JP2942251B1 - 護岸構築用部材 - Google Patents

護岸構築用部材

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JP2942251B1 JP22053198A JP22053198A JP2942251B1 JP 2942251 B1 JP2942251 B1 JP 2942251B1 JP 22053198 A JP22053198 A JP 22053198A JP 22053198 A JP22053198 A JP 22053198A JP 2942251 B1 JP2942251 B1 JP 2942251B1
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Abstract

【要約】 【課題】 内部空間を大きく形成して充填する充填材の
量を増大し、これにより、良好な通水性を保って自然環
境を保全することができるとともに、輸送時、構築時の
作業性が高く、かつ、耐久性を有し、さらに、材料の輸
送費を含む護岸の構築コストを低廉にできる護岸構築用
部材を提供すること。 【解決手段】 周壁11に多数の透孔を形成した金属製
の筒状体1を敷設し、この筒状体1の内部に砕石等の充
填材を充填して構築するようにした護岸の構築用部材で
あって、筒状体1を、平面形状が、正六角形を対向する
頂点で二等分した形状に形成したものを主体とする半筒
状体10を組み合わせて構成するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、湖、海岸、
山肌、谷間等(本明細書において、単に「河川等」とい
う場合がある。)の護岸、法面等(本明細書において、
水深の浅い川底、湖底、海底部分を含み、単に「護岸」
という場合がある。)の構築用部材に関し、特に、自然
環境の保全を目的とした護岸構築用部材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、河川等の護岸を造成する場合、法
面を保護するために、法面に沿ってコンクリートを打設
したり、コンクリート製ブロックを設置するようにして
いる。しかしながら、近年の自然環境の保全の気運の高
まりとともに、上記従来のコンクリートを使用する工法
の見直しが進められ、自然環境に適合した工法の開発が
要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この自然環
境の保全の要請に応えるものとして、内部に砕石等の充
填材を充填することができる中空状のコンクリート製ブ
ロックが提案され、実用化されている。
【0004】しかしながら、このブロックは、コンクリ
ート製のため重量が大きく、扱いにくいため、構築時の
作業性が悪いだけでなく、ブロックに要求される強度と
の関係上、内部空間をあまり大きく形成することができ
ず、このため、ブロックの内部に充填することができる
充填材の量に制約があり、通水性を保つことにより自然
環境を保全するという目的を完全には達成するものでは
なかった。
【0005】また、コンクリート製ブロックの場合、ブ
ロックの周壁に多数の小孔を形成することができず、こ
のため、ブロックの内部に充填する充填材の大きさ等に
制約があって、現地の材料を使用することができないこ
とが多く、材料の輸送費を含む護岸の構築コストが上昇
するという問題点を有していた。
【0006】一方、金属製の線材を編んだネット部材を
組み立てて構成した篭部材の内部に砕石等の充填材を充
填するようにした、いわゆる、蛇篭が以前から用いられ
ているが、蛇篭の場合、ネット部材自体の自立性が乏し
いことから、現地におけるネット部材の組立作業や充填
材の充填作業に手数を要するとともに、金属製の線材を
用いるようにしているため、厳しい自然環境下では、耐
久性の点で問題があった。
【0007】本発明は、従来より用いられている護岸構
築構造及び護岸構築用部材の有する問題点に鑑み、内部
空間を大きく形成して充填する充填材の量を増大し、こ
れにより、良好な通水性を保って自然環境を保全するこ
とができるとともに、輸送時、構築時の作業性が高く、
かつ、耐久性を有し、さらに、材料の輸送費を含む護岸
の構築コストを低廉にできる護岸構築用部材を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の護岸構築用部材は、周壁に多数の透孔を形
成した金属製の筒状体を敷設し、該筒状体の内部に砕石
等の充填材を充填して構築するようにした護岸の構築用
部材において、前記筒状体を、平面形状が、正六角形を
対向する頂点で二等分した形状に形成したものを主体と
する半筒状体を組み合わせて構成するようにしたことを
特徴とする。
【0009】この護岸構築用部材は、周壁に多数の透孔
を形成した金属製の筒状体を護岸に敷設し、使用する鋼
材の厚みを調整するのみで、要求される強度、耐久性を
容易に得ることができ、内部空間を大きく形成して充填
する充填材の量を増大し、これにより、良好な通水性を
保って自然環境を保全することができる。また、金属製
の筒状体は、平面形状が、正六角形を対向する頂点で二
等分した形状に形成したものを主体とする半筒状体を組
み合わせて構成するようにしているため、コンクリート
製ブロックと比較して重量が小さく、半筒状体自体で自
立性を有するとともに、輸送時には重ね合わせることが
できるため取り扱いが容易となり、また、隣接する筒状
体同士の連結作業も容易にできることと相俟って、輸送
時、構築時の作業性が高く、かつ、周壁に形成する透孔
の大きさを調整するのみで、各種の充填材に対応するこ
とができ、材料の輸送費を含む護岸の構築コストを低廉
にできる。そして、半筒状体を組み合わせて構成した筒
状体の集合体は、ハニカム構造を構成することから、外
力に対して強固な護岸を構築することができる。
【0010】この場合において、筒状体をエキスパンド
メタルから構成することができる。
【0011】これにより、筒状体の周壁に任意の大きさ
の透孔を容易に形成することができ、筒状体の製造コス
トを低廉にできる。
【0012】また、筒状体をステンレス鋼材から構成す
ることができる。
【0013】これにより、錆に強く、耐久性を有する護
岸を構築することができる。
【0014】また、半筒状体同士を螺旋状に形成した線
材を用いて一体化するようすることができる。
【0015】これにより、現場において半筒状体同士を
簡易に接続、一体化することができる。
【0016】また、筒状体の周壁の少なくとも一部を、
隣接する筒状体の周壁と共有化するようにすることがで
きる。
【0017】これにより、隣接する筒状体の周壁の重な
りをなくし、通水性を向上することができるとともに、
材料費を節約して、護岸の構築コストを低廉にできる。
【0018】また、筒状体の上面及び/又は下面に不織
布を配設することができる。
【0019】これにより、植生する植物にとって、適度
の保水を行うことができるとともに、筒状体の内部に充
填した充填材の雨水や流水等による流出や移動を確実に
防止することができ、斜面等においても確実に緑化を図
ることができる。
【0020】また、不織布を天然繊維から構成すること
ができる。
【0021】これにより、自然環境を良好に維持するこ
とができる。
【0022】また、筒状体の上面に配設した不織布に植
物の種子を含有させることができる。
【0023】これにより、より簡易に緑化を図ることが
できる。
【0024】また、筒状体の上面及び/又は下面に網体
を配設することができる。
【0025】これにより、筒状体の内部に充填した充填
材の雨水や流水等による流出や移動を確実に防止するこ
とができる。
【0026】また、網体をエキスパンドメタルから構成
することができる。
【0027】これにより、網体の摩擦抵抗を高めること
ができ、筒状体の設置状態を安定化することができる。
【0028】また、網体をステンレス鋼材から構成する
ことができる。
【0029】これにより、錆に強く、耐久性を有する護
岸を構築することができる。
【0030】また、筒状体の内部に木炭を充填すること
ができる。
【0031】これにより、河川等の水質を改善して、自
然環境を良好に維持することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の護岸構築用部材の
実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】図1は、本発明の護岸構築用部材を適用し
た河川の護岸の第1実施例を示す。この護岸は、周壁に
多数の透孔を形成した金属製の筒状体1を法面3及び川
底4に敷設し、敷設した筒状体1が流水の作用等により
移動しないように、隣接する筒状体1同士を線材、ボル
ト・ナット等の連結具や溶接等により連結するととも
に、筒状体1の内部に砕石等の充填材2を充填して構成
したものである。
【0034】本実施例のおいては、法面3に敷設する筒
状体1は、その頂部に段差を設けて階段状に敷設するよ
うにしているが、これに限定されず、頂部が法面3と平
行となるように平面状に敷設することもできる。
【0035】また、川底4に敷設する筒状体1は、その
頂部の高さが、隣接する筒状体同士で異なるように、例
えば、数個置きに突出した筒状体1Aを配設することが
でき、これにより、景観にアクセントを持たせることが
できるとともに、流水の緩衝効果を奏するものとなる。
【0036】また、川底4に敷設する筒状体1の上面及
び/又は下面には、筒状体1の内部に充填した砕石等の
充填材2が流出しないように、必要に応じて、エキスパ
ンドメタル等の金属製(例えば、錆に強いステンレス鋼
製)又は合成樹脂製の蓋板又は網体(図示省略)を配設
することができる。この場合、網体をエキスパンドメタ
ルから構成することにより、網体の摩擦抵抗を高めるこ
とができ、筒状体1の設置状態を安定化することができ
るものとなる。
【0037】この場合において、筒状体1は、図2
(a)、(b)に示すように、平面形状が、正六角形を
対向する頂点で二等分した形状に形成した半筒状体10
を組み合わせて構成するようにし、その使用環境、要求
される強度、耐久性等に応じて、厚さ数mm〜10mm
程度の鋼板(例えば、錆に強いステンレス鋼板)、鉄−
アルミニウム合金製板材等の金属製板材に多数の切目を
入れ、これを延伸することにより、筒状体1の周壁11
を構成する表面に多数の透孔を形成するようにしたエキ
スパンドメタルを折り曲げて形成したものを用いるよう
にしている。この場合、周壁11に形成する透孔の大き
さは、内部に充填する充填材の大きさに応じて任意に設
定することができる。このように、筒状体1を、平面形
状が、正六角形を対向する頂点で二等分した形状に形成
した半筒状体10を組み合わせて構成することにより、
半筒状体10自体で自立性を有するとともに、図2
(c)に示すように、輸送時には重ね合わせることがで
きるため取り扱いが容易となり、また、半筒状体10同
士の連結作業も容易にできることと相俟って、輸送時、
構築時の作業性が高く、材料の輸送費を含む護岸の構築
コストを低廉にできるものとなる。このように、筒状体
1は、主として、平面形状が、正六角形を対向する頂点
で二等分した形状に形成した半筒状体10を組み合わせ
て構成するようにするが、例えば、法面とその上端、下
端等に連なる水平部との境界部においては、寸法を調節
ために変形した形状の半筒状体や平面形状が直線状の仕
切板を使用することができる。
【0038】また、半筒状体10を組み立てるに当たっ
ては、図3に示すように、周壁11に形成した多数の透
孔を利用して、螺旋状に形成した線材からなる連結具1
2により連結することができる。このように、半筒状体
10の組立に、螺旋状に形成した線材からなる連結具1
2を用いることにより、半筒状体10の組立作業や、さ
らに必要に応じて、隣接する筒状体同士の接続作業を、
現場において容易に行うことができるものとなる。な
お、半筒状体10の組立に用いる接続具としては、上記
の螺旋状に形成した線材のほか、リング状に形成した線
材、ボルト・ナット等の任意の連結具を用いることがで
きる。
【0039】ところで、半筒状体10を組み立てるに当
たっては、図3に示すように、2個の半筒状体10を用
いて1個の筒状体1を構成するだけでなく、図4に示す
ように、半筒状体10の端縁と他の半筒状体10の屈折
部とを螺旋状に形成した線材からなる連結具12等によ
り連結することにより、筒状体1の周壁11の少なくと
も一部を、隣接する筒状体1の周壁11と共有化するよ
うにして筒状体1を構成することができる。これによ
り、隣接する筒状体1の周壁11の重なりをなくし、通
水性を向上することができるとともに、材料費を節約し
て、筒状体1の製造コストを低廉にできるものとなる。
【0040】筒状体1の内部には、通常は、図5(a)
に示すように、砕石21を一様に充填するようにする
が、充填する充填材2は、筒状体1を敷設する法面3や
川底4等の状態、他の付随的な要請等に応じて任意に選
定することができる。
【0041】例えば、現地の材料を使用する場合等で、
筒状体1の周壁11に形成した透孔の大きさよりも小さ
な粒径の小石、砂を使用する場合には、図5(b)に示
すように、筒状体1の周壁11の内周面に天然繊維又は
合成樹脂繊維からなる透水性を有する不織布23を配設
した後、小石、砂等の粒状材22を充填するようにす
る。
【0042】また、河川の水の浄化を併せて行う場合に
は、図5(c)に示すように、筒状体1に砕石21a,
21bと木炭等の浄化材24を層状、又は混合して充填
するようにする。なお、浄化材24として木炭を用いる
場合には、例えば、間伐材や廃材を原料とすることによ
り、コストを低減できるものとなる。これにより、河川
等の水質を改善して、自然環境を良好に維持することが
できるものとなる。
【0043】また、図5(d)に示すように、筒状体1
に充填した砕石21の上面に天然繊維又は合成樹脂繊維
からなる透水性を有する不織布層25を形成することも
できる。
【0044】ところで、法面3(地上部分)に敷設する
筒状体1の内部には、図5(e)に示すように、筒状体
1の周壁11の内周面に、必要に応じて、厚さ5〜30
mm程度の天然繊維又は合成樹脂繊維からなる透水性を
有する不織布23を配設した後、小石、砂等の粒状材2
2、特に、現地で発生する廃土を充填し、さらに、必要
に応じて、その上面に厚さ10〜100mm程度の天然
繊維(例えば、ヤシの繊維)又は合成樹脂繊維からなる
透水性を有する不織布25を配設することができる。
【0045】この場合、不織布を天然繊維から構成する
ことにより、不織布を土壌と一体化させることができ、
これにより、自然環境を良好に維持することができるも
のとなる。
【0046】筒状体1の上面に配設する不織布25は、
筒状体1に植生する植物にとって、適度の保水を行うこ
とができるとともに、雨水等による充填材の流出や移動
を防止するためのもので、これにより、傾斜面等におい
ても、確実に緑化を図ることができるものとなる。
【0047】この場合、筒状体1に植生する植物は、筒
状体1に充填材を充填した後、法面緑化用の適当な植物
を直接植え付けてもよいが、不織布25を配設する前
に、植物の種子を蒔いたり、植物の種子を含有した不織
布25を配設することができる。特に、植物の種子を含
有した不織布25を用いることにより、簡易に緑化を図
ることができるものとなる。
【0048】また、筒状体1の下面に吸出防止用の厚さ
10〜100mm程度の天然繊維又は合成樹脂繊維から
なる透水性を有する不織布26を、さらに、筒状体1の
上面に配設した不織布25の上面に不織布25の移動を
防止するための50〜100mm程度の大きさの網目を
有する金属製又は合成樹脂製の網体27を敷設すること
が望ましい。
【0049】また、筒状体1の上面に配設する不織布2
5は、各筒状体1毎に独立して設けるほか、図5(g)
に示すように、隣接する筒状体1の上面に亘って敷設し
た設けることができる。なお、その他の構成は、図5
(e)に示したものと同様である。
【0050】また、筒状体1の内部に、砕石21を充填
する場合には、図5(f)に示すように、筒状体1に植
生する植物にとって、適度の保水を行うことができるよ
うに、その上面に厚さ10〜100mm程度の土砂28
を充填するようにする。なお、その他の構成は、図5
(e)に示したものと同様である。
【0051】さらに、図6(a)〜(g)に示すよう
に、筒状体1の上面及び下面に網体27,5を配設する
ことができる。この場合、筒状体1の下面に吸出防止用
の不織布26を敷設するとき(省略することも可能)
は、網体5は、筒状体1と不織布26の間に敷設するよ
うにする。これにより、筒状体1の内部に充填した充填
材2の雨水や流水等による流出や移動を確実に防止する
ことができる。また、網体27,5は、ステンレス鋼製
の板材に多数の切目を入れ、これを延伸したエキスパン
ドメタルを用いることが好ましく、これにより、網体2
7,5の摩擦抵抗を高めることができ、筒状体1の設置
状態を安定化することができるとともに、錆に強く、耐
久性を有する護岸を構築することができるものとなる。
なお、図6(a)〜(g)のその他の構成は、図6
(a)〜(g)の示したものと同様である。
【0052】図7は、本発明の護岸構築用部材を適用し
た河川の護岸の第2実施例を示す。この護岸は、周壁に
多数の透孔を形成した金属製の筒状体1を、エキスパン
ドメタル等の金属製又は合成樹脂製の網体5を介して、
法面3及び川底4に敷設し、敷設した筒状体1が流水の
作用等により移動しないように、隣接する筒状体1同士
を線材、ボルト・ナット等の連結具や溶接等により連結
するとともに、筒状体1の内部に砕石等の充填材2を充
填して構成したものである。これにより、筒状体1の内
部に充填した充填材2が流出することを防止することが
できる。この場合、筒状体1の上面に同様の網体(図示
省略)を配設することができる。本実施例の護岸構造の
その他の構成は、上記第1実施例の護岸構造と同様であ
る。
【0053】なお、筒状体の連結及び敷設形式は、上記
各実施例に記載したものに限定されず、例えば、流水に
よって筒状体が移動することを防止するために、隣接す
る筒状体の面同士を連結して形成した筒状体列を、河川
の蛇行に沿って扇状に敷設し、隣接する筒状体列間に形
成された空間に砕石等の充填材を充填する等、任意の連
結及び敷設形式を採用することができる。
【0054】以上、本発明の護岸構築用部材を、河川の
護岸(護床)に適用した例について説明したが、本発明
の護岸構築用部材の用途は、河川の護岸に限定されず、
湖、海岸、山肌、谷間等の護岸、法面(水深の浅い川
底、湖底、海底部分の構造を含む。この場合は、水域の
浄化構造となる。)等、より具体的には、図8に示す堰
堤、図9に示す谷止、図10及び図11に示す土留、擁
壁等、この種の土木構造に広く適用することができ、さ
らに、図10及び図11に示す土留、擁壁等の場合に
は、必要に応じて、植生6を施すこともできる。
【0055】
【発明の効果】本発明の護岸構築用部材によれば、周壁
に多数の透孔を形成した金属製の筒状体を護岸に敷設
し、使用する鋼材の厚みを調整するのみで、要求される
強度、耐久性を容易に得ることができ、内部空間を大き
く形成して充填する充填材の量を増大し、これにより、
良好な通水性を保って、魚や昆虫等の水中生物が住み易
い豊かな自然環境を保全することができる。また、金属
製の筒状体は、平面形状が、正六角形を対向する頂点で
二等分した形状に形成したものを主体とする半筒状体を
組み合わせて構成するようにしているため、コンクリー
ト製ブロックと比較して重量が小さく、半筒状体自体で
自立性を有するとともに、輸送時には重ね合わせること
ができるため取り扱いが容易となり、また、隣接する筒
状体同士の連結作業も容易にできることと相俟って、輸
送時、構築時の作業性が高く、かつ、周壁に形成する透
孔の大きさを調整するのみで、各種の充填材に対応する
ことができ、材料の輸送費を含む護岸の構築コストを低
廉にできる。そして、半筒状体を組み合わせて構成した
筒状体の集合体は、ハニカム構造を構成することから、
外力に対して強固な護岸を構築することができる。
【0056】また、筒状体をエキスパンドメタルから構
成することにより、筒状体の周壁に任意の大きさの透孔
を容易に形成することができ、筒状体の製造コストを低
廉にできる。
【0057】また、筒状体をステンレス鋼材から構成す
ることにより、錆に強く、耐久性を有する護岸を構築す
ることができる。
【0058】また、半筒状体同士を螺旋状に形成した線
材を用いて一体化するようすることにより、現場におい
て半筒状体同士を簡易に接続、一体化することができ
る。
【0059】また、筒状体の周壁の少なくとも一部を、
隣接する筒状体の周壁と共有化するようにすることによ
り、隣接する筒状体の周壁の重なりをなくし、通水性を
向上することができるとともに、材料費を節約して、護
岸の構築コストを低廉にできる。
【0060】また、筒状体の上面及び/又は下面に不織
布を配設することにより、植生する植物にとって、適度
の保水を行うことができるとともに、筒状体の内部に充
填した充填材の雨水や流水等による流出や移動を確実に
防止することができ、斜面等においても確実に緑化を図
ることができる。
【0061】また、不織布を天然繊維から構成すること
により、自然環境を良好に維持することができる。
【0062】また、筒状体の上面に配設した不織布に植
物の種子を含有させることにより、より簡易に緑化を図
ることができる。
【0063】また、筒状体の上面及び/又は下面に網体
を配設することにより、筒状体の内部に充填した充填材
の雨水や流水等による流出や移動を確実に防止すること
ができる。
【0064】また、網体をエキスパンドメタルから構成
することにより、網体の摩擦抵抗を高めることができ、
筒状体の設置状態を安定化することができる。
【0065】また、網体をステンレス鋼材から構成する
ことにより、錆に強く、耐久性を有する護岸を構築する
ことができる。
【0066】また、筒状体の内部に木炭を充填すること
により、河川等の水質を改善して、自然環境を良好に維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の護岸構築用部材を河川の護岸に適用し
た第1実施例を示す外観斜視図である。
【図2】半筒状体の一例を示し、(a)は平面図、
(b)は正面図、(c)は重ね合わせた状態を説明図で
ある。
【図3】半筒状体の組立例を示す説明図である。
【図4】半筒状体の組立例を示す説明図である。
【図5】筒状体を示す説明図である。
【図6】筒状体を示す説明図である。
【図7】本発明の護岸構築用部材を河川の護岸に適用し
た第2実施例を示す外観斜視図である。
【図8】本発明の護岸構築用部材を堰堤に適用した実施
例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の護岸構築用部材を谷止に適用した実施
例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の護岸構築用部材を土留、擁壁に適用
した実施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
【図11】本発明の護岸構築用部材を土留、擁壁に適用
した実施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
【符号の説明】
1 筒状体 10 半筒状体 11 周壁 12 連結具 2 充填材 24 浄化材(木炭) 27 網体 3 法面 4 川底 5 網体 6 植生

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に多数の透孔を形成した金属製の筒
    状体を敷設し、該筒状体の内部に砕石等の充填材を充填
    して構築するようにした護岸の構築用部材において、前
    記筒状体を、平面形状が、正六角形を対向する頂点で二
    等分した形状に形成したものを主体とする半筒状体を組
    み合わせて構成するようにしたことを特徴とする護岸構
    築用部材。
  2. 【請求項2】 筒状体がエキスパンドメタルからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の護岸構築用部材。
  3. 【請求項3】 筒状体がステンレス鋼材からなることを
    特徴とする請求項1又は2記載の護岸構築用部材。
  4. 【請求項4】 半筒状体同士を螺旋状に形成した線材を
    用いて一体化するようにしたことを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の護岸構築用部材。
  5. 【請求項5】 筒状体の周壁の少なくとも一部を、隣接
    する筒状体の周壁と共有化するようにしたことを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の護岸構築用部材。
  6. 【請求項6】 筒状体の上面及び/又は下面に不織布を
    配設してなることを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5記載の護岸構築用部材。
  7. 【請求項7】 不織布が天然繊維からなることを特徴と
    する請求項6記載の護岸構築用部材。
  8. 【請求項8】 筒状体の上面に配設した不織布が植物の
    種子を含有してなることを特徴とする請求項6又は7記
    載の護岸構築用部材。
  9. 【請求項9】 筒状体の上面及び/又は下面に網体を配
    設してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7又は8記載の護岸構築用部材。
  10. 【請求項10】 網体がエキスパンドメタルからなるこ
    とを特徴とする請求項9記載の護岸構築用部材。
  11. 【請求項11】 網体がステンレス鋼材からなることを
    特徴とする請求項9又は10記載の護岸構築用部材。
  12. 【請求項12】 筒状体の内部に木炭を充填してなるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の護岸構築用部材。
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