JP6550828B2 - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、記録媒体、エンボス版製造システム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、プログラム、記録媒体、エンボス版製造システム Download PDF

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Description

本発明は、壁紙等のシートの不陸隠蔽性を確認可能とする情報処理装置等に関する。
壁紙等のシートの意匠として、石目柄や織物柄等、テクスチュアの凹凸形状を表面に有するものがある。このようなシートを製造するためには、例えば、テクスチュアの凹凸形状を表面に形成したエンボス版を製造し、この凹凸を樹脂等のシートに転写する。
エンボス版に凹凸形状を形成するためには、凹凸形状のデータを版下用に作成する必要がある。このデータはハイトデータ(ハイトフィールドデータ)と呼ばれ、凹凸形状の高さ情報を階調値で表した画像データである。
このハイトデータは、エンボス版によってシート表面に形成される凹凸形状を示すものであり、近年、このようなハイトデータを用いて、壁紙等のシートの見え方を可視化する可視化装置が開発されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、ハイトデータが示す凹凸形状に対して仮想的に光源位置および視点位置を設定し、ハイトデータの凹凸により生じる影(光源の光が直接反射されない領域)およびオクルージョン(視点から見えない領域)を考慮して、光源から照射された光の凹凸形状上での拡散反射と鏡面反射の各成分に応じた各画素の輝度値を求め、これを投影変換することにより、ハイトデータの凹凸形状を所定の視点位置および光源位置の条件で見た場合の画像を作成することが記載されている。
特開2011−103097号公報
ところで、壁紙等のシートが貼着される下地となる壁面や石膏ボード等の被覆面は、必ずしも平らではなく、凹凸を有している場合が多い。このような凹凸を不陸と呼ぶが、シートを不陸のある被覆面に実際に貼着すると、不陸によってシートにはない凹凸形状が見えてしまうことがある。このような不陸の見え方は、不陸の形状、シート表面の凹凸形状等の条件によって変化する。ここで、シートを貼着した際の不陸の見え方(見え難さ)を不陸隠蔽性と呼ぶ。
従来、シートの不陸隠蔽性を確認するためには、実際にシートを作製した上で不陸を有する被覆面にシートを貼り付けて、光源と視点の位置関係等の条件を変えながら肉眼で確認していた。しかしながら、このような方法では多くの手間とコストを要する問題があった。また、どのような条件で確認作業を行うかは確認者次第であり、基準がないために評価にばらつきがあった。特許文献1の方法は不陸について考慮したものではなく、壁紙等のシートの不陸隠蔽性を簡単かつ高精度に確認可能とする方法が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、壁紙等のシートの不陸隠蔽性を簡単かつ高精度に確認可能とする情報処理装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するハイトデータ作成手段と、第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成する合成手段と、を有することを特徴とする情報処理装置である。
第1の発明によれば、シートの凹凸形状を示すエンボス版製造用のハイトデータと不陸部を有する被覆面のハイトデータとを合成した合成ハイトデータによって、不陸部を有する被覆面にシートを貼着した状態を表現できる。従って、シートの不陸隠蔽性を、シートを製造する手間とコストを省いて簡単に確認することが可能になる。また、被覆面のハイトデータを、不陸部の平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成することで、被覆面とシートの間に生じる隙間の影響を考慮し、被覆面にシートを貼着した状態を高精度に表現できる。加えて、不陸部の高さや平面形状等のパラメータを変化させることで多様な不陸部の表現が簡単にできる。また、これらのパラメータを予め定めて確認作業時の基準を設けることで、評価のばらつきが低減される。
こうして不陸隠蔽性を確認することで、エンボス版製造用のハイトデータに関し不陸隠蔽性の高い最適なものを選択し、選択されたハイトデータに基づいてエンボス版を製造できる。エンボス版の製造には比較的大きな時間やコストがかかるが、本発明によれば予め不陸隠蔽性の高いハイトデータを選別できるため、製造したエンボス版が無駄になるリスクを低減できる。このエンボス版を用いてシート表面にエンボス加工を行ってシートを製造すれば、不陸隠蔽性が高く意匠性に優れたシートが効率よく製造できる。
前記合成ハイトデータが示す凹凸形状を所定の視点位置および光源位置の条件で見た場合の画像を作成する画像作成手段をさらに有することが望ましい。
合成ハイトデータを所定の視点位置や光源位置等の可視化条件で可視化した画像を用いて、シートを被覆面に貼着した際の不陸隠蔽性を簡単に確認でき、可視化条件の変更により様々な視点位置や光源位置にて確認作業が簡単にできる。また、可視化条件を予め定めて確認作業時の基準を設けることで、前記と同じく評価のばらつきが低減される。
前記プロファイルデータを作成するプロファイルデータ作成手段をさらに有し、前記プロファイルデータ作成手段は、凸状または凹状の第2の不陸部を有する被覆面に貼着された状態の第2のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すハイトデータの階調値から、前記第2のシートのみについてのハイトデータの階調値を減算して得たハイトデータに対し、前記第2の不陸部の位置を中心とする極座標変換を行って周方向の平均をとり、前記プロファイルデータを作成することが望ましい。
これにより、被覆面とシートの間に生じる隙間の影響を示すプロファイルデータを高精度に作成できる。
例えば、前記第1の不陸部と前記第2の不陸部の平面形状は異なる。
プロファイルデータ作成時の不陸部の平面形状と、被覆面のハイトデータ作成時の不陸部の平面形状とは同じである必要はない。従って、所定の不陸部を用いて作成されたプロファイルデータを、被覆面のハイトデータ作成時に任意の平面形状の不陸部に適用でき、汎用性が高い。
前記プロファイルデータは、前記第2の不陸部の高さを変えて複数作成され、前記ハイトデータ作成手段は、前記第1の不陸部の高さが前記第2の不陸部の高さのいずれとも異なる場合、複数の前記プロファイルデータを補間して用いることが望ましい。
被覆面のハイトデータ作成時の不陸部の高さに応じてプロファイルデータを補間して用いることで、様々な高さの不陸部について、被覆面にシートを貼着した状態を高精度に表現できる。
また、前記ハイトデータ作成手段は、前記第1の不陸部からの方向と前記第1のシートの凹凸形状に応じて異なる前記プロファイルデータを用いることも望ましい。また、前記第1のシートの厚みに応じて異なる前記プロファイルデータを用いることも望ましい。
被覆面のハイトデータ作成時に、不陸部からの方向とシートの凹凸形状、あるいはシートの厚みに応じて異なるプロファイルデータを用いることで、シートの柄や不陸部からの方向、あるいはシートの厚みに応じて被覆面とシートの間の隙間のでき方が異なるケースも高精度に表現できる。
また、前記シートは壁紙であることが望ましい。
不陸を隠蔽できることは壁紙の意匠性において特に重要であり、本発明を壁紙に適用する効果は非常に大きい。
第2の発明は、コンピュータが、凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、を実行することを特徴とする情報処理方法である。
第3の発明は、コンピュータに、凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、を実行させるためのプログラムである。
第4の発明は、コンピュータに、凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
第5の発明は、凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するハイトデータ作成手段と、第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成する合成手段と、を有する情報処理装置と、前記エンボス版製造用のハイトデータに基づいて、彫刻またはエッチングの手法により前記第1のシートの凹凸形状を表面に形成したエンボス版を製造するエンボス版製造装置と、を備えることを特徴とするエンボス版製造システムである。
本発明により、壁紙等のシートの不陸隠蔽性を簡単かつ高精度に確認可能とする情報処理装置等を提供することができる。
情報処理装置1のハードウエア構成図 記憶部12のデータを示す図 被覆面41にシート43を貼着した状態を示す図 平面形状データ4を示す図 プロファイルデータ5を示す図 貼着シートハイトデータ6と非貼着シートハイトデータ7を示す図 情報処理装置1の処理の概略について示すフローチャート プロファイルデータ5の作成の流れを示すフローチャート プロファイルデータ5の作成について説明する図 被覆面ハイトデータの作成の流れを示すフローチャート 被覆面ハイトデータの作成について説明する図 逐次型距離変換について説明する図 被覆面ハイトデータ8を示す図 合成ハイトデータを可視化した画像の例 エンボス版製造システム10を示す図 エンボス版製造装置9を示す図 エンボス版製造装置9Aを示す図 エンボス版製造装置9Bを示す図 本発明の別の例について説明する図
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.情報処理装置)
図1は本発明の実施形態に係る情報処理装置1のハードウエア構成を示す図である。この情報処理装置1は、後述する各データを用いて、不陸部を有する被覆面に壁紙等のシートを貼着して被覆した状態を可視化した画像を作成し、これを表示するものである。
図1に示すように、情報処理装置1は、例えば、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、周辺機器I/F(インタフェース)部14、通信部15、入力部16、表示部17等をバス18を介して接続し構成されたコンピュータによって実現できる。
制御部11は、CPU、ROM、RAM等により構成される。CPUは、記憶部12、ROM等の記録媒体に格納される情報処理装置1の処理に係るプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行うため使用するワークエリアを備える。
記憶部12は例えばハードディスクドライブであり、後述する処理に際して制御部11が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納されている。これらのプログラム等は、制御部11により必要に応じて読み出され、RAMに移して実行される。
メディア入出力部13は、例えばDVDドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
周辺機器I/F部14は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部14を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
通信部15は、通信制御装置や通信ポート等を有し、ネットワークを介した他の装置等との通信を媒介する。
入力部16は、例えば、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部11へ出力する。
表示部17は、液晶パネルやCRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成される。
バス18は、各部間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
図2に示すように、情報処理装置1の記憶部12には、シートハイトデータ3、平面形状データ4、プロファイルデータ5が記憶される。
これらのデータは、図3(a)、(b)に模式的に示すように、不陸部42、45を有する被覆面41にシート43を貼着して被覆した状態を表現するために用いられる。図3(a)は凸状の不陸部42の例であり、図3(b)は凹状の不陸部45の例である。以下では凸状の不陸部42の例について説明するものとする。
シートハイトデータ3は、シート43(第1のシート)の表面に形成するテクスチュアの凹凸形状の高さ情報を階調値で示したエンボス版製造用の画像データであり、例えば織物柄等のテクスチュアの凹凸形状を256の階調値のグレースケールで表現したものである。シートハイトデータ3は、どのような方法で作成されたものでもよい。例えば、3Dスキャナ等でテクスチュアの凹凸形状を読み取ってデータ化したものでもよいし、コンピュータにより自動生成したものでもよい。
平面形状データ4は、被覆面41上の不陸部42(第1の不陸部)の平面形状を示すデータであり、本実施形態では二値画像が用いられる。平面形状データ4の例を図4に示す。図4の平面形状データ4は、不陸部42の平面形状が左から順に正方形、星形、ロの字形、円形であり、不陸部42に当たる画素が白で、それ以外の被覆面41に当たる画素が黒で表現されている。
プロファイルデータ5は、不陸部42の平面形状の周縁からの距離と高さとの関係を示すデータであり、その一例を図5のグラフに示す。図5のグラフの横軸は周縁からの距離、縦軸は高さである。このプロファイルデータ5により、図3(a)に示すような、被覆面41にシート43を貼着した際に不陸部42によって生じる隙間44の形状が表現される。
記憶部12には、上記の各データの他、貼着シートハイトデータ6と非貼着シートハイトデータ7も記憶される。これらのデータは、プロファイルデータ5を作成するために用いられる。
貼着シートハイトデータ6は、試作した実際のシートを、実際に不陸部を有する被覆面に貼着して、その状態のシート表面の凹凸形状を3Dスキャナ等で読み取り、これを階調値として表したハイトデータである。このシートおよび不陸部を、シートハイトデータ3で示されるシート43および平面形状データ4で示される不陸部42とそれぞれ区別するため、以下では実シート(第2のシート)、実不陸部(第2の不陸部)ということがある。
図6(a)は貼着シートハイトデータ6の例である。この貼着シートハイトデータ6は、実不陸部を凸状とし、その平面形状を円形としたものであるが、これに限ることはない。
非貼着シートハイトデータ7は、被覆面に貼着されない状態の実シートのみの凹凸形状を、上記と同様3Dスキャナ等を用いて読み取り、これを階調値として表したハイトデータである。図6(b)は非貼着シートハイトデータ7の例である。
(2.情報処理装置1の処理の概略)
情報処理装置1の処理の概略について図7を参照して説明する。図7は情報処理装置1の処理の概略について示すフローチャートであり、図の各ステップは情報処理装置1の制御部11が実行する。
図7に示すように、本実施形態では、情報処理装置1によりプロファイルデータ5を作成する(S1)。
また、情報処理装置1は、被覆面ハイトデータを作成し(S2)、シートハイトデータ3と被覆面ハイトデータを合成して合成ハイトデータを作成する(S3)。そして、合成ハイトデータの凹凸形状を所定の視点位置および光源位置で見た場合の画像を作成し、表示する(S4)。
(3.プロファイルデータ5の作成)
S1におけるプロファイルデータ5の作成について図8等を参照して説明する。図8はプロファイルデータ5の作成の流れを示すフローチャートであり、図の各ステップは情報処理装置1の制御部11が実行する。
S1において、情報処理装置1は、貼着シートハイトデータ6と非貼着シートハイトデータ7を記憶部12から取得する(S11、S12)。
そして、情報処理装置1は、貼着シートハイトデータ6から非貼着シートハイトデータ7を減算する(S13)。ここでは、貼着シートハイトデータ6の各画素の階調値から、非貼着シートハイトデータ7の対応する位置にある画素の階調値を減算する。減算後のハイトデータの例を図9(a)に示す。
情報処理装置1は、減算後のハイトデータに対し、実不陸部の位置を中心とする極座標変換を行って周方向の平均値を算出し、プロファイルデータ5を作成する(S14)。
極座標変換は、図9(b)に示す実不陸部の中心からの距離rと基準に対する周方向の偏角θによって行われ、その結果の例が図9(c)である。図9(c)は、横軸を偏角θ、縦軸を距離rとして階調値を示したものである。
S14では、図9(c)の偏角θ間で階調値を平均する。こうして周方向の平均値を取ることで誤差を無くし、この平均値を高さに変換することでプロファイルデータ5が作成される。必要に応じて重み付き平均を取ること等も可能である。本実施形態では、図9(c)のaで示す、実不陸部の周縁から外側の部分についてプロファイルデータ5が作成される。また、図9(d)に示すように実不陸部の高さを変えて複数のプロファイルデータ5が作成される。図9(d)では、実不陸部の高さが、周縁からの距離が「0」の位置でのプロファイルデータ5の高さに相当する。
(4.被覆面ハイトデータの作成)
次に、S2における被覆面ハイトデータの作成の流れについて図10等を参照して説明する。図10は被覆面ハイトデータの作成の流れを示すフローチャートであり、図の各ステップは情報処理装置1の制御部11が実行する。
本実施形態では、まずユーザが、図11(a)に示す不陸部42の高さをパラメータとして入力する。情報処理装置1はこの入力を受付け(S21)、入力された高さをRAM等に記憶する。
また、ユーザは平面形状データ4(図4参照)の中から不陸部42の平面形状データ4を選択する。情報処理装置1は平面形状データ4の選択を受付け、選択された平面形状データ4を取得する(S22)。ここでは図11(b)に示すように正方形の平面形状データ4が選択されたものとする。
この時点では図11(a)、(b)に示す不陸部42の側方の傾斜部分の形状(図3(a)の隙間44に対応する)は定まっていないので、情報処理装置1は、プロファイルデータ5に基づき不陸部42に傾斜を付与し、被覆面ハイトデータを作成する(S23)。
S23では、例えば図11(c)に示すように、S22で取得した平面形状データ4の不陸部42以外の各画素(黒で示す画素)について、不陸部42の平面形状の周縁からの距離Rを算出する。そして、プロファイルデータ5を用いて当該距離Rに対応する高さを取得し、これを階調値に変換して各画素の階調値とする。一方、不陸部42の画素の階調値はS21で取得した高さを階調値に変換したものとし、これにより被覆面ハイトデータが作成される。
上記の距離Rは、画素と、当該画素から最も近い周縁上の箇所との間の距離であり、平面形状データ4の二値画像に基づき既知の距離変換手法を用いて算出できる。具体的な距離変換手法としては逐次型距離変換と呼ばれる手法等があるが、簡単に説明すると、二値画像の所定領域(本実施形態では不陸部42)以外の画素の値を、その画素から最も近い所定領域の画素までの距離に置き換えるものである。
例えば、平面形状データ4の二値画像に基づき、図12(a)に部分的に示すような、不陸部42の画素を「0」、それ以外の画素を任意の値(ここでは「10」とする)とした画像を作成し、当該画像において、上下左右に隣接する画素間の距離および斜め方向に隣接する画素間の距離を所定値に定める。ここでは、それぞれ1、√2と定めるものとする。
そして、図12(b)に示すように、不陸部42以外の画素の値を、最も近い「0」の画素(不陸部42の画素)までの距離で置き換えた距離画像を作成する。例えば図中cで示す画素の値は、最も近い「0」の画素までの距離R(=1+√2)で置き換えられる。このようにして、平面形状データ4の不陸部42以外の各画素について前記の距離Rが算出される。
なお、本実施形態では実不陸部の高さを変えて複数のプロファイルデータ5を作成しているが、S23で用いるプロファイルデータ5としては、S21で入力された不陸部42の高さと同じ高さの実不陸部にて作成されたプロファイルデータ5があれば、それを用いることが望ましい。
一方、S21で入力された不陸部42の高さが、プロファイルデータ作成時の実不陸部の高さのいずれとも異なる場合は、図11(d)の点線で模式的に示すように、複数のプロファイルデータ5を補間し、周縁からの距離が「0」の位置での高さをS21で入力された不陸部42の高さ(図中b参照)にあわせて用いることができる。但しこれに限ることはなく、所定のプロファイルデータ5を図11(d)のグラフの高さ方向に変形して用いるといったことも可能である。
図13は、こうして作成された被覆面ハイトデータ8の例であり、不陸部42を有する被覆面41の高さ情報を256の階調値のグレースケールで示した画像データとなる。
(5.合成ハイトデータの作成と可視化)
前記のS3(図7参照)では、情報処理装置1が、シートハイトデータ3の階調値と、S2で作成された被覆面ハイトデータ8の階調値を、対応する位置にある画素同士で加算することにより、合成ハイトデータを作成する。合成ハイトデータは、図3(a)に示すように被覆面41にシート43を貼着して被覆した際のシート表面の凹凸形状の高さ情報を階調値で示した画像データである。
前記のS4(図7参照)では、情報処理装置1が、光源位置や視点位置などの可視化条件のユーザ入力を受付け、合成ハイトデータが示す凹凸形状を所定の視点位置および光源位置で見た場合の画像を作成し、表示部17に表示する。図14(a)はこの画像の例である。
画像を作成するには、例えば、特開2011−103097号公報に記載されるような手法を用いればよい。特開2011−103097号公報には、凹凸形状の高さ情報を各画素の階調値で表すハイトデータに対して仮想的に光源位置および視点位置を設定し、ハイトデータの凹凸により生じる影(光源の光が直接反射されない領域)およびオクルージョン(視点から見えない領域)を考慮して、光源から照射された光の凹凸形状上での拡散反射と鏡面反射の各成分に応じた各画素の輝度値を求め、これを投影変換することにより、ハイトデータの凹凸形状を所定の視点位置および光源位置で見た場合の画像を作成することが記載されている。ただし、視点位置および光源位置を設定して可視化を行う方法はこれに限らず、既知の種々の方法を用いることが可能である。なお、この際入力する可視化条件としては、光源の角度、強度、タイプ(平行光源やスポットライト等)を含めてもよい。
S4の処理は、複数の光源位置や視点位置の可視化条件について行い、様々な視点と光源の位置関係で見た場合の画像を作成することができる。また、不陸部42の平面形状が異なる複数の被覆面ハイトデータ8を用いて作成した合成ハイトデータの各々について同様の処理を行うことで、様々な不陸についてシート43の不陸隠蔽性を確認し、シート43の不陸隠蔽性の総合的な評価が行える。図14(b)は、不陸部42の平面形状が左から順に星形、ロの字形、円形の例である。このような画像を用いてシート43の不陸隠蔽性を評価し、不陸隠蔽性が高く意匠性に優れたシート43のシートハイトデータ3が選択できる。
(6.エンボス版製造システム10)
図15は本発明の実施形態に係るエンボス版製造システム10を示す図であり、以上のようにして情報処理装置1によって作成した画像で不陸隠蔽性が評価されたシートハイトデータ3を、エンボス版製造装置9によるエンボス版の製造に用いるものである。
図16はエンボス版製造装置9の例であり、シートハイトデータ3を用いてエンボス版シリンダ100にテクスチュアの凹凸形状のエンボス彫刻を施すものである。図に示すように、エンボス版製造装置9は、コンピュータ91、彫刻機93、支持台101、および回転駆動部104を備える。
コンピュータ91は、シートハイトデータ3に基づき、彫刻機93や回転駆動部104を制御するものである。
彫刻機93は、彫刻機制御部931、駆動部932、および彫刻用刃(打刻刃)933を備える。
彫刻機制御部931は、コンピュータ91から入力されるシートハイトデータ3に従って駆動部932を駆動し、彫刻用刃933を支持台101、101に支持されたエンボス版シリンダ100の版面に対して深さ方向に上下動するとともに、エンボス版シリンダ100の回転軸方向(図中A−A方向)に移動させる。回転駆動部104は、コンピュータ91から入力される指示に従って、支持台101、101に支持されたエンボス版シリンダ100を回転軸A−A方向を中心に回転する。
これにより、彫刻機93は、シートハイトデータ3が示すテクスチュアの凹凸形状に従った深さで金属製或いは樹脂製のエンボス版シリンダ100に彫刻を施し、テクスチュアの凹凸形状を形成する。
なお、彫刻機93は、彫刻用刃933に代えて、レーザ等を用いる方式のものでもよい。この場合、彫刻機93は、図16の駆動部932および彫刻用刃933に代えて、走査部、レーザ発振器、および光学ユニットを用いればよい。上記と同様にしてエンボス版シリンダ100、あるいは光学ユニットを移動させながら、シートハイトデータ3に基づく出力値のレーザビームを光学ユニットを介して照射する。これによっても、エンボス版シリンダ100にテクスチュアの凹凸形状を形成できる。
一方、エンボス版製造装置の別の例が図17であり、図17のエンボス版製造装置9Aでは、シートハイトデータ3に基づいて、エッチングの手法を用いてエンボス版シリンダ200にテクスチュアの凹凸形状を形成する。
エンボス版製造装置9Aは、前記と同様のコンピュータ91に加え、パターン露光装置96、腐食装置98、支持台101、および回転駆動部104を備える。支持台101にはレジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ200が取り付けられている。
パターン露光装置96は、走査部961、レーザ発振器962、および光学ユニット963を備える。
パターン露光装置96は、コンピュータ91から入力されるシートハイトデータ3に従って走査部961を駆動し、光学ユニットをエンボス版シリンダ200の回転軸方向に移動させるとともに、レーザ発振器962を制御してシートハイトデータ3に従った出力値に変調する。
ここでは、所定の階調値を閾値としてシートハイトデータ3を二値化し、当該閾値を境にレーザがON/OFFになるように制御を行う。これにより、レジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ200の所定位置にレーザビームを照射し、露光部と非露光部とからなるパターンを形成する露光処理を行う。レジスト層としては、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのいずれも用いることができる。ポジ型レジストの場合は、露光処理により露光部のレジスト層がゲル化する。ネガ型レジストの場合は、露光処理により露光部のレジスト層が硬化する。
露光処理が完了したエンボス版シリンダ200は、図示しない現像装置において現像と版洗浄が行われ、レジスト層のうち露光部(ポジ型レジストの場合)もしくは非露光部(ネガ型レジストの場合)が除去され、レジスト層のパターンが形成される。
その後、腐食装置98によりエンボス版シリンダ200に腐食液を作用させると、レジスト層の除去により露出した金属面の部分が腐食を受けて窪み、パターンに応じた凹凸形状が形成される。続いて洗浄処理を行い、残ったレジスト層を除去する。
その後、再度レジスト層をエンボス版シリンダ200の表面にコーティングし、以上の処理を上記の閾値を変えて繰り返す。これを複数回行うことにより、エンボス版シリンダ200の表面に複数段の凹凸形状を形成でき、これによりテクスチュアの凹凸形状をエンボス版シリンダ200の表面に形成できる。閾値としては、適当な値を予め定めておくとよい。
また、レーザビームによってレジスト層のパターンを形成する手段としては、レジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ200に直接描画(レジスト層を焼飛ばす)し、現像処理や洗浄処理によるレジスト層の除去を必要としないレーザ刷版装置もあり、多く用いられている。この場合のエンボス版製造装置の構成は、現像装置等を必要としない点を除いてエンボス版製造装置9Aと同様である。
この際、パターン露光装置96は、前記と同様の制御を行い、レジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ200の所定位置にレーザビームを照射し、露光部のレジスト層を焼き飛ばし除去してレジスト層のパターンを形成する。レーザ発振器962が発振するレーザとしては、YAGレーザやファイバーレーザを使用することができる。
その後、前記と同様の腐食処理を行いパターンに応じた凹凸形状をエンボス版に形成した後、洗浄処理により残ったレジスト層の除去を行う。これらレジスト層コーティング、露光処理、腐食処理、洗浄処理を、前記の閾値を変えて複数回繰り返すことにより、エンボス版シリンダ200の表面に複数段の凹凸形状が形成できる。
エンボス版製造装置のさらに別の例が図18であり、図18のエンボス版製造装置9Bは、シートハイトデータ3に基づいてフォトマスク97を製造し、これを用いてエンボス版シリンダ200にエッチングを行うことにより、テクスチュアの凹凸形状を形成するものである。
エンボス版製造装置9Bは、前記と同様のコンピュータ91に加え、パターン露光装置96、腐食装置98、98a、エンボス版露光装置99、支持台101、および回転駆動部104を備える。支持台101にはレジスト層をコーティングしたエンボス版シリンダ200が取り付けられる。
ここでは、パターン露光装置96、腐食装置98をフォトマスク97の製造段階で利用し、このフォトマスク97を用いて、エンボス版露光装置99、腐食装置98aによりエンボス版の製造を行う。
フォトマスク97は、基板973上に遮光膜972が形成され、さらにその上にレジスト層971がコーティングされる。このような状態のフォトマスク97に対して、パターン露光装置96は、図17で説明したものと同様の方法でシートハイトデータ3の閾値に従った露光制御を行なうことにより、レジスト層971に露光部と非露光部とを形成する。その後、現像および洗浄を行って不要なレジスト層を除去してレジスト層のパターンを形成する。レジスト層が除去された部分では、遮光膜972が露出する。
続いて、腐食装置98により腐食液を作用させると、露出した遮光膜972の部分が腐食により除去される。その後、洗浄処理により残ったレジスト層を除去すると、遮光膜972のパターンを基板973上に形成したフォトマスク97が製造される。
フォトマスク97は、上記の閾値の値を変えつつ必要な数だけ製造され、それぞれエンボス版シリンダ200への露光の際に使用される。すなわち、レジスト層がコーティングされたエンボス版シリンダ200をフォトマスク97にて覆い、エンボス版露光装置99で露光することにより、フォトマスク97に形成されている遮光膜972のパターンに従った露光部および非露光部が形成される。
続いて、図17の例と同様に現像、洗浄処理を行うことにより不要なレジスト層が除去されてエンボス版シリンダ200にレジスト層のパターンが形成される。その後、腐食装置98aや洗浄装置(不図示)を用いて腐食および洗浄処理を行うと、前記と同様に、エンボス版シリンダ200の表面に凹凸が形成され、残ったレジスト層が除去される。
フォトマスク97を交換して、レジスト層コーティング、露光、現像、洗浄(不要なレジスト層の除去)、腐食、洗浄(残ったレジスト層の除去)の処理を繰り返すことにより、エンボス版シリンダ200の表面に複数段の凹凸形状が形成でき、これによりテクスチュアの凹凸形状をエンボス版シリンダ200の表面に形成できる。
これらのエンボス版製造装置9、9A、9Bによれば、シートハイトデータ3に基づいて、エンボス版シリンダ100、200にテクスチュアの凹凸形状を形成することが可能となる。また、このエンボス版シリンダ100、200を用いて、所望のシートにエンボス加工を施すことにより壁紙等のシートが製造できる。シートの素材は、用途に応じて決定されるが、例えば、紙、樹脂、合成皮革等を用いることができる。
以上説明したように、本実施形態では、シートハイトデータ3と被覆面ハイトデータ8とを合成した合成ハイトデータによって、不陸部42を有する被覆面41にシート43を貼着した状態を表現できる。従って、シート43の不陸隠蔽性を、シート43を製造する手間とコストを省いて簡単に確認することが可能になる。また、被覆面ハイトデータ8を、不陸部42の平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータ5を用いて作成することで、被覆面41とシート43の間に生じる隙間44の影響を考慮し、被覆面41にシート43を貼着した状態を高精度に表現できる。加えて、不陸部42の高さや平面形状等のパラメータを変化させることで、多様な不陸部42の表現が簡単にできる。また、これらのパラメータを予め定めて確認作業時の基準を設けることで、評価のばらつきが低減される。
こうして不陸隠蔽性を確認することで、エンボス版製造用のシートハイトデータ3に関し不陸隠蔽性の高い最適なものを選択し、選択されたハイトデータに基づいてエンボス版を製造できる。エンボス版の製造には比較的大きな時間やコストがかかるが、本発明によれば予め不陸隠蔽性の高いハイトデータを選別できるため、製造したエンボス版が無駄になるリスクを低減できる。このエンボス版を用いてシート表面にエンボス加工を行ってシートを製造すれば、不陸隠蔽性が高く意匠性に優れたシートが効率よく製造できる。
また、本実施形態では、合成ハイトデータを所定の視点位置や光源位置等の可視化条件で可視化した画像を用いて、シート43を被覆面41に貼着した際の不陸隠蔽性を簡単に確認でき、可視化条件の変更により様々な視点位置や光源位置にて確認作業が簡単にできる。また、可視化条件を予め定めて確認作業時の基準を設けることで、前記と同じく評価のばらつきが低減される。
また、プロファイルデータ5を前記のS1で説明した手法により作成することで、被覆面41とシート43の間に生じる隙間44の影響を示すプロファイルデータ5を高精度に作成できる。
また本実施形態では、プロファイルデータ作成時の実不陸部の平面形状は円形であり、被覆面ハイトデータ8の作成時には不陸部42の平面形状を正方形としている。このように、実不陸部と不陸部42の平面形状は同じである必要はなく(勿論同じでもよい)、所定の実不陸部を用いて作成されたプロファイルデータ5を、被覆面ハイトデータ8の作成時に任意の平面形状の不陸部42に適用でき、汎用性が高い。
また、被覆面ハイトデータ8を作成する際に、S21で入力された不陸部42の高さが、プロファイルデータ作成時の実不陸部の高さのいずれとも異なる場合、複数のプロファイルデータ5を補間して用いることで、様々な高さの不陸部42について、被覆面41にシート43を貼着した状態を高精度に表現できる。
なお、シート43の剛性によっても前記した隙間44のでき方が変わり、剛性が低い場合には不陸部42に沿ってシート43が貼り付けられるので隙間44の幅は小さく、逆の場合には隙間44の幅が大きくなる。そのため、シートの厚みや凹凸形状、材質、強度等、シートの剛性に関する各種の物性値を変化させつつ、様々なシートを用いてプロファイルデータ5を生成し、記憶部12に保持しておくことも望ましい。その例が図19(a)の点線や鎖線で示すプロファイルデータ5であり、プロファイルデータ5によって、シート43の厚みが大きい場合など隙間44の幅が大きくなるケース(点線)や、シート43の厚みが小さい場合など隙間44の幅の小さいケース(鎖線)が表現される。S2では、シート43の厚み等の物性値をパラメータとして入力することで、シート43の厚み等に応じて異なるプロファイルデータ5を用い、シート43の剛性に応じた適切なプロファイルデータ5を適用することも可能である。
さらに、シート43の凹凸形状すなわちシート43の柄によっては、不陸部42から横方向には幅の大きな隙間44ができやすいが、縦方向では隙間44の幅が小さくなるというように、隙間44のでき方に異方性が生じることもある。そのため、平面形状データ4の不陸部42からの方向とシートハイトデータ3の凹凸形状に応じて、例えば図19(a)で示すプロファイルデータ5の中から異なるプロファイルデータ5を用いることもでき、これにより、上記のように隙間44のでき方が異なるケースも高精度に表現できる。
また、本実施形態では不陸部42が凸状である場合を説明したが、凹状の不陸部45(図3(b)参照)の場合は、実不陸部を凹状とした場合の貼着シートハイトデータ6を用いてプロファイルデータ5を作成すればよい。図3(b)に示すように、凹状の不陸部45の場合は不陸部45の内側に隙間44ができるので、例えばプロファイルデータ5は実不陸部の周縁から内側の部分について作成し、S2では、このプロファイルデータ5を用いて、図19(b)に示す不陸部45の内側の傾斜部分の傾斜を付与できる。
さらに、シートの例としては、壁面や石膏ボード等を被覆面とする壁紙に限ることなく、例えば天井や石膏ボード等を被覆面とする発泡性樹脂層を有する天井材でもよい。その他、木製や樹脂製等の基材の被覆面に貼着され、化粧板として用いられるような化粧シートでもよい。ただし、不陸を隠蔽できることは壁紙の意匠性において特に重要であり、本発明を壁紙に適用する効果は非常に大きい。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1;情報処理装置
3;シートハイトデータ
4;平面形状データ
5;プロファイルデータ
6;貼着シートハイトデータ
7;非貼着シートハイトデータ
8;被覆面ハイトデータ
9、9A、9B;エンボス版製造装置
10;エンボス版製造システム
41;被覆面
42、45;不陸部
43;シート
44;隙間

Claims (12)

  1. 凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するハイトデータ作成手段と、
    第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成する合成手段と、
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記合成ハイトデータが示す凹凸形状を所定の視点位置および光源位置の条件で見た場合の画像を作成する画像作成手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記プロファイルデータを作成するプロファイルデータ作成手段をさらに有し、
    前記プロファイルデータ作成手段は、
    凸状または凹状の第2の不陸部を有する被覆面に貼着された状態の第2のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すハイトデータの階調値から、前記第2のシートのみについてのハイトデータの階調値を減算して得たハイトデータに対し、前記第2の不陸部の位置を中心とする極座標変換を行って周方向の平均をとり、前記プロファイルデータを作成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記第1の不陸部と前記第2の不陸部の平面形状が異なることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記プロファイルデータは、前記第2の不陸部の高さを変えて複数作成され、
    前記ハイトデータ作成手段は、前記第1の不陸部の高さが前記第2の不陸部の高さのいずれとも異なる場合、複数の前記プロファイルデータを補間して用いることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記ハイトデータ作成手段は、前記第1の不陸部からの方向と前記第1のシートの凹凸形状に応じて異なる前記プロファイルデータを用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
  7. 前記ハイトデータ作成手段は、前記第1のシートの厚みに応じて異なる前記プロファイルデータを用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
  8. 前記第1のシートは壁紙であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
  9. コンピュータが、
    凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、
    第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、
    を実行することを特徴とする情報処理方法。
  10. コンピュータに、
    凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、
    第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  11. コンピュータに、
    凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するステップと、
    第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成するステップと、
    を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
  12. 凸状または凹状の第1の不陸部を有する被覆面の高さ情報を階調値で示すハイトデータを、前記第1の不陸部の高さと平面形状、および前記平面形状の周縁からの距離と高さの関係を示すプロファイルデータを用いて作成するハイトデータ作成手段と、
    第1のシートの凹凸形状の高さ情報を階調値で示すエンボス版製造用のハイトデータの階調値と、前記被覆面のハイトデータの階調値を加算し、合成ハイトデータを作成する合成手段と、
    を有する情報処理装置と、
    前記エンボス版製造用のハイトデータに基づいて、彫刻またはエッチングの手法により前記第1のシートの凹凸形状を表面に形成したエンボス版を製造するエンボス版製造装置と、
    を備えることを特徴とするエンボス版製造システム。
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