JPH07241909A - 合成皮革原版作製システム及び合成皮革原版作製方法 - Google Patents

合成皮革原版作製システム及び合成皮革原版作製方法

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JPH07241909A
JPH07241909A JP6450094A JP6450094A JPH07241909A JP H07241909 A JPH07241909 A JP H07241909A JP 6450094 A JP6450094 A JP 6450094A JP 6450094 A JP6450094 A JP 6450094A JP H07241909 A JPH07241909 A JP H07241909A
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leather
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JP6450094A
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English (en)
Inventor
Shigeru Okuno
茂 奥野
Masahisa Yamaguchi
正久 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 元の皮革の表面の模様を正確に転写すること
ができ、また必要に応じて当該模様を容易に修正するこ
とができ、さらに原版の作製や管理が容易になる合成皮
革原版作製システムを提供することを目的とする。 【構成】 合成皮革の表面に付する表面形状データを受
け付ける表面形状データ入力部21と、データ入力部2
1にて受け付けた表面形状データに対して種々の処理を
施すデータ処理部23と、データ処理を施された表面形
状データをエンボス版作製装置30に送る表面形状デー
タ出力部25とを備えたデータ処理装置20を備える。 【効果】 元の皮革の表面の模様を正確に転写すること
ができ、また必要に応じて当該模様を容易に修正するこ
とができ、さらに原版の作製や管理を容易に行なうこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成皮革の表面にエン
ボス加工により模様や凹凸を成型するための原版を作製
する合成皮革原版作製システムに関し、特に原版の表面
形状をデジタルデータに変換して管理する合成皮革原版
作製システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ウレタンを圧縮成型して合成皮
革を作製する場合、外観や手触りを本物の皮革に近づけ
るため、エンボス加工することにより表面に模様や凹凸
を付けることが行なわれている。
【0003】従来、この種のエンボス加工は、図5に示
すように、次のような工程を経て行なわれる。まず、皮
革表面にシリコンを固着させ皮革の表面の模様をシリコ
ンの表面に写し取る(a)。そして、シリコン表面上に
メッキを施して型をとる(b)。これによって、表面に
皮革と同じ模様を成型した金属の原版(合成皮革原版)
を作製することができる。
【0004】次に、以上のようにして作製した原版の模
様を離型紙に転写し(c)、かかる模様を転写した離型
紙上にウレタンを流し込んで固化させる(d)。これに
よって、ウレタンにて形成された合成皮革の表面には、
原版と同じ模様、すなわち元の皮革と同じ模様が形成さ
れることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のエンボス加工における合成皮革原版の作製手段は、
離型紙やウレタンに模様を転写する際、熱収縮等により
離型紙やウレタンが変形してしまい、模様を完全に転写
することができない。このため、浅い凹凸などは消えて
しまうという欠点があった。
【0006】また、元の皮革にうねりや表面の傷といっ
た欠陥があった場合、そのまま転写してしまい、修正す
ることができないという欠点があった。
【0007】また、原版を作製するのに時間がかかる
(一般に数ヶ月)という欠点があった。さらに、原版の
作製のたびに新たに皮革表面の模様をシリコンに転写し
て型をとらなければならず、時間がかかり、作業が煩雑
であるという欠点があった。
【0008】また、模様を保管するために原稿(元の皮
革)やサンプル製品(合成皮革)等を保管しておかなけ
ればならず、製品管理が煩雑であるという欠点があっ
た。
【0009】本発明は、上記従来の欠点を解消し、元の
皮革の表面の模様を正確に転写することができ、また必
要に応じて当該模様を容易に修正することができ、さら
に原版の作製や管理が容易になる合成皮革原版作製シス
テムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の合成皮革作製システムは、合成皮革の表面
に付する表面形状を表すデジタルデータ(表面形状デー
タ)を受け付ける表面形状データ入力部と、前記データ
入力部にて受け付けた表面形状データに対して種々の処
理を施すデータ処理部と、前記データ処理部にてデータ
処理を施された表面形状データを出力する表面形状デー
タ出力部とを備えてなるデータ処理装置を備える構成と
している。
【0011】上記目的を達成する他の合成皮革作製シス
テムでは、前記データ処理装置に加え、さらに、皮革の
表面形状を読み取って表面形状データに変換して入力す
るための入力装置と、データ処理装置によって処理され
た表面形状データに基づいて合成皮革のエンボス加工に
用いる原版を作製するエンボス版作製装置とを備える構
成としている。
【0012】また、他の態様では、前記各合成皮革原版
作製システムにおいて、前記データ処理部が、前記表面
形状データのうち皮革の表面の欠陥に対応する部分を修
正する欠陥処理部と、前記表面形状データに対して任意
の変更処理を行なうデータ変換部とを備えてなり、前記
欠陥処理部が、前記表面形状データのうち、皮革のうね
りに対応する部分を消去するうねり消去手段と、皮革表
面の傷に対応する部分を消去する傷消去手段と、一定の
模様が一定の間隔で繰り返すように修正するくり返し処
理手段とを備え、前記データ変換部が、前記表面形状デ
ータによって示される模様の階調を変更する階調変更手
段と、模様の凹凸が強調されるようにデータを変更する
模様強調手段と、複数の表面形状データを合成する多面
付け処理手段とを備える構成としている。
【0013】上記目的を達成する本発明の合成皮革原版
の作製方法は、皮革の表面形状を読み取って表面形状デ
ータに変換して入力するステップと、前記ステップにて
入力した表面形状のデータ(表面形状データ)に対して
種々の処理を施すステップと、前記ステップにて処理さ
れた表面形状データに基づいて、合成皮革原版を作製す
るステップとからなる構成としている。
【0014】また、他の態様では、前記表面形状データ
を作製するステップが、皮革の表面形状を読み取ってデ
ジタルデータに変換する処理からなる構成としている。
【0015】また、他の態様では、前記合成皮革原版を
作製するステップが、エッチングにより合成皮革原版を
作製し、かつ表面形状データが示す凹凸の状態に応じて
多段階のエッチングを施す構成としている。
【0016】
【作 用】本発明は、合成皮革の表面に付する模様等の
表面形状をデジタルデータとして管理するため、データ
処理を行なうことにより表面形状の修正や新しい模様の
作製を行なうことができる。また、データを磁気メディ
ア等により一元的に管理することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の一実施例に係る合成皮革
原版作製システムの構成を示すブロック図である。
【0018】図示のように、本実施例の合成皮革原版作
製システムは、皮革の表面形状を読み取って表面形状デ
ータに変換して入力するための入力装置10と、入力装
置10で入力した表面形状データに対して種々の処理を
施すデータ処理装置20と、データ処理装置20によっ
て処理された表面形状データに基づいて合成皮革のエン
ボス加工に用いる原版を作製するエンボス版作製装置3
0とを備えてなる。
【0019】入力装置10は、皮革の表面上の凹凸の状
態を読取り、デジタルデータに変換することができるも
のであれば何でも良い。例えば、物体の表面を針で走査
し、その物体の表面粗さ形状を立体的に解析する三次元
表面粗さ形状測定装置を用いることができる。皮革の表
面形状は、通常、1〜100μm程度の間隔で変化し、
かつ同程度の深さを有する。したがって、入力装置10
として、1〜100μm程度の形状計測に適する三次元
表面粗さ形状測定装置を用いるのは、有効である。
【0020】この他、入力装置10としては、光学的手
段または電子工学的手段によって物体の表面の凹凸の状
態を測定することができるレーザー顕微鏡や電子顕微鏡
を用いることができる。
【0021】データ処理装置20は、図1に示すよう
に、入力装置10にて入力した皮革の表面形状データを
受け付ける表面形状データ入力部21と、データ入力部
21にて受け付けた表面形状データのフォーマットを所
定の形式に変換するデータフォーマット変換部22と、
フォーマット変換された表面形状データに対して種々の
処理を施すデータ処理部23と、データ処理を施された
表面形状データのフォーマットを所定の形式に変換する
データフォーマット変換部24と、フォーマット変換さ
れた表面形状データをエンボス版作製装置30に送る表
面形状データ出力部25とを備える。
【0022】表面形状データ入力部21は、入力装置1
0に接続し、入力装置10から送られた表面形状データ
を受け付けてデータフォーマット変換部22に送る。
【0023】データフォーマット変換部22は、表面形
状データ入力部21から送られた表面形状データにおけ
る点を画素データに変換する。かかる変換は、データ処
理部23によるデータ処理及び表面形状のディスプレー
装置への表示の便宜のために行なうものである。したが
って、データフォーマット変換部22は、必ずしも必須
の構成要件ではなく、表面形状データ入力部21から送
られた表面形状データをデータ処理部23で直接処理す
るようにしてもよい。
【0024】ここで、表面形状データに基づく皮革の表
面形状の表示は、例えば、測定位置とその位置での高さ
(模様の深度)とをパラメータとする表面形状データに
対して、測定位置を画素の位置に対応させ、高さをその
点の濃度(8ビット表示では256階調で表現すること
ができる)に変換して画素データを生成し、この画素デ
ータにしたがってディスプレー装置に画像を表示するこ
とによって実現される。
【0025】データ処理部23は、図示のように、表面
形状データのうち皮革の表面の欠陥に対応する部分を修
正する欠陥処理部40と、表面形状データに対して任意
の変更処理を行なうデータ変換部50とを備えてなる。
【0026】欠陥処理部40は、その機能として、表面
形状データのうち、皮革のうねり(大きな曲がり)に対
応する部分を消去するうねり消去手段41と、皮革表面
の傷に対応する部分を消去する傷消去手段42と、一定
の模様が一定の間隔で繰り返すように修正するくり返し
処理手段43とを備える。これによって、製品に不適当
なうねりや傷を消去したり、ロール版のような大きな製
品を作製する場合に模様を一定の模様が一定の間隔で繰
り返すようにエンドレス化するといった修正を行なうこ
とができる。
【0027】ここで、欠陥処理部40の機能について、
さらに詳細に説明する。うねり消去手段41は、フーリ
エ変換を利用して表面形状データからうねりに相当する
数値を除去する。すなわち、表面形状データにおいて任
意の位置の高さのデータには皮革表面の模様による値と
皮革のうねりによる値とが含まれている。そして、この
高さデータの値は、皮革の表面形状における形状的特徴
を反映して、皮革表面の模様によって細かく変化し、皮
革のうねりによってゆるやかに変化している。したがっ
て、表面形状データをフーリエ変換すれば、模様は短波
長の三角関数で表現され、うねりは長波長の三角関数で
表現されることとなる。そこで、フーリエ変換後のデー
タから長波長成分を除去し、逆フーリエ変換することに
よってうねりを消去した表面形状データを得ることがで
きる。なお、このデータ処理においては高速フーリエ変
換(FFT)を利用することができる。
【0028】傷消去手段42は、表面形状データの傷に
対応する位置の高さデータ(画素データの濃度)を変更
することで表面形状から傷を消去する。この場合、小さ
い傷については、該当箇所の高さデータの数値を個別に
変更する。また大きい傷については、該当箇所の他の傷
のない箇所の表面形状データをコピーし、コピーした表
面形状データと元の表面形状データとの境界の模様が不
連続な箇所を、上述した小さい傷の場合と同様に個別に
修正する。なお、この不連続な箇所の修正手段として
は、後述のくり返し処理手段43と同様に、フーリエ変
換を利用することもできる。
【0029】くり返し処理手段43は、表面形状データ
のうち特定のパターンを示す部分をコピーしてくり返
す。パターン同士の境界の模様が不連続な箇所の修正に
はフーリエ変換を利用することができる。すなわち、く
り返しパターンの境界線から両側に小さめに幅Lの領域
を特定し、当該領域の模様と近似的に一致しかつ連続な
模様(目標模様)を作成するため、目標模様のフーリエ
係数に対する方程式を立てる。そして、当該領域の模様
の一致性と連続性を条件に方程式を解き、その結果を逆
フーリエ変換して目標模様の表面形状データを生成す
る。
【0030】データ変換部50は、その機能として、表
面形状データによって示される模様の階調を変更する階
調変更手段51と、模様の凹凸が強調されるようにデー
タを変更する模様強調手段52と、複数の表面形状デー
タを合成する多面図付け処理手段53とを備える。これ
によって、模様を離型紙や合成皮革に転写する際に熱収
縮によって変形する分を考慮した修正を行なうことがで
きる。例えば、凹凸によって形成される模様の、縁部
(エッジ)の変形を皮革から読み取った形状よりも急激
にして縁を強調するといった修正を行なうことにより、
離型紙や合成皮革に転写した際に元の皮革と同程度の凹
凸とすることができる。また、複数の表面形状データを
合成して新たな模様を作製したりすることができる。
【0031】ここで、データ変換部50の機能につい
て、さらに詳細に説明する。階調変更手段51は、主と
して、皮革表面の模様の深度が浅く、模様の底部をより
深くしたい場合に用いる。この場合、表面形状データの
高さデータに相当する画像データの濃度の値の全域をブ
ロック化し、当該ブロックの一部の範囲を広げることに
よって画像データの濃度の階調を変更する。このとき、
例えば8ビット表示の場合には全濃度数が256階調と
なっているため、本処理を行なう前の段階では256階
調を全て使わずに画像データの濃度を設定する必要があ
る。
【0032】模様強調手段52は、皮革表面の模様の鮮
明度を向上させる場合に用いる。この場合、模様の鮮明
度を向上させようとする部分に対応する表面形状データ
をラプラシアンフィルタにてデータ処理を行なう。すな
わち、この部分の表面形状データの変化状態を示す関数
に当該関数の2階微分を加算することによって、表面形
状データの変化状態が一層強調され、模様が鮮明にな
る。
【0033】多面付け処理手段53は、合成しようとす
るいくつかの表面形状データのパターンを所定の規則で
繰り返してコピーすることにより処理を行なう。パター
ン同士の境界の模様が不連続な箇所の修正には、くり返
し処理手段43と同様にフーリエ変換を利用することが
できる。
【0034】データフォーマット変換部24は、データ
処理部23で処理された表面形状データを画素データか
ら所定のデータフォーマットに変換する。かかる変換
は、データ処理部23によるデータ処理及び表面形状の
ディスプレー装置への表示の便宜のために画素データに
変換された表面形状データを、エンボス版作製装置30
で使用できるデータフォーマットや、プリントアウトし
て見本を作製するためのプリンタで使用できるデータフ
ォーマットに変換するものである。したがって、データ
フォーマット変換部24は、データフォーマット変換部
22と同様に、必ずしも必須の構成要件ではない。
【0035】表面形状データ出力部25は、エンボス版
作製装置30に接続し、データ処理部23で処理された
表面形状データをエンボス版作製装置30に送る。
【0036】エンボス版作製装置30は、データ処理装
置20から受け取った表面形状データに基づいて合成皮
革のエンボス加工用の原版を作製できるものであれば何
でも良い。例えば、エッチングにより原版を作製した
り、表面形状データにしたがってレーザや機械的手段に
より彫刻を行なう彫刻装置を利用したりすることができ
る。エッチングにより原版を作製する場合、写真蝕刻法
を用いて、表面形状データから得られたポジフィルムま
たはネガフィルムによりレジストを階調に応じて焼き付
け、エッチングを行なうことができる。
【0037】また、表面形状に応じて多段階のエッチン
グ用のフィルム(ベタ)を作製してエッチングすること
ができる。この場合、表面形状データによって表される
表面形状が図4(a)のような形状である場合では、一
段階のエッチング(図4(b)参照)に比べて、よりデ
ータに忠実な形状を作製することができる(図4(c)
参照)。このような多段階のエッチングは、特に表面形
状の凹部の幅が狭く、かつ深さが深い形状の場合に有効
である。
【0038】この他、エンボス版作製装置30として
は、放電加工により原版を作製する装置や、感光性樹脂
を用いて原版を作製する装置等、種々の装置を用いるこ
とができる。
【0039】次に、上述した本実施例の動作を図2のフ
ローチャートに示す。本実施例の合成皮革原版作製シス
テムでは、まず、入力装置10が皮革の表面形状を読み
取って、これをデジタルデータに変換して表面形状デー
タを作製する(ステップ201)。
【0040】次に、データ処理装置20が、受け取った
表面形状データに対して必要なデータフォーマットの変
換を行ない(ステップ202)、欠陥の修正(ステップ
203)やデータの変換(ステップ203)といったデ
ータ処理を行なう。そして、データ処理の施された表面
形状データを、エンボス版作製装置30で使用するフォ
ーマットを含む所定のデータフォーマットに変換する
(ステップ204)。
【0041】この後、エンボス版作製装置30が、受け
取った表面形状データに基づいてエンボス加工用の原版
を作製する。
【0042】以上のようにして原版を作製する工程の概
略を図3に示す。図示のように、皮革の表面形状を計測
した後(a)、当該表面形状をデジタルデータ化し
(b)、階調変更や縁部の強調等の処理を行なって
(c)、エッチングまたは機械彫刻により原版を作製す
る(d)。
【0043】次に、本実施例による合成皮革原版の具体
的な作製例を、従来のシリコンで型を取ってメッキによ
って原版をした場合と比較して説明する。本作製例では
表面の模様のサンプルとして49mm×93mmの牛皮
を用い、原版を作製する。また、入力装置10として三
次元表面粗さ形状測定装置を用いて上記サンプルの表面
形状データを入力する。
【0044】ここで、入力装置10である表面粗さ形状
測定装置は、サンプルを、長さ49mmの側辺の方向を
y方向、長さ93mmの側辺の方向をx方向として、y
方向を980本の線(間隔50μm)に分割し、各線上
でx方向に2048個の点(間隔45.41μm)につ
いて高さ(深さ)を測定する。このようにすると、測定
点は約200万個となり、データ容量は約2MBとな
る。この表面形状データを画像データに変換すると、全
画素数は約200万ピクセル、データ容量は約2MBと
なる。
【0045】かかる画像データにしたがってディスプレ
ー装置に表示された画像により、うねりや傷がないか調
べ、また模様を強調する必要がないか判断する。そし
て、うねりや傷の消去、模様の強調といった処理を必要
とするときは所定のデータ処理を行なう。
【0046】必要に応じてデータ処理を行なった後、表
面形状データ(画像データ)にしたがって、コンベンシ
ョナルグラビア法によってエンボス版を作製する。すな
わち、表面形状データから製版用フィルム作製装置を用
いてエッチング用の連続調ポジフィルムを作成し、カー
ボンチッシュ上での焼き付けを行なう。そして、これを
銅板上に転写して現像し、銅板を腐蝕させた後にクロム
メッキを施す。
【0047】以上のようにして作製した原版及び従来の
方法で作製した原版の両方を用いて、同じ加熱及び加圧
条件で離型紙のエンボス加工を行なう。本作製例では、
紙(125g/m2)にポリプロピレンを30μmの厚
さでコートした離型紙(125g/m2/pp30μ
m)に、温度116℃、圧力120kg/cm2、プレ
ス時間10秒という条件で熱と圧力を加える。
【0048】次に、このようにして作製した離型紙を用
いて合成皮革を作製する。本作製例では、離型紙のポリ
プロピレン側にロールコートでウレタンを60g/m2
の条件でコートし、ウレタン側に基布を装着後、温度1
20℃、時間3分という条件で焼く。そして、離型紙を
ウレタン面からはがして合成皮革が作製される。
【0049】以上のようにして作製した離型紙及び合成
皮革について、表面粗さ計を用いて表面形状を計測して
比較した。計測条件としては、本実施例で作製した原版
を用いて加工した離型紙及び合成皮革と従来の方法で作
製した原版を用いて加工した離型紙及び合成皮革のそれ
ぞれについて、同じ位置で走査距離25mmで計測し、
平均粗さと十点平均粗さにて表面形状を評価した。な
お、同様の条件でサンプルの皮革を計測した値は、平均
粗さが2.1μm、十点平均粗さが14.2μmであっ
た。
【0050】かかる計測の結果、平均粗さでは、従来の
方法で作製した原版を用いて加工した離型紙が1.6μ
m、合成皮革が1.4μm、本実施例で作製した原版を
用いて加工した離型紙が2.4μm、合成皮革が1.5
μmであった。また、十点平均粗さでは、従来の方法で
作製した原版を用いて加工した離型紙が10.4μm、
合成皮革が9.1μm、本実施例で作製した原版を用い
て加工した離型紙が15.7μm、合成皮革が10.5
μmであった。以上の結果からわかるように、本実施例
は、従来品に比べ、より本皮に近い合成皮革を作製する
ことが可能である。
【0051】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、本実施例では、入力装置10によっ
て皮革の表面形状を読取り、これをデジタルデータに変
換することによって表面形状データを作製したが、入力
装置10としてCADシステムを利用し、表面形状デー
タを始めから作製するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成皮革
原版作製システムおよび合成皮革原版作製方法は、合成
皮革の表面に付する模様等の表面形状をデジタルデータ
にして管理するため、データ処理を行なうことにより、
合成皮革の表面に付される表面形状を容易に変更するこ
とができる。このため、離型紙やウレタンに模様を転写
する際、熱収縮等により離型紙やウレタンが変形するこ
とを考慮して、浅い凹凸については階調を変更して深度
を深くしたり、凹凸による模様の縁部を強調したりする
ことができ、皮革表面の模様を合成皮革に確実に転写す
ることができるという効果がある。
【0053】また、元の皮革にうねりや表面の傷といっ
た欠陥があった場合でも、データ処理を行なうことによ
り、修正することができるという効果がある。
【0054】また、本発明によれば、表面形状をデジタ
ルデータにして管理するため、磁気メディア等によって
一元的に管理することができる。このため、データの管
理にも手間がかからないという効果がある。
【0055】さらに、一度データを作製してしまえば、
何度でも容易に短時間で原版を作製することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る合成皮革原版作製シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の合成皮革原版作製システム之動作を示
すフローチャートである。
【図3】 原版を作製する工程を示す概略図である。
【図4】 皮革の表面形状とエッチングの対応例を示す
チャートである。
【図5】 従来における原版を作製する工程を示す概略
図である。
【符号の説明】
10 入力装置 20 データ処理装置 21 データ入力部 23 データ処理部 25 データ出力部 30 エンボス版作製装置 40 欠陥処理部 41 うねり消去手段 42 傷消去手段 43 くり返し処理手段 50 データ変換部 51 階調変更手段 52 模様強調手段 53 多面図付け処理手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮革の表面形状を読取ってデジタルデー
    タに変換して入力するための入力装置と、該入力装置で
    入力した表面形状のデータ(表面形状データ)に対して
    種々の処理を施すデータ処理装置と、該データ処理装置
    によって処理された表面形状データに基づいて合成皮革
    のエンボス加工に用いる原版を作製するエンボス版作製
    装置とを備えてなり、 前記データ処理装置が、 前記入力装置にて入力した皮革の表面形状データを受け
    付ける表面形状データ入力部と、 前記データ入力部にて受け付けた表面形状データに対し
    て種々の処理を施すデータ処理部と、 前記データ処理部にてデータ処理を施された表面形状デ
    ータを前記エンボス版作製装置に送る表面形状データ出
    力部とを備えることを特徴とする合成皮革原版作製シス
    テム。
  2. 【請求項2】 合成皮革の表面に付する表面形状を表す
    デジタルデータ(表面形状データ)を受け付ける表面形
    状データ入力部と、 前記データ入力部にて受け付けた表面形状データに対し
    て種々の処理を施すデータ処理部と、 前記データ処理部にてデータ処理を施された表面形状デ
    ータを出力する表面形状データ出力部とを備えてなるデ
    ータ処理装置を備えることを特徴とする合成皮革原版作
    製システム。
  3. 【請求項3】 前記データ処理部が、 前記表面形状データのうち皮革の表面の欠陥に対応する
    部分を修正する欠陥処理部と、前記表面形状データに対
    して任意の変更処理を行なうデータ変換部とを備えてな
    り、 前記欠陥処理部が、前記表面形状データのうち、皮革の
    うねりに対応する部分を消去するうねり消去手段と、皮
    革表面の傷に対応する部分を消去する傷消去手段と、一
    定の模様が一定の間隔で繰り返すように修正するくり返
    し処理手段とを備え、 前記データ変換部が、前記表面形状データによって示さ
    れる模様の階調を変更する階調変更手段と、模様の凹凸
    が強調されるようにデータを変更する模様強調手段と、
    複数の表面形状データを合成する多面付け処理手段とを
    備えることを特徴とする請求項1または2に記載の合成
    皮革原版作製システム。
  4. 【請求項4】 皮革の表面の模様をエンボス加工によっ
    て合成皮革に転写するための合成皮革原版の作製方法に
    おいて、 合成皮革の表面に付する表面形状を表すデジタルデータ
    (表面形状データ)を作製するステップと、 前記ステップにて作製した表面形状のデータ(表面形状
    データ)に対して種々の処理を施すステップと、 前記ステップにて処理された表面形状データに基づい
    て、合成皮革原版を作製するステップとからなることを
    特徴とする合成皮革原版作製方法。
  5. 【請求項5】 前記表面形状データを作製するステップ
    が、 皮革の表面形状を読み取ってデジタルデータに変換する
    処理からなることを特徴とする請求項4に記載の合成皮
    革原版作製方法。
  6. 【請求項6】 前記合成皮革原版を作製するステップ
    が、 エッチングによって合成皮革原版を作製し、かつ表面形
    状データが示す凹凸の状態に応じて多段階のエッチング
    を施すことを特徴とする請求項4に記載の合成皮革原版
    作製方法。
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