JP3020463U - 生態系保護用自然石マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然の景観を損うことなく、併せて表面に水
中植物が成育し、水中部分は魚類，昆虫の棲息に適し、
河川護岸を保護することができる生態系保護用自然石マ
ットを提供する。 【解決手段】 腐蝕しにくい金網１またはプラスチック
やロープ等のメッシュによって加工された扁平な篭状体
または筒状体に成型されたマットの外周縁に沿って丸太
３を井桁状に配設固定し、前記篭状体または筒状体の内
部に、中詰石，自然石，現地の砂礫土やコンクリートガ
ラよりなる中詰材２を充填し、前記井桁状の丸太３内に
複数の自然石４を配列した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は河川，池に臨む法面の被覆工、根固工等に使用される生態系保護用自 然石マットに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、河川，池に臨む法面被覆ブロックや根固工はコンクリートブロックから 構成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のこの種のブロックはコンクリート製であるため周辺環境との間に違 和感を与え、著しく自然の景観を損なうという問題があった。 本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的と するところは自然の景観を損なうことなく、併せて表面に水中植物が成育し、水 中部分は魚類、昆虫の棲息することができ、法面を確実に保護し、河川の洗掘を 防止しうる生態系保護用自然石マットを提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る生態系保護用自然石マットは、腐蝕 しにくい金網またはプラスチックやロープ等のメッシュによって加工され、扁平 な篭状体または筒状体に成型してなるマット篭の内部に中詰石、自然石や現地の 砂礫土やコンクリートガラよりなる中詰材を充填するとともに、前記マット篭の 上面外周縁に沿って丸太を井桁状に配設固定し、前記マット篭上面における前記 井桁状丸太内に複数の自然石を配設して構成されている。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図示の例について説明する。 図１及び図２は本考案に係る生態系保護用自然石マットの単体を示し、Ａは腐 蝕しにくい金網１またはプラスチックやロープ等のメッシュによって、扁平な篭 状体または筒状体に成型されたマット単体で、前記マット単体Ａ内に中詰石、自 然石や現地の砂礫土やコンクリートガラよりなる中詰材２を充填し、前記マット 単体Ａの上面外周縁に沿って丸太３を井桁状に組立て、同井桁状丸太３内に丸太 の高さまで大型の自然石４を配設して構成されている。

【０００６】 なお前記井桁状丸太３は上下の丸太に亘って連結ボルト５を貫通し、同ボルト ５の下端部の頭部５ａをマット単体Ａの上蓋下面に接着剤を介して接着し、上下 丸太３を貫通するボルト先端ねじ部にナットを螺着緊締して組立てられている。 図中６はマット単体の枠線に捲装された連結用コイル、７は上部の丸太３の頂 面に穿設された凹部で、同凹部７内において前記連結ボルト５の先端ねじ部にナ ットが螺着、緊締されるものである。

【０００７】 図３は本考案に係る生態系保護用自然石マットを根固工に使用した場合を示し 、自然石４はコンクリートと相違して周囲の環境との間に違和感を与えることが なく、水中にあっては苔等が生育し易く魚の餌が豊富になり、更に多孔質で魚や 昆虫の棲息の場となる。 また本考案に係る生態系保護用自然石マットは護岸工にも適用され、この場合 、マット単体Ａを連結用コイル６を介して連結し、法面に敷設された吸出し防止 材上に配置する。

【０００８】 この際、前記マットはフレキシブルな構造のため不等沈下や洗掘に即応して変 形し、法面を確実に被覆する強固な護岸工を構築する。 また陸上部では前記自然石４に覆土して法面の緑化を図ることができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案に係る生態系保護用自然石マットによれば前記したように、腐蝕しにく い金網またはプラスチックやロープ等のメッシュによって加工され、扁平な篭状 体または筒状体に成型され、外周縁の金網またはメッシュを前記篭状体または筒 状体の上面に突出させてマット篭を組立て、同マット篭の篭状体または筒状体の 内部に中詰材を充填し、前記マット篭の外周縁に沿って丸太が井桁状に配設され 、同井桁状丸太の内部に複数の自然石が配設されているので、現地の自然石を利 用することができ、また前記自然石の外周には井桁状の丸太が配設されているの で、表面に配列された前記自然石が流失しにくく、中詰材が填装された篭状マッ トの重量と相俟って護岸工、根固工としての機能を発揮する。更に萬一、表面の 自然石が流失しても、中詰石が填装された篭状のマットがその機能を保持する。

【００１０】 また本考案に係るマットの表面には自然石及び丸太が配列されているので、周 囲の環境を損なうことがなく、美しい景観を呈し、金網やメッシュを保護し、耐 久性が増大する。 また自然石はコンクリートとは相違して苔がつきやすく、魚の餌が豊富になる 。更に多孔質な構造となるので、魚や昆虫類の棲息の場となる。更にまた陸上部 においては覆土して緑化を図ることができる。

【００１１】 また本考案のマットにおいては、表面に配列された自然石がマット篭に接着剤 を介して接着されていないので、石の裏面に棲息する生物の棲息も可能となる。 更に前記マット篭は金網またはメッシュ製の篭状体または筒状体に中詰材を充 填して構成されているので、フレキシブルな構造となり、不等沈下や洗掘に対し て、強固な根固工や護岸工を構築することができる。

【００１２】 更にまた本考案によれば、前記中詰材として自然石の他に、現地の砂礫やコン クリートガラを使用することができ、このように現場での発生材を有効に利用す ることができることによって経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る生態系保護用自然石マットの一実
施例における単体を示す斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】本考案のマットを根固工に使用した実施例を示
す縦断面図である。

【符号の説明】

Ａ マット単体 １ 金網 ２ 中詰材 ３ 丸太 ４ 自然石 ５ 連結ボルト ６ 連結用コイル ７ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腐蝕しにくい金網またはプラスチックや
   ロープ等のメッシュによって加工され、扁平な篭状体ま
   たは筒状体に成型してなるマット篭の内部に中詰石、自
   然石や現地の砂礫土やコンクリートガラよりなる中詰材
   を充填するとともに、前記マット篭の上面外周縁に沿っ
   て丸太を井桁状に配設固定し、前記マット篭上面におけ
   る前記井桁状丸太内に複数の自然石を配設してなること
   を特徴とする生態系保護用自然石マット。