JP2870381B2 - 木質パネル - Google Patents

木質パネル

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JP2870381B2
JP2870381B2 JP27267493A JP27267493A JP2870381B2 JP 2870381 B2 JP2870381 B2 JP 2870381B2 JP 27267493 A JP27267493 A JP 27267493A JP 27267493 A JP27267493 A JP 27267493A JP 2870381 B2 JP2870381 B2 JP 2870381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木質パネルに関し、特
に、木材薄片を原料とする板材を積層して構成され、耐
湿性及び表面平滑性に優れ、なおかつ十分な強度及び剛
性を有する木質パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、木材資源の不足や、森林の保護が
問題となってきており、森林伐採は今後益々困難になる
ことは明かである。従って、原料木材を大量に使用して
製造される合板等の板材は、その供給が不安定あるいは
供給不足となり、価格も高騰することが予想される。よ
って、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片の木質
繊維等を有効に利用して得られる木質パネルが注目さ
れ、従来合板を使用していた用途への応用が強く望まれ
ている。
【0003】このような木質パネルとしては、木材薄片
をほぼ一定方向に配列させてバインダーで接着し、成形
一体化した方向性木材薄片集成板が知られている。しか
しながら、この方向性木材薄片集成板では、強度の点で
改善されてはいるが、湿度変化による変形が大きく、例
えば、JIS−A5908に基づく吸水厚さ膨張率は、
合板では3〜5%であるのに対し、従来の方向性木材薄
片集成板では10〜20%とであった。さらに、従来の
方向性木材薄片集成板は、表面が不均一で凹凸が大きい
という問題があった。また、研磨等によってある程度平
滑な表面が得られたとしても、湿度の変化により、その
方向性木材薄片集成板を構成する各木材薄片が膨張収縮
し、表面平滑性が損なわれるという問題も生じていた。
【0004】従って、このような方向性木材薄片集成板
を表層材としては使用するのは困難であった。また、こ
の方向性木材薄片集成板表面に、厚さ0.3mm程度の
突板等の表面化粧板を貼って仕上げた床材においても、
湿度の変化により、その床材表面に下地の方向性木材薄
片集成板の凹凸が現出してしまい、このような表面化粧
材としても不適であった。特に、我が国のような高湿度
の環境では、吸湿による変形は深刻な問題であった。
【0005】そこで、方向性木材薄片集成板を成形する
際に、バインダーに撥水剤としてワックスを添加し、湿
度変化による変形を防止する試みもなされているが、方
向性木材薄片集成板のバインダーとして一般に用いられ
ている水性バインダー中に、有機物質であるワックスを
均一に分散させることが困難であるため、方向性木材薄
片集成板中の撥水剤の分布にむらが生じ、撥水剤の少な
い部分には湿度変化による変形が生じ、十分な効果は得
られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、木材薄片集成板からなり、耐湿性に優れ表面
が平滑であり、なおかつ十分な強度、剛性を有する木質
パネルを提供することにある。なお、本明細書におい
て、耐湿性とは、湿度変化によるパネル全体の寸法変化
及び湿度変化によるパネル表面の形状変化に対する耐性
を含むものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、厚さ0.
4〜0.8mmの木材薄片を、バインダーを用いて接着
し成形一体化した木材薄片集成板からなる芯層の両面
に、厚さ0.3mm以下の木材薄片を、バインダーを用
いて接着し成形一体化した木材薄片集成板からなる表層
を積層してなり、前記木材薄片集成板が、木材薄片10
0重量部に対して固形分換算で0.8〜5.0重量部の
撥水剤を添加して成形され、その撥水剤が、アニオン系
乳化剤及びパラフィンワックスからなる水性エマルジョ
ンであって、アニオン系乳化剤を10%未満含むもので
あることを特徴とする木質パネルによって解決できる。
【0008】以下に、本発明の木質パネルを詳細に説明
する。図1は、本発明の木質パネルの断面を示す図であ
り、図中1は芯層であり、厚さ0.4〜0.8mmの木
材薄片を、バインダーを用いて接着し成形一体化した木
材薄片集成板から形成されている。その芯層1の両面に
は、厚さ0.3mm以下の木材薄片をバインダーを用い
て接着し成形一体化した木材薄片集成板から形成された
表層2が積層されている。
【0009】本発明の木質パネルの芯層1を形成する、
厚さ0.4〜0.8mmの木材薄片からなる木材薄片集
成板としては、厚さ0.4〜0.8mmの細長い木材薄
片の木目方向が、ほぼ一定方向に揃えられて配列され、
それらが発泡性バインダーを用いて接着され成形一体化
された方向性木材薄片集成板であるのが好ましいが、こ
の木材薄片配列の方向性については、例えば木質パネル
の長手方向に平行な一方向とするのに限られず、互いに
直交する二方向性のものでも、任意配列のものでもよ
い。また、この木材薄片は、長さが20〜100mm、
幅が2〜60mmの範囲内であることが好ましく、アカ
マツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ロッ
ジポールパイン等の薄片が好適に用いられるが、樹種等
は特に限られるものではない。
【0010】この芯層1においては、厚さ0.4〜0.
8mmの木材薄片は、発泡性バインダーを用いて接着さ
れ成形一体化するのが好ましい。ここで用いられる発泡
性バインダーは、芯層1中で木材薄片を相互に結合させ
ているとともに、それ自体が発泡しているものであっ
て、好ましくは、木材薄片同士の交差点にのみ樹脂分を
存在させ、木材薄片の小さな隙間を、発泡セルで押し広
げるようにすることにより、樹脂分の使用量を少なく
し、芯層を低密度化させるものが用いられる。
【0011】本発明で用いられる発泡性バインダーは、
発泡性樹脂と、非発泡性樹脂を混合してなるものが好ま
しい。これらの混合比は、目的とする木質パネルの密度
等に応じて適宜調整することができるが、発泡性樹脂と
非発泡性樹脂の混合比は、1:4〜4:1とするのが好
ましい。発泡性樹脂の含有量を1/5以下あるいは4/
5以上とすると、得られる木質パネルの曲げ強度が低下
する。
【0012】ここで、上記発泡性樹脂は、自己発泡する
樹脂から構成されていてもよく、または非発泡性の樹脂
と発泡剤とで構成されていてもよい。自己発泡する樹脂
の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げることが
できる。発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂の例とし
ては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂またはそれらの混合物などを挙げることができる。ま
た、発泡剤としては、例えばCCl3F、CCl22
またはCCl2F−ClF2などの揮発性発泡剤や、例え
ばアゾジカルボンアミド、アゾヘキサヒドロベンゾニト
リル、2,2’−アゾイソブチロニトリル、ベンゼンス
ルホヒドラジド、またはN,N’−ジニトロソ−N,
N’−ジメチルテレフタルアミドなどの熱分解性発泡剤
を挙げることができる。
【0013】また、上記発泡性樹脂と混合する非発泡性
樹脂の例としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂またはそれらの混合物等を挙げることができ
る。
【0014】この芯層1の厚さは、5mm〜13mmと
するのが好ましく、その密度は、0.40〜0.65g
/cm3とするのが好ましい。密度が0.40g/cm3
より小さいと、板の強度が不十分になり、逆に密度が
0.65g/cm3より大きい場合は、材料全体の重量
が増加して取扱い難くなる。この芯層1をなす木材薄片
集成板の曲げヤング係数は40〜80×102MPaで
あるのが好ましい。曲げヤング係数が40×102MP
a未満では、床材としたときのたわみが規定値よりも大
きくなり、80×102MPaを越えると、歩行時に必
要とする適度の弾性が不足する。
【0015】本発明の木質パネルで、上記芯層1の両面
に積層される表層2には、厚さ0.3mm以下の木材薄
片からなる方向性木材薄片集成板が用いられる。この方
向性木材薄片集成板は、厚さ0.3mm以下の細長い木
材薄片21が、ほぼ一定方向に配列され、それらがバイ
ンダーを用いて接着され成形一体化されているものであ
る。ただし、この方向性木材薄片集成板においては、木
材薄片のすべての木目方向が一方向に配列されている必
要は無く、およそ7割以上が一定方向に揃えて配列され
ていればよい。また、その配列方向は、木質パネルの配
列方向と平行にするのが好ましい。
【0016】この厚さ0.3mm以下の木材薄片は、長
さが20〜100mm、好ましくは20〜50mm、幅
が2〜60mm、好ましくは2〜30mmのものが用い
られる。この木材薄片の厚さが0.3mmを越えると、
得られる表層の表面が平滑にならない。この木材薄片と
しては、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、ア
スペン、ロッジポールパイン等の薄片が好適に用いられ
るが、樹種は特に限られるものではない。
【0017】この表層2を形成する方向性木材薄片集成
板にあっては、厚さ0.3mm以下の木材薄片を接着一
体化するバインダーとしては、前記したような発泡性バ
インダーでもよいし、非発泡性バインダーあるいはそれ
らの混合物のいずれでもよいが、実用的には、成形用の
金型からの離型性の点で、非発泡性バインダーを主体と
するものが好ましい。それらの混合比は、目的とする表
層の密度と離型性を考慮して、適宜設定することができ
る。
【0018】また、この方向性木材薄片集成板の厚さ
は、1〜5、好ましくは1〜2mmとする。さらに、こ
の方向性木材薄片集成板の密度は、0.40〜0.65
g/cm3とするのが好ましい。密度が0.40g/c
3より小さいと、板の強度が不十分になり、逆に密度
が0.65g/cm3より大きい場合は、材料全体の重
量が増加して取扱い難くなる。この方向性木材薄片集成
板の曲げヤング係数は40〜80×102MPaである
のが好ましい。
【0019】本発明の木質パネルの芯層1及び表層2を
なす木材薄片に塗布するバインダーの量は、各層の木材
薄片とバインダーの合計重量に対して5〜15重量%と
するのが好ましい。バインダーの量が5重量%未満だと
木質パネルの強度が不十分となり、15重量%より多く
しても強度向上の効果は向上せず、密度が増大して木質
感も損なわれる。
【0020】本発明の木質パネルにあっては、その表層
1及び芯層2をなす木材薄片に塗布するバインダーに、
撥水剤が添加されている。この撥水剤は、アニオン系乳
化剤とパラフィンワックスとの水性エマルジョンであ
り、そのアニオン系乳化剤の含有量は10%未満であ
る。また、この撥水剤は、木材薄片100重量部に対
し、固形分換算で0.8〜5.0重量部添加される。こ
の添加量が0.8重量部未満であると、耐湿性向上の効
果が小さく、5.0重量部より多いと、製造コストがか
さむ。
【0021】上記アニオン系乳化剤は、従来から用いら
れているアニオン性乳化剤であれば特に限定されない
が、特殊変性石鹸を使用したものが好ましい。また、パ
ラフィンワックスとは、パラフィン系炭化水素を主成分
とするワックスであり、その融点が50〜60℃である
ものが好ましい。本発明の撥水剤は、これらのアニオン
系乳化剤とパラフィンワックスとからなる水性エマルジ
ョンであり、そのエマルジョンは固形分が50%程度と
するのが好ましい。また、この撥水剤は、芯層及び表層
の両方に添加するのが好ましいが、表層のみに添加し
て、撥水剤の使用量を節約してもよい。
【0022】本発明の木質パネルでは、上記芯層1の両
面に同種の木材薄片集成板からなる表層2を積層するの
が好ましい。また、本発明にあっては、芯層用の厚さ
0.4〜0.8mmの木材薄片に撥水剤を添加した発泡
性バインダーを塗布したものと、表層用の厚さ0.3m
m以下の木材薄片に撥水剤を添加したバインダーを塗布
したものを乾式フォーミングし、それを同時熱圧成形す
るのが好ましい。
【0023】具体的には、まず、熱圧板上に、一方の表
層2となる厚さ0.3mm以下の木材薄片に撥水剤を添
加したバインダーを塗布したものを木材薄片がほぼ同方
向に並ぶようにして散布し、次に、芯層1となる厚さ
0.4〜0.8mmの木材薄片に撥水剤を添加した発泡
性バインダーを塗布したものを散布する。さらに、他方
の表層2となる厚さ0.3mm以下の木材薄片に撥水剤
を添加したバインダーを塗布したものを木材薄片がほぼ
同方向に並ぶようにして散布し、3層積層体とする。
【0024】次に、熱圧成形機中でこの3層積層体に熱
圧を加えて熱圧同時成形する。その熱圧条件は、圧力が
1〜2MPa、温度が150〜200℃、時間が、目的
とする厚み(mm)×5〜120秒とすることが好まし
い。このようにして得られる本発明の木質パネルは、そ
の密度が0.4〜0.65g/cm3であり、曲げヤン
グ係数が40〜80×102MPaであるようにするの
が好ましい。
【0025】次に、本発明の床材について説明する。上
記のようにして成形した木質パネルの少なくとも一方の
表面に、別に用意しておいた化粧単板を接着剤で貼付
け、本発明の床材を得る。その際、木質パネル表面を、
従来から行われている方法によって研磨し、その研磨し
た面に化粧単板を接着するようにしてもよい。ここで用
いられる化粧単板は、特に限定されず、オーク突板等の
従来から使用されている厚さ0.2〜0.8mm程度の
化粧単板が使用でき、特に本発明の木質パネルの表面が
平滑、平坦であるので、薄い化粧単板が使用できる。ま
た、この化粧単板の表面は、厚さ40〜60μm程度の
ウレタン塗装等を施してもよい。
【0026】本発明の木質パネルにおいて、芯層として
使用した木材薄片集成板は、厚さ0.4〜0.8mmの
木材薄片からなるため、強度が大きくなっている。ま
た、この芯層においては、木材薄片を発泡性バインダー
を用いて成形一体化しているので樹脂の使用量が少な
く、得られる木質パネルの密度は低くなり、発泡バイン
ダー自体は微小気泡を含んでいるので柔軟化され、外力
に対する緩衝作用があり破壊され難い。また、本発明の
木質パネルでは、この芯層の両面に、厚さ0.3mm以
下の木材薄片からなる表層を同時成形で積層しているの
で、表面が平滑であり、なおかつ強度、剛性が向上して
いる。さらに、本発明の木質パネルをなす木材薄片集成
板の成形においては、バインダーに撥水剤が添加されて
おり、この撥水剤はアニオン系乳化剤を含んだ水性エマ
ルジョンであるため、木材薄片集成板全体に撥水剤がゆ
きわたり、耐湿性が向上されている。従って、このよう
な木質パネルに化粧単板を接着して形成される本発明の
床材は、耐湿性に優れ、表面が平滑であり、十分な強
度、剛性を有している。
【0027】次に本発明の木質パネルを実施例に基づい
て具体的に説明する。 (実施例1)芯層をなす、厚さ0.4〜0.8mmの木
材薄片からなる木材薄片集成板の材料として、長さが7
5〜80mm、幅が5〜50mm、厚さが平均0.55
mmである木材薄片を、シェービングマシン((株)岩
倉組製)で作製した。発泡性ウレタン樹脂(住友バイエ
ルウレタン社製の粗MDI)と水性フェノール樹脂の重
量比1:1の混合物をバインダーとした。撥水剤とし
て、アニオン系乳化剤(セロゾール428、中京油脂社
製)を含むパラフィンワックスの水性エマルジョン(固
形分50%)を用いた。但し、アニオン系乳化剤の含有
量は、固形分の7%とした。この撥水剤2重量部を、前
記バインダー8重量部に添加し混合した。次に、低速で
回転する回転ドラム内に、上記の厚さ0.4〜0.8m
mの木材薄片100重量部を入れて、ドラム内で自然落
下する際にスプレーにより散布することにより、その厚
さ0.4〜0.8mmの木材薄片に撥水剤を添加したバ
インダーを塗布した。
【0028】表層をなす、厚さ0.3mm以下の木材薄
片からなる方向性木材薄片集成板の材料として、長さが
30〜50mm、幅が2〜20mm、厚さが0.15〜
0.20mmである木材薄片を、シェービングマシン
((株)岩倉組製)で作製した。水性フェノール樹脂を
バインダーとした。このバインダー20重量部に、前記
の撥水剤2重量部を添加し混合した。次に、低速で回転
する回転ドラム内に、上記の厚さ0.3mm以下の木材
薄片100重量部を入れて、ドラム内で自然落下する際
にスプレーにより散布することにより、その厚さ0.3
mm以下の木材薄片に撥水剤を添加したバインダーを塗
布した。
【0029】まず、撥水剤を含むバインダーを塗布した
厚さ0.3mm以下の木材薄片のうちの半分を、熱圧板
上に木材薄片がほぼ一定方向に配列するように散布し、
その上に、撥水剤を含むバインダーを塗布した厚さ0.
4〜0.8mmの木材薄片を散布した。さらにその上
に、残りの厚さ0.3mm以下の木材薄片を、木材薄片
の配列方向がほぼ一方向になるように散布し、厚さ25
0mmの積層体とした。その積層体を、厚さ12mmと
なるように、温度160℃、圧力20kg/cm2で2
0分間熱圧同時成形した。このようにして成形した木質
パネルの表面は平滑であった。
【0030】この実施例1で得た木質パネルにつき、J
IS−A5908に基づき、吸水厚さ膨張率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0031】(比較例1)撥水剤に含まれるアニオン系
乳化剤に換えて、カチオン系乳化剤(セロゾール651
−A)を用いた以外は実施例1と同様にして木質パネル
を作製し、JIS−A5908に基づき、吸水厚さ膨張
率を測定した。その結果を表1に示す。
【0032】(比較例2)撥水剤に含まれるアニオン系
乳化剤に換えて、ノニオン系乳化剤(セロゾール68
6)を用いた以外は実施例1と同様にして木質パネルを
作製し、JIS−A5908に基づき、吸水厚さ膨張率
を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】(比較例3)撥水剤を添加しない以外は実
施例1と同様にして木質パネルを作製し、JIS−A5
908に基づき、吸水厚さ膨張率を測定した。その結果
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、撥水剤を添加し
ない比較例3の木質パネルでは最も吸水厚さ膨張率が大
きく、撥水剤に含む乳化剤を、カチオン系とした比較例
1や、ノニオン系とした比較例2の木質パネルにあって
も、その吸水厚さ膨張率は5%以上であり、一般の合板
の吸水厚さ膨張率が5%程度であるのに対して明らかに
劣っている。しかしながら、撥水剤にアニオン系乳化剤
を含む撥水剤を添加した実施例1の木質パネルにあって
は、吸水厚さ膨張率が3.5%であり、従来の合板を凌
ぐ性能を有している。
【0036】(実施例2)撥水剤の組成は実施例1と同
じにし、添加する撥水剤の量を、0から8.0重量部ま
で変化させて、実施例1と同様の方法で木質パネルを作
製した。各々の木質パネルにつき、JIS−A5908
に基づき、吸水厚さ膨張率を測定した。その結果を表2
に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示した結果より、撥水剤は、木材薄
片100重量部に対して、0.8重量部以上添加しない
と、耐湿性向上の効果が見られないことがわかる。ま
た、本実施例で検討した範囲内では、撥水剤の添加量は
0.8重量部以上であればよいので、添加量の上限は、
材料コスト等を考慮して適宜設定することができる。
【0039】(比較例4)撥水剤を構成するパラフィン
ワックスを、液状パラフィンに換えた以外は実施例1と
同様にして木質パネルを作製し、JIS−A5908に
基づき、吸水厚さ膨張率を測定した。その結果、本比較
例4の木質パネルの吸水厚さ膨張率は6.5%であり、
実施例1の木質パネル及び合板より耐湿性が劣っている
ことがわかる。
【0040】(比較例5)撥水剤に含むアニオン系乳化
剤の含有量を、固形分に対して15%とした以外は実施
例1と同様にして木質パネルを作製し、JIS−A59
08に基づき、吸水厚さ膨張率を測定した。その結果、
本比較例5の木質パネルの吸水厚さ膨張率は5.3%で
あった。
【0041】(比較例6)撥水剤に含むアニオン系乳化
剤の含有量を、固形分に対して25%とした以外は実施
例1と同様にして木質パネルを作製し、JIS−A59
08に基づき、吸水厚さ膨張率を測定した。その結果、
本比較例6の木質パネルの吸水厚さ膨張率は5.5%で
あった。実施例1、比較例5及び比較例6の結果を用
い、撥水剤中のアニオン系乳化剤含有量と、得られた木
質パネルの吸水厚さ膨張率の関係をグラフで表したのが
図2である。このグラフから、吸水厚さ膨張率が5%以
下となる木質パネルを得るためには、撥水剤中に含ませ
るアニオン系乳化剤の量は、固形分に対して10%未満
とすべきであることがわかる。
【0042】(実施例3)実施例1の木質パネルの密度
を測定し、曲げ強さ、曲げヤング率をJISに基づいて
測定した。さらに、実施例1の木質パネルと同じ厚さを
有する、従来のパーティクルボード、方向性木材薄片集
成板、及び合板について、密度、曲げ強さ、曲げヤング
率、及び吸水厚さ膨張率を測定した。それらの結果を表
3にまとめて示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3から、本発明の木質パネルは、従来の
パーティクルボードや方向性木材薄片集成板より低密度
であり、合板と同等あるいはそれ以上の曲げ強さ及び耐
湿性を有することがわかる。
【発明の効果】本発明の木質パネルは、芯層として厚さ
0.4〜0.8mmの木材薄片からなる木材薄片集成板
を用い、その両面に、表層として厚さ0.3mm以下の
木材薄片からなる方向性木材薄片集成板を積層したもの
であるので高強度であり、さらに、その芯層と表層を同
時成形するので、芯層に部分的硬軟や厚薄があっても、
木質パネル全体としては均一で、表面は平滑とすること
ができる。また、芯層のバインダーとして発泡性樹脂を
用いることにより、低密度化することができ、軽量、高
強度の木質パネルを得ることができる。さらに、バイン
ダーに特別な撥水剤を添加して成形するため、木質パネ
ル全体に渡って耐湿性が向上し、例えば吸湿厚み膨張率
を5%以下にすることができる。従って、例えば、この
木質パネルの表面に化粧単板を接着して形成した床材
は、従来の合板を使用した床材を凌ぐ曲げ強さを持ち、
なおかつ耐湿性にすぐれており、我が国のような高湿度
の環境においても床材として十分に使用できる特性を有
している。さらに、本発明の木質パネルの表層をなす厚
さ0.3mm以下の木材薄片をアセチル化することによ
り、木質パネル及び床材の防虫、防腐、防バイ菌性、及
び寸法安定性をさらに向上させることができる。本発明
の木質パネルによれば、従来廃材とされていた原料を有
効利用でき、木材資源を保護する効果がある。また、そ
のような原料は低価格であり、原料コストの削減も図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質パネルの構造を示す図である。
【図2】 撥水剤中のアニオン系乳化剤含有量と吸水厚
さ膨張率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…芯層、2…表層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−81941(JP,A) 特開 平7−9404(JP,A) 特開 平7−40314(JP,A) 特公 平4−81481(JP,B2) 特公 平4−52763(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B27N 3/00 - 3/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ0.4〜0.8mmの木材薄片を、
    バインダーを用いて接着し成形一体化した木材薄片集成
    板からなる芯層の両面に、厚さ0.3mm以下の木材薄
    片を、バインダーを用いて接着し成形一体化した方向性
    木材薄片集成板からなる表層を積層してなる木質板であ
    って、その木質板が、それをなす木材薄片100重量部
    に対して、固形分換算で0.8〜5.0重量部の撥水剤
    を添加して成形され、その撥水剤が、アニオン系乳化剤
    及びパラフィンワックスからなる水性エマルジョンであ
    り、そのアニオン系乳化剤を10%未満含むものである
    ことを特徴とする木質パネル。
  2. 【請求項2】 芯層及び表層が、同時成形されたことを
    特徴とする請求項1記載の木質パネル。
  3. 【請求項3】 表層をなす方向性木材薄片集成板を形成
    する厚さ0.3mm以下の木材薄片が、アセチル化処理
    されたものであることを特徴とする請求項1または2記
    載の木質パネル。
  4. 【請求項4】 密度が0.4〜0.65g/cm3であ
    り、曲げヤング係数が40〜80×102MPaである
    ことを特徴とする請求項1記載の木質パネル。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の木質
    パネルの少なくとも一方の表面に、化粧単板を積層した
    ことを特徴とする床材。
  6. 【請求項6】 芯層をなす木材薄片集成板が、厚さ0.
    4〜0.8mmの木材薄片を、発泡性バインダーを用い
    て接着し成形一体化したものであることを特徴とする請
    求項5記載の床材。
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