。 【請求項３】通水断面に支障の無い箇所に水路と直角又
   は、平行に親水人道階段を設けてなる 【請求項１】の水路魚道落差工。 【請求項４】魚床（魚巣）部の構成を側壁土圧の軽減を
   考慮して組立て仮想背面突出ＢＯＸを構成してなる壁高
   のある深場エプロン構成魚床付き水路。