JP5630173B2 - 艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置、艶ムラ除去装置、艶ムラ除去用ノイズデータ生成方法、艶ムラ除去方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
エンボス版の製造に関しては、例えば、特許文献1等に記述がある。
艶ムラとは、物体表面に照射された光によって生じた反射光や陰影により、光の強度が強い領域と弱い領域とが不均一に表れ、その不均一さが新たな柄に見える現象である。
このような艶ムラのうち、意匠として不都合なものは製品に表れないように削除、修正される必要がある。
これにより、凹凸模様が形成された媒体表面に生じる艶ムラ(輝度値の不均一性により生じる新たな柄)を除去するためのノイズデータを、元のハイトフィールドから生成できる。生成されたノイズデータに応じた凹凸模様を前記媒体表面に付与すれば、媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減できるため、艶ムラの除去に寄与できる。
これにより、ノイズオブジェクトの密度、大きさ、または深さのいずれかを変更して、各画素に各々の輝度値に応じたノイズデータを与えることが可能となる。また、各画素の輝度値はノイズ付与後に目標輝度値に統一されるようになるため、艶ムラが除去される。
データを付与するノイズ付与手段と、前記ノイズ付与手段によってノイズデータの付与されたハイトフィールドデータについて、前記評価条件で前記ノイズ付与 後のハイトフィールドを可視化処理した可視化画像を出力するノイズ付与後可視化画像出力手段と、を更に備えることが望ましい。
これにより、ハイトフィールドデータに基づき製造されたエンボス版の表面に生じた艶ムラを、そのエンボス版の表面にノイズの凹凸を形成することにより除去できる。また、ハイトフィールドに基づく凹凸を形成したエンボス版を製造した後に、艶ムラ除去用のノイズの凹凸を形成するため、微細なノイズを損失なくエンボス版表面に形成でき、艶ムラを確実に除去できる。
これにより、ノイズオブジェクトの密度、大きさ、または深さのいずれかを変更して、各画素に各々の輝度値に応じたノイズデータを与えることが可能となる。また、各画素の輝度値はノイズ付与後に目標輝度値に統一されるようになるため、艶ムラが除去される。
これにより、ハイトフィールドデータに応じた凹凸模様を形成した媒体表面の輝度値の不均一性により生じる艶ムラを除去するためのノイズデータを生成できる。生成されたノイズデータに応じた凹凸模様を前記媒体表面に形成すれば、媒体表面に生じた輝度値の不均一性を低減でき、艶ムラを除去できる。ハイトフィールドデータに生じてしまう艶ムラを除去するためのノイズデータを予め生成できるため、媒体製造工程におけるエンボス版の修正作業と確認作業を繰り返し行う必要がなくなり、コストを低減できるようになる。
これにより、ハイトフィールドデータに基づき製造されたエンボス版の表面に生じた艶ムラを、そのエンボス版の表面にノイズの凹凸を形成することにより除去できる。また、エンボス版を製造した後に、艶ムラ除去用のノイズの凹凸を形成するため、微細なノイズをエンボス版表面に形成でき、艶ムラを確実に除去できる。エンボス版製造後にノイズを形成することは、表面の深度に応じた多段エッチングを行う場合に、特に好適である。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置1のハードウエア構成を示す図である。
CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各部を駆動制御する。制御部11のCPUは後述する艶ムラ除去用ノイズデータ生成処理(図2参照)を実行する。
表示部15は、例えば液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部11の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
図2は、艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置1が行う艶ムラ除去用ノイズデータ生成処理の全体の流れを示すフローチャートである。
ステップS1のノイズ付与テーブル作成処理について、図3を参照して説明する。
可視化処理とは、ハイトフィールドの艶ムラをデータの段階で視認可能な画像として出力するための処理である。以下、可視化処理について説明する。
ここで、影とは、光源の光が直接反射されない領域をいい、オクルージョンとは、視点から見えない領域をいう。これらの領域は他の領域より暗くなる。
図7に示すように、表面に凹凸のある媒体(ハイトフィールド2)に対して光源及び視点が所定の角度をもって設定されると、隣接する領域より深い領域では、影及びオクルージョンが発生することがある。影及びオクルージョンの領域については、輝度値を0または他の領域より小さい値となるように算出する。
Td=(0,Δy,(zx,y+1−zx,y))・・・・(2)
Tl=(−Δx,0,(zx―1,y−zx,y))・・・・(3)
Tu=(0,−Δy,(zx,y―1−zx,y))・・・・(4)
まず制御部11は、注目画素の4近傍の接線ベクトルTr、Td、Tl、Tuの外積から次の式(5)〜(8)で表される法線ベクトルを算出する。
Nur=Tu×Tr・・・・(6)
Nrd=Tr×Td・・・・(7)
Ndl=Td×Tl・・・・(8)
入射光の強さIi、拡散反射率kd、鏡面反射率ks、光沢の鋭さを表す係数nは定数で、固定値としてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。これらは媒体の材質によって定まるものである。
制御部11はノイズ付与前のハイトフィールド2の各画素の輝度値をノイズ付与前輝度データメモリに格納する。
本発明では、ハイトフィールド2の艶ムラを除去するため、ハイトフィールド全体の輝度値を一定値に均一化する。すなわち各画素に対して各々の輝度値に応じたノイズを付与し、輝度値を調整する。
しかし、入力される情報は画素毎にノイズ付与前輝度値データ1つのみであるため、3つのパラメータを入力情報によって決めることはできない。そのため、3つのパラメータのうちいずれか一つを変化させ、他の2つのパラメータを固定することとする。
また、ノイズ付与前輝度値データとノイズ付与後輝度値データとノイズオブジェクトの密度との関係は以下の式(17)で表すことができる。
図11はノイズデータ生成処理の流れを説明するフローチャート、図12はステップS3にて算出されたノイズ付与前の各画素の輝度値を示す輝度値データ4の一例、図13はノイズ付与テーブル100の具体例、図14は各画素に与えるべきノイズの密度の一例を示す図である。
すなわち、処理対象とするハイトフィールド2の輝度値が全体的に目標輝度値「2」となるように均一化すれば、艶ムラが除去できる。
エンボス版製造手段は、元のハイトフィールド2に基づくエンボス版を製造し、その後、エンボス版の表面に、艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置1によって生成されたノイズデータ6に基づく凹凸を形成するよう彫刻またはエッチング処理を行う。エンボス版製造手段の詳細については、第2の実施の形態で説明する。
ハイトフィールド2にノイズデータ6を付与したハイトフィールド61を図16に示し、ノイズ付与後可視化画像63を図17に示す。
この段階における可視化処理も、図2のステップS1の説明における可視化処理と同様であり、所定の評価条件でそれぞれ可視化処理が行われる。
図2の艶ムラ除去用ノイズデータ生成処理の輝度値算出処理(ステップS3)、可視化処理(ステップS6)、及び図3のノイズ付与テーブル作成処理に含まれる輝度値算出処理(ステップS11、ステップS12)では、各画素の輝度値を算出するために所定の光源方向及び視点方向を設定することとしている。
また、艶ムラは、光源や視点の方向で変化するものであるため、ノイズ付与前後で評価条件(光源や視点の方向)が変化することは望ましくない。このため、ノイズ付与前後の各段階で設定する評価条件(光源や視点の方向)は、各段階で同じ条件を用いるものとする。
(a)意匠の施された壁紙から所定距離(数メートル程度)離れた位置に確認者が立ち、斜め方向(γ1=15°程度)から光をあて、その反対の方向(γ2=15°程度)から確認者が目視する。
(b)壁紙の配置を90度回転させて、上述の(a)と同様に確認者が目視する。
(c)光源の位置は(a)と同様にし、視点は光源の方位角と90度をなす方向とする。
ただし、図18の例の他の光源方向及び視点方向を評価条件として設定することを妨げるものではなく、必要に応じて適当な光源方向及び視点方向の設定が行われることが望ましい。
ノイズデータは、例えば、ノイズオブジェクトの大きさ及び深さを固定し、密度を変数とすれば、付与するノイズの密度を各画素で調整することによりハイトフィールド2の輝度値を均一化できる。
また、可視化処理の演算例は一例であり、上述の手順以外の手順を採用してもよい。
また、ノイズ付与テーブル100の密度とノイズ付与前後の輝度値との関係は一例であり、ハイトフィールドの意匠や媒体の材質等によってそれぞれ適切なノイズ付与テーブルをいくつか作成して記憶部12に記憶しておき、ノイズデータ6の生成時に選択的にいずれかのノイズ付与テーブルを参照するようにしてもよい。
次に、図19〜図22を参照して本発明に係る艶ムラ除去装置7について説明する。
第2の実施の形態の艶ムラ除去装置7は、図19に示すようにコンピュータ71(第1の実施の形態の艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置1)と、エンボス版製造手段72とを備える。
エンボス版製造手段72は、入力されたハイトフィールドに基づいて、エンボス版シリンダ表面に凹凸模様を施すものであり、図20や図21に示す例のようにエッチングの手法を利用したり、図22に示す例のように彫刻の手法を利用したりすることが可能である。
コンピュータ71は、上述の第1の実施の形態における艶ムラ除去ノイズデータ生成装置1として機能するとともに、エンボス版製造手段72(パターン露光装置73、彫刻機77)の制御装置としても機能する。
この手法を採用する場合、艶ムラ除去装置7Bは、コンピュータ71(艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置1)、パターン露光装置73、支持台75、及び回転駆動部76を備えて構成する。支持台75にはレジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ8が取り付けられている。
回転駆動部76は、コンピュータ71から入力される指示に従って、支持台75,75に支持されたエンボス版シリンダ8を回転軸A−A方向を中心に回転する。
そして、エンボス版シリンダ8の表面にハイトフィールドに基づく凹凸が形成された後、最後にノイズデータに基づく露光処理を行い、現像処理、洗浄処理(非レジスト部の除去)、腐食処理、洗浄処理(レジスト部の除去)を行えば、凹凸を有するエンボス版表面に、更に、艶ムラ除去用のノイズ(凹凸)が形成されることとなる。
図22に艶ムラ除去装置7Cの構成を示す。
彫刻機77は、彫刻機制御部771、駆動部772、及び彫刻用刃(打刻刃)773を備える。彫刻機制御部771は、コンピュータ71から入力されたハイトフィールドデータ2に従って彫刻機駆動部772を駆動し、彫刻用刃773を支持台75に支持されたエンボス版シリンダ9の版面に対して深さ方向に上下動するとともに、エンボス版シリンダ9の回転軸方向(図中A−A方向)に移動させる。
これにより、彫刻機77は、コンピュータ71から入力されたハイトフィールド2に従った深さで金属製或いは樹脂製のエンボス版シリンダ9に彫刻を施し、凹凸模様を表面に形成する。
11・・・・・制御部
12・・・・・記憶部
2・・・・・・ハイトフィールド
3・・・・・・投影面
22・・・・・ノイズ付与前の可視化画像
100・・・・ノイズ付与テーブル
101・・・・ノイズ付与テーブルにおいて輝度値を低減できる範囲
4・・・・・・ノイズ付与前の輝度データ
5・・・・・・画素毎のノイズ変数の分布を示すデータ
6・・・・・・ノイズデータ
61・・・・・ノイズデータを付与したハイトフィールドデータ
63・・・・・ノイズ付与後可視化画像
7・・・・・・艶ムラ除去装置
7A・・・・・ノイズ除去用のフォトマスクを製造する艶ムラ除去装置
7B・・・・・エッチングによりエンボス版にノイズを形成する艶ムラ除去装置
7C・・・・・彫刻によりエンボス版にノイズを形成する艶ムラ除去装置
71・・・・・コンピュータ
72・・・・・エンボス版製造手段
73・・・・・パターン露光装置
74・・・・・フォトマスク
77・・・・・彫刻機
8・・・・・・エンボス版シリンダ(レジスト層被覆)
9・・・・・・エンボス版シリンダ
Claims (8)
- 媒体表面に凹凸模様を形成するためのハイトフィールドデータについて、所定の評価条件で各画素の輝度値を算出する輝度値算出手段と、
前記媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減するように、前記輝度値算出手段により算出された各画素の輝度値に応じたノイズデータを生成し、出力するノイズ生成手段と、
を備えることを特徴とする艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置。 - 前記ノイズデータは、ノイズオブジェクトの密度、大きさ、及び深さのうちいずれか一つを変数とし、
ノイズ付与前後の輝度値と前記変数との関係を予め定義したノイズ付与テーブルを記憶するノイズ付与テーブル記憶手段を更に備え、
前記ノイズ生成手段は、
前記輝度値算出手段によって算出された各画素の輝度値のうち最大輝度値を求める最大輝度値算出手段と、
当該最大輝度値がノイズ付与によって低減可能な輝度値範囲を前記ノイズ付与テーブルから求め、該輝度値範囲内でノイズ付与後に統一すべき目標輝度値を決定する目標輝度値決定手段と、
前記各画素の輝度値がノイズ付与後に前記目標輝度値となるように、前記各画素の輝度値に応じた前記ノイズデータの変数を前記ノイズ付与テーブルから算出する変数算出手段と、
前記変数算出手段によって算出された変数に応じたノイズオブジェクトを各画素に与えるノイズオブジェクト付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置。 - 入力された前記ハイトフィールドデータの各画素に、前記ノイズ生成手段によって生成されたノイズデータに応じた深度データを付与するノイズ付与手段と、
前記ノイズ付与手段によってノイズデータの付与されたハイトフィールドデータについて、前記評価条件で前記ノイズ付与後のハイトフィールドを可視化処理した可視化画像を出力するノイズ付与後可視化画像出力手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の艶ムラ除去用ノイズデータ生成装置。 - 媒体表面に凹凸模様を形成するためのハイトフィールドデータについて、所定の評価条件で各画素の輝度値を算出する輝度値算出手段と、
前記媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減するように、前記輝度値算出手段により算出された各画素の輝度値に応じたノイズデータを生成するノイズデータを生成するノイズ生成手段と、
前記ハイトフィールドデータに基づき製造されたエンボス版の表面に、前記ノイズ生成手段により生成されたノイズデータに基づく凹凸を形成するノイズ形成手段と、
を備えることを特徴とする艶ムラ除去装置。 - 前記ノイズデータは、ノイズオブジェクトの密度、大きさ、または深さのいずれかを変数とし、
ノイズ付与前の輝度値及びノイズ付与後の輝度値に応じた前記変数を予め定義したノイズ付与テーブルを記憶するノイズ付与テーブル記憶手段を更に備え、
前記ノイズ生成手段は、
前記輝度値算出手段によって算出された各画素の輝度値のうち最大となる輝度値を求め、当該最大輝度値を前記ノイズ付与テーブルに定義された範囲でノイズ付与後に最小とする輝度値を決定する最小輝度値算出手段と、
前記各画素の輝度値が前記最小輝度値算出手段によって算出された最小輝度値となるように、前記各画素の輝度値に応じた前記ノイズデータの変数を前記ノイズ付与テーブルから算出する変数算出手段と、
前記変数算出手段によって算出された変数に応じたノイズオブジェクトを各画素に与え、ノイズデータとするノイズオブジェクト付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の艶ムラ除去装置。 - 媒体表面に凹凸模様を形成するためのハイトフィールドデータについて、所定の評価条件で各画素の輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減するように、各画素の輝度値に応じたノイズデータを生成し、出力するノイズ生成ステップと、
を含むことを特徴とする艶ムラ除去用ノイズデータ生成方法。 - 媒体表面に凹凸模様を形成するためのハイトフィールドデータについて、所定の評価条件で各画素の輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減するように、各画素の輝度値に応じたノイズデータを生成するノイズ生成ステップと、
前記ハイトフィールドデータに基づき製造されたエンボス版の表面に、前記ノイズ生成ステップにより生成されたノイズデータに基づく凹凸を形成するノイズ形成ステップと、
を含むことを特徴とする艶ムラ除去方法。 - コンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、
媒体表面に凹凸模様を形成するためのハイトフィールドデータについて、所定の評価条件で各画素の輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記媒体表面全体としての輝度値の不均一性を低減するように、各画素の輝度値に応じたノイズデータを生成し、出力するノイズ生成ステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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