JPH1018563A - 複合板とこの複合板を用いた化粧板 - Google Patents

複合板とこの複合板を用いた化粧板

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JPH1018563A
JPH1018563A JP19287196A JP19287196A JPH1018563A JP H1018563 A JPH1018563 A JP H1018563A JP 19287196 A JP19287196 A JP 19287196A JP 19287196 A JP19287196 A JP 19287196A JP H1018563 A JPH1018563 A JP H1018563A
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伸一 高田
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康裕 原田
Hideyuki Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質基板と中比重木質繊維板との複合板の表
面に化粧層を設けてなる化粧板であって、床材に使用し
た場合に、局部荷重を受けても層間剥離や凹み変形が生
じ難く、耐久性に優れた化粧板を提供する。 【解決手段】 表層側が高密度層3aで裏層側が低密度層
3bの2層からなる中比重木質繊維板3を、その低密度層
3bを合板などの木質基板2の接着面に向けて木質基板2
の表面に積層接着することにより、接着剤5の一部を低
密度層3bに浸透させた強化層を形成すると共に木質基板
2と中比重木質繊維板3とを強固に接着させた複合板1
を形成し、さらに、中比重木質繊維板3の表面側高密度
層3aに多数の微小凹部6を設けてこの微小凹部6に接着
剤の一部を浸透させ、この接着剤を介して化粧シートな
どの化粧層4を層着している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用床材等の建
築内装材料や家具用材料として使用するのに好適な複合
板とこの複合板を用いた化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、合板などの木質材からなる基
板の表面または表裏両面に、突板や合成樹脂製の化粧薄
板又は印刷紙等の化粧シートを貼着したり、或いは塗装
等を行って、表面化粧層を施してなる化粧板が、住宅等
の建築物の床材や造作材或いは家具用材料として広く使
用されている。しかしながら、例えば合板の表面に突板
を貼着したのち、塗装仕上げしてなる一般的な化粧板を
床材に使用した場合、湿気の吸収、放散に伴う合板の膨
張、収縮によって表面の突板に細かい亀裂(干割れ)が
生じたり、表面に重量の大きい家具の脚や落下物などに
よる局部的な荷重が加わると凹みが生じたりして外観を
損なうという問題点がある。
【0003】このため、合板等の木質材料からなる基板
の表面または表裏両面に中比重木質繊維板(MDF)を
接着して複合板を形成し、この複合板の中比重木質繊維
板の表面に突板や合成樹脂製化粧シート又は印刷紙等の
化粧シートを貼着したり、塗装等によって表面化粧層を
形成してなる化粧板を床材等の建築材料などに使用する
試みがなされている。
【0004】このような化粧板の構成部材として使用さ
れている上記中比重木質繊維板は、木質繊維に熱硬化性
樹脂接着剤を添加し、加熱下で圧締成形することによっ
て得られたものであるため、加熱面に直接接する表裏層
部が高密部に形成され、内部は相対的に低密度に形成さ
れることになる。従って、この中比重木質繊維板を合板
などの基板に積層接着して得られた複合板の表面に上記
のような表面化粧層を施すと、表面が緻密で硬質且つ平
滑であり、方向性が少ない中比重木質繊維板によって表
面化粧層に干割れ等の欠点が生じ難くなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中比重
木質繊維板の厚さは通常2.7mm 以上であり、従ってこの
ような厚みを有する中比重木質繊維板を合板等の木質基
板の片面に接着すると、基板と中比重木質繊維板との収
縮率の差や収縮の方向性の相違によって化粧板に反りが
発生しやすくなる。一方、木質基板の表裏両面に上記中
比重木質繊維板を接着させると反りの問題は軽減される
が全体の厚みが厚くなり、製品が高価につくと共に生産
効率も悪くなるという問題点が生じる。
【0006】さらに、上記のような厚みを有する中比重
木質繊維板を使用すると、高密度の表裏層部に比べて内
部の低密度層の厚みの割合が大きいために、このような
中比重木質繊維板を備えた上記化粧板をダイニングルー
ムの床材に適用した場合、キャスター付ワゴン等による
動的荷重を受けると中比重木質繊維板の低密度層に層間
剥離が生じ、強度が低下すると共に表面の外観を損なう
ことがある。
【0007】また、上記中比重木質繊維板は、その表裏
層部が高密度に形成されているために、木質基板の表面
または表裏面にこの中比重木質繊維板を接着して複合板
を形成する際、中比重木質繊維板の高密度層には接着剤
が浸透し難く、木質基板側に優先的に浸透して基材と中
比重木質繊維板との接着が不充分となり、部分的な剥離
が生じる虞れがあった。その上、上述したように、中比
重木質繊維板の内部の低密度層に層間剥離が生じ、この
剥離部が膨れ等となって化粧面に現出したり、耐久性を
低下させるという問題点がある。
【0008】このような層間剥離や上記反りの問題は、
中比重木質繊維板の厚みを薄くすれば幾分軽減し得る
が、厚みが3mm未満の中比重木質繊維板を得るには、現
状の製造方法では生産性がきわめて悪く且つ高価につく
と共に表裏層が高密度であるために上記問題点を解消す
るには到らないものである。さらに、木質基板に上記中
比重木質繊維板を接着してなる複合板の該中比重木質繊
維板表面に化粧層を施して化粧板を得る場合、中比重木
質繊維板の表層が緻密で硬質の高密度層であるため、化
粧層の種類によってはこの中比重木質繊維板の表面との
密着性が悪くなり商品価値が低下するという問題点があ
った。本発明はこのような問題点を解消し得る複合板と
この複合板を用いた化粧板の提供を目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の複合板は、木質基板の少なくとも片面に、表
層側が高密度で裏層側が低密度に形成された厚さ3mm以
下の中比重木質繊維板を、その低密度側裏面を木質基板
の面に向けて積層接着してなる構造としている。このよ
うに構成した複合板において、請求項2に記載したよう
に、中比重木質繊維板の高密度表層部に、その表面全面
に亘って多数の微少凹部を規則的に形成しておくことが
望ましい。また、請求項3に記載したように、上記複合
板においては、中比重木質繊維板の低密度裏層部には基
材との接着剤の浸透層が形成された構造を有しているこ
とが望ましい。
【0010】請求項4に係る発明は、上記複合板を用い
た化粧板であって、木質基板の少なくとも片面に表層側
が高密度で裏層側が低密度に形成された厚さ3mm以下の
中比重木質繊維板の低密度側裏面が積層接着されて複合
板を形成し、さらに、この複合板の表面に表面化粧層を
層着してなることを特徴とするものである。このように
構成した化粧板において、請求項5に記載した発明は上
記複合板と同様に、中比重木質繊維板の高密度表層部に
はその表面全面に亘って多数の微少凹部が規則的に形成
されていると共に低密度裏層部には基材との接着剤の浸
透層が形成されていることを特徴としている。さらに、
請求項6に係る発明は、上記複合板における微少凹部を
有する中比重木質繊維板の高密度表層の表面に塗装によ
る表面平滑な塗布層が設けられ、この塗布層上に表面化
粧層が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用効果】本発明の複合板とこの複合板に表面化粧層
を層着してなる化粧板によれば、表層側が高密度で裏層
側が低密度に形成された厚さ3mm以下の薄い中比重木質
繊維板を、その低密度側裏面を木質基板の面に向けて該
木質基板に積層接着しているので、木質基板の収縮力や
方向性に対して中比重木質繊維板は殆ど影響せず、反り
の発生を減少させることができると共に中比重木質繊維
板の高密度層に対して低密度層の割合が小さくて該低密
度層が薄く形成されているので、ワゴンのキャスターや
家具の脚等からの局部荷重を受けても層間剥離現象が生
じ難いものである。
【0012】さらに、中比重木質繊維板が表面側を高密
度層に、裏面側を低密度層に形成され、且つこの低密度
層を木質基板に積層接着しているので、高密度層を介し
て接着している従来の中比重木質繊維板とは異なって、
木質基板の面に中比重木質繊維板の低密度層が良く馴染
んで全面的に良好に接着することができると共に低密度
層に対する接着剤の浸透性が良くて木質基板と強固に接
着させることができるものであり、その上、浸透した接
着剤によって層間剥離の生じ易い低密度層を強化するこ
とができ、使用条件が厳しい環境下においても剥離現象
が生じ難くなると共に局部荷重に対しても充分に耐える
ことができ、凹み変形が生じ難く且つ反りの発生を抑制
し得る耐久性に優れた複合板とこの複合板を用いた化粧
板を提供し得るものである。
【0013】また、木質基板に積層接着した中比重木質
繊維板の高密度層を露出面にして複合板が形成され、こ
の高密度層に全面に亘って多数の微小凹部を規則的に形
成しているので、中比重木質繊維板の該高密度層表面に
突板や化粧シート、或いは塗膜などの表面化粧層を施す
場合やその他の材料と複合する場合には、接着剤や塗料
が上記微小凹部に食い込んでアンカー作用を発揮し、高
密度層表面に対する密着性や接着性を強固にすることが
できて複合板の優れた性能を有する化粧板が得られると
共に、該微小凹部内を通じて接着剤等を低密度層側に浸
透、硬化させ、中比重木質繊維板の層間剥離の発生を抑
制したり、局部荷重や繰り返し荷重に対する抵抗力を向
上させることができる。
【0014】さらに、請求項6に記載したように、上記
複合板における微少凹部を有する高密度表層の表面に塗
装による表面平滑な塗布層を設け、この塗布層上に表面
化粧層を設けることによって、微小凹部が表面の化粧層
に影響するのを塗布層によって防止することができ、特
に、ダイレクト印刷等の印刷や塗装、或いは薄葉紙など
の化粧シートにより化粧層を設ける場合に優れた化粧性
を発揮し得るものであり、その上、中比重木質繊維板の
高密度層表面と化粧層とに対して馴染みの良い塗料を用
いて両者の接着を強固に行え、外観ばかりでなく優れた
耐久性を有する化粧板を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述すると、複合板1は所望厚みを有する木
質基板2と、表層側が繊維密度が緻密な高密度層3aで裏
層側が粗な低密度層3bに形成された厚さ3mm以下の中比
重木質繊維板3とからなり、この中比重木質繊維板3の
低密度層3b側裏面を木質基板2に重ね合わせて一体に接
着してなるものであり、図1、図2においては該木質基
板2の表面のみに中比重木質繊維板3を積層接着してな
る複合板1を示し、図4においては該木質基板2の表裏
両面に中比重木質繊維板3を積層接着してなる複合板1
を示している。
【0016】木質基板2としてはパーティクルボード、
ウエハーボード、ストランドボード等の木削片板や、合
板、集成材、LVL、木質繊維板等の木質板が使用され
る。なお、このような木質板以外に、表裏層部が鉱物質
繊維を主原料として形成された高密度層で、芯層部が無
機質軽量発泡骨材で形成された低密度層の比重が0.5〜
1.0 の無機質系板状体等も木質基板2の代わりに採用す
ることもできる。
【0017】一方、木質基板2に積層接着する本願の中
比重木質繊維板3としては、上記のように高密度層3aか
らなる表層部と低密度層3bからなる裏層部とからなるも
のであり、その全体の比重は0.5 〜0.9 程度、好ましく
は0.6 〜0.8 の中比重木質繊維板が用いられる。なお、
比重が0.9 以上の木質繊維板を用いると、複合板や化粧
板としては固くなりすぎて感触が悪くなると共に反り等
の変形が生じ易くなり、また、比重が0.5 未満では耐圧
強度が不足し、用途が限られてしまうので好ましくな
い。
【0018】一般に、中比重木質繊維板を製造するに
は、熱硬化性樹脂等の接着剤を添加した木質繊維をマッ
ト状に成形したのち、このマット状物を上下に熱圧プレ
ートを備えたバッチ式ホットプレスや無端状に巡回する
ベルト状の上下熱圧プレートを備えた連続プレス装置で
板状に熱圧成形することによって製造されるものである
が、得られた中比重木質繊維板は、上下熱圧プレートに
接する表裏面が平滑面で且つ緻密の層(高密度層)に形
成され、内部は繊維密度が粗な低密度層となっているの
で、本発明に使用する上述したような表層側が高密度で
裏層側が低密度の中比重木質繊維板2を得ることができ
ない。
【0019】このような表層側高密度層3aと裏層側低密
度層3bとを有する厚みの薄い中比重木質繊維板3は、次
に列記するいずれかの方法によって得ることができる。
すなわち、.上記常法によって得られた内部が低密度
層で表裏側が高密度層となっている中比重木質繊維板に
おいて、その裏面側の高密度層をサンディングやブラッ
シング等により研削、除去する。 .上記常法によって中比重木質繊維板を製造する際
に、マット状物の中間層に網状物などの微小凹凸面を有
するシート状物を介在させておき、成形後にこのシート
状物を介して中間層から2分することにより、表裏にそ
れぞれ高密度層と低密度層を有する2枚の薄い中比重木
質繊維板を得る。 .上記常法によって中比重木質繊維板を製造する際
に、マット状物の中間層に接着剤を塗布しない層を設け
ておき、このマット状物を加熱、加圧した後、該中間層
で剥離を生じさせて2分することにより、表裏にそれぞ
れ高密度層と低密度層を有する2枚の薄い中比重木質繊
維板を得る。 .上記常法によって得られた厚みのある中比重木質繊
維板を、その厚み方向の中央部から割裂させて2分する
ことにより、表裏にそれぞれ高密度層と低密度層を有す
る2枚の薄い中比重木質繊維板を得る。 .上記常法によって得られた中比重木質繊維板におい
て、その裏面高密度層に無数の小さな鋸目や切目を入れ
ることにより粗な密度に形成し、表面側が高密度層で裏
面側が低密度層の中比重木質繊維板とする。
【0020】このようにして得られた中比重木質繊維板
3は、表面側が高密度層3aで裏面側が低密度層3bに形成
され且つ表面から裏面に向かって密度傾斜を有したもの
となる。具体的には表層部約0.5mm 厚部分の平均比重は
約0.7 〜1.1 程度、好ましくは0.75〜1.0 であるのに対
して、裏層部約0.5mm の厚さ部分の平均比重は約0.4〜
0.75程度、好ましくは0.55〜0.70の範囲であり、且つ平
均的に表面から裏面に向かって徐々に比重が小さくなっ
た密度傾斜を有する中比重木質繊維板3が得られる。
【0021】この中比重木質繊維板3の高密度層3aと低
密度層3bとの上記比重範囲において高密度層3aの最低比
重が0.7 であり、低密度層3bの最高比重が0.75である
が、用いる中比重木質繊維板3としては、常に低密度層
3bの比重が高密度層3aの比重よりも小さいもの、即ち、
高密度層3aの比重が0.7 の場合にはこの比重よりも小さ
い比重の低密度層3bを有する中比重木質繊維板3を使用
するものである。そして高密度層3aや低密度層3bの上記
比重範囲内において、床材や壁材、建築用材等の使用目
的に応じた比重の中比重木質繊維板3を選択するもので
あり、また、木質基板2の種類に応じて該木質基板2と
の接着性や得られる複合板1の強度を鑑みて所定の比重
を有する中比重木質繊維板3を使用する。
【0022】中比重木質繊維板3の厚さは1〜3mm程度
のものが適している。特に図3に示すように、木質基板
2の表面に中比重木質繊維板3をその低密度層3b側の裏
面を木質基板の面に向けて積層接着することにより上記
複合板1を形成し、この複合板1を台板としてその中比
重木質繊維板3の高密度層3aの表面に突板等化粧材から
なる化粧層4を貼着してなる化粧板Aにおいては、該中
比重木質繊維板3の厚みが1〜3mmの範囲内のものを用
いて木質基板2の膨張、収縮による化粧層4の干割れや
木質基板2の低密度層3bによる膨れ、凹凸などが現出し
ないようにすると共に木質基板2と中比重木質繊維板3
との接着を強固にすることが望ましい。中比重木質繊維
板3の厚さが3mmを超えると、中比重木質繊維板3の低
密度層3bが厚くなって化粧板Aを床材などに使用した場
合、動的荷重を受けるとその低密度層3b内で層間剥離が
生じたり、低密度層3bが湿気等の水分を吸収して膨張ム
ラが生じ、さらに、反り等の変形が生じるので好ましく
ない。
【0023】木質基板2の表面又は表裏両面に中比重木
質繊維板3を積層接着してなる複合板1は、上記のよう
に、中比重木質繊維板3の低密度層3b側を木質基板2の
面に向けて重ね合わせた状態で接着剤5により一体に接
着することによって得られるものであるが、この際、中
比重木質繊維板3の低密度層3bをその低密度を保持する
範囲内で研削等により厚み調整しておいてもよい。
【0024】木質基板2と中比重木質繊維板3の低密度
層3bとを接着する接着剤5としては複合板1の用途など
に合わせて適宜に選定するものであるが、通常は尿素−
ホルマリン樹脂、尿素−メラミン−ホルマリン樹脂、メ
ラミン−フェノール、ホルマリン樹脂、アルキルフェノ
ールホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、水
性ビニルウレタン樹脂、酢ビ−尿素系水性樹脂、アクリ
ル−メラミン系水性エマルジョン、ポバール−イソシア
ネート水性エマルジョンなど、酢酸ビニル系、尿素樹脂
系、メラミン樹脂系、フェノール系、ウレタン系、エポ
キシ系の接着剤を使用する。
【0025】上記接着剤5において、低分子量の接着剤
を単独で用いると、中比重木質繊維板3の低密度層3bに
接着剤が浸透しすぎてかえって木質基板2との接着性が
悪くなることがあるので、低分子量の接着剤と高分子量
の接着剤とを組み合わせた複合系の接着剤を用い、中比
重木質繊維板3の低密度層3bに対する浸透性を適当に調
整することが好ましい。また、木質基板2の表裏層が中
比重木質繊維板3の低密度層3bと同様に密度が粗な場合
には、充填性のよい接着剤や発泡性のある接着剤を使用
して木質基板2と中比重木質繊維板3の低密度層3bとの
接合面間の空隙を該接着剤によって充填し、両者の接着
を一層強固にすることができる。
【0026】さらに、木質基板2の接する中比重木質繊
維板3の低密度層3b内に接着剤5が容易に浸透して該低
密度層3bに接着剤の浸透層5aが全面的に設けられ、この
浸透層5aによって中比重木質繊維板3を木質基板2に強
固に接着しておくことができるばかりでなく、この浸透
層5aが強化層となって層間剥離が防止されると共に局部
荷重に対する耐圧性が向上し、その上、反り等の変形が
生じ難くなるものである。
【0027】上記のように構成した複合板1の表面に化
粧層4を施工して化粧板Aを形成する場合、複合板1の
表面材である中比重木質繊維板3の高密度層3aの表面全
面に図1、図2に示すように、低密度層3bに達する多数
の微小凹部6を規則的に形成しておくことが望ましい。
【0028】このような微小凹部6は、次に列記するよ
うな手段によって中比重木質繊維板3の高密度層3aに設
けることができる。即ち、 .周面に多数の微小突起を設けた回転ロールやプレー
トを中比重木質繊維板3の高密度層3aの表面に押圧する
ことによって形成する。 .中比重木質繊維板3を製造する際の熱圧成形時に、
熱圧プレート面に多数の微小突起を突設した型材を装着
しておき、熱圧成形と同時に形成する。 .中比重木質繊維板3を製造する際に、その中間層に
剥離層や割裂層を設けておき、この中比重木質繊維板3
の高密度層である表裏面を周面に多数の微小突起を突設
してなる上下一対の回転ロールによって挟圧したのち剥
離層や割裂層を介して2分させる。 .木質基板2に中比重木質繊維板3を接着した複合板
1を形成したのち、木質基板2の高密度層3aを多数の微
小突起を設けた回転ロールやプレートによって押圧す
る。 .中比重木質繊維板3の高密度層3aにレーザビームに
よって小径孔を多数穿設する。微小凹部6の深さは中比
重木質繊維板3の高密度層3aの厚みによって変わるが、
0.2mm 以上あればよい。
【0029】化粧板Aは上記複合板1の表面に化粧層4
を層着してなるものであるが、このような化粧層4を施
すには、.複合板1を構成している中比重木質繊維板
3の高密度層3aの表面に突板や化粧シートを貼着する、
.該高密度層3aの表面に塗装したり直接印刷する、
.下地塗りを行う、などの方法があり、さらにこれら
の方法を組み合わせて複合板1の表面に化粧層4を形成
することにより化粧板Aを作製してもよい。
【0030】この化粧板Aを得る場合において、上述し
たように複合板1の表面材を構成している中比重木質繊
維板3の高密度層3aに多数の微小凹部6を設けておけ
ば、該高密度層3aの表面に突板等を貼着する接着剤や塗
布する塗料が微小凹部6に食い込んでアンカー作用を発
揮するので、高密度層3aの表面に対する突板や化粧シー
トの貼着が強固になると共に塗料の場合には密着性が良
好となり、その上、接着剤や塗料の一部が微小凹部6内
に浸透して表面が強化された化粧板Aを得ることができ
る。また、微小凹部6が中比重木質繊維板3の低密度層
3bに達する深さまで設けられている場合には、該微小凹
部6を通じて接着剤が低密度層3bまで浸透して層間剥離
の生じ易い低密度層3bを強化することができ、使用条件
が厳しい環境下においても剥離現象が生じ難くなると共
に局部荷重に対しても充分に耐えることができる化粧板
Aが得られる。なお、上記複合板1の表面のみに限ら
ず、表裏両面に化粧層4、4を貼着して化粧板Aを構成
してもよい。
【0031】化粧板Aの製造方法としては、木質基板2
の両面又は片面に上記接着剤5を40〜200g/cm2程度塗布
し、必要に応じて予備乾燥したのち、上記中比重木質繊
維板3の低密度層3b側を接着剤層上に載置し、加圧又は
加熱加圧して接着剤5を硬化を完了させる。なお、加圧
は5〜20Kg/cm2の圧力で行い、加熱する場合には80〜18
0 ℃で行う。こうして得られた複合板1の片面又は両面
に上述したように突板等の化粧単板や化粧シート、化粧
フイルムを貼着して化粧板Aを得る。また、中比重木質
繊維板3の高密度層表面にダイレクト印刷や極薄の化粧
材を層着して化粧層4を形成した場合、中比重木質繊維
板3側の欠点が表面に現出する等の好ましくない現象が
生じる虞れがあるので、この場合には、高密度層表面に
下地塗装等を施したのち化粧仕上げを行うものである。
次に、本発明の具体的な実施例と比較例を示す。
【0032】
【実施例】
〔実施例1〕表裏面から内部に向かって0.1 〜0.6 mmの
厚み部分の平均比重がそれぞれ0.89、0.86であり、厚さ
方向の中央から表裏面に向かってそれぞれ0.5mm の厚み
部分即ち、中央の厚さ1.0mm の部分の平均比重が0.67に
形成されている表裏層が高密度層で芯部が低密度層の厚
さ約3mmの中比重木質繊維板を、その厚さ方向の略中央
から2分割して厚さが約1.5mの表層側が高密度層で裏層
側が低密度層の2枚の木質繊維板を得た。この木質繊維
板を1枚、表面にビニルウレタン接着剤を140g/m2 塗布
したのち予備乾燥してなる厚さ9mmの合板の表面にその
低密度層側を向けて載置し、130 ℃、7Kg/cm2の熱圧条
件で5分間、接着して複合板を得た。次いで、この複合
板を構成している上記木質繊維板の高密度層表面を、周
面に多数の金属突起を植設してなるロールで押圧して該
高密度層に深さが約0.3mm 、長さ3mm: 幅0.15mmの多数
の微小凹部を形成し、この高密度層表面にビニルウレタ
ン系接着剤を90g/m2塗布した後、木目模様を印刷した化
粧薄葉紙を接着して化粧板を得た。得られた化粧板を沸
騰水中に4時間浸漬し、60℃のドライヤーで20時間乾燥
する試験を2サイクル行ったが、表面化粧層の性状に殆
ど変化がなく良好な外観を呈していた。また、合板と木
質繊維板および木質繊維板と化粧層との接着性も良好で
あり、木質繊維板の内部においては層間剥離も生じてい
なかった。さらに、碁盤目テスト(2mm間隔の目)によ
るセロファン剥離テストによっても剥離が生じず、全体
の反りも殆ど生じなかった。
【0033】〔実施例2〕上記実施例1における表裏層
が高密度層で芯部が低密度層の厚さ3mmの中比重木質繊
維板の裏層側を1mm厚程度サンディングにより切削して
表面から内部に向かって0.1 〜0.6 mmの厚み部分の平均
比重が0.86で裏面から内部に向かって0.1〜0.5 mmの厚
み部分の平均比重が0.65の密度勾配を有する厚さ2mmの
木質繊維板を得た。この木質繊維板を2枚作製した。一
方、木質基板として厚さ12mmのカポール材合板を用い、
このカポール合板の両面に分子量2000のポリプロピレン
グリコールとMDIを等重量の割合で混合し且つ室温で
2時間反応させて作製した接着剤を200g/cm2塗布した。
この接着剤塗布面に上記木質繊維板をそれぞれその低密
度層側を接着剤塗布面に向けて重ね合わせたのち、ホッ
トプレスによって120℃、7Kg/cm2の熱圧条件で10分
間、接着して複合板を得た。この熱圧処理によって接着
剤は木質繊維板の低密度層内に浸透して該低密度層に接
着剤浸透強化層が形成された。次いで合板の表裏面に接
着している木質繊維板の高密度層の表面に上記接着剤を
120g/cm2塗布し、さらに、この接着剤を介して厚さ0.3m
m のナラ材化粧単板を載置して接着した後、該化粧単板
表面をサンディングし、トップコートとして2液ウレタ
ン樹脂塗料を塗装した。こうして得られた化粧板を実施
例1と同様の試験を行ったところ、煮沸乾燥試験におい
ても碁盤目試験においても良好な結果が得られた。
【0034】〔比較例1〕上記実施例2における表裏層
が高密度層で芯部が低密度層の厚さ3mmの中比重木質繊
維板をそのまま使用し、この中比重木質繊維板を、表面
にビニルウレタン接着剤を140g/m2 塗布したのち予備乾
燥してなる厚さ9mmの合板の表面に載置し、130 ℃、7
Kg/cm2の熱圧条件で5分間、接着して複合板を得た。次
いで、この複合板を構成している上記中比重木質繊維板
の表面にビニルウレタン系接着剤を90g/m2塗布した後、
木目模様を印刷した化粧薄葉紙を接着して化粧板を得
た。得られた化粧板を沸騰水中に4時間浸漬し、60℃の
ドライヤーで20時間乾燥する煮沸乾燥試験を2サイクル
行ったところ、煮沸水中に対する浸漬後には中比重木質
繊維板の周辺部に膨れが生じ、乾燥後には中比重木質繊
維板の中間層に層間剥離が生じていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に中比重木質繊維板を貼着してなる複合板
の簡略斜視図、
【図2】その一部の拡大縦断面図、
【図3】複合板の表面に化粧層を設けてなる化粧板の斜
視図、
【図4】表裏両面に中比重木質繊維板を貼着してなる複
合板の縦断面図。
【符号の説明】
1 複合板 2 木質基板 3 中比重木質繊維板 3a 高密度層 3b 低密度層 4 化粧層 5 接着剤 6 微小凹部 A 化粧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 秀行 大阪市北区中之島2ー3ー18 大建工業株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質基板の少なくとも片面に、表層側が
    高密度で裏層側が低密度に形成された厚さ3mm以下の中
    比重木質繊維板を、その低密度側裏面を木質基板の面に
    向けて積層接着してなることを特徴とする複合板。
  2. 【請求項2】 中比重木質繊維板の高密度表層部にはそ
    の表面全面に亘って多数の微少凹部が規則的に形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の複合板。
  3. 【請求項3】 中比重木質繊維板の低密度裏層部に基材
    との接着剤の浸透層を形成していることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の複合板。
  4. 【請求項4】 木質基板の少なくとも片面に、表層側が
    高密度で裏層側が低密度に形成された厚さ3mm以下の中
    比重木質繊維板を、その低密度側裏面を木質基板の面に
    向けて積層接着してなる複合板の表面に表面化粧層を層
    着してなることを特徴とする複合板を用いた化粧板。
  5. 【請求項5】 上記化粧板における中比重木質繊維板の
    高密度表層部にはその表面全面に亘って多数の微少凹部
    が規則的に形成されていると共に低密度裏層部には基材
    との接着剤の浸透層が形成されていることを特徴とする
    請求項4記載の複合板を用いた化粧板。
  6. 【請求項6】 上記複合板における微少凹部を有する中
    比重木質繊維板の高密度表層の表面に塗装による表面平
    滑な塗布層が設けられ、この塗布層上に表面化粧層が設
    けられていることを特徴とする請求項4または請求項5
    記載の複合板を用いた化粧板。
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