JP3218823B2 - 木質板の製法 - Google Patents

木質板の製法

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JP3218823B2
JP3218823B2 JP28852193A JP28852193A JP3218823B2 JP 3218823 B2 JP3218823 B2 JP 3218823B2 JP 28852193 A JP28852193 A JP 28852193A JP 28852193 A JP28852193 A JP 28852193A JP 3218823 B2 JP3218823 B2 JP 3218823B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木質板の製法に関し、特
に、木材薄片を堆積して構成され、表面が平滑で軽量で
あり、なおかつ十分な強度及び剛性を有する木質板の製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、木材資源の不足や、森林の保護が
問題となってきており、森林伐採は今後益々困難になる
ことは明かである。従って、原料木材を大量に使用して
製造される合板等の板材は、その供給が不安定あるいは
供給不足となり、価格も高騰することが予想される。よ
って、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片の木質
繊維等を有効に利用して得られる木質板が注目され、そ
の木質板の種々の用途への応用が強く望まれている。
【0003】木材薄片や木質繊維等を利用した木質板
は、一般に、木材薄片や木質繊維等の構成要素をバイン
ダーで接着し、成形一体化して形成される。その際、構
成要素の寸法が小さくなるに従い、得られる木質板は均
質になり、表面も平滑になるが、強度、剛性は低下し、
密度は増加する。逆に構成要素の寸法を大きくすると、
木材本来が持っている強度、密度に近づいて行くが、そ
のような木質板は不均質で、表面の凹凸も大きくなる傾
向がある。
【0004】一方、床材としては、図21に示すよう
に、合板3aの片面に化粧単板3を接着して形成された
ものが一般的に用いられている。そのような床材の原料
となる合板は、ベニヤ単板等の複数枚を、その木目方向
が直交するように接着積層した板材であり、床材として
使用するのに十分な強度、剛性を有しており、なおかつ
表面は平滑である。従って、前記のような木質板を、合
板に代えて床材に応用するためには、その木質板に合板
と同等以上の強度、剛性、さらに、表面平滑性を持たせ
る必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、木材を解繊して得られる木質繊維を構成要素として
いる木質繊維集積板では、均一で平滑な表面を有する木
質板が得られる反面、床材としては強度不足であり、高
強度にするために木質板を厚くすると、重量が増加して
取扱い難くなる欠点があった。また、図2に示すよう
に、木材薄片2aを、ほぼ一定方向に配列させてバイン
ダーで接着し、成形一体化した方向性木材薄片集成板で
は、強度の点で改善されてはいるが、その表面は不均一
で凹凸が大きいという問題があった。また、この種の集
成板では、厚さにばらつきのある木材薄片2aを無作為
に積層するために、厚い木材薄片が表層に積層された場
合に、表面に凹凸が出やすい欠点があった。なお、この
ような方向性木材薄片集成板を床材に応用した場合に
は、化粧単板表面に、下地の方向性木材薄片集成板の凹
凸が現出してしまうという問題が生じていた。
【0006】そこで本出願人らは先に、特願平5ー12
9669号明細書において、厚型木材薄片からなる方向
性木材薄片集成板の両面に、薄型木材薄片からなる表面
平滑化方向性木材薄片集成板を積層した新規構造の木質
板について特許出願を行っている。この特許出願に係る
木質板は、表面が平滑で軽量であり、なおかつ十分な強
度と剛性を有する優れたものであった。ところが、前記
木質板に用いる木材薄片を丸太などの原材から切削する
場合、通常は、複数の回転刃を有する回転盤に原材を押
し付けて原材をスライス切削するわけであるが、刃の出
方のばらつきや原材を押し付ける圧力が均一でないこと
が原因となって、一様の厚さの木材薄片を製作できない
傾向があった。このように不均一な木材薄片を使用して
前記木質板を製造すると、木質板表面の平滑性が悪くな
る問題がある。また、不均一な厚さの木材薄片を用いた
場合、製造直後はそこそこの平滑性を有していても、高
温・多湿の条件下においては、木材薄片の膨張と収縮が
発生し、次第に表面の平滑性が悪くなる問題があった。
そこでこのような表面平滑性が悪くなる原因について本
発明者らが分析を重ねた結果、表面平滑性に悪影響を及
ぼすのは、厚い木材薄片が表層部に混入していた場合に
顕著であり、厚い木材薄片のスプリングバックにより凹
凸が目立ってくることを知見した。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、木材薄片を効率良く利用して製造することができ、
軽量で、表面が平滑であり、なおかつ十分な強度、剛性
を有し、高温多湿の環境下でも表面平滑性が低下しない
木質板の製法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、木材を切削して木材薄片を作
成する切削工程と、この木材薄片を多数堆積させて集積
体を形成するフォーミング工程と、この集積体を接着剤
を利用して熱圧着により固化するプレス工程を具備する
木質板の製法において、 前記フォーミング工程の前
に、木材薄片の長さと幅を選別する大きさ選別工程と、
この大きさ選別工程により大きさが揃えられた木材薄片
を重量選別工程により厚型木材薄片と薄型木材薄片とに
選別する選別工程を行うとともに、フォーミング工程を
複数の工程に分割し、薄型木材薄片の堆積と厚型木材薄
片の堆積をそれぞれ1回以上行って集積体を形成し、こ
の集積体を熱圧着固化して厚型木材薄片からなる芯材と
薄型木材薄片からなる表層材を具備する木質板を製造す
ることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、前記選別工程が、薄型木材薄片の平均厚さを
0.5mm以下とし、厚型木材薄片の平均厚さを0.5m
mを超えるものに選別する工程であることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、木材を切削して木材薄片を作成する切削工程
と、この木材薄片を多数堆積させて集積体を形成するフ
ォーミング工程と、この集積体を接着剤を利用して熱圧
着により固化するプレス工程を具備する木質板の製法に
おいて、 前記フォーミング工程の前に、長さと幅を選
別する大きさ選別工程と、この大きさ選別工程により大
きさが揃えられた木材薄片を重量選別工程により、許容
厚さ寸法以外の木材薄片を抽出し、除去もしくは寸法修
正する排除工程を設けてなることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は前記課題を解決する
ために、前記の大きさ選別工程において長さ50〜75
mm、幅6〜30mmの範囲の木材薄片を選別するもの
である。
【0012】
【作用】切削工程で形成した木材薄片から、大きさ選別
工程において長さと幅を揃えた木材薄片を選別し、次い
で重量選別工程において薄型木材薄片と厚型木材薄片を
選別して使用し、薄型木材薄片で表層材を厚型木材薄片
で芯材を形成するので、必要な強度と剛性は厚型木材薄
片からなる芯材が確保し、表面の良好な平滑性は薄型木
材薄片により発揮される。切削工程後の木材薄片から、
大きさ選別工程において長さと幅を揃えておいた後に重
量選別することで薄型木材薄片と厚型木材薄片を確実に
選別できる。フォーミング工程を複数のフォーミング工
程に分割して薄型木材薄片の堆積と厚型木材薄片の堆積
と薄型木材薄片の堆積を行うならば、高い強度と剛性を
有する芯材の両面に平滑性に優れた表層材を有する木質
材を製造できる。また、薄型木材薄片として厚さ0.5
mm以下のものを用い、厚型木材薄片として厚さ0.5
mmを超えるものを用いると、高い強度および剛性と優
れた表面平滑性を兼ね備えた木質板が確実に得られる。
【0013】木材薄片を形成するに際し、専用の切削工
程で薄型木材薄片を形成し、専用の切削工程で厚型木材
薄片を形成することにより、規定厚さの薄型木材薄片と
規定厚さの厚型木材薄片を容易に得ることができ、この
薄型木材薄片を用いて表層材を形成することで表面の平
滑性を得、厚型木材薄片を用いて芯材を形成することで
高い剛性と強度を得る。
【0014】また、フォーミング工程の前において、薄
型木材薄片と厚型木材薄片の許容厚さ寸法以外のものを
除去もしくは寸法修正する排除工程を設けて正規の寸法
の木材薄片のみをフォーミング工程に送るようにするこ
とにより、表層材形成用の薄型木材薄片に許容厚さ寸法
以外のものの混入を防止する。更に、排除工程の前に木
材薄片の大きさと重量を選別する工程を設けることで、
表層材に許容厚さ寸法以外の厚い木材薄片が混入するの
を確実に防止できる。よってこの方法によれば、厚さと
大きさと重量の揃った薄型木材薄片で表層材を形成する
ことができる。よって、表面性の更に良好な強度と剛性
の高い木質材を確実に製造することができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明方法について説明する前に、本発明方法により得ら
れる木質板の一構造例について図1を基に説明する。図
1は、この例の木質板Aの断面を示す図であり、この木
質板Aは芯材1とその両面に圧着された表面材2から構
成されている。前記芯材1は、厚さ0.4〜0.8mm程
度の木材薄片からなる方向性木材薄片集成板から形成さ
れ、その両面には好ましくは厚さ0.3mm以下の木材
薄片からなる表面平滑化方向性木材薄片集成板から形成
された表層材2が積層一体化されている。
【0016】この例の木質板Aの芯材1としては、厚さ
0.4〜0.8mmの木材薄片からなる方向性木材薄片集
成板が用いられる。この方向性木材薄片集成板において
は、厚さ0.4〜0.8mmの細長い木材薄片が、ほぼ一
定方向に揃えられて配列され、それらが発泡バインダー
等の接着剤で接着され、成形一体化されている。なお、
この木材薄片配列の方向性については、長手方向に直交
するものでも任意配列のものでもよい。この木材薄片
は、長さが20〜100mm、幅が2〜60mmの範囲
内であることが好ましい。これらの木材薄片としては、
アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、
ロッジポールパイン等の薄片が好適に用いられるが、樹
種は特に限られるものではない。
【0017】これらの木材薄片は、発泡バインダーによ
り接着され成形一体化されている。この発泡性バインダ
ーは、方向性木材薄片集成板中で木材薄片を相互に結合
させるとともに、それ自体が発泡するものであって、好
ましくは、木材薄片同志の交差点にのみ樹脂分を存在さ
せ、木材薄片の小さな隙間を、発泡セルで押し広げるよ
うにすることにより、樹脂分の使用量を少なくし、方向
性木材薄片集成板を低密度化させるものが用いられる。
なお、本明細書においては、発泡する性質を有するバイ
ンダーを「発泡性バインダー」と呼称し、発泡済みの発
泡性バインダーを「発泡バインダー」と呼称することと
する。
【0018】前記発泡性バインダーは、自己発泡する樹
脂から構成されていてもよく、または非発泡性の樹脂と
発泡剤によって構成されていてもよい。自己発泡する樹
脂の例としては、発泡性ポリウレタン樹脂を挙げること
ができる。発泡剤によって発泡する非発泡性樹脂の例と
しては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア
樹脂またはそれらの混合物などを挙げることができる。
また、発泡剤としては、揮発性発泡剤、例えばCCl3
F、CCl2 2 、またはCCl2 F−CClF2 など
や、熱分解性発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド、ア
ゾヘキサヒドロベンゾニトリル、2,2’−アゾイソブ
チロニトリル、ベンゼンスルホヒドラジド、またはN,
N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミ
ドなどを挙げることができる。また、これらの発泡性バ
インダーは、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂等の非発泡性バインダーを含んでいてもよい。これら
の混合比は、目的とする方向性木材薄片集成板の密度に
応じて適宜調整することができる。
【0019】この方向性木材薄片集成板における、木材
薄片に対する発泡性バインダーの割合は、木質繊維10
0重量部に対して5〜30重量部とするのが好ましい。
さらに、この方向性木材薄片集成板の厚さは、5mm
〜13mmとするのが好ましく、その密度は、0.40
〜0.65g/cm3とするのが好ましい。その密度が
0.40g/cm3より小さいと、板の強度が不十分にな
り、逆に密度が0.65g/cm3より大きい場合は、材
料全体の重量が増加して取扱い難くなる。この方向性木
材薄片集成板の曲げヤング係数は40〜80×102
Paであるのが好ましい。曲げヤング係数が40×10
2MPa未満では、木質板としたときのたわみが規定値
よりも大きくなる。80×102MPaを越えると、歩
行時に必要とする適度の弾性が不足する。
【0020】前記木質板で、前記芯材1の両面に積層さ
れる表層材2には、好ましくは厚さ0.3mm以下の木
材薄片からなる表面平滑化方向性木材薄片集成板が用い
られる。この表面平滑化方向性木材薄片集成板は、図2
に示すような厚さ0.3mm以下の細長い木材薄片21
が、任意の方向に配列され、それらが発泡バインダーで
接着され、成形一体化されている。なお、この木材薄片
の配列方向は、一定方向に揃えて配列したものが良い。
木材薄片を一定方向に配列させる場合には、芯材におけ
る木材薄片の配列方向と直交する方向、すなわち、長手
方向に平行に配列させるのが好ましい。この厚さ0.3
mm以下の木材薄片は、長さが20〜100mm、好ま
しくは20〜50mm、幅が2〜60mm、好ましくは
2〜30mmのものが用いられる。この木材薄片の厚さ
が0.3mmを越えると、得られる表面平滑化方向性木
材薄片集成板の表面が平滑にならない。この木材薄片と
しては、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、ア
スペン、ロッジポールパイン等の薄片が好適に用いられ
るが、樹種は特に限られるものではない。
【0021】この厚さ0.3mm以下の木材薄片は、バ
インダー(接着剤)により接着一体化されている。この
表層材に用いられるバインダーとしては、前記したよう
な発泡性バインダーでもよいし、非発泡性バインダーあ
るいはそれらの混合物のいずれでもよいが、実用的に
は、成形用の金型からの離型性の点で、非発泡性バイン
ダーを主体とするものが好ましい。それらの混合比は、
目的とする表面平滑化方向性木材薄片集成板の密度と離
型性を考慮して、適宜設定することができる。
【0022】また、この表面平滑化方向性木材薄片集成
板における、厚さ0.3mm以下の木材薄片に対するバ
インダーの割合は、木材薄片100重量部に対して5重
量部以上とすることが好ましい。木材薄片100重量部
に対しバインダーの添加量を5重量部以下とすると、得
られた表面平滑化方向性木材薄片集成板の強度が不十分
になる。また、表面平滑化方向性木材薄片集成板の厚さ
は、1〜7、好ましくは3〜4mmとする。さらに、こ
の表面平滑化方向性木材薄片集成板の密度は、0.40
〜0.65g/cm3とするのが好ましい。密度が0.4
0g/cm3より小さい場合、板の強度が不十分にな
り、逆に密度が0.65g/cm3より大きい場合は、材
料全体の重量が増加して取扱い難くなる。この表面平滑
化方向性木材薄片集成板の曲げヤング係数は40〜80
×102MPaであるのが好ましい。
【0023】次に、木質板の製法の第1の例について説
明する。この例の方法では、図3に示すような工程を用
いて木質板Aを製造する。まず、切削工程4において、
原料となる丸太を図4に示す切削機装置5を用いてスラ
イス切削加工することにより、平均厚さ0.5mm程度
の木材薄片を多数作成する。図4に示す切削装置5は、
丸太6を連続搬送するコンベア装置7と、このコンベア
装置7に接続されて丸太をスライス切削して大量の木材
薄片9を作成する回転型のカッター装置8を有するもの
である。なお、図4に示す切削装置5は切削装置の一例
であるので、丸太などの木材を切削加工して木材薄片を
製造できる装置であれば、どのような構造の切削機械を
用いても差し支えない。
【0024】図4に示す木材薄片9・・・を作成したなら
ば、次にこの木材薄片9・・・を乾燥工程10に送り、乾
燥装置により乾燥する。また、この乾燥工程において、
必要に応じて木材薄片9・・・をアセチル化しておくこと
が好ましい。木材薄片9・・・をアセチル化する場合は、
その木材薄片を含水率3%以下、好ましくは、1%以下
になるまで乾燥した後、酢酸、無水酢酸、クロル酢酸等
の気化蒸気に接触させて気相中でアセチル化(アセチル
化度12〜20%)するのが好ましい。
【0025】次に、前記乾燥させた木材薄片9・・・に塗
布工程11においてバインダーを塗布する。このバイン
ダーは、先に説明したように、発泡性のものでも、非発
泡性のものでも、それらの混合物でも良い。バインダー
の塗布には、ロータリードラムブレンダーなどのドラム
回転型混合装置を用いてドラム内に木材薄片9・・・を投
入し、溶融状態の接着剤を吹きかけ、ドラムを回転させ
つつ接着剤と木材薄片9・・・を混合するならば大量の木
材薄片9・・・を一度に処理できるので好ましい。なお、
塗布工程11の後に必要に応じて第2の乾燥工程11a
を行って木材薄片9・・・を乾燥させても良い。
【0026】塗布工程11が終了したならば、木材薄片
の選別工程12において、多数の木材薄片9・・・を平均
厚さ0.3mmの薄型木材薄片とそれを超える平均厚さ
の厚型木材薄片に選別する。ここでは、例えば、図5に
示すような厚さ分布を有する木材薄片9・・・の中から、
0.5mm以下の厚さのものと、それを超える厚さのも
のを選別すれば良い。具体的な選別方法の一例として
は、図6に示すように、送風機15を作動させて風を生
じさせ、この風の中にベルトコンベア等の搬送機16か
ら複数の木材薄片9を投下し、風下側に容器17、18
を並べて設置しておく。この操作により、軽量の薄型木
材薄片は風下側の容器18に落下し、重量の大きな厚型
木材薄片は風上側の容器17に落下するので木材薄片を
選別することができる。ここで、密度が0.43〜0.4
5程度、大きさが75×30×0.5程度のアスペンの
木材薄片ならば、0.5gであることを考慮し、所定の
風速と重量によりどの程度の飛距離が出るのかを予め算
出しておくならば、前記の容器17、18を用いた選別
方法で確実に木材薄片を選別できる。この例では、塗布
工程でバインダーを塗布した後に、厚さ選別を行うよう
にしているが、バインダー塗布前に厚さ選別し、個別に
バインダーを塗布するようにしても良い。
【0027】次に、選別工程12において選別された薄
型木材薄片の一部を第1フォーミング工程20に搬送す
る。この第1フォーミング工程20においては、ベルト
コンベア等の搬送装置のベルトの上に薄型木材薄片を多
数送り込み、ベルトから順次落下させた薄型木材薄片を
熱圧板の上に層状に堆積させることにより第1集積体を
形成する。この際に、薄型木材薄片がほぼ同一方向に並
ぶようにして堆積させることが好ましい。次に、前記の
如く選別された厚型木材薄片を第2フォーミング工程2
1に搬送し、前記第1集積体の上に層状に堆積させて第
2集積体を形成する。続いて前記の如く選別された薄型
木材薄片の一部を第3フォーミング工程22に搬送し、
前記第2集積体の上に層状に堆積させて第3集積体を形
成する。
【0028】次に前記第3集積体をプレス工程23に送
り、熱圧成型機などのプレス装置により第3集積体を圧
密することにより図1に示す木質板Aを得ることができ
る。この木質板Aにおいては、薄型木材薄片の堆積物か
ら表層材2、2が形成され、厚型木材薄片の堆積物から
芯材1が形成されている。なお、プレス工程における熱
圧条件は、圧力が1〜2MPa、温度が150〜200
℃、時間が、目的とする厚み(mm)×5〜120秒と
することが好ましい。このようにして得られた木質板A
は、その密度が0.4〜0.65g/cm3であり、曲げ
ヤング係数が40〜80×102MPaであるようにす
るのが好ましい。
【0029】次に前記の木質板Aを用いて床材を製造す
る場合について説明する。前記のようにして成形した木
質板Aの表面に、別に用意しておいた化粧単板3を接着
剤で貼付けることで図7に示す床材Bを得ることができ
る。その際、板材表面を従来から行われている方法によ
って研磨し、その研磨した面に化粧単板3を接着するよ
うにしてもよい。ここで用いられる化粧単板3は、特に
限定されず、オーク突板等の従来から使用されている厚
さ0.2〜0.8mm程度の化粧単板が使用でき、特に本
発明の木質板の表面が平滑、平坦であるので、薄い化粧
単板が使用できる。また、この化粧単板の表面は、厚さ
40〜60μm程度のウレタン塗装等を施してもよい。
【0030】前記構造の木質板Aにおいて芯材1として
使用した方向性木材薄片集成板は、厚さ0.4〜0.8m
mの厚型木材薄片がほぼ同一方向に配列されているた
め、特にその配列方向の強度が大きくなっている。ま
た、この方向性木材薄片集成板においては、発泡性バイ
ンダーなどの接着剤を用いて成形一体化しているので樹
脂の使用量が少なく、得られる木質板Aの密度は低くな
り、発泡バインダー自体は微小気泡を含んでいるので柔
軟化され、外力に対する緩衝作用があり破壊され難い。
また、前記構造の木質板Aでは、方向性木材薄片集成板
の芯材1の両面に、厚さ0.3mm以下の薄型木材薄片
からなる表面平滑化方向性木材薄片集成板を同時成形で
積層しているので、表面が平滑であり、なおかつ強度、
剛性が向上している。従って、このような木質板Aに化
粧単板を接着して形成された前記床材Bは、表面が平滑
であり、十分な強度、剛性を有している。さらに、表層
材2、2をなす厚さ0.3mm以下の薄型木材薄片をア
セチル化することにより、木質板及び床材の防虫、防
腐、防バイ菌性、耐水・耐湿性及び寸法安定性を向上さ
せることができる。この例の木質板によれば、従来廃材
とされていた原料を有効利用でき、木材資源を保護する
効果がある。また、そのような原料は低価格であり、原
料コストの削減も図ることができる。
【0031】次に木質板の製法の第2の例であり、か
つ、本発明の第1の例である製法について説明する。こ
の例の方法では、図8に示すような工程を用いて木質板
Aを製造する。まず、原料となる丸太を切削工程25で
切削し、平均厚さ0.25mmの木材薄片を形成する。
次に大きさ選別工程26において木材薄片の大きさごと
に選別を行い、長さと幅が75mmを超える大型木材薄
片と長さと幅が75mm以下の小型木材薄片に選別す
る。選別を行うには、篩を用い、大小の木材薄片に選別
する。
【0032】次に、選別後の小型の木材薄片を重量選別
工程27において0.3gを境界として重量木材薄片と
軽量木材薄片に選別する。この重量による選別には、先
の例で説明した送風機15と容器17、18を用いた選
別方法を採用すれば良い。この重量選別工程27で選別
された重量木材薄片は芯材1の形成用として先の例の第
2フォーミング工程21に供給し、軽量木材薄片は表層
材2の形成用として先の例の第1フォーミング工程20
あるいは第3フォーミング工程22に供給することで、
目的の木質板Aを製造することができる。前記の重量に
よる選別方法において、原料の木材(例えば、アスペ
ン)の比重を0.43〜0.45とすると、木材薄片の長
さが75mm、幅が30mm、厚さが0.3mmである
とすると、実際の計測値において0.3gとなる。
【0033】この例の製法によれば、先の例と同等の効
果を得ることができる上に、表層材2に厚い木材薄片が
混入することを確実に防止できる特徴がある。この例の
製法では、大きさ選別工程26において大とされた木材
薄片を芯材に用いるようにしている。これは、大きな木
材薄片が必ずしも厚いとは限らないが、表層材に厚い木
材薄片が混入することを確実に防止するのに有益であ
る。よって厚い木材薄片によるスプリングバックが起こ
りにくく、経年的にも凹凸の生じない木質材Aを得るこ
とができる。なお、前記の方法によれば、表層材2形成
用の薄型木材薄片量と芯材1形成用厚型木材薄片量のば
らつきが生じることが考えられるので、両者のばらつき
が生じないように切削工程25における切削刃の調節を
行ない、必要に応じてどちらか一方の木材薄片を貯蔵し
て量を揃えてから次工程に送ることが好ましい。
【0034】次に木質板の製法の第3の例について説明
する。この例の方法では、図9に示すような工程を用い
て木質板Aを製造する。まず、切削工程30、31を設
け、各切削工程専用の切削装置を設けて原料となる丸太
を切削し、切削工程30で薄型木材薄片を作成し、切削
工程31で厚型木材薄片を作成する。この場合、切削工
程30に設ける切削装置として、平均厚さ0.25mm
の木材薄片を製造できるものを用い、切削工程31に設
ける切削装置として平均厚さ0.6mmの木材薄片を製
造できるものを用いる。図10に、平均厚さ0.25m
mの木材薄片の好ましい分布状態と平均厚さ0.6mm
の木材薄片の好ましい分布状態を示した。
【0035】切削工程30で製造した薄型木材薄片につ
いては、乾燥工程32と塗布工程33と乾燥工程34を
経て第1フォーミング工程35と第3フォーミング工程
36へ搬送し、切削工程31で製造した厚型木材薄片に
ついては、乾燥工程37と塗布工程38と乾燥工程39
を経て第2フォーミング工程40へ搬送する。なお、前
記乾燥工程32においては必要に応じて前記のアセチル
化処理を行う。第1フォーミング工程35、第2フォー
ミング工程40、第3フォーミング工程36は先の例で
説明した各フォーミング工程と同等の構成であり、これ
らの工程で木材薄片の堆積物を形成し、次のプレス工程
23で堆積物を熱圧して木質板Aを製造することができ
る。
【0036】以上の工程においても第1の例で説明した
木質板1と同等の構成の木質板を製造することができ
る。なお、この例の方法においては、薄型木材薄片形成
用の切削装置を有する切削工程30を設け、厚型木材薄
片形成用の切削装置を有する切削工程31を設けている
ので、図10に示すようにそれぞれ好ましい厚さ分布の
木材薄片を各切削装置の刃先の調整で容易に得ることが
できる。よって、切削装置の刃先を調節することによ
り、所望の厚さ分布の薄型木材薄片と厚型木材薄片を利
用することができ、所望の強度や剛性と表面平滑性を有
する木質板を製造することができる。
【0037】次に木質板の製法の第4の例であり、か
つ、本発明の第2の例の製法について説明する。この例
の方法では、図11に示すような工程を経て木質板Aを
製造する。まず、先の例と同等の工程には同一符号を付
してそれらの部分の説明を省略する。この例において
は、切削工程30と乾燥工程32の間に、大きさ選別工
程45を設け、長さと幅が75mmを超える木材薄片と
それ以下の幅と長さの木材薄片に選別する。次に大きさ
選別工程45と乾燥工程32との間に、重量選別工程4
6、47を並列に設け、小型木材薄片と大型木材薄片を
それぞれ重量(選別境界0.3g)で選別する。重量選
別工程47で選別された軽量木材薄片は重量選別工程4
6で選別された軽量木材薄片と混合されて第1フォーミ
ング工程35あるいは第3フォーミング工程36に送ら
れて順次次の工程に送られる。また、重量選別工程47
で選別された重い木材薄片は切削工程31で切削された
厚型木材薄片と混合されて第2フォーミング工程40に
送られる。
【0038】以上説明した方法によっても図1に示す構
造の木質板Aを製造することができる。なおこの例の方
法によれば、切削工程30で作成した薄型木材薄片に対
し、大きさ選別工程45、重量選別工程46、47の複
数工程で更に選別するので、第1フォーミング工程35
と第3フォーミング工程36に厚型木材薄片や重い木材
薄片が混入してしまうことはない。この例の工程を採用
する場合、表層材2、2を製造するための木材薄片が芯
材1形成用の木材薄片に比べて少なくなる問題がある
が、この問題は、切削工程30の切削装置の回転数を上
げるか、切削効率の高い切削装置を用いることで容易に
解決できる。
【0039】なお、前記工程において、木質板Aの芯材
1用の木材薄片と表層材2用の木材薄片を製造する場
合、双方の長さを50〜75mm、幅を6〜30mmの
範囲とすることが好ましい。
【0040】次に木質板の製法の第5の例について説明
する。この例の方法では、図12に示すような工程を用
いて木質板Aを製造する。まず、切削工程50を設けて
原料となる丸太を切削し、平均厚さ0.5mmの木材薄
片を作成する。次に乾燥工程51で木材薄片を乾燥し、
この木材薄片を排除工程52に送る。なお、この乾燥工
程51において必要に応じて先に説明したアセチル化処
理を行っても良いのは勿論である。排除工程において
は、図13に示すような分布を有する平均厚さ0.5m
mの木材薄片に対し、好ましくは0.8mm以上の厚さ
の木材薄片を選別して除去する。このような厚さの木材
薄片が後工程に混入されると、木質板1の表層材2、2
に許容寸法外の厚い木材薄片が混入されるので、表面の
平滑性が悪くなり、特に、吸湿時に木材薄片のスプリン
グバックが生じて表面に凹凸が目立つようになるので好
ましくない。許容寸法より厚い木材薄片が除去された木
材薄片は、塗布工程53と乾燥工程54とフォーミング
工程55を経てホットプレス工程56で圧密されて木質
板が得られる。
【0041】次に前記の排除工程において、許容厚さ以
外の厚さの木材薄片を許容範囲内の厚さの木材薄片に修
正してから後工程に搬送しても良い。その場合、図14
に示すように、相対向して所定の間隔(厚さ0.8mm
以下の間隔、例えば、0.2〜0.5mmの間隔を有す
る。)をあけて回転する圧延ロール60、61と、それ
らの上に設けられた複数のスリット板62と、圧延ロー
ル60、61の下に設けられた通路63に設置された送
風機64を用い、圧延ロール60、61の間に落下させ
た木材薄片を圧密して前記の許容範囲内の厚さに修正し
てから後工程に搬送しても良い。この例の場合、スリッ
ト板62・・・をそれらの間の間隔を保ったまま揺動させ
てその間を通過する木材薄片9・・・の厚さ方向を揃えて
圧延ロール60、61間の間隙に落下させることによ
り、木材薄片9・・・を円滑に加圧ロール60、61に送
ることができ、圧延ロール60、61により許容範囲外
の厚さの木材薄片を圧密して許容範囲内の厚さに修正す
ることができる。また、厚さ修正された木材薄片は送風
機64の起こす風により通路63によって搬送されて後
工程に搬送される。ここで送風機64は、重なった状態
で落下してくる木材薄片を重なりをなくした状態で次の
工程に搬送する効果も奏する。
【0042】前記木材薄片の厚さを修正する装置とし
て、図15に示すように、上下2枚の回転自在の圧延デ
ィスク70、71を有し、上方の回転ディスク70の中
央部に投入孔70aが形成されてなる装置を用いること
もできる。前記回転ディスク70、71の間隔は、前記
圧延ロール60、61の間隔と同程度に設定される。こ
の例の装置を用いて木材薄片の厚さを修正しても良い。
【0043】次に木質板の製法の第6の例について説明
する。この例の方法では、図16に示すような工程を用
いて木質板Aを製造する。この例の工程は、図9に示す
工程の乾燥工程37と塗布工程38の間に、図12に示
す排除工程52を加入したものである。この排除工程5
2を設けることで、特に木質板Aの表面平滑性に大きな
影響を及ぼす薄型木材薄片の選別を行い、薄型木材薄片
に許容範囲外の厚い木材薄片が混入しないようにしたも
のである。
【0044】次に木質板の製法の第7の例について説明
する。この例の方法では、図17に示すように、切削工
程75で作成した木材薄片の一部を塗布工程76を介し
て第2フォーミング工程40に送り、切削工程75で作
成した木材薄片の一部を排除工程52と塗布工程38を
介して第1フォーミング工程35と第3フォーミング工
程36に送り、処理する。このような工程によっても先
の例と同様に木質板Aを製造することができる。
【0045】次に、木材薄片の許容範囲外の厚さのもの
を排除する装置の他の例として、図18に示すように、
木材薄片9・・・を投入可能なベルトコンベア80を用
い、このベルトコンベア80のベルト81に多数の空気
孔を形成しておき、この空気孔を介して木材薄片9・・・
をベルト81上に吸着させ、ベルト81上に設けたベル
トサンダー等の研削装置82で木材薄片9・・・を許容範
囲内の厚さに修正することができる。
【0046】また、同様な排除装置の他の例として図1
9に示すように、対向配置された回転速度の異なる回転
ロール85、86を備え、回転ロール85、86の外周
にサイディングペーパー87を貼り付け、回転ロール8
5、86の間隔を調整してこれらの間を通過する木材薄
片9・・・の厚さをサィディングペーパー87で研磨して
厚さを調整することもできる。図18に示す装置あるい
は図19に示す装置のいずれを用いても、木材薄片9・・
・の厚さを0.3mm以下に修正することが好ましい。
【0047】次に木質板の製法の第8の例であり、か
つ、本発明の第3の例の製法について説明する。この例
の方法では、図20に示すような工程を用いて木質板A
を製造する。この例の工程においては、切削工程90に
おいて木材薄片を形成した後に、大きさ選別工程26に
おいて長さと幅が100mm以下の小型木材薄片と10
0mmを超える大型木材薄片に選別し、次いで大型木材
薄片を重量選別工程46で軽量木材薄片と重量木材薄片
に選別し、前記小型木材薄片を重量選別工程47で軽量
木材薄片と重量木材薄片に選別し、選別された重量木材
薄片どうしを混合して第2フォーミング工程に送り、軽
量木材薄片どうしを混合して排除工程52を介して第1
フォーミング工程あるいは第3フォーミング工程に送っ
て木質板を製造することができる。この例においても先
の例で説明しような木質板Aを製造することができる。
なお、この例において、大きさ選別工程26と重量選別
工程46、47のいずれか一方を省略しても良い。
【0048】ところで前記の例においては、排除工程5
2を塗布工程38の前に設けたが、排除工程52を設け
る場所は、フォーミング工程の前段であれば、任意の位
置で良い。また、規格外の厚さの木材薄片を選別する場
合、規格外のものを再利用せずに破棄しても差し支えな
い。
【0049】次に本発明の木質板及び床材を実施例に基
づいて具体的に説明する。 (実施例1)切削工程において、芯材をなす、厚さ0.
4〜0.8mmの木材薄片からなる方向性木材薄片集成
板の材料としての、長さが75〜80mm、幅5〜50
mm、厚さが平均0.55mmの厚型木材薄片を、シェ
ービングマシン(〓岩倉組製切削装置)で作製した。次
に得られた厚型木材薄片を人口乾燥室で乾燥した。次い
で塗布工程において、発泡性ウレタン樹脂(住友バイエ
ルウレタン社製の粗MDI)10重量部を用意し、低速
で回転する回転ドラム内に、前記の厚型木材薄片100
重量部を入れて、ドラム内で自然落下する際にスプレー
により散布することにより、厚さ0.4〜0.8mmの木
材薄片に発泡性バインダーを塗布した。
【0050】表層材をなす、厚さ0.3mm以下の木材
薄片からなる表面平滑化方向性木材薄片集成板の材料と
して、長さが30〜50mm、幅が2〜20mm、厚さ
が0.15〜0.30mmである薄型木材薄片をシェービ
ングマシン(株式会社岩倉組製)で作製した。水性フェ
ノールバインダー10重量部を用意し、低速で回転する
回転ドラム内に、前記の薄型木材薄片100重量部を入
れて、ドラム内で自然落下する際にスプレーにより散布
することにより、厚さ0.3mm以下の薄型木材薄片に
バインダーを塗布した。
【0051】まず、バインダーを塗布した厚さ0.3m
m以下の薄型木材薄片のうちの半分を、熱圧板上に配列
方向がほぼ一方向になるように散布して堆積させ、第1
積層体を形成し、その上に、発泡性バインダーを塗布し
た厚さ0.4〜0.8mmの厚型木材薄片を、厚型木材薄
片の配列方向がほぼ一方向(薄型木材薄片の配列方向と
直交)になるように散布して第2積層体を得た。さらに
その上に、残りの厚さ0.3mm以下の薄型木材薄片を
配列方向がほぼ一方向になるように散布し、厚さ250
mmの第3積層体とした。その第3積層体を、厚さ12
mmとなるように、温度160℃、圧力20kg/cm
2で10分間熱圧同時成形した。このようにして成形し
た木質板の表面は平滑であった。
【0052】(試験例1)実施例1で作製した木質板の
密度、曲げ強さ及び曲げヤング係数を測定した。曲げ強
さに関しては、JIS−A5908に基づいて評価し
た。その結果、密度は0.57g/cm3、曲げ強さは6
5MPa、曲げヤング係数は71×102MPaであっ
た。
【0053】(試験例2)実施例1の木質板と同様の厚
みを有する合板について、試験例1と同様の測定を行っ
た。その結果、密度は0.58g/cm3、曲げ強さは4
9MPa、曲げヤング係数は52×102MPaであっ
た。これらの結果から、本発明の木質板は、合板と同等
以下の密度であり、なおかつ合板を凌ぐ曲げ強さを有し
ていることがわかる。
【0054】(製造例)実施例1で作製した木質板の一
方の表面に、厚さ0.3mmのオーク突板からなる化粧
単板を、水性高分子イソシアネート系接着剤(光洋産
業、KR7800)を用い、温度110℃、圧力10M
Paを3分間かけて接着した。木質板の表面は平滑であ
るので、化粧単板は良好に接着された。さらに、表面を
研磨した後、約50μm厚のウレタン塗装を施して床材
とした。得られた床材の外観は平滑で良好であった。
【0055】(試験例3)実施例2で作製した床材の曲
げたわみをJASに基づいて評価した。即ち、床材の試
料寸法を300mm(幅)×1800mm(長さ)×1
2mm(厚さ)として、スパン700mmで支持し、ス
パンの中央に直交して置いた荷重棒の上に、21kg重
の荷重をかけたときの変位(A)と、同様に9kg重の
荷重をかけたときの変位(B)との差(A−B)によっ
て評価した。この差が小さいほど剛性が強いことを表し
ている。床材のJAS規格では、この曲げたわみの値が
3.5mm以下である必要がある。実施例2の床材につ
いて、前記の評価を行ったところ、曲げたわみの値は、
2.3mmであった。従って、本発明の床材は、曲げた
わみのJAS規格を満足しており、床材として使用する
のに十分な剛性を有していることがわかった。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、切削工程で形成した木材薄片から、大きさ選別工程
と重量選別工程により薄型木材薄片と厚型木材薄片を選
別して使用し、薄型木材薄片で表層材を厚型木材薄片で
芯材を形成するので、必要な強度と剛性は厚型木材薄片
からなる芯材が確保し、表面の良好な平滑性は薄型木材
薄片が発揮するので、全体として強度と剛性に優れ、表
面が平滑な木質板を得ることができる。また、内部の芯
材に部分的硬軟や厚薄があっても、木質板全体としては
均一で、表面を平滑とした木質材をえることができる。
更に、芯材と表層材において木材薄片を接着剤で接合し
て構成しているので、低密度化することができ、軽量、
高強度の木質板を得ることができる。切削工程後の木材
薄片から、大きさ選別工程において長さと幅を揃えてお
いた後に重量選別することで薄型木材薄片と厚型木材薄
片を確実に選別することができるようになる。
【0057】フォーミング工程を複数工程に分割して薄
型木材薄片の堆積と厚型木材薄片の堆積と薄型木材薄片
の堆積を行ってこれを熱圧着固化するならば、高い強度
と剛性を有する芯材の両面に平滑性に優れた表層材を有
する木質板を製造できる。また、薄型木材薄片として厚
さ0.5mm以下のものを用い、厚型木材薄片として厚
さ0.5mmを超えるものを用いると、高い強度および
剛性と優れた表面平滑性を兼ね備えた木質板を確実に製
造することができる。
【0058】
【0059】また、フォーミング工程の前段において、
薄型木材薄片と厚型木材薄片の許容厚さ寸法以外のもの
を除去もしくは寸法修正する排除工程を設けて正規の寸
法の木材薄片のみをフォーミング工程に送るようにする
ことにより、表層材形成用の薄型木材薄片に許容厚さ寸
法以外の木材薄片の混入を確実に防止する。よってこの
方法によれば、厚さと大きさと重量の揃った薄型木材薄
片で表層材を形成することができる。よって、表面性の
更に良好な強度と剛性の高い木質材を確実に製造するこ
とができる。更に、排除工程の前に木材薄片の大きさと
重量を選別する工程を設けることで、表層材形成用の薄
型木材薄片に許容厚さ寸法以外の木材薄片の混入を確実
に防止でき、高い強度と剛性と表面平滑性を兼ね備えた
木質板を得ることができる。更にまた、大きさ選別工程
において長さ50〜75mm、幅6〜30mmの範囲の
木材薄片を選別することにより選別が確実になされる。
【0060】従って、前記木質板の表面に化粧単板を接
着して床材を形成した場合は、従来の合板を使用した床
材を凌ぐ剛性、曲げ強さ、曲げたわみを持ち、床材とし
て十分に使用できる特性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質板の構造を示す断面図である。
【図2】 方向性木材薄片集成板の一例を示す表面図で
ある。
【図3】 木質板の製法の第1の例を説明するための工
程図である。
【図4】 (a)は本発明方法に使用する切削装置の一
例を示す斜視図、 (b)は前記切削装置の一部を示す拡大図である。
【図5】 切削工程で形成された木材薄片の厚さ分布を
示す図である。
【図6】 本発明方法に使用する選別装置の一例を示す
斜視図である。
【図7】 本発明方法を応用して得られる床材の構造を
示す断面図である。
【図8】 木質板の製法の第2の例であり、かつ、本発
明の第1の例である製法を説明するための工程図であ
る。
【図9】 木質板の製法の第3の例を説明するための工
程図である。
【図10】図9に示す2つの切削工程で得られた木材薄
片の厚さ分布を示す説明図である。
【図11】木質板の製法の第4の例であり、かつ、本発
明の第2の例である製法を説明するための工程図であ
る。
【図12】木質板の製法の第5の例を説明するための工
程図である。
【図13】図12に示す切削装置で得られる木材薄片の
厚さ分布を示す説明図である。
【図14】図12に示す排除工程で用いられる装置の一
例を示す斜視図である。
【図15】図12に示す排除工程で用いられる装置の他
の例を示す斜視図である。
【図16】木質板の製法の第6の例を説明するための工
程図である。
【図17】木質板の製法の第7の例を説明するための工
程図である。
【図18】先の例で用いられる排除装置の一例を示す斜
しずである。
【図19】先の例で用いられる排除装置の他の例を示す
斜視図である。
【図20】木質板の製法の第8の例であり、かつ、本発
明の第3の例である製法を説明するための工程図であ
る。
【図21】従来の床材の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・芯材、 2・・・表層材、 3・・・化粧単
板、 31…合板、4、25、30、31、50、
75、90・・・切削工程、10、10a、32、34、
37、39、51・・・乾燥工程、11、33、38、5
2、76・・・塗布工程、12・・・厚さ選別工程、
20・・・第1フォーミング工程、21・・・第2フォ
ーミング工程、 22・・・第3フォーミング工程、
23・・・プレス工程、 26、45・・・大
きさ選別工程、27、46、47・・・重量選別工程、
52・・・排除工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 賢一 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−9042(JP,A) 特開 昭60−165205(JP,A) 特開 昭54−29362(JP,A) 特開 昭60−219007(JP,A) 特開 昭58−36432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27N 1/00 - 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を切削して木材薄片を作成する切削
    工程と、この木材薄片を多数堆積させて集積体を形成す
    るフォーミング工程と、この集積体を接着剤を利用して
    熱圧着により固化するプレス工程を具備する木質板の製
    法において、 前記フォーミング工程の前に、木材薄片の長さと幅を選
    別する大きさ選別工程と、この大きさ選別工程により大
    きさが揃えられた木材薄片を重量選別工程により厚型木
    材薄片と薄型木材薄片とに選別する選別工程を行うとと
    もに、 フォーミング工程を複数の工程に分割し、薄型木材薄片
    の堆積と厚型木材薄片の堆積をそれぞれ1回以上行って
    集積体を形成し、この集積体を熱圧着固化して厚型木材
    薄片からなる芯材と薄型木材薄片からなる表層材を具備
    する木質板を製造することを特徴とする木質板の製法。
  2. 【請求項2】 前記選別工程が、薄型木材薄片の平均厚
    さを0.5mm以下とし、厚型木材薄片の平均厚さを0.
    5mmを超えるものに選別する工程であることを特徴と
    する請求項1に記載の木質板の製法。
  3. 【請求項3】 木材を切削して木材薄片を作成する切削
    工程と、この木材薄片を多数堆積させて集積体を形成す
    るフォーミング工程と、この集積体を接着剤を利用して
    熱圧着により固化するプレス工程を具備する木質板の製
    法において、 前記フォーミング工程の前に、長さと幅を選別する大き
    さ選別工程と、この大きさ選別工程により大きさが揃え
    られた木材薄片を重量選別工程により、許容厚さ寸法以
    外の木材薄片を抽出し、除去もしくは寸法修正する排除
    工程を設けてなることを特徴とする木質板の製法。
  4. 【請求項4】 前記大きさ選別工程において長さ50〜
    75mm、幅6〜30mmの範囲の木材薄片を選別する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木質
    板の製法。
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