JP3708137B2 - 積層木質板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、いわゆるOSBと呼ばれる方向性木材薄片集成板を積層して得られ、建材、家具などに使用することのできる積層木質板に関するものであり、特に、面の全ての方向に強度が均一化され、表面の平滑性が良好な積層木質板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図5に示すように、合板5の片面に化粧単板4を貼付して製造した化粧合板が知られている。しかしながら、この化粧合板は、ベニヤ単板などの複数枚を、その木理方向が直交するように積層した合板5を用いるものであるから、森林伐採などの資源的問題を抱えている。このため、これを他の入手容易で資源的問題の少ない素材で代替することが求められている。
【0003】
そこで、図6に示すように、木材薄片6をその木材繊維の方向がほぼ一定となるように配向して集積し、バインダーで接着して一体化成形した方向性木材薄片集成板が、OSB(Oriented Strand Board) と呼ばれ、構造用面材として用いられるようになってきた。この方向性木材薄片集成板は、構成要素となる木材薄片のサイズが大きく、針葉樹合板に匹敵する強度を有しており、強度、剛性の点で優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方向性木材薄片集成板は、木材薄片の繊維方向がほぼ一定となるように配向されているので、その配向方向には強度が大であるが、配向方向に直角な方向には引っ張り、曲げとも強度が比較的弱いという問題があった。また、方向性木材薄片集成板はその表面の凹凸が大きく、その表面平滑性に問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、従ってその目的は、面の全ての方向に強度が均一化され、平面性に優れた積層木質板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、方向性木材薄片集成板のみを3層以上奇数層積層し、その隣接する各層における方向性木材薄片集成板の配向方向を互いに直交せしめ、両表層と内層との厚さの比率を表層:内層:表層=1:2〜3:1とし、内層をなす方向性木材薄片集成板を発泡性バインダーが用いられたものとし、表層をなす方向性木材薄片集成板の木材薄片の厚さを0.15〜0.20mmとしたことを特徴とする積層木質板である。
【0006】
【作用】
一般の方向性木材薄片集成板は前記のように、配向方向に直角な方向に対して強度が弱いものであるが、本発明の積層木質板は、方向性木材薄片集成板のみを3層以上奇数層積層し、かつその隣接する各層の配向方向を互いに直交せしめたので、面の全ての方向に対して引張強さおよび曲げ強さが均一化され、かつ強化される。また、内層をなす方向性木材薄片集成板として、発泡性バインダーを用いたものを使用しているので、内層の厚みを表層の厚みの1〜1.5倍としても内層の重量の増加を抑えることができる。さらに、表層をなす方向性木材薄片集成板の木材薄片の厚みを0.15〜0.20mmとしたので、積層木質板の表面 平滑性が高いものとなる。
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層木質板を形成する方向性木材薄片集成板は、例えば木材薄片をバインダーと混合し、得られた混合物をその木材繊維の方向がほぼ一定となるように配向して集積し、熱圧を加えて接着し、板状に一体化成形したものである。
この木材薄片としては、例えばアカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ロッジポールパインなどの薄片が好適であるが、樹種は特に限定されるものではない。木材薄片のサイズや形状も特に限定されるものではないが、大部分のサイズが厚さ0.15〜0.8mm、長さ20〜100mm、幅2〜60mmの範囲内にあり、木材繊維の方向に細長い形状のものであることが好ましい。この場合には木材薄片を、その木材繊維の方向がほぼ一定となるように配向して集積することが容易になる。
【0008】
木材薄片と混合するバインダーとしては、この分野で使用される任意の合成樹脂接着剤が使用できる。特に、本発明の積層木質板の表層材として用いる方向性木材薄片集成板には表面硬度が要求されるので、バインダーとしては硬度が高いもの、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、またはそれらの混合物などが好ましい。
【0009】
また、内層材には適度な弾性と軽量性が要求されるので、内層材をなす方向性木材薄片集成板には発泡性バインダーを用いる。
ここで発泡性バインダーとは、木材薄片を互いに強靱に接着するとともに、それ自体が発泡するものであって、この発泡によってバインダー樹脂が木材薄片の微少な間隙にも浸透し、少量のバインダーで大きい接着面積を得るとともに、集積物を低密度化することができるものである。
この発泡性バインダーは、自己発泡する樹脂から構成してもよく、また、非発泡性の樹脂と発泡剤とによって構成してもよい。自己発泡する樹脂の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げることができる。
【0010】
また、発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂の例としては、非発泡性ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂またはそれらの混合物を挙げることができる。また、発泡剤としては、揮発性発泡剤、例えばCCl3 F、CCl2 F2 、またはCCl2 F−CClF2 などや、熱分解性発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、2,2’−アゾイソブチロニトリル、ベンゼンスルフォヒドラジド、またはN,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミドなどを挙げることができる。 また、これらの発泡性バインダーは、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの非発泡性バインダーを含んでいてもよい。これらの混合比は、目的とする積層木質板の密度に応じて適宜調整することができる。
【0011】
木材薄片に対するバインダーの割合は、木質薄片100重量部に対して10〜30重量部とすることが好ましい。10重量部未満では木材薄片が十分に接着せず、30重量部を越えると、得られた積層木質板の密度が過大となり重くなるとともに木質材としての特色が失われる。
【0012】
方向性木材薄片集成板を製造するに際しては、まず木材薄片とバインダーとを、それぞれの木材薄片の面にバインダーが均一に付着するように混合し、この混合物を、木材薄片の木材繊維の方向がほぼ一定となるように配向して集積する。この配向は、木材薄片が木材繊維の方向に細長い形状に形成されているので、その長さ方向を揃えて集積すればよく容易である。この集積物に熱圧を加えて接着し、板状に一体化成形すれば方向性木材薄片集成板が得られる。
熱圧を加えて得られた方向性木材薄片集成板の平面寸法は任意であるが、その厚さは5mm〜20mm程度とすることが好ましい。また、その密度は、0.40〜0.65g/cm3とすることが好ましい。密度が0.40g/cm3より小さいと、板の強度が不十分になり、逆に密度が0.65g/cm3より大きい場合は、全体の重量が増加して取扱い難くなる。
この方向性木材薄片集成板の曲げヤング係数は、配向方向に40〜80×102MPa程度であることが好ましい。曲げヤング係数が40×102MPa未満では、積層木質板としたときのたわみが過大となり、80×102MPaを越えると、例えば床板としてこれを使用したとき、歩行時に必要とする適度の弾性が不足することになる。
【0013】
本発明の積層木質板は、上記の方向性木材薄片集成板のみを3層以上奇数層積層して製造したものであり、その際、隣接する各層における方向性木材薄片集成板の配向方向を互いに直交せしめて積層する。この積層は、方向性木材薄片集成板を成形する途中の、木材薄片とバインダーとの混合物を集積する過程で、配向方向が互いに直交するように順次集積を行い、次いでこの多層集積物に熱圧を加えて一体化成形する方法で行ってもよいし、また各方向性木材薄片集成板を別個に製造したのちに、積層面に接着剤を塗布して積層してもよい。この接着剤としては、前記した各種バインダーのほか、ビニル系、アクリル系、ゴム系など、木質板の接着に従来から使用されているものがいずれも使用できる。木材薄片とバインダーとの混合物を集積する過程で積層を行う場合には、各層に含まれているバインダーが層間を接着するので付加的な接着剤は不要である。
【0014】
また、本発明の積層木質板にあっては、3層以上の方向性木材薄片集成板のみをその配向方向を直交せしめて積層するとともに、両表層と内層との厚さの比率を表層:内層:表層=1:2〜3:1とする。このように、一枚の積層木質板において、内層の厚みを両表層の厚みの1〜1.5倍と厚くすることにより、後述する具体例にも示すように、積層木質板は面の全ての方向に対して引張強さおよび曲げ強さが均一化され、かつ強化される。
【0015】
さらに、本発明の積層木質板では、内層をなす方向性木材薄片集成板として、上述のように発泡性バインダーを用いて得られたものを使用する。内層は、上述のように表層に比べてその厚みが1〜1.5倍となっているので重くなりがちであるが、発泡性バインダーを用いた方向性木材薄片集成板では、密度が低く、軽 量となるので、厚みの増大に伴う重量増加を最小限とすることができる。また、曲げ強さ、曲げヤング率を高く保つことができる。
【0016】
また、本発明の積層木質板では、表層をなす方向性木材薄片集成板の木材薄片に、その厚みが0.15〜0.20mmと薄いものを使用する。このような薄い木材薄片を用いることにより、表層をなす方向性木材薄片集成板の表面の平滑性が高く、表面がなめらかな積層木質板が得られる。また、この積層木質板の表面に化粧単板を貼って化粧積層木質板とする場合も平滑性がよいものが得られる。
このとき、化粧単板を通して方向性木材薄片集成板の木地が透けて見えるような場合は、基材と化粧単板との間に不透明な下地材を介在させてもよい。
ここで用いられる化粧単板としては、特に限定されるものではないが、例えばオーク突板など、従来から使用されている厚さ0.2〜0.8mm程度の化粧単板が使用できる。また、不透明な下地材としては、例えば紙などを使用することができる。下地材を用いる場合は、化粧単板は薄いものでよい。この化粧単板の表面には、さらに、厚さ40〜60μm程度のウレタン塗装などを施すことができる。
【0017】
上記化粧積層木質板は、その基材となる積層木質板が厚さ方向に中心から対称的に構成されていると、温度湿度などの環境変化の影響を受けて曲がり、そり、ねじれなどを生ずる場合がある。これらは、基材となる積層木質板の層構成を厚さ方向に非対称にすると防止できる。具体的には例えば、両表層の厚さや材質を変えたり、化粧単板を貼付していない面に、その面の配向方向に直角な方向に延びる溝を複数本形成するなどの方法によって非対称とすることができる。
【0018】
上記化粧積層木質板を床板とするには、化粧積層木質板を所定寸法の正方形、長方形などに切断し、必要なら面取りや仕上げ塗装その他の加工を施し、また側端部に雄実、雌実を形成する。このとき、正方形ブロック状または比較的広幅の床板とする場合は、面の全ての方向に強度が均化された、異方性の少ない化粧積層木質板を用いることが好ましく、また、細長い長方形の床板の場合は、その長手方向に強度が特に強化された化粧積層木質板を用いることが好ましい。その上で、上記いずれの床板の場合も、曲げヤング係数を40〜80×102MPa程度に調整することによって、歩行に快適な弾性を有する床板が得られる。
【0019】
次に、本発明の具体例を示す。
(例1)
図1に例1の積層木質板を示す。この積層木質板は、順次3層の方向性木材薄片集成板1、2、3を、隣接する各層における配向方向が互いに直交するように積層したものである。この積層木質板の厚さは12mmであり、両表層をなす方向性木材薄片集成板1および3の厚さはいずれも3mm、内層をなす方向性木材薄片集成板2の厚さは6mmであった。すなわち、表層:内層:表層の厚さ比率は1:2:1となっている。
【0020】
この積層木質板は以下のようにして製造した。
(混合物1)
シェービングマシンを用いて、エゾマツ材から、長さ30〜50mm、幅2〜20mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲内にある木材薄片を得た。
上記の木材薄片100重量部を低速で回転する回転ドラム内に入れ、水性フェノール樹脂バインダー20重量部を、回転ドラム内で木材薄片が自然落下する間にスプレー散布して、この木材薄片にフェノール樹脂バインダーを均一に塗布し、木材薄片とバインダーとの混合物1を得た。
【0021】
(混合物2)
シェービングマシンを用いて、エゾマツ材から、長さ75〜80mm、幅5〜50mm、厚さ平均0.55mmの木材薄片を得た。
上記の木材薄片100重量部を低速で回転する回転ドラム内に入れ、発泡性ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製の粗MDI)と未濃縮ユリア樹脂の重量比2:1の混合物20重量部を、回転ドラム内で木材薄片が自然落下する間にスプレー散布して、この木材薄片に発泡性バインダーを均一に塗布し、木材薄片とバインダーとの混合物2とした。
【0022】
混合物1を、木材薄片の配向方向がほぼ一方向に揃うようにして熱圧板上に散布し、厚さが62mmになるように集積した。
この上に引き続いて混合物2を、その木材薄片の配向方向が先の混合物1のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが126mmになるように集積した。
さらにこの上に、引き続いて混合物1を、その木材薄片の配向方向が先の混合物2のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが62mmになるように集積した。得られた3層の集積物を、温度160℃、圧力2MPaで20分間熱圧成形して例1の積層木質板を得た。
【0023】
(例2)
図2に例2の積層木質板を示す。この積層木質板は、順次3層の方向性木材薄片集成板1、2、3を、隣接する各層における配向方向が互いに直交するように積層してなるものである。この積層木質板の厚さは実施例1と同様12mmであり、ただし両表層をなす方向性木材薄片集成板1、3および内層をなす方向性木材薄片集成板2の厚さはいずれも4mmであった。すなわち、表層:内層:表層の厚さ比率は1:1:1となっている。
【0024】
この積層木質板は以下のようにして製造した。
混合物1、混合物2には、それぞれ例1に示したと同様なものを使用した。
この混合物1を、木材薄片の配向方向がほぼ一方向に揃うように熱圧板上に散布し、厚さが83mmになるように集積した。
この上に引き続いて混合物2を、その木材薄片の配向方向が先の混合物1のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが83mmになるように集積した。
この上に、引き続いて混合物1を、その木材薄片の配向方向が先の混合物2のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが83mmになるように集積した。
得られた集積物を、温度160℃、圧力2MPaで20分間熱圧成形して例2の積層木質板を得た。
【0025】
(例3)
図3に例3の積層木質板を示す。この積層木質板は、順次3層の方向性木材薄片集成板1、2、3を、隣接する各層における配向方向が互いに直交するように積層してなるものである。この積層木質板の厚さは例1および2と同様12mmであり、ただし両表層をなす方向性木材薄片集成板1、3の厚さはいずれも2.4mmであり、内層をなす方向性木材薄片集成板2の厚さは7.2mmであった。すなわち、表層:内層:表層の厚さ比率は1:3:1となっている。
【0026】
この積層木質板は以下のようにして製造した。
混合物1、混合物2には、それぞれ例1に示したと同様なものを使用した。
この混合物1を、木材薄片の配向方向がほぼ一方向に揃うように熱圧板上に散布し、厚さが50mmになるように集積した。
この上に引き続いて混合物2を、その木材薄片の配向方向が先の混合物1のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが150mmになるように集積した。
この上に、引き続いて混合物1を、その木材薄片の配向方向が先の混合物2のそれとほぼ直角になるように散布し、厚さが50mmになるように集積した。
得られた集積物を、温度160℃、圧力2MPaで20分間熱圧成形して例3の積層木質板を得た。
【0027】
例1、2および3の試料について、各表層の配向方向をX方向、これと直角な方向をY方向として、各方向における曲げ強さと曲げヤング係数とを測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1の結果から、例1の積層木質板(厚さ比率1:2:1)を標準とするとき、全体の厚さは同一であっても、両表層1、3の厚さ比率が大である例2(厚さ比率1:1:1)の場合は、表層の配向方向であるX方向の曲げ強さが例1のそれより明かに大となっており、例3(厚さ比率1:3:1)の場合は、両表層1、3の厚さ比率が比較的小さいので、X方向の曲げ強さが例1のそれより小さく、異方性が減少していることがわかる。
【0030】
(例4)
図4に例4の化粧積層木質板を示す。この化粧積層木質板は、例1の積層木質板の一方の表層1の表面を研磨し、この面に厚さ0.2mmのオーク材の化粧単板4を貼付して製造したものである。表層1と化粧単板4とは、水性高分子イソシアネート系接着剤(光洋産業、KR7800)を用い、温度110℃、圧力10MPaを3分間かけて接着した。この化粧単板4の表面をさらに研磨し、厚さ約50μmのウレタン塗装を施した。
得られた化粧積層木質板は平滑かつ美麗な表面を有しており、表面硬度が高く、床板としての好適な物性を有していた。
【0031】
(例5)
例4の化粧積層木質板を、X方向1800mm×Y方向300mmの長方形に切断し、裏面には、その配向方向と直角の方向に、幅3mm、深さ2mmの溝を450mm間隔に3本形成し、積層木質板の層構成をその厚さ方向に非対称にして床板を製造した。
この床板の曲げたわみをJASの規格に基づいて評価した。即ち、この床板をX方向にスパン700mmで支持し、スパンの中央に直交して置いた荷重棒の上に、21kg重の荷重をかけたときの変位(A)と、同様に9kg重の荷重をかけたときの変位(B)との差(A−B)を求めた。この差が小さいほど剛性が高いことを表している。床板のJAS規格では、この曲げたわみの値が3.5mm以下である必要がある。この床板は、この規格に合格していた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の積層木質板は、方向性木材薄片集成板のみを3層以上奇数層、隣接する各層における配向方向を互いに直交せしめて積層し、両表層と内層との厚さの比率を表層:内層:表層=1:2〜3:1とし、内層をなす方向性木材薄片集成板を発泡性バインダーが用いられたものとし、表層をなす方向性木材薄片集成板の木材薄片の厚さを0.15〜0.20mmとしたものであるので、面の全ての方向に曲げ強度、曲げヤング率などの強度が均一化され、かつ高い値に保たれ、しかも軽量で、さらには表面の平滑性も良好なものとなる。よって、本発明の積層木質板は、床板や構造面材、装飾面材などとして、建築物、建具、家具、調度、事務機具、玩具などの分野で広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例1の積層木質板を示す断面図。
【図2】 例2の積層木質板を示す断面図。
【図3】 例3の積層木質板を示す断面図。
【図4】 例4の化粧積層木質板を示す断面図。
【図5】 従来の床板の一例を示す断面図。
【図6】 方向性木材薄片集成板の構成を示す平面図。
【符号の説明】
1、2、3…方向性木材薄片集成板
Claims (1)
- 方向性木材薄片集成板のみを3層以上奇数層積層し、その隣接する各層における方向性木材薄片集成板の配向方向を互いに直交せしめ、両表層と内層との厚さの比率を表層:内層:表層=1:2〜3:1とし、内層をなす方向性木材薄片集成板を発泡性バインダーが用いられたものとし、表層をなす方向性木材薄片集成板の木材薄片の厚さを0.15〜0.20mmとしたことを特徴とする積層木質板。
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