JPH09169012A - 木質板 - Google Patents

木質板

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Publication number
JPH09169012A
JPH09169012A JP33225595A JP33225595A JPH09169012A JP H09169012 A JPH09169012 A JP H09169012A JP 33225595 A JP33225595 A JP 33225595A JP 33225595 A JP33225595 A JP 33225595A JP H09169012 A JPH09169012 A JP H09169012A
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JP
Japan
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wood
core layer
board
surface layer
weight
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Application number
JP33225595A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kataoka
茂樹 片岡
Satoshi Suzuki
敏 鈴木
Akihiro Hoshikawa
明弘 星川
Tatsuo Iwata
立男 岩田
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材薄片を原料とし、軽量で、表面平滑性及
び耐湿性に優れ、しかも十分な強度、剛性を有し、なお
かつ難燃性が優れた木質板を提供すること。 【解決手段】 木材薄片集成板からなる芯層1と、その
芯層1の少なくとも一方の面に積層され、方向性木材薄
片集成板からなる表面層2とから形成され、その表面層
2が、前記芯層1をなす木材薄片よりも薄い木材薄片か
らなり、前記芯層1をなす木材薄片と表面層2をなす木
材薄片にはそれぞれ難燃剤が含浸されていることを特徴
とする木質板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築物の内装材等に
用いられる木質板に係わり、特に、木材薄片を原料とす
る板材を積層して構成され、表面が平滑で軽量であり、
優れた耐湿性を有し、しかも十分な強度及び剛性を有
し、なおかつ優れた難燃性を有する木質板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、木材資源の不足や、森林の保護が
問題となってきており、森林伐採は今後益々困難になる
ことは明かである。従って、原料木材を大量に使用して
製造される合板等の板材は、その供給が不安定あるいは
供給不足となり、価格も高騰することが予想される。よ
って、従来廃材とされていた木材薄片や、木材片の木質
繊維等を有効に利用して得られる木質板が注目され、そ
の木質板の種々の用途への応用が強く望まれている。
【0003】木材薄片や木質繊維等を利用した木質板
は、一般に、木材薄片や木質繊維等の構成要素をバイン
ダーで接着し、成形一体化して形成される。その際、構
成要素の寸法が小さくなるに従い、得られる木質板は均
質になり、表面も平滑になるが、強度、剛性は低下し、
密度は増加する。逆に構成要素の寸法を大きくすると、
木材本来が持っている強度、密度に近づいて行くが、そ
のような木質板は不均質で、表面の凹凸も大きくなる傾
向がある。
【0004】一方、合板を用いた内装材の例としては、
図3に示すように、合板31の片面に化粧単板3を接着
して形成されてなる床材が一般的に知られている。その
ような床材の原料となる合板は、ベニヤ単板等の複数枚
を、その木理方向が直行するように接着積層した板材で
あり、床材として使用するのに十分な強度、剛性を有し
ており、なおかつ表面は平滑である。従って、上記のよ
うな木質板を、従来合板を使用していた床材に応用する
ためには、その木質板に合板と同等以上の強度、剛性、
さらに、表面平滑性を持たせる必要があった。
【0005】しかしながら、例えば、木材を解繊して得
られる木質繊維を構成要素として知られている木質繊維
集積板では、均一で平滑な表面を有する木質板が得られ
るが、床材としては強度不足であり、高強度にするため
に木質板を厚くすると、密度が高いため重量が増加して
取扱い難くなる欠点があった。また、図4に示すよう
に、木材薄片21を、ほぼ一定方向に配列させてバイン
ダーで接着し、成形一体化した方向性木材薄片集成板で
は、強度の点で改善されてはいるが、その表面は不均一
で凹凸が大きいという問題があった。このような方向性
木材薄片集成板を床材に応用した場合には、化粧単板表
面に、下地の方向性木材薄片集成板の凹凸が現出してし
まうという問題が生じていた。
【0006】そこで、前述のような問題を解決するた
め、本願出願人は、特願平5−279911号におい
て、木材薄片集成板からなる芯層と、その芯層の少なく
とも一方の面に積層され、方向性木材薄片集成板からな
る表面層とから形成され、その表面層が、前記芯層をな
す木材薄片よりも薄い木材薄片からなる木質板を提案し
ている。ところが、この木質板においては、表面平滑
性、軽量化、耐湿性、強度及び剛性の点で改善されたも
のの、難燃性が低く、建築物の内装材としては、用途が
制限されてしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、木材薄片を原料とし、軽量で、表面平滑性及
び耐湿性に優れ、しかも十分な強度、剛性を有し、なお
かつ難燃性が優れた木質板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、木材薄片集成板からなる芯層と、その芯層の少なく
とも一方の面に積層され、方向性木材薄片集成板からな
る表面層とから形成され、その表面層が、前記芯層をな
す木材薄片よりも薄い木材薄片からなり、前記芯層をな
す木材薄片と表面層をなす木材薄片にはそれぞれ難燃剤
が含浸されていることを特徴とする木質板を前記課題の
解決手段とした。また、請求項2記載の発明にあって
は、前記表面層をなす木材薄片の厚さの平均値が0.2
0〜0.50mmであり、厚さの絶対値が0.08〜
0.60mmである請求項1記載の木質板を前記課題の
解決手段とした。また、請求項3記載の発明にあって
は、前記芯層をなす木材薄片の厚さの平均値が0.60
〜0.90mmであり、厚さの絶対値が0.50〜1.
50mmである請求項1又は2記載の木質板を前記課題
の解決手段とした。
【0009】また、請求項4記載の発明にあっては、密
度が0.4〜0.75g/cm3であり、曲げヤング係
数が35〜80×102MPaであることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の木質板を前記課題の解
決手段とした。また、請求項5記載の発明にあっては、
前記難燃剤の含浸量が、前記表面層をなす木材薄片10
0重量部と、芯層をなす木材薄片100重量部のそれぞ
れに対して固形分で10〜50重量部であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載の木質板を前記課
題の解決手段とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の木質板を詳細に
説明する。図1は、本発明の木質板の一例を示す図であ
り、図中1は芯層であり、木材薄片集成板からなってい
る。その芯層1の両面に、その芯層1をなす木材薄片よ
りも薄い木材薄片を用いた方向性木材薄片集成板からな
る表面層2が積層されている。また、芯層1をなす木材
薄片と表面層2をなす木材薄片にはそれぞれ難燃剤が含
浸されている。ここで、方向性木材薄片集成板とは、そ
れをなす木材薄片の木目方向を、ほぼ一方向に揃えて配
列させ、バインダーを用いて接着し成形一体化したもの
を意味するが、用いた木材薄片すべてが同一方向に配列
している必要はなく、およそ7割以上の木材薄片の木目
方向が同一方向に配列していればよい。
【0011】本発明の木質板の芯層1をなす木材薄片集
成板においては、厚さの平均値が0.60〜0.90m
mであり、厚さの絶対値が0.50〜1.50mmであ
る木材薄片を用いるのが好ましい。ここで、厚さの絶対
値とは、各木材薄片内の数カ所の異なった点における厚
さを平均した平均厚さを意味し、厚さの平均値とは、各
木材薄片の平均厚さを、用いる木材薄片全部について平
均した値を意味するものとする。また、この木材薄片の
長さは20〜100mm、幅は2〜60mmの範囲内で
あることが好ましい。これらの木材薄片としては、アカ
マツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ユー
カリ、ゴム、スラッシュパイン、ラジアータパイン、ロ
ッジポールパイン、ファルカタ、アカシヤ、スギ、メリ
ナ等の薄片が好適に用いられるが、樹種は特に限られる
ものではない。また、この芯層をなす木材薄片の配列
は、特に制限されるものではないが、ほぼ一方向に揃え
て配列されているのが好ましい。その場合、配列の方向
は、後述する表面層をなす木材薄片の配列方向と垂直に
するのが好ましいが、それに限られず、任意に選択でき
る。
【0012】この芯層1をなす木材薄片には、難燃剤が
含浸されている。ここで用いられる難燃剤としては、特
に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホス
フェート、トリス(ハロプロピル)ホスフェート、トリ
ス(ハロエチル)ホスフェート、リン酸カルバメートな
どのリン酸エステル系難燃剤、塩素系パラフィン、塩素
化ポリエチレン、パークロロペンタシクロデカン、ヘキ
サブロモベンゼン、デカブロモフェニルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、ヘキサブ
ロモシクロデカンなどの含ハロゲン有機化合物、三酸化
アンチモン、アンチモン酸塩、メタホウ酸バリウム、ホ
ウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、アンモニウムブロマイ
ドなどの無機系難燃剤、テトラブロモ無水フタル酸、ブ
ロモスチレン、ビニルブロマイドなどの反応型難燃剤が
挙げられ、これらのなかでもリン酸系難燃剤、ハロゲン
系難燃剤を用いるのが好ましい。
【0013】このような難燃剤を木材薄片に含浸させる
方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬法、
加圧含浸法、減圧浸透法、スプレー塗布法などが挙げら
れる。難燃剤の含浸量は、芯層1をなす木材薄片100
重量部に対して固形分で10〜50重量部、好ましくは
15〜25重量部とすることが望ましい。難燃剤の含浸
量が10重量部未満では、木質板の難燃化が不十分であ
り、一方、50重量部以上含浸させても、ももはや難燃
性を向上させる効果の増大は期待できず、コスト高とな
り、また、剛性が低下してしまうからである。
【0014】この芯層1をなす木材薄片は、発泡性バイ
ンダーを含む有機バインダーにより接着され成形一体化
されているのが好ましい。なお、本明細書においては、
発泡する性質を有するバインダーを「発泡性バインダ
ー」と呼称する。このような発泡性バインダーは、自己
発泡する樹脂から構成されていてもよく、または、非発
泡性樹脂と発泡剤によって構成されていてもよい。用い
られる有機バインダーとしては、必ずしも発泡性バイン
ダーを含む有機バインダーに限られるものではなく、非
発泡性バインダーでもよいし、発泡性バインダーあるい
はそれらの混合物のいずれでもよい。ここで用いられる
非発泡性バインダーとしては、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリール樹脂などが挙げ
られる。非発泡性バインダーと発泡性バインダーの混合
比は、目的とする木材薄片集成板の密度に応じて適宜調
整することができる。
【0015】この芯層1をなす木材薄片に対する有機バ
インダーの割合は、木材薄片100重量部に対して、5
〜15重量部、好ましくは8〜12重量部である。有機
バインダーの割合が5.0重量部未満では、パネル材と
しての剛性が十分でなく、耐湿性も低下してしまう、一
方、15重量部を超えると、コスト高となり、また比重
も高くなるため重量が増加し、取扱い難くなるからであ
る。さらに、この芯層1の厚さは、5mm〜13mmと
するのが好ましく、その密度は、0.40〜0.75g
/cm3とするのが好ましい。密度が0.40g/cm3
より小さいと、板の強度が不十分になり、逆に密度が
0.75g/cm3より大きい場合は、材料全体の重量
が増加して取扱い難くなる。この芯層1をなす木材薄片
集成板の曲げヤング係数は、35〜80×102MPa
であるのが好ましい。曲げヤング係数が35×102
Pa未満では、木質板としたときに、特に、床材に適用
したときにたわみが規定値よりも大きくなり、80×1
2MPaを越えると、歩行時に必要とする適度の弾性
が不足する。
【0016】本発明の木質板で、上記芯層1の少なくと
も一方の面に積層される表面層2は、厚さの平均値が
0.20〜0.50mmであり、厚さの絶対値が0.0
8〜0.60mmである木材薄片からなるのが好まし
い。この表面層2は、上記の厚さを有する木材薄片を、
ほぼ一方向に揃えて配列させ、バインダーを用いて成形
一体化した方向性木材薄片集成板をなしている。その木
材薄片の配列方向は特に限られるものではないが、木質
板の長手方向と平行にするのが好ましい。この表面層2
をなす木材薄片には、長さが20〜100mm、好まし
くは20〜75mm、幅が2〜60mm、好ましくは2
〜30mmのものが好適に用いられる。この木材薄片の
厚さの平均値が0.50mmを越えるか、もしくは厚さ
の絶対値が0.60mmを越えると、得られる木質板の
表面が平滑にならない。この木材薄片としては、アカマ
ツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ユーカ
リ、ゴム、スラッシュパイン、ラジアータパイン、ロッ
ジポールパイン、ファルカタ、アカシヤ、スギ、メリナ
等の薄片が好適に用いられるが、樹種は特に限られるも
のではない。
【0017】この表面層2をなす木材薄片には、難燃剤
が含浸されている。ここで用いられる難燃剤としては、
特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホス
フェート、トリス(ハロプロピル)ホスフェート、トリ
ス(ハロエチル)ホスフェート、リン酸カルバメートな
どのリン酸エステル系難燃剤、塩素系パラフィン、塩素
化ポリエチレン、パークロロペンタシクロデカン、ヘキ
サブロモベンゼン、デカブロモフェニルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、ヘキサブ
ロモシクロデカンなどの含ハロゲン有機化合物、三酸化
アンチモン、アンチモン酸塩、メタホウ酸バリウム、ホ
ウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、アンモニウムブロマイ
ドなどの無機系難燃剤、テトラブロモ無水フタル酸、ブ
ロモスチレン、ビニルブロマイドなどの反応型難燃剤が
挙げられ、これらのなかでもリン酸系難燃剤、ハロゲン
系難燃剤を用いるのが好ましい。このような難燃剤を木
材薄片に含浸させる方法としては、特に限定されない
が、例えば、浸漬法、加圧含浸法、減圧浸透法、スプレ
ー塗布法などが挙げられる。
【0018】難燃剤の含浸量は、表面層2をなす木材薄
片100重量部に対して固形分で10〜50重量部、好
ましくは15〜25重量部とすることが望ましい。難燃
剤の含浸量が10重量部未満では、木質板の難燃化が不
十分であり、一方、50重量部以上含浸させても、もは
や難燃性を向上させる効果の増大は期待できず、コスト
高となり、また、剛性が低下してしまうからである。
【0019】この表面層2をなす木材薄片は、有機バイ
ンダーにより接着され成形一体化されている。この表面
層2に用いられる有機バインダーとしては、前記したよ
うな非発泡性バインダーでもよいし、発泡性バインダー
あるいはそれらの混合物のいずれでもよいが、実用的に
は、成形用の金型からの離型性の点で、非発泡性バイン
ダーを主体とするものが好ましい。それらの混合比は、
目的とする表面層2の密度と離型性を考慮して、適宜設
定することができる。
【0020】また、この表面層2における木材薄片に対
する有機バインダーの割合は、木材薄片100重量部に
対して5.0〜15重量部、好ましくは8〜12重量部
である。有機バインダーの割合が5.0重量部未満で
は、パネル材としての剛性が十分でなく、耐湿性も低下
してしまう、一方、15重量部を超えると、コスト高と
なり、また比重も高くなるため重量が増加し、取扱い難
くなるからである。また、この表面層2の厚さは、1〜
5mm、好ましくは1〜3mmとするのが好ましい。さ
らに、この表面層2の密度は、0.40〜0.75g/
cm3とするのが好ましい。密度が0.40g/cm3
り小さいと、板の強度が不十分になり、逆に密度が0.
75g/cm3より大きい場合は、材料全体の重量が増
加して取扱い難くなる。この表面層2をなす方向性木材
薄片集成板の曲げヤング係数は35〜80×102MP
aであるのが好ましい。曲げヤング係数が35×102
MPa未満では、木質板としたときに、特に、床材に適
用したときにたわみが規定値よりも大きくなり、一方、
80×102MPaを越えると、歩行時に必要とする適
度の弾性が不足する。
【0021】本発明の木質板では、前記芯層1の両表面
に表面層2を積層のが好ましく、その場合は、両面に同
種の方向性木材薄片集成板からなる表面層2を積層する
のが好ましい。また、本発明にあっては、芯層1をなす
木材薄片に難燃剤を含浸、乾燥させた後、有機バインダ
ーを塗布したものと、表面層2をなす木材薄片に難燃剤
を含浸、乾燥させた後、有機バインダーを塗布したもの
を乾式フォーミング(予備成形)し、それを同時熱圧成
形し、トリミングを行うのが好ましい。
【0022】具体的には、まず、熱圧板上に、一方の表
面層2をなす木材薄片に難燃剤を含浸、乾燥させ、バイ
ンダーを塗布したものを、木材薄片がほぼ一方向に並ぶ
ようにして散布し、その上に、芯層1をなす木材薄片に
難燃剤を含浸、乾燥させ、バインダーを塗布したものを
散布する。さらに、他方の表面層2をなす木材薄片に難
燃剤を含浸、乾燥させ、バインダーを塗布したものを、
木材薄片がほぼ同方向に並ぶようにして散布し、3層積
層体とする。次に、熱圧成形機中でこの3層積層体に熱
圧を加えて熱圧同時成形する。その熱圧条件は、圧力が
1〜2MPa、温度が150〜230℃、時間が、目的
とする厚み(mm)×5〜120秒とすることが好まし
い。このようにして得られる本発明の木質板は、その密
度が0.4〜0.75g/cm3であり、曲げヤング係
数が35〜80×102MPaであるようにするのが好
ましい。
【0023】次に、本発明の木質板を床材に適用した例
について説明する。上記のようにして成形した木質板に
おいて、図2に示したように芯層1の両面に表面層2が
設けられている場合は、その表面層2の少なくとも一方
の表面に、別に用意しておいた化粧単板3を接着剤で貼
付け、床材を得る。また、芯層1の一方の面のみに表面
層2が設けられている場合は、その表面層2の表面に、
化粧単板3を貼付けて、床材を得る。その際、表面層2
の表面を、従来から行われている方法によって研磨し、
その研磨した面に化粧単板を3接着するようにしてもよ
い。ここで用いられる化粧単板3は特に限定されず、オ
ーク突板等の従来から使用されている厚さ0.2〜1.
0mm程度の化粧単板が使用でき、特に本発明の木質板
は表面が平滑、平坦であるので、薄い化粧単板を使用し
ても床材の表面は平滑である。また、この化粧単板3の
表面は、厚さ40〜60μm程度のウレタン塗装等を施
してもよい。
【0024】この例の木質板によれば、芯層として木材
薄片集成板を用い、その少なくとも一方の表面に、表面
層として、芯層をなす木材薄片より薄い木材薄片からな
る方向性木材薄片集成板を積層したものであるので、強
度、剛性が向上しており、さらに、その芯層と表面層を
同時成形することができるので、芯層に部分的硬軟や厚
薄があっても、木質板全体の表面は平滑とすることがで
きる。また、芯層をなす木材薄片と表面層をなす木材薄
片にそれぞれ難燃剤が含浸されたものであるので、難燃
性が優れたものとなり、従って、建築物の内装材として
用いた場合、用途の自由度が大きくなるという利点があ
る。また、木材薄片を有機バインダーを用いて成形一体
化しているので、耐湿性が優れる。また、芯層において
は、厚い木材薄片を発泡性バインダーを含む有機バイン
ダーを用いて成形一体化しているので、樹脂の使用量が
少なく、得られる木質板の密度は低くなるので軽量であ
り、また、発泡性バインダー自体は微小気泡を含んでい
るので柔軟化され、外力に対する緩衝作用があり破壊さ
れ難い。従って、このような木質板に化粧単板を接着し
て形成された床材は、表面が平滑であり、十分な強度、
剛性を有している。
【0025】
【実施例】以下、本発明を更に理解しやすくするため、
参考例、実施例および比較例により、具体的に説明す
る。かかる実施例は、本発明の一態様を示すものであ
り、この発明を限定するものではない。本発明の範囲で
任意に変更可能である。 (実施例1)芯層をなす木材薄片として、長さが75〜
80mm、幅が5〜50mm、厚さの平均値が0.60
mmである木材薄片を、シェービングマシン((株)岩
倉組製)で作製した。ついで、これらの木材薄片100
重量部を難燃剤(リン酸カルバメート系:ノンネンW2
−50,丸菱油化工業製)の25%水溶液に約10分間
浸漬させた後、取出し70℃で24時間、90℃で24
時間乾燥し、難燃剤を20重量部含浸させた木材薄片を
調整した。ついで、難燃剤を含浸させた木材薄片を低速
で回転する回転ドラム内に入れ、これら木材薄片がドラ
ム内で自然落下する際に、有機バインダー{(粗メチレ
ンジフェニルジイソシアネート:スミジュール44V2
0、住友バイエル社製)/(フェノール樹脂:レジトッ
プPL4600、郡栄化学工業製)=3/1(重量
比)}12重量部と、撥水剤2重量部をスプレーにより
散布することにより、木材薄片に有機バインダー及び撥
水剤を塗布した。
【0026】表面層をなす木材薄片として、長さが30
〜75mm、幅が2〜30mm、厚さの絶対値が0.1
5〜0.30mmである木材薄片を、シェービングマシ
ン((株)岩倉組製)で作製した。ついで、これらに前
述の芯層をなす木材薄片に含浸させたものと同様の難燃
剤を20重量部含浸させた木材薄片を調整した。つい
で、難燃剤を含浸させた木材薄片に、前述の芯層をなす
木材薄片と同様にして有機バインダー及び撥水剤を塗布
した。
【0027】ついで、バインダー及び撥水剤を塗布した
表面層をなす木材薄片のうちの半分を、熱圧板上に、木
材薄片の配列方向がほぼ一方向になるように散布し、そ
の上に、バインダー及び撥水剤を塗布した芯層をなす木
材薄片を散布した。さらにその上に、残りの表面層をな
す木材薄片を、木材薄片の配列方向がほぼ同方向になる
ように散布し、厚さ150mmの積層体とした。その積
層体を、厚さ13mmとなるように、温度150℃、圧
力2MPaで15分間熱圧同時成形し、木質板を得た。
このようにして作製された芯層の両面に表面層が設けら
れてなる木質板の表面は平滑であった。
【0028】上記の木質板について、難燃性試験を行っ
た。難燃性試験は、JIS−A−1321「建築物の内
装材料及び工法の難燃性試験方法」に準じて行った。そ
の結果を表1に示す。実施例1で得られた木質板は、T
C(排気温度曲線が標準温度曲線を超えるまでの時間)
=3.75分、Tdθ(標準温度曲線を超える温度時間
面積)=153.7、CA(単位面積当りの発炎係数)
=32.1以下、残炎20秒、貫通無であり、難燃性試
験の難燃3級に合格した。なお、難燃化木質板表面燃焼
試験の難燃3級の合格の規格は、TC=3.0分以上、
Tdθ=350以下、CA=120以下、残炎30秒以
下、貫通無しである。また、上記の木質板について、そ
の密度、曲げ強さ及び曲げヤング係数、剥離強度、吸水
厚さ膨張率を測定した。曲げ強さに関しては、JIS−
A−5908に基づいて評価した。その結果、密度は
0.66g/cm3、曲げ強さは524kg/cm2、曲
げヤング係数は67t/cm2、剥離強度は12.1k
g/cm2、吸水厚さ膨張率は4.7%で十分な性能を
示した。
【0029】(実施例2)表面層をなす木材薄片ならび
に芯層をなす木材薄片への難燃剤の含浸量をそれぞれ1
5重量部とした以外は実施例1と同様にして木質板を得
た。得られた木質板について、実施例1と同様にして難
燃性試験を行った。その結果を下記表1に示す。実施例
2で得られた木質板は、TC=3.57分、Tdθ=2
22.3、CA=36.9、残炎20秒、貫通無であ
り、難燃化木質板表面燃焼試験に合格した。上記の木質
板について、その密度、曲げ強さ及び曲げヤング係数、
剥離強度、吸水厚さ膨張率を実施例1と同様にして測定
した。その結果、密度は0.56g/cm3、曲げ強さ
は459kg/cm2、曲げヤング係数は52t/c
2、剥離強度は7.4kg/cm2、吸水厚さ膨張率は
4.0%で十分な性能を示した。
【0030】(比較例1)表面層をなす木材薄片への難
燃剤の含浸量を10重量%、芯層をなす木材薄片への難
燃剤の含浸量を5重量部とした以外は実施例1と同様に
して木質板を得た。得られた木質板について、実施例1
と同様にして難燃性試験を行った。その結果を下記表1
に示す。比較例1で得られた木質板は、TC=3.40
分、Tdθ=252.7、CA=42.9、残炎40
秒、貫通無であり、難燃性木質板表面燃焼試験に不合格
であった。上記の木質板について、その密度、曲げ強さ
及び曲げヤング係数、剥離強度、吸水厚さ膨張率を実施
例1と同様にして測定した。その結果、密度は0.59
g/cm3、曲げ強さは520kg/cm2、曲げヤング
係数は67t/cm2、剥離強度は12kg/cm2、吸
水厚さ膨張率は4.5%を示した。これらの結果から、
本発明の木質板は、軽量で、耐湿性に優れ、しかも十分
な強度、剛性を有するうえ、難燃性が優れていることが
わかる。
【0031】(参考例1〜11)表面層をなす木材薄片
への難燃剤の含浸量を0〜25重量%の範囲で変更し、
芯層をなす木材薄片への難燃剤の含浸量を0〜20重量
%の範囲で変更した以外は実施例1と同様にして木質板
を得た。得られた木質板について、実施例1と同様にし
て難燃性試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の木質板にあ
っては、芯層として木材薄片集成板を用い、その少なく
とも一方の表面に、表面層として、芯層をなす木材薄片
より薄い木材薄片からなる方向性木材薄片集成板を積層
したものであるので、剛性が十分で、高強度であり、さ
らに、その芯層と表面層を同時成形することができるの
で、芯層に部分的硬軟や厚薄があっても、木質板全体の
表面は平滑とすることができる。また、本発明の木質板
においては、芯層をなす木材薄片と表面層をなす木材薄
片にそれぞれ難燃剤が含浸されたものであるので、難燃
性が優れたものとなり、よって、建築物の内装材として
用いた場合、用途の自由度が大きくなるという利点があ
る。さらに、木材薄片を有機バインダーを用いて成形一
体化しているので、耐湿性が優れたものを得ることがで
きる。また、芯層に発泡性バインダーを含む有機バイン
ダーを用いることにより、低密度化することができ、軽
量、高強度の木質板を得ることができる。従って、本発
明の木質板の表面に化粧単板を接着して形成した床材
は、表面平滑性に優れ、従来の合板を使用した床材を凌
ぐ剛性、曲げ強さ、曲げたわみを持ち、床材として十分
に使用できる特性を有している。本発明の木質板および
本発明の木質板を用いて作製された床材によれば、従来
廃材とされていた原料を有効利用でき、木材資源を保護
する効果がある。また、そのような原料は低価格であ
り、原料コストの削減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質板の一例を示す図である。
【図2】 本発明の木質板を用いた床材の一例を示す断
面図である。
【図3】 従来の合板を用いた床材の構造を示す図であ
る。
【図4】 従来の方向性木材薄片集成板の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1…芯層、2…表面層、3…化粧単板、31…合板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 立男 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材薄片集成板からなる芯層と、その芯
    層の少なくとも一方の面に積層され、方向性木材薄片集
    成板からなる表面層とから形成され、その表面層が、前
    記芯層をなす木材薄片よりも薄い木材薄片からなり、前
    記芯層をなす木材薄片と表面層をなす木材薄片にはそれ
    ぞれ難燃剤が含浸されていることを特徴とする木質板。
  2. 【請求項2】 前記表面層をなす木材薄片の厚さの平均
    値が0.20〜0.50mmであり、厚さの絶対値が
    0.08〜0.60mmである請求項1記載の木質板。
  3. 【請求項3】 前記芯層をなす木材薄片の厚さの平均値
    が0.60〜0.90mmであり、厚さの絶対値が0.
    50〜1.50mmである請求項1又は2記載の木質
    板。
  4. 【請求項4】 密度が0.4〜0.75g/cm3であ
    り、曲げヤング係数が35〜80×102MPaである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木質
    板。
  5. 【請求項5】 前記難燃化剤の含浸量が、前記芯層をな
    す木材薄片100重量部と表面層をなす木材薄片100
    重量部のそれぞれに対して固形分で10〜50重量部で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    木質板。
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JP2007519537A (ja) * 2004-01-27 2007-07-19 リグノール リミテッド 堅木ストランド製品

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