JPH07238108A - エチレン重合用固体触媒成分の調製方法および該固体触媒成分を含む触媒を用いるエチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン重合用固体触媒成分の調製方法および該固体触媒成分を含む触媒を用いるエチレン共重合体の製造方法

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JPH07238108A
JPH07238108A JP3034894A JP3034894A JPH07238108A JP H07238108 A JPH07238108 A JP H07238108A JP 3034894 A JP3034894 A JP 3034894A JP 3034894 A JP3034894 A JP 3034894A JP H07238108 A JPH07238108 A JP H07238108A
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JP
Japan
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catalyst component
solid
solid catalyst
group
ethylene
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Application number
JP3034894A
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English (en)
Inventor
Makoto Suda
誠 須田
Michio Onishi
陸夫 大西
Toshimi Nikaido
俊実 二階堂
Hideaki Noda
英昭 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒活性が高く、分岐度分布の狭いエチレン
共重合体を得るに好適なエチレン重合用固体触媒成分の
調製方法を提供する。 【構成】 金属マグネシウム(a1 )とハロゲンおよび
/またはハロゲン化合物(a2 )とアルコール(a3 )
とを反応させて得られる固体生成物(A)およびハロゲ
ン化アルミニウム(B)を混合して、固体生成物(A)
と有機ハロゲン化アルミニウム(B)との中間生成物を
得た後、これに式 Ti(OR2 m 2 4-m (式中、R2 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X2 はハロゲン原子であり、mは0<m≦
4を満足する数である)で示されるチタン化合物(C)
を反応させて、固体生成物(A)と有機ハロゲン化アル
ミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物か
らなる固体触媒成分(I)を得ることを特徴とするエチ
レン重合用固体触媒成分の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン重合用固体触
媒成分の調製方法および該固体触媒成分を含む触媒を用
いるエチレン共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合用触媒を用いてエチレン
系共重合体を製造する方法は古くから知られている。こ
の方法に用いられる触媒は、チーグラー型触媒と一般に
呼ばれており、遷移金属化合物成分と有機金属化合物成
分とからなるが、触媒活性向上手法としてマグネシウム
化合物を担体としたものが知られている。
【0003】ところでエチレン共重合体は、スラリー
法、気相法、溶液法などの方法により製造されている
が、直鎖低密度ポリエチレン(以下LLDPEという)
のようなエチレン共重合体を製造する場合には、生成重
合体が溶媒中に溶解する溶液法が特に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
グネシウム化合物を担体とするチーグラー型触媒を用い
て溶液法によりLLDPEを製造すると、LLDPEの
分岐度分布がかなり広く、常温のn−ヘキサンに溶出す
る低分子量高分岐度成分が多くなるという現象がみられ
る。このような分岐度分布の広さ、特に常温のn−ヘキ
サンに溶出する低分子量高分岐度成分の多さは、LLD
PEから得られるフィルムのヒートシール性や耐ブロッ
クング性(フィルム同士の密着に対する耐性)を悪化さ
せるものである。
【0005】従って本発明の第1の目的は、触媒活性が
高く、分岐度分布の狭いエチレン共重合体を得るに好適
なエチレン重合用固体触媒成分の調製方法を提供するこ
とにある。
【0006】また本発明の第2の目的は、上記第1の目
的を達成する固体触媒成分を含むエチレン共重合用触媒
を提供することにある。
【0007】さらに本発明の第3の目的は、上記第2の
目的を達成するエチレン重合用触媒を用いて分岐度分布
の狭いエチレン共重合体を製造する方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明のエチレン重合用固体触媒成分の調製方法は、
金属マグネシウム(a1 )とハロゲンおよび/またはハ
ロゲン化合物(a2 )とアルコール(a3 )とを反応さ
せて得られる固体生成物(A)およびハロゲン化アルミ
ニウム(B)を混合して、固体生成物(A)と有機ハロ
ゲン化アルミニウム(B)との中間生成物を得た後、こ
れに式 Ti(OR2 m 2 4-m (式中、R2 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X2 はハロゲン原子であり、mは0<m≦
4を満足する数である)で示されるチタン化合物(C)
を反応させて、固体生成物(A)と有機ハロゲン化アル
ミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物か
らなる、アルミニウム含有量が4重量%以下の固体触媒
成分(I)を得ることを特徴とする。
【0009】また上記第2の目的を達成する本発明のエ
チレン重合用触媒は、上記の方法で調製されたエチレン
重合用固体触媒成分(I)と、式 AlR3 p 3 3-p (式中、R3 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X3 はハロゲン原子であり、pは0<p≦
3を満足する数である)で示される有機アルミニウム化
合物(II)とを必須成分として含むことを特徴とする。
【0010】さらに上記第3の目的を達成する本発明の
エチレン共重合体の製造方法は、上記の成分(I)と成
分(II)とを必須成分として含むエチレン重合用触媒の
存在下にエチレンとα−オレフィンとを共重合させるこ
とを特徴とする。
【0011】以下、本発明を詳説する。
【0012】(1)本発明のエチレン重合用固体触媒成
分の調製方法 先ず、本発明のエチレン重合用固体触媒成分の調製方法
について説明する。
【0013】本発明のエチレン重合用固体触媒成分の調
製方法においては、原料として固体生成物(A)とハロ
ゲン化アルミニウム(B)とチタン化合物(C)とを用
いるが、先ず固体生成物(A)とハロゲ化アルミニウム
(B)とを混合して、固体生成物(A)とハロゲン化ア
ルミニウム(B)との中間生成物を得た後、これにチタ
ン化合物(C)を反応させる。
【0014】すなわち、本発明のエチレン重合用固体触
媒成分の調製方法においては、固体生成物(A)とハロ
ゲン化アルミニウム(B)とを混合して中間生成物を得
たのち、これにチタン化合物(C)を反応させることを
必須要件とするものであり、固体生成物(A)、ハロゲ
ン化アルミニウム(B)およびチタン化合物(C)を上
記の順序で反応させることにより、触媒活性に優れ、分
岐度分布の狭いエチレン共重合体を得るに好適な固体触
媒成分を得ることができる。
【0015】これに対して固体生成物(A)とチタン化
合物(C)とを先ず反応させた後、ハロゲン化アルミニ
ウム(B)を反応させた場合や、ハロゲン化アルミニウ
ム(B)とチタン化合物(C)とを先ず反応させた後、
固体生成物(A)を反応させた場合には、触媒活性の低
下やエチレン共重合体の分岐度分布の拡大が引き起さ
れ、所望の結果が得られない。
【0016】そこで固体生成物(A)とハロゲン化アル
ミニウム(B)との反応による中間生成物の調製および
中間生成物とチタン化合物(C)との反応による固体触
媒成分の調製について項を分けて説明する。
【0017】(i)中間生成物の調製 中間生成物を得るために用いられる固体生成物(A)は
金属マグネシウム(a1 )とハロゲンおよび/またはハ
ロゲ化合物(a2 )とアルコール(a3 )とを反応させ
て得られたものである。
【0018】ここに金属マグネシウム(a1 )として
は、顆粒状、粉末状、リボン状等の任意の形状のものが
用いられ、顆粒状、粉末状の場合の粒径やリボン状の場
合のリボン幅や厚みは適宜選定される。金属マグネシウ
ムの表面状態については特に制限はないが、表面に酸化
マグネシウムなどの被膜が形成されていないものが有利
である。
【0019】次に上記金属マグネシウム(a1 )ととも
に用いられるハロゲンおよび/またはハロゲン化合物
(a2 )について説明すると、ハロゲンとしては、その
種類は特に制限はなく、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素な
どが用いられ、特にヨウ素を用いるのが好ましい。また
ハロゲン化合物も、その種類は特に制限がなく、ハロゲ
ン原子を分子内に有するものであればいかなるものでも
よいが、特にハロゲン含有金属化合物が好ましい。この
ようなハロゲン含有金属化合物としては、MgCl2
MgI2 、MgICl、MgBr2 、CaCl2 、Na
Cl、KBrなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金
属のハロゲン化物やMg(OEt)Cl、Mg(OE
t)Iなどのアルコキシ基置換アルカリ土類金属ハロゲ
化物などが挙げられるが、特にMgCl2 、MgI2
用いるのが好ましい。ハロゲン化合物の性状、形状、粒
度、使用法等は特に限定されるものでなく、例えば後記
するアルコール(a3 )に溶解した状態で用いることも
できる。
【0020】ハロゲンおよび/またはハロゲン化合物
(a2 )は、通常、金属マグネシウム(a1 )1モルに
対してハロゲン原子が0.0001g原子以上、好まし
くは0.0005g原子以上、さらに好ましくは0.0
01g原子以上となるような割合で用いられる。ハロゲ
ン原子の量が0.0001g原子未満では、得られた固
体生成物(A)を粉砕することなく用いた場合、チタン
担持量、触媒活性、生成ポリマーのモルフォロジーが低
下する。したがって、得られる固体生成物(A)の粉砕
処理が不可欠となり、好ましくない。また、ハロゲン原
子の量の上限については特に制限はなく、所望の固体生
成物(A)が得られる範囲で適宜選べばよい。また、こ
のハロゲンの量を適宜選択することにより、得られる固
体生成物(A)の粒径を任意にコントロールすることが
できる。
【0021】次に金属マグネシウム(a1 )、ハロゲン
および/またはハロゲン化合物(a2 )とともに用いる
アルコール(a3 )について説明すると、アルコール
(a3)としては特に制限がないが、炭素数1〜6の低
級アルコールが好ましく、特にエタノールは触媒性能を
向上させる固体触媒成分を与えるので好適である。アル
コールの純度や含水量についても特に制限はないが、含
水量の多いアルコールを用いると、金属マグネシウム
(a1 )表面に水酸化マグネシウムが形成されるので、
含水量が1重量%以下、特に2000ppm以下のアル
コールを用いるのが好ましく、水分は少なければ少ない
ほど有利である。
【0022】アルコール(a3 )の使用量は、通常、金
属マグネシウム(a1 )1モル当り2〜100モル、好
ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アルコール量
が多すぎるとモルフォロジーの良好なマグネシウム化合
物が得られにくい傾向がみられるし、少ない場合は金属
マグネシウム(a1 )との反応がスムーズに進行しない
おそれがある。
【0023】固体生成物(A)を得るための、金属マグ
ネシウム(a1 )とハロゲンおよび/またはハロゲン化
合物(a2 )とアルコール(a3 )との反応は、公知の
方法を用いて行うことができる。例えば金属マグネシウ
ムとハロゲンとアルコールとを、還流下で水素ガスの発
生が認められなくなるまで、通常2〜30時間程度反応
させることにより、所望の固体生成物(A)が得られ
る。具体的には、ハロゲンとしてヨウ素を用いる場合、
金属マグネシウムとアルコールとの混合物中に固体状の
ヨウ素を投入したのち、加熱し還流する方法、金属マグ
ネシウムとアルコールとの混合物中にヨウ素を含有する
アルコール溶液を滴下投入後、加熱し還流する方法、金
属マグネシウムとアルコールとの混合物を加熱しなが
ら、ヨウ素を含有するアルコール溶液を滴下する方法な
どを用いることができる。また、いずれの方法において
も、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下
において、場合により、n−ヘキサンのような飽和炭化
水素などの不活性有機溶媒を用いて行うことが好まし
い。金属マグネシウム及びアルコールの投入について
は、最初からそれぞれ全量反応槽に必ずしも投入してお
く必要はなく、分割して投入してもよい。例えば、アル
コールを最初から全量投入しておき、金属マグネシウム
を数回に分割して投入する方法である。この方法は、生
成する水素ガスの一時的な大量発生を防止することがで
き、安全面から極めて望ましく、かつ反応槽の小型化が
可能である上、水素ガスの一時的な大量発生により引起
こされるアルコールやハロゲの飛沫同伴を防ぐことがで
きる。分割する回数については、反応槽の規模を考慮し
て決めればよく、特に制限はないが、操作の繁雑さを考
慮すると、通常5〜10回の範囲で選ばれる。
【0024】また、反応自体はバッチ式、連続式のいず
れでもよく、変法として、最初から全量投入したアルコ
ール中に金属マグネシウムをまず少量投入し、反応によ
り生成した生成物を別の槽に分離して除去したのち、再
び金属マグネシウムを少量投入するという操作を切り返
すことも可能である。このようにして得られた固体生成
物(A)は、粉砕、あるいは粒度を揃えるための分級操
作などを行うことなく、次工程に用いることができる。
【0025】中間生成物の調製においては、上記のよう
にして得られた固体生成物(A)にハロゲン化アルミニ
ウム(B)を反応させる。用いられるハロゲン化アルミ
ニウムとしては、式 AlR1 n 1 3-n (式中、R1 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X1 はハロゲン原子であり、nは0≦n<
3を満足する数である)で表される化合物が使用され
る。
【0026】前記一般式におけるR1 は炭化水素基であ
って、飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のも
のや分岐鎖を有するもの、あるいは環状のものであって
もよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リンな
どのヘテロ原子を有するものであってもよい。好ましい
炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリール基及びアラルキル基を挙げることができる。R
1 の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、アリル
基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベン
ジル基、フェネチル基などが挙げられる。
【0027】また、前記一般式におけるX1 はフッ素原
子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のハロゲン原子
であるが、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好まし
く、特に塩素原子が最適である。
【0028】前記一般式で表されるハロゲン化アルミニ
ウムとしては、nが0の場合、トリフロロアルミニウ
ム、トリクロロアルミニウム、トリブロモアルミニウ
ム、トリヨードアルミニウムなどが挙げられる。これら
の中ではトリクロロアルミニウム、トリブロモアルミニ
ウムが好ましく、特にトリクロロアルミニウムが最適で
ある。また、nが1の場合にはメチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピル
アルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジ
クロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブ
チルアルミニウムジクロリドなどが好ましく、エチルア
ルミニウムジクロリドが特に好ましい。また、nが2の
場合には、ジメチルアルミニウムモノクロリド、ジエチ
ルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−プロピルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノ
クロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムモノクロリド、
ジ−イソブチルアルミニウムモノクロリドなどが挙げら
れる。これらのハロゲン化アルミニウムは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】ハロゲン化アルミニウム(B)の使用量は
固体生成物(A)中のMg1mol に対してAlが1.1
mol 以上とするのが好ましい。Alが1.1mol 未満で
あると、反応が充分に行われず、また生成固体中のAl
含量が多くなることが実験事実から判っている。そして
この固体を用いると、後のチタン化合物(C)との反応
で得られた固体触媒成分中のAl含有量が大となり
(5.0%以上)、この触媒を用いると得られる共重合
体における常温ヘキサン可溶分が多くなり、ポリマーフ
ィルムのヒートシール温度が高くなり好ましくない。
【0030】固体生成物(A)とハロゲン化アルミニウ
ム(B)との混合方法は特に限定されるものではなく、
ヘキサン、ヘプタン、シロクヘキサン、トルエン等の炭
化水素系溶媒中で撹拌、振とうなどの通常の手段を用い
て行なわれる。
【0031】固体生成物(A)とハロゲン化アルミニウ
ム(B)との反応により得られた中間生成物は、そのア
ルミニウム含有率が0.1wt%以上であるのが好まし
く、0.5wt%以上であるのが特に好ましい。Al含有
量が0.1wt%未満では、マグネシウム化合物に担持さ
れるTiの量が少なく、固体触媒成分を用いて得られた
ポリマー中の触媒残渣が多くなる(触媒当りの活性が低
くなる)ので好ましくない。
【0032】この中間生成物は、次にチタン化合物
(C)との反応に供せられるが、それに先立ち、この中
間生成物を上記炭化水素系溶媒で洗浄を繰り返し、原液
を十分に除去するのが好ましい。その理由は、原液が多
量に残っていると、次に加えるチタン化合物(C)と反
応し、触媒活性が低下することがあるからである。
【0033】(ii)固体触媒成分の調製 上記(i)で得られた中間生成物にチタン化合物(C)
を反応させることにより、固体生成物(A)とハロゲン
化アルミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生
成物からなる固体触媒成分が得られる。
【0034】チタン化合物(C)は式 Ti(OR2 m 2 4-m (式中、R2 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X2 はハロゲン原子であり、mは0<m≦
4を満足する数である)で表される化合物が使用され
る。前記一般式におけるR2 は炭化水素基であって、飽
和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分岐
鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよく、
さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リンなどのヘテ
ロ原子を有するものであってもよい。好ましい炭化水素
基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール
基及びアラルキル基を挙げることができる。R2 の具体
例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基、オクタデシル基、アリル基、ブテニル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキ
セニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネ
チル基などが挙げられる。
【0035】また、前記一般式におけるX2 はフッ素原
子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のハロゲン原子
であるが、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好まし
く、特に塩素原子が好適である。
【0036】前記一般式で表されるチタン化合物の代表
的なものとしては、mが1の場合にはエトキシトリクロ
ロチタン、n−プロポキシトリクロロチタン、n−ブト
キシトリクロロチタンが挙げられる。mが2の場合には
ジエトキシジクロロチタン、ジ−n−プロポキシジクロ
ロチタン、ジ−n−ブトキシジクロロチタンなどが挙げ
られ、mが3の場合には、トリエトキシモノクロロチタ
ン、トリ−n−プロポキシモノクロロチタン、トリ−n
−ブトキシモノクロロチタンなどが挙げられる。mが4
の場合にはテトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポ
キシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n
−ブトキシチタンなどが挙げられる。これらのうちmが
4であるチタン化合物を用いるのが好ましく、なかでも
テトラ−n−ブトキシチタンを用いるのが特に好まし
い。これらのチタン化合物は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】用いられるチタン化合物(C)の量は、
[チタン化合物(C)に由来するTi]/[金属マグネ
シウム(a1 )に由来するMg]が0.01〜1.0mo
l /mol 、特にTi/Mgが0.01〜0.5mol /mo
l となるように設定するのが好ましい。Ti/Mgが
1.0mol /mol を超えると触媒の一部が溶解、損失
し、一方Ti/Mgが0.01mol /mol 未満ではマグ
ネシウム化合物に担持されるTiの量が少なく、固体触
媒成分を用いて得られたポリマー中の触媒残渣が多くな
る(触媒当りの活性が低くなる)ので、いずれも好まし
くない。
【0038】また固体生成物(A)と有機ハロゲン化ア
ルミニウム(B)との中間生成物とチタン化合物(C)
との反応時のチタンの濃度[Ti]は1〜50mmol/l
とするのが好ましく、1〜30mmol/lとするのが特に
好ましい。チタン濃度が50mmol/lを超えると触媒の
一部が溶解、損失してしまうことがあり、一方1mmol/
l未満であるとスラリー媒体として用いる溶媒の量が多
くなり、ポリマーの生産性が低下するので、いずれも好
ましくない。
【0039】上記の固体生成物(A)とハロゲン化アル
ミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物を
ハロゲン化剤(D)と反応させることもできる。ハロゲ
ン化剤(D)としては、式 MXk 4-k (式中、Mは4価元素、Xはハロゲン原子、Yは炭化水
素基であり、kは0<k≦4を満足する数である)で示
される、還元力の弱い4価元素Mのハロゲン化物が使用
される。その具体例としては、SiCl4 、SiMe2
Cl2 、SiMeCl3 、SiMe3 ClなどのSi化
合物、TiCl4 などの遷移金属のハロゲン化合物が挙
げられ、なかでもSi化合物を用いるのが好ましい。還
元力のある有機アルミニウムハロゲン化合物を用いる
と、共重合性の低下、触媒活性の低下を起すので好まし
くない。
【0040】ハロゲン化剤(D)の使用量については特
に制限がないが、固体生成物(A)と有機ハロゲン化ア
ルミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物
中のチタン(Ti)に対してハロゲン(X)がX/Ti
=0.01mol /mol 以上となるような量とするのが好
ましい。
【0041】以上、中間生成物を調製し、次いで反応生
成物(固体触媒成分)を調製する方法を説明してきた
が、これら一連のプロセスにおいて接触温度は0〜10
0℃、接触時間は1分〜48時間とするのが好ましい。
しかし、上記範囲に限定されるものでないことはもちろ
んである。
【0042】このようにして得られた、固体生成物
(A)とハロゲン化アルミニウム(B)とチタン化合物
(C)との反応生成物または該反応生成物とハロゲン化
剤(D)との反応生成物からなる固体触媒成分におい
て、そのAl含有量は4wt%以下に限定され、2wt%以
下であるのが好ましい。Al含有量が4wt%を超える
と、触媒成分を用いて得られる共重合体における常温ヘ
キサン可溶分が多くなり、ポリマーフィルムのヒートシ
ール温度が高くなり好ましくない。
【0043】(2)本発明のエチレン共重合用固体触媒 次に本発明のエチレン重合用固体触媒について説明す
る。
【0044】本発明のエチレン重合用固体触媒は、上述
のようにして調製されたエチレン重合用固体触媒成分
(I)と式 AlR3 p 3 3-p (式中、R3 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
いてもよく、X3 はハロゲン原子であり、pは0<p≦
3を満足する数である)で示される有機アルミニウム化
合物(II)とを必須成分として含むものである。
【0045】上記式の有機アルミニウム化合物(II)を
示す式において、R3 はアルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ア
ラルキル基などの炭化水素基であるが、イオウ、窒素、
酸素、ケイ素、リンなどのヘテロ原子を有する炭化水素
基でもよい。酸素を有する炭化水素基として、アルコキ
シ基が挙げられる。また、X3 は塩素原子や臭素原子な
どのハロゲン原子である。なお、R3 の炭化水素基、X
3 のハロゲン原子を部分的に水素原子に置き換えること
ができる。
【0046】このような有機アルミニウム化合物(II)
としては、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノメトキシド、ジメチルアルミニウムモノエトキ
シド、ジエチルアルミニウムモノブトキシド、ジエチル
アルミニウムモノフェノキシド、エチルアルミニウムジ
クロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセ
スキクロリドなどを挙げることができる。これらの化合
物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0047】本発明の触媒において触媒成分(I)と有
機アルミニウム(II)との割合は、(I)/(II)=1
/1000〜1/0.1(mol /mol )となるようにす
るのが好ましい。
【0048】その理由は、(I)/(II)が1/0.1
よりも高くなって成分(I)が成分(II)よりも相対的
に多くなると、触媒活性の低下、共重合性の悪化をもた
らし、また(I)/(II)が1/1000よりも低くな
って成分(II)が成分(I)よりも相対的に多くなる
と、活性の低下、共重合性の悪化をもたらすからであ
る。
【0049】(3).本発明のエチレン共重合体の製造
方法 本発明のエチレン共重合体の製造方法は、固体触媒成分
(I)と有機アルミニウム化合物(II)とを必須成分と
して含むエチレン重合用触媒の存在下にエチレンとα−
オレフィンを共重合させることを特徴とする。
【0050】エチレンと共重合させるα−オレフィンと
しては、炭素数4〜18の直鎖状または分岐鎖状のα−
オレフィン、例えばブテン−1,ヘキセン−1,オクテ
ン−1,デセン−1,ドデセン−1など、および3−メ
チルブテン−1や4−メチルペンテン−1や2−エチル
ヘキセン−1などが挙げられる。
【0051】α−オレフィンの供給量は密度0.890
〜0.940のエチレン共重合体が得られるように適宜
調整するのが好ましい。
【0052】その他の重合条件は、従来より用いられて
いる条件をそのまま用いることができる。以下に各種条
件を列挙する。
【0053】(i) 反応媒体としての不活性溶剤 炭素数5〜18の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳
香族炭化水素が用いられ、具体的には、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデ
カンなどの直鎖状または分岐鎖状炭化水素;シクロヘキ
サンなどの環状炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。特に好ましい不
活性溶剤としては、例えばn−ヘキサンを挙げることが
できる。
【0054】(ii) 反応温度 生成共重合体が反応媒体に溶解する温度、通常140℃
以上、特に170〜220℃が装置運転上好ましい。
【0055】(iii) 反応圧力 通常は1.0〜15MPa、特に2.0〜9.0MPa
が好ましい。
【0056】(iv) 触媒濃度 チタン濃度で0.001〜10mmol/l、特に0.00
1〜0.1mmol/l程度が好ましい。
【0057】(v) その他 共重合にあたっては、水素などの公知の分子量調節剤を
用いることができる。
【0058】このようにしてエチレンとα−オレフィン
を共重合することにより得られたエチレン共重合体は、
その密度が0.890〜0.940であるのが好まし
い。その理由は、0.940を超えると、フィルムの低
温シール性が低下し、0.890未満では、常温ヘキサ
ン可溶分が多くなり、フィルム同士が密着してしまう、
いわゆるブロッキングが生じてしまうのに対し、0.8
90〜0.940の範囲では、このような問題がなく所
望の結果が得られるからである。
【0059】またエチレン共重合体は、そのメルトイン
デックス(JIS−K−7210に規定の方法による。
荷重2160g、温度190℃で測定)が0.05〜1
0g/10分であるのが好ましく、1〜8g/10分で
あるのが特に好ましい。その理由は0.05g/10分
未満であるとフィルムの生産性(成形性)が低下し、1
0g/10分を超えると、成形性およびフィルム機械的
強度が低下するのに対し、0.05〜10g/10分の
範囲であると、このような問題がなく、所望の結果が得
られるからである。
【0060】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する。
【0061】実施例1 (1)固体触媒成分の調製 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積6リットル)をN
2 ガスで充分に置換し、エタノール(成分a3 )267
3g、I2 (成分a2 )8.8g及び金属マグネシウム
(成分a1 、顆粒状、平均粒度350μm)176gを
投入し、撹拌しながら還流条件下で系内からH2 ガスの
発生がなくなるまで、加熱下で反応させて、固体生成物
(A)を含む反応液を得たのち、減圧下乾燥させること
により固体生成物(A)を得た。
【0062】N2 ガスで充分に置換した撹拌機付きガラ
ス製三口フラスコ(内容積3リットル)に前記固体生成
物(A)75.6gと精製ヘキサン664mlを入れ
た。系内を30〜40℃に保ち、撹拌しながらエチルア
ルミニウムジクロリド(B)の50重量%ヘキサン希釈
液788mlを1時間かけて滴下した。更に還流下、1
時間反応させた。得られた固体を精製ヘキサンで、原液
残留率が0.1%以下になるまで充分洗浄し、中間生成
物を得た。Al含有量は1.3wt%であった。
【0063】この中間生成物15gにテトラブトキシチ
タン(C)5.4gを[Ti]=12.5mmol/lの濃
度(Ti/Mg=0.1mol /mol )で、30℃、24
時間反応させた。得られた固体を精製ヘキサンで充分洗
浄し、固体触媒成分(I)を得た。固体触媒成分中のA
l含量は0.3wt%であった。
【0064】(2)重合 撹拌機を有し、内容積が10リットルのステンレス製オ
ートクレープに、乾燥ヘキサン4300ml、乾燥1−
オクテン700mlを投入した後に、更にH2を0.0
25MPa張り込んだ。その後かきまぜながら内温18
5℃まで昇温した。触媒投入管に乾燥ヘキサン200m
l、有機アルミニウム化合物(II)であるジエチルアル
ミニウムモノクロリド4.0mmol、固体触媒成分(I)
0.2mmol−Ti原子を、順次投入した。次いでアルゴ
ンガスにより投入管内の触媒をオートクレープ内に圧入
すると同時にエチレンを導入し、重合を開始した。エチ
レンは全圧3.0MPa−G(分圧1.6MPa)で5
分間導入した。5分後、イソプロピルアルコールを投入
することにより重合を停止した。重合後冷却し、生成重
合体を回収した。
【0065】得られた重合体を用いて、Tダイ法により
下記の条件でフィルムを形成した。
【0066】押出機 :口径、20mmφ 成形ダイ:幅170mm,ギャップ60mm エア−ギャップ60mm 樹脂温度 :230℃ チルロ−ル温度:30℃ フィルム厚み :40μm このフィルムについて下記の物性値を測定した。
【0067】(a)メルトインデックス:MI(g/1
0分) JIS−K−7210に規定された方法による。
【0068】(b)密度(g/cm) JIS−K−6760に規定された方法による。
【0069】(c)ヒ−トシ−ル温度 JIS−Z−1707に規定された方法により、ヒ−ト
シ−ル強度が300gとなるときのヒ−トシ−ル温度を
求めた。
【0070】また常温ヘキサン可溶分の測定法を次のよ
うにして行なった。
【0071】生成重合体を粉砕し、ふるいにかけ(メッ
シュNo.9)粗粉を取り除く。粗粉のない試料3.0g
を用いn−ヘキサン中、25℃で6.5時間抽出を行
い、常温ヘキサン可溶分(wt%)を算出した。
【0072】得られた結果は表1にまとめて示した。
【0073】実施例2 (1)固体触媒成分の調製 テトラブトキシチタン(C)の使用量を2.4g、Ti
濃度を[Ti]=5mmol/l(Ti/Mg=0.05mo
l /mol )とした以外は、実施例1と同様の方法で実施
した。固体触媒中のAl含有量は、0.5wt%であっ
た。
【0074】(2)重合 実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0075】実施例3 (1)固体触媒成分の調製 実施例1と同様の方法で実施した。
【0076】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を760ml、ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド投入量を3.5mmol、固体触媒成分
投入量を0.175mmol−Ti原子とした以外は、実施
例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0077】実施例4 (1)固体触媒成分の調製 実施例2と同様の方法で実施した。
【0078】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を650mlにした他は、実施
例3と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0079】比較例1 (1)固体触媒成分の調製 金属マグネシウム(成分a1 )とエタノール(成分a3
)を用いたが、I2 (成分a2 )を用いなかった以外
は実施例1と同様にして、固体生成物を得た。N2 ガス
で充分に置換した撹拌機付きガラス製三口フラスコ(内
容積3リットル)に前記固体生成物76.5gと精製ヘ
キサン664mlを入れた。系内を30〜40℃に保
ち、撹拌しながらエチルアルミニウムジクロリド(B)
の50重量%ヘキサン希釈液788mlを1時間かけて
滴下した。更に還流下、1時間反応させた。得られた固
体を精製ヘキサンで、原液残留率が0.1%以下になる
まで充分洗浄し、中間生成物を得た。Al含有量は1.
3wt%であった。
【0080】この中間生成物15gにテトラブトキシチ
タン(C)2.4gを[Ti]=15mmol/lの濃度
(Ti/Mg=0.05mol /mol )で、30℃、24
時間反応させた。得られた固体を精製ヘキサンで充分洗
浄し、固体触媒成分を得た。固体触媒成分中のAl含量
は4.2wt%であった。
【0081】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を150mlにした他は、実施
例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0082】比較例2 (1)固体触媒成分の調製 実施例1と同様の方法で、固体生成物(A)を得た。N
2 ガスで充分に置換した撹拌機付きガラス製三口フラス
コ(内容積30リットル)に前記固体成分(A)90
g、精製ヘキサン900ml、テトラブトキシチタン
(C)21.0gを加えた。系内を40℃に保ち、撹拌
しながらエチルアルミニウムジクロライド(B)の50
重量%ヘキサン希釈液936mlを1時間かけて滴下し
た。更に還流下、2時間反応させた。得られた固体成分
を精製ヘキサンで充分洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0083】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を850mlにした他は、実施
例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0084】比較例3 (1)固体触媒成分の調製 実施例1と同様の方法で、固体生成物(A)を得た。エ
チルアルミニウムジクロリド(B)の50重量%ヘキサ
ン希釈液の滴下量を197mlにした以外は実施例1と
同様の方法で中間生成物を得た。この時、Al含有量は
9.0wt%であった。
【0085】この中間生成物9.0gにテトラブトキシ
チタン(C)9.6gを[Ti]=12.5mmol/lの
濃度(Ti/Mg=0.1)で、30℃、24時間反応
させた。得られた固体成分を精製ヘキサンで充分洗浄
し、固体触媒成分を得た。固体触媒成分中のAl含量は
6.0wt%であった。
【0086】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を1100mlにした他は、実
施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0087】比較例4 (1)固体触媒成分の調製 内容積200mlのステンレス製ポットに、直径10mm
φのステンレス製ボール100個を充填し、無水MgC
2 (粉砕品)14g、テトラクロロチタン1.6m
l、精製n−ヘキサン48mlを、N2 ガス雰囲気下で
封入した。回転式ミルにのせ、60時間粉砕した。得ら
れた固体成分を、精製n−ヘプタンで充分洗浄し、固体
触媒成分を得た。
【0088】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を750mlにした他は、実施
例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1より、固体生成物(A)とハロゲン化
アルミニウム(B)とを反応させたのち、チタン化合物
(C)を反応させて得られた固体触媒成分(I)とジエ
チルアルミニウムモノクロリド(II)とからなる触媒を
用いた実施例1〜4では、許容値下限の80kg/g−T
iをはるかに超える90〜120kg/g−Tiという重
合活性が得られた。また得られた共重合体はMIが1.
7〜4.1g/10分(許容値0.05〜10g/10
分)、常温ヘキサン可溶分が1.8〜3.0wt%(許容
値4.0wt%以下)、ヒートシール温度が88〜91℃
(許容値100℃未満)であり、いずれも優れた値を示
した。
【0091】これに対して成分(a2 )のI2 を用いず
に成分(a1 )の金属マグネシウムおよび成分(a3 )
のエタノールのみを用いて得た固体生成物にエチルアル
ミニウムジクロリド(B)、テトラブトキシチタン
(C)を順次反応させて得た固体触媒成分を用いた比較
例2では、重合活性が低く(52kg/g−Ti)、常温
ヘキサン可溶分が多く(5.6wt%)、ヒートシール温
度も高い(101℃)という結果が得られた。
【0092】また固体生成物(A)にテトラブトキシチ
タン(C)を反応させたのち、エチルアルミニウムジク
ロリド(B)を反応させて得た固体触媒成分を用いた比
較例2では、重合活性が低く(19kg/g−Ti)、常
温ヘキサン可溶分が多く(5.3wt%)、ヒートシール
温度も高い(101℃)という結果が得られた。
【0093】またAl含有量が6.0wt%である固体触
媒成分を用いた比較例3でも、MIが高く(21g/1
0分)、常温ヘキサン可溶分が多く(5.5wt%)、ヒ
ートシール温度も高い(101℃)という望ましくない
結果が得られた。
【0094】さらに本発明のような接触反応によらず、
機械的共粉砕により得られた固体触媒成分を用いた比較
例4でも、常温ヘキサン可溶分が多く(5.6wt%)、
ヒートシール温度も高い(102℃)という望ましくな
い結果が得られた。
【0095】実施例5 (1)固体触媒成分の調製 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積6リットル)をN
2 ガスで充分に置換し、エタノール(成分a3)267
3g、I2 (成分a2)8.8g及び金属マグネシウム
(成分a1,顆粒状、平均粒度350μm)176gを
投入し、撹拌しながら還流条件下で系内からH2 ガスの
発生がなくなるまで、加熱下で反応させて、固体生成物
(A)を含む反応液を得たのち、減圧下乾燥させること
により固体生成物(A)を得た。
【0096】N2 ガスで充分に置換した撹拌機付きガラ
ス製三口フラスコ(内容積3リットル)に前記固体生成
物(A)75.6gと精製ヘキサン664mlを入れ
た。系内を30〜40℃に保ち、撹拌しながらエチルア
ルミニウムジクロライド(B)の50重量%ヘキサン希
釈液788mlを1時間かけて滴下した。更に還流下、
1時間反応させた。得られた固体を精製ヘキサンで、原
液残留率が0.1%以下になるまで充分洗浄し、固体生
成物(A)とハロゲン化アルミニウム(B)との中間生
成物を得た。Al含有量は1.3wt%であった。
【0097】この中間生成物15gにテトラブトキシチ
タン(C)2.4gを[Ti]=5mmol/lの濃度(T
i/Mg=0.05mol /mol )で30℃、24時間反
応させた。得られた固体を精製ヘキサンで充分洗浄し
た。
【0098】得られた反応生成物に四塩化ケイ素(D)
18mlを0.12mol /lの濃度で添加し、還流下2
時間反応させた。得られた固体を精製ヘキサンで充分洗
浄し、固体触媒成分を得た。固体触媒成分中のAl含量
は0.4wt%であった。
【0099】(2)重合 撹拌機を有し、内容積が10リットルのステンレス製オ
ートクレープに、乾燥ヘキサン4100ml、乾燥1−
オクテン700mlを投入した後に、更にH2を0.0
25MPa張り込んだ。その後かきまぜながら内温18
5℃まで昇温した。触媒投入管に乾燥ヘキサン200m
l、有機アルミニウム化合物(II)であるジエチルアル
ミニウムモノクロライド4.0mmol、固体触媒成分
(I)0.2mmol−Ti原子を、順次投入した。次いで
アルゴンガスにより投入管内の触媒をオートクレープ内
に圧入すると同時にエチレンを導入し、重合を開始し
た。エチレンは全圧3.0MPa−G(分圧1.6MP
a)で5分間導入した。5分後、イソプロピルアルコー
ルを投入することにより重合を停止した。重合後冷却
し、生成重合体を回収した。生成重合体のうち、300
gを用い、キャスト成形機にて、厚さ40μmのキャス
トフィルムを作製し、ヒートシール温度を測定した。結
果を表2に示す。
【0100】実施例6 (1)固体触媒成分の調製 ハロゲン化剤(D)をジメチルジクロロシラン19.2
mlとした以外は実施例5と同様の方法で実施した。得
られた固体触媒成分中のAl含量は、0.5wt%であっ
た。
【0101】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を800mlにした他は、実施
例5と同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0102】実施例7 (1)固体触媒成分の調製 5.4gのテトラブトキシチタン(C)を[Ti]=1
2.5mmol/lの濃度(Ti/Mg=0.1mol /mol
)で用い、ハロゲン化剤(D)として四塩化チタン3
00mlを[Ti]=2.3mol /lの濃度で添加した
以外は実施例5と同様の方法で実施した。固体触媒成分
中のAl含量は0.3wt%であった。
【0103】(2)重合 ジエチルアルミニウムモノクロリドを5.0mmolにした
他は、実施例6と同様の方法で行った。結果を表2に示
す。
【0104】比較例5 (1)固体触媒成分の調製 実施例1と同様の方法で、固体生成物(A)とエチルア
ルミニウムジクロリド(B)から中間生成物を得た。こ
の中間生成物15gに四塩化チタン(D)876mlを
[Ti]=4.6mol /lの濃度で添加し、還流下2時
間反応させた。得られた固体成分を精製ヘキサンで充分
洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0105】(2)重合 乾燥1−オクテン投入量を680mlにした他は、実施
例1と同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】表2より、固体生成物(A)とハロゲン化
アルミニウム(B)とを反応させた後、チタン化合物
(C)を反応させ、さらにハロゲン化剤(D)を反応さ
せて得た固体触媒成分(I)を用いた実施例5〜7で
は、重合活性が80〜120kg/g−Ti、MIが1.
4〜2.5g/10分、常温ヘキサン可溶分が1.4〜
1.7wt%、ヒートシール温度が86〜88℃であり、
いずれも満足すべき値を示した。
【0108】また実施例5〜7では、ハロゲン化剤
(D)を用いないで得た固体触媒成分(I)を用いた実
施例1〜4よりも常温ヘキサン可溶分が少なく、ヒート
シール温度も低下しており優れていた(表2の実施例5
〜7の結果を表1の実施例1〜4の結果と対比された
い)。
【0109】これに対して、固体生成物(A)とハロゲ
ン化アルミニウム(B)とを反応させたのちハロゲン化
剤(D)を反応させて得た固体触媒成分を用いた比較例
5では、重合活性、MI、常温ヘキサン可溶分、ヒート
シール温度ともに望ましくない結果が得られた。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、触媒活性が高く、分岐
度分布の狭いエチレン共重合体を得るに好適なエチレン
重合用固体触媒成分を調製する方法が提供された。
【0111】また該固体触媒成分に有機アルミニウム化
合物を組み合せることによりエチレン重合用触媒が提供
された。
【0112】さらに該エチレン重合用触媒を用いて、分
岐度分布の狭いエチレン重合体を得ることができるエチ
レン共重合体の製造方法が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 英昭 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石油 化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属マグネシウム(a1 )とハロゲンお
    よび/またはハロゲン化合物(a2 )とアルコール(a
    3 )とを反応させて得られる固体生成物(A)およびハ
    ロゲン化アルミニウム(B)を混合して、固体生成物
    (A)と有機ハロゲン化アルミニウム(B)との中間生
    成物を得た後、これに式 Ti(OR2 m 2 4-m (式中、R2 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
    いてもよく、X2 はハロゲン原子であり、mは0<m≦
    4を満足する数である)で示されるチタン化合物(C)
    を反応させて、固体生成物(A)と有機ハロゲン化アル
    ミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物か
    らなる、アルミニウム含有量が4重量%以下の固体触媒
    成分(I)を得ることを特徴とするエチレン重合用固体
    触媒成分の調製方法。
  2. 【請求項2】 固体生成物(A)と有機ハロゲン化アル
    ミニウム(B)とチタン化合物(C)との反応生成物を
    ハロゲン化剤(D)と反応させる、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法で調製さ
    れたエチレン重合用固体触媒成分(I)と、式 AlR3 p 3 3-p (式中、R3 は炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んで
    いてもよく、X3 はハロゲン原子であり、pは0<p≦
    3を満足する数である)で示される有機アルミニウム化
    合物(II)とを必須成分として含むことを特徴とするエ
    チレン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のエチレン重合用触媒の
    存在下にエチレンとα−オレフィンとを共重合させるこ
    とを特徴とするエチレン共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 メルトインデックスが0.05〜10g
    /10分であるエチレン共重合体を得る、請求項4に記
    載の方法。
JP3034894A 1994-02-28 1994-02-28 エチレン重合用固体触媒成分の調製方法および該固体触媒成分を含む触媒を用いるエチレン共重合体の製造方法 Pending JPH07238108A (ja)

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JP2010513629A (ja) * 2006-12-22 2010-04-30 バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ オレフィン重合用の触媒成分及びそれから得られる触媒
CN103665230A (zh) * 2012-09-18 2014-03-26 中国石油天然气股份有限公司 一种乙烯/α-烯烃共聚催化剂及其制备和应用
JP2015155527A (ja) * 2014-01-16 2015-08-27 リケンファブロ株式会社 食品包装用ポリオレフィン系ラップフィルム

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