JP3903401B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅における建築用床材や階段踏板、幅木等の建築内装材料やテーブル、カウンタートップなどの家具用材料、特に、床材として使用するのに好適な化粧板製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、合板などの木質材からなる基板の表面に突板や合成樹脂製の化粧シート又は印刷紙等の化粧シートを貼着したり、或いは塗装等を行って、表面化粧層を施してなる化粧板が、住宅等の建築物の床材や造作材或いは家具用材料として広く使用されている。しかしながら、例えば合板の表面に突板を貼着したのち塗装仕上げしてなる一般的な化粧板を床材として使用した場合、木質基板に存在する小さな穴や抜け節、ジョイント部等の欠陥部が突板表面に現出したり、さらには湿気の吸収、放散に伴う合板の膨張、収縮によって表面の突板に細かい亀裂(干割れ)が生じたりして化粧性を著しく損なうことになり、その上、表面に重量の大きい家具の脚や落下物などによる局部的な荷重が加わると凹みが生じたりキャスター付きワゴンによる摺動的な負荷によって化粧板の表面が傷を受ける等の問題点がある。
【0003】
このため、合板等の木質材料からなる基板の表面に比較的硬質の中比重木質繊維板(MDF)を接着して複合板を形成し、この複合板の中比重木質繊維板の表面に突き板や合成樹脂製化粧シート又は印刷紙等の化粧シートを貼着したり、塗装等によって表面化粧層を形成してなる化粧板を床材に使用する試みがなされている。
【0004】
上記中比重木質繊維板は、木質繊維に熱硬化性樹脂接着剤を添加し、加熱下で圧締成形することによって得られたものであるため、加熱面に直接接する表裏層部が高密度に形成され、内部は相対的に低密度に形成されることになる。従って、この中比重木質繊維板を合板などの基板に積層接着して得られた複合板の表面に上記のような表面化粧層を施すと、表面が緻密で硬質且つ平滑であり、方向性が少ない中比重木質繊維板によって表面化粧層に干割れ等の欠点が生じ難くなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中比重木質繊維板の厚さは通常2.7mm 以上であり、従ってこのような厚みを有する中比重木質繊維板を合板等の木質基板の表面(片面)に接着すると、基板と中比重木質繊維板との収縮率の差や方向性の相違によって化粧板に反りが発生しやすくなる。一方、木質基板の表裏両面に上記中比重木質繊維板を接着させると反りの問題は軽減されるが全体の厚みが厚くなり、製品が高価につくと共に生産効率も悪くなるという問題点が生じる。
【0006】
さらに、上記のような中比重木質繊維板を使用すると、高密度の表裏層部に比べて内部の低密度層の厚みの割合が大きいために、このような中比重木質繊維板を備えた上記化粧板をダイニングルームの床材に適用した場合、キャスター付ワゴン等による動的荷重を受けると中比重木質繊維板の低密度層に層間剥離が生じる共に水の浸透によって膨れが発生し、強度が低下すると共に表面の外観を損なうことになる。
【0007】
また、上記反りの発生を防止するために、薄い中比重木質繊維板を使用することも考えられるが、厚みが2mm未満の中比重木質繊維板を得るには、現状の製造方法では生産性がきわめて悪く且つ高価につくという問題点があり、その上、薄くすると、木質基板の節や小穴等の欠点が表面の突板等のシート状化粧材表面に微妙な蔭や色変化として浮かび上がり、化粧性を損なうという問題点が生じる。特に、最近では化粧性の優れた木材が高価で且つ少なくなってきているために、厚さが0.1 〜0.5mm の極薄の突板を使用することもあるが、このような場合、上記化粧性の欠点が一層顕著に現れる。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは優れた化粧性を有すると共に中比重木質繊維板を用いているにもかかわらず、反りや層間剥離の発生を抑制して良好な寸法安定性を発揮し、且つ強度的にも優れた化粧板能率よく製造し得る製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る化粧板の製造方法は、厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 であり且つ表裏層の密度が芯層の密度よりも大きい木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する木質繊維製板材を作製する工程と、この木質繊維製板材の作製後、該木質繊維製板材の低密度側を研削する工程と、この木質繊維製板材に合成樹脂を含浸させてこの含浸合成樹脂と木質繊維製板材に繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10〜50重量%である合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を作製する工程と、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置したのち加熱、加圧して木質基板と合成樹脂含浸処理木質繊維製板材とを複合一体化させることにより化粧基板を作製する工程と、この化粧基板の合成樹脂含浸処理木質繊維製板材の表面に薄いシート状化粧材を貼着する工程とからなることを特徴としている。
【0010】
請求項に係る化粧板の製造方法は、上記請求項に記載の化粧板の製造方法において、木質繊維製板材に含浸させた合成樹脂を硬化させたのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置して複合一体化させることを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項1又は請求項に記載の化粧板の製造方法において、請求項に記載したように、合成樹脂含浸処理木質繊維製板材をその高密度層側を表向きにして上記木質基板と複合一体化してもよく、請求項に記載したように、合成樹脂含浸処理木質繊維製板材をその低密度層側を表向きにして上記木質基板と複合一体化してもよい。また、上記木質繊維製板材を作製する工程後、この木質繊維製板材に合成樹脂を含浸させる前に、該木質繊維製板材の低密度層側を研削している。
【0012】
【作用及び効果】
木質基板の表面に積層接着している木質繊維製板材の厚さが0.5 〜2mmと薄いために、該木質繊維製板材の収縮率や方向性が木質基板に殆ど影響を及ぼすことがなく、化粧板に反りが生じるのをかなり抑制できるものであり、その上、この木質繊維製板材にも合成樹脂を固形分で10〜50重量%含有させているため、耐湿性、耐水性が一層向上し、反りの発生をより確実に抑制できると共に水が浸透することもないため膨潤する虞れもなく、寸法安定性に優れているものである。
【0013】
さらに、上述したような薄い木質繊維製板材を使用しているにもかかわらず、この木質繊維製板材には上記のように合成樹脂を含有しているため、木質繊維製板材自体が一層硬質になると共に剛性も高くなり、この結果、木質基板の表面に節や小穴等の欠点があっても、その欠点が表面に貼着している薄いシート状化粧材の表面に微妙な影や色変化となって浮かび上がるという現象を抑制することができる。
【0014】
また、本発明の化粧板を床材として用いた場合において、キャスター付きワゴンによる摺動的な荷重を繰り返し受けても、上述したように木質繊維製板材には合成樹脂が含有されていて硬度と剛性が共に高くなっているため、表面に貼着している突板等のシート状化粧材に傷が付き難く、その上、木質繊維製板材の木質繊維同士が含浸された合成樹脂によって一層強固に結合されているので、木質繊維製板材の内部に層間剥離が発生するのを確実に抑止することができる。
【0015】
上記木質基板の表面に貼着する厚さが0.5 〜2mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 の木質繊維製板材は、表裏面が高密度層で芯部が低密度層に形成されている厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 の木質繊維板をその低密度層の中間部から2分割したものを用いるものであるから、通常の厚みと密度を有する中比重木質繊維板から容易に得ることができる。そして、この薄い木質繊維製板材の低密度層側を研削しておくことによって、極薄で且つ高密度の木質繊維製板材を得ることができ、従って、硬度と剛性に優れた木質繊維製板材を木質基板に積層接着した化粧板を構成することができて、上述した諸欠点の発生を一層確実に抑制することができる。
【0016】
上記化粧板の製造方法によれば、まず、表裏面が高密度層で芯部が低密度層に形成されている厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 の木質繊維板をその低密度層の中間部から2分割したものを用いるものであるから、上述したように通常の厚みと密度を有する中比重木質繊維板から一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する木質繊維製板材を容易に得ることができるものであり、さらに、この木質繊維製板材に合成樹脂を含浸させて該含浸合成樹脂と木質繊維製板材に繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10〜50重量%である合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を作製したのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置したのち加熱、加圧して木質基板と合成樹脂含浸処理木質繊維製板材とを複合一体化させることにより化粧基板を作製するものであるから、木質繊維製板材に含浸させた合成樹脂の硬化と同時に木質基板への木質繊維製板材の接着が行え、化粧板を能率よく製造し得るものである。
【0017】
一方、請求項に係る発明は、上記化粧板の製造方法において、木質繊維製板材に含浸させた合成樹脂を硬化させたのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置して複合一体化させることを特徴とするものであるから、予め、合成樹脂を含浸、硬化させた木質繊維製板材を準備しておくことができ、化粧板の製造時に直ちに木質基板上に積層接着することができる。また、この方法によれば、木質繊維製板材に含浸させる合成樹脂液として熱可塑性樹脂を用いた場合、木質基板との接着を冷圧によって簡単且つ能率よく積層一体化させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて詳述すると、図1において、化粧板Aは所望厚みを有する木質基板1と、この木質基板1の表面に積層接着している厚さが0.5 〜2mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 の中比重木質繊維板からなる合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2と、この木質繊維製板材2の表面に貼着された薄いシート状化粧材3とから構成されている。
【0019】
上記木質基板1としては合板、パーティクルボード、OSB(オリエンティドストランドボード)、LVL(ラミネイティドベニヤランバー)等の木質板が使用される。なお、化粧板Aが床材として使用される場合には、この木質基板1の厚みは通常2.3 〜25mmのものが用いられる。
【0020】
一方、木質基板1に積層接着した木質繊維製板材2としては、厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 であり且つ表裏層の密度が芯層の密度よりも大きい通常の中比重木質繊維板(MDF)を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成されたものを用いる。この木質繊維製板材2の厚さが0.5mm 未満になると、薄くなりすぎて化粧板Aの表面から木質基板1の節や小穴等の欠点部が透視可能な状態、即ち、該欠点部が化粧板Aの表面に現出するのを抑制することができず、その上、硬度等の物性が低下して表面に貼着しているシード状化粧材3が傷付き易くなり、厚さが2mm以上になると木質基板1との収縮率の差が大きくなって化粧板Aに反りが生じ易くなるので、上述したようにその厚みが0.5 〜2mm、好ましくは0.8 〜1.5mm のものが使用される。
【0021】
また、上記木質繊維製板材2の密度が0.6 g/cm3 未満であると、化粧板Aの硬度や剛性等の強度が低下し且つ該木質繊維製板材2に層間剥離が生じ易くなる一方、密度が1.1 g/cm3を超えると、切断等の加工性が悪くなると共に化粧板Aに反りが生じやすくなるので、上述したように密度が0.6 〜1.1 g/cm3 、好ましくは0.7 〜1.0 g/cm3 の範囲のものを使用する。なお、この木質繊維製板材2の低密度層側の面を研削して大半が高密度層の薄い木質繊維製板材3に形成しておいてもよい。
【0022】
この木質繊維製板材2は、化粧板Aの製造時において合成樹脂液を含浸させて合成樹脂含浸処理木質繊維製板材としたのち、上記木質基板1上に積層接着されているものであり、木質繊維製板材2に含浸する合成樹脂液と木質繊維製板材2の繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10重量%未満であると化粧板Aの硬度や剛性等の強度が不足する一方、50重量%を超えると強度が殆ど大きくなることがなく不経済となるので、10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、含有させている。
【0023】
なお、合成樹脂は木質繊維製板材2の製造段階、即ち、中比重木質繊維板の製造段階において結合剤として内添しておくこともできるが、その製造や得られた硬質木質繊維製板材2の加工に手間を要するため、製造段階では木質繊維の良好な結合に必要な通常の量の合成樹脂を結合剤として内添しておき、製造後、木質繊維製板材2に上述したように合成樹脂液を含浸させて上記合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2を得る方が好ましい。
【0024】
木質繊維製板材2に含浸させる合成樹脂と繊維同士の結合剤としての合成樹脂とは同種の合成樹脂であっても異種の合成樹脂であってもよい。このような合成樹脂としては、例えば、熱硬化性の合成樹脂としてユリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができ、熱可塑性の合成樹脂としては酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル樹脂などが用いることができる。また、熱硬化性合成樹脂と熱可塑性合成樹脂との混合樹脂を使用することもでき、このような混合樹脂としては例えばSBRーメラミン樹脂がある。
【0025】
この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2の表面に貼着される薄いシート状化粧材3としては突板や合成樹脂含浸処理突板、印刷紙などを用いることができ、このシート状化粧材3の表面は通常、塗装により保護される。そして、資源の効率的活用の観点から突板や合成樹脂含浸処理突板を用いる場合には、厚さが0.1 〜0.6mm 程度の極薄に形成したものを木質繊維製板材2の表面に貼着して化粧板Aを構成している。なお、合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2は木質基板1の表面にその高密度層側を表向きにしても積層接着しておいてもよく、低密度層側を表向きにしても積層接着しておいてもよい。
【0026】
このような化粧板の製造方法を図2に基づいて説明すると、まず、厚みが2〜4mmの中比重木質繊維板から厚さが0.5 〜2mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 の上記木質繊維製板材2を作製する。一般に、中比重木質繊維板を製造するには熱硬化性樹脂等の結合剤を添加した木質繊維をマット状に成形したのち、このマット状物を上下に熱圧プレートを備えたバッチ式ホットプレスや無端状に巡回するベルト状の上下熱圧プレートを備えた連続プレス装置で板状に熱圧成形することによって製造されるものであるが、得られた中比重木質繊維板2Aは、同図(イ)に示すように、上下熱圧プレートに接する表裏面が平滑面で高密度層2aに形成され、内部は低密度層2bとなっている。
【0027】
この中比重木質繊維板2Aを、中間層である低密度層2bをその厚さ方向の中央部から上下に2分割して同図(ロ)に示すように、一方の面が高密度層2aで他方の面が低密度層2bに形成された傾斜密度を有している厚みの薄い中比重木質繊維板2Bとする。次いで、必要に応じて、該中比重木質繊維板2Bの低密度層2bをサンディングやブラッシング等の研削手段によって研削除去することにより同図(ハ)に示すように、厚さが2mm以下、好ましくは0.8mm 〜1.5mm の上記木質繊維製板材2に形成するものである。なお、中比重木質繊維板2Bは高密度層2aの露出面から低密度層2bの露出面に向かって上述したように密度傾斜を有しているので、低密度層2bを全て研削除去することなく多少残存させておいてもよい。
【0028】
このようにして得られた中比重木質繊維板2Bからなる木質繊維製板材2に合成樹脂液を、その含浸量と中比重木質繊維の繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10〜50重量となるように含浸させて合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2を作製する。しかるのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2を同図(ニ)に示すように、木質基板1の表面に接着剤4を介して重ね合わせ、一体に接着する。この際、木質基板1に対する木質繊維製板材2の接着面は低密度層側であっても高密度層側であってもよいが、低密度層側を接着面側に向けると接着時に接着成分が該低密度層内に充分に浸透して強固に接着させることができる。なお、木質繊維製板材2に含浸させた合成樹脂は、硬化する前に木質基板1上に木質繊維製板材2を積層接着させてもよく、硬化させたのち積層接着させてもよい。
【0029】
接着剤4としては、通常の合板用接着剤であればよく、例えば、尿素−ホルマリン樹脂、尿素−メラミン−ホルマリン樹脂、メラミン−フェノール−ホルマリン樹脂、アルキルフェノールホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、水性ビニルウレタン樹脂、酢ビ−尿素系水性樹脂、アクリル−メラミン系水性エマルジョン、ポバール−イソシアネート水性エマルジョンなど、酢酸ビニル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール系、ウレタン系、エポキシ系の接着剤を使用することができる。
【0030】
次いで、合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2の表面にシート状化粧材3を接着することによって化粧板Aを作製するものである(同図ホ)。この際、木質基板1に対して低密度層側を表面側に向けた状態で木質繊維製板材2を積層接着している場合には、該低密度層とシート状化粧材3との対向面に塗布している接着剤の一部が低密度層内に浸入して固化することによりアンカー作用を奏して木質繊維製板材2にシート状化粧材3を強固に層着一体化させることができる。なお、シート状化粧材3は、木質基板1上に合成樹脂含浸処理木質繊維製板材2を積層接着させる際に、一体に積み重ねておき、同時に接着一体化させてもよい。次に本発明の具体的な実施例を示す。
【0031】
〔実施例1〕
全体の密度が0.78g/cm3 、厚さが2.7mm の中比重木質繊維板を、コンベア上で水平方向に強制的に移送させながらその途上に配設した楔状固定ナイフによって該中比重木質繊維板の厚み方向の中央部を水平方向に分断させた。こうして得られた分割中比重木質繊維板は一方の面が高密度層で他方の面が低密度層となっており、且つ一方の面から他方の面に向かって密度が徐々に低くなっている。この低密度層をサンディングして平滑な面に形成し、厚さが1.25mm、全体の密度が0.75g/cm3 の木質繊維製板材を得た。この木質繊維製板材には、中比重木質繊維板の製造時の結合剤として、固形換算分で12重量%の尿素樹脂からなる合成樹脂が含有されている。
【0032】
上記木質繊維製板材にポリエステル樹脂からなる合成樹脂液を固形換算分にして15重量%含浸させ、室温下で乾燥させたのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を厚さが15mmの合板からなる木質基板上に低密度層側を上向きにしてメラミン系樹脂の接着剤を介して積層し、ホットプレスにより加熱、加圧して木質繊維製板材に含浸させている合成樹脂液を硬化させると共に木質繊維製板材と木質基板とを一体に接着させた。この時の加熱温度は120 ℃であった。
【0033】
次いで、木質繊維製板材の表面をサンディングして木質繊維製板材の厚さを1mm、密度を0.95g/cm3 としたのち、この木質繊維製板材上に尿素ーメラミン共縮合樹脂からなる接着剤を介して厚さが0.23mmのホワイトオーク材からなるスライス単板を積層、接着し、しかるのち、単板表面をUV塗料で塗装して化粧板を作製した。
【0034】
得られた化粧板には木質基板の欠点である節や小穴が表面に現出しておらず、化粧性に優れていると共に反りが殆ど生じていなく、また、双輪キャスター4個を備えている総重量60Kgのキャスターを、得られた化粧板表面に10万回、往復走行させたが表面に傷が殆ど生じなく、強度的にも優れていると共に木質繊維製板材に層間剥離が生じていなかった。
【0035】
〔実施例2〕
上記実施例1において、未硬化の合成樹脂液を含浸している木質繊維製板材とシート状化粧材とを木質基板上に接着材を介して順次積層したのち、これらの木質基板と木質繊維製板材およびシート状化粧材をホットプレスにより同時に加熱、加圧して化粧板を得た。
【0036】
〔実施例3〕
上記実施例1において、木質繊維製板材に含浸させた合成樹脂液を硬化させたのち、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板上に接着剤を介して積層すると共に木質繊維製板材上に接着剤を介してシート状化粧材を積層し、コールドプレスによって一体に加圧して化粧板を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化粧板の簡略縦断面図、
【図2】 本発明の化粧板の製造方法を説明するための簡略工程図。
【符号の説明】
1 木質基板
2 木質繊維製板材
2a 高密度層
2b 低密度層
3 シート状化粧材

Claims (4)

  1. 厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 であり且つ表裏層の密度が芯層の密度よりも大きい木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する木質繊維製板材を作製する工程と、この木質繊維製板材の作製後、該木質繊維製板材の低密度側を研削する工程と、この木質繊維製板材に合成樹脂を含浸させてこの含浸合成樹脂と木質繊維製板材に繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10〜50重量%である合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を作製する工程と、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置したのち加熱、加圧して木質基板と合成樹脂含浸処理木質繊維製板材とを複合一体化させることにより化粧基板を作製する工程と、この化粧基板の合成樹脂含浸処理木質繊維製板材の表面に薄いシート状化粧材を貼着する工程とからなることを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 厚さが2〜4mmで密度が0.6 〜1.1 g/cm3 であり且つ表裏層の密度が芯層の密度よりも大きい木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する木質繊維製板材を作製する工程と、この木質繊維製板材の作製後、該木質繊維製板材の低密度側を研削する工程と、この木質繊維製板材に合成樹脂を含浸して硬化させ、この硬化した合成樹脂と木質繊維製板材に繊維同士の結合剤として含まれている合成樹脂との総量が固形分で10〜50重量%である合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を作製する工程と、この合成樹脂含浸処理木質繊維製板材を木質基板の表面に載置したのち加熱、加圧して木質基板と合成樹脂含浸処理木質繊維製板材とを複合一体化させることにより化粧基板を作製する工程と、この化粧基板の合成樹脂含浸処理木質繊維製板材の表面に薄いシート状化粧材を貼着する工程とからなることを特徴とする化粧板の製造方法。
  3. 合成樹脂含浸処理木質繊維製板材をその高密度層側を表向きにして上記木質基板と複合一体化することを特徴とする請求項または請求項に記載の化粧板の製造方法。
  4. 合成樹脂含浸処理木質繊維製板材をその低密度層側を表向きにして上記木質基板と複合一体化することを特徴とする請求項または請求項に記載の化粧板の製造方法。
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