JP2018141346A - 木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造 - Google Patents

木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造 Download PDF

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JP2018141346A JP2017090510A JP2017090510A JP2018141346A JP 2018141346 A JP2018141346 A JP 2018141346A JP 2017090510 A JP2017090510 A JP 2017090510A JP 2017090510 A JP2017090510 A JP 2017090510A JP 2018141346 A JP2018141346 A JP 2018141346A
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Abstract

【課題】できるだけ簡単な構造で非常に優れた防火性能を発揮できると共にコストを大幅に低減できる木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造を提供する。
【解決手段】木製防火扉1を取り付ける木製防火扉取付枠200であって、桐製の芯材201と、前記芯材201の表面に設けられた、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層202とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、住宅やビル等の扉として用いられ、火災発生時に火や熱をトラップするという防火性能を有する木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造に関する。
従来、特定防火設備60としての防火扉は一般的にはスチール製である。スチール製の防火扉は頑丈であるが、重く、高熱で反ってしまい、また、輻射熱が大きい(木の5〜8倍)などの欠点を有する。
そこで、平成2年に甲種防火扉及び乙種防火扉の試験方法が改正され、一定条件を満たせば木製戸であっても特定防火設備60若しくは特定防火設備20として認可されるようになったことを契機として桐材を用いた木製防火扉が開発されている。
そして、桐の集成材を積層した桐積層板を用いたもの(特許文献1参照)、桐集成材と熱硬化性樹脂積層板とを積層したもの(特許文献2参照)、桐材と不燃紙とを組み合わせたもの(特許文献3参照)、桐材とフェノールフォームとを組み合わせたもの(特許文献4参照)、桐集成材に耐火シートを組み合わせたもの(特許文献5参照)、桐材と火山性ガラス繊維板とを組み合わせたもの(特許文献6参照)等が開発されている。また、桐材の反りを防止する構造(特許文献7参照)、災害時の脱出を容易にする構造(特許文献8参照)等が開発されている。
特開平7−208033号公報(特許請求の範囲、第2図) 特開平7−259445号公報(特許請求の範囲、第2図) 特開平7−293127号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開平7−324561号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開平9−256746号公報(特許請求の範囲、第2図) 特開2000−179245号公報(特許請求の範囲、第2図) 特開2000−310090号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開2001−17560号公報(特許請求の範囲、第1図)
しかしながら、スチール製の防火ドアに関しては、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分の防火性能を得ることができないという結果が得られている。
一方、従来の防火扉取付枠は、スチール材にモルタルを充填したものが使用されているが、これも製品コストが高いという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、できるだけ簡単な構造で非常に優れた防火性能を発揮できると共にコストを大幅に低減できる木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、木製防火扉を取り付ける木製防火扉取付枠であって、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられた、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層とを具備することを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記耐火断熱剤が、耐火断熱塗料であることを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記化粧層が、化粧シート又は化粧塗料からなる化粧層を有することを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記芯材が、桐集成材の積層板であることを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記芯材が、前記桐集成材の3層クロス張りの積層板であることを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記木製防火扉の表裏面の周縁部との当接部に、ゴム部材が設けられていることを特徴とする木製防火扉取付枠にある。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様の木製防火扉取付枠と、前記木製防火扉取付枠に取り付けられた木製防火扉とからなることを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記木製防火扉が、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられ、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層とを有することを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明の第9の態様は、第7の態様において、前記木製防火扉が、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられた火山性ガラス質複層板とを有することを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明の第10の態様は、第7〜9の何れかの態様において、前記木製防火扉の表面に、化粧シート又は化粧塗料からなる化粧層が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明の第11の態様は、第7〜10の何れかの態様において、前記木製防火扉の前記芯材の面方向下端の端面には、左右方向に延びる遮音溝が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明の第12の態様は、第7〜11の何れかの態様において、前記木製防火扉の前記芯材の周縁の端面には、加熱発泡剤からなる加熱発泡層が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造にある。
本発明によると、火災発生時には、耐火断熱被覆層が発泡して木製防火扉取付枠を包み込むので、扉への熱の伝達が著しく低減し、芯材に反りが発生せず、且つ桐製の芯材が優れた耐火性能を具備するので、全体として非常に優れた防火性能を発揮する。
実施形態1に係る木製防火扉構造の概略正面図である。 図1のA−A′線断面図である。 図1のB−B′線断面図である。 実施形態2に係る木製防火扉構造の断面図である。 実施形態2に係る木製防火扉構造の断面図である。
以下、本発明の木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造を説明するが、以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1〜図3には、本発明の実施形態1に係る木製防火扉を含む本発明の木製防火扉構造を示す。
図1には木製防火扉構造の概略正面を示し、図2及び図3には、そのA−A′線断面及びB−B′線断面を示す。
図示するように、木製防火扉構造は、木製防火扉1と、この木製防火扉1の四方を囲む木製防火扉取付枠200とを具備する。
木製防火扉1は、桐製の芯材10と、芯材10の表面に設けられた、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤からなる耐火断熱被覆層20と、化粧層30とを具備する。
かかる本発明の木製防火扉1は、芯材10の表面に、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層20を設けることにより、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られ、「特定防火設備」の国土交通大臣認定を受けることができるものである。
ここで、芯材10の表面に設けられた耐火断熱被覆層20は、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤を塗布又は耐火断熱シートを貼付して形成したものである。
発泡剤としては、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、メラミン、尿素などを挙げることができる。
炭化剤としては、多価アルコール、デキストリン、糖類等を挙げることができる。
樹脂としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。
耐火断熱剤は、発泡剤、炭化剤及び樹脂の他、顔料、溶剤などを含んでもよい。顔料としては、酸化チタン等の着色顔料や体質顔料を挙げることができる。また、溶剤としては、キシレン、アルコールなどの有機溶剤又は水を挙げることができる。
このような耐火断熱剤は、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含むものであり、一般的には、耐火断熱塗料として販売され、各種鋼構造物の主要構造部への耐火塗料として用いられている。例えば、ナリファイア(登録商標;東邦レオ株式会社製)、SKタイカコート(登録商標;エスケー化研株式会社製)、GC耐火塗料(商品名;株式会社グローケミカル製)などを用いることができる。また、耐火断熱シートは、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含むものであり、例えば、グラスファイバー製のシート状のネットに発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱塗料を保持して硬化させたもので、例えば、バルサシート(商品名;株式会社グローケミカル製)などを挙げることができる。
市販の耐火断熱塗料は、耐火断熱被覆層を複数層で形成するものがあるが、この場合には、本発明の耐火断熱被覆層は、複数層の全てを含む。例えば、ナリファイア(登録商標)では下塗り、中塗り、及び上塗りの三層構成となる。又は、バルサシート(商品名)を貼付して設けてもよい。
耐火断熱被覆層20の厚さは、0.5mm〜2mm程度、好ましくは、1mm〜1.5mm程度とするのが望ましい。
耐火断熱被覆層20は、芯材10の表面全体、すなわち、表裏の二面の他、上下左右の端面に設ければよい。
本実施形態の木製防火扉1は、下端面に遮音効果を有する遮音溝11を幅方向に亘って有するが、耐火断熱被覆層20は、遮音溝11内にも設けられている。
また、木製防火扉1は、レバーハンドル2を具備する。芯材10にはレバーハンドル2に連結するシリンダー3を収納するために取付凹部12が設けられているが、取付凹部12の内面にも耐火断熱被覆層20が設けられている。なお、この耐火断熱被覆層20は必ずしも設ける必要はない。
一方、本実施形態の木製防火扉1の芯材10は、防火性能や軽量化の点で、桐材を主体とするものであり、特に、桐集成材の積層板、あるいは、この桐集成材の3層クロス張りの積層板を用いるのが好ましい。芯材10の厚さは、33mm以上とするのが好ましい。
具体的には、桐材として反りが出難いとされている品質の材料を用いるのが好ましい。また、芯材は、天然の桐から切り出した桐材又は桐の集成材の何れを用いてもよく、1枚物でも積層材でもよいが、積層する場合には奇数枚用いるのが好ましい。何れにしても、要求される防火性能や、コスト等を考慮して、芯材を形成する木種を適宜決定すればよい。一般的には桐の集成材を用いて複数枚積層して用いるのが好ましく、さらに、木目(繊維方向)を略直交するようにクロスさせて3層構造とした積層材が特に好ましい。このように、芯材を積層材により構成する場合には、燃焼遅延剤を含浸させた集成材を3層クロス張りしてもよく、積層材とした後に燃焼遅延剤を含浸させてもよい。さらに、このようにして3層クロス張りする場合には、それぞれの積層材を上述した耐火接着剤を介して接合するようにしてもよい。
本発明で用いられる桐製の芯材10は、熱による反りを防止するために、必要に応じて、面方向の四方、すなわち、扉の四辺を、桐材より堅く、反りにくい木材からなる補強部材(框材)で覆うようにしてもよいが、本実施形態では設けてない。このような補強部材を設ける場合には、補強部材としては、比重0.5以上の天然木集成材であるのが好ましく、人工合板、L.V.L(天然目平行合板集成材)などの框材を挙げることができる。また、補強部材は、防火性能を高める点で、上述した耐火接着剤を介して積層材等に接合するのが好ましい。勿論、桐材であっても、その桐材を用いて桐集成材とすれば、強度は確保できるので、補強部材として用いてもよい。また、本発明では、補強部材として天然木集成材を三層クロス張りしたものを用いてもよい。この場合には、各天然木集成材を耐火接着剤により接合することで、防火性能をさらに高めることができる。そして、積層材と補強部材とは、凹凸部を介して相互に嵌合する構造により接合してもよく、このような場合にも、耐火接着剤を介して接合するのが防火性能の点で好ましい。なお、本発明では、このような補強部材を積層材に含めて芯材という。
また、本発明の木製防火扉の最外表面には化粧シート又は化粧塗料からなる化粧層30を具備する。
化粧層30に化粧シートを用いる場合、材質は、難燃性の樹脂シートで形成されていれば特に限定されない。このような芯材の表面に設けられた化粧シートには、防火薬剤を少なくとも含有する燃焼遅延剤を塗布又は含浸すれば、さらに防火性能が向上するという効果がある。勿論、化粧シートには、燃焼遅延剤を含浸しなくてもよい。
化粧層30に化粧塗料を用いる場合には、一般的な化粧塗料の他、耐熱性の化粧塗料を用いればよいが、あくまでも化粧目的であるので、一般的な化粧塗料を用いればよい。本実施形態では、ウレタン系化粧塗料を用いて化粧層30とした。
以上説明した木製防火扉1は、全体に耐火断熱被覆層20を具備する。このような耐火断熱被覆層20は、火災の際の熱、例えば、200℃〜250℃程度で発泡を開始し、炭化しながら緻密な発泡層を形成し、結果的に20〜40倍の体積に膨脹し、断熱層となる。
また、耐火断熱被覆層20は、外側の表面温度に対して、内側の温度を少なくとも400℃低減するという効果を奏する。すなわち、耐火断熱被覆層20の表面が約900℃となっても、その内側、すなわち、芯材10の表面温度は500℃以下となるという効果を奏する。
本実施形態の木製防火扉1は、このような耐火断熱被覆層20を桐製の芯材10に設けることにより、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能を実現したものである。
なお、本実施形態の木製防火扉1は、上述した通り、遮音溝11を具備するので、通常使用時においては、防音性能を発揮する。
この遮音溝11は、芯材10の下端面の厚さ方向中央に、芯材10の表裏面の左右方向に亘って延設されており、その開口部の形状は長方形である。この場合、遮音溝11の開口部の短手方向の距離である溝幅は10mm、凹部である遮音溝11の深さが約100mmである。従って、アスペクト比(凹部の深さ/凹部の開口部の短手方向の距離)は、10となっている。このように、アスペクト比が4以上であるように凹部である遮音溝11が形成されたことで、木製防火扉1の下端面と床面との間に入射した音波は、遮音溝11に入射されて遮音溝11の内壁で何回も反射されて分散された後に、遮音溝11から反対側に出射させることが可能である。これにより、音波の強さを1/3〜1/4に低減することができ、大きな遮音性能を得ることができる。他方で、アスペクト比が4未満であると、所望の遮音効果を得ることができない。アスペクト比は、好ましくは、4.5〜10である。この範囲であれば、より高い遮音性能を得ることができる。
本実施形態の木製防火扉1の上下左右の端面には、加熱発泡層40が設けられている。加熱発泡層40は、約250℃に加熱されると約30倍の体積に発泡するグラファイト系加熱発泡剤によって形成した。なお、下面については、遮音溝11の溝内の底部と、開口の扉の厚さ方向両側に、加熱発泡層40を設けた。
図1に示す木製防火扉構造は、以上説明した木製防火扉1を、木製防火扉取付枠200に取り付けることで構成される。
木製防火扉取付枠200は、扉の上端を支える上部取付枠210と、木製防火扉1の左右の側部を支える側部取付枠220とを具備し、木製防火扉1の下端面と相対向する面には、靴ずり230が設けられている。
上部取付枠210及び側部取付枠220は、本実施形態では、桐材からなる芯材201からなり、芯材201の表面には、耐火断熱被覆層202が設けられている。耐火断熱被覆層202は、上述した実施形態の耐火断熱被覆層20と同様なものであり、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤を塗布して形成したものである。
なお、耐火断熱被覆層202の表面には、上述した実施例で説明したウレタン系の化粧塗料で形成した化粧層を設けてもよい。
また、芯材201は、木製防火扉1の芯材10と同様なものであり、防火性能や軽量化の点で、桐材を主体とするものであり、特に、桐集成材の積層板、あるいは、この桐集成材の3層クロス張りの積層板を用いるのが好ましい点も同様である。
なお、靴ずり230は、桐材などの木製でもスチール製でもよく、木製の場合には、同様に表面に耐火断熱被覆層を設けるのが好ましい。
木製防火扉1は、側部取付枠220に蝶番4を介して取り付けられて設置されるが、上部取付枠210及び側部取付枠220の木製防火扉1の周縁部と当接する部分には、ゴム部材としてエアタイトゴム250が設けられている。なお、このエアタイトゴム250は必ずしも設ける必要はない。
ここで、側部取付枠220は、熱伝導性が低いので、蝶番4を側部取付枠220に締結した場合、蝶番4の熱が躯体側(例えば、躯体内の鉄骨)に伝熱しないので、蝶番4を締結するボルトなどを介して躯体側に熱を伝導するようにするのが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る木製防火扉構造は、桐製の芯材10の表面に耐火断熱被覆層20を設けた木製防火扉1を用い、且つ桐製の芯材201の表面に耐火断熱被覆層202を設けた木製防火扉取付枠200を用いているので、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られ、「特定防火設備」の国土交通大臣認定を受けることができるものである。このように木製防火扉取付枠を用いてISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られたことは世界的に見ても初めてである。
また、本実施形態の木製防火扉取付枠200は、スチール製の扉取付枠と比較して軽量であることは勿論、著しく低コストであるという効果も奏する。
また、木製防火扉1の端面に加熱発泡層40を設けた構造とすることにより、火災時には、加熱発泡層40が、例えば、約250℃に加熱されると約30倍の体積に発泡する。これにより、木製防火扉1と上部取付枠210、及び側部取付枠220との間の隙間は発泡した加熱発泡剤によって封止される。これによって、木製防火扉1と上部取付枠210及び側部取付枠220との隙間を完全に密閉する。
また、本発明に係る木製防火扉は、耐火シートやケミカル板等を用いなくても、比較的簡単な構造で、優れた防火性能を発揮するため、製造コストを低減することができ、芯材を構成する木材に間伐材を用いれば、製造コストを大幅に低減することができる。さらに、芯材に少なくとも桐材を用いることで、従来品と比べて、木製防火扉の扉重量の軽量化を図ることができるという効果も奏する。
(実施形態2)
図4及び図5には、実施形態2に係る木製防火扉構造を示し、図1のA−A′線断面図、B−B′線断面図に対応する。
本実施形態の木製防火扉構造は、木製防火扉301と、木製防火扉取付枠200とからなる。木製防火扉取付枠200の構成は、上述した実施形態1と同様であるので、同一符号を付して重複する説明は省略する。
木製防火扉301は、桐製の芯材10と、芯材10の表面に設けられた、火山性ガラス質複層板320と、化粧層330とを具備する。
かかる本発明の木製防火扉301は、芯材10の表面に、火山性ガラス質複層板320を設けることにより、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られ、「特定防火設備」の国土交通大臣認定を受けることができるものである。
ここで、本実施形態の木製防火扉301の芯材10は、防火性能や軽量化の点で、桐材を主体とするものであり、特に、桐集成材の積層板、あるいは、この桐集成材の3層クロス張りの積層板を用いるのが好ましいものであり、実施形態1と同様なものである。
芯材10の表面に設けられた火山性ガラス質複層板320は、火山性ガラス質堆積物質と鉱物繊維からつくられた構造用面材で、例えば、ダイライト(大建工業社製;商品名)を用いることができる。火山性ガラス質複層板320は、厚さ6mm以上のものを用いるのが好ましい。
火山性ガラス質複層板320は、芯材10の表面全体、すなわち、表裏の二面に設ければよい。
また、化粧層330は、化粧シート又は化粧塗料からなるものである。化粧層330に化粧シートを用いる場合、材質は、難燃性の樹脂シートで形成されていれば特に限定されない。このような芯材の表面に設けられた化粧シートには、防火薬剤を少なくとも含有する燃焼遅延剤を塗布又は含浸すれば、さらに防火性能が向上するという効果がある。勿論、化粧シートには、燃焼遅延剤を含浸しなくてもよい。なお、火山性ガラス質複層板320として、化粧シートを表面に貼付したダイライトを用いてもよい。
化粧層330に化粧塗料を用いる場合には、一般的な化粧塗料の他、耐熱性の化粧塗料を用いればよいが、あくまでも化粧目的であるので、一般的な化粧塗料を用いればよい。
本実施形態の木製防火扉301は、実施形態1と同様に、下端面に遮音効果を有する遮音溝11を幅方向に亘って有する。
また、本実施形態の木製防火扉301の上下左右の端面には、加熱発泡層340が設けられている。加熱発泡層340は、約250℃に加熱されると約30倍の体積に発泡するグラファイト系加熱発泡剤によって形成した。なお、下面については、遮音溝11の溝内の底部と、開口の扉の厚さ方向両側に、加熱発泡層340を設けた。
木製防火扉301は、側部取付枠220に蝶番4を介して取り付けられて設置されるが、側部取付枠220は、熱伝導性が低いので、蝶番4を側部取付枠220に締結した場合、蝶番4の熱が躯体側(例えば、躯体内の鉄骨)に伝熱しないので、蝶番4を締結するボルトなどを介して躯体側に熱を伝導するようにするのが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る木製防火扉構造は、桐製の芯材10の表面に火山性ガラス質複層板320を設けた木製防火扉301を用い、且つ桐製の芯材201の表面に耐火断熱被覆層202を設けた木製防火扉取付枠200を用いているので、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られ、「特定防火設備」の国土交通大臣認定を受けることができるものである。このように木製防火扉取付枠を用いてISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験において60分以上の防火性能が得られたことは世界的に見ても初めてである。
また、本実施形態の木製防火扉取付枠200は、スチール製の扉取付枠と比較して軽量であることは勿論、著しく低コストであるという効果も奏する。
また、木製防火扉301の端面に加熱発泡層340を設けた構造とすることにより、火災時には、加熱発泡層340が、例えば、約250℃に加熱されると約30倍の体積に発泡する。これにより、木製防火扉1と上部取付枠210、及び側部取付枠220との間の隙間は発泡した加熱発泡剤によって封止される。これによって、木製防火扉1と上部取付枠210及び側部取付枠220との隙間を完全に密閉する。
また、本発明に係る木製防火扉301は、耐火シートやケミカル板等を用いなくても、比較的簡単な構造で、優れた防火性能を発揮するため、製造コストを低減することができ、芯材を構成する木材に間伐材を用いれば、製造コストを大幅に低減することができる。さらに、芯材に少なくとも桐材を用いることで、従来品と比べて、木製防火扉の扉重量の軽量化を図ることができるという効果も奏する。
(その他)
本発明の木製防火扉1や木製防火扉取付枠200において、桐製の芯材10、201と耐火断熱被覆層20、202との密着性は良好であり、加熱により発泡層となっても、容易には脱落しないが、必要に応じて芯材10、201の表面を粗面化したり、表面に溝を形成したりしてもよい。この場合、粗面化された凹凸面の凹部内や溝の中にも耐火断熱被覆層20、202が入り込む。しかしながら、溝内の耐火断熱被覆層20、202は、桐の断熱性が高いので、大きくは発泡せず、芯材10、201との密着性を有効に高めることができるようになる。
(試験例1)
実施形態1、2の構造の木製防火扉構造を設置し、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験を模した試験に基づいて、一方側から加熱燃焼させ、反対側の面の温度を測定したところ、約60分後においても、焼け落ちることがなく、100℃より低い温度を保っていた。
(試験例2)
比較のため、市販のスチール製の防火扉について、同様な試験を行ったところ、8分後には600℃を超える温度となり、防火の限界となった。
1、301 木製防火扉
10、201 芯材
20、202 耐火断熱被覆層
30、330 化粧層
200 木製防火扉取付枠
320 火山性ガラス質複層板

Claims (12)

  1. 木製防火扉を取り付ける木製防火扉取付枠であって、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられた、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層とを具備することを特徴とする木製防火扉取付枠。
  2. 請求項1に記載の木製防火扉取付枠において、前記耐火断熱剤が、耐火断熱塗料であることを特徴とする木製防火扉取付枠。
  3. 請求項1又は2に記載の木製防火扉取付枠において、化粧シート又は化粧塗料からなる化粧層を有することを特徴とする木製防火扉取付枠。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の木製防火扉取付枠において、前記芯材が、桐集成材の積層板であることを特徴とする木製防火扉取付枠。
  5. 請求項4に記載の木製防火扉取付枠において、前記芯材が、前記桐集成材の3層クロス張りの積層板であることを特徴とする木製防火扉取付枠。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の木製防火扉取付枠において、前記木製防火扉の表裏面の周縁部との当接部に、ゴム部材が設けられていることを特徴とする木製防火扉取付枠。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の木製防火扉取付枠と、前記木製防火扉取付枠に取り付けられた木製防火扉とからなることを特徴とする木製防火扉構造。
  8. 請求項7に記載の木製防火扉構造において、前記木製防火扉が、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられ、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層とを有することを特徴とする木製防火扉構造。
  9. 請求項7に記載の木製防火扉構造において、前記木製防火扉が、桐製の芯材と、前記芯材の表面に設けられた火山性ガラス質複層板とを有することを特徴とする木製防火扉構造。
  10. 請求項7〜9の何れか一項に記載の木製防火扉構造において、前記木製防火扉の表面に、化粧シート又は化粧塗料からなる化粧層が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造。
  11. 請求項7〜10の何れか一項に記載の木製防火扉構造において、前記木製防火扉の前記芯材の面方向下端の端面には、左右方向に延びる遮音溝が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造。
  12. 請求項7〜11の何れか一項に記載の木製防火扉構造において、前記木製防火扉の前記芯材の周縁の端面には、加熱発泡剤からなる加熱発泡層が設けられていることを特徴とする木製防火扉構造。
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