JP2006233681A - 芯材及び木製防火扉並びに木製防火扉の製造方法 - Google Patents

芯材及び木製防火扉並びに木製防火扉の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 火災発生時に非常に優れた防火性能を有する芯材、及び木製防火扉、並びに木製防火扉の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体と、芯材本体の少なくとも一方面に設けられた燃焼遅延部材30とで構成され、燃焼遅延部材30は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層31をその両側からセラミックシート32で挟み込んだ芯材10、及びこの芯材10を少なくとも具備する木製防火扉100とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、一般住宅、集合住宅、ホテル、公共施設等の扉として用いられ、火災発生時に火や熱をトラップするという防火性能を有する扉として好適に用いられる芯材、及びこの芯材を少なくとも具備した木製防火扉、並びに木製防火扉の製造方法に関する。
従来、特定防火設備60としてはスチール製しか認められなかったので、防火扉は一般的にはスチール製である。スチール製の防火扉は頑丈であるが、重く、高熱で反ってしまい、また、輻射熱が大きい(木の5〜8倍)などの欠点を有する。
そこで、平成2年に甲種防火扉及び乙種防火扉の試験方法が改正され、一定条件を満たせば木製戸であっても特定防火設備60若しくは特定防火設備20として認可されるようになったことを契機として桐材を用いた木製防火扉が開発されている。
このような木製防火扉としては、木製の芯材と、この芯材の両面に接合された化粧合板とを有し、さらに、扉の端面近傍にグラファイト系発泡材が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の木製防火扉は、例えば、経年変化の中での性能低下やコスト、或いは、火災発生時等の防火性能の点で問題があり、十分に満足できる製品は得られていないのが実情である。
特開2004−232449号公報(第1図)
本発明は、上述した事情に鑑み、火災発生時に非常に優れた防火性能を有する芯材、及び木製防火扉、並びに木製防火扉の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体と、前記芯材本体の少なくとも一方面に設けられた燃焼遅延部材とで構成され、前記燃焼遅延部材は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものであることを特徴とする芯材にある。
本発明の第2の態様は、3枚の木製板を積層した積層板からなる芯材本体と、前記芯材本体の少なくとも一方面に設けられた燃焼遅延部材とで構成され、前記燃焼遅延部材は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものであることを特徴とする芯材にある。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、内側の木製板の厚さが、外側の木製板の厚さよりも厚いことを特徴とする芯材にある。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記内側の木製板の厚さが、前記外側の木製板の厚さの1.5倍以上であることを特徴とする芯材にある。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記内側の木製板の厚さが、前記外側の木製板の厚さの2.0倍以上であることを特徴とする芯材にある。
本発明の第6の態様は、第2〜5の何れかの態様において、前記芯材本体が、木目を交差させて前記3枚の木製板を積層した3層クロス張り構造を有することを特徴とする芯材にある。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記内側の木製板の木目方向が横目方向であると共に前記外側の木製板の木目方向が前記内側の木製板の木目方向と直交する縦目方向であることを特徴とする芯材にある。
本発明の第8の態様は、第2〜7の何れかの態様において、前記内側の木製板と前記外側の木製板との間に防水シートが設けられていることを特徴とする芯材にある。
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、少なくとも1枚の前記木製板が、桐材からなることを特徴とする芯材にある。
本発明の第10の態様は、第1〜8の何れかの態様において、少なくとも1枚の前記木製板が、ファルカタ材からなることを特徴とする芯材にある。
本発明の第11の態様は、第1〜10の何れかの態様に記載の芯材と、前記芯材の少なくとも一方面に設けられた化粧板とを具備することを特徴とする木製防火扉にある。
本発明の第12の態様は、第11の態様において、前記芯材と前記化粧板との間には防水シートが設けられていることを特徴とする木製防火扉にある。
本発明の第13の態様は、高周波プレス接合によって、少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体の少なくとも一方面に、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものである燃焼遅延部材を介して化粧板を接合する工程を少なくとも含むことを特徴とする木製防火扉の製造方法にある。
本発明の芯材は、少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体の少なくとも一方面に燃焼遅延部材を設けた構造であり、この燃焼遅延部材は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものである点に特徴がある。このような本発明の芯材は、木製防火扉の芯材として適用することで、火災発生時には、燃焼遅延部材によって優れた防火性能を得ることができるという効果を奏するものである。
ここで、グラファイト含有発泡材層は、グラファイトを含有した加熱発泡型の発泡材からなり、材料自体は、所定温度以上の熱に反応して体積膨張(熱膨張)し、耐熱性を有する部材となる一方、飛散し易いという特性を有する。すなわち、グラファイト含有発泡材は、発泡すると優れた耐熱性を有する部材となるが、同時に飛散してしまうため耐熱性能が著しく低下するという特性を有する。
例えば、芯材の両面にグラファイト含有発泡材層を形成し、その上から化粧板を接合した木製防火扉では、火災発生において、グラファイト含有発泡材層が飛散してしまうので、結果として、防火性能を高めることができない。このため、従来では、グラファイト含有発泡材の用途は、扉端面に埋設し、火災発生時に加熱発泡させて扉と扉枠との隙間を埋めるという用途に限られていた。
本発明は、グラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んでこれを燃焼遅延部材とし、芯材本体の少なくとも一方面に接合した芯材を、木製防火扉の芯材として用いることで、火災発生時において、セラミックシートによってグラファイト含有発泡材層の飛散を大幅に低減し、体積が約8〜10倍に発泡するグラファイト含有発泡材層とセラミックシートとによって耐熱層(燃焼遅延層)を形成することで、優れた防火性能を得ることができるというものである。
一方、セラミックシートは、例えば、セラミック繊維により構成されているのが好ましく、微細な孔(空隙、隙間等)が数多く存在する、例えば、和紙のような複雑な繊維組織となっているのが特に好ましい。グラファイト含有発泡材層を良好に固定して、燃焼時の飛散を効果的に抑えることができるからである。なお、セラミックシートの代わりに、アルミ箔等の金属シートを用いてグラファイト含有発泡材層を挟み込んだ燃焼遅延部材は、高価であり、セラミックシートと比べて、芯材本体及び表面化粧合板への接着性が悪くなってしまう。
また、本発明の芯材は、3枚の木製板を積層した構造とし、内側の木製板の厚さを、外側の木製板の厚さよりも厚くするのが好ましい。これにより、芯材に反りが生じるのを有効に防止することができる。ここで、内側の木製板の厚さは、好ましくは外側の木製板の厚さの1.5倍以上とするのがよく、さらに好ましくは2.0倍以上とするのがさらによい。これにより、芯材に反りが生じるのを効果的に防止することができる。
また、芯材としては、好ましくは、3枚の木製板を重ね合わせて構成される積層板であるのがよく、さらに好ましくは、木製板の木目を交差させて3枚の木製板を積層した3層クロス張り(変則クロス張り)の積層板であるのがよい。これにより、芯材に反りが生じるのをより効果的に防止することができる。
このような芯材を構成する木製板は、1枚板を用いてもよいが、集成板を用いてもよい。また、木製板としては、例えば、桐、杉、ムク等の板材が挙げられるが、これらの中でも、桐材からなる桐板、ファルカタ材からなるファルカタ板であるのが特に好ましい。これら桐材又はファルカタ材は、木材の比重が0.3以下であって、他の木材と比べて反り難く、しかも軽量だからである。したがって、本発明においては、芯材として、桐板又はファルカタ板を積層して構成される芯材であるのが好ましい。さらに好ましくは、3枚の桐板又はファルカタ板を積層した3層クロス張りとするのがよい。特に、3枚の桐板又はファルカタ板の中で内側の板の木目方向を横目方向とし、外側の板の木目方向を縦目方向とし、且つ内側の板の厚さを外側の板の厚さよりも厚くした3層クロス張り(3プライ変則クロス張り)の芯材であるのがよい。これにより、芯材に反りが生じるのをより効果的に防止することができる。勿論本発明はこれに限定されず、内側の木製板を桐板又はファルカタ板とし、その外側の木製板を桐板又はファルカタ板以外の木材からなる板としてもよい。
このように、本発明では、3枚の木製板を積層して芯材とすると共に、内側の木製板の厚さを外側の木製板の厚さよりも大きくしたので、芯材の表側と裏側との温度差が大きい環境下でも、芯材に反りが生じるのを有効に防止することができる。
また、本発明では、上述した芯材を少なくとも具備した木製防火扉とすることで、扉に反りが生じるのを長期に亘って有効に防止することができ、これにより、木製防火扉としての性能維持、すなわち、優れた防火性能を長期に亘って維持することができる。そして、芯材を桐材又はファルカタ材からなる芯材とすることで、例えば、桐材やファルカタ材以外の木材や、集成材、L.V.L合板等を用いた場合と比較して、扉としての優れた防火性能が得られる。
さらに、芯材の両面又は片面に化粧板を接合すると共に、芯材と化粧板との間に防水シートを設けた木製防火扉としてもよい。これにより、芯材の防水シート側からその内部に侵入してくる水分をその防水シートによって遮断することができ、扉に反りが生じるのを更に効果的に防止することができる。
ここで、防水シートとしては、例えば、樹脂シート、紙や布に樹脂や撥水塗料をコーティングしたシート、具体的には、VSシート、VRシート等を挙げることができる。また、樹脂シートに紙を積層したものを用いてもよい。樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ナイロン等を挙げることができる。なお、防水シートは、透湿度として、20(g/m・24hours)以下、好ましくは、10(g/m・24hours)以下のものを用いることが好ましい。なお、この防水シートの厚さについては、例えば、芯材の反りを有効に防止できる程度の厚さであればよく、具体的には、30μm以上の厚さであるのが好ましい。また、防水シートは、接着剤を介して接着してもよいし、例えば、芯材と化粧板との間に介在させた状態でのプレス圧力によって接着してもよい。
なお、このような防止シートは、少なくとも芯材と化粧板との間に設ければよいが、勿論これに限定されず、芯材を構成する木製板の間、具体的には、内側の木製板と外側の木製板との間に設けるようにしてもよい。これにより、芯材内部の水分移動を防止することができ、扉に反りが生じるのをより確実に防止することができる。
但し、本発明の芯材は、上述したように、3枚の木製板を積層して芯材とすると共に、内側の木製板の厚さを外側の木製板の厚さよりも大きくすることで、防水シートを用いなくても、芯材又は扉の反りを十分に防止することができることは言うまでもない。
また、このように、扉全体に反りが生じるのを防止することができるため、本発明の木製防火扉では、芯材の反り防止のための補強材が不要となる。すなわち、芯材を取り囲むように補強材を設けなくても、扉全体に反りが生じるのを有効に防止することができる。
さらに、本発明では、補強材不要の芯材によって木製防火扉を構成することで、補強材を有する芯材によって構成される木製防火扉と比べて、音波によって生じる芯材の振動が低減され、面方向への優れた遮音性能を得ることができる。
また、桐板やファルカタ板は、熱伝導率が他の木材と比べて大幅に低く、このような桐板又はファルカタ板を主体とする桐芯材を用いて木製防火扉を構成することで、桐板以外の木材からなる木製防火板で構成される芯材と比べて、優れた耐熱性能を得ることができる。
なお、格子状に組まれた角材により構成される芯材と、この芯材の両面に接合される化粧板とからなる木製防火扉(框扉;フラッシュドア)は、扉内部に数多くの空間が存在しており、これら各空間を介して熱や振動(音波)が通過するため、遮音性能及び耐熱性能(断熱性能)が低い。また、このような扉内部の空間に、グラスウール、ロックウール、ペーパーコアー等が充填されているものもある。これに対し、本発明の木製防火扉は、何れにしても框扉と比べて扉内部に空間は存在しないため、優れた遮音性能及び耐熱性能を得ることができる。
また、本発明者は、桐材が本来持つ復元力が他の木材と比べて非常に強い点に着目し、このような特異な性質を有する桐板を用いて上述した構造の桐芯材とし、反り防止のための補強材を用いることなくこの桐芯材の端面にアンカー部材を直接固定し、さらに、このアンカー部材を介して蝶番を装着するようにした。このように本発明の桐芯材を用いて木製防火扉を構成することで、扉の部品点数を少なくすることができ、コストを大幅に低減することができる。また、蝶番がアンカー部材によって取り付けられているので、芯材と蝶番との十分な結合力を長期に亘って確保することができる。なお、ここでは桐材を用いて説明したが、ファルカタ材も桐材と同様の木質であることから、上述した効果を得ることができる。
ここで、このような本発明の芯材を具備する木製防火扉の製造方法としては、プレス接合により製造するのが好ましい。具体的には、少なくとも1枚の木製板の少なくとも一方面に、上述した燃焼遅延部材を介して化粧板を重ね合わせて、上下から所定の圧力を付与した状態で、数時間(例えば、1〜2時間)程度保持することにより、本発明の木製防火扉が製造される。特に、本発明では、このようなプレス接合において、接合時に所定の高周波を付与することで、接合時間(プレス状態の保持時間)を大幅に短縮化、具体的には、プレス状態の保持時間を数秒〜数十秒程度と大幅に短縮化でき、製造効率を高めることができる。なお、実際には、燃焼遅延部材と芯材本体及び化粧板とは、接着剤により接着される。この際使用する接着剤として、耐火接着剤を用いてもよいが、本発明は、燃焼遅延部材だけでも十分な防火性能が得られるため、耐火接着剤を必ずしも用いなくてもよい。
なお、セラミックシートの代わりに、アルミ箔等の金属シートを用いてグラファイト含有発泡材層を挟み込み、これを燃焼遅延部材としても、上述した高周波プレス接合によって木製防火扉を製造することはできない。このため、製造時間を短縮することはできない。また、金属シートと芯材本体との接着性も悪い。これらのことから、グラファイト含有発泡材層を金属シートで挟み込んだものを燃焼遅延部材として用いることは、扉の生産性及び製品の品質の点で好ましくない。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る芯材を示す要部拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の芯材10は、3枚の桐板20A、20B、20Cを積層した積層板、具体的には、木目を交差させた状態で桐板20A、20B、20Cを積層した3層クロス張りの芯材本体10aを具備する。この芯材本体10aの両面には、両面にセラミックシートを有するグラファイト含有発泡材層からなる厚さ約0.5〜2.0mmの燃焼遅延部材30が設けられている。なお、本実施形態では、燃焼遅延部材30として、積水化学工業製のグラファイト系セラミックス紙を用いた。
また、本実施形態では、内側の桐板20Aの木目方向を横目方向とし、外側の桐板20B、20Cの木目方向をそれぞれ縦目方向とした。さらに、このような内側の桐板20Aの厚さを、外側の桐板20B、20Cの厚さよりも厚くなるようにした。具体的には、本実施形態では、芯材本体10aを構成する内側の桐板20Aの厚さを約14mmとし、外側の桐板20B、20Cのそれぞれを約8mmとした。すなわち、内側の桐板20Aの厚さを、外側の桐板20B、20Cの厚さの約1.75倍とした。
このような本実施形態の芯材10によれば、優れた防火性能が得られる木製防火扉を実現することができる。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2に係る木製防火扉の要部拡大断面図である。図2に示すように、本実施形態の木製防火扉100は、上述した実施形態1の芯材10の両側に木製の化粧合板40を設けたものである。このような木製防火扉100は、芯材本体10aと化粧合板40との間に燃焼遅延部材30を介在することで、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られるものである。
ここで、本実施形態の木製防火扉100は、上述したように優れた防火性能が得られるものであり、しかも、長期に亘って芯材10自体に反りが殆ど生じない構造であるため、例えば、経年変化による性能低下、具体的には、火災発生時等の防火性能が低下するということもない。すなわち、本実施形態の木製防火扉は、優れた防火性能を長期に亘って維持することができるという特異な効果を奏するものである。
以下、本実施形態の木製防火扉100の芯材本体10aの形状安定性に関する試験を実施した。
[試験例1]
上述した芯材本体10aを2つ用意して、一方の芯材本体10aを試験体Aとし、他方の芯材本体10aを試験体Bとし、以下に説明する条件で、これら試験体A及びBの形状安定性に関する試験を実施した。
試験体Aについては、図3(a)に示すように、枠体1の開口部2に嵌合させて端面を固定ビス3によって3箇所固定した後、試験体Aの表面側の対角線状に対向する一対の角部に1本の第1計測糸4を固定し、裏面側にはこの第1計測糸4に交差する対角線状に対向する一対の角部に1本の第2計測糸5を固定した。一方、試験体Bについては、図3(b)に示すように、十数年額縁として用いられて反ったことがない天然木からなる枠体6の切欠き部に、試験体Bを載置し、これを天然木集成材からなる台座7の上に載置した。図3は、試験体A及びBの形状安定性に関する試験での設置状況を示す図である。
そして、まず、試験体A及びBを氷点下7℃、湿度70〜80%の環境下に6時間放置(試験環境a)した後、室温25℃、湿度20%の室内にて、試験体A及びBの表面にハロゲン照射機によって70℃の温風を当てながら、試験体A及びBを2時間加熱した(試験環境b)。次に、氷点下8℃、外気湿度80%の室外に2時間放置(試験環境c)した後、室温25℃、湿度20%の室内にて、ハロゲン照射機によって70℃の温風を当てながら2時間加熱した(試験環境d)。次いで、室温24℃、湿度20%の室内に10時間放置した(試験環境e)。最後に、試験体A及びBをガラス越しに直射日光が照射される環境下に移動し、その直射日光で試験体A及びBの表面温度が50〜60℃となるようにし、室温24〜26℃、湿度20%の環境下で、48時間放置した(試験環境f)。
また、試験体A及びBとの比較のため、内側の桐材の厚さを外側の桐材の厚さと同等とした以外は上述した試験体A及びBと同様の芯材を用意し、これを試験体Cとして、この試験体Cを上述したのと同様の試験環境a〜fに曝す試験を実施した。
以上の試験終了後、試験体A及びBの反り、ねじれ、寸法について第1及び第2測定糸を基準としてそれぞれ計測したところ、試験前の状態から全く変化していないことが分かった。これに対し、試験体Cは、試験環境aの開始から約3時間で大きく反ってしまった。また、試験体Bの台座(天然木集成材)は、試験環境dの時点で、大きく反ってしまい、安定性が保てない状況になっていた。
次に、上記試験環境a〜fに曝した試験体A及びBをそのままの状態で、氷点下15℃、湿度70%の外部日射が無い環境下に移動して2時間放置した後、直射日光を浴びせることにより、試験体A及びBの表面温度を60℃となるようにし、裏面(日陰側の面)温度を氷点下5℃とし、この環境下に3時間放置した(試験環境g)。
その後、室外にて、暴露試験(湿度80%、気温2℃〜氷点下15℃、日射時の試験体A及びBの表面温度が50℃となる環境への放置)を2日間行った(試験環境h)。
最後に、室温25℃、湿度25%の室内にて、試験体A及びBの表面にハロゲン照射機によって70℃の温風を当てて、試験体A及びBを3〜4時間加熱した(試験環境i)。
上記の試験環境g、試験環境h、試験環境iにそれぞれ曝した後に、試験体A及びBの反り、ねじれ、寸法について第1及び第2測定糸を基準としてそれぞれ計測したところ、何れの状態においても、試験体A及びBの状態は、試験前の状態から全く変化していないことが分かった。
以上のことから、本実施形態の芯材本体10aは、非常に過酷な温度変化が生じるような環境に曝されたとしても、反り、ねじれ、寸法変化等が生じるのを長期に亘って有効に防止することができる。したがって、本実施例の芯材10によれば、室内用の扉に適用した場合、又は、極寒、猛暑等の地域にて一方面が外気に曝される外部用扉の芯材として適用した場合において、優れた形状安定性を発揮する木製防火扉を実現することができる。
[試験例2]
以下の過酷な条件下で、上述した試験体Bの形状安定性に関する試験を更に実施した。具体的には、試験体Bを氷点下7℃、湿度70〜80%の外気中に8時間放置した後、その試験体Bを冷たい床に寝かせ、試験体Bの床面とは反対の表面側の湿度を20%とし、試験体Bの表面にハロゲン照射機によって70℃の温風を当てて、その試験体Bを2時間加熱した。
この試験終了後、試験体Bの反り、ねじれ、寸法変化を測定したところ、試験体Bの端部が床面から約3mm、試験体Bの表面と第1測定糸との間の最大距離が約3mmであり、このことから、このような過酷な条件下でも試験体Bの反りは非常に小さく抑えられることが分かった。
また、上記の試験終了後、試験体Bを室内に移動し、温度25℃、湿度20%の環境下に1時間放置したところ、試験開始前の状態に復元した。このように、試験体Bである本実施形態の芯材本体10aは、過酷な条件下において僅か数ミリ程度の反りが生じたとしても、比較的短時間で復元することから、非常に優れた形状安定性を有することが明らかとなった。
[試験例3]
以下の過酷な条件下で、上述した試験体Bの形状安定性に関する試験を更に実施した。具体的には、試験体Bを雪の上に寝かせ、雪中温度氷点下8℃で、直射日光を浴びせることにより試験体Bの表面温度を60℃となるようにし、表裏の温度差を68℃とした環境下で、試験体Bを3時間放置した。そして、試験体Bの反りを測定したところ、試験体Bは全く反っていなかった。
その後、試験体Bを室内に移動し、温度25℃、湿度20%にて、試験体Bの表面にハロゲン照射機によって70℃の温風を当てて、その試験体Bを2時間加熱した。
この試験終了後、試験体Bの反り、ねじれ、寸法変化を測定したところ、試験体Bの端部が床面から約6mm、試験体Bの表面と第1測定糸との間の最大距離が約6mmであり、このことから、このような過酷な条件下でも試験体Bの反りは非常に小さく抑えられることが分かった。
また、上記の試験終了後、試験体Bを室内に移動し、温度25℃、湿度20%の環境下に80分間放置したところ、試験開始前の状態に復元した。このように、試験体Bである本実施形態の芯材本体10aは、過酷な条件下において僅か数ミリ程度の反りが生じたとしても、比較的短時間で復元することから、上述した試験例2と同様に、非常に優れた形状安定性を有することが明らかとなった。
以上の試験結果からも明らかなように、本実施形態のように、内側の木製板の厚さを外側の木製板の厚さよりも厚くすることで、形状安定性に優れた芯材本体を実現することができ、このような芯材本体の形状安定性が、木製防火扉としての防火性能の性能維持に寄与することになる。
本発明の実施形態1に係る芯材を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態2に係る木製防火扉の要部拡大断面図である。 試験体A及びBの耐久試験における設置状況を示す図である。
符号の説明
10 芯材
20A 内側の桐板
20B、20C 外側の桐板
30 燃焼遅延部材
31 グラファイト含有発泡材層
32 セラミックシート
100 木製防火扉
40 化粧板

Claims (13)

  1. 少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体と、前記芯材本体の少なくとも一方面に設けられた燃焼遅延部材とで構成され、前記燃焼遅延部材は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものであることを特徴とする芯材。
  2. 3枚の木製板を積層した積層板からなる芯材本体と、前記芯材本体の少なくとも一方面に設けられた燃焼遅延部材とで構成され、前記燃焼遅延部材は、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものであることを特徴とする芯材。
  3. 請求項2において、内側の木製板の厚さが、外側の木製板の厚さよりも厚いことを特徴とする芯材。
  4. 請求項3において、前記内側の木製板の厚さが、前記外側の木製板の厚さの1.5倍以上であることを特徴とする芯材。
  5. 請求項4において、前記内側の木製板の厚さが、前記外側の木製板の厚さの2.0倍以上であることを特徴とする芯材。
  6. 請求項2〜5の何れかにおいて、前記芯材本体が、木目を交差させて前記3枚の木製板を積層した3層クロス張り構造を有することを特徴とする芯材。
  7. 請求項6において、前記内側の木製板の木目方向が横目方向であると共に前記外側の木製板の木目方向が前記内側の木製板の木目方向と直交する縦目方向であることを特徴とする芯材。
  8. 請求項2〜7の何れかにおいて、前記内側の木製板と前記外側の木製板との間に防水シートが設けられていることを特徴とする芯材。
  9. 請求項1〜8の何れかにおいて、少なくとも1枚の前記木製板が、桐材からなることを特徴とする芯材。
  10. 請求項1〜8の何れかにおいて、少なくとも1枚の前記木製板が、ファルカタ材からなることを特徴とする芯材。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の芯材と、前記芯材の少なくとも一方面に設けられた化粧板とを具備することを特徴とする木製防火扉。
  12. 請求項11において、前記芯材と前記化粧板との間には防水シートが設けられていることを特徴とする木製防火扉。
  13. 高周波プレス接合によって、少なくとも1枚の木製板からなる芯材本体の少なくとも一方面に、グラファイトを含有したグラファイト含有発泡材層をその両側からセラミックシートで挟み込んだものである燃焼遅延部材を介して化粧板を接合する工程を少なくとも含むことを特徴とする木製防火扉の製造方法。
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