JP3703194B2 - 水際植生用護岸構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川等の水際に構築される水際植生用護岸構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然環境の保全、都市の緑化、緑の復元再生を望む声が強くなっており、様々な建築構造物において、その周囲に木々を植えたり、周囲の自然環境に馴染みやすい外観を備えるものが多くみられるようになっている。そうした流れのひとつとして、例えば河川の改修工事等においては、単なる護岸壁を設けるだけではなく、この護岸壁に近接して水生植物を植栽する区画を設けることによって水際の緑化を図り、川岸に自然な環境を再現することが試みられている。
【0003】
水際の緑化技術の一例としては、水際に沿って護岸壁を設けるとともに、この護岸壁よりも陸地側に石積壁を設け、この護岸壁と石積壁との間に形成される凹所に土壌を満たし、この土壌の上にヤシ繊維マットを敷き詰め、このヤシ繊維マットに水生植物を活着させることによって、河川の水際の緑化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような水際の緑化技術によると、植栽された水生植物、ヤシ繊維マット、土壌が、時間が経過するにつれて波に浸食され、水生植物が生育しにくかった。特に、打ち寄せた波がぶつかる石積に近接した部分や、返す波に激しく洗われる護岸壁のすぐ後の部分では、水生植物、ヤシ繊維マット、土壌が洗い流されてしまい、水際の緑化が実現できない場合があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、波による浸食を防ぎ、水生植物の生息に適した環境を造ることによって緑化を図り、これによって水辺に自然な環境を再現することができる水際植生用護岸構造物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された水際植生用護岸構造物は、水際に沿って護岸壁が設けられ、該護岸壁と陸地との間に形成された凹所に、植物が根をはる土壌が満たされ、該土壌の上に、植物が活着されるマットが敷設され、該マットの上に、マットを押さえる複数のブロックが敷設され、前記ブロックは板状であり、さらに該ブロックには、前記マットを露出させて植物が植栽される開口部が、ブロックの上下面にわたって貫通状態に形成されている水際植生用護岸構造物において、護岸壁側と陸地側とに配置されたブロックの開口部の面積が、これら両側のブロックの間に配置されたブロックの開口部の面積よりも小とされていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された水際植生用護岸構造物は、請求項1に記載された水際植生用護岸構造物におけるブロックが平面視略矩形であり、ブロックは平面視略矩形であり、しかも四隅が除去された形状とされ、マット上に配置されたときに隣り合うブロックとの突き合わせ部とされていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水際植生用護岸構造物の実施の形態を図1ないし図5に示して説明する。
図1に示す水際植生用護岸構造物10は、水際に沿って設けられた護岸壁20と、護岸壁20よりも陸地側に設けられた石積壁30と、護岸壁20と石積壁30との間の凹所40に満たされた土壌50と、土壌50の上に敷き詰められたヤシ繊維マット(マット)60と、ヤシ繊維マット60の上に配置されたコンクリートブロック70とを備えている。
【0011】
護岸壁20は、河川の底に設けられた基礎コンクリートBに一体的に立設配置されており、護岸壁20の高さは水かさが増したときの水位よりもやや低く設定されている。また、護岸壁20には凹所40と河川との間に水抜き孔21が貫通状態に形成されており、この水抜き孔21を通じて凹所40に溜まった水が河川側に流出し、土壌50の排水が行なわれるようになっている。
【0012】
石積壁30は、護岸壁20よりも高く設定され、水位が増しても影響を受けない十分な強さと高さとを備えている。なお、石積壁30には、既存の護岸壁を利用する場合や、石積壁30そのものを設けず、自然の陸地の隆起した斜面を利用する場合もある。
【0013】
護岸壁20と石積壁30との間の凹所40には必要に応じてコンクリート51が打設される等して地業が施されて捨石52が配され、その上に土壌50となる土砂が入れられている。
【0014】
土壌50は、後述する水生植物Pの植生基盤となるもので、護岸壁20の上部よりもやや低い位置まで満たされている。ヤシ繊維マット60は、この土壌50の上に隙間なく敷き詰められており、目が粗く水はけの良いものが採用されている。
【0015】
コンクリートブロック70は、ヤシ繊維マット60の上に隣接配置されてヤシ繊維マット60を押さえている。これらコンクリートブロック70は略矩形の形状とされてその材質には透水性を有するものが採用されており、しかも図2に示すように開口部の形状が異なる2種類がある。
【0016】
2種類のコンクリートブロック70のうち、護岸壁20および石積壁30に沿って敷設されたコンクリートブロック71の開口部71aは、複数の円形の孔が上下面にかけて貫通状態に形成されたもので、詳しくは円形の孔が縦横に3列ずつ、計9個設けられている。
【0017】
また、両側のコンクリートブロック71の間に敷設されたコンクリートブロック72の開口部72aは、大きな矩形の孔が上下面にかけて貫通状態に形成されたもので、矩形の孔の周囲には等しい幅の枠部分72bが残されている。また、コンクリートブロック71、72の四隅は、それぞれ1/4の円弧状に除去された状態に形成されて凹部(突き合わせ部)71c、72cとされている。
ここで、コンクリートブロック71の開口部71aの総面積は、コンクリートブロック72の開口部72aの面積よりも小さく設定されている。
【0018】
これらのコンクリートブロック71、72は、図3および図4に示すようにヤシ繊維マット上に規則正しく隣接配置されている。特にコンクリートブロック72は、四隅の凹部72cを周囲のコンクリートブロック71、72にそれぞれ突き合わせて千鳥模様に配置されている。また、コンクリートブロック71、72のが向き合う部分に空間73が形成されている。
【0019】
この空間73には、円筒形の小コンクリートブロック74が挿入配置されて空間73が閉じられた状態とされているが、適当に離間した所々の空間73には、高さがまちまちに丸太杭80が打ち込まれている。
【0020】
コンクリートブロック71、72の開口部71a、72aから露出した部分には、葦等の水生植物Pが植栽されている。これら水生植物Pはヤシ繊維マット60に活着し、土壌50に根を伸して生育している。
【0021】
上記のように構成された水際植生用護岸構造物10において、河川の水位が上昇し、護岸壁20を越えると、川面に起こる波が直接、水生植物Pに当るようになる。このとき、護岸壁20沿いおよび石積壁30沿いにおいては、コンクリートブロック71が敷設されており、開口部71aから伸びた水生植物Pが小さな集りを形成した状態となって疎に生育している。その他の部分はコンクリートブロック71に覆われて押さえられており、波による浸食が特に激しいこれらの部分においても、水生植物Pやヤシ繊維マット60、土壌50が波に洗い流されにくくなっている。
【0022】
半面、波による浸食がさほど激しくない護岸壁20と石積壁30との中間付近においては、コンクリートブロック72が敷設されて水生植物Pが一面に広がって密に生育しながらも、コンクリートブロック72の枠部分72bでヤシ繊維マット60が押さえられているため、少なからず波の浸食を受けるこの部分においても、ヤシ繊維マット60や土壌50が波に洗い流されにくくなっている。
【0023】
また、コンクリートブロック70の材質そのものに透水性があり、コンクリートブロック70上とヤシ繊維マット60との間で水の移動が容易に行われるため、水生植物Pを含めて生物が生息し易くなっている。
【0024】
生育した水生植物Pの間に打ち込まれた丸太杭80は鳥や昆虫の休息場所となり、水辺に多くの生物が集ってくるようになる。
【0025】
また、コンクリートブロック70の隅が除去された形状となっているので、コンクリートブロックどうしの収まりが良く配置における連続性が保たれる。
【0026】
以上のように、水際植生用護岸構造物10によれば、波によって引き起こされる水生植物Pやヤシ繊維マット60、土壌50の流出を防ぎつつ、水生植物Pの生息に適した環境を造ることによって水際の緑化を図り、これによって水辺に自然な環境を再現することができる。
【0027】
なお、本実施の形態においては開口部の面積が小さいコンクリートブロック71を護岸壁20側と石積壁30側とに1列ずつ配したが、波の強さは場所により様々なので、状況に応じてコンクリートブロックの配列を自由に決定して構わない。例えば、波の非常に強い場所にはコンクリートブロック71を2列ずつ配してもよい。
【0028】
コンクリートブロック71、72の開口部の形状をそれぞれ円形と矩形としたが、例えば三角形やその他の多角形、直線や曲線により形成された異形の形状等を採用しても構わない。
【0029】
また、コンクリートブロック71、72の大きさ、重量は、施工時の作業性を考慮して決定されるものとする。例えば、縦横サイズをそれぞれ600mm、重量を30kgから50kg程度とされると、作業者が人力のみで移動、設置可能である。
【0030】
ここで、コンクリートブロックの他の実施の形態について説明する。
図5に示すコンクリートブロック172は、先に説明したコンクリートブロック72と異なり、四隅の形状が、隣り合う二側面172x、172yに対して等しい角度をなして切除された状態に形成され、平面部(突き合わせ部)172cとされている。
【0031】
このコンクリートブロック172を互い違いに配置したとき、この四隅の平面部172cどうしが突き合わされるので、コンクリートブロック172どうしの収まりが良く配置における連続性が保たれる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水際植生用護岸構造物によれば、波による浸食を防ぎ、植物の生息に適した環境を造ることによって緑化を図り、これによって水辺に自然な環境を再現することができる。
特に、請求項1に記載された水際植生用護岸構造物によれば、植物が活着されるマットの上に複数のブロックが敷設されており、このブロックがマットを押さえているので、マットやその下の土壌が波に洗い流されにくくなり、これによって植物をしっかりと根付かせておくことができる。
【0033】
また、マットの上に敷設される板状のブロックには、その上下面にわたって貫通状態に開口部が形成されており、ブロックの周囲の枠部分によってマットを押さえ、開口部に植物が植栽されるので、例えばブロックを隣接させて敷設すると、マットを押さえつつも植物が生育する場所を確保することができる。
【0034】
さらに、護岸壁側と陸地側とに配置されたブロックの開口部の面積が、これら両側のブロックの間に配置されたブロックの開口部の面積よりも小とされており、護岸壁側と陸地側のマットが開口部の面積の小さいブロックで広く押さえられているので、波の力が強く作用する護岸壁側と陸地側とにおいても波の浸食を受けにくくすることができる。
【0035】
請求項2に記載された水際植生用護岸構造物によれば、ブロックが平面視略矩形であり、マット上に配置されたときに、隣り合うブロックに突き合わせて配置される四隅が除去された形状とされているので、ブロックどうしの収まりが良くなり、配置されるブロックの連続性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水際植生用護岸構造物の実施の形態を示す側方断面図である。
【図2】前記水際植生用護岸構造物におけるコンクリートブロックの形状を示す斜視図である。
【図3】前記コンクリートブロックの配置を示す平面図である。
【図4】同じく、前記コンクリートブロックの配置を示す斜視図である。
【図5】前記水際植生用護岸構造物におけるコンクリートブロックの他の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 水際植生用護岸構造物
20 護岸壁
40 凹所
50 土壌
60 ヤシ繊維マット
71、72 コンクリートブロック
71a、72a 開口部
72b 枠部分
71c、72c 凹部(突き合わせ部)
172 コンクリートブロック
172c 平面部(突き合わせ部)
Claims (2)
- 水際に沿って護岸壁が設けられ、該護岸壁と陸地との間に形成された凹所に、植物が根をはる土壌が満たされ、該土壌の上に、植物が活着されるマットが敷設され、該マットの上に、マットを押さえる複数のブロックが敷設され、
前記ブロックは板状であり、さらに該ブロックには、前記マットを露出させて植物が植栽される開口部が、ブロックの上下面にわたって貫通状態に形成されている水際植生用護岸構造物において、
護岸壁側と陸地側とに配置されたブロックの開口部の面積が、これら両側のブロックの間に配置されたブロックの開口部の面積よりも小とされていることを特徴とする水際植生用護岸構造物。 - 請求項1に記載された水際植生用護岸構造物において、
前記ブロックは平面視略矩形であり、しかも四隅が除去された形状とされ、前記マット上に配置されたときに隣り合うブロックとの突き合わせ部とされていることを特徴とする水際植生用護岸構造物。
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