JP3019913U - 生態系保護用自然石マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然の景観を損なうことなく、併せて表面が
緑化でき、水中部分が魚類の棲息に適し、法面を確実に
保護できる生態系保護用自然石マットを提供する。 【構成】 腐蝕しにくい金網３またはプラスチックロー
プ類のメッシュによって加工され、扁平な篭状体または
筒状体に成型されたマット単体１の内部に、現地の砂礫
土７やコンクリートガラよりなる中詰材を充填し、表面
の金網またはメッシュの上に自然石５を並列するととと
もに、同各自然石の下部に層着された接着剤４を介して
自然石とマットを一体成型した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は河川、海岸に臨む法面等に被覆される生態系保護用自然石マットに係 るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、河川、海岸に臨む法面被覆ブロックは、コンクリートブロックから構成 されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記コンクリートブロックは周辺環境との間に違和感を与え、著しく自然の景 観を損なうという問題があった。 本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的と するところは自然の景観を損なうことなく、併せて表面が緑化でき、水中部分は 魚類の棲息に適し、法面を確実に保護することができる生態系保護用自然石マッ トを提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る生態系保護用自然石マットは、腐蝕 しにくい金網またはプラスチックやロープ等のメッシュによって加工され、扁平 な篭状体または筒状体に成型されたマットの内部に、中詰石、現地の砂礫やコン クリートガラよりなる中詰材を充填し、表面の金網またはメッシュの上に複数の 自然石を並列するとともに、同各自然石の下部に層着された接着剤を介して同各 自然石とマットを一体成型して構成されている。

【０００５】

【作用】

本考案によれば腐蝕しにくい金網またはプラスチックやロープ等のメッシュに よって加工され、且つ中詰材が填装された扁平な篭状体または筒状体に成型され たマット篭における表面の金網またはメッシュの上に、複数の自然石を並列し、 各自然石の下部に層着された接着剤を介して前記自然石とマットとが一体成型さ れているので、本考案のマットを法面に被覆することによって法面が自然石に覆 われ、自然の景観を損なうことがなく、前記マットの表面が自然石で被覆されて いるので、同自然石によって金網やメッシュが転石等から保護される。

【０００６】 また前記自然石の空隙は水中では、魚の棲息の場となり、水上部では自然石間 の空隙に覆土することによって緑化を図ることができる。 更に本考案のマットは多自然型の根固工として利用され、自然石に苔等が生え やすく、魚類の餌が豊富になる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案を図示の実施例について説明する。 図１は本考案に係る生態系保護用自然石マットの単体を示し、１は腐蝕し難い 金網、またはプラスチックやロープ等のメッシュによって篭状体または筒状体に 成型されたマット単体で、自然の詰石、現地の砂礫やコンクリートガラ等が中詰 材２として充填され、前記マット単体１の表面の金網３、またはメッシュの上に 、下部に接着剤４が層着された複数の自然石５を並べ、同接着剤４を介して前記 自然石５とマット単体１とが一体に成型される。なお工場等において表面の金網 片に予め自然石５を接着剤４を介して接着しておき、かくして製作された自然石 付きの金網片をマット単体１の表面に取り付けるようにしてもよい。

【０００８】 前記したように製作されたマット単体１が連綴され、生態系保護用自然石マッ トＡが構成されている。 図３は本考案に係る生態系保護用自然石マットＡによる法面Ｂの被覆施工工程 を示し、同法面Ｂに沿って、吸出し防止材Ｃを敷設し、同吸出し防止材Ｃ上に篭 状に成型されたマット単体１を配列する。（図３の右側部分参照）図中１ａ，１ ｂは夫々側網及び底網で、同側網１ａ及び底網１ｂは相隣る周枠間に螺旋条片を 捲装することによって組立てられ、また相隣るマット単体１は側網を形成する周 枠間に螺旋条片６を捲装することによって連綴される。

【０００９】 次いで前記各マットＡにおけるマット単体１内に現地砂礫土７、詰石８その他 コンクリートガラ等の中詰材を充填し、（図３の中央部分参照）次いで前記マッ ト単体１の表面を金網３で閉塞し、同金網３に複数の自然石５を並列するととも に、同各自然石８をその下部に層着された接着剤４を介して前記各自然石５とマ ット篭を一体化するものである。（図３の左端部参照）図４は前記生態系保護用 自然マットによる法面構築状態を示す縦断面図で、図中前記実施例と均等部分に は同一符号が付されている。

【００１０】 図示の実施例は前記したように構成されているので、法面に敷設された生態系 保護用自然石マットＡ上部を被覆する自然石５によって転石等による金網の破損 が防止される。また自然石５の間隙に覆土して法面の緑化を図ることができ、同 自然石５間の空隙はまた水中にあっては魚類の棲息の場となり、自然石５には苔 がつき易く、魚の餌が豊富になる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係る生態系保護用自然石マット本体は腐蝕しにくい金網またはプラス チックやロープ類のメッシュによって扁平な篭状体または筒状体に成型され、マ ット本体の中詰材として現地の砂礫やコンクリートガラ等を充填されたことによ って、自然の材料や廃材の有効利用が図られるものである。

【００１２】 更にマット本体の表面の金網またはメッシュの上に複数の自然石が並列され、 且つ同自然石の下部に層着された接着剤を介して各自然石とマットとが一体化さ れ、同マットの表面が自然石で被覆されていることによって、自然の景観を損な うことがなく、自然石によって転石等による金網やメッシュの破損が保護され、 耐久性が向上されるものである。

【００１３】 また前記マットの厚さを流速に応じて自由に厚くすることができるので、河川 水等の流速が早い場所でも使用することができる。 更に前記マット上に並列設置された自然石間に形成された空隙によって、水中 では魚類の棲息の場が提供され、また水上部にあっては前記自然石の空隙部に覆 土して植生し、法面の緑化を図ることができる。

【００１４】 また本考案のマットは多自然型の根固工として使用でき、自然石が使用されて いるので苔等が生えやすく、魚の餌が豊富となる。 更にまた前記マット本体の中詰材として礫等の接触材を使用することによって 、河川の水質浄化材として使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る生態系保護用自然石マットの単体
を示す斜視図である。

【図２】本考案に係る生態系保護用自然石マットの縦断
面図である。

【図３】本考案に係る生態系保護用自然石マットによる
法面施工状況を示す斜視図である。

【図４】図３の横断側面図である。

【符号の説明】

Ａ 生態系保護用自然石マット Ｂ 法面 Ｃ 吸出し防止材 １ マット単体 １ａ 側網 １ｂ 底網 ２ 中詰材 ３ 金網 ４ 接着剤 ５ 自然石 ６ 螺旋条片 ７ 現地砂礫土 ８ 詰石

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腐蝕しにくい金網またはプラスチックや
   ロープ等のメッシュによって加工され、扁平な篭状体ま
   たは筒状体に成型されたマットの内部に、中詰石、現地
   の砂礫やコンクリートガラよりなる中詰材を充填し、表
   面の金網またはメッシュの上に複数の自然石を並列する
   とともに、同各自然石の下部に層着された接着剤を介し
   て同各自然石とマットを一体成型してなることを特徴と
   する生態系保護用自然石マット。