JPH0724587B2 - 酵素を利用した反応方法 - Google Patents

酵素を利用した反応方法

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JPH0724587B2
JPH0724587B2 JP57117825A JP11782582A JPH0724587B2 JP H0724587 B2 JPH0724587 B2 JP H0724587B2 JP 57117825 A JP57117825 A JP 57117825A JP 11782582 A JP11782582 A JP 11782582A JP H0724587 B2 JPH0724587 B2 JP H0724587B2
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    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/04Alpha- or beta- amino acids
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水相および有機溶媒相の2相系で実施する酵素
を利用した反応方法に関するものである。
より詳しくは、基質が酵素の活性を劣化させる反応方法
において、該基質と混和し得るが水と混和しない有機溶
媒の存在下、水相中の該基質濃度を酵素の活性を劣化さ
せない濃度以下、いわゆる阻害濃度以下に保ちながら反
応を実施する方法に関するものである。
酵素を利用する反応方法では酵素にとつて水が最良の反
応媒体であり、通常、反応は水媒体中で実施されてい
る。しかしながら、基質によつては水に対する溶解性が
低いものがあり、必ずしも最良の媒体とはならない。こ
のような基質では酵素を含有する水媒体中(以下、酵素
含有液と言う)での反応に必要な量の基質を確保し、反
応を円滑に進めるためにいくつかの方法がとられてい
る。例えば、有機溶媒、すなわち水および基質と混和す
る溶媒、または水と混和しないが基質と混和する有機溶
媒を用い反応を実施する例も知られている。即ち、特公
昭47−34153号公報では、インドールおよびセリンをア
クロバクテリウム属細菌を利用してL−トリプトフアン
を製造する方法において、反応促進剤としてトルエン、
ブタノール、アルコール、アセトンが用いられること、
また、特開昭47−43287号公報では水に溶解しない基質
であるデカンをデカン酸化酵素の存在下で酸化する際、
水および基質と混和するジメチルホルムアミドを用いる
こと、さらに特公昭56−45593号公報では、基質が酵素
含有液にほとんど不溶である酵素反応において、水と混
和しないが基質とは混和し得る有機溶媒の存在下に反応
を実施する方法を開示している。
これらの方法において、有機溶媒は基質を酵素含有液に
可溶化することをたすけ、反応促進剤として使用されて
いる。特に、後者の方法における有機溶媒の役割りは、
基質を貯蔵する機能、反応生成物を抽出する機能と共に
最も主要な機能として、この方法が水にほとんど溶けな
い基質の酵素反応を対象とするものであるため、基質を
有機溶媒に可溶化し、水相系へ円滑に溶解させ実質上水
中の基質濃度を飽和状態とする機能である。
すなわち、この方法は前期機能により反応を促進するも
ので、水に殆んど溶けない基質の酵素反応を実施するに
は優れた方法と言える。
しかしながら、酵素を利用する反応方法では、基質濃度
が酵素に与える影響も考慮する必要がある。
すなわち、酵素を利用する反応においては、基質の濃度
が反応を進行させる酵素の活性を著しく低下させるもの
もある。例えば、アンスラニル酸を前駆体とし、酵素の
存在下トリプトフアンを製造する場合、水相中のアンス
ラニル酸の濃度が反応に用いる酵素の活性劣化に影響を
及ぼすこと(特開昭57−5694)、またL−セリンとピロ
カテコールよりエルビニア・ヘルビコラを酵素としてL
−DOPAを製造する際、その基質であるピロカテコールが
水溶媒中高濃度に存在すると酵素活性を劣化すること
(Agric.Biol.Clem,37巻、493−499;725〜735,1973)、
さらにインドールとセリンよりトリプトフアンを製造す
るさい、その基質であるインドールが合成酵素であるト
リプトフアン・シンセターゼの活性を劣化させること等
が知られている(U.Behrendt,The First European Cong
ress on Biotechnology,2/186〜2/189,1978)。
したがつて、酵素を利用する反応において、基質が酵素
の活性を劣化させるような場合は、前記のような基質を
水に可溶化しようとする試みに対し、反応を円滑させる
ためには基質が酵素含有液に十分に溶解する場合であつ
ても、水中での基質濃度を活性の劣化が生じる濃度(以
下、阻害濃度と言う)範囲以外に低く抑えて反応を実施
する必要がある。このため、この種の反応の工業化にあ
たつては、水中での基質濃度を阻害濃度以下に保つよ
う、反応中基質濃度を連続的に分析する必要があるの
で、連続分析計の開発が必要となり、また基質を連続的
に装入するため、連続分析計と直結した原料装入装置が
必要となるなど、装置ならびに反応操作が煩雑になるこ
とが避けられなかつた。勿論、この種の反応では反応に
使用する酵素の使用量を大過剰にし、基質が水に混和す
る速度より反応で消費される速度の方を大きくすれば実
質上は基質の阻害濃度以下で反応できることは言うまで
もないが、実際的にこの様な反応方法は反応に使用する
酵素の使用量が極めて大量となり工業的には意味がな
い。
本発明者らは基質が酵素の活性を劣化させる、酵素を利
用する反応において、上記の問題点を解消するような反
応方法について鋭意検討した。その結果基質と混和する
水と混和しない有機溶媒を用い水溶液との2相系とし、
酵素含有溶液での基質濃度を実質的に阻害濃度以下に低
く抑えながら基質の酵素的転化を高収率で実施する本発
明の方法を見出した。
すなわち、本発明は、少なくとも1種の基質が酵素の活
性を劣化させる反応方法において、水と混和しないが基
質と混和しうる有機溶媒を、水相中の基質濃度が実質的
に酵素の活性阻害濃度以下になるように添加して反応す
ることを特徴とする酵素を利用した反応方法である。
本発明の方法によれば、基質を溶解した有機溶媒相と水
相との2相間における基質の分配比から水相系での基質
の濃度を所望の一定濃度以下に抑えることができる。
すなわち、基質による酵素活性の低下が認められる反応
では、水相系での基質濃度を常に低くおさえる必要があ
り、そのため酵素を含有する反応系に基質を継続的にま
たは断続的に何らかの方法で少量づつ添加する方法がと
られる。このような方法では基質を反応系へ添加する場
合、酵素含有液中の基質濃度を低く保つように行なう煩
雑な操作と装置が必要とされ問題である。
しかし、本発明の方法では、基質と混和し水と混和しな
い有機溶媒を酵素含有液に添加することにより、酵素の
活性を低下させる基質を有機溶媒相にほとんど溶解さ
せ、有機溶媒相と水相間の基質の分配比より水相中の基
質濃度を実質的に阻害濃度以下に抑える。この際、反応
生成物が有機溶媒相、あるいは酵素含有相のいづれの相
に溶解または析出しても問題ない。
また、本発明の方法によれば、反応の進行と共に消費さ
れていく酵素含有液相中の基質は2相間の分配比にした
がい連続的にかつ所望のある一定濃度以下で供給され
る。なお、基質を溶解した有機溶媒は、水相中の基質濃
度が阻号濃度以下に抑えることができれば、一括して添
加しても、間欠的に添加しても、また連続的に添加して
もよい。撹拌等の操作により有機相と水相との接触面積
を変化させて、基質の移動速度を変化させることができ
る。
本発明の方法に適用される酵素は一種または二種以上併
用していても良い。これらの酵素は少くとも一種が基質
により活性の劣化を示すものである。
また、本発明に用いられる酵素類は、必ずしも純粋であ
る必要はなく、通常、それぞれの酵素の生産菌の培養液
から遠心分離などの方法により採取した生菌体、その凍
結菌体、または乾燥菌体でもよく、これらの菌体を磨
砕、自己消化、超音波処理などの処理により得られた菌
体処理物、さらにはこれらの菌体からの抽出物ならびに
該抽出物より得られる酵素等の粗製物が用いられる。
本発明の方法は反応系に反応媒体、基質、酵素及びその
他必要な物の混合して反応を実施し、酵素の活性を低く
させることなく、より好ましい工業的な反応装置と反応
操作より良好な成績で目的物を取得することができる。
本発明の方法に使用される有機溶媒は基質と混和し、水
と混和しないものであれば良いが、実際上は反応に使用
する酵素に応じ、反応条件下で、溶媒自身が酵素の活性
劣化を起さないものを選ぶ必要がある。
さらに有機溶媒は基質および酵素に適合したものを選択
し、その使用量を決定する。すなわち、反応に使用され
る酵素および該酵素の活性を劣化させる基質から反応条
件下における酵素含有液中の基質の阻害濃度を測定す
る。
次に酵素含有液と有機溶媒との2相間における基質の分
配比を求め、先きに測定した酵素含有液中での基質によ
る阻害濃度以下になるような有機溶媒中の基質濃度を設
定する。
このようにして反応に供する有機溶媒中の基質濃度が決
まれば、反応液中の目標反応生成物蓄積濃度に応じたそ
れぞれの基質使用量から酵素含有液の使用量および有機
溶媒使用量を決めることができる。
したがつて、酵素含有液中での基質濃度を阻害濃度以下
に抑えることのできるものであれば、有機溶媒の選択、
およびその使用量の決定は自由に行なうことができる。
次に本発明の方法をインドールとLまたはDL−セリンを
基質とするL−トリプトフアンの製造により説明する。
従来、インドールとL−セリンよりトリプトフアン・シ
ンセターゼを用いるL−トリプトフアンの製造法では、
インドールがトリプトフアン・シンセターゼの活性を劣
化させる基質であるため、水中のインドール濃度を低く
抑えて反応を実施せねばならない。そのため、非イオン
性界面活性剤を用いるか、あるいは吸着樹脂を用いる方
法もある(Behrendt,The First European Congress on
Biotechnology,2/186〜2/189,1978)。
この方法ではインドールが界面活性剤により水相中でミ
セル状態となつており、本発明の方法である実質的に2
相間で実施される反応とは異つている。しかも反応に非
イオン性界面活性剤を用いているので、反応終了後反応
生成物との分離が困難で工業的な製造法とは言い難い。
また、吸着樹脂を用いる方法では樹脂によつては吸着さ
れたインドールが完全に溶離してこなかかつたり、ある
いは反応生成物が吸着される恐れがあり工業的に問題が
ある。
しかしながら、本発明の方法によりインドールを有機溶
媒に溶解しておき、セリンおよび酵素を含んだ水溶液に
加え2相の状態で反応を実施すれば、水相に溶解するイ
ンドールを低い濃度に保つことができ、しかも反応の進
行と共に消費されたインドールは有機溶媒相から自動的
に補給され反応は円滑に進行する。
この方法において、エシエリヒア・コリ変異株を含有す
る液において、インドールの阻害濃度はおよそ800ppmで
ある。
従つて、インドールを水相中、この濃度以下に分配する
有機溶媒、例えば、トルエン、クロルベンゼン、クエン
酸エチル、メチルイソブチルケトン、アニソールなどを
選択して使用することができる。
例えば、トルエンを選択した場合、20wt%濃度のインド
ール溶液を使用すれば、インドールはエシエリヒア・コ
リ変異株を含有する液中に720ppm以下で溶解し、前記の
阻害濃度以下で反応を実施することができる。
同様に、他の溶媒では、つぎのようなインドール濃度に
すれば反応条件下酵素含有液中のインドール濃度を800p
pm以下にすることができる。すなわち、クエン酸エチル
では40wt%、メチルイソブチルケトンでは50wt%、アニ
ソールでは30wt%およびモノクロベンゼンでは20wt%で
ある。
本発明の方法でL−トリプトフアン要求性エシエリヒア
・コリのトリプトフアナーゼ欠損変異株を用い炭素およ
び窒素源ならびに無機塩を含有する培地を用いてL−ト
リプトフアンの酵素的な製造を実施するには、まず好気
性の条件下28〜40℃、pH6〜8の条件でエシエリヒア・
コリ変異株を培養し、菌体をその培養液のまままたは培
地から分離してピリドキザールリン酸塩およびL−セリ
ン、無機物を溶解した溶液に懸濁させる。pH7.5〜9.5好
ましくはpH8〜9の条件下水と混和しないがインドール
と混和する有機溶媒に溶解したインドール溶液を一括、
あるいは連続的に加え20〜40℃の範囲で反応を行いL−
トリプトフアンを生成せしめる。
この際用いられる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン、アセトフエノン
等の芳香族炭化水素およびその誘導体、炭素数6以上の
脂肪族エステル類、例えばn−ブチルアセテート、イソ
アミルアセテート、エチルブチレート、イソブチルアセ
テート等、炭素数6以上の脂肪族ケトン類、例えばメチ
ルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソプロ
ピルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジ−n−プロ
ピルケトン等、クエン酸エステル類、例えばアセチルト
リエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、
トリエチルシトレート、トリブチルシトレート等そのほ
か酒石酒エステル類、リンゴ酸エステル類が使用され
る。エーテル類としてアニソール等も使用される。
この際、有機溶媒の使用量は反応条件下での酵素含有液
相と有機溶媒相との間のインドール分配比と、インドー
ル使用量により決まるため、各種有機溶媒によりその使
用量は異なるが、通常は酵素含有液相中のインドール濃
度が800ppm以下、工業的に好ましくは750ppm以下になる
ように決めれば良い。
この際、反応生成物であるL−トリプトフアンは酵素含
有液中に結晶として析出してくるが、この反応条件下で
は、反応の進行に何ら影響を与えない。
この製造法において、基質にDL−セリンを用いても何ら
差しつかえない。すなわち、この際はセリンラセマーゼ
としてシユードモナス・プテイーダ(MT−10182)の培
養菌体、またはシユードモナス・プンクタータ(MT−10
243)の培養菌体を用いることにより有機溶媒による活
性劣化を受けることなくL−トリプトフアンを高収率で
得ることができる。この化学的に合成されたDL−セリン
とインドールを2種の酵素の存在下、さらに工業的に生
産されている有機溶媒との2相系で何ら問題もなくL−
トリプトフアンを製造しうることは工業的に極めて重要
なことである。
以下、本発明の方法を実施例により更に詳しく説明す
る。
実施例1 撹拌機を備えた300mlフラスコにL−セリン9.27g、硫酸
アンモニウム3g、ピリドキザールリン酸10mg、水82.5g
を加え良くかきまぜる。濃アンモニア水でpH8.5に調整
し、35℃に昇温したのち、トリプトフアンシンセターゼ
を含有するエシエリヒア・コリ(MT−10242)培養菌体
の湿潤塊3gを加え、続いてインドール6.89gを溶解し
たアセチルトリブチルシトレート溶液68.9gを加える。4
8時間反応させたのち、反応液を5%苛性ソーダ水溶液
で全容が300mlになるように加え生成したL−トリプト
フアンを完全に溶解する。分液漏斗で水相と有機相とを
分液し水相の一部を遠心分離機にて遠心分離し、菌体を
沈降させる。上澄の清澄液を採取し、液体クロマトグラ
フイーによりL−トリプトフアンの濃度を分析し、生成
量を求めた。反応収率は96.5mol%対インドールであつ
た。
また、有機溶媒の使用量を変え、水相中のインドール分
配比を変えて、その時のL−トリプトフアンの生成収率
を求めた。結果を表−1に示す。
なお、有機溶媒を添加することなく、反応を実施したと
ころ、微生物含有液相中のインドール濃度は3000ppm
で、この時のL−トリプトフアン収率は47mol%であつ
た。この実験事実からも水と混和しない有機溶媒を添加
し、微生物含有液相中のインドール濃度を低くおさえる
効果がL−トリプトフアンの製造にとり極めて重要な事
であるかがわかる。すなわち、水溶媒のみで反応させる
と、この反応条件下での水相中のインドール濃度が3000
ppmであり、その時のL−トリプトフアンの収率が47mol
%対インドールであるにもかかわらず、有機溶媒とし
て、クエン酸ブチルを加え水相中のインドール濃度を79
0ppmにおさえることにより、L−トリプトフアンの収率
は95mol%対インドールと著しく向上している。なお、
水相中のインドール濃度を1070ppmと、800ppm以上にし
たところ、L−トリプトフアンの収率は、800ppm以下に
くらべ約10%も低下していることがわかる。
実施例2 トリプトフアン・シンセターゼを含有するエシエリヒヤ
・コリ(MT−10242)湿潤塊6.8g(固形分1.7g)およ
びセリンラセマーゼを含有するシユードモナス・プチー
ダ(MT−10182)湿潤塊3.4g(固形分0.85g)を水に懸
濁させ全体の体積を20mlとする。
次ぎにDL−セリン11.3g、硫酸アンモニウム6.0g、ピリ
ドキザールリン酸10mgおよび水66gを入れた300mlフラス
コを濃アンモニア水でpH8.5に調整し、先きに調整した
菌体懸濁液を入れる。
35゜に保温したのち、インドール11.5gを溶解したトル
エン溶液57.2gを加え35℃、48時間反応させた。この反
応開始時の水相中のインドール濃度は720ppmであつた。
実施例1と同様な操作で反応生成物を分析したところ、
L−トリプトフアンが対インドール89.3mol%で得られ
ていた。
なお、水相中のインドール濃度の影響をみるため、トル
エン使用量を変えてその時のL−トリプトフアン収率を
しらべた。反応条件は前述と同じ条件で実施した。結果
を表2に示す。
この結果からも水相中でのインドールによる阻害濃度が
800ppm付近にあることがわかる。すなわち、720ppm以下
のインドール濃度で反応を開始すればL−トリプトフア
ンの収率は約90mol%で得られるが、920ppmでは82mol%
と低下していることがわかる。
実施例3 実施例2と同様な操作でDL−セリンと、インドールをエ
シエリヒヤ・コリ(MT−10232)培養菌体およびシユー
ドモナス・プンクタータ(MT−10243)培養菌体の存在
下反応させた。
このさい、有機溶媒として、メチルイソブチルケトンを
用い、反応開始時の水相中のインドール濃度が760ppmに
なる様にして反応を実施した。
35℃、48時間後のL−トリプトフアンの反応収率は98.6
mol%対インドールであつた。
なお、水相中のインドール濃度の影響をみるため、メチ
ルイソブチルケトンの使用量を変え、その時のL−トリ
プトフアンの収率をしらべた。結果を表−3に示す。
このように、水相中のインドール濃度をメチルイソブチ
ルケトンを用いることにより800ppm以下におさえればL
−トリプトフアンが99mol%以上の収率で得られる。
実施例4 実施例2と同様にしてDL−セリンとインドールをエツシ
エルヒヤ・コリ(MT−10242)およびシユードモナス・
プテイーダ(MT−10182)の存在下反応させた。インド
ール溶媒として、アニソールを用い水相中のインドール
濃度が300ppm以下で反応した。
35℃、48時間後のL−トリプトフアンの収率は対インド
ール95mol%であつた。
実施例5 200ml反応槽に、DL−セリン20g、酢酸アンモン1.0g亜硫
酸ナトリウム0.2g、DETA0.1gおよびErwinia herbi cola
(ATCC 21434)培養液を加える。
培養液はErwinia herbicola菌株をL−チロシン 0.2
%、K2HPO4 0.2%、MgSO4 7H2O 0.1%、FeSO4 7H2O
2ppm、ピリドキシンHCl0.01%、グリセリン0.6%、コハ
ク酸0.5%、DL−メチオニン 0.1%、DL−アラニン 0.
2%、グリシン0.05%、L−フエニルアラニン 0.1%、
大豆蛋白加水分解物12ml中28℃で28時間通気培養したも
のを用いた。
次ぎにピロカテコール0.7gを含むトルエン溶液を加え水
中でのピロカテコール濃度が3000ppm以下になる様にコ
ントロールし、37℃でpH8で48時間反応を行つた。L−D
OPAの蓄積量は、30g/であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:38) 審判の合議体 審判長 鐘尾 宏紀 審判官 広田 雅紀 審判官 大高 とし子 (56)参考文献 特開 昭49−108286(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種の基質が酵素の活性を劣化
    させる反応方法において、水と混和しないが基質と混和
    しうる有機溶媒を、水相中の基質濃度が実質的に酵素の
    活性阻害濃度以下になるように添加して反応することを
    特徴とする酵素を利用した反応方法。
JP57117825A 1982-07-08 1982-07-08 酵素を利用した反応方法 Expired - Lifetime JPH0724587B2 (ja)

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JP57117825A JPH0724587B2 (ja) 1982-07-08 1982-07-08 酵素を利用した反応方法
GB08333899A GB2151634B (en) 1982-07-08 1983-12-20 Enzyme reaction method for producing l-tryptophan
CA000443995A CA1207689A (en) 1982-07-08 1983-12-22 Enzyme reaction
AU22801/83A AU564178B2 (en) 1982-07-08 1983-12-22 Improvement in enzyme reactions to prevent enzyme activity being degraded
CH696983A CH659824A5 (de) 1982-07-08 1983-12-29 Verfahren zur verhinderung der herabsetzung der aktivitaet eines enzyms in einer enzymreaktion in waessriger phase.
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FR8321118A FR2557590B1 (fr) 1982-07-08 1983-12-30 Procede pour eviter la degradation de l'activite d'une enzyme par un substrat en phase aqueuse

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