JPH07232309A - 木質板の製法 - Google Patents
木質板の製法Info
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- JPH07232309A JPH07232309A JP23820194A JP23820194A JPH07232309A JP H07232309 A JPH07232309 A JP H07232309A JP 23820194 A JP23820194 A JP 23820194A JP 23820194 A JP23820194 A JP 23820194A JP H07232309 A JPH07232309 A JP H07232309A
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- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Abstract
って優れた表面平滑性を維持することのできる木材薄片
集成板の製法を提供する。 【構成】 木材を切削して木材薄片を作製し、その木材
薄片にバインダーを塗布し、そのバインダーを塗布した
木材薄片をフォーミングして、熱圧成形する成形工程
と、その成形工程で得られた成形材を強制的に加湿し、
次いでその表面を研削して、その凹凸を取り除く平滑化
工程からなる木質板の製法。 【効果】 木質板内に残存する塑性変形を、強制的に加
湿することによって顕現させ、その後に表面の凹凸を取
り除くため、長期に渡って凹凸が発生せず、表面平滑性
が維持される木質板を製造することができる。
Description
に、優れた表面平滑性を長期間維持できる木材薄片集成
板の製法に関する。
問題となってきており、森林伐採は今後益々困難になる
ことは明かである。従って、原料木材を大量に使用して
製造される合板等の板材は、その供給が不安定あるいは
供給不足となり、価格も高騰することが予想される。よ
って、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片の木質
繊維等を有効に利用して得られる木質板が注目され、そ
の木質板の種々の用途への応用が強く望まれている。
なる木質繊維集積板や、木材薄片からなる木材薄片集成
板などが知られている。一般に、木質繊維のように寸法
の小さい材料を使用した場合は、得られる木質板は均質
になり、表面も平滑になるが、密度が大きく、その強
度、剛性が不十分であった。一方、木材薄片を使用した
木材薄片集成板の場合には、木質繊維に比較して大きな
薄片を用いるため、木材本来が持っている強度、密度に
近づけることができる。
ダーを塗布し、それをフォーミングして、熱圧成形する
ことにより製造される。成形後の木材薄片集成板は、表
面の凹凸が大きいため、通常は、表面をサンディング等
により研磨した後、化粧単板等を積層接着して用いられ
ていた。この研磨は、熱圧成形後の木材薄片集成板を、
数時間から数日常温下に放置した後に行われるのが一般
的であった。
圧成形時においては、接着剤に含まれる水分による高湿
度下で高温、高圧をかけるため、木材薄片の断続による
凹凸あるいは木材薄片そのものが有する凹凸が塑性変形
し、その状態のまま乾燥させられる。この塑性変形は、
数日間の常温放置程度では取り除くことができず、塑性
変形を内在したままの木材薄片集成板を研磨工程にまわ
していた。従って、このような木材薄片集成板の表面を
研磨して平滑にしたとしても、その後、経時的に塑性変
形が回復し、例えば、製品として出荷された後に凹凸が
発生してしまう等という問題が生じていた。
成板の表面に、木質繊維からなる層を設けることによ
り、表面平滑性を向上させた木質板も得られている。し
かし、この場合には、表面平滑性は向上するものの、木
質板全体の製造コストの上昇につながり、さらに、強度
の劣る木質繊維の層を表面に設けることになり、板材と
しての機械的特性も低下するなどの問題があった。
る課題は、表面に木質繊維層等の表面平滑化層を設ける
ことなく、長期に渡って優れた表面平滑性を維持するこ
とのできる木材薄片集成板を製造する方法を提供するこ
とにある。
削して木材薄片を作製し、その木材薄片にバインダーを
塗布し、そのバインダーを塗布した木材薄片をフォーミ
ングして、熱圧成形する成形工程と、該成形工程により
得られた成形材を加湿し、次いでその表面を研削する平
滑化工程からなることを特徴とする木質板の製法によっ
て解決できる。
の木質板の製法にあっては、まず、原料木材から木材薄
片を切削する。ここで用いられる原料木材としては、特
に限られるものではなく、例えば、アカマツ、カラマ
ツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ロッジポールパイ
ン等の針葉樹または広葉樹の原木や小径木、あるいは製
材工場や木材加工工場等から廃材として出される端切れ
等も好適に用いられる。それらの原料木材を、必要に応
じて調木し、シェービングマシン等の切削機に供給して
切削し、木材薄片を作製する。ここで作製する木材薄片
の、長さ、幅、厚さ等は特に限定されず、製造する木質
板の用途や要求される特性に応じて適宜設定すればよ
い。
布する。その塗布方法は特に限られないが、スプレー方
式で塗布するのが好ましい。例えば、低速で回転する回
転ドラム内に上記の木材薄片を入れ、ドラム内で木材薄
片が自然落下する際にバインダーをスプレー塗布する方
法等が好適に用いられる。ここで塗布するバインダー
は、発泡性バインダーまたは非発泡性バインダーあるい
はそれらの混合物のいずれでもよいが、木質板の低密度
化を主眼とする場合には発泡性バインダーを主体とし、
成形用の熱圧板からの離型性の向上を主眼にする場合に
は非発泡性バインダーを主体とするのが好ましい。
で木材薄片を相互に結合させるとともに、それ自体が発
泡するものであって、好ましくは、木材薄片同士の交差
点にのみ樹脂分を存在させ、木材薄片の小さな隙間を、
発泡セルで押し広げるようにすることにより、樹脂分の
使用量を少なくし、木質板を低密度化させるものであ
る。このような発泡性バインダーは、自己発泡する樹脂
から構成されていてもよく、または非発泡性の樹脂と発
泡剤によって構成されていてもよい。自己発泡する樹脂
の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げることが
できる。発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂の例とし
ては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂またはそれらの混合物などを挙げることができる。ま
た、発泡剤としては、揮発性発泡剤、例えばCCl
3 F、CCl2 F2 、またはCCl2 F−CClF2 な
どや、または熱分解性発泡剤、例えばアゾジカルボンア
ミド、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、2,2’−ア
ゾイソブチロニトリル、ベンゼンスルホヒドラジド、ま
たはN,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフ
タルアミドなどを挙げることができる。
ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等を挙げる
ことができる。発泡性バインダーと、非発泡性バインダ
ーを混合して用いる場合には、それらの混合比は4:1
〜1:4とするのが好ましいが、それに限られることは
なく、目的とする木質板の密度や離型性を考慮して、適
宜設定することができる。また、木材薄片に塗布するバ
インダーの量は、木材薄片100重量部に対して10〜
30重量部とするのが好ましい。
た木材薄片をフォーミングする。本発明の木質板の製法
では、バインダーを塗布した木材薄片を加熱乾燥させた
後に、熱圧板上に散布する乾式フォーミングを用いるの
が好ましい。このフォーミングには、従来から用いられ
ている方法、装置をそのまま使用することができる。ま
た、木材薄片の配列方向は特に限られるものではない
が、木質板の強度を向上させるためには、木材薄片の木
目方向をほぼ一定方向に揃えて配列させるのが好まし
い。
をかけて成形して木質板とする。その熱圧条件として
は、150〜200℃の温度で、5〜30分間とするの
が好ましいが、木質板の厚さや密度などに応じて適宜設
定してよい。以上の工程を、本明細書では成形工程と呼
称する。
た成形工程の次に、以下に述べる平滑化工程が行われ
る。この平滑化工程では、まず上記の成形工程で熱圧成
形して得た木質板を強制的に加湿する。具体的には、熱
圧成形した木質板を加湿装置内に配置して加湿するが、
特に水蒸気噴射法によって加湿するのが好ましい。
加湿を実施するのに好適な装置の一例を示す図であり、
図中1は加湿されるべき木質板である。この木質板1
は、2枚の中空板状の水蒸気噴射盤2に挟まれて配置さ
れている。この水蒸気噴射盤2は、図2に示したよう
に、その一方の面には水蒸気噴射孔7が形成されてお
り、この水蒸気噴射孔7が形成された面が、加湿される
べき木質板1に接するように積層され配置されている。
さらに、この水蒸気噴射盤2及び木質板1の積層体は、
2枚の熱盤3によって押圧され固定されている。また、
前記水蒸気噴射盤2には、バルブ4を介して水蒸気発生
装置5から配管11が接続されており、水蒸気噴射盤2
内部の中空部に水蒸気が供給されるようにされている。
さらに、該水蒸気噴射盤2には、配管12が接続され、
その配管12に設けられたバルブ6を開放することによ
って、水蒸気噴射盤の中空部から水蒸気を排出できるよ
うにされている。
板1の加湿は次のようにして行われる。まず、配管12
に設けられたバルブ6を閉鎖した状態で、バルブ4を調
節し、ボイラー等の水蒸気発生装置5から、配管11を
通して水蒸気噴射盤2に高圧水蒸気を供給する。する
と、その蒸気噴射盤2内部の中空部に導入された水蒸気
は、その圧力によって水蒸気噴射盤2に形成された噴射
孔7から噴射される。従って、木質板1は、その両面に
配置された水蒸気噴射盤2の噴射孔7から噴射された水
蒸気によって両面から加湿される。
〜10kg/cm2、好ましくは5〜7kg/cm2と
し、水蒸気噴射時間は、例えば厚さ13mmの木質板に
対しては、5〜45秒、好ましくは15〜25秒とす
る。また、熱板の温度は室温〜170℃とするのが好ま
しい。ただし、水蒸気圧力、水蒸気噴射時間、及び熱盤
の温度は、加湿すべき木質板1の厚さや吸湿性、あるい
は水蒸気噴射盤に形成された噴射孔の数や大きさなどの
条件に応じて、適宜設定することができる。
形成された噴射孔7と、他方の蒸気噴射盤2に形成され
た噴射孔7とは、それらの水蒸気噴射盤2、2を対向さ
せて配置したときに、互いに対向しないような位置に、
すなわち非対称に形成するのが好ましく、噴射孔7を非
対称に形成することによって、加湿にむらができにく
く、加湿効率を向上させることができる。
の、熱盤3に接する方の面には、例えば水冷機構といっ
た温度を調節する手段を設け、水蒸気噴射盤2の温度を
調節できるようにしてもよい。さらに、前記水蒸気噴射
盤2、2の間には、木質板1を取り囲むような形状をな
し、木質板1よりわずかに大きな厚みを有するシール材
を配置し、加湿中に水蒸気がそのシール材に囲まれた空
間に密閉されるようにして水蒸気の使用量を削減しても
よい。
あっては、高圧水蒸気を用いるので、水蒸気が木質板内
部に強制的に浸透され、加湿が効率的に行われ、加湿時
間を大幅に短縮することができる。
て木質板を加湿する方法は、上記のような水蒸気噴射法
に限られることはなく、例えば高湿度の加湿装置内に木
質板を放置する方法なども用いられる。この場合の加湿
条件は、温度を60℃〜80℃、湿度を80%〜90%
とし、4時間以上、望ましくは一昼夜とする。また、こ
の加湿を行うには、その他にも木質板表面に散水した
り、水槽に短時間浸漬したりした後、30〜50℃程度
の加熱炉に10時間程度放置する等の方法を用いること
もできる。
5〜7%となるまで行なうのが好ましい。さらに、木質
板の含水率を少なくとも一度、13%以上、好ましくは
15〜20%程度まで上昇させた後、含水率を12%以
下、好ましくは5〜7%に乾燥して低下させるのが好ま
しい。そのようにして加湿した木質板では、その内部に
残存していた塑性変形が回復し、その木質板表面の凹凸
となって現れる。
を研削して、その凹凸を取り除く。この表面凹凸の除去
は、サンディング等の従来から用いられている方法によ
って行うことができ、例えば、ドラムサンダー、ワイド
ベルトサンダー等の研磨装置をそのまま用いることがで
きる。
形工程に連続して行われてもよいし、前記成形工程と分
離して行われてもよい。ここで、連続して行われると
は、成形工程と平滑化工程とが、一連の操作として連続
的に行われ、それら2工程間の時間間隔が長くとも1週
間以内、通常は3日以内であることを意味する。また、
分離して行われるとは、成形工程と、平滑化工程が、各
々別の場所あるいは時間に独立して行われ、それら2工
程間の時間間隔は限られないが、好ましくは1週間以
上、さらに好ましくは1カ月以上あることを意味してい
る。従って、市販の木質板を購入するなど、他の工場で
異なる工程、仕様により製造されたものを入手して、そ
れに平滑化工程を施す場合は、分離して行われることに
含まれる。
て表面の凹凸を取り除いて表面平滑化した木質板の表面
に、化粧単板等を接着したり、種々のコーティングを施
したりして仕上げるのが好ましい。化粧単板としては、
従来から使用されている厚さ0.2〜0.8mm程度の
オーク突板等が好適に用いられる。
例を示したにすぎず、種々の応用が可能である。例え
ば、本発明の製法で製造される木質板としては、単一層
のみからなる木材薄片集成板だけではなく、異なった寸
法の木材薄片からなる層を積層させた木質板であっても
よい。その場合には、木材薄片を切削した後に、それら
の木材薄片を、厚さ、長さ、幅等の寸法に応じて選別す
る操作、選別した木材薄片に別々にバインダーを塗布す
る操作等を設けてもよい。
材薄片をアセチル化する操作を設けるのが好ましい。木
材薄片をアセチル化する場合には、その木材薄片を含水
率3%以下、好ましくは1%以下になるまで乾燥した
後、酢酸、無水酢酸、クロル酢酸等の気化蒸気に接触さ
せて気相中で、アセチル化度12〜20%となるまでア
セチル化するのが好ましい。さらに、本発明の製法に
は、切削した木材薄片を貯蔵する操作、強制的な加湿に
よって含水率が上昇し過ぎた場合に、加熱して適当な含
水率に調整する操作等、必要に応じて様々な操作を含ま
せてもよい。
て製造された木質板においては、熱圧成形時に生じた塑
性変形を、強制的に加湿することによって回復させ、そ
の後に木質板表面の凹凸を取り除くので、長期に渡って
表面平滑性が維持される。また、本発明の製法では、加
湿温度を高くすることにより、加湿時間を短縮すること
ができ、含水率を少なくとも一度上昇させてから、所定
の値まで低下させることにより、木質板内部の塑性変形
を効率よく取り除くことができる。
ため、実施例について説明する。ただし、これらの実施
例は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定
するものではなく、本発明の範囲で任意に変更可能であ
る。 (実施例1)厚さ0.1〜0.8mm、長さが75〜8
0mm、幅が5〜50mmである木材薄片を、シェービ
ングマシン((株)岩倉組製)で作製した。その木材薄
片を、含水率5%まで乾燥させた。発泡性ウレタン樹脂
(住友バイエルウレタン社製の粗MDI)と水性フェノ
ール樹脂の重量比2:1の混合物10重量部を用意し、
低速で回転する回転ドラム内に、上記の木材薄片100
重量部を入れて、ドラム内で自然落下する際にスプレー
により散布することにより、木材薄片にバインダーを塗
布した。
た後、熱圧板上に、木材薄片の木目方向がほぼ一定方向
に配列するように散布して厚さ250mmのフォーミン
グ体とした。そのフォーミング体を、温度210℃、圧
力2MPaで4分間熱圧して成形した。得られた木質板
の厚さは12mmであり、密度は0.58g/cm3で
あった。
的に加湿装置内に配置し、温度70℃、湿度90%で、
12時間加湿した。そのようにして強制的に加湿した木
質板をドラムサンダーに装填し、表面をサンディングす
ることによって凹凸を取り除いた。
mのオーク突板からなる化粧単板を、水性高分子イソシ
アネート系接着剤(光洋産業、KR7800)を用い、
温度110℃、圧力1.0MPaを3分間かけて接着し
た。木質板の表面は平滑であるので、化粧単板は良好に
接着された。さらに、表面を研磨した後、約50μm厚
のウレタン塗装を施して仕上げた。得られた木質板の外
観は平滑で良好であった。また、この木質板は、常温で
3年経過したことに相当する促進試験を行っても、その
表面に凹凸は発生せず、平滑性が維持されていた。
が0.5mm、長さが20〜100mm、幅が3〜50
mmである木材薄片を切削し、その木材薄片をアセチル
化した後、水性フェノール樹脂(樹脂分3%)を塗布し
た。そのバインダーを塗布した木材薄片を乾燥させた
後、それらを3つに分けて、各層の木材薄片の木目方向
がほぼ一定方向に配列し、隣接する層の配列方向が互い
に直行するように熱圧板上に散布して3層のフォーミン
グ体とした。その3層フォーミング体を、温度200
℃、で200秒間熱圧して成形した。得られた木質板の
厚さは13mmであった。
加湿装置内に配置し、その加湿装置内を、温度35℃、
湿度95%(平衡含水率22%)に調湿した。ここで、
平衡含水率とは、その環境に木質板を入れ、平衡状態に
達したときの、その木質板の含水率を示す値である。こ
の木質板を適当な時間経過後に加湿装置から取り出し、
その含水率、曲げ強度、曲げヤング係数、及び湿潤膨張
率とを測定した。含水率とそれらの値との関係を図3か
ら図5に示す。
するにともない、その曲げ強度、曲げヤング係数、及び
湿潤膨張率は低下することがわかる。これらの結果から
見ると、含水率を7%以下とすれば約40MPa以上の
曲げ強度と、約45×102MPaの曲げヤング係数を
有する木質板が得られ、含水率を5%以上とすると、湿
潤膨張率を約5.5%以下に抑制することができる。
した木質板を、ドラムサンダーに装填し、表面をサンデ
ィングすることによって平滑化した。さらに、その平滑
化した木質板を水中に12時間浸漬した後、長さ150
mm、幅150mmの試料を切り出して、その表面形状
を、万能表面形状測定器(SE−3AK、(株)小坂研
究所製)を用いて測定した。測定結果を図6に示す。図
6において、横軸は測定試料の長さ方向を示し、縦軸は
表面の凹凸を示しており、5mm間隔で20箇所を10
cmの長さに渡って測定し、それらの結果を並記した。
た木質板を、加湿することなし、実施例2と同様にサン
ディングした。その木質板を水中に12時間浸漬した
後、実施例2と同様に表面形状を測定した。但し、測定
箇所は15箇所とした。その結果を図7に示す。
サンディングした実施例2の木質板では、表面の凹凸は
最大で約0.3mmであり、全体的に凹凸が少ないが、
加湿を施さなかった比較例1の木質板では、その表面の
凹凸は最大で約0.6mmあり、全体的に凹凸が多いこ
とがわかる。
し、それらを加湿装置内に配置し、以下の3条件(A、
B、C)で加湿した。それらの木材薄片集成板の、加湿
時間と含水率及び膨張度との関係を、図8、図9に各々
示す。 条件A:温度80℃、湿度90%(平衡含水率15
%)。 条件B:温度60℃、湿度90%(平衡含水率17
%)。 条件C:温度35℃、湿度95%(平衡含水率23
%)。
高くしたにもかかわらず、含水率の上昇速度は最も遅
く、条件A及びBを比較すると、含水率7%になるまで
の時間はほぼ同じで4時間程度あるが、その後、条件A
では含水率が12〜13%で安定し、条件Bでは徐々に
上昇することがわかる。また、例えば、含水率を12%
にするには、条件Aでは20時間で達成されるのに対
し、条件Bでは50時間程度を要することがわかる。こ
れと同様の傾向は図9にも観察され、条件Aでは、加湿
開始後20時間で膨張度が約2%に達し、その後は安定
するが、条件Bでは約70時間を要し、条件Cでは12
0時間後でも膨張度2%に達しない。即ち、条件Aで
は、加湿によって、木材薄片集成板に内在していた塑性
変形が回復されて膨張することがわかる。
し、それらを加湿装置内に配置し、温度60℃、湿度9
0%の条件で、含水率が約15%になるまで加湿し、そ
の後、加湿装置内を温度35℃、湿度20%として、含
水率を低下させた。そのときの、含水率と膨張度との関
係を図10に示す。図10によると、例えば含水率7%
としたときに、乾燥状態から加湿した場合より、予め約
15%まで含水率を上昇させてから7%に低下させた場
合の方が、その膨張度は大きくなっている。従って、含
水率を少なくとも一度上昇させた後に、含水率を低下さ
せ、所定の値に調整することにより、内部の塑性変形を
回復させる効果が大きいことがわかる。
13mmの木質板を熱圧成形した。次に、この熱圧成形
した木質板を、連続的に、図1に示すような加湿装置に
装着した。水蒸気発生装置と水蒸気噴射盤とを連結した
配管に設けられたバルブを調節し、水蒸気噴射孔から、
6kg/cm2の高圧水蒸気を、20秒間噴射させて加
湿した。熱盤温度は室温(30℃)で行った。その結
果、加湿前の木質板の含水率が1〜3%であったのに対
し、上記加湿後の木質板の含水率は17〜20%であ
り、20秒間の処理で十分に加湿されていることがわか
った。
出し、温度25〜30℃、湿度60〜70%の条件下で
10日間放置して乾燥させ、含水率を10〜12%まで
低下させた。乾燥後の木質板につき、曲げ強度、曲げヤ
ング係数、及び湿潤膨張率とを測定したところ、それら
の物性値は実施例2の木質板の値とほぼ同等であり、そ
の低下は見られなかった。
た木質板を、ドラムサンダーに装填し、表面をサンディ
ングすることによって平滑化した。さらに、その平滑化
した木質板を水中に12時間浸漬した後、長さ150m
m、幅150mmの試料を切り出して、その表面形状
を、万能表面形状測定器(SE−3AK、(株)小坂研
究所製)を用いて測定した。その結果、表面の凹凸は、
最大でも0.3mm程度であり、実施例2の木質板と同
等な表面平滑性が維持されていた。
の表面平滑性の劣化原因となっていた木材薄片の熱圧成
形による塑性変形を、強制的に加湿することによって予
め強制的に顕現させ、その後に表面研削して表面の凹凸
を取り除く処理を行なう。従って、本発明の製法で製造
された木質板は、その内部に塑性変形が残存しておら
ず、長期に渡って表面平滑性を維持することができる。
また、本発明の製法では、成形工程と平滑化工程とを連
続して行ってもよいし、分離させて行ってもよいので、
市販の木材薄片集成板等を有効に利用して、耐久性に優
れた木質板を得ることができる。
うのに好適な装置の一例を示す図である。
構造を示す図である。
フである。
すグラフである。
ラフである。
での表面形状を示す図である。
す図である。
の含水率の関係を示すグラフである。
の膨張度の関係を示すグラフである。
の、木質板の膨張度変化を示すグラフである。
ブ、5…水蒸気発生装置、6…バルブ、7…水蒸気噴射
孔、11…配管、12…配管
Claims (5)
- 【請求項1】 木材を切削して木材薄片を作製し、その
木材薄片にバインダーを塗布し、そのバインダーを塗布
した木材薄片をフォーミングして、熱圧成形する成形工
程と、 該成形工程により得られた成形材を加湿し、次いでその
表面を研削する平滑化工程からなることを特徴とする木
質板の製法。 - 【請求項2】 木材を切削して木材薄片を作製し、その
木材薄片にバインダーを塗布し、そのバインダーを塗布
した木材薄片をフォーミングして、熱圧成形する成形工
程と、 該成形工程により得られた成形材を加湿して、含水率を
上昇させた後、乾燥して含水率を低下させ、次いでその
表面を研削する平滑化工程からなることを特徴とする木
質板の製法。 - 【請求項3】 前記平滑化工程が、前記成形工程に連続
して行われることを特徴とする請求項1または2記載の
木質板の製法。 - 【請求項4】 前記平滑化工程が、前記成形工程と分離
して行われることを特徴とする請求項1または2記載の
木質板の製法。 - 【請求項5】 前記加湿が、水蒸気噴射法によって行わ
れることを特徴とする請求項1または2記載の木質板の
製法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23820194A JP3368689B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-09-30 | 木質板の製法 |
CA 2138429 CA2138429C (en) | 1993-12-28 | 1994-12-19 | Manufacturing method for wood boards |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33861693 | 1993-12-28 | ||
JP5-338616 | 1993-12-28 | ||
JP23820194A JP3368689B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-09-30 | 木質板の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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