JP6914537B2 - 建具部材 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の開口部に設けられる戸やその取付枠などの防火性能を有する木製の建具部材に関するものである。
木製の建具は、軽量、安価であると共に、さらに二酸化炭素を固定するものであるため低炭素社会の実現に貢献し地球温暖化防止に寄与するものである。一方、木材は燃えるため、防火性能について課題がある。そこで発明者は、過去に、防火性能を有する木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造について発明し、特許文献1を特許出願している。この木製防火扉取付枠は、桐製の芯材と、芯材の表面に設けられた、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層とを具備するものであり、防火性能を有している。
特開2018−141346号公報
特許文献1に記載の木製防火扉取付枠及び木製防火扉構造(建具部材)は優れたものであるが、防火性能の向上や、他のアプローチによる防火性能の達成といった技術の多様化などの課題があり、本発明者はさらに鋭意研究を行っている。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、木製でありながら優れた防火性能を有する建具部材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された建具部材は、
戸及びこの戸が取り付けられる枠で構成されている建具部材であって、
前記枠は、
枠の芯材は桐製であり、前記枠の芯材の表面に枠用のセラミック紙が貼り付けられていて、
前記枠用のセラミック紙は、厚さ0.4〜0.6mmのものであり、
前記枠用のセラミック紙が貼り付けられている前記枠の芯材の角部の内、前記戸の当たる戸当たりの箇所の角部を除くすべての角部が鈍角に形成されていて、
前記枠用のセラミック紙の外界側には、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層が設けられていて、
前記耐火断熱被覆層の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層が設けられているものであり、
前記戸は、
戸の芯材は桐製であり、前記戸の芯材の表裏の二面の表面に戸用のセラミック紙が貼り付けられていて、
前記戸用のセラミック紙は、厚さ0.8〜1.5mmのものであり、
前記戸用のセラミック紙の外界側には、火山性ガラス質複層板が設けられていて、
火山性ガラス質複層板の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層が設けられているものであり、
さらに前記戸には、取り付けられる前記枠に対向する端部に、加熱発泡剤が設けられていることを特徴とする。
本発明の建具部材によれば、桐製の芯材と、芯材に貼り付けられたセラミック紙とを有することにより、火災時に芯材が加熱されて燃焼直前に発生する可燃性ガスが外部に放出されることを遮断できる。これにより、芯材が燃焼し始めることを防止でき、建具部材の優れた防火性能を実現できる。
セラミック紙が貼り付けられる芯材の角部の少なくとも一つが鈍角に形成されている場合、火災による加熱等でセラミック紙の折曲部分が損傷し難くなり、芯材が加熱されて発生する可燃性ガスが外部に放出されてしまうことを確実に防止でき、より優れた防火性能を実現できる。
セラミック紙の外界側に発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層が設けられている場合、火災時に耐火断熱被覆層が発泡して断熱層になり、セラミック紙に熱が掛かり難くなっていると共に、芯材に熱が掛かり難く燃焼し難くなっていて、さらに優れた防火性能を実現できる。
戸が取り付けられる枠である場合、高い防火性能を有する枠を実現できる。戸である場合、高い防火性能を有する戸を実現できる。
セラミック紙の外界側に火山性ガラス質複層板が設けられている場合、火山性ガラス質複層板は高い防火性を有するため、さらに優れた防火性能を実現できる。
戸には、取り付けられる枠に対向する端部に加熱発泡剤が設けられている場合、火災時に加熱発泡剤が発泡して戸と枠の隙間が封止されるため、炎が通って火災が広がることを防止できると共に、戸及び枠を燃え難くすることができ、さらに高い防火性能を実現できる。
本発明を適用する建具部材である、扉及びその枠を示す正面図である。 図1中のF−F線部分の断面を模式的に示す一部拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
図1に、本発明を適用する建具部材である枠1及び本発明を適用する建具部材である扉2の一例を示す。枠1及び扉2は、壁材91の開口部に設けられている。同図中のFLはフロアラインである。ここで、建具とは、建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切りであり、戸と、その取付用の枠である。戸とは、扉とも言われる回転して開く開き戸や、引き戸、折戸などである。本発明に係る戸のように、防火性能を有する戸を防火戸ともいう。
同図には、戸の一例として1枚扉である扉2、及びその取付枠として三方枠に形成された枠1を示している。同図には、三方枠である枠1の角が、留め加工で木材が接合されている例を示している。枠1の角を留め加工で接合すると、木材同士が密に組み合わされて隙間が無くなるため、燃焼し難く、炎やガスも通りにくくなり、防火性能が向上するため好ましい。
同図には、扉2が1枚扉である例を示しているが、2枚扉であってもよいし、引戸や折り戸であってもよく、図に限定されない。また、同図には、枠1が三方枠である例を示しているが、一方枠、二方枠、四方枠であってもよい。また、枠1が、引戸等を取り付けるための枠であってもよい。また、同図に示すように、扉2に開閉用のレバー8などが設けられていてもよい。
図2に、図1中のF−F線部分の模式的な一部拡大断面図を示す。
同図の枠1は、三方枠の上部の枠部分を図示しているが、三方枠の左右の枠部分も同様に構成されている。また、同図には、扉2の縦断面を示しているが、扉2の横断面も同様に構成されている。
本発明の建具部材である枠1は、桐製の芯材11と、芯材11に貼り付けられたセラミック紙12とを有するものである。さらに、セラミック紙12の外界側には、耐火断熱被覆層13が設けられていることが好ましい。さらに、耐火断熱被覆層13の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層14が設けられていてもよい。
芯材11は、桐の集成材を主材(主となる材料)として構成されたものであることが好ましい。この例では、芯材11は、主枠部材21と戸当たり部材22とが木螺子23で固定されて形成されている。主枠部材21は、桐の集成材で形成されている。副枠部材である戸当たり部材22は、桐の無垢材で形成されていてもよいが、桐の集成材で形成されている方がより好ましい。芯材11の上部側には、壁材91が嵌る溝が形成されている。
桐(キリ)は、杉(スギ)、水楢(ミズナラ)などの他の木材と比較して、割れ、反り、伸縮などの変形が少なく、腐れも生じにくいという特徴がある。変形が少なく、腐れの生じにくい桐を使用することで、経年変化や熱による変形が少ない建具部材(枠1、扉2)とすることができる。更に、桐を集成材にすることで、強度を高め、変形を防止できるという効果がある。そのため、桐の集成材を使用することで、経年変化や熱による変形をより一層防止することができる建具部材とすることができる。また、桐の集成材は安価であり、かつ加工がし易いことから、建具部材のコストを大幅に下げることができる。
ここで、集成材とは、断面寸法の小さい板材を接着剤で固定して再構成して作られる木質材料である。この例では、主枠部材21が、桐板材を交互に積層した集成材で形成されている。さらに、同図に示すように、主枠部材21は、隣り合う桐板材同士の木目方向を直交させて三層貼り合わせると共に、三層の内の中央層の厚さを両サイド層の厚さよりも厚くした三層変則クロス貼りで形成されていることが好ましい。同図のように、三層変則クロス貼りの両サイドの層の木目方向が、主枠部材21の長手方向の面と平行になる方向であり、三層変則クロス貼りの中央層の木目方向は、主枠部材21の長手方向の面と直交する方向に形成されていることが好ましい。なお、必要性に応じて、主枠部材21が、三層の厚さが同じ三層クロス貼りの桐集成材で形成されていてもよいし、他の桐積層材で形成されていてもよい。集成材を構成する各板材の木目方向、形状、寸法、組み合わせ方や積層数は任意である。
桐は、杉、水楢などの他の木材と比較して、耐火性、断熱性に優れるという特徴がある。その理由の一つは、桐の導管にある。桐の導管は、小部屋が連続的に連なる構造であるため、熱が伝わり難くなっている。一方、杉、水楢などの他の木材は、導管が筒状のため、熱が伝わり易い。
熱伝導率は、桐が0.073W/m・kであるのに対し、杉が0.087W/m・k、水楢が0.142W/m・kであり、桐の熱伝導率が最も低い。例えば水楢と比較すると、桐の熱伝導率は約1/2であり、熱を約2倍も伝えにくい。桐は、燃えにくく、耐火性、断熱性に優れるため、防火性能の高い建具部材とすることができる。
本発明の特徴として、芯材11の表面にセラミック紙12が貼り付けられていることに大きな特徴がある。セラミック紙12は、火災になったときに炎に晒される枠1(建具部材)の表面、つまり壁に隠れず外部に表われる枠1(芯材11)の表面に貼り付けられている。セラミック紙12は、芯材11に密着しており、耐火性接着剤で貼り付けられている。
セラミック紙12は、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどのセラミックを少なくとも原料に用いて紙状に形成したものであり、不燃性(又は難燃性)かつ柔軟性を有している。セラミック紙12として、例えば、タイガレックス(登録商標)社製の天然鉱物ケイ酸マグネシウムを主成分とした無機質紙である不燃紙を好ましく使用することができる。この不燃紙は火災が貫通しない優れた不燃性及び耐熱保形性を有している。
セラミック紙12を芯材11の表面に貼り付けることで、火災時に芯材11が加熱されて燃焼直前に発生する可燃性ガスが外部に放出されることを遮断できる。このため、セラミック紙12を用いることで、芯材11の燃焼を防止でき、優れた防火性能を実現できる。なお、背景技術の特許文献1では、芯材の表面に、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートを用いていたが、これは火災の熱で発泡して発泡層(断熱層)を形成するためのものであり、セラミック紙12のような火災の際に芯材11から発生する可燃性ガスを遮断するためのものではない。
セラミック紙12が貼り付けられる部分の芯材11の角部Cの少なくとも一つが鈍角に形成されていることが好ましい。セラミック紙12は柔軟性を有しているが、鋭角に曲げると、火災による加熱で割れなどの損傷が発生する可能性がある。セラミック紙12に割れなどの損傷が発生すると、芯材11が加熱されて発生する可燃性ガスが外部に放出されてしまう可能性がある。セラミック紙12を貼り付ける角部Cを鈍角に形成しておくことで、セラミック紙12の加熱時の損傷を防止でき、可燃性ガスが外部に放出されてしまうことを確実に防止できる。
セラミック紙12の貼り付けられる芯材11の全ての角部を鈍角に形成することが好ましい。しかしながら、形状等の必要性に応じて、一部の角部を鈍角に形成し、他を例えば直角に形成してもよい。同図では、扉2の当たる戸当たり(戸当たり部材22)の箇所の2つの角部が直角に形成されていて、セラミック紙12が直角に曲がられている例を示している。戸当たりの部分は、扉2があるため、炎が当たり難く、他の角部Cと比べて燃え難い。そのため、扉2に近接する角部は鈍角でなくてもよい。また、後述するように、セラミック紙12には、表面に耐火断熱被覆層13が設けられているため、火災時に耐火断熱被覆層13が発泡して断熱層になり、セラミック紙12に熱が掛かり難く破損し難くなっている。このため、セラミック紙12は一部が鈍角でなくてもよい。また、後述するが、扉2の端部に加熱発泡剤42が設けられている場合、戸当たり部分がより燃焼し難く、炎が貫通しないようになっている。この場合、さらに熱から保護されるため、扉2に近接する角部は鈍角でなくてもよい。また、鈍角でない角部に対して、他の保護する構造の追加を行ってもよい。
セラミック紙12は、折り曲げ可能な厚さのもので、なるべく厚い厚さのものを使用する。例えばセラミック紙12として、厚さ0.2〜1.0mm、好ましくは0.4〜0.6mmのものを使用する。複数のセラミック紙12を積層して貼り付けてもよい。
セラミック紙12の表面に耐火断熱被覆層13が設けられ、耐火断熱被覆層13の表面に化粧層14が設けられている。
耐火断熱被覆層13は、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなるものである。発泡剤として、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、メラミン、尿素などを挙げることができる。炭化剤として、多価アルコール、デキストリン、糖類等を挙げることができる。樹脂として、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。
耐火断熱剤は、発泡剤、炭化剤及び樹脂の他、顔料、溶剤などを含んでもよい。顔料として、酸化チタン等の着色顔料や体質顔料を挙げることができる。また、溶剤として、キシレン、アルコールなどの有機溶剤又は水を挙げることができる。
このような耐火断熱剤は、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含むものであり、一般的には、耐火断熱塗料として販売され、各種鋼構造物の主要構造部への耐火塗料として用いられている。例えば、ナリファイア(登録商標;東邦レオ株式会社製)、SKタイカコート(登録商標;エスケー化研株式会社製)、GC耐火塗料(商品名;株式会社グローケミカル製)などを用いることができる。また、耐火断熱シートは、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含むものであり、例えば、グラスファイバー製のシート状のネットに発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱塗料を保持して硬化させたもので、例えば、バルサシート(商品名;株式会社グローケミカル製)などを挙げることができる。
市販の耐火断熱塗料は、耐火断熱被覆層を複数層で形成するものがあるが、この場合には、本発明の耐火断熱被覆層は、複数層の全てを含む。例えば、ナリファイア(登録商標)では下塗り、中塗り、及び上塗りの三層構成となる。又は、バルサシート(商品名)を貼付して設けてもよい。
耐火断熱被覆層13は、火災の際の熱、例えば、200℃〜250℃程度で発泡を開始し、炭化しながら緻密な発泡層を形成し、結果的に20〜40倍の体積に膨脹し、断熱層となる。また、耐火断熱被覆層13は、外側の表面温度に対して、内側の温度を少なくとも400℃低減する。すなわち、耐火断熱被覆層13の表面が約900℃となっても、その内側のセラミック紙12及び芯材11の表面温度は500℃以下となる。
化粧層14に化粧シートを用いる場合、材質は、難燃性の樹脂シートで形成されていれば特に限定されない。このような芯材の表面に設けられた化粧シートには、防火薬剤を少なくとも含有する燃焼遅延剤を塗布又は含浸すれば、さらに防火性能が向上する。化粧シートには、燃焼遅延剤を含浸しなくてもよい。化粧層14に化粧塗料を用いる場合には、一般的な化粧塗料の他、耐熱性の化粧塗料を用いればよいが、あくまでも化粧目的であるので、一般的な化粧塗料を用いればよい。例えば、本実施形態では、化粧層14として、ウレタン系化粧塗料を用いている。
本発明の建具部材である扉2は、桐製の芯材31と、芯材31に貼り付けられたセラミック紙32とを有するものである。さらに、セラミック紙32の外界側には、火山性ガラス質複層板33が設けられていることが好ましい。さらに、火山性ガラス質複層板33の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層34が設けられていてもよい。また、図示しないが、セラミック紙32の外界側に耐火断熱被覆層を設けてもよい。
芯材31は、桐の集成材を主材(主となる材料)として構成されたものであることが好ましい。同図に示すように、芯材31は、前述した三層変則クロス貼りの桐の集成材であることが好ましい。この場合、同図に示すように、三層変則クロス貼りの両サイドの層の木目方向が、芯材31(扉2)の長手方向の面と平行になる方向であり、三層変則クロス貼りの中央層の木目方向は、芯材31の長手方向の面と直交する方向に形成されていることが好ましい。なお、必要性に応じて、芯材31が、三層の厚さが同じ三層クロス貼りの桐集成材で形成されていてもよいし、他の桐積層材で形成されていてもよい。集成材を構成する各板材の木目方向、形状、寸法、組み合わせ方や積層数は任意である。
セラミック紙32は、芯材31の表面全体、すなわち、表裏の二面に設ければよい。セラミック紙32は、セラミック紙12と同様のものであるが、扉2は平面であり折り曲げる箇所が無いため、厚い厚さのものが使用可能である。例えばセラミック紙32として、厚さ0.5〜3.0mm、好ましくは0.8〜1.5mmのものを使用する。複数のセラミック紙32を積層して貼り付けてもよい。なお、例えば意匠性を持たせるために、扉2の面に凹凸などの角部を設けて平面ではなくした場合、セラミック紙32を貼り付ける部分の角度を鈍角に形成することが好ましい。
前述したように、セラミック紙32を芯材31の表面に貼り付けることで、火災時に芯材31が加熱されて燃焼直前に発生する可燃性ガスが外部に放出されることを遮断できる。このため、優れた防火性能を実現できる。
火山性ガラス質複層板33は、火山性ガラス質堆積物質と鉱物繊維からつくられた構造用面材で、例えば、ダイライト(大建工業社製;商品名)を用いることができる。火山性ガラス質複層板33は、厚さ3mm以上のものを用いるのが好ましい。火山性ガラス質複層板33は、芯材31の表面全体、すなわち、表裏の二面に設ければよい。
火山性ガラス質複層板は高い防火性能を有するため、優れた防火性能の扉2となる。
化粧層34は、化粧シート又は化粧塗料からなるものである。化粧層34に化粧シートを用いる場合、材質は、難燃性の樹脂シートで形成されていれば特に限定されない。このような化粧シートには、防火薬剤を少なくとも含有する燃焼遅延剤を塗布又は含浸すれば、さらに防火性能が向上する。化粧シートには、燃焼遅延剤を含浸しなくてもよい。なお、火山性ガラス質複層板33として、化粧シートを表面に貼付したダイライトを用いてもよい。
化粧層34に化粧塗料を用いる場合には、一般的な化粧塗料の他、耐熱性の化粧塗料を用いればよいが、化粧目的であるので一般的な化粧塗料を用いればよい。
扉2には、取り付けられる枠1に対向する端部に、加熱発泡剤42が設けられていることが好ましい。例えば、同図に示すように、扉2の芯材31の端部に溝41を形成し、この溝41に加熱発泡剤42を充填する。
加熱発泡剤42は、火災が発生したときの熱で発泡(膨張)するものである。加熱発泡剤42は、一例として、約250℃に加熱されると約30倍の体積に発泡する耐火物質であるグラファイト系発泡剤である。
火災時に加熱発泡剤42が発泡することで、枠1と扉2との間の隙間が発泡した加熱発泡剤42で完全に封止される。これにより、枠1と扉2との隙間に炎が通ることを防止でき、防火性能の優れたものになる。また、枠1の戸当たりの直角部分が発泡した加熱発泡剤42で覆われるため、セラミック紙12が熱で破損し難くなる。この直角部分は、耐火断熱被覆層13が発泡することでも覆われるため、より一層熱で破損し難くなっている。
なお、枠1では、セラミック紙12の表面に耐火断熱被覆層13を設けた例について説明したが、防火性能の必要性に応じて耐火断熱被覆層13を設けず省略するようにしてもよい。また、扉2では、セラミック紙32の表面に火山性ガラス質複層板33を設けた例について説明したが、防火性能の必要性に応じて火山性ガラス質複層板33を設けず省略するようにしてもよい。また、扉2に用いた火山性ガラス質複層板33は硬質で非柔軟性のものであるが、形状を枠1に合う形状で形成して、セラミック紙12の外界側に設けるようにしてもよい。
図1,2に示した構造の枠1及び扉2を製造した。枠1のセラミック紙12は厚さを0.4mmとし、扉2のセラミック紙32の厚さを1.0mmとした。この枠1及び扉2に、ISO基準に基づく平均約900℃の燃焼試験を実施した。一方側から加熱燃焼させ、反対側の面の温度を測定したところ、約60分後においても、焼け落ちることがなく、100℃より低い温度を保っており、60分以上の防火性能を実現した。これは、特定防火設備の要件(通常の火災による火炎に対して1時間はその加熱面以外の面に火を出さない)を満たす非常に優れた防火性能を示す結果である。
1は枠、2は扉(戸)、8はレバー、11は芯材、12はセラミック紙、13は耐火断熱被覆層、14は化粧層、21は主枠部材、22は戸当たり部材、23は木螺子、31は芯材、32はセラミック紙、33は火山性ガラス質複層板、34は化粧層、41は溝、42は加熱発泡剤、91は壁材、Cは角部、FLはフロアラインである。

Claims (1)

  1. 戸及びこの戸が取り付けられる枠で構成されている建具部材であって、
    前記枠は、
    枠の芯材は桐製であり、前記枠の芯材の表面に枠用のセラミック紙が貼り付けられていて、
    前記枠用のセラミック紙は、厚さ0.4〜0.6mmのものであり、
    前記枠用のセラミック紙が貼り付けられている前記枠の芯材の角部の内、前記戸の当たる戸当たりの箇所の角部を除くすべての角部が鈍角に形成されていて、
    前記枠用のセラミック紙の外界側には、発泡剤、炭化剤及び樹脂を含む耐火断熱剤又は耐火断熱シートからなる耐火断熱被覆層が設けられていて、
    前記耐火断熱被覆層の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層が設けられているものであり、
    前記戸は、
    戸の芯材は桐製であり、前記戸の芯材の表裏の二面の表面に戸用のセラミック紙が貼り付けられていて、
    前記戸用のセラミック紙は、厚さ0.8〜1.5mmのものであり、
    前記戸用のセラミック紙の外界側には、火山性ガラス質複層板が設けられていて、
    火山性ガラス質複層板の外界側に、化粧塗料又は化粧シートによる化粧層が設けられているものであり、
    さらに前記戸には、取り付けられる前記枠に対向する端部に、加熱発泡剤が設けられていることを特徴とする建具部材。
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