JPH0724804B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH0724804B2
JPH0724804B2 JP62286374A JP28637487A JPH0724804B2 JP H0724804 B2 JPH0724804 B2 JP H0724804B2 JP 62286374 A JP62286374 A JP 62286374A JP 28637487 A JP28637487 A JP 28637487A JP H0724804 B2 JPH0724804 B2 JP H0724804B2
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carrier
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は塗布装置に関し、例えば電子写真感光体の感光
層を塗布形成するディップ塗布装置に関するものであ
る。
ロ.従来技術 従来、電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫
化カドミウム等の無機光導電性物質を主成分とする感光
層を有する無機感光体が広く用いられている。
一方、種々の有機光導電性物質を電子写真感光体の感光
層の材料として利用することが近年活発に開発、研究さ
れている。例えば特公昭50-10496号公報には、ポリ−N
−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノンを含有した感光層を有する有機感光体について
記載されている。しかしこの感光体は、感度及び耐久性
において必ずしも満足できるものではない。このような
欠点を改善するために、感光層において、キャリア発生
機能とキャリア輸送機能とを異なる物質に個別に分担さ
せることにより、感度が高くて耐久性の大きい有機感光
体を開発する試みがなされている。このようないわば機
能分離型の電子写真感光体においては、各機能を発揮す
る物質を広い範囲のものから選択することができるの
で、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に
作製することが可能である。
かかる電子写真感光体の感光層を塗布形成するに際して
は、良好な感度特性を保ち、濃度ムラ等の画像欠陥を防
止して感光体としての良好な性能を発揮するため、高精
度で均一な薄層を塗布形成する必要がある。
従来、電子写真感光体の感光層の塗布方法として、ディ
ップ塗布、スプレー塗布、スピンナー塗布、ワイヤーバ
ー塗布、ブレード塗布、ローラ塗布等の種々の塗布方法
が知られているが、主としてディップ塗布とスプレー塗
布が用いられている。なかでも、円筒状の被塗布体(導
電性基体等)に均一な塗膜を塗布形成するには、ディッ
プ塗布が多用される。
第9図はディップ塗布に用いられる塗布装置を示すもの
である。
塗布槽2内には所定の塗布液1が収容されている。ディ
ップ塗布時には、円筒状導電性基体(以下、基体ドラム
と呼ぶことがある。)4を開口部4bを下向きにして塗布
液1へと浸漬し、次いで蓋5の把手5aを把持して基体ド
ラム4を所定速度で引き上げる。基体ドラム4を浸漬す
る前には塗布液1の液面は仮想線で示す位置1bに存在す
るが、基体ドラム4を浸漬するときには基体ドラム4内
の中空部4cを満たしている空気のために、塗布液1が中
空部4cより排除され、液面は実線で示す位置1cまで低下
する。これに伴い、基体ドラム4の外周面4eと塗布槽2
の側壁内周面2bとにより挟まれた領域では、液面が実線
で示す1aの位置に上昇し、所定位置4aの高さまで基体ド
ラム外周面4eに塗布液が塗布され、均一な塗膜が形成さ
れることになる。このとき、基体ドラム4の浸漬部分の
容積及びその部分内の空気の体積に見合う分だけ、即ち
高さl2だけ液面は上昇する。
従って、かかる塗布装置には、以下の問題点がある。
即ち、上述した基体ドラム4の浸漬、引き上げに伴な
い、塗布液液面が実線で示す位置1aと一点鎖線で示す位
置1bとの間を上下動するため、塗布槽側壁内周面2bに塗
布液1が付着し、付着した塗布液が乾燥して乾固物9を
生成する。そして乾固物9が塗布液1中へと混入して塗
布液1の成分変化、劣化を生じたり、更にいわゆる異物
欠陥(塗布欠陥)の原因となっているものと思われる。
また、塗布液1が劣化すれば、廃棄、塗布液の入れ替え
の必要が生ずるので、原材料費等のコストアップにつな
がり、廃棄、入れ替えを行うたびに容器の洗浄等の煩し
い手作業が必要となる。
かかる問題点に対する対策として、実開昭62-59175号公
報において、塗布槽中に昇降可能な台座を備え、この台
座の上端に被塗布物体を載置し、台座の昇降により被塗
布物体の浸漬、引き上げを行う塗布装置が開示されてい
る。これは、塗布槽の底面に孔を設け、この孔に上記台
座を嵌入せしめ、塗布槽の外部に存在する駆動装置によ
り台座の上下動を行っているものである。しかし、こう
した塗布装置では、塗布槽と台座との間隙から塗布液が
洩れ易く、別にシール部材が必要で装置が複雑となり、
また特に台座の昇降時に塗布液が洩れ易い。台座外周面
への塗布液の付着、乾燥を防止する必要もあると考えら
れる。
このような欠点を防止する方法として、いわゆるオーバ
ーフロー方式のものが知られており、第10図はこの方式
によるディップ塗布装置の概略断面図を示すものであ
る。
塗布槽2内には所定の塗布液1が収容され、塗布槽2の
側壁2dの周囲には受け皿6が設けられている。塗布液
は、タンク12からポンプ(P)10によって送り出され、
フィルター14を介して、供給口11より矢印Eで示すよう
に塗布槽2内へと供給され、更に側壁2dの上縁部2eを越
えて塗布槽2の円周方向へと溢流し、受け皿6で集めら
れ、排出口8よりタンク12へと排出される。円筒状導電
性基体4は塗布液1内に一点鎖線で示すように浸漬さ
れ、次いで導電性基体4が矢印Dで示すように所定の速
度で引き上げられ、ディップ塗布が施される。このディ
ップ塗布時に、上述のように塗布液1が側壁2dの上縁部
2eを越えて溢流し続けているので、塗布液1の液面の高
さは一定に保たれる。
かかるオーバーフロー方式の塗布方法によれば、塗布装
置において液面位が一定に保たれるため、塗布槽内壁の
乾固物生成がなく、また生成してもフィルター14により
濾過できるため、異物付着による塗布欠陥防止に効果的
である。
しかし、オーバーフロー方式の塗布装置では、塗布槽と
循環系とに多量の塗布液を必要とするという欠点がある
(例えば、第9図の塗布装置にくらべて数倍の塗布液量
が必要となる。)。このため、原材料のコストが高く、
また塗布液が使用限度に達すれば、多量の塗布液の廃
棄、入れ替えの必要が生ずるので、コスト等の面で不利
である。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、異物付着による塗布欠陥(異物欠陥)
を効果的に防止でき、かつ塗布に必要な塗布液の液量の
少ない塗布装置を提供することである。
ニ.発明の構成 本発明は、塗布槽内に収容されている塗布液に被塗布体
を浸漬し、この被塗布体を引き上げることによって前記
塗布液を前記被塗布体に塗布する塗布装置であって、前
記被塗布体の上側開口部内に嵌め込まれ、この被塗布体
の保持に用いられる蓋と、上端面の径が前記被塗布体の
径と略等しく、前記塗布槽の底面から立設する蛇腹状の
凸状部とを具備してなることを特徴とする塗布装置に係
る。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
第1図は塗布装置を示し、同図(a)は塗布槽に基体ド
ラムが浸漬される前後の状態を示す断面図、同図(b)
は基体ドラムが浸漬された状態を示す断面図である。
塗布槽2の底面内壁2aには伸縮自在の蛇腹状の凸状部3
が設けられている。この凸状部3が従来にない顕著な特
徴をなすものである。
即ち、まず第1図(a)に示す状態から、矢印Cで示す
ように基体ドラム4を塗布液1中へと浸漬する。このと
き、凸状部3の径は基体ドラム4の外径と略同じにされ
ており、基体ドラム浸漬時に底面4fが凸状部3の上面3c
に当接するようになっている。この状態で基体ドラムを
矢印Cの方向へと押し下げると、蛇腹状の凸状部3は基
体ドラムの下端面4fに押されて収縮し、第1図(b)に
示す状態となる。このとき、基体ドラム外周面4eは所定
位置4aの高さまで塗布液1中に浸漬される。
次に、第1図(b)で示す状態から、基体ドラム4を矢
印Dで示す方向へと引き上げ、同図(a)に示す状態と
する。このとき、基体ドラム下端面4fにより凸状部上面
3cが下方へと押し下げられているわけであるが、第1図
(b)の状態では蛇腹状凸状部3の収縮により、凸状部
の中空部3a内に収容されている空気が圧縮され、また蛇
腹状凸状部3自体の形状、材質による弾性復元力も作用
し、結果として蛇腹状凸状部3は元の状態(第1図
(a)の状態)に戻ろうとする弾性復元力を有してい
る。従って、基体ドラム4の引き上げ動作が進行するに
伴ない、それに追随して蛇腹状凸状部3も矢印Dの方向
へと膨張する。
こうして、基体ドラム4の引き上げが終了した時点で
は、第1図(a)に示すように、蛇腹状凸状部3は元の
形状を復元し、基体ドラム外周面4e上には所定位置4aの
高さまで塗布が施される。
こうした塗布装置によれば、基体ドラム4を浸漬しても
塗布液液面は位置1aの高さからごく僅かしか変動せず、
基体ドラム4の浸漬、引き上げに伴なう塗布液液面の上
下動はごく僅かである。従って、塗布槽側壁内周面2bに
乾固物が生成することもなく、異物欠陥の発生頻度を著
るしく減少せしめることができ、塗布液1の成分変化、
劣化も抑制できる。ゆえに塗布の生産性も向上し、原材
料の無駄等も防止でき、コストダウンも達成できる。
しかも、特筆すべきことは、凸状部3の存在により、塗
布に必要な塗布液1の量が少なくて済むことである。即
ち、従来は、第9図に示すように基体ドラム4の浸漬に
伴なう塗布液液面の上昇の大きさはl2と大きく、この塗
布液液面の位置1bから位置1aへの上昇により初めて所定
位置4aまで基体ドラム外周面4eを塗布できたのである。
言い換れば、仮に基体ドラム4の浸漬時に塗布液液面が
上記のように上昇しないものと仮定すると、所定位置4a
の高さまで所望の塗布を行うことはなし得ないのであ
る。
これに対し、本発明においては、凸状部3を設けたこと
により、かかる二律背反を解決できるのである。即ち、
第1図(a)に示すように、仮に塗布槽底面内壁2aに凸
状部3を設けないものと仮定すると、塗布液液面は一点
鎖線で示す位置1bに存在するはずであり、これでは第1
図(b)に示すように基体ドラム4を浸漬しても、所定
位置4aの高さまで所望の塗布を行うことはできない。し
かし、凸状部3を設けたことにより、凸状部3の体積分
だけ塗布液1は予め排除され、液面は実線で示す位置1a
までl1だけ大きく上昇する。従って、この状態で第1図
(b)に示すように、塗布液1内へと基体ドラム4を浸
漬すると、前述のように塗布液液面の上下動を抑えなが
ら、同時に所定位置4aの高さまで所望の塗布を行えるの
である。
しかも、基体ドラム4の浸漬、引き上げ時に基体底面4f
が凸状部上面3cに接しており、基体ドラム中空部4c内の
容積は別段変化しない。従って、中空部4c内の空気が塗
布液中へ漏れることもなく、中空部4c内へ塗布液が浸入
することも実質的に防止できる。従って、基体ドラム内
周面4dに塗布液が塗布され、或いは付着するのを防止で
きる。即ち、仮に内周面4dに塗布液1が塗布されるもの
とすると、内周面4dから塗布液(層)を除く煩雑な操作
が必要となり、かつ塗布液1も無駄になって材料等のコ
ストも上昇するため不都合である。一方、仮に中空部4c
内の空気が塗布液1中へと漏れた場合には、塗布欠陥が
生じて不都合である。本例によれば、これらの問題が生
じないのであり、蛇腹状凸状部3の作用によって上述の
ような煩雑な手作業を不要とし、塗布液1の無駄を防止
し、かつ材料等のコストも低くでき、また空気漏れによ
る塗布欠陥も防止できる。
更に、本例の塗布装置は極めて構造が簡略であって、蛇
腹状凸状部3の収縮、膨張が基体ドラム4の浸漬、引き
上げに追随して自動的に行われ、浸漬、引き上げの際に
基体ドラム4の動きと凸状部3とを同期せしめるための
特別の同期手段の如きものは必要としない。従って、装
置の小型化、コストダウンが可能である。
以上述べたように、本例の塗布装置によれば、基体ドラ
ムの浸漬、引き上げに伴なう塗布液液面の上下動を抑え
ると同時に、塗布液の必要量も少なくでき、かつ基体ド
ラム内周面への塗布液の塗布、付着を防止でき、しかも
機構が簡素でコストダウンが可能である。
第2図は他の塗布装置(いわゆるオーバーフロー方式の
もの)を示し、同図(a)は塗布槽に基体ドラムを浸漬
する前後の状態を示す断面図、同図(b)は基体ドラム
が浸漬された状態を示す断面図である。
第2図の塗布装置においても、塗布槽2の底面内壁2aに
蛇腹状凸状部3が設けられていることが著しい特徴をな
している。
なお、第2図の塗布装置は、上述の点を除けば、第1図
の塗布装置と同様のものであり、同一機能部材には同一
符号を付してその説明は省略し、かつタンク、ポンプ等
の循環系は図示省略する。
この塗布装置の動作は第1図のものと同様である。即
ち、まず第2図(a)に示す状態から、矢印Cで示すよ
うに基体ドラム4を塗布液1中へと浸漬する。このと
き、凸状部3の径は基体ドラム4の外径と同じか又は若
干大きくされており、基体ドラム浸漬時に底面4fが凸状
部3の上面3cに当接するようになっている。この状態で
基体ドラムを矢印Cの方向へと押し下げると、蛇腹状の
凸状部3は基体ドラム底面4fに押されて収縮し、第2図
(b)に示す状態となる。このとき、基体ドラム外周面
4eは所定位置4aの高さまで塗布液1中に浸漬される。
次に、第2図(b)で示す状態から、基体ドラム4を矢
印Dで示す方向へと引き上げ、同図(a)に示す状態と
する。このとき、基体ドラム4の引き上げ動作が進行す
るに伴ない、蛇腹状凸状部3の弾性復元から、基体ドラ
ム底面4fに追随して蛇腹状凸状部3も矢印Dの方向へと
膨張する。
こうして、基体ドラム4の引き上げが終了した時点で
は、第2図(a)に示すように、蛇腹状凸状部3は元の
形状を復元し、基体ドラム外周面4e上には所定位置4aの
高さまで塗布が施される。
こうした塗布装置によれば、従来のオーバーフロー方式
の塗布装置の利点はあますところなく充分に享受でき
る。即ち、基体ドラム4の浸漬時にも塗布液液面の高さ
は一定に保たれ、従って塗布槽側壁内周面2dに乾固物が
生成することもなく、異物欠陥の発生頻度を著るしく減
少せしめることができ、塗布液1の成分変化、劣化も抑
制できる。ゆえに塗布の生産性も向上し、原材料の無駄
等も防止でき、コストダウンも達成できる。
しかも、特筆すべきことは、凸状部3の存在により、塗
布に必要な塗布液1の量が少なくて済むことである。即
ち、従来は、第11図に示すように、塗布槽2を満たすと
共にタンク12等の循環系にも充分な量の塗布液を収容し
ておく必要があり、種々の理由から多量の塗布液が必要
とされた。
これに対し、本発明においては、凸状部3を設けたこと
により、凸状部3の体積分だけ塗布液1は排除され、塗
布槽を満たすのに必要な塗布液量が非常に減少する。し
かも、塗布槽内に収容される塗布液量の減少に伴ない循
環系内の液量も少なくて済み、全体として塗布液の必要
量が大幅に減少する。また、塗布量の減少に伴ない、塗
布液の循環量(速度)を減らしてポンプを小型化するこ
とができ、フィルターの濾過面積を小さくすることもで
きる。
こうした塗布液の必要量の減少と装置の小型化により、
原材料等のコストダウンを達成でき、また塗布液が最終
的に使用限度に達した際にも、塗布液の廃棄量、入れ替
え量が少なくて済み、この点でも原材料の無駄を防止で
き有利である。
しかも、基体ドラム4の浸漬、引き上げ時に、基体底面
4fが凸状部上面3cに接しており、基体ドラム中空部4c内
の容積は別段変化しない。従って、中空部4c内の空気が
塗布液中へ漏れることもなく、中空部4c内へ塗布液が浸
入することも実質的に防止できる。従って、基体ドラム
内周面4dに塗布液が塗布され、或いは付着するのを防止
できる。
従って、第1図の塗布装置と同様に、蛇腹状凸状部3の
作用によって塗布液(層)の除去といった煩雑な操作を
不要とし、塗布液1の無駄を防止し、かつ材料等のコス
トも低くでき、また空気漏れによる塗布欠陥も防止でき
る。
更に、本例の塗布装置は、第1図のものと同様、構造が
極めて簡略である。
以上述べてきたように、例の塗布装置により、従来のオ
ーバーフロー方式による利点を充分に享受しつつ、塗布
液の必要量を少なくすることができ、かつ基体ドラム内
周面への塗布液の塗布、付着も防止でき、しかも、装置
の簡略化等も達成できる。
第3図は更に他の塗布装置を示し、同図(a)は塗布槽
に基体ドラムが浸漬される前後の状態を示す断面図、同
図(b)は基体ドラムが浸漬された状態を示す断面図で
ある。
本例においては、塗布槽底面2cに開口7が設けられてい
る点に特徴を有する。他の構成部分は第1図のものと同
様である。
即ち、第3図(a)に示す状態から、塗布液1内へと基
体ドラム4を浸漬し、基体ドラム底面4fによって蛇腹状
凸状部上面3cを下方向へと押圧すると、凸状部3の中空
部3a内に収容されている空気が矢印Aで示すように外部
へと流出し、蛇腹状凸状部3は第3図(b)に示すよう
に体積収縮する。
基体ドラム4の引き上げ時には、蛇腹状凸状部3自体の
材質、形状に付随する弾性復元力により、基体ドラム底
面4fに追随して凸状部3が矢印D方向へと体積膨張し、
同時に空気が矢印Bで示すように凸状部3の中空部3a内
へと流入し、第3図(a)に示す状態に戻る。
この例によれば、凸状部3に加わる力を小さくでき、蛇
腹状凸状部3の伸縮動作を穏やかにできると考えられ
る。
第4図、第5図はそれぞれ更に他の塗布装置を示す断面
図である。
第4図の例においては、蛇腹状凸状部13の上面13cが塗
布液液面の位置1aよりも若干上側に設けられている。な
お、図中、13aは凸状部13の中空部を表わし、13bは凸状
部外周面を表わす。
第5図の例においては、塗布槽2の底部に凸状部43が設
けられ、この凸状部43の上に蛇腹状凸状部23が設けられ
ている。なお、図中、23aは凸状部内中空部を、23b、43
bは共に凸状部外周面を、23cは凸状部上面を表わす。こ
の例によれば、基体ドラムを底面近くまで浸漬しないよ
うな場合に利点があると考えられる。
本発明を電子写真感光体の構成層、特に感光層の塗布形
成に適用した場合は、異物欠陥に起因する画像欠陥(例
えば黒点)の発生を抑制でき、感光体の生産性、原材料
費等のコストダウン(例えばキャリア発生物質等)の点
で特に有利である。
また、特に本発明をオーバーフロー方式の塗布装置に適
用し、かつキャリア発生層形成用塗布液に適用した場合
には、特に効果が大であると考えられる。粒状のキャリ
ア発生物質とキャリア輸送物質とを共に含有せしめた単
層構成の感光層もこれに該当する。なぜなら、これらの
塗布液は、通常粒状の顔料を液中に分散せしめた顔料分
散系であり、顔料には結晶形の変化し易いものが多く、
循環することによる粘度変化、顔料の結晶形変化などの
影響が大きいからである。従って、本発明の塗布装置に
より塗布液量、塗布液の循環量を減少せしめれば、それ
だけコスト的に有利と考えられるのである。
第6図〜第8図はそれぞれ本発明の塗布により層形成さ
れる電子写真感光体の一例を示すものである。
第6図の感光体においては、導電性基体30の上に第1層
としてキャリア発生層31が設けられ、キャリア発生層31
の上に、第2層としてキャリア輸送層32が設けられてい
る。第7図の感光体は、導電性基体30側から見て、第1
層としてキャリア輸送層32、第2層としてキャリア発生
層31を順次積層したものである。第8図の感光体は、第
1層としてキャリア発生物質とキャリア輸送物質との双
方を含有する単層構造の感光層33を有するものである。
むろん、本発明の塗布装置により塗布形成される塗設層
の数、種類は第6図〜第8図の例に限定されるものでは
なく、その組成、機能等も特に限定されず、感光体の設
計意図に応じて自由に設定することができる。
例えば、導電性基体側から見て、第1層、第2層が下引
き層、単層構造の感光層であるもの、単層構造の感光
層、保護層であるもの、第1層、第2層、第3層がそれ
ぞれ下引層、キャリア輸送層、キャリア発生層であるも
の、キャリア発生層、キャリア輸送層、保護層であるも
の、第1層、第2層、第3層、第4層がそれぞれ下引
層、キャリア発生層、キャリア輸送層、保護層であるも
の、或いは下引層、キャリア輸送層、キャリア発生層、
保護層であるもの等が挙げられる。
下引層はアクリル系、メタアクリル系、塩化ビニル系、
酢酸ビニル系、エポキシ系、ポリウレタン系、フェノー
ル系、ポリエステル系、アルキッド系、ポリカーボネー
ト系、シリコン系、メラミン系、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸
共重合体等の各種樹脂類で形成することができる。
キャリア発生層は例えばモノアゾ色素、ジスアゾ色素、
トリスアゾ色素などのアゾ系色素、ペリレン酸無水物、
ペリレン酸イミドなどのペリレン系色素、インジゴ、チ
オインジゴなどのインジゴ系色素、アンスラキノン、ピ
レンキノンおよびフラパンスロン類などの多環キノン
類、キナクリドン系色素、ビスベンゾイミダゾール系色
素、インダスロン系色素、スクエアリリウム系色素、金
属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロ
シアニン系顔料、ピリリウム塩色素、チアピリリウム塩
色素とポリカーボネートから形成される共晶錯体等、公
知各種のキャリア発生物質を適当なバインダー樹脂及び
必要によりキャリア輸送物質と共に溶媒中に溶解或いは
分散し、塗布することによって形成することができる。
またキャリア輸送層は例えばトリニトロフルオレノンあ
るいはテトラニトロフルオレノンなどの電子を輸送しや
すい電子受容性物質のほかポリ−N−ビニルカルバゾー
ルに代表されるような複素環化合物を側鎖に有する重合
体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリアリールア
ルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン
誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、トリアリールアミ
ン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、フ
ェノチアジン誘導体等各種公知の正孔を輸送しやすいキ
ャリア輸送物質を適当なバインダー樹脂と共に溶媒に溶
解し、塗布、乾燥して形成することができる。
また単層構成の感光層は、上記のようなキャリア発生物
質を適当なキャリア輸送物質及びバインダー樹脂と共に
溶媒中に溶解或いは分散し、塗布することによって形成
することができる。
上記のバインダー樹脂としては、例えばポリカーボネー
ト、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポ
リビニルアセテート、スチレン系共重合樹脂(例えばス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体)、アクリロニトリル系共重合樹脂(例
えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等)、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコ
ン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂(例えばフェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムア
ルデヒド樹脂等)、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルフォルマール等のフイルム形成性高分子重合体が
好ましい。
また保護層は前記キャリア輸送性物質とバインダー樹脂
としてポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラ
ミン樹脂等、並びにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち
2つ以上を含む共重合体樹脂等によって形成することが
できる。
キャリア輸送層、キャリア発生層等を塗布形成する際に
用いられる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエ
タン、1,1,2−トリクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン、1,1,2−トリクロルプロパン、1,1,2,2−テト
ラクロルプロパン、1,2,3−トリクロルプロパン、1,1,2
−トリクロルブタン、1,2,3,4−テトラクロルブタン、
テトラヒドロフラン、モノクロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホ
キシド、メチルセルソルブアセテート、n−ブチルアミ
ン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノ
ールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジア
ミン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
又、前記キャリア輸送物質及びバインダー樹脂を溶解し
て塗布液を形成するための溶媒としては、これらを均一
に溶解するものが選択されるが、沸点(bp)が80℃〜15
0℃のものが好ましく、90℃〜120℃のものがより好まし
い。沸点が80℃未満では乾燥が早すぎて結露し、ブラシ
ングを生じ易く、又、乾燥が早すぎてレベリングができ
ず、平滑な感光層が得られなくなり易い。また、150℃
を超えると液垂れ、塗布むらが生じ易い。具体的には、
ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン(bp=83.5
℃)、1,1,2−トリクロルエタン(bp=113.5℃)、1,4
−ジオキサン(bp=101.3℃)、ベンゼン(bp=80.1
℃)、トルエン(bp=110.6℃ o,m,p−キシレン(bp=1
38〜144℃)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノ
クロルベンゼン等が挙げられる。また、沸点が80℃〜15
0℃の範囲にない溶媒でも高沸点溶媒と低沸点溶媒の混
合により、沸点調整を行うことができる。
また、キャリア発生層、単層構成の感光層形成用の溶媒
としては、バインダー樹脂及び必要により含有されるキ
ャリア輸送物質を溶解し、かつキャリア発生物質を好ま
しくは2μm以下、より好ましくは1μm以下の微粒子
状に分散し、安定した分散液を提供できるもので、しか
も下層のキャリア輸送層、下引層等が存在する場合に
は、これらを不当に溶解又は膨潤しないものが選択され
る。特に、上記のうち、トルエン、クロルホルム、ジク
ロルメタン、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロル
エタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、テトラヒドロ
フラン、モノクロルベンゼン、ジオキサンは、キャリア
発生層、キャリア輸送層のいずれにも好ましい溶媒であ
る。
本発明に用いられる塗布液には、上記以外に他の物質を
含有せしめることができる。例えばシロキサン系化合物
を含有せしめれば、塗布表面が平滑化するという効果が
ある。シロキサン系化合物としてはジメチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
添加量は塗布液全量に対し1〜10000ppmが好ましく、よ
り好ましくは10〜1000ppmである。
また、感光層中には、残留電位及びメモリー低減を目的
として、無水コハク酸、無水マレイン酸無水フタル酸等
の電子受容性物質を、好ましくはキャリア発生物質100
重量部当り0.1〜100重量部の割合で添加することができ
る。さらに又、感光層中には、必要により感度向上、メ
モリー低減を目的としてブチルアミン、ジイソブチルア
ミン等の有機アミンをキャリア発生物質のモル数以下の
モル数で含有せしめてもよい。
又、特にキャリア輸送層用塗布液とキャリア発生層用塗
布液とに、同じバインダー樹脂、同じ溶媒を使用して感
光体を形成することも可能であり、その場合、感光体の
生産性及び性能が一段と向上される利点がある。即ち、
同じバインダー樹脂が使えれば、キャリア発生層とキャ
リア輸送層間の障壁が少なくなり、光照射時発生したキ
ャリアがスムーズにキャリア輸送層に注入輸送され、そ
れだけ感光体の感度特性その他残留電位、メモリー特性
等も改善される。
さらに又、同じバインダー樹脂、溶媒等が共通に使用で
きれば、塗布加工が容易、正確かつ高速となる利点があ
る。
導電性基体の形状、材質等は特に限定されないが、形状
としては円筒状のものが好ましく用いられる。また、材
料としては、アルミニウム合金等の金属板、金属ドラ
ム、又は導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化
合物若しくはアルミニウム、パラジウム、金等の金属よ
りなる導電性薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段に
より、紙、プラスチックフイルム等の基体に設けて成る
ものが用いられる。
キャリア発生層、単層構成の感光層を形成するにあたっ
ては、より具体的には、次のような方法が選択される。
(イ)キャリア発生物質を適当な溶剤に溶解した溶液あ
るいはこれにバインダーを加えて混合溶解した溶液を塗
布する方法。
(ロ)キャリア発生物質をボールミル、ホモミキサー等
によって分散媒中で微細粒子とし、必要に応じてバイン
ダーを加えて混合分散して得られる分散液を塗布する方
法。
これらの方法において超音波の作用下に粒子を分散させ
ると、均一分散が可能になる。
感光層、下引層、保護層等の感光体構成層の形成用塗布
液は、粘度を5〜500cp(センチポイズ)の範囲内とす
るのが好ましく、10〜300cpの範囲内とするとより好ま
しい。粘度が上記範囲より小さいと塗膜にタレを生じ易
く、ドラム上部より下部の方が厚膜になる傾向があり、
上記範囲より大きいと塗布槽中の塗布液の粘度が不均一
になり易く、塗膜に膜厚ムラを生じる傾向がある。
塗布乾燥後のキャリア輸送層の厚みは5〜50μmの範囲
とするのが好ましい。5μm未満では所望の帯電能(+
500〜800V)が得られず、又、十分なキャリア輸送機能
を発揮できないことがあり、50μmを超えると帯電能が
高すぎ(1000V以上)、画質が荒れ易く、解像力も落
ち、残留電位大となり易い。バインダー樹脂100重量部
当りのキャリア輸送物質の量は、20〜200重量部、好ま
しくは30〜150重量部の範囲に納まるようにするのがよ
い。20重量部未満ではキャリア輸送機能が低く、感度低
下、残留電位が増加し、200重量部を超えると粘度、表
面張力が大きく塗布加工性が悪くなり易い。
また、塗布乾燥後のキャリア発生層は、通常、その厚み
が0.05〜10μmとされる。0.05μm未満ではキャリア発
生能が不足し、又、均一塗布がしにくく、10μmを超え
ると発生したキャリアがトラップされ、逆に感度が低下
し易い。バインダー樹脂100重量部当りキャリア発生物
質の量は5〜500重量部、好ましくは20〜100重量部とす
るのが良い。キャリア発生物質が5重量部未満ではキャ
リア発生能が不足し、500重量部を超えるとキャリアが
トラップされ、感度低下、メモリー発生が生じ易い。ま
た、必要により含有せしめるキャリア輸送物質の量は、
バインダー樹脂100重量部当り、20〜200重量部、好まし
くは30〜150重量部の範囲に納まるようにするのがよ
い。
単層構成の感光層の場合、塗布乾燥後の層厚は10〜50μ
mであることが好ましい。層厚が上記範囲より小さいと
帯電能が小さく、耐刷性にも劣る。また層厚が上記範囲
より大きいと、かえって残留電位が上昇すると共に、十
分な輸送能が得がたくなる傾向がある。
感光体表面に設けられる保護層の層厚は0.01〜1μmの
範囲内とするのが好ましい。また、感光層と導電性基体
との間に設けられる下引層(あるいは中間層、バリア
層、接着層等)の層厚は0.01〜2μmの範囲内とするの
が好ましい。
なお、感光体構成層の形成に際しては、ブレード塗布、
スプレー塗布、スパイラル塗布等の塗布方法を併用して
もよい。
以下、本発明の実施例をより具体的に説明するが、本発
明はこれにより限定されるものではない。
〈塗布液の調製〉 まず、以下のようにして、塗布液を調製した。
キャリア発生層形成用塗布液の調製 1,2−ジクロルエタン(関東化学社製)(沸点83.5℃)1
00ml中に、バインダー樹脂としてポリカーボネート(パ
ンライト−L−1250、帝人化成社製)5.0gを溶解した。
また、キャリア発生物質として4,10−ジブロムアンスア
ンスロン10gをボールミル中で24時間粉砕し、これに上
記溶液を加えてボールミルで更に24時間分散し、粘度16
0cpのキャリア発生層形成用塗布液(分散液)を得た。
キャリア輸送層形成用塗布液 1,2−ジクロルエタン(関東化学社製)1000ml中に、バ
インダー樹脂としてポリカーボネート(パンライト−L
−1250、帝人化成社製)100gを溶解し、かつキャリア輸
送物質として1,1−ビス(4−N,N−ジベンジルアミノ−
2−メチルフェニル)ノルマルブタン100gを溶解して、
キャリア輸送層形成用塗布液を調製した。
〈塗布実験1〉 実施例1 第3図の塗布装置を用いて塗布実験を行った。塗布槽2
の直径を120mm・高さを350mmとし、蛇腹状の凸状部3の
直径を85mm・高さを345mmとした。
上記のキャリア発生層形成用塗布液、キャリア輸送層形
成用塗布液をそれぞれ塗布槽内へと収容し、基体ドラム
上にキャリア発生層、キャリア輸送層を順次塗布形成
し、負帯電型の電子写真感光体を連続して100本製造し
た。ただし、基体ドラムとしては80mmφ×300mmのアル
ミニウム製円筒状導電性基体を用いた。
比較例1 第9図に示す塗布槽を用い、実施例1と同様の条件下
に、負帯電使用の感光体を100本連続して製造した。た
だし、塗布槽の直径を120mm・高さを300mmとした。
〈塗布実験1の結果〉 実施例1 キャリア発生層については、塗布液量が最初2l、追加分
0.5lで、計2.5l必要であった。
キャリア輸送層については、塗布液量が最初2l、追加1
で、計3lであった。
感光体100本のうち、良品は90本であり、残りの10本に
は塗布欠陥(異物欠陥)が見られた。
比較例1 キャリア発生層、キャリア輸送層の塗布液量は、共に実
施例と同様であった。
また、感光体100本のうち、良品は82本であり、残りの1
8本には塗布欠陥(異物欠陥)が顕著であった。また、
塗布本数が増加するに従って、欠陥ドラムの本数も増加
した。
以上のように、実施例1の塗布装置によれば、必要な塗
布液量は同程度であるにもかかわらず、塗布液の劣化が
抑えられ、塗布欠陥の発生煩度が著るしく減少し、生産
性が向上していることが明らかである。
〈塗布実験2〉 実施例2 第2図の塗布装置を用いて塗布実験を行った。ただし、
塗布槽底壁に開口7(第3図参照)を設けた。塗布槽2
の直径を240mm・高さを350mmとし、凸状部3の直径を20
5mm・高さを345mmとした。
上記のキャリア発生層形成用塗布液、キャリア輸送層形
成用塗布液をそれぞれ塗布槽内へと収容し、基体ドラム
上にキャリア発生層、キャリア輸送層を順次塗布形成
し、負帯電型の電子写真感光体を連続して100本製造し
た。ただし、基体ドラムとしては200mmφ×300mmのアル
ミニウム製円筒状導電性基体を用いた。
比較例2 第10図に示す塗布槽を用い、実施例と同様の条件下に、
負帯電使用の感光体を100本連続して製造した。ただ
し、塗布槽の直径を240mm・高さを300mmとした。
〈塗布実験2の結果〉 実施例2 キャリア発生層については、塗布液量が最初8.5l(塗布
槽に4.5l、配管に4l)、追加分0.5lで、計9l必要であっ
た。
キャリア輸送層については、塗布液量が最初8.5l(塗布
槽に4.5l、配管に4l)、追加1で、計9.5lであった。
感光体100本のうち、良品は97本であった。
比較例2 キャリア発生層については、塗布液量が最初19.5l(塗
布槽に13.5l、配管に6l)、追加分0.5lで、計20l必要で
あった。
キャリア輸送層については、塗布液量が最初19.5l(塗
布槽に13.5l、配管に6l)、追加1で、計20.5lであっ
た。
感光体100本のうち、良品は96本であった。
〈塗布装置〉 なお、ポンプの容量を20l/min(比較例2)から2l/min
(実施例2)へと小型化できた。また、フィルターの濾
過面積を13,000cm2(比較例2)から1,300cm2(実施例
2)へと小型化できた。
以上のように、実施例の塗布装置によれば、必要な塗布
液量が半分以下に抑えられ、ポンプの容量、フィルター
の濾過面積も小さくできることが明らかである。
以上、本発明を例示したが、本発明の実施例は上記の態
様のものに限られるわけではなく、種々変形が可能であ
る。
例えば塗布槽、被塗布体、凸状部の寸法、形状、位置等
は種々であってよい。
第1図〜第5図の各塗布槽の形態はあくまでも例示であ
り、種々変形が可能である。まず、第4図、第5図にお
ける凸状部13、23、43はいずれもオーバーフロー方式の
塗布装置に使用でき、第5図の塗布装置に開口7(第3
図参照)を設けてもよい。
ヘ.発明の効果 本発明の塗布装置によれば、塗布槽底壁に凸状部が設け
られているので、塗布槽内において凸状部により塗布液
が排除されるため、排除された分だけ少ない液量の塗布
液をもって被塗布体を所定位置まで塗布できる。
また、凸状部が伸縮可能であって、被塗布体を浸漬する
際には前記凸状部が体積収縮するように構成され、かつ
前記被塗布体を引き上げる際には前記凸状部が体積膨張
するように構成されているので、被塗布体の浸漬、引き
上げの全過程を通じ、塗布液中において被塗布体と凸状
部とにより排除されている塗布液の総量はさほど変化し
ない。
従って塗布液の上下動を抑制でき、これにより、塗布槽
側壁における乾固物生成を抑制して異物欠陥の発生煩度
を著るしく減少せしめると共に、塗布液の必要量を減ら
してコストダウンを達成できる。
更に、塗布槽底壁に凸状部が設けられ、かつこの凸状部
が塗布槽底壁に固定されており、凸状部の伸縮によって
上記の作用効果を奏するという構成であるので、塗布装
置の構造が簡略であって、装置の小型化、コストダウン
が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明の実施例を示すものであって、 第1図は塗布装置を示し、同図(a)は塗布液に基体ド
ラムを浸漬する前後の状態を示す断面図、同図(b)は
塗布液に基体ドラムを浸漬した状態を示す断面図、 第2図、第3図はそれぞれ他の塗布装置を示し、第2図
(a)、第3図(a)はそれぞれ塗布液に基体ドラムを
浸漬する前後の状態を示す断面図、第2図(b)、第3
図(b)はそれぞれ塗布液に基体ドラムを浸漬した状態
を示す断面図、第4図、第5図はそれぞれ更に他の塗布
装置を示す断面図 である。 第6図、第7図、第8図はそれぞれ電子写真感光体の一
例を示す断面図である。 第9図、第10図はそれぞれ従来の塗布装置を示す断面図
である。 なお、図面に示す符号において、 1……塗布液 1a、1b、1c……塗布液液面の位置 2……塗布槽 2c……塗布槽底壁 2e……塗布槽側壁上縁部 3、13、23……蛇腹状凸状部 3a、13a、23a……中空部 3b、13b、23b……蛇腹状凸状部外周面 3c、13c、23c……蛇腹状凸状部上面 4……基体ドラム 4a……所定位置 4c……中空部 5……蓋(蓋体) 7……開口(貫通孔) 9……乾固物 l1……凸状部による液面の上昇分の大きさ l2……浸漬に伴なう液面の上下動の大きさ である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗布槽内に収容されている塗布液に被塗布
    体を浸漬し、この被塗布体を引き上げることによって前
    記塗布液を前記被塗布体に塗布する塗布装置であって、
    前記被塗布体の上側開口部内に嵌め込まれ、この被塗布
    体の保持に用いられる蓋と、上端面の径が前記被塗布体
    の径と略等しく、前記塗布槽の底面から立設する蛇腹状
    の凸状部とを具備してなることを特徴とする塗布装置。
JP62286374A 1987-11-11 1987-11-11 塗布装置 Expired - Lifetime JPH0724804B2 (ja)

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