JP3475945B2 - 粗石魚道ブロックおよび粗石式魚道 - Google Patents

粗石魚道ブロックおよび粗石式魚道

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JP3475945B2 JP2001216156A JP2001216156A JP3475945B2 JP 3475945 B2 JP3475945 B2 JP 3475945B2 JP 2001216156 A JP2001216156 A JP 2001216156A JP 2001216156 A JP2001216156 A JP 2001216156A JP 3475945 B2 JP3475945 B2 JP 3475945B2
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    • Y02A40/60Ecological corridors or buffer zones

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川において魚類
などの水棲生物が移動する時の障害となる、堰や落差工
などに付設することにより、遡上や降下を可能とするこ
とができる魚道形成用ブロックおよびその魚道に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から河川勾配の急な個所においては
河床の安定化を計り、一定流速に押さえるため落差工や
頭首工を設けたり、貯水を兼ねた堰、ダム等が形成され
るが、上流側と下流側に分断されるため、魚介類の遡
上、降下を阻害することになり、それを防止するため従
来現場打コンクリートで、近年はプレキャストコンクリ
ートブロックを利用して、種々の魚道が設置あるいは提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の河川工事の傾向
としては、多自然型工法の採用によって、あるいは河川
法の改正により、自然に近くかつ周囲の景観に調和した
ものが要求されるようになってきている。これに最も適
した魚道としては、階段式や導流壁式魚道のような人工
的な構造物に対し、河床に石をランダムに配置して形成
される粗石付き斜曲面式魚道が挙げられる。しかし、こ
の魚道は、粗石の配列や斜面の形状等の設計および設計
に見合った石材の確保が困難であると共に、斜面にコン
クリートを打設して、粗石を1個ずつ固定していく作業
は非常に手間がかかり、かつコストも割高にならざるを
得ないものだった。
【0004】こういった粗石式魚道を安価に提供するた
め、ブロックに阻流体となる擬石を一体化して形成され
たプレキャスト製品も各種提案されているが、設置する
条件や対象魚種により種々の形状のものを使い分ける必
要があり、またプレキャスト製品の特徴として阻流体と
なる擬石は構造的に裾野が広がった山形状とならざるを
得なかった。
【0005】これに対し、自然に大小の石が転がりなが
ら積み重なって斜面状に形成されたものは、流れに対し
て石の背面の根元が窪んでよどみ部となって休息場とな
ると共に、石の上部の出っ張りがひさしとなって太陽光
を遮り、影になることで鳥類などの天敵から身を守って
くれる隠れ場にもなる。しかし、現場打で形成される斜
曲面式魚道は、石の高さの3分の2程度がコンクリート
中に埋没されるため、突出部分は半球状となる。一方プ
レキャストの場合は山形状としかならないので、前述の
ような石背面の休息場を得ることは難しい。また、遊泳
力の弱い魚種のために部分的な凹みを設けて休憩場所を
設けたとしても、背を空中にさらした状態となるので鳥
類などに狙われ易いなどの問題がある。
【0006】さらに、自然に形成されたものも石の配置
はランダムであり、また本石を埋設したものであって
も、擬石で形成されるプレキャスト製品であっても、斜
面部の流速を減少させるため石をランダム状に配置して
いる。このことが斜面部の水の流れ部に幅、深さ、流速
の多様な流れを形成することになり、魚のもつ遊泳力に
適した経路を選択しながら遡上していくことができる。
しかし、この流路は蛇行しているので、直線的に遡上す
ることに比べて遡上延長が長くなり、遊泳力の弱い魚種
にとっては遡上しにくい構造となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したよう
な課題を解消することについて創案されたものであり、
阻流体の根元の全周または部分的に窪みを設けて自然に
近い浮き石状としたり、ブロック内によどみ部となる凹
部を設けることで休息場を形成し、また自然に石がたま
って水生昆虫の棲み処となる。さらにこの阻流体を列状
に配置するとともに間隔を変化させることで直線状の最
短の遡上経路を形成し、さらにはブロック上面を斜面や
階段状として多様な幅や水深、流速を構成できるように
したもので、遊泳力や遡上方法の異なる多種の魚介類に
適合させることができると共に、阻流体とブロックとを
一体としてプレキャスト化することで、大量に安価に同
一のものが提供できる利点があり、別に成形した後で擬
石や本石を一体化する場合にあっても安価に多種多様の
ものが形成できるという利点があり、以下の如くであ
る。
【0008】(1) 河川の流れの横断方向に対してブ
ロック上面を片傾斜面、平行あるいは片傾斜させた階段
面、またはこれ等を中央部で組み合わせた緩いV字形、
皿型、あるいは山形状に形成し、前記ブロック上面に河
川の流れの方向に対して擬石や擬岩や擬木あるいは本石
や本木から成る大きさをほぼ一定形状にした阻流体を列
状に配置すると共に、この阻流体の一部または全部の上
端高さが、ほぼ水平面上に一定になるようにし、ブロッ
ク上面の阻流体の間に1つまたは複数の凹穴を形成する
かブロックを敷設連結した状態で凹入した貯水部を形成
できるような横断方向の切欠斜面部をブロック面に設け
たことを特徴とする粗石魚道ブロック。
【0009】(2) 一部あるいは全部の阻流体の根元
に、全周あるいは下流側に窪みを設けて浮き石状とした
ことを特徴とする前記(1)項に記載の粗石魚道ブロッ
ク。
【0010】(3) ブロック上面の阻流体の一部ある
いは全部に代えて固定部材を埋設したり嵌合凹部を配設
し、固定部材や接着剤に何れか一方または双方を併用し
た固着手段を用いて、擬石や擬岩や擬木あるいは本石や
本木等の阻流体を配置固定することを特徴とする前記
(1)〜(2)項の何れか1つに記載の粗石魚道ブロッ
ク。
【0011】(4) 阻流体の周辺のブロック上面に、
幾何学模様や擬玉・擬石模様などの小さな凹凸を形成し
たことを特徴とする前記(1)〜(3)項の何れか1つ
に記載の粗石魚道ブロック。
【0012】(5) ブロックの両端に阻流体より高い
側壁を設けて、水路状に形成したことを特徴とする前記
(1)〜(4)項の何れか1つに記載の粗石魚道ブロッ
ク。
【0013】(6)前記(1)〜(5)項に記載の粗石
魚道ブロックを、河川の外側、水際または中央部に敷設
して、ブロックの両側に壁部材や現場打コンクリート等
で側壁部を形成して水路式の部分的魚道とし、あるいは
河川全面に敷設して全面魚道としたことを特徴とする粗
石式魚道。
【0014】
【発明の実施の形態】上記の本発明による具体的な実施
態様を示した図面について説明する。図1で示されるも
のは、本発明である粗石魚道ブロックの基本形態となる
ものであり、図14に示す原型と同様、上面を片傾斜と
した粗石魚道ブロック1は、コンクリートブロック部材
6と、この部材上面18から突出した裾野の広がった山
形状の擬石7、根元の全周を窪ませて浮き石状とさせた
擬石8で形成されるが、これに更に部材中央にプールと
なる凹穴14の提案を加えた4つの部分から構成され
る。また、原型と同様、使用用途によっては阻流体の全
てを山形状の擬石7のみとしたり、後述の図5に示すよ
うな下流側のみ部分的に窪ませた擬石等も適宣に採用し
たり、図示はしないが擬木塊からも構成される。なお、
以後の説明において阻流体を概ね擬石として説明する
が、これを図1の擬岩や擬木、または本石や本木、ある
いはこれらを適宜組み合わせて使用できることは言うま
でもないことである。
【0015】上記したブロック部材6は、基本的に上方
から見て方形型である。その寸法は、幅、長さともに1
〜2.5mの範囲であり、使用場所によっては流水によ
ってブロックが流されないための重量が必要なので、ブ
ロック厚を20〜80cmの範囲で適宜選定し、重量を
調整する。また、各側面の中央部に台形状の連結用溝部
10を設け、その内部に本ブロック1を連結するための
図2のU字形の連結筋11が付設されている。さらに、
部材上面18に傾斜をもたせることで、浅い水深から深
い水深へ可変的に変化させることのできるものである。
【0016】また、阻流体となる擬石は、通常の山形状
の擬石7、および図4に示す根元の全周あるいは図5に
示す下流側に窪みを設けて浮き石状とされた擬石8との
組合せで構成される。阻流体の大きさとしては、径が小
さいもので10cmから、大きいもので50cm程のも
のを採用する。浮き石状の擬石8の成形方法の1例とし
ては、擬石7を形成する型枠に窪みに相当するアタッチ
部材を付設する等して、簡便に浮き石状の擬石8を製造
でき、さらにアタッチ部材の形状を変更することで根元
の窪みを背面を平らにした三角形状や背面を大きく窪ま
せる等自在に成形できる。現場で実施しようとした場合
でのコンクリート打設、粗石の選定、アンカー打設、接
着等の作業を不要とし、設置コストを低減できる。
【0017】別に、浮き石状の擬石8の根元をより鋭角
な狭い窪みとしたり、径が10〜50cm程度の擬石を
浮き石状とする方法としては、図15に示す如く原型ブ
ロックの1例の部材上面18の浮き石状の擬石8を配置
する部分に接合用凹部20およびアンカー筋埋設用縦穴
21を形成し、擬石塊あるいは本石9からアンカー筋を
突出させたものを前もって製造しておき、モルタルまた
は接着剤等の接着部材24を用いて、図6に示すように
コンクリートブロック部材6と後から一体化することが
できる。
【0018】または、部材上面からアンカー筋を突出さ
せて、阻流体となる擬石塊あるいは本石9にアンカー筋
埋設用縦穴を形成して一体化する方法や、部材上面にイ
ンサートを埋設しておき、貫通孔を形成した擬石塊ある
いは本石9を取付けボルト等で連結し、天端の穴をモル
タル等で充填して形成する方法等がある。
【0019】この場合、本石を用いることでより自然に
近付けることができるが、前述の通り石の入手は難しい
一面がある。このような鋭角状で奥行きのある隙間は水
流がより低減されるので、体長が小さく遊泳力の弱い稚
魚や底生魚もしくは甲殻類等に対して有効である。
【0020】この浮き石状の擬石8の設置個数は、使用
場所、用途によって擬石全数の10分の1程度から全数
まで変化させて対応させる。また、部材上面18には、
径が2〜8cm程度の小さな擬石による立体的な擬玉模
様17の凹凸が施されており、この表面の多数の凹凸が
魚道内の流速を抑えて自然の河床に近い構造となり、底
生魚のみならず節足動物等の底生生物の遡上や移動に適
した状態となるが、河川勾配が緩く流速があまり速くな
いような箇所においては設けないこともあるし、阻流体
の下流部に静水域が形成されるので、浮き石状としない
で全て擬石7のみとすることもある。
【0021】次に、阻流体の配置であるが、図1に示す
如くブロック部材上面18に形成されている擬石7およ
び8等を、流れ方向に対して列状に配置し、かつ各列毎
に阻流体の大きさをほぼ同一とすることで、列間を流れ
る水路の幅および深さが流れ方向で一様となる。これに
より、各列間では上流から下流にわたって流速が一定と
なるので、魚は途中で遡上不可能な流速に遭遇すること
はなくなる。さらには列間幅を種々に変えることで、各
列間の水流は列間幅および水深に応じた各々の流速とな
り、遡上魚は魚道入口で自己の遊泳力に適した流路を選
択して、一気に遡上できる。また、経路が直線状で魚類
の視界を遮ることがなく偏流も生じないため、魚類は安
全にかつ速やかに降下することもできる。
【0022】また、部材上面18の中央部に、プール部
となる凹穴14を設けることで、この凹穴14に水が滞
留することによって魚道内の流速を低減するとともに、
遡上魚の休息場が形成される。なお、この凹穴14に直
径が5〜20cm程度の転石が自然にまたは人為的に充
填することで、底生魚や遊泳力の弱い稚魚等の遡上経路
や休息場となったり、甲殻類等の水棲生物の棲み処とも
なるし、自然石の表面に苔等が付着することで、遡上魚
の餌場ともなる。
【0023】逆に、直径が20〜50cm程度の大きな
自然石を前記凹穴にセットすることにより、表面に苔等
が繁茂したり、自然石間に多様な空間が創出されること
で、魚類や各種水生生物にとっての餌場や住処、休憩場
等を兼ね備えた粗石魚道として形成することができる。
また図7は、ブロック上面18を階段状の片傾斜とする
とともに、2個の凹穴14を設けた粗石魚道ブロック2
の例を示したものである。上記した本発明においては、
上面を傾斜させたもの、階段状としたものの他にそれを
中央部で組合わせたV字形、皿型、山形としても同様の
効果を得ることができることは云うまでもないことであ
る。
【0024】図8は、列設したときによどみ部となる凹
部を形成できるように、ブロック部材上面18の上下流
の端部に、切欠状の傾斜面15を設けて片傾斜とした粗
石魚道ブロック3の例であり、さらに図9は、階段状の
ブロックに図8と同様の傾斜面15を設けて、階段状の
片傾斜とした粗石魚道ブロック4の例を示しており、河
道の幅、流量、勾配、対象魚種、水棲生物に合わせて、
各種の粗石魚道ブロックを使用して、河川の外側または
河道内に、部分的あるいは全断面の魚道を形成すること
ができることは前述の通りである。部材の厚い側の側面
に環状溝16を設けて、図10に示すように河川横断部
の幅方向に敷並べて布設すると、円筒状の空洞部23が
形成され、影になる大きな休息場を部分的に形成するこ
とができる。なお、空洞部の形状は、方形状や台形状と
いった他の形状にも変更できる。
【0025】更に図10とは別に河川の外側、水際また
は中央部に敷設して部分的な水路形式として使用するに
は、本発明の図7ブロックにコンクリート部材で壁部材
12を図11の断面図に示す如く一体的に付設して構成
された粗石水路式魚道がある。ブロック上面を斜面とし
ているので、水深の深い左側の水路部分は流速も速く大
型や遊泳力の強いサケやアユ等の魚の遡上路や、魚道入
り口から下流までの突出流となり、魚類を魚道に導くた
めの呼び水水路ともなる。逆に水深の浅い右側の水路部
分は流速が遅くなるので、ヨシノボリ等の底生魚や遊泳
力の弱い稚魚等、あるいはモズクガニ等の甲殻類の遡
上、降下路となる。この魚道は、施工の簡便化を計るた
め壁部材を一体として形成したU形形状としても良いこ
とは言うまでもないことである。こうすることで、壁部
材が不要となり、ブロックを列設するだけで粗石水路式
魚道が形成できる。
【0026】本発明のブロックの連結方法としては、図
1に示すように所定の位置に連結用溝部10と連結筋1
1を設けるとともに、壁部材12にも同様に付設するこ
とにより、図2の平面図に示される如く粗石魚道ブロッ
ク1同士、ブロック1と壁部材12、および壁部材12
同士が連結されて図10および図11に示される粗石水
路式魚道が形成される。その連結方法は、図2、図3に
示すように連結筋11がシャックル13などの連結金具
で固定される。また、図示していないが、ブロックと壁
部材の連結は、ブロックの壁部材側にインサートを埋設
し、壁部材に形成した貫通孔を介してボルト等で締め付
けて一体化する方法等もある。
【0027】なお、施工条件やブロックの形状により、
図7に示すようにコンクリートブロック部材の四隅に、
角取り面19を設けて、この部分に連結筋11を付設す
る場合もある。
【0028】このブロックの連結は、別にブロックの上
下方向に相欠きを設けて重ね合わせたり、平面状での嵌
合せ構造とすることもでき、どの方法を採用するかは現
場条件、ブロックの大きさによって決めることができ
る。
【0029】図12は、図1で示したブロック1や、図
7で示したブロック2といった凹穴14を設けたものを
河川の流れ方向に敷設した例を示しており、遡上途中の
魚は、ブロック上面に形成した凹穴14で休息がとれ
る。また、落差が大きかったり急勾配となる河床におい
ては、図13に示すように、流れの縦断方向に対して階
段状に段設することで、1種のプール式の階段式魚道と
して使用でき、魚道延長を短くすることができる。
【0030】本発明によるものは、図11の河川の外側
や水際あるいは中央部での水路式の部分的魚道とは別
に、図10に示すように河川横断面の全幅方向に敷き並
べて設置して、全面魚道として形成することもできる。
この際、ブロック4は、ブロックの厚みの小さい部分を
突き合わせて、緩い階段状のV字形を形成していくこと
により、幅、深さ、流速の異なる多種多様な水路部が形
成されることは前述した通りであり、またV字形の最も
深い部分は流速が速く、魚道入口で突出して、下流まで
流れの速い箇所となるので、魚類を魚道入口に誘導する
呼び水としての効果が期待できる。
【0031】何れの場合も設置場所や流量等の条件に応
じて、段差や階段数および横断方向の勾配を変更でき、
前述した通り水路内の水深が変化することにより多様な
流れが形成され、流量変化に対応できる形状となってい
る。
【0032】このようにブロック上面に1個または数個
のプール部となる凹穴を形成し、または大きな窪みを形
成できるよう片傾斜したブロック上面の上下流両端部
に、傾斜面を設けて敷設することにより、魚道内に流れ
の緩やかなよどみ部分を生じさせることができ、また、
この凹部に天然石を充填したり、自然に留まらせること
で表面に苔等が繁茂したり自然石間に適度な隙間がで
き、水棲昆虫の棲み場、あるいは稚魚や底生魚の休息場
や餌場、およびカニ等の甲殻類に遡上経路を提供でき
る。
【0033】このような粗石魚道ブロックは、河川の大
小や勾配、流量の違いにより河床全面に敷き並べて全面
魚道としたり、ブロック両端に阻流体よりも高い壁部材
をプレキャストや現場打コンクリートで付設、もしくは
一体成形して、河床の中央あるいは水際に敷設して部分
的魚道としたり、河川に外付けしてバイパス魚道とした
りと幅広い応用が可能である。当然のことながら、プー
ルを形成していない原型の各種の魚道ブロックと組合わ
せて使用することで急勾配から緩勾配の更に広い用途の
魚道として使用できることは云うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるなら
ば、粗石魚道ブロックを敷設することにより自然環境に
調和し、かつ種々の魚類に適合した魚道設備を従来より
も安価に提供することができ、棲息する魚類、その他の
水中生物に対し好ましい生活環境を提供し得るなどの効
果を有しており、工業的にも効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粗石魚道ブロックの基本的形態を
示した斜面図である。
【図2】ブロックや壁部材の連結部分を示した平面図で
ある。
【図3】図2で示したものの側面図である。
【図4】本発明において採用する浮き石状の擬石の根元
形状の1例を鉛直上方から示した断面図である。
【図5】図4とは別の例を示した断面図である。
【図6】阻流体となる擬石や玉石等の取り付け状態を示
した断面図である。
【図7】本発明による粗石魚道ブロックの別の形態を示
した斜面図である。
【図8】本発明による粗石魚道ブロックのさらに別の形
態を示した斜面図である。
【図9】本発明による粗石魚道ブロックのさらに別の形
態を示した斜面図である。
【図10】図9で示した魚道ブロックを河川の横断方向
に多列にわたり敷設して形成した粗石魚道の1例であ
る。
【図11】本発明による粗石魚道ブロックの両端に側壁
を設けて水路状に形成したものの断面図である。
【図12】図1または図7に示したブロックを列設して
形成した粗石魚道の1例を示した断面図である。
【図13】図12で示したものとは別に階段状に段設し
て形成した粗石魚道の1例を示した断面図である。
【図14】本発明の原型となる粗石魚道ブロックを示し
た斜面図である。
【図15】本発明のブロックの上面に凹部を設けて擬石
や玉石等を取り付けるようにした原型の粗石魚道ブロッ
クの1例を示した斜面図である。
【符号の説明】
1 プール部を設け片傾斜とした粗石魚道ブロック 2 プール部を設け階段状の片傾斜とした粗石魚道ブ
ロック 3 切欠状の傾斜面を設け片傾斜とした粗石魚道ブロ
ック 4 切欠状の傾斜面を設け階段状の片傾斜とした粗石
魚道ブロック 5 片傾斜とした粗石魚道ブロック 6 コンクリートブロック部材 7 山形状の擬石 8 浮き石状の擬石 9 擬石塊あるいは本石 10 連結用溝部 11 連結筋 12 壁部材 13 シャックル 14 凹穴 15 切欠状傾斜面 16 環状溝 17 擬玉模様 18 コンクリートブロック部材上面 19 角取り面 20 接合用凹部 21 アンカー筋埋設用縦穴 22 アンカー筋 23 空洞部 24 接着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 8/08 E02B 3/14 301

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川の流れの横断方向に対してブロック上
    面を片傾斜面、平行あるいは片傾斜させた階段面、また
    はこれ等を中央部で組み合わせた緩いV字形、皿型、あ
    るいは山形状に形成し、前記ブロック上面に河川の流れ
    の方向に対して擬石や擬岩や擬木あるいは本石や本木か
    ら成る大きさをほぼ一定形状にした阻流体を列状に配置
    すると共に、この阻流体の一部または全部の上端高さ
    が、ほぼ水平面上に一定になるようにし、ブロック上面
    の阻流体の間に1つまたは複数の凹穴を形成するかブロ
    ックを敷設連結した状態で凹入した貯水部を形成できる
    ような横断方向の切欠斜面部をブロック面に設けたこと
    を特徴とする粗石魚道ブロック。
  2. 【請求項2】 一部あるいは全部の阻流体の根元に、全
    周あるいは下流側に窪みを設けて浮き石状としたことを
    特徴とする請求項1に記載の粗石魚道ブロック。
  3. 【請求項3】 ブロック上面の阻流体の一部あるいは全
    部に代えて固定部材を埋設したり嵌合凹部を配設し、固
    定部材や接着剤に何れか一方または双方を併用した固着
    手段を用いて、擬石や擬岩や擬木あるいは本石や本木等
    の阻流体を配置固定することを特徴とする請求項1〜2
    の何れか1つに記載の粗石魚道ブロック。
  4. 【請求項4】 阻流体の周辺のブロック上面に、幾何学
    模様や擬玉・擬石模様などの小さな凹凸を形成したこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の粗石魚
    道ブロック。
  5. 【請求項5】 ブロックの両端に阻流体より高い側壁を
    設けて、水路状に形成したことを特徴とする請求項1〜
    4の何れか1つに記載の粗石魚道ブロック。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の粗石魚道ブロック
    を、河川の外側、水際または中央部に敷設して、ブロッ
    クの両側に壁部材や現場打コンクリート等で側壁部を形
    成して水路式の部分的魚道とし、あるいは河川全面に敷
    設して全面魚道としたことを特徴とする粗石式魚道。
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