JP3050177B2 - 木質板 - Google Patents

木質板

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JP3050177B2
JP3050177B2 JP9215302A JP21530297A JP3050177B2 JP 3050177 B2 JP3050177 B2 JP 3050177B2 JP 9215302 A JP9215302 A JP 9215302A JP 21530297 A JP21530297 A JP 21530297A JP 3050177 B2 JP3050177 B2 JP 3050177B2
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立男 岩田
敏 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質薄片をバインダ
ー樹脂を用いて接着一体化してなる木質板に関し、特
に、厚さの絶対値が0.05〜0.50mmで、かつ、
平均値が0.10〜0.45mmであって、長さの絶対
値が20.0〜150.0mmで、かつ、平均値が4
0.0〜115.0mmである木質薄片を用いることに
よって、表面と木口面の平滑度を向上させ、しかも芯部
の強度及び剛性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】近年、木材資源の不足や、森林の保護が
問題となってきており、森林伐採は今後益々困難になる
ことは明らかである。従って、原料木材を大量に使用し
て製造される合板等の板材は、その供給が不安定あるい
は供給不足となり、価格も高騰することが予想される。
よって、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片の木
質繊維等を有効に利用して得られる木質板が注目され、
その木質板の種々の用途への応用が強く望まれている。
【0003】木材薄片や木質繊維等を利用した木質板
は、一般に、木材薄片や木質繊維等の構成要素をバイン
ダーで接着し、成形一体化して形成される。その際、構
成要素の寸法が小さくなるに従い、得られる木質板は均
質になり、表面も平滑になるが、強度、剛性は低下し、
密度は増加する傾向がある。逆に構成要素の寸法を大き
くすると、木材本来が持っている強度、密度に近づいて
行くが、そのような木質板は不均質で、表面の凹凸も大
きくなる傾向がある。
【0004】ところで上記のような木質板を床材に応用
するには、その木質板に強度、剛性、さらに表面平滑性
を持たせる必要があるが、例えば、木材を解繊して得ら
れる木質繊維を構成要素として知られている木質繊維集
積板では、均一で平滑な表面を有する木質板が得られる
が、床材としては強度不足であり、高強度にするために
木質板を厚くすると、密度が高いため重量が増加して取
扱い難くなる欠点があった。また、木材薄片をほぼ一定
方向に配列させてバインダーで接着し、成形一体化した
方向性木材薄片集成板では、強度の点で改善されてはい
るが、その表面は不均一で凹凸が大きいという問題があ
った。このような方向性木材薄片集成板を床材に応用し
た場合には、この方向性木材薄片集成板上に積層した化
粧単板表面に下地の方向性木材薄片集成板の凹凸が現出
し易いという問題が生じていた。
【0005】そこで本発明者は表面平滑性と強度を向上
させた木質板を特願平5−279911号に提案してい
る。この木質板は、木材薄片の木目方向を一方向に配列
させ、これら木材薄片をバインダーを用いて接着し成形
一体化した方向性木材薄片集成板からなる表面層を、木
材薄片をバインダーを用いて接着し成形一体化した木材
薄片集成板からなる芯層の少なくとも一方の面に積層さ
れてなり、その表面層が上記芯層をなす木材薄片よりも
薄い木材薄片からなるものである。さらに、本発明者
は、このような構成の木質板において、耐湿性や耐水性
等を向上させるために発泡性樹脂と非発泡性樹脂とを
4:1〜1:4の比率で混合したものをバインダーとし
て用いたものを特願平5−293717号に提案してい
る。
【0006】ところがこれらの構成の木質板において
は、表面層の平滑性を向上でき、しかも芯層の強度及び
剛性を向上できるものの、厚みの異なる2種類の木材薄
片を用いるため、これら2種類の木材薄片をそれぞれ異
なるフレーカを用いて作製する工程や、芯層上に表面層
を積層する工程を要するため、木質板の製造に手間がか
かるという課題があった。また、芯層をなす木材薄片
は、表面層をなす木材薄片より厚みが厚く、しかも厚み
の絶対値が0.5〜1.5mmの範囲とバラツキがある
ので、表面層の平滑性に悪影響がでる場合もあり、端面
である木口面から露出する芯層部分の表面が粗くなった
り、あるいは木質板の角部を削った場合、孔が生じるこ
とがあるので、木口面上に化粧板を貼着する際に接着が
困難であったり、化粧板に凹部が現出してしまう場合が
あった。
【0007】また、上記木材薄片の幅が広すぎると、カ
ールしたり、折れ曲がり易いため、バインダーとの混合
時に折れ曲がった内側までバインダーが付着し難く、ま
た、成形時に空気の抜けが悪く、ボイド(泡)が発生し
易くなり、これらに起因して木材薄片が剥離したり、さ
らには得られる木質板の表面層の平滑度が低下する場合
があった。さらに、バインダーとして発泡性樹脂と非発
泡性樹脂との混合物を使用する場合にあっては、熱圧成
形時の温度が160〜220゜C程度、時間が目的とす
る板厚(mm)×12〜20秒程度かかるため、熱圧工
程が長くなったり、離形剤が200゜C付近で分解する
場合もあり、圧力定盤・コールプレートとの離形性が悪
く、成形作業効率が悪くなる傾向にあった。また、非発
泡性樹脂の混在により、比重を高めに設定する必要が生
じ、密度が0.55〜0.68g/cm3程度となるた
め、板厚を厚くすると重量が増大して扱いにくくなると
いう問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、木材薄片を原料とする木質板において、製造
工程の簡略化が可能であり、表面と木口面の平滑性を向
上でき、芯部の強度及び剛性を向上でき、木材薄片のカ
ールや折れ曲がりに起因するボイドの発生を低減でき、
密度を低く設定でき、耐水性を向上させて寸法安定性を
向上できることのうち、少なくとも製造工程の簡略化
と、表面と木口面の平滑性の向上と、強度及び剛性の向
上を実現できる木質板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
厚さの絶対値が0.05〜0.50mmで、かつ、平均
値が0.10〜0.45mmであって、長さの絶対値が
20.0〜150.0mmで、かつ、平均値が40.0
〜115.0mmである木質薄片がバインダー樹脂によ
り接着一体化されてなることを特徴とする木質板を上記
課題の解決手段とした。また、請求項2記載の発明は、
前記木材薄片の幅の絶対値が1.00〜50.00mm
で、かつ、平均値が10.00〜35.00mmである
ことを特徴とする請求項1記載の木質板を上記課題の解
決手段とした。また、請求項3記載の発明は、前記バイ
ンダー樹脂が発泡性樹脂からなるものであることを特徴
とする請求項1又は2記載の木質板を上記課題の解決手
段とした。また、請求項4記載の発明は、前記バインダ
ー樹脂がポリメチレン・ジフェニル・ジイソシアネート
(PMDI)であることを特徴とする請求項3記載の木
質板を上記課題の解決手段とした。また、請求項5記載
の発明は、前記木材薄片は予めアセチル化されたもので
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
木質板を上記課題の解決手段とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木質板の一実施形
態について説明する。本発明の木質板は、木材薄片がバ
インダー樹脂により接着一体化された木材薄片集成板か
らなるものである。本発明で用いられる木材薄片として
は、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペ
ン、ロッジポールパイン、ラジアータパイン等の薄片が
好適に用いられるが、樹種は特に限られるものではな
い。
【0011】上記木材薄片は、厚さの絶対値が0.05
〜0.50mm、厚さの平均値が0.10〜0.45m
mのものが用いられる。ここで、木材薄片の厚さの絶対
値とは、用いる木材薄片を無作為に200個以上抽出し
たときの最小と最大の厚さを意味し、厚さの平均値とは
上記抽出したサンプル(木材薄片)の厚さを平均した値
を意味するものとする。木材薄片の厚さの絶対値が0.
05mm未満であると、得られる木質板の強度及び剛性
が低下し、プレス前のフォーミング時の嵩が増加し、生
産性が不利になるとともに成形後の密度も増加してしま
う。また、厚さの絶対値が0.50mmを超えると表面
の平滑性が低下してしまう。
【0012】また、上記木材薄片の長さは、絶対値が2
0.0〜150.0mm、平均値が40.0〜115.
0mmの範囲内であることが好ましい。ここで、木材薄
片の長さの絶対値とは、用いる木材薄片を無作為に50
個以上抽出したときの最小と最大の長さを意味し、長さ
の平均値とは上記抽出したサンプル(木材薄片)の長さ
を平均した値を意味するものとする。また、上記木材薄
片の幅は、絶対値が1.00〜50.00mm、平均値
が10.00〜35.00mmの範囲内であることが好
ましい。ここで、木材薄片の幅の絶対値とは、用いる木
材薄片を無作為に50個以上抽出したときの最小と最大
の幅を意味し、幅の平均値とは上記抽出したサンプル
(木材薄片)の幅を平均した値を意味するものとする。
木材薄片の幅の絶対値が1.00mm未満であると、幅
方向の接着不良となり、強度低下を引き起こしてしま
う。また、幅の絶対値が50.00mmを超えると木材
薄片がカールしたり、折れ曲がり易く、バインダーとの
混合時に折れ曲がった内側までバインダーが付着し難
く、また、成形時に空気の抜けが悪く、ボイド(泡)が
発生し易くなり、これらに起因して木材薄片が剥離した
り、さらには得られる木質板の表面の平滑度が低下して
しまう。
【0013】また、木材薄片集成板をなす木材薄片の配
列は、特に制限されるものではないが、木目方向をほぼ
一方向に揃えて配列されたものであってもよく、あるい
は木質板を三層構造にし、隣接する層をなす木材薄片の
木目方向が互いに直交するように配列させてもよく、例
えば、上層の木目方向を平行方向、中間層の木目方向を
直交方向、下層の木目方向を平行方向としてもよい。さ
らに、目的とする木質板の強度や剛性に応じて同一方向
に配列する木材薄片の割合を変更できる。また、木材薄
片の木目方向はランダムにしてもよい。
【0014】本発明で用いられるバインダー樹脂として
は、木材薄片を相互に結合させるとともに、それ自体が
発泡するものであって、好ましくは、木材薄片同志の交
差点にのみ樹脂分を存在させ、木材薄片の小さな隙間
を、発泡セルで押し広げるようにすることにより、樹脂
分の使用量を少なくし、得られる木質板を低密度化させ
るものが用いられる。また、本発明で用いられるバイン
ダー樹脂としては、それ自体が発泡する発泡性バインダ
ーを使用する。この発泡性バインダーとしては、自己発
泡する発泡性樹脂、又はフェノール、ユリア、エポキ
シ、アクリル等の非発泡性樹脂に発泡剤を加えた混合系
発泡性樹脂のいずれを用いてもよいが、剛性の向上と密
度の低い木質板を得る点から自己発泡する発泡性樹脂か
ら構成されているのが好ましい。自己発泡する発泡性樹
脂の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂、イソシアネ
ート系樹脂、好ましくはPMDI(ポリメリックMDI
又は粗MDI)を挙げることができる。発泡性ポリウレ
タン樹脂、又は、イソシアネート系樹脂を用いると、水
分と反応し易く、イソシアネート基(−NCO)が水と
反応して自己発泡するため、反応時間が早くなりプレス
時間を短縮することができる。
【0015】特に、PMDIを用いるとバインダーとし
て接着力が強靱となる。また、このPMDIは低温で発
泡硬化するため反応時間が速く、具体的には熱圧成形時
の温度を140゜C〜190゜C、さらには140゜C
〜160゜C程度まで下げることができ、時間も目的と
する板厚(mm)×8〜15秒程度と短くて済むので熱
圧工程を短縮できる。また、PMDIをバインダー樹脂
として用いる場合は、上述のように成形温度が140゜
C〜160゜Cと低温であるので離形剤の分解を押える
ことができ、圧力定盤・コールプレートとの離形性が良
好で、成形作業効率が向上する。この木質板を構成する
木材薄片に対するバインダー樹脂の割合は、木材薄片1
00重量部(絶乾重量)に対して3.5〜20重量部と
するのが好ましい。バインダー樹脂の添加量を変更する
ことにより、得られる木質板の密度および強度を変更す
ることもできる。
【0016】本発明の木質板をなす木材薄片は、予めア
セチル化しておくのが好ましい。木材薄片をアセチル化
する場合は、その木材薄片を含水率3%以下、好ましく
は1%以下になるまで乾燥した後、酢酸、無水酢酸、ク
ロル酢酸等の気化蒸気に接触させて気相中でアセチル化
(アセチル化度12〜20%)するのが好ましい。この
ように上記木材薄片をアセチル化することにより、耐水
性が得られ、木質板に寸法安定性を付与できる。
【0017】本発明の木質板を製造するには、上記木材
薄片にバインダー樹脂を塗布したものを乾式フォーミン
グし、それを熱圧成形するのが好ましく、具体的には、
まず、バインダー樹脂を塗布した木材薄片を熱圧板上に
散布して積層体を作製し、次に、熱圧成形機中でこの積
層体に熱圧を加えて熱圧成形する。その熱圧条件は、圧
力が1〜2MPa、温度が140〜190℃、時間が目
的とする厚み(mm)×8〜15秒とすることが好まし
い。このようにして得られる木質板は、密度が0.40
〜0.65g/cm3程度、曲げ強さが300〜700
kg/cm2程度、曲げヤング係数が30〜70t/c
2程度とすることが好ましい。
【0018】この実施形態の木質板にあっては、厚さの
絶対値が0.05〜0.50mmで、かつ、平均値が
0.10〜0.45mmであり、長さの絶対値が20.
0〜150.0mmで、かつ、平均値が40.0〜11
5.0mmである木材薄片をバインダー樹脂により接着
一体化さたことにより、用いる木材薄片が一種類で済
むので、従来の木質板のように厚さの絶対値の範囲が異
なる2種類の木材薄片をそれぞれ異なるフレーカを用い
て作製しなくても済み、また、芯層上に表面層を積層す
る工程も必要ないので、木質板を製造するための装置数
を減らすことができるうえ、製造工程の簡略化が可能
で、これによって木質板の製造効率を向上させることが
できる。さらに、この実施形態の木質板においては、用
いる木材薄片の厚さの絶対値が 0.05〜0.50m
で、かつ、平均値が0.10〜0.45mmと狭い範
囲であるのでバラツキが小さく、従って表面及び木口面
の平滑性が優れており、木質板の角部を削って孔が生じ
ることを低減できるので木口面上に化粧板を貼着し易
く、しかも化粧板に凹部が現出するのを低減できる。
【0019】また、特に、上記木材薄片として幅の絶対
値が1.00〜50.00mmで、かつ、平均値が1
0.00〜35.00mmの範囲のものを用いたものに
あっては、木材薄片のカールや折れ曲がりを防止できる
ため、バインダー樹脂との混合時にバインダー樹脂が木
材薄片に均一に付着し易く、しかも成形時の空気の抜け
が良好でボイド(泡)の発生を低減できるので、木材薄
片の剥離を防止できるうえ木質板の表面の平滑性を向上
できる。また、特に、上記バインダー樹脂として発泡性
樹脂からなるものを用いたものにあっては、バインダー
樹脂が発泡性樹脂のみからなるものであるので、密度が
0.40〜0.55g/cm3程度と低い木質板を得る
ことができ、しかも木材薄片により均一に塗布でき、剛
性を向上させることができる。さらに、バインダーの構
成材料が少ないので、木材薄片にバインダーを塗布する
装置内のバインダー吐出用ノズル数を減らすことがで
き、これによってバインダー塗布装置の簡素化が可能で
あり、バインダー塗布作業効率が向上する。また、特
に、バインダー樹脂としてPMDIからなるものを用い
たものにあっては、熱圧成形時の温度を140〜160
℃程度まで下げることができ、時間も目的とする板厚
(mm)×8〜15秒程度と短くて済むので熱圧工程を
短縮できる。また、PMDIをバインダー樹脂として用
いる場合は、上述のように成形温度が140〜160℃
と低温であるので離形剤の分解を抑えることができ、圧
力定盤・コールプレートとの離形性が良好で、成形作業
効率が向上する。また、特に、上記木材薄片を予めアセ
チル化したものを用いたものにあっては、耐水性が向上
し、寸法安定性が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の木質板を更に理解しやすくす
るため、実施例について説明する。かかる実施例は、本
発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するも
のではなく、本発明の範囲で任意に変更可能である。 (実施例1)厚さの絶対値が0.05〜0.5mm(厚
さの平均値が0.2mm)、幅の絶対値が1〜50mm
(幅の平均値が18mm)、長さの絶対値が20〜15
0mm(長さの平均値が100mm)である木材薄片
を、シェービングマシン((株)岩倉組製)で作製し
た。バインダー樹脂としてPMDI(粗MDI、住友バ
イエルウレタン社製のスミジュール44V20(商品
名))を15重量部を用意し、低速で回転する回転ドラ
ム内に、上記の木材薄片100重量部を入れて、ドラム
内で自然落下する際にスプレーにより散布することによ
り、木材薄片にバインダー樹脂を塗布した。ついで、バ
インダー樹脂を塗布した木材薄片を、熱圧板上に木目方
向がランダムになるように散布し、厚さ約155mmの
積層体とした。その積層体を、厚さ12mmとなるよう
に、温度160℃、圧力2MPaで2分間熱圧成形し
た。このようにして作製した木質板の表面及び木口面の
平滑性は良好であり、角部を削っても木質化粧板やPV
Cシート等を貼着した際に凹部が現出するような孔は生
じていなかった。上記の木質板について、その密度、曲
げ強さ及び曲げヤング係数を測定した。曲げ強さに関し
ては、JIS−A5908に基づいて評価した。その結
果、密度は0.53g/cm3、曲げ強さは555kg
/cm2、曲げヤング係数は51t/cm2であった。
【0021】(実施例2)木材薄片として実施例1の木
材薄片を予めアセチル化したもの(アセチル化度20
%)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして木質板
を作製した。実施例1〜2で作製した木質板の耐水性に
ついてJIS−A5908に基づいて評価したところ、
実施例1の木質板は25゜Cの水中に24時間浸漬後の
吸水厚さ膨張率が3.0%であるのに対し、予めアセチ
ル化した木材薄片を用いた実施例2の木質板は、吸水厚
さ膨張率が0.5%まで低減でき、実施例1のものに比
べて吸水厚さ膨張率が小さく、寸法安定性が優れている
ことがわかる。
【0022】(比較例1) 芯層をなす木材薄片として、長さの絶対値が70〜8
0mm(長さの平均値が75mm)、幅の絶対値が5〜
50mm(幅の平均値が20mm)、厚さの絶対値が
0.5〜1.50mm(厚さの平均値が0.75mm)
である木材薄片を、シェービングマシン((株)岩倉組
製)で作製した。バインダー樹脂としてPMDI(粗M
DI、住友バイエルウレタン社製のスミジュール44V
20(商品名)))と未濃縮ユリア樹脂の固形分重量比
2:1の混合物15重量部を用意し、低速で回転する回
転ドラム内に、上記の木材薄片100重量部を入れて、
ドラム内で自然落下する際にスプレーにより散布するこ
とにより、木材薄片に用意した上記バインダー樹脂を塗
布した。 表面層をなす木材薄片として、長さの絶対値が70〜
80mm、幅の絶対値が5〜50mm、厚さの絶対値が
0.10〜0.48mm(厚さの平均値が0.35m
m)である木材薄片を、シェービングマシン((株)岩
倉組製)で作製した。水性フェノールバインダーを固形
分重量で15重量部を用意し、低速で回転する回転ドラ
ム内に、上記の木材薄片100重量部を入れて、ドラム
内で自然落下する際にスプレーにより散布することによ
り、木材薄片にバインダー樹脂を塗布した。
【0023】まず、バインダー樹脂を塗布した表面層用
木材薄片のうちの半分を、熱圧板上に、木目方向がラン
ダムになるように散布し、その上に、発泡性バインダー
を塗布した芯層用木材薄片を散布した。さらにその上
に、残りの表面層用木材薄片を木目方向がランダムにな
るように散布し、厚さ約130mmの積層体とした。そ
の積層体を、厚さ12mmとなるように、温度210
℃、圧力2MPaで4分間熱圧同時成形した。なお、表
面層を構成する木材薄片と芯層を構成する木材薄片のバ
インダー塗布前の重量比は、表面層木材薄片/芯層木材
薄片=50:50であった。このようにして作製した、
芯層の両面に表面層を設けた木質板の表面及び木口面の
平滑性は、実施例の木質板に比べて劣るものであった。
上記の木質板について、その密度、曲げ強さ及び曲げヤ
ング係数を測定した。その結果、密度は0.65g/c
3、曲げ強さは530kg/cm2、曲げヤング係数は
49t/cm2であった。比較例1の木質板は、実施例
1の木質板より密度が大きいものであった。
【0024】(比較例2)実施例の木質板と同様の厚み
を有する合板について、実施例と同様に密度、曲げ強さ
及び曲げヤング係数の測定を行った。その結果、密度は
0.55g/cm 3、曲げ強さは547kg/cm2、曲
げヤング係数は45t/cm2であった。これらの結果
から、本発明の木質板は、合板と同等以下の密度であ
り、なおかつ合板にほぼ匹敵する曲げ強さを有している
ことがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の木質板に
あっては、厚さの絶対値が0.05〜0.50mmで、
かつ、平均値が0.10〜0.45mmであって、長さ
の絶対値が20.0〜150.0mmで、かつ、平均値
が40.0〜115.0mmである木質薄片をバインダ
ー樹脂により接着一体化さたことにより、用いる木材
薄片が一種類で済むので、木質板を製造するための装置
数を減らすことができるうえ製造工程の簡略化が可能
で、これによって木質板の製造効率を向上させることが
できる。さらに、請求項1の木質板においては、用いる
木材薄片の厚さの絶対値が0.05〜0.50mmで、
かつ、平均値が0.10〜0.45mmと狭い範囲であ
るのでバラツキが小さく、従って表面及び木口面の平滑
性が優れており、木質板の角部を削って孔が生じること
を低減できるので木口面上に化粧板を貼着し易く、しか
も化粧板に凹部が現出するのを低減できる。
【0026】また、請求項2の木質板にあっては、上記
木材薄片として幅の絶対値が1.00〜50.00mm
で、かつ、平均値が10.00〜35.00mmの範囲
のものを用いたことにより、木材薄片のカールや折れ曲
がりを防止できるため、バイダー樹脂との混合時にバイ
ンダー樹脂が木材薄片に均一に付着し易く、しかも成形
時の空気の抜けが良好でボイド(泡)の発生を低減でき
るので、木材薄片の剥離を防止できるうえ木質板の表面
の平滑性を向上できる。また、請求項3の木質板にあっ
ては、上記バインダー樹脂が発泡性樹脂のみから構成さ
れたことにより、得られる木質板の密度を低く設定する
ことができ、しかも木材薄片により均一に塗布でき、剛
性を向上させることができる。さらに、バインダーの構
成材料が少ないので、木材薄片にバインダーを塗布する
装置内のバインダー吐出用ノズル数を減らすことがで
き、これによってバインダー塗布装置の簡素化が可能で
あり、バインダー塗布作業効率が向上する。
【0027】また、請求項4の木質板にあっては、バイ
ンダー樹脂としてPMDIからなるものを用いたことに
より、熱圧成形時の温度を下げることができ、時間も短
くて済むので熱圧工程を短縮できる。また、PMDIを
バインダー樹脂として用いたことにより、上述のように
成形温度が低温であるので離形剤の分解を押さえること
ができ、圧力定盤・コールプレートとの離形性が良好
で、成形作業効率が向上する。また、請求項5の木質板
にあっては、上記木材薄片を予めアセチル化したものを
用いたことにより、耐水性を向上でき、寸法安定性を向
上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−312411(JP,A) 特開 平7−888814(JP,A) 特開 平7−124912(JP,A) 特開 平2−208005(JP,A) 特開 平7−88813(JP,A) 特開 平7−144307(JP,A) 特開 平7−76004(JP,A) 特開 平7−9404(JP,A) 特開 平9−169012(JP,A) 特開 平7−132509(JP,A) 特開 平8−332611(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27N 3/02 B27N 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さの絶対値が0.05〜0.50mm
    で、かつ、平均値が0.10〜0.45mmであって、
    長さの絶対値が20.0〜150.0mmで、かつ、平
    均値が40.0〜115.0mmである木質薄片がバイ
    ンダー樹脂により接着一体化されていることを特徴とす
    る木質板。
  2. 【請求項2】 前記木質薄片の幅の絶対値が1.00〜
    50.00mmで、かつ、平均値が10.00〜35.
    00mmであることを特徴とする請求項1記載の木質
    板。
  3. 【請求項3】 前記バインダー樹脂が発泡性樹脂からな
    るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の木
    質板。
  4. 【請求項4】 前記バインダー樹脂がポリメチレン・ジ
    フェニル・ジイソシアネートであることを特徴とする請
    求項3記載の木質板。
  5. 【請求項5】 前記木材薄片は予めアセチル化されたも
    のであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の木質板。
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