JPH0723315A - 直視表示デバイス、直視表示デバイスに使用するための直視陰極線管および直視陰極線管の処理方法 - Google Patents

直視表示デバイス、直視表示デバイスに使用するための直視陰極線管および直視陰極線管の処理方法

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JPH0723315A
JPH0723315A JP6045850A JP4585094A JPH0723315A JP H0723315 A JPH0723315 A JP H0723315A JP 6045850 A JP6045850 A JP 6045850A JP 4585094 A JP4585094 A JP 4585094A JP H0723315 A JPH0723315 A JP H0723315A
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Johannes M G Verhoeven
マリア ヘラルダス ベルホウフェン ヨハネス
Henry A Schweitz
アントニウス スウェイツ ヘンリー
Den Eeden Adrianus L G Van
レオナルダス ヘラルダス ファン デン エーデン アドリアヌス
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Details Of Television Scanning (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 とくに改善されたコントラストおよびより平
坦な画像という点において、改善された画像表示が得ら
れるようにする。 【構成】 陰極線管1を含んでいる表示デバイスに、フ
ェースプレート16を含み、表示窓3の前方に配置され
ているホルダー15が設けられている。フェースプレー
ト16と表示窓3間のスペースは液体17やゲルで満た
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示窓を有する陰極線
管を含んでいる直視表示デバイスに関する。そのような
デバイスは商業的に入手できる。
【0002】
【従来の技術】上記種類の表示デバイスは通常、排気さ
れた管球容器内に、少なくとも1個の電子ビームを発生
する手段(以下“電子銃”と呼ぶ)と電子銃に面してい
る内側表面に発光性のスクリーンが設けられている表示
窓とを含んでいる。画像は、発光性のスクリーンを横切
って電子ビームを偏向手段(例えば偏向板や偏向コイル
のシステム)で偏向することにより発光性のスクリーン
上に表示される。表示窓はまた、それを通して観察者が
発光性のスクリーン上の表示画像を見ることのできる外
側表面を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、観察者
はまたその外側表面上の欠陥をも見ることになる。これ
らの欠陥は、引っかき傷やぎざぎざ等の形態であったり
して、陰極線管の製造のされ方によって生ずるかも知れ
ない。観察者はまた外側表面における反射をも見る。上
記結果のすべては表示画像の質に後向きの影響を与え
る。上記邪魔になる結果を避ける方法は通常高価であ
り、また他の問題を引き起す。例えば、反射防止フィル
タを設けることは減少した反射をもたらすけれども、時
間を費やし、高価となり、そして引っかき傷等の後向き
の影響を必ずしも消去しないし、その上、それはフィル
タ自体が腐食してきたり、損傷を受けまたは部分的に剥
離したりするという不利益をしばしば有している。フィ
ルタが正しく働らかない場合に、取り除くことは非常に
困難である。本発明の目的は、上記欠点が簡単な方法で
減少させられた最初のパラグラフで説明した種類の表示
デバイスを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明に従った表示デバイスは、透明なプレートを具えてい
るホルダーが表示窓の前方に配置され、表示窓とプレー
トの屈折率から最大0.25異なった屈折率を有する透明な
液体が表示窓とプレート(フェースプレート)間のスペ
ースに設けられていることを特徴とする。
【0005】表示窓上の欠陥は表示窓での反射と同様液
体によって相当な程度まで見えなくされる。上記液体は
殆んど完全に表示窓の表面(プレートの表面と同様に)
に沿って追随する。表示窓と液体間の屈折率の差が小さ
いために、表示窓と液体間の界面における反射は殆んど
生じない。一般に、同じことがプレートと液体間の界面
についても真である。一般に、液体の経年劣化や変色は
起りにくく、それらが乾いたり、縮んだりまたは表示窓
やプレートから剥れたりすることは少しもない。加え
て、本発明は、それがどんな種類の陰極線管表示デバイ
スにも適用できるという利点を有する。液体はホルダー
から容易に除去され、もし必要ならば他の液体に置き替
えられる。言い替えると、欠点を軽減するためにとられ
る方法は、もし必要ならば、簡単な方法で裏返されまた
は繰返し使用されることである。別の利点は、表示窓の
外側表面が精密な後処理を必要としないことである。こ
れは陰極線管の製造方法を簡単にする。
【0006】本発明の別の実施例として、ホルダーは液
体に代えてゲルを含む。固体の物質と比較して、ゲルは
液体の上述した利点の幾つかを有している。ゲルは、液
体のように表示窓の外側表面に沿って追随し、一般に乾
かない。しかしながら、液体に比較してゲルの欠点は、
スペースを満たすにあたって目に見える気泡がゲル中に
発生するという比較的大きなリスクがあることである。
ゲルは固体の物質ではなく、それ故、比較的容易に除去
され得る。液体以上のゲルの利点は漏れのリスクが小さ
いことである。
【0007】陰極線管が表示窓の周りに内破防護バンド
を有している本発明の実施例においては、ホルダーはそ
の内破防護バンドに固定されていることを特徴とする。
ホルダーは表示窓に対してよりも内破防護バンドに対し
てより容易に固定され得る。
【0008】陰極線管が表示窓の周りに内破防護バンド
を有している本発明の実施例においては、表示窓を横切
る方向に見た内破防護バンドがプレートの方向に延び、
その結果、内破防護バンドの一部がホルダーの一部を構
成していることを特徴とする。
【0009】これは表示窓が作られる方法を簡単にし、
そして製造時と同様に必要な部品の数を減少させる。別
の実施例において、ホルダーの側面は不透明である。こ
れは表示画像を高スントラストに導く。
【0010】別の実施例において、プレートは平坦であ
る。プレートはわずかにカーブしていてもよい。しかし
ながら、好ましくはプレートは平坦であり、その理由は
表示画像がそのとき非常に平坦であるように知覚される
からである。ほぼ平坦なプレートは反射を妨げることを
殆んど示さず、簡単な方法で製造され、取り扱われる。
その上、もし(ほぼ)平坦なプレートが使用されるなら
ば、表示画像はたいへん平坦に見える。別の実施例にお
いて、プレートは外側に反射防止フィルタを具えてい
る。これはプレートにおける反射を抑圧する。本発明は
また、表示デバイスで使用するための陰極線管に関す
る。
【0011】
【実施例】以下に添付図面を参照し実施例により本発明
を詳細に説明する。図1は本発明に従った陰極線管表示
デバイスの部分的透視図である。表示デバイスは、表示
窓3、円錐部4およびネック5を具えた排気された管球
容器2を含んでいる陰極線管1を有する。ネックの中に
は、本例において3つの電子ビーム7,8および9を発
生させるための電子銃6が設けられている。表示窓3の
内側表面には、本例において、赤、緑および青に発光す
る蛍光体を含む発光性のスクリーン10が設けられてい
る。スクリーン10への途中で、電子ビーム7,8およ
び9はネックと円錐部間の間の領域に配置されている偏
向ユニット11によってスクリーン10を横切る方向に
偏向され、電子ビームは開口13を有する薄い金属板を
含んでいるシャドウマスク12を通り過ぎる。電子ビー
ム7,8および9は小さい角度で開口13を通り過ぎ、
そして各電子ビームはただ1つの色の蛍光体に突き当た
る。
【0012】シャドウマスクはサスペンション手段14
によって表示管内に吊るされている。本発明によって解
決されるべき問題は、表示窓の外側表面が画質に不利な
影響を与えるかも知れないことである。表示窓はその表
示窓の輸送中に、または表示管の製造中に引っかき傷を
受け易い。外側において反射される背景光もまた邪魔に
なる。この問題は、好ましくは経年劣化の影響を受けな
い簡単な方法で解決され、そしてまたその方法は、好ま
しくは現存している表示管に適用され、そして好ましく
は簡単な方法で裏返され、繰り返し使用できる。この目
的のために、ホルダー15が表示窓の前方に配置され
る。そのホルダーは、本例においては平坦なプレート1
6を含んでいる。平坦なプレート16と表示窓3の外側
表面間のスペースは液体17で満たされ、そして液体の
屈折率は表示窓とプレートの屈折率にほぼ対応する。
“ほぼ対応”とは、ここでは、差異が0.25より小さいこ
とを意味すると理解されるべきである。液体は表示窓の
外側表面に接し、もしその表面が完全にきれいでなくて
もその表面に沿って完全に追随する。それによって、引
っかき傷等のような表面の欠陥が目に見えなくなる。屈
折率の差異が小さいために、表示窓と液体間の界面にお
ける屈折は小さく、すなわち通常の屈折の25%以下で
ある。好ましくは、屈折率の差異は0.1 より小さいこと
である。この場合には、屈折は通常の屈折の4%以下で
ある。構成は比較的簡単である。一般に液体は経年劣化
を受けず、とくに乾燥しない。こうして、経年劣化の影
響は殆んど、または全くない。構成は現存している表示
管にもまた使用され得る。液体は除かれたり、置き替え
られたりし得る。
【0013】もし、固体の物質(例えば接合剤やにかわ
など)が表示窓とプレート間のスペースに設けられるな
らば、その物質は表示窓を正しく覆い、表示窓に密着し
ていなければならない。さもなければ、表示窓やプレー
ト、そしてさらに重要でさえある表示窓と固体物質間の
間の領域の引っかき傷ははっきり見える。たとえ固体物
質が表示窓を正しく覆うように設けられているとして
も、腐食、熱ストレスおよび/または乾燥および/また
は固化が、時間の経過とともに表示窓のある領域におい
て目に見えてくる中間面やひっかき傷を固体物質に生じ
させるかも知れない。固体物質を置き替えることは非常
に困難である。
【0014】本例においては、表示窓の外側表面は表示
窓の材料、例えばガラスで形成され、すなわち表示窓は
コーティングが施されていない。これは好ましい実施例
である。本発明の有利な実施例において、表示窓の外側
表面は処理されていない。表示窓の製造をたどると、そ
の外側表面は慣例上不規則性を除去するために処理され
ている。この処理は、なかんずく研磨であるかも知れな
い。しかしながら、液体は不規則性を目に見えなくする
から、このステップは省略され得る。
【0015】しかしながら、本発明はそれに限定されな
い。表示窓の外側表面は、例えば表示窓上の反射防止の
フィルムやフィルタなどのフィルムによっても形成され
得る。例えば、もし、ホルダーにそのようなフィルムや
フィルタが設けられている現存する陰極線管にマウント
されるならば、これはそのケースである。
【0016】液体として、とりわけエチレングリコール
や水が使われる。表示窓は通常おおよそ1.52の屈折率を
有するガラスでできている。エチレングリコールはほぼ
1.45の屈折率を有し、水はほぼ1.33の屈折率を有してい
る。反射を減少させるためには、エレチングリコールが
水よりもより適している。しかしながら水は、もし可能
性のある環境に対する有害な影響が考慮されるならば、
エチレングリコールより良い。ホルダーの側壁は金属、
合成樹脂または他の材料からなっている。
【0017】ホルダーはいつでも設けられ、および/ま
たは液体もいつでも供給されまたは排出され得る。本例
では、ホルダーは分離した注入口と排出口を有してい
る。それらは瓶の場合のように1個で同じであってもよ
い。もし望まれれば、液体は、家庭や職場でお客様によ
ってホルダーに注入されるようにしてもよい。こうし
て、本発明により液体は非常に柔軟な形態に製造され、
そして使用され得る。加えて、それは生態学的に聞え、
何故なら陰極線管のライフサイクルの終りにおいて液体
が排出され、そして再使用または処理されるからであ
る。
【0018】液体は着色されていてもよく、その結果そ
れはカラーフィルタとして働く。実施例においては、プ
レートがチャージされるのを防ぐため液体は電気的に導
電性である。プレートはガラスまたは合成樹脂からなっ
ている。コントラストを増加させるために、プレート
は、例えばおおよそ50%など100%以下の透過係数
をもつことができる。
【0019】上述した効果に加えて、本発明は、特にも
しプレートが平坦(平坦とはこの関係において、プレー
トが、表示窓の内側表面の曲率半径よりもっと大きい
(10倍以上)の曲率半径を有していることを意味する
と理解されるべきである)であるならば、表示画像がホ
ルダーなしの表示デバイスによって表示された画像より
もいっそう平坦に具え、プレートにおける反射が殆んど
邪魔にならないという別の利点を有する。表示画像の見
かけ上の曲率はほぼ30%減少された。もし、表示窓の
内側表面と外側表面の曲率半径が例えば1.5 メートル
で、液体がほぼ1.5の屈折率を有し、そしてプレートが
平坦であるとすると、そのとき、表示画像の見かけ上の
曲率半径は、本発明を使用しないならば1.5 メートル
で、これに対し本発明が使用されるならば見かけ上の曲
率半径は小さくとも2.25メートルである。これが図6a
および6bと表1に関して詳細に説明される。“曲率半
径”なる用語は、ここでは表示窓の内側表面の短軸、長
軸および対角線に沿った曲率半径の平均値を意味すると
理解されるべきである。それ故、画像はいっそう平坦に
見える。実施例においては、プレートは好ましくは表示
窓の方向にわずかに曲がっているか、または平坦である
かも知れない。別の利点はホルダーの側壁が不透明であ
るならば得られる。これは改善されたコントラストをも
たらす。たいへん少ない周囲光(不透明な側壁を有する
ホルダーが使用されない実施例と比較して)がスクリー
ンにおいて反射することができ、それは改善されたコン
トラストをもたらす。別の利点は、表示窓の外側表面と
異なって、プレートが電気的にチャージされないか、殆
んどチャージされないことで、その結果、プレートへの
ほこりの沈積が防止でき、そして改善されたコントラス
トが得られる。
【0020】図2aおよび2bはホルダーを有する表示
デバイスの詳細なそれぞれ側面図および正面図である。
ホルダーは、陰極線管の管球を吊るすための手段21を
有する内破防護バンド20に例えば粘着、接合あるいは
溶接によって固定されている。ホルダーは4つの側壁2
2とプレート23を含んでいる。側壁は不透明で、内破
防止固定バンド20およびプレート23と共同して密閉
され、液体が漏れないスペース24を形成している。側
壁は注入口25と排出口26を具えている。液体27は
注入口を経由して導入される。表示デバイスを輸送する
めたに、液体は排出口を経由してホルダーから除かれ
る。これは漏れのリスクを減ずる。本例においては、ス
ペース24は完全に液体27で満たされている。スペー
スのわずかの部分が液体で満たされていない実施例もあ
る。これは、もし温度が上昇したとき、ホルダーに大き
な力を与えることなく液体がプレートに拡がることがで
きるという利点を有する。代わりの実施例として、ホル
ダーの一部が柔軟な材料で作られたり、以下のように構
成することもできる。そのような構成は液体の広がりに
応ずることができる。
【0021】図3は、本発明に従った陰極線管の別の実
施例を示す。陰極線管は内破防止固定バンド31を含ん
でいる。その固定バンドはX方向に延びている。プレー
ト32は固定バンドの側壁に固定されている。延びてい
る固定バンドは液体の注入口を有している。図4a,4
bおよび4cは幾つかの実施例の詳細な横断面図であ
る。図4aにおいて、プレート41は粘着によってホル
ダー43のフランジ42に接着されている。図4bにお
いて、フランジは曲げられている。フランジ42とプレ
ート41の間に接合されるか、または接着されたジョイ
ント44がある。安全の観点から、後者の構造が前者よ
りもよい。図4cにおいて、フランジには例えばゴム、
リッジまたはリングなどの柔軟な部材45が具えられて
いる。ホルダーはまた、フェースプレートをリッジやリ
ングに押圧するクランプデバイス46を含んでいる。こ
のようにして液体が含まれているスペースは密閉されて
いる。図4cはまた、プレートが、本例における不透明
層47によってもたらされる縁において不透明であるこ
とを示している。この不透明な縁は表示画像のコントラ
ストを増加する。さらに、ホルダーの内側は好ましくは
黒色になっている。これは一層のコントラストの増加に
導く。
【0022】図5a,5b,5c,5dおよび5eは本
発明に従った表示デバイスの実施例の詳細を示す。図5
aにおいて、ホルダー51は接合されたジョイント53
によって内破防護バンド52に固定されている。接合剤
は、例えばシリコンの接合材で、液体を保持するスペー
スを密閉するために、内破保護バンドと表示窓の縁との
間に設けられている。図5bにおいて、柔軟な弾力のあ
るリング55がホルダーの内側に設けられている。その
リングは表示窓の縁を押圧し、その結果液体が漏れない
シールが得られる。図5bはさらに曲がったフランジ5
6を有するホルダーを示している。このフランジは柔軟
であって、そしていく分かは以下のように働く。図5c
において、柔軟な縁またはリング57は表示窓の縁に沿
って設けられている。ホルダー58はその柔軟な縁また
はリング上に押圧されている。例えばゴム等の柔軟な縁
57によって液体が漏れないシールが得られる。図5c
において、ホルダーのフランジは内側に曲げられてい
る。プレート59はわずかに表示窓の方向に曲がってい
る。図5(d)において、ホルダーはそれ自体柔軟な材
料で作られ、そして表示窓に押圧されている。本例で
は、プレート62が縁63を有している。本発明のわく
組内で、“平坦”なプレートとは、表示窓の前方にある
プレートの一部が少なくともほぼ平坦であることを意味
すると理解されるべきである。ナットとねじの結合によ
って縁がホルダーに固定されている。本例では、柔軟な
リング65がホルダーと縁の間に位置している。これは
プレートをホルダーに固定する簡単で、かつ反対にする
ことのできる方法である。一般に、ホルダーは種々の材
料からなり、例えば金属や合成樹脂からなっている。好
ましくは、ホルダーの縁は例えば鉄のような磁化される
材料からなっている。それによって、陰極線管は邪魔な
電気磁気放射に対して部分的に守られる。上述例のすべ
てにおいて、ホルダーは陰極線管の一部を構成し、また
は陰極線管に接続されるものとみなされる。
【0023】しかしながら、ホルダーは陰極線管のハウ
ジングの一部を構成することができる。そのような構成
が図5eに示されている。陰極線管71はハウジング7
2内吊るされ、そして縁73に押圧されている。この縁
は柔軟な材料で作られている。ハウジングはまた、例え
ば平坦なプレートが固定されている前面側74を有して
いる。密閉手段、例えばゴムリングがプレートとハウジ
ングの前面側の間に位置している。間のスペースは液体
76で満たされている。
【0024】本発明の別の実施例において、ホルダーは
液体の代わりにゲルを含んでいる。固体の物質と比較し
て、ゲルと液体は共通して上述した利点の幾つかを有す
る。ゲルは、液体のように表示窓の外側に追随し、そし
て一般に乾燥しない。上述した光学的な利点もまたおお
よそ等しい。しかしながら、液体と比較してゲルの欠点
は、スペースを満たすにあたって泡がゲル中に発生する
という比較的大きなリスクがあることである。その泡は
目に見える。使用できるゲルは、例えばDow Corning に
よるSylguard527である。ゲルは固い固体の物質では
ないから、ホルダーから比較的容易に除かれる。例え
ば、それは注入口を経由してガス圧を受け、排出口を経
由してゲルの排出を起させる。このようにして大多数の
ゲルは除かれ、そしてそれは陰極線管がそのライフサイ
クルの終りにおいて処理されるのを可能にするためには
十分である。しかしながら、ホルダーからゲルの完全な
除去は困難性が残る。この理由のため、好ましくは16
0℃以下の温度で液化するかまたは溶液に溶解されるゲ
ルが使用される。この場合には、もし必要ならば、ゲル
はホルダーから容易に除去される。一般に、陰極線管は
内破のリスクの実質的な増加なしに160℃近くまで暖
められる。ほぼ200℃を超える温度においては、内破
のリスクがある。
【0025】液体以上のゲルの利点は、ホルダーにおけ
る漏れの場合に、ゲルは液体より容易に流出しにくいこ
とである。好ましくは、80℃を越える温度で液化する
ゲルが使用される。極端な状態のもとで、陰極線管の温
度は80℃まで上昇し得る。もしゲルが液化する温度が
80℃より高いならば、例えば輸送中における漏れのリ
スクは小さい。本発明の範囲内で多くの変形が可能であ
ることは当業者にとって明らかである。
【0026】本発明のわく組内において、用語“液体”
および“ゲル”は、通常の状態のもとで、それぞれ液体
およびゲルにとどまっている物質を意味するよう理解さ
れるべきことに留意されたい。それらは、それらが液体
やゲルの形態でプレートと表示窓間のスペースに導入さ
れて後、ある種の接着剤のような固体の物質を形成する
ために固められた物質を意味すると理解されるべきでは
ない。前述したことから、そのような物質はここに問い
ただした問題を解決するには不適当であるということに
なる。
【0027】本発明は特にモニターデバイスにとって重
要である。そのようなデバイスにおいては、観察者と表
示デバイス間の距離は小さい(おおよそ50cm)。従っ
て、表示窓の欠陥は非常に感知し易い。表示画像の曲率
半径が本発明に従った表示デバイスにおいて増加される
という印象は、観察者と表示窓間の比較的小さい距離に
対して最も強い。図6aおよび6bは、表示デバイスの
表示窓82に対する観察者81の位置を示している。表
示窓の内側表面には発光性のスクリーン83が設けられ
ている。この内側表面は曲がっていて、曲率半径Rを有
している。また外側表面も曲がっていて、ほぼ同じ曲率
半径を有している。本例では、1つの曲率半径が示され
ているけれども、曲率そしてその故に曲率半径は内側表
面を横切って変化している。観察者は表示窓の外側表面
から(図6a)、またはプレート84の外側表面から
(図6b)距離Dの位置にいる。図6aはホルダーなし
の表示窓を示し、図6bはホルダーを具えた表示窓を示
している。表示窓の中央における表示窓の厚さはd1
表示窓の中央における液体またはゲルの厚さはd2 、そ
してプレート84の厚さはd3 である。観察者は、表示
窓を通して(図6a)、またはホルダーアセンブルおよ
び表示窓を通して(図6b)発光性のスクリーンを見
る。発光性のスクリーンを見ている観察者にとって、ス
クリーンは破線85で示される曲面上に存在するように
見える。この面に関しては、曲率半径R′が代わって定
義される。
【0028】表1は2つの表示デバイスに対する数多く
のデータ、すなわち、対角線D(インチ)、陰極線管の
内側表面の曲率半径R(mm)、表示窓の厚さd1 (m
m)、表示窓の中心における液体またはゲルの層の厚さ
2 (mm)、プレートの厚さd3(mm)、観察者と表示
窓間の距離X(mm)および表示画像の見かけ上の曲率半
径R′(mm)を示している。これらのデータは、表示
窓、液体およびプレートの屈折率が1.52であり、そして
Xが、観察者とテレビジョン受信機間(Example 1) およ
び観察者とコンピュータモニタ間(Exampl 2)の習慣的な
距離の平均であるという仮定に基づいている。Example
3 は、本発明に従ったホルダーを使用しないテレビジョ
ン受信機(3a)とコンピュータモニタ(3b)であ
る。
【0029】
【表1】
【0030】表から、本発明によって表示画像はもっと
平坦な見え方(曲率半径がほぼ1.5のファクターで大き
い)、特にモニター(Example 2) に対しては平均的な見
え方をする。もし、表示窓とプレート間のスペース中の
物質の屈折率が表示窓および/またはプレートの屈折率
より大きいならば、曲率半径はなお一層大きく見える。
これは好ましい実施例である。
【0031】後者の効果、すなわちモニターの場合にお
いて、曲率半径が大きく見え、その故に表示画像がテレ
ビジョン受信機の場合より小さく見えるということは、
実質的に平坦なプレートと表示窓の間にあり、表示窓と
プレートの屈折率にほぼ等しい屈折率を有する物質(例
えば液体またはゲル)の存在とプレートが平坦またはほ
ぼ平坦であるという事実によってもたらされる光学効果
である。モニターは、しばしばモニター、コンピュータ
およびキーボードを含むデスクトップ構成において使用
される。キーボードのオペレータと表示窓間の距離は典
型的に60cmである。テレビジョン受信機の場合、観察
者と表示窓間の平均距離はもっと大きく、おおよそ2〜
3mである。表1に示したように、表示画像の見かけ上
の曲率はまた観察者と表示窓間の距離によって支配され
ている。
【0032】本発明の範囲内で多くの変形が可能である
ことは明らかである。例えば、上述例においてホルダー
は注入口と排出口とを有している(もし必要なら、注入
口はまた排出口として役立つ)。これは本発明の範囲を
限定しない。液体やゲルを注入口を通して導いた後、注
入口は漏れを防ぐため密閉される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った表示デバイスを示す。
【図2】ホルダーを具えた表示デバイスの詳細な描写で
ある。
【図3】本発明に従った陰極線管の別の実施例を示す。
【図4】本発明の実施例の詳細を示す。
【図5】本発明の実施例の詳細を示す。
【図6】本発明の効果を図解している。
【符号の説明】
1,71 陰極線管 2 排気された管球容器 3,82 表示窓 4 円錐部 5 ネック 6 電子銃 7,8,9 電子ビーム 10,83 発光性のスクリーン 11 偏向ユニット 12 シャドウマスク 13 開口 14 サスペンション手段 15,43,51, 58 ホルダー 16 平坦なプレート 17,27,76 液体 20,31,52 内破防護バンド 21 陰極線管を吊す手段 22 側壁 23,32, 41, 59,62,84 プレート 24 液体が漏れないスペース 25 注入口 26 排出口 42 フランジ 44 ジョイント 45 柔軟な部材 46 クランプデバイス 53 接合されたジョイント 55 柔軟な弾力性のあるリング 56 曲がったフランジ 57 柔軟な縁またはリング 63,73 縁 65 柔軟なリング 72 ハウジング 74 前面側 81 観察者 85 破線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルチヌス アントニウス マリア ファ ン デン ヘウフェル オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ 1 (72)発明者 ヨハネス マリア ヘラルダス ベルホウ フェン オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ 1 (72)発明者 ヘンリー アントニウス スウェイツ オランダ国 5625 エスエヌ アインドー フェン コルファッケル 19 (72)発明者 アドリアヌス レオナルダス ヘラルダス ファン デン エーデン オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ 1

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示窓を有する陰極線管を含んでいる直
    視表示デバイスにおいて、透明なプレートを有するホル
    ダーが表示窓の前方に配置され、表示窓とプレートの屈
    折率から最大0.25異なった屈折率を有する透明な液体が
    表示窓とプレート間のスペースに設けられていることを
    特徴とする直視表示デバイス。
  2. 【請求項2】 表示窓を有する陰極線管を含んでいる直
    視表示デバイスにおいて、透明なプレートを有するホル
    ダーが表示窓の前方に配置され、表示窓とプレートの屈
    折率から最大0.25異なった屈折率を有するゲルが表示窓
    とプレート間のスペースに設けられていることを特徴と
    する直視表示デバイス。
  3. 【請求項3】 表示窓を有する陰極線管を含んでいる直
    視表示デバイスにおいて、表示窓とプレート間にスペー
    スがあるように透明なプレートを有するホルダーが表示
    窓の前方に配置され、ホルダーは液体をスペースに供給
    しそしてスペースから排出するために注入口と排出口と
    を含んでいることを特徴とする直視表示デバイス。
  4. 【請求項4】 陰極線管がその表示窓の周りに内破防護
    バンドを有している請求項1乃至3のいずれか1項記載
    の表示デバイスにおいて、ホルダーは内破防護バンドに
    固定されていることを特徴とする表示デバイス。
  5. 【請求項5】 陰極線管がその表示窓の周りに内破防護
    バンドを有している請求項1乃至3のいずれか1項記載
    の表示デバイスにおいて、表示窓を横切る方向に見た内
    破防護バンドは、その内破防護バンドの一部がホルダー
    の一部を構成するようにプレートの方向に延びているこ
    とを特徴とする表示デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載の表
    示デバイスにおいて、ホルダーの側面は不透明であるこ
    とを特徴とする表示デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の表
    示デバイスにおいて、プレートは平坦であることを特徴
    とする表示デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項記載の表
    示デバイスにおいて、屈折率の差が0.1 より小さいこと
    を特徴とする表示デバイス。
  9. 【請求項9】 陰極線管のためのハウジングを含んでい
    る請求項1乃至8のいずれか1項記載の表示デバイスに
    おいて、ホルダーは少なくとも部分的にハウジングによ
    って構成されていることを特徴とする表示デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項記載の
    表示デバイスにおいて、表示デバイスがモニターである
    ことを特徴とする表示デバイス。
  11. 【請求項11】 表示窓を有する陰極線管を含んでいる
    直視表示デバイスにおいて、透明なプレートを有するホ
    ルダーが表示窓の前方に配置され、表示窓とプレートの
    屈折率から最大0.25異なった屈折率を有する透明な物質
    が表示窓とプレート間のスペースに設けられ、プレート
    は少なくとも実質的に平坦で、そして表示デバイスはモ
    ニターであることを特徴とする直視表示デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1項記載
    の直視表示デバイスにおいて使用のための直視陰極線
    管。
  13. 【請求項13】 少なくとも部分的にゲルで満たされ、
    ガス圧がホルダーからゲルを取り除くために使用される
    ような、表示窓の前方に配置されているホルダーを含ん
    でいる直視陰極線管の処理方法。
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